JP2014094168A - 薬剤収納容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】動物の皮膚や人の頭皮等に薬剤を直接塗布可能である簡単な構造の薬剤収納容器を提供する。
【解決手段】薬剤収納容器1は、容器本体2と、容器本体2の先端部2aに一体形成された環状の毛押さえ部3とを有する。容器本体2には、液体状や半固形状の薬剤6が所定量充填されている。容器本体2に形成された薄肉部2bを剥ぎ取ることで容器本体2の先端部2aに開口部8が形成され、毛押さえ部3は開口部8を囲むように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、人或いは犬や猫等の動物の皮膚に投与される液体状または半固形状の薬剤を収納するとともに、容器から薬剤を押し出して直接皮膚に塗布可能な薬剤収納容器に関するものである。
近年、犬や猫などのペットの皮膚に蚤などの寄生虫が付かないように定期的に寄生虫駆除用薬剤をペットの皮膚に投与することが行われており、家庭で簡易に寄生虫駆除用薬剤が投与できるように容器内に薬剤を収納したものが市販されている。
例えば、特許文献1には、薬剤を密封収納した容器と、容器先端に取付けられたノズル状キャップ部とからなり、ノズル状キャップの底面の鋭利な部位を用いて容器に開口部を形成する寄生虫駆除用薬剤容器が開示されている。また、ノズル状キャップの先端部をフィン構造またはフォーク状構造とし、薬剤投与する際に動物の毛を掻き分けて使用できる形状も記載されている。
特表2010−523417号公報
しかしながら、特許文献1の薬剤容器を使用して動物の皮膚に薬剤を塗布する場合、ノズル状キャップの先端部をフィン構造とすると、ノズル先端の側方に生える毛を押さえることはできるものの、ノズル先端の前方に生える毛を押さえることはできず、多量の薬液が毛に付着してしまうおそれがあった。また、ノズル状キャップの先端部をフォーク状構造とすると、薬液がフォーク状構造のノズル先端から出る形状であるため、動物の毛を掻き分けながら所望の箇所に薬液を投与し難いという問題があった。
なお、ここでは動物の皮膚に薬剤を塗布する場合の問題点について説明したが、人の頭皮等の毛髪の生えた部分に薬液を塗布する場合においても同様の問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑み、動物の皮膚や人の頭皮等に薬剤を直接塗布可能である簡単な構造の薬剤収納容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、液体状または半固形状の薬剤を収納する容器本体と、該容器本体の一端に形成される開口部と、を備え、前記開口部から薬剤を押し出して直接皮膚に塗布可能な薬剤収納容器であって、前記容器本体の前記開口部が形成される側の端部に、前記開口部を囲む環状の毛押さえ部を設けたことを特徴とする薬剤収納容器である。
また本発明は、上記構成の薬剤収納容器において、前記開口部は、前記容器本体の薄肉部を剥ぎ取ることで形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の薬剤収納容器において、前記薄肉部の前記毛押さえ部側の端部に把持部を形成したことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の薬剤収納容器において、前記薄肉部は、前記容器本体から剥ぎ取られた状態で一部分が前記容器本体に連結されており、前記容器本体に、前記薄肉部を剥ぎ取った後に前記把持部を係止するための係止部を形成したことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の薬剤収納容器において、前記把持部は前記毛押さえ部の内側に重なるように形成され、前記毛押さえ部に対し所定の角度を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の薬剤収納容器において、前記毛押さえ部は、外周縁の少なくとも一部に凹凸部を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の薬剤収納容器において、前記毛押さえ部は、可撓性を有する樹脂材料によって前記容器本体と一体形成されることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、容器本体の開口部側の端部に開口部を囲むように形成された環状の毛押さえ部を用いて、薬剤を塗布したい部分の周囲の毛を押さえて簡単に倒伏させることができる。その結果、容器本体から注出された薬剤をなるべく周囲の毛に付着させずに、皮膚の所望の部分に効率良く塗布することができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の薬剤収納容器において、容器本体の薄肉部を剥ぎ取ることで開口部が形成されることにより、使用前は容器本体が密封されているために容器本体からの薬剤の漏出のおそれがなく、使用時には薄肉部を剥ぎ取るだけで開口部を簡単に形成することができる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の薬剤収納容器において、薄肉部の毛押さえ部側の端部に把持部を形成することにより、使用時には把持部を把持して薄肉部を容易に剥ぎ取ることができる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第3の構成の薬剤収納容器において、薄肉部は、容器本体から剥ぎ取られた状態で一部分が容器本体に連結されており、容器本体に、薄肉部を剥ぎ取った後に把持部を係止するための係止部を形成することにより、薬剤の塗布時に薄肉部及び把持部が揺動せず、塗布作業を円滑に行うことができる。また、薄肉部及び把持部は、開口部を形成した後も容器本体に連結された状態であるため、容器本体と共に廃棄することができ、動物が誤食するおそれもなくなる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第3又は第4の構成の薬剤収納容器において、把持部は毛押さえ部の内側に重なるように形成されるため、薬剤収納容器がコンパクトな構成となる。また、把持部が毛押さえ部に対し所定の角度を有することにより、把持部を把持する際に毛押さえ部が邪魔にならず、把持しやすい構成となる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1乃至第5のいずれかの構成の薬剤収納容器において、毛押さえ部は、外周縁の少なくとも一部に凹凸部を有することにより、薬剤を塗布したい部分を露出させる際に凹凸部を用いて毛を掻き分け易くなる。
また、本発明の第7の構成によれば、上記第1乃至第6のいずれかの構成の薬剤収納容器において、毛押さえ部は、可撓性を有する樹脂材料によって容器本体と一体形成されることにより、毛押さえ部を撓ませるように押し付けることで毛押さえ部と皮膚とを密着させることができる。そのため、薬剤を塗布したい部分の周囲の毛を確実に倒伏させることができる。また、容器本体と毛押さえ部とが1パーツで構成されるため、製造が容易で低コストな薬剤収納容器となる。
本発明の一実施形態に係る薬剤収納容器1の正面図 本実施形態の薬剤収納容器1の側面断面図 本実施形態の薬剤収納容器1のプルリング5に指を掛けて引き上げることにより、容器本体2から薄肉部2bを剥ぎ取る状態を示す斜視図 図3の状態からプルリング5を凸部7に係止した後、容器本体2を押圧して開口部8から薬剤6を注出する状態を示す斜視図 本実施形態の薬剤収納容器1を用いて動物の皮膚に薬剤を塗布する様子を示す斜視図 薬剤収納容器1の容器本体2に形成される開口部8の他の形状を示す部分拡大図
以下、図面を参照しながら本発明の薬剤収納容器について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る薬剤収納容器1の正面図であり、図2は、薬剤収納容器1の側面断面図(図1のAA′矢視断面図)である。薬剤収納容器1は、液体状またはゲル状(半固形状)の薬剤6(ここでは寄生虫駆除剤)が充填される中空状の容器本体2と、容器本体2の先端部2aに一体形成された環状の毛押さえ部3とを有する。毛押さえ部3の先端には凹凸部3aが形成されている。
容器本体2は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂の射出成形品(インジェクション成形品)が用いられる。なお、射出成形品に限らず、例えば、加熱軟化させた合成樹脂製のシートを金型(雄型若しくは雌型)に合わせて減圧吸引する真空成形法により形成された容器本体2を用いても良い。また、射出成形、真空成形以外の成形法としては、圧空成形(真空圧空成形、押出圧空成形、熱板圧空成形等)、プレス成形法等の周知の成形方法がコストも安価であり好ましい。
なお、必要に応じて、基材層、印刷層、バリア層、中間層、熱可塑性樹脂層、及びこれらの各層を接着するための接着層等から成る積層構造の容器本体2を用いることもできる。基材層を構成する材料としては、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂を用いることができ、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリアセタール系等の樹脂を用いることができる。基材層の厚さとしては基材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストなどを勘案して決定すれば良い。
印刷層は、容器本体2の表面に所望の印刷模様を形成するための層である。バリア層は、特に内包される内容物が水分や酸素により変質し易い場合、容器本体2に水蒸気バリア性、或いはガスバリア性を付与するものである。中間層は、耐ピンホール性、耐熱性、耐光性、品質保全性、作業性、衛生性等を付与するものである。熱可塑性樹脂層は、薬剤6を充填した後の容器本体2の開口を熱融着するための層である。熱可塑性樹脂層としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の樹脂の一種ないしこれらを混合した樹脂を使用することができる。
また、例えば加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度その他を改良、改質する目的で、容器本体2の材料となる合成樹脂に、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等を挙げることができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
容器本体2には帯状の薄肉部2bが形成されている。薄肉部2bは容器本体2の側面から先端部2aを越えて毛押さえ部3の内側まで延設されており、薄肉部2bの先端には指掛け用のプルリング5が形成されている。図1に示すように、プルリング5は毛押さえ部3に重なるように形成されており、薬剤収納容器1がコンパクトな構成になっている。また、図2に示すように、プルリング5は毛押さえ部3に対して所定の角度を有しており、プルリング5に指を掛ける際に毛押さえ部3が邪魔にならない構成になっている。容器本体2の後端には薬剤6の充填後に容器本体2を封止するシール部2cが形成されている。シール部2cには、薄肉部2bを剥ぎ取った後にプルリング5を係止するための凸部7が形成されている。
薬剤収納容器1の製造方法の一例としては、先ず、溶融状態の熱可塑性樹脂を低温の金型内に高圧で射出して固化させることにより、後端が開口した中空状の容器本体2(薬剤収納容器1の半製品)を成型する。次に、容器本体2の後端から所定量の薬剤6を充填した後、ヒートシールや超音波シール等で後端をシールしてシール部2cを形成することにより、薬剤6が充填された薬剤収納容器1の完成品が製造される。
薬剤収納容器1内の薬剤6を使用する場合は、図3に示すように、プルリング5に指を掛けて引き上げることにより、容器本体2から薄肉部2bを剥ぎ取る。これにより、容器本体2にスリット状の開口部8が形成される。そして、図4に示すようにプルリング5を凸部7に係止した後、容器本体2を押圧することにより、開口部8から薬剤6が注出される。
図5は、本実施形態の薬剤収納容器1を用いて動物の皮膚に薬剤を塗布する様子を示す斜視図である。先ず、図4の状態にした薬剤収納容器1を把持し、毛押さえ部3の凹凸部3aで動物の毛を掻き分けて塗布する部分の皮膚を露出させる。そして、毛押さえ部3を撓ませるように皮膚に押し付けて、露出させた部分の周囲の毛を倒伏させる。この状態で容器本体2を押圧し、開口部8から適量の薬剤6を注出して塗布する。
本実施形態の薬剤収納容器1では、容器本体2の先端部2aに開口部8を囲むように形成された環状の毛押さえ部3を用いて、薬剤を塗布したい部分の周囲の毛を押さえて簡単に倒伏させることができる。その結果、容器本体2から注出された薬剤6をなるべく周囲の毛に付着させずに、皮膚に効率良く塗布することができる。また、毛押さえ部3は撓み変形可能であるため、皮膚に押し付けて密着させることで薬剤を塗布したい部分の周囲の毛を確実に倒伏させることができる。さらに、毛押さえ部3の先端に凹凸部3aを形成することにより、動物の毛を掻き分け易い構造となっている。毛押さえ部3は開口部8を囲む環状であれば円形に限らず、矩形(額縁状)や三角形等の任意の形状とすることができる。
また、使用前は容器本体2が密封されているため、容器本体2からの薬剤6の漏出のおそれがない。そして、使用時には薄肉部2bの端部に形成されたプルリング5に指を掛けて引っ張ることにより、容器本体2から薄肉部2bを剥ぎ取って容易に開口部8を形成することができる。
また、容器本体2のシール部2cに形成された凸部7にプルリング5を係止することで、開口部8を形成した後の薄肉部2b及びプルリング5を容器本体2に沿って固定することができる。そのため、薬剤6の塗布時に薄肉部2b及びプルリング5が揺動せず、塗布作業を円滑に行うことができる。
また、毛押さえ部3、プルリング5、凸部7は容器本体2と一体形成されており、薬剤収納容器1が1パーツで構成されるためコスト面でも有利となる。さらに、薄肉部2b及びプルリング5は、開口部8を形成した後も容器本体2に連結された状態であるため、薬剤収納容器1の開封後に薄肉部2b及びプルリング5が散逸しない。従って、薄肉部2b及びプルリング5を容器本体2と共に確実に廃棄することができ、誤ってペットが食べてしまうおそれもなくなる。
なお、上記実施形態のように、容器本体2に帯状に形成された薄肉部2bを剥ぎ取ることでスリット状の開口部8を形成した場合、容器本体2の押圧によってスリット状の開口部8全域から薬剤6が注出されてしまい、薬剤6を塗布したい部分以外にも薬剤6が付着するおそれがある。
そこで、図6に示すように、薄肉部2bを容器本体2の先端部2a近傍のみに形成し、薄肉部2bを剥ぎ取ることでスポット状の開口部8を形成することが好ましい。この構成によれば、開口部8から注出された薬剤6を塗布したい部分に容易に且つ確実に塗布することができる。この場合、図1の構成に比べて薄肉部2bの長さは短くなるため、プルリング5を係止する凸部7を容器本体2の側面に形成しておけば良い。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した薬剤収納容器1の構成は好ましい一例に過ぎず、薄肉部2bを剥ぎ取るためのプルリング5や、プルリング5を保持するための凸部7は必須の構成要素ではない。また、プルリング5に代えてフック状の把持部を設けることもできる。
また、上記実施形態では、容器本体2に開口部8を形成するための薄肉部2bを設けたが、薄肉部2bを設けずに、鋭利な突起等で容器本体2の先端部に開口部を形成することもできる。さらに、容器本体2の形状も図1、図2に示したような偏平状に限らず、例えば筒状としても良い。
また、上記実施形態では、毛押さえ部3の先端(開口部8に対向する位置)に凹凸部3aを形成したが、凹凸部3aは毛押さえ部3の外周縁の少なくとも一部に形成されていれば良く、毛押さえ部3の側端に形成されていても良いし、毛押さえ部3の外周縁全体に形成されていても良い。
本発明は、人或いは動物の皮膚に投与される液状または半固形状の薬剤を収納するとともに、容器から薬剤を押し出して直接皮膚に塗布可能な薬剤収納容器に利用可能である。本発明の利用により、動物の皮膚や人の頭皮等の毛の生えた部分に薬剤を塗布する際、薬剤をなるべく周囲の毛に付着させずに、皮膚の所望の部分に薬剤を効率良く塗布できる簡易な構成の薬剤収納容器となる。
1 薬剤収納容器
2 容器本体
2a 先端部
2b 薄肉部
2c シール部
3 毛押さえ部
3a 凹凸部
5 プルリング(把持部)
6 薬剤
7 凸部(係止部)
8 開口部

Claims (7)

  1. 液体状または半固形状の薬剤を収納する中空状の容器本体と、
    該容器本体の一端に形成される開口部と、
    を備え、前記開口部から薬剤を押し出して直接皮膚に塗布可能な薬剤収納容器であって、
    前記容器本体の前記開口部が形成される側の端部に、前記開口部を囲む環状の毛押さえ部を設けたことを特徴とする薬剤収納容器。
  2. 前記開口部は、前記容器本体の薄肉部を剥ぎ取ることで形成されることを特徴とする請求項1に記載の薬剤収納容器。
  3. 前記薄肉部の前記毛押さえ部側の端部に把持部を形成したことを特徴とする請求項2に記載の薬剤収納容器。
  4. 前記薄肉部は、前記容器本体から剥ぎ取られた状態で一部分が前記容器本体に連結されており、前記容器本体に、前記薄肉部を剥ぎ取った後に前記把持部を係止するための係止部を形成したことを特徴とする請求項3に記載の薬剤収納容器。
  5. 前記把持部は前記毛押さえ部の内側に重なるように形成され、前記毛押さえ部に対し所定の角度を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の薬剤収納容器。
  6. 前記毛押さえ部は、外周縁の少なくとも一部に凹凸部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の薬剤収納容器。
  7. 前記毛押さえ部は、可撓性を有する樹脂材料によって前記容器本体と一体形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の薬剤収納容器。
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