JP2014092565A - 交換レンズ鏡筒 - Google Patents

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正浩 石渡
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Abstract

【課題】有効に静電気を放出し内部電気部品,電気回路等を保護し得る構成を備えた交換レンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】交換レンズ鏡筒10において、交換レンズ鏡筒の周りに回動可能で光軸O方向に移動可能な操作環17と、カメラボディ2に着脱するための金属製のレンズマウント12aと、操作環とレンズマウントとの間に設けられ両者間の電気的導通を保持し操作環の光軸方向の移動に応じて弾性変形する導電性の弾性変形部材43とを具備する。
【選択図】図17

Description

この発明は、金属製の可動鏡筒部材に生じる静電気を放出するための静電気対策機構を備えた交換レンズ鏡筒に関するものである。
従来、撮影光学系により結像された光学像を光電変換素子等によって順次画像信号に変換し、これにより得られた画像信号を所定の形態の画像データとして記録媒体に記録し得ると共に、この記録媒体に記録された画像データを画像として再生表示する画像表示装置、例えば液晶表示装置(LCD)等を備えて構成された撮影装置、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等(以下、これらを総称してカメラという)が一般に実用化され、広く普及している。
このようなカメラにおいては、撮影光学系を備えたレンズ鏡筒をカメラ本体に対して着脱自在に構成したいわゆるレンズ交換式のカメラが一般に普及している。このレンズ交換式カメラにおいて使用される交換レンズ鏡筒は、例えば合焦動作(フォーカシング)や変倍動作(ズーミング)を行う際に、光軸周りに回転したり光軸方向へと移動する操作部材を有するものがある。そして、これらの構成部材が金属材料によって構成されているものがある。このような構成の交換レンズ鏡筒においては、金属製の操作部材が回転若しくは移動する際に静電気が発生する可能性がある。
そこで、交換レンズ鏡筒において、上述のような静電気を放出するための静電気対策機構等については、例えば特開2006−39374号公報等によって種々の提案がなされている。
上記特開2006−39374号公報等によって開示されている手段は、金属製鏡筒部材を有するレンズ鏡筒において、金属鏡筒に植設した金属ピンを導電塗料を塗布したカム溝にカム嵌合させることによって、金属鏡筒に発生した静電気をカム溝を介して放出するというものである。
特開2006−39374号公報
ところが、上記特開2006−39374号公報等によって開示されている従来の手段は、金属製の鏡筒部材(フォーカスリング若しくはズームリング等)が光軸方向に移動する構成であったり、エンドレスに回転する構成の場合には、有効に静電気を放出することができないという問題点がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、金属製の鏡筒部材(フォーカスリング若しくはズームリング等)が光軸周りに回転し、かつ光軸方向にも移動し得るように構成された操作部材を備えた交換レンズ鏡筒において、回転若しくは移動動作に追従させる簡単な機構によって、有効に静電気を放出することができ、よって内部に設けられる電気部品,電気回路等を保護し得るように構成した交換レンズ鏡筒を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様の交換レンズ鏡筒は、上記交換レンズ鏡筒の周りに回動可能で光軸方向に移動可能な操作環と、カメラボディに着脱するための金属製のレンズマウントと、上記操作環と上記レンズマウントとの間に設けられ、両者間の電気的導通を保持し、上記操作環の上記光軸方向の移動に応じて弾性変形する導電性の弾性変形部材とを具備する。
本発明によれば、金属製の鏡筒部材(フォーカスリング若しくはズームリング等)が光軸周りに回転し、かつ光軸方向にも移動し得るように構成された操作部材を備えた交換レンズ鏡筒において、回転若しくは移動動作に追従させる簡単な機構によって、有効に静電気を放出することができ、よって内部に設けられる電気部品,電気回路等を保護し得るように構成した交換レンズ鏡筒を提供することができる。
本発明の一実施形態の交換レンズ鏡筒を備えたカメラシステムの前面側を示す斜視図 本発明の一実施形態の交換レンズ鏡筒において、回転操作部材が第1の位置に位置する状態を示す上面図 図2の交換レンズ鏡筒において、回転操作部材が第2の位置に位置する状態を示す上面図 図2の交換レンズ鏡筒の断面図 図2の状態の断面図 図3の状態の断面図 図2の交換レンズ鏡筒において、回転操作部材と表示部材との係合が解除された状態(図2,図5に相当する状態)を説明する分解斜視図 図2の交換レンズ鏡筒において、回転操作部材と表示部材とが係合した状態(図3,図6に相当する状態)を説明する分解斜視図 図2の交換レンズ鏡筒において、回転規制手段の構成を説明する分解斜視図 図2の交換レンズ鏡筒において、回転規制手段の他の構成を説明する分解斜視図 図2の交換レンズ鏡筒において、第2のエンコーダ部の構成を説明する斜視図 図1のカメラシステムの合焦動作に関わる構成の電気回路ブロック図 図1のカメラシステムの合焦動作モード切替サブルーチンのフローチャート 図1のカメラシステムの自動合焦動作サブルーチンのフローチャート 図1のカメラシステムの手動合焦動作サブルーチンのフローチャート 図1のカメラシステムの距離指定合焦動作のフローチャート 図2の交換レンズ鏡筒において、回転操作部材と基台部(レンズマウント)との間の電気的導通部を示し、回転操作部材が第1の位置にある状態を示す要部拡大図 図2の交換レンズ鏡筒において、回転操作部材と基台部(レンズマウント)との間の電気的導通部を示し、回転操作部材が第2の位置にある状態を示す要部拡大図 図2の交換レンズ鏡筒において、回転操作部材の後端側の分解斜視図
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
本発明の一実施形態は、レンズ交換式のカメラシステム1に適用される交換レンズ鏡筒(以下、単にレンズ鏡筒という)10を例示するものである。
すなわち、図1に示すように、カメラシステム1は、カメラボディであるカメラ本体2及び交換レンズとしてのレンズ鏡筒10を有して構成されている。レンズ鏡筒10は、被写体像を結像するための光学系部材11を保持している。本実施形態では一例として、カメラシステム1は、カメラ本体2とレンズ鏡筒10とが離合可能な形態を有する。なお、カメラシステム1は、カメラ本体2とレンズ鏡筒10とが一体となった形態を有するものであってもよい。
また、本実施形態では一例として、カメラシステム1は、カメラ本体2に撮像素子9が配設されており、いわゆる電子カメラ、デジタルカメラ等と称され、被写体像を電子的に撮像し記録する構成を有している。撮像素子9は、受光面(画素領域)に入射される光に応じた電気信号を所定のタイミングで出力するものであり、例えば電荷結合素子(CCD)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサ等の形態を有する。
カメラシステム1は、自動合焦動作(オートフォーカス動作)が可能に構成されており、カメラ本体2に、自動合焦動作に用いられる自動合焦用センサ部が配設されている。本実施形態では一例として、カメラシステム1は、撮像素子9から出力される信号に基づいて被写体像のコントラスト値を検出し、該コントラスト値が最も高くなるように光学系部材11の焦点調節を行う、いわゆるコントラスト検出方式の自動合焦動作を行うように構成されている。すなわち、本実施形態のカメラシステム1では、撮像素子9が自動合焦用センサ部である。
なお、カメラシステム1は、いわゆる位相差検出方式の自動合焦動作を行う構成であってもよい。この場合には、カメラ本体2に配設される被写体像の位相差を検出するセンサが自動合焦用センサ部となる。また、自動合焦用センサ部は、他の形式の測距センサ等であってもよい。
カメラ本体2の上面部には、使用者が撮像動作の指示を入力するためのレリーズスイッチ3、及び使用者がカメラ本体2の電源オン動作及び電源オフ動作の指示を入力するための電源スイッチ4等の操作部材が配設されている。
本実施形態では、レリーズスイッチ3は、押しボタン型のスイッチであって、異なる2つのストローク量(押下量)に応じてオン状態となる2つの第1レリーズスイッチ3a及び第2レリーズスイッチ3bを具備して構成されている(後述の図12参照)。
レリーズスイッチ3を全ストローク量の途中まで押下する、いわゆる半押し操作を行うと第1レリーズスイッチ3aがオン状態となり、レリーズスイッチ3をこの半押し操作よりもさらに押下する、いわゆる全押し操作を行うと第2レリーズスイッチ3bがオン状態となる。カメラシステム1は、第2レリーズスイッチ3bがオン状態となった場合に、撮像動作を実行し、画像を記憶する。
なお、レリーズスイッチ3は、第1レリーズスイッチ3a及び第2レリーズスイッチ3bが離れた位置に配設される形態であってもよい。また、レリーズスイッチ3は、押しボタン型のスイッチの形態に限られるものではなく、タッチセンサ等の他の形態のスイッチによって構成される形態であってもよい。
図1には図示されていないが、カメラ本体2には、カメラシステム1の合焦動作のモードの切り替えの指示を入力するための合焦モード切替操作部5が配設されている(後述の図12参照)。使用者が合焦モード切替操作部5を操作することによって、カメラシステム1の合焦動作モードは、自動合焦動作を行う自動合焦動作モードと、手動合焦動作を行う手動合焦動作モードのいずれかが選択される。自動合焦動作モード及び手動合焦動作モード時におけるカメラシステム1の動作は後述するものとする。
なお、合焦モード切替操作部5は、ボタンスイッチの形態に限らず、タッチセンサやダイヤルスイッチ等であってもよい。また、カメラ本体2が画像表示装置を備え、該画像表示装置に表示されるメニューをボタンスイッチやタッチセンサを介して選択することによって、合焦動作モードを切り替える形態であってもよい。また、合焦モード切替操作部5は、レンズ鏡筒10に配設される形態であってもよい。
また、図示しないが、カメラ本体2には、カメラシステム1に電力を供給するための一次電池または二次電池を収容する電池収容部、及び画像を記憶するためのフラッシュメモリを収容する記憶媒体収容部が設けられている。
本実施形態では、カメラ本体2とレンズ鏡筒10とは、一般にバヨネット式マウントと称される係合機構によって離合可能である。なお、カメラシステム1において、カメラ本体2とレンズ鏡筒10とを離合可能とする構成は本実施形態に限られるものではなく、例えばネジ機構を用いる一般にスクリュー式マウントと称される構成であってもよい。また、カメラ本体2とレンズ鏡筒10とは、嵌合や磁石等を用いた機構によって離合可能とされる構成であってもよい。
図2〜図6に示すように、レンズ鏡筒10は、レンズマウントを含む基台部12、固定枠(第1の枠)14、合焦用枠13、駆動部15(図4)、指標表示枠16、表示部材(第2の枠、距離表示環、距離表示手段)18、及び回転操作部材(操作部材、回転操作環、回転操作手段、回転操作部)17を有して構成されている。なお、表示部材18は、主として円筒状の第1の円筒部材からなり、さらにその外周に嵌合され、第1の円筒状部材よりも薄く軸方向に短い第2の円筒状部材が固定されて構成されている。そして第2の円筒状部材の外周には、後述する距離目盛18a(図3)が表示されている。以下では、表示部材18は、これら第1の円筒部材と第2の円筒部材を一体のものとして説明する。
図2,図3に示すように、基台部12は、カメラ本体2に係合するバヨネット部12aを有する。基台部12は、バヨネット部(バヨネット爪)12aがカメラ本体2に係合することによって、カメラ本体2に対して固定される。つまり、上記バヨネット部12aは、レンズ側のマウント部材であって、いわゆるレンズマウントと称される構成部材である。
図4に示すように、レンズ鏡筒10は、この基台部12に対して、撮像光学系としての複数のレンズ等からなる光学系部材11を保持する機構を有する。なお、レンズ鏡筒10が保持する光学系部材11の形態は、レンズの他に、絞り、プリズム、ミラー、フィルタ等を含むものであってもよい。
光学系部材(光学系要素、撮像光学系)11は、一部又は全部が前記基台部12に対して光学系部材11の光軸O方向に相対的に移動することによって、合焦距離が変化するように構成されている。ここで、合焦距離の変化とは、合焦させようとする被写体までの距離を変化させることを意味する。またこれは、光学系部材11の焦点を合わせる焦点位置を変化させることを意味する。以下では、光学系部材11のうち、合焦距離を変化させる場合に光軸O方向に移動する部材を、合焦用レンズ(合焦用光学要素、合焦用光学系部材)11aと称するものとする。
具体的に、本実施形態の光学系部材11は、光軸Oに沿って配設された複数のレンズ及び絞り機構部19(図4)を有して構成されている。そして本実施形態では、光学系部材11の複数のレンズのうちの最も後方(像側)に配設されたレンズが、合焦用レンズ11aである。
合焦用レンズ11aは、基台部12に対して相対的に光軸O方向に進退移動可能に配設された合焦用枠13によって保持されている。合焦用枠13は、駆動部15によって、光軸O方向に駆動される。
駆動部15の構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では、光軸Oと略平行に配設されたスクリュー15a、スクリュー15aを回転させる駆動源(モータ)15c、及びスクリュー15aに螺合するナット15bを有して構成されている。本実施形態では、駆動源15cは、ステッピングモータである。ナット15bは、スクリュー15a周りの回転を規制されており、スクリュー15aの回転に伴い光軸Oと略平行に移動する。合焦用枠13は、ナット15bに従動するようにナット15bに係合している。
駆動部15は、駆動源15cによりスクリュー15aを回転させることによって、合焦用枠13を光軸O方向に駆動する。なお、駆動部15の構成は本実施形態に限られるものではなく、リニアモータ等の他の形式であってもよい。また、駆動部15は、例えば駆動源等の一部の構成部材がカメラ本体2内に配設される構成であってもよい。
また、光学系部材11の合焦用レンズ11a以外の部材は、基台部12に対して位置が固定された第1の枠である固定枠14によって保持されている。
なお、本実施形態のレンズ鏡筒10は、焦点距離が固定されたいわゆる単焦点レンズの形態を有していることから、合焦用レンズ11a以外の光学系部材11は固定枠14によって保持されているが、レンズ鏡筒10が、全長が伸縮可能な、いわゆる沈胴レンズ鏡筒である場合や、焦点距離を変更可能ないわゆるズームレンズ又はバリフォーカルレンズである場合には、合焦用レンズ11a以外の光学系部材11も、基台部12に対して相対的に移動する枠部材によって保持されることは言うまでもない。
レンズ鏡筒10の外周部には、回転操作部材17、指標表示枠16及び表示部材18が配設されている。
回転操作部材17は、レンズ鏡筒10の外周部において、光学系部材11の光軸O周りに回転可能、かつ光軸O方向に進退移動可能に配設された略円筒状の部材である。回転操作部材17は、少なくとも一部がレンズ鏡筒10の外周面上に露出しており、カメラシステム1の使用者の手指が係るように配設されている。
具体的に本実施形態では、回転操作部材17は、図5及び図6の断面図、及び図7及び図8の斜視図に示すように、レンズ鏡筒10の外周面上に露出して、使用者の手指が係るように外周部に凹凸が設けられた略円筒状の操作部17a、及び操作部17aの内側に所定の隙間を有して配設された略円筒状の内側円筒部(係合枠)17bの2つの略円筒状の部位を有している。
なお、図示する本実施形態では、操作部17a及び内側円筒部17bは別部材であって、例えばネジや接着剤によって固定されることによって回転操作部材17を構成しているが、操作部17a及び内側円筒部17bは、一体に形成される形態であってもよい。
回転操作部材17は、使用者の手指によって操作部17aに加えられる力によって、光軸O周りに回転する。また、回転操作部材17は、図2及び図3に示すように、光軸O方向に所定の範囲で移動可能であって、外部からの力が加えられていない状態では移動範囲の両端のいずれか一方に選択的に位置するように配設されている。回転操作部材17は、使用者の手指によって操作部17aに加えられる力によって、光軸O方向の移動範囲の一端から他端へ、又は他端から一端へと往復移動可能となっている。
以下では、回転操作部材17が選択的に位置する2つの位置のうち、光軸O方向の移動範囲の前方側(被写体側)の端部を第1の位置と称し、移動範囲の後方側(像側)の端部を第2の位置と称するものとする。
すなわち、図2、図4、図5及び図7は、回転操作部材17が第1の位置に位置している状態を示しており、図3、図6及び図8は、回転操作部材17が第2の位置に位置している状態を示している。
図5及び図6に示すように、回転操作部材17の内周面上には、径方向内側に突出し断面が略三角形状である凸状部17cが、周方向に全周にわたって形成されている。凸状部17cは、光軸Oに沿って前方に向かうにつれて内径が小さくなり、該三角形状の頂点に至るように形成された第1斜面部17dと、第1斜面部17dの前方側において該三角形状の頂点から光軸Oに沿って前方に向かうにつれて内径が大きくなるように形成された第2斜面部17eと、を有している。
また、回転操作部材17の内側に配設された固定枠14には、凸状部17cに対向する箇所に貫通孔14aが穿設されている。貫通孔14a内には、ボール14bが遊嵌している。ボール14bは、固定枠14の外周面よりも外側に突出可能であって、板バネである付勢部材14cによって、固定枠14の径方向外側に向かって付勢されている。付勢部材14cは、そのバネ部分(板バネ)が固定枠14の内周面に配置されている。付勢部材14c及びボール14bは、周方向に複数箇所に配設されている。
ボール14bは、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、凸状部17cの第1斜面部17dに当接し、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合には、凸状部17cの第2斜面部17eに当接する。凸状部17cが略三角形状の断面を有することから、ボール14bは、回転操作部材17の位置に関わらず、第1斜面部17d及び第2斜面部17eのいずれかに常に当接している。
したがって、回転操作部材17が移動可能範囲の前方寄りに位置している場合には、回転操作部材17は、第1斜面部17dに当接するボール14bによって前方に向かって付勢され、第1の位置において移動可能範囲の一端に当て付き、位置決めされる。
一方、回転操作部材17が移動可能範囲の後方寄りに位置している場合には、回転操作部材17は、第2斜面部17eに当接するボール14bによって後方に向かって付勢され、第2の位置において移動可能範囲の他端に当て付き、位置決めされる。
したがって、本実施形態のレンズ鏡筒10では、回転操作部材17に外力が加えられていない場合には、回転操作部材17の光軸O方向の位置は、第1の位置及び第2の位置のいずれかとなる。例えば、回転操作部材17が第1の位置に位置している状態において、回転操作部材17に加えられる後方への外力が、付勢部材14c及びボール14bが発生する付勢力よりも弱い場合には、当該外力が消失すれば回転操作部材17は第1の位置に戻る。また例えば、回転操作部材17が第1の位置に位置している状態において、回転操作部材17に加えられる後方への外力が、付勢部材14c及びボール14bが発生する付勢力よりも強ければ、回転操作部材17は第2の位置へ移動する。
また、レンズ鏡筒10には、少なくとも回転操作部材17が第1の位置に位置している場合に、回転操作部材17の光軸O周りの回転方向及び回転量を検出する第1のエンコーダ手段である第1のエンコーダ部(操作部回転検出部、回転検出手段)21が配設されている。また、レンズ鏡筒10には、回転操作部材17が光軸O方向の第1の位置及び第2の位置のいずれに位置しているかを検出する操作部材位置検出部(位置検出手段)22が配設されている。
第1のエンコーダ部21は、回転操作部材17に周方向に所定の間隔で設けられた複数のスリット(切り欠き)17n(図7,図8参照)の通過を一対のフォトインタラプタで検出し、該一対のフォトインタラプタの出力信号に基づいて、回転操作部材17の回転方向及び回転量を検出する。本実施形態の第1のエンコーダ部21、及び回転操作部材17に設けられたスリット17nは、いわゆるインクリメンタル形式のロータリーエンコーダと同様の形態を有している。
より具体的に本実施形態では、スリット17nは、図7に示すように、内側円筒部17bの前方側端部に形成されている。第1のエンコーダ部21を構成する一対のフォトインタラプタは、図5及び図6に示すように、固定枠14に固定されている。
スリット17nが形成された内側円筒部17bの前方側端部は、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合にのみ、一対のフォトインタラプタの検出範囲内に位置する。したがって、本実施形態の第1のエンコーダ部21は、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合にのみ、回転操作部材17の光軸O周りの回転方向及び回転量を検出することができる。
なお、第1のエンコーダ部21の形態は、少なくとも回転操作部材17が第1の位置に位置している場合に、回転操作部材17の光軸O周りの回転方向及び回転量を検出可能なものであればよく、本実施形態に限られるものではない。例えば、第1のエンコーダ部21は、磁気式のロータリーエンコーダの形態を有するものであってもよい。
操作部材位置検出部22は、基台部12又は固定枠14に固定されたフォトインタラプタからなる。操作部材位置検出部22は、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合に、回転操作部材17の一部がフォトインタラプタの検出範囲内に進出する位置に固定されている。
なお、操作部材位置検出部22の形態は、回転操作部材17の光軸O方向の位置を検出可能な構成であれば特に限定されるものではない。例えば、操作部材位置検出部22は、磁気センサ等であってもよい。
また、回転操作部材17には、係合手段(係合部)を構成する係合凸部17gが設けられている。係合凸部17gは、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合に、後述する表示部材18と係合し、回転操作部材17と表示部材18とを一体に回転させるためのものである。
係合凸部17gは、内側円筒部17bの外周面上において、径方向外側に突出する複数の凸部からなる。図7及び図8に示すように、係合凸部17gを構成する複数の凸部は、互いの間に一定の隙間を有して、周方向に等間隔に配列されている。また、複数の凸部は、径方向外側から見た場合に、後方側の一部が、後方側に向かうにつれて幅が狭くなる略V字状の形状を有している。係合凸部17gと表示部材18との係合の構成については後述するものとする。
指標表示枠16は、レンズ鏡筒10の外装部材の一部であり、基台部12に対して位置が固定された固定枠の機能を有する枠部材(第1の枠)である。指標表示枠16は、固定枠14を介して基台部12に固定されている。指標表示枠16は、回転操作部材17が第1の位置に位置している状態において、回転操作部材17の操作部17aよりも前方側となる位置に配設されている。指標表示枠16には、光軸Oと略平行な短い直線状の指標16aが設けられている。指標16aは、後述する表示部材18に設けられた距離目盛18aを指し示すためのものである。
また、指標表示枠16には、指標16aを挟んで略対称に周方向両側に、被写界深度目盛16bが配設されている。被写界深度目盛16bは、光学系部材11のF値(絞り値)に対応した被写界深度を表示するためのものである。そして、その被写界深度目盛16bは、同じ数値のF値を表す文字で対となって指標16aを挟むように表示されている。この対は複数の対があり、対同士は互いに異なる数値のF値を有する。本実施形態の説明においては複数の数値(5.6、11、22)が表示されているが、少なくとも同じ数値からなる一対の数値のみが表示されているだけでもよい。
第2の枠である表示部材18は、基台部12に対して光軸O周りに相対的に回転可能であって、回転操作部材17の内側に配設された略円筒状の部材である。言い換えれば、表示部材18は、指標表示枠16に対して光軸O周りに相対的に回転可能である。
図3に示すように、表示部材18の外周面には、光学系部材11の合焦距離を表す距離目盛18aが設けられている。距離目盛18aは、光学系部材11の最短合焦距離から無限遠までの距離を示す数値が周方向に配列されている。表示部材18が指標表示枠16に対して光軸O周りに相対的に回転することによって、指標16aが指し示す距離目盛18aの数値が変化する。
表示部材18は、光軸O周りの回転範囲が制限されており、指標16aによって距離目盛18aが指し示される範囲内でのみ、光軸O周りに回転可能である。すなわち、距離目盛18aは、指標16aとの組み合わせによって、光学系部材11の最短合焦距離から無限遠までの距離の数値を必ず表示する。
表示部材18の光軸O周りの回転範囲を制限する構成は特に限定されるものではない。本実施形態では一例として、図7〜図9に示すように、表示部材18の後方の端部に、後方に向かって突出する凸部18cが形成されており、固定枠14には、図9に示すように、周方向に所定の角度だけ離間し、凸部18cを間に挟むように配設された第1の当接部(当接壁)14x及び第2の当接部(当接壁)14yが形成されている。第1の当接部14x及び第2の当接部14yは、凸部18cに当接するように配設されている。したがって、表示部材18の光軸O周りの回転範囲は、凸部18cが第1の当接部14x及び第2の当接部14yに突き当たるまでの範囲に制限される。
なお、表示部材18の光軸O周りの回転範囲を制限する構成は、図9に示した構成に限られるものではない。例えば、図10に示すように、固定枠14に凸部14zが形成され、表示部材18に、周方向に所定の角度だけ離間し、凸部14zを間に挟むように配設された第1の当接部18x及び第2の当接部18yが形成される構成であってもよい。
つまり、固定枠14又は指標表示枠16の固定された第1の枠と、第1の枠に対して回転可能な表示部材18(第2の枠)と、の一方に凸部が設けられ、第1の枠と第2の枠との他方に前記凸部と干渉することによって第1の枠に対する第2の枠の相対的な回転の範囲を規制する回転規制手段が構成される。
本実施形態では、図2に示すように、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、表示部材18の距離目盛18aは、レンズ鏡筒10の外部から見えない状態となる。一方、図3に示すように、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合には、表示部材18の距離目盛18aは、レンズ鏡筒10の外部から見える状態となる。
具体的には、表示部材18は、回転操作部材17の操作部17aと内側円筒部17bの間に配設されている。言い換えれば、回転操作部材17の操作部17aである円筒部は、表示部材18の外周面よりもさらに径方向外側に配設されている。そして、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、操作部17aが、距離目盛18a上に進出して距離目盛18aを覆い隠す。また、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合には、操作部17aは距離目盛18a上から退避し、距離目盛18aが外部に露出し表示される。言い換えるならば、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合に、表示部材18が外部に露出されている状態となる。
そして、本実施形態のレンズ鏡筒10では、表示部材18は、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合にのみ、回転操作部材17とともに光軸O周りに回転するように構成されている。また、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、回転操作部材17は、表示部材18と独立して回転可能である。
具体的には、表示部材18の内周部(内周面)には、係合手段を構成する1つの係合ピン18bが、径方向内側に突出するように設けられている。本実施形態では、係合ピン18bは、表示部材18と別部材であって、圧入や接着剤によって表示部材18に固定されている。なお、係合ピン18bは、表示部材18と一体に形成される形態であってもよい。
表示部材18は、回転操作部材17の操作部17aと内側円筒部17bの間に配設されていることから、係合ピン18bは、表示部材18の内側に配設されている内側円筒部17bに向かって突出する。言い換えれば、表示部材18の係合ピン18bと、回転操作部材17の係合凸部17gは、互いに向かい合う方向に突出している。
係合ピン18bの外径は、隣接する係合凸部17g同士の間隔よりも小さく、係合ピン18bは、隣接する係合凸部17g同士の間にすきま嵌めの状態で嵌合する形状を有している。また、係合ピン18bは、径方向内側から見た場合に前方側が略V字状となる断面形状を有している。
図5及び図7に示すように、係合ピン18bは、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、回転操作部材17の係合凸部17gよりも後方側であって、回転操作部材17が光軸O周りに回転しても係合凸部17gと干渉しない位置に配設されている。
また、図6及び図8に示すように、係合ピン18bは、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合には、係合凸部17gと同一円周方向上に位置している。言い換えれば、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合には、係合ピン18bは、光軸O方向について係合凸部17gと重なる位置に配設されている。すなわち、回転操作部材17が第1の位置から第2の位置に相対的に移動すると、係合ピン18bは、隣接する係合凸部17g同士の間に嵌合する。また、逆に、回転操作部材17が第2の位置から第1の位置に相対的に移動すると、係合ピン18bと係合凸部17gとの嵌合が外れる。
以上のような構成を有する係合凸部17g及び係合ピン18bからなる係合手段によって、表示部材18は、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合には、回転操作部材17とともに光軸O周りに回転し、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、回転操作部材17が光軸O周りに回転したとしても回転せずに停止したままとなる。
なお、前述したように、係合凸部17gの複数の凸部は、径方向外側から見た場合に後方側が略V字状の形状を有しており、かつ係合ピン18bは、径方向内側から見た場合に前方側が略V字状の形状を有していることから、回転操作部材17が第1の位置から第2の位置に移動する際には、この双方に設けられた略V字状の部位同士が倣うことによって表示部材18が僅かに回転し、係合ピン18bと係合凸部17gとが滑らかに係合する。このため、回転操作部材17を光軸O方向に移動する操作に引っかかりが生じることがなく、回転操作部材17の移動を速やかに行うことができる。
また、前述したように表示部材18の回転範囲は、距離目盛18aと指標16aとの組み合わせが光学系部材11の最短合焦距離から無限遠までの距離の数値を表示する範囲に制限されている。このため、回転操作部材17は、第2の位置に位置して表示部材18と係合している場合には、表示部材18と同一の回転範囲内でのみ回転することが可能である。すなわち、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合には、回転操作部材17の回転範囲に制限がかけられている。
以上のように、回転操作部材17が第2の位置に位置している場合には、固定された第1の枠に対する表示部材18(第2の枠)の相対的な回転の範囲を規制する回転規制手段によって、回転操作部材17の回転の範囲も所定の範囲に規制される。
一方、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、回転操作部材17は表示部材18と干渉しないため、回転操作部材17の回転範囲に制限はない。つまり、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、回転操作部材17は回転規制手段によって回転の範囲が規制されることなく、無制限に回転可能である。
また、本実施形態のレンズ鏡筒10には、表示部材18の基台部12に対する光軸O周りの絶対的な回転位置を検出する第2のエンコーダ手段である第2のエンコーダ部(表示部材回転検出部、回転位置検出手段)23が配設されている。
図11に示すように、本実施形態では一例として、第2のエンコーダ部23は、いわゆるアブソリュート型のロータリーエンコーダの形態を有して構成されている。第2のエンコーダ部23は、導電体からなる所定のビット数のコードパターン23aと、コードパターン23aに摺動する導電体からなる接点部23bを有して構成されている。
コードパターン23aは、固定枠14の外周部に配設されており、接点部23bは、表示部材18に配設されている。表示部材18の光軸O周りの回転位置に応じて、接点部23bが接触するコードパターン23aの位置が変化する。図示しないが、第2のエンコーダ部23は、コードパターン23aと接点部23bとの接触の状態を検出する電気回路を有しており、この検出結果から、表示部材18の基台部12に対する光軸O周りの絶対的な回転位置を算出することができる。
なお、第2のエンコーダ部23の構成は、基台部12に対する光軸O周りの絶対的な回転位置を検出することが可能な形態であれば本実施形態に限られるものではない。例えば、第2のエンコーダ部23は、光学式又は磁気式のアブソリュート型ロータリーエンコーダであってもよいし、表示部材18の光軸O周りの回転位置に応じて抵抗値が変化する、いわゆるポテンショメータと同様の構成を有する形態であってもよい。
本実施形態のレンズ鏡筒10においては、外装部分を構成する構成部材のうち基台部12の一部と、指標表示枠16と、回転操作部材17と、表示部材18は、例えばアルミニウム材(Al)やステンレス材(SUS)等の金属部材を用いて形成されている。
なお、基台部12は、外装部分の基端部を構成し略円環形状からなる固定枠である円環状部材と、この円環状部材の内側に配設され略円筒形状からなる固定枠である内挿円筒状部材41(図19参照)と、当該レンズ鏡筒10をカメラ本体2に着脱するための金属製のレンズマウントであるバヨネット部12a等によって構成されている。このうち、円環状部材とバヨネット部12aとが金属部材によって形成されており、内挿円筒状部材41は、例えば合成樹脂等のモールド成型部品等によって形成されている。
上述したように、基台部12と指標表示枠16とは固定枠14を介して固定されている。この構成を詳述すると、基台部12の内挿円筒状部材41の先端には、固定枠14を介して指標表示枠16が固定支持されている。また、基台部12の内挿円筒状部材41の後端面には、円環状の固定薄板42がビス44を用いて固定されていて、この固定薄板42を挟んで円環状のバヨネット部12aが内挿円筒状部材41(固定枠)に対してビス等の締結部材を用いて固定されている。換言すると、バヨネット部12a(レンズマウント)は、内挿円筒状部材41(合成樹脂からなる固定枠)の後端面にビス止め固定により保持されている。
また、回転操作部材17(操作環)と表示部材18とは、上記内挿円筒状部材41(固定枠)の外周面上において、それぞれが独立して光軸周りに回動自在に配設されている。このうち、回転操作部材17は、レンズ鏡筒10の光軸周りに回動可能で、かつ光軸方向に移動可能に配設されている操作環である。そして、回転操作部材17が上記第1の位置にある場合には、回転操作部材17と表示部材18とは非係合状態であるので、回転操作部材17はエンドレスに回転可能状態となる一方、表示部材18は回転しない状態となる。また、回転操作部材17が上記第2の位置にある場合には、回転操作部材17と表示部材18とは係合状態となるので、両者は一体となって所定の範囲内でのみ回動可能状態になる。
そして、上記金属部材のうち回転操作部材17は、常にスムースな操作性、すなわちスムースな回転動作を確保するために、隣接する他の構成部材、特に他の金属部材と接触しないように構成されている。したがって、回転操作部材17に生じた静電気を放出するために、本実施形態のレンズ鏡筒10においては、図17〜図19に示すように、回転操作部材17(操作環)と基台部12のバヨネット部12a(レンズマウント)との間には、両者間の電気的導通を保持するための弾性変形部材43が配設されている。
弾性変形部材43は、例えば、ステンレス材(SUS)等の金属部材等の電気的導通性を有し、かつ弾性を有する細径の線材を折り曲げて形成された部材である。また、弾性変形部材43の全体的な形状は、レンズ鏡筒10における回転操作部材17(操作環)の円周方向に沿って梁状に延びる形態に形成されていて、かつ回転操作部材17の光軸方向への移動に応じて弾性変位するように構成されている。そして、回転操作部材17が光軸方向に移動したとき、回転操作部材17の移動に追従して弾性変形して、回転操作部材17とバヨネット部12aとの間の電気的導通が常に保持されるように構成されていると共に、回転操作部材17とバヨネット部12aとの間の所定の部位に固定保持されている。
弾性変形部材43は、図17,図18に示すように、光軸方向前方寄りの一端部近傍の前側当接部43aが回転操作部材17の被当接部17pに当接している。ここで、回転操作部材17の被当接部17pは、回転操作部材17の後端縁部の内周側において光軸Oに対して直交し後端面側に向けて径方向に細い幅を有し全周に亘って形成された環状の面からなる。また、弾性変形部材43は、光軸方向後方寄りの他端部近傍の後側当接部43eがバヨネット部12aの前面側の被当接部12bに当接している。なお、弾性変形部材43の前側当接部43a及び後側当接部43eは、線材を曲げた曲折部となっている。一方、回転操作部材17の被当接部17p及びバヨネット部12aの被当接部12bは、金属製の滑らかな平面となっている。したがって、弾性変形部材43の前側当接部43aと回転操作部材17の被当接部17pとの当接、及び弾性変形部材43の後側当接部43eとバヨネット部12aの被当接部12bとの当接は、略点接触の形態となっている。したがって、弾性変形部材43が常に当接した状態であっても、回転操作部材17の回転操作に対しては極めて低い抵抗で接している。
弾性変形部材43は、図17〜図19に示すように、内挿円筒状部材41の後端面と固定薄板42との間に挟持された状態で固設されている。詳述すると、弾性変形部材43の中程の一部位である固定部43cが、内挿円筒状部材41の後端面の外周縁部近傍の一部位41cに配置された状態で、内挿円筒状部材41に対して固定薄板42がビス44によりビス止め固定されている。このとき、弾性変形部材43の固定部43cは、内挿円筒状部材41の一部位41cと、固定薄板42の外周縁から径方向に突出するように形成された凸状切片部42c(詳細は図19参照)との間に挟持された状態で固定保持されている。前側当接部43aと固定部43cとは、梁部43fとで連絡され、梁部43fは線径に比べて、その寸法ははるかに大きいため、大きく撓むように形成されている。この状態において、弾性変形部材43の中程の他の一部位であって光軸Oに沿う方向に形成される第1保持部43bは、内挿円筒状部材41の後端縁部近傍に光軸Oに沿う方向に形成される第1溝部41bに、光軸O方向に移動可能に配置されている。また、弾性変形部材43の一端部であって光軸Oに沿う方向に延びる第2保持部である末端直線部43dは、内挿円筒状部材41の後端縁部近傍において上記第1溝部41bとは径方向に隔てた部位に形成され、同様に光軸Oに沿う方向に形成される第2溝部41dに、光軸O方向に移動可能に配置されている。
そして、弾性変形部材43は、光軸O方向に圧縮された状態で回転操作部材17とバヨネット部12aとの間に配置されている。したがって、金属製の弾性変形部材43は、金属製の回転操作部材17の被当接部17pに対して一端の前側当接部43aが常に当接しており、基台部12の金属製のバヨネット部12aに対して他端の後側当接部43eが常に当接している。
この状態で、回転操作部材17が図17の第1の位置にある状態から、光軸Oに沿う矢印X方向に移動して、図18の第2の位置に配置されると、弾性変形部材43は、回転操作部材17の移動に追従して光軸O方向に圧縮されるが、梁部43fの弾性の撓みによって回転操作部材17とバヨネット部12aとの当接状態は常に維持されている。一方、回転操作部材17が図18の第2の位置にある状態から、光軸Oに沿う方向であって上記矢印X方向とは反対方向に移動して、図17の第1の位置に配置された場合には、弾性変形部材43は、回転操作部材17の移動に追従して光軸O方向に新調するが、回転操作部材17とバヨネット部12aとの当接状態は常に維持される。そして、弾性変形部材43は、内挿円筒状部材41と固定薄板42とによって弾性変形を許容する状態で固定保持されている。したがって、回転操作部材17が光軸O方向に移動しても、弾性変形部材43は脱落することなく所定の位置に固定保持されている。
なお、バヨネット部12aは、カメラ本体2側の本体側レンズマウント部(不図示)を介して、カメラシステム1内における電気回路のアース部に接地されている。したがって、回転操作部材17に生じた静電気は、弾性変形部材43,バヨネット部12aを介して放出される。
次に、カメラシステム1の合焦動作に関わる部分の電気的な構成を、図12を参照して説明する。
前述したように、カメラ本体2には、第1レリーズスイッチ3a及び第2レリーズスイッチ3bからなるレリーズスイッチ3、電源スイッチ4、合焦モード切替操作部5、及び自動合焦用センサ部である撮像素子9が配設されている。また、カメラ本体2には、カメラ本体制御部6、画像処理部7、通信部8、画像表示回路30及び画像表示装置31が配設されている。
制御部を構成するカメラ本体制御部(制御手段)6は、演算装置(CPU)、記憶装置(RAM)、入出力装置及び電力制御装置等を具備して構成されており、カメラ本体2の動作を、所定のプログラムに基づいて制御するものである。
また、画像処理部7は、画像処理を行うための電子回路部であり、撮像素子9から出力される信号から被写体像のコントラスト値を算出することが可能である。なお、画像処理部7のカメラ本体2への実装形態は、画像処理用の演算ハードウェアを搭載するハードウェア的な形態であってもよいし、カメラ本体制御部6の演算装置が所定の画像処理プログラムに基づいて画像処理を行うソフトウェア的な形態であってもよい。
通信部8は、有線通信又は無線通信によって、レンズ鏡筒10に設けられた通信部25を介してレンズ鏡筒制御部24との通信を行うためのものである。また、画像表示回路30は、撮像素子9からの被写体像を画像表示装置31に表示するための回路であり、例えば合焦動作中の被写体像を画像表示装置31に表示させる。
レンズ鏡筒10には、前述したように、駆動源15cを含む駆動部(15)、操作部材位置検出部22、第1のエンコーダ部21及び第2のエンコーダ部23が配設されている。また、レンズ鏡筒10には、レンズ鏡筒制御部24及び通信部25が配設されている。
制御部を構成するレンズ鏡筒制御部(制御手段)24は、演算装置、記憶装置、及び入出力装置等を具備して構成されており、カメラ本体制御部6と連係してレンズ鏡筒10の動作を、所定のプログラムに基づいて制御するものである。また、通信部8は、有線通信又は無線通信によって、カメラ本体2に設けられた通信部8を介してカメラ本体制御部6との通信を行うためのものである。
次に、以上に説明した構成を有するカメラシステム1の動作を説明する。
本実施形態のカメラシステム1では、カメラ本体が電源オン状態である場合に、カメラ本体制御部6によって、図13に示す合焦動作モード切替サブルーチンが所定の周期で繰り返し行われる。合焦動作モード切替サブルーチンは、カメラシステム1が有する複数の合焦動作モードのうち、使用者からの指示入力によって選択されたものを判定し、カメラシステム1の合焦動作モードを指示入力に従って切り替えるためのものである。
なお、以下に説明する合焦動作モード切替サブルーチンは、カメラシステム1が撮影動作を行うためのメインルーチンの中に適宜に組み込まれるものである。カメラシステム1が撮影動作を行うためのメインルーチンについては、周知の技術と同様であるためその説明は省略するものとする。
合焦動作モード切替サブルーチンでは、まず、ステップS01において、合焦モード切替操作部5を介して使用者が選択した合焦動作モードが、自動合焦動作モードであるか否かを判定する。
ステップS01の判定の結果、自動合焦動作モードが選択されている場合には、ステップS03に移行し、自動合焦動作を行うように、カメラシステム1の動作を切り替える。ステップS03では、カメラシステム1は、図14に示す自動合焦動作を行う。
カメラシステム1が自動合焦動作を行うタイミングは特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として、図14のフローチャートに示すように、第1レリーズスイッチ3aがオン状態となった場合に、自動合焦動作を行うものとする(ステップS10)。
カメラシステム1が自動合焦動作を行う場合、自動合焦用センサ部である撮像素子9から出力される信号に基づいて被写体像のコントラスト値を検出し、該コントラスト値が最も高くなるように合焦用枠13を駆動する(ステップS11)。
例えば、本実施形態のように、カメラ本体2とレンズ鏡筒10とが離合可能な構成であるカメラシステム1の場合には、自動合焦動作時には、撮像素子9から出力される信号に基づいた焦点調節を行うために合焦用枠13を駆動する指令は、カメラ本体制御部6が行う。この場合、レンズ鏡筒10のレンズ鏡筒制御部24は、通信部25を介して入力されるカメラ本体制御部6からの指令に応じて、駆動部15を介して合焦用枠13を駆動する。
ステップS03の実行により合焦動作モード切替サブルーチンは終了するため、本実施形態のカメラシステム1では、自動合焦動作モードが選択されている場合には、回転操作部材17が第1の位置及び第2の位置のいずれに位置している場合であっても、自動合焦動作が行われる。したがって、自動合焦動作では、回転操作部材17が第2の位置に位置して距離目盛18aが外部に露出している場合であっても、指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値に関わらず、合焦用枠13が駆動されて焦点調節が行われる。またここで、「回転操作部材17が第2の位置に位置して距離目盛18aが外部に露出している場合であっても、指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値に関わらず、合焦用枠13が駆動されて焦点調節が行われる」としたが、別実施形態として、回転操作部材17が第2の位置に位置して距離目盛18aが外部に露出している場合、指標16aが指す距離目盛18aの距離の通りに、この距離に対応する位置に合焦用枠13を駆動してもよい。
一方、ステップS01の判定の結果、自動合焦動作モードが選択されていない場合には、ステップS02へ移行する。ステップS02では、操作部材位置検出部22の出力信号に基づいて、回転操作部材17が第1の位置に存在するか否かを判定する。
ステップS02の判定において、回転操作部材17が第1の位置に存在すると判定した場合には、ステップS04に移行し、焦点調節のための手動合焦動作を行うように、カメラシステム1の動作を切り替える。
ステップS04では、カメラシステム1は、図15に示す手動合焦動作を行う。カメラシステム1は、手動合焦動作を行う場合には、ステップS20にて、第1のエンコーダ部21によって回転操作部材17の回転を検出した場合に、ステップS21に進み、ここで回転操作部材17の回転方向及び回転量に応じて合焦用枠13を駆動する。
なお、手動合焦動作時においては、使用者は、画像表示装置31に表示される被写体像の様子を観察することにより合焦の様子を観察することができ、この観察結果に基づいて回転操作部材17を操作する。もちろん、他の合焦動作時においても同様に、使用者は、画像表示装置31に表示される被写体像の様子を観察することにより合焦の様子を観察することができる。
例えば、レンズ鏡筒10を後方から見た場合に、回転操作部材17が時計回り方向に回転したことを検出した場合には、カメラシステム1は、光学系部材11の合焦距離が短くなる方向に合焦用枠13を移動させる。また例えば、レンズ鏡筒10を後方から見た場合に、回転操作部材17が反時計回り方向に回転したことを検出した場合には、カメラシステム1は、光学系部材11の合焦距離が長くなる方向に合焦用枠13を移動させる。
手動合焦動作における合焦用枠13の移動距離及び速度は、第1のエンコーダ部21によって検出された回転操作部材17の回転量(回転角度)及び回転速度(回転角速度)に応じて決められる。
図15に示す手動合焦動作は、合焦動作モード切替サブルーチンの実行によって、手動合焦動作以外の合焦動作が選択されるまで繰り返し実行される。すなわち、合焦モード切替操作部5により自動合焦動作モードが選択されるか、回転操作部材17が第1の位置から第2の位置に移動されるまで、図15に示す手動合焦動作は繰り返し実行される。
一方、ステップS02の判定において、回転操作部材17が第1の位置に存在しないと判定した場合、すなわち回転操作部材17が第2の位置に存在すると判定した場合には、ステップS05に移行し、焦点調節のための距離指定合焦動作を行うように、カメラシステム1の動作を切り替える。
ステップS05では、カメラシステム1は、図16に示す距離指定合焦動作を行う。カメラシステム1は、距離指定合焦動作を行う場合には、第2のエンコーダ部23の出力信号から算出される指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値に応じた位置に合焦用枠13を駆動する。すなわち、合焦用枠13は、固定枠14及び指標表示枠16である第1の枠と、表示部材18である第2の枠と、の相対位置に応じた位置に、駆動部15により駆動される。
具体的に距離指定合焦動作では、まずステップS30において、レンズ鏡筒制御部24が、第2のエンコーダ部23の出力値を読み取る。第2のエンコーダ部23の出力値は、表示部材18の基台部12に対する光軸O周りの絶対的な回転位置を表す値である。
次にステップS31において、レンズ鏡筒制御部24は、第2のエンコーダ部23の出力値から、指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値を算出する。第2のエンコーダ部23の出力値から、指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値への変換は、例えばレンズ鏡筒制御部24が予め記憶している変換テーブルに基づいて行われる。
次にステップS32において、レンズ鏡筒制御部24は、第2のエンコーダ部23の出力値から、指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値と、光学系部材11の合焦距離とが、一致又は近似するように合焦用枠13を移動させる。例えば、指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値が3mであれば、光学系部材11の合焦距離が3mとなるように合焦用枠13を移動させる。
なお、指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値と、光学系部材11の合焦距離とが一致することが理想的であるが、第2のエンコーダ部23の分解能が低い場合には両者を一致させることは困難であるため、両者が近似するように合焦用枠13を移動させる。
また、レンズ鏡筒制御部24は、算出した指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値を、通信部25を介して、カメラ本体2のカメラ本体制御部6へ出力する。カメラ本体制御部6は、受信した当該数値に応じて露出値を決定したり、当該数値を撮影した画像にメタデータとして付加する。
図16に示す距離指定合焦動作は、合焦動作モード切替サブルーチンの実行によって、距離指定合焦動作以外の合焦動作が選択されるまで繰り返し実行される。すなわち、合焦モード切替操作部5により自動合焦動作モードが選択されるか、回転操作部材17が第2の位置から第1の位置に移動されるまで、図16に示す距離指定合焦動作は繰り返し実行される。
以上に説明したように、本実施形態のカメラシステム1は、カメラ本体2に固定される基台部12に対して固定された位置に配設される指標16aと、基台部12に対して回転可能に配設され距離目盛18aを有する表示部材18と、表示部材18の基台部12に対する回転位置を検出する第2のエンコーダ部23と、表示部材18とともに回転する回転操作部材17と、を有して構成されている。
そして、本実施形態のカメラシステム1は、自動合焦動作時には、表示部材18の回転位置に関わらず、合焦用センサ部である撮像素子9の出力に基づいて焦点調節を行う。また、カメラシステム1は、距離指定合焦動作時には、第2のエンコーダ部23の出力信号から算出される指標16aが指す距離目盛18aの距離の数値に応じた位置に合焦用枠13を駆動する。すなわち、カメラシステム1は、距離目盛を使用した手動合焦が可能である。また、カメラシステム1における自動合焦動作及び距離指定合焦動作の切替は使用者が合焦モード切替操作部5及び回転操作部材17を操作することによって可能である。
以上のような構成を有するカメラシステム1のレンズ鏡筒10では、駆動部15が駆動する部材は、合焦用レンズ11aを保持する合焦用枠13のみであり、駆動部15が駆動する部材を少なくし、かつ軽量なものとすることができる。これにより、本実施形態では、駆動部15を出力の小さい小型なものとすることができ、レンズ鏡筒10を小型化することができる。また、合焦動作を素早く行うことができる。
また、本実施形態では、表示部材18を駆動するための動力を伝達する機構が不要であり、少ない部品点数の単純な構成で駆動部15から被駆動部材である合焦用枠13にまで動力を伝達することができる。このため、焦点調節のために合焦用枠13を駆動する際に発生する音の音量を下げることが容易である。焦点調節時に発生する音量を抑制することは、例えば動画像の撮影時において好ましい。
また、本実施形態では、合焦モード切替操作部5により手動合焦動作モードが選択され、かつ回転操作部材17が第2の位置に位置している場合には、距離目盛を使用した手動合焦が可能である。これにより、本実施形態では、距離目盛18aを使用して予め手動で所定の合焦距離に設定しておき、焦点調節動作を行わずに素早く撮影するという撮影手法を実施することができる。
例えば本実施形態では、指標表示枠16に被写界深度目盛16bが設けられていることから、使用者は、レンズ鏡筒10の外周部に露出している距離目盛18a、指標16a及び被写界深度目盛16bを見ることによって、合焦する被写体距離を即座に確認することができる。
一方で、本実施形態では、合焦モード切替操作部5により手動合焦動作モードが選択され、かつ回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、回転操作部材17の回転に応じて焦点調節を行う図15に示した手動合焦が可能である。手動合焦動作では、回転操作部材17は、表示部材18と係合していないことから光軸O周りに制限無く回転可能であり、光学系部材11の焦点調節は回転操作部材17の回転量に応じて行われる。
このため、本実施形態のカメラシステム1の手動合焦動作では、距離目盛を使用した距離指定合焦動作よりも細かい焦点調節を行うことができる。
以上のように、本実施形態のカメラシステム1では、駆動部15を介した荒い焦点調節(粗調節)として、指標16aと距離目盛18aによって合焦距離と被写界深度が明示されることにより素早い撮影を実現する距離指定合焦動作と、回転操作部材17の回転量に応じて駆動部15を介した細かい焦点調節(微調節)を行うことができる手動合焦動作と、を選択的に実行することができる。そして、距離指定合焦動作と手動合焦動作の切替は、回転操作部材17を前後に移動させるだけで可能であるため、素早く明示的に実行可能である。
なお、第2のエンコーダ部23の分解能が充分に高ければ、距離指定合焦動作であっても細かい焦点調節が行えることは言うまでもない。また、距離指定合焦動作を絶対合焦動作と称し、手動合焦動作を相対合焦動作と称してもよい。
また、本実施形態では、回転操作部材17が第1の位置に位置している場合には、回転操作部材17と表示部材18とが係合していないことから、回転操作部材17が回転しても表示部材18は回転しない。したがって、距離指定合焦動作時において設定された合焦距離は、手動合焦動作時に変更されることがない。
例えば、使用者が距離指定合焦動作時において合焦距離が3メートルとなるように表示部材18を回転させた後に、回転操作部材17を第1の位置に移動させ、手動合焦動作による焦点調節を行ったとしても、表示部材18は回転しない。よって、この後に使用者が操作環17を第2の位置に移動させて距離指定合焦動作を行う場合には、光学系部材11の合焦距離は3メートルに戻る。したがって、予め距離指定合焦動作時において合焦距離を所望の値に設定しておけば、手動合焦動作を行っている状態から、回転操作部材17を後方に移動させるだけで素早く所望の合焦距離による撮影を行うことができる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、自動合焦及び距離目盛を使用した手動合焦が可能であり、小型なカメラシステム及び該カメラシステムに用いられるレンズ鏡筒を実現することができる。
また、金属製の回転操作部材17と金属製のバヨネット部12aとの間に金属製の弾性変形部材43を配置し、回転操作部材17が光軸Oに沿う方向に移動しても、回転操作部材17と金属製のバヨネット部12aとの電気的導通状態が常に確保されるように構成したので、回転操作部材17が帯電しても、その静電気を常に放出させることができる。したがって、金属製部材に生じた静電気が内部の電気回路等に悪影響等を及ぼすことがない。
なお、上述した実施形態においては、固定された第1の枠である指標表示枠16に指標16aを設け、回転可能な第2の枠である表示部材18に距離目盛18aを設けているが、本発明はこの形態に限られるものではない。例えば、図24及び図25に示すように、固定された第1の枠(符号16)に距離目盛16aaを設け、回転可能な第2の枠(符号18)に指標18aaを設ける形態であってもよい。図24は、回転操作部材17が第1の位置に位置しており絞り値の表示が見えない状態を示しており、図25は、回転操作部材17が第2の位置に位置しており絞り値の表示が見える状態を示している。すなわち、固定された第1の枠は指標及び距離目盛の一方を備え、回転可能な第2の枠は指標及び距離目盛の他方を表示する。この形態であっても、レンズ鏡筒及びカメラシステムは上述した実施形態と全く同じ機能を有する。なお、指標が設けられた部材と距離目盛が設けられた部材とからなる表示機能は表示手段であると言ってよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1……カメラシステム,
2……カメラ本体,
3……レリーズスイッチ,3a……第1レリーズスイッチ,3b……第2レリーズスイッチ,4……電源スイッチ,
5……合焦モード切替操作部,6……カメラ本体制御部,7……画像処理部,8……通信部,9……撮像素子,
10……交換レンズ鏡筒,
11……光学系部材,11a……合焦用レンズ,
12……基台部,12a……バヨネット部,12b……被当接部,
13……合焦用枠,14……固定枠,15……駆動部,
16……指標表示枠,
17……回転操作部材,17p……被当接部,
18……表示部材,
21,23……エンコーダ部,22……操作部材位置検出部,23a……コードパターン,23b……接点部,24……レンズ鏡筒制御部,25……通信部,30……画像表示回路,31……画像表示装置,
41……内挿円筒状部材,41b……第1溝部,41c……一部位,41d……第2溝部,
42……固定薄板,42c……凸状切片部,
43……弾性変形部材,43a……前側当接部,43b……第1保持部,43c……固定部,43d…… 末端直線部,43e……後側当接部,

Claims (3)

  1. 交換レンズ鏡筒において、
    上記交換レンズ鏡筒の周りに回動可能で光軸方向に移動可能な操作環と、
    カメラボディに着脱するための金属製のレンズマウントと、
    上記操作環と上記レンズマウントとの間に設けられ、両者間の電気的導通を保持し、上記操作環の上記光軸方向の移動に応じて弾性変形する導電性の弾性変形部材と、
    を具備したことを特徴とする交換レンズ鏡筒。
  2. 上記弾性変形部材は、線状の材料からなり、レンズ鏡筒の円周方向に沿って延びた梁を有し、光軸方向に上記弾性変位することを特徴とする請求項1に記載の交換レンズ鏡筒。
  3. 上記交換レンズ鏡筒は、上記レンズマウントに保持された合成樹脂からなる固定枠を有し、
    上記操作環は上記固定枠周りに回転することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の交換レンズ鏡筒。
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