JP2014092418A - 位置検出センサおよび位置検出装置 - Google Patents

位置検出センサおよび位置検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで高精度な位置検出センサおよび位置検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するため本発明は、互いに離間配置され、被検出物体2の状態変化に応じてインピーダンスが変化する第一、第二検出コイル6、7と、第一、第二検出コイル6、7を一体的に電気的駆動する駆動回路(発振回路8)と、第一、第二検出コイル6、7の合成インピーダンスに応じた絶対値信号検出手段9と、第一、第二検出コイル6、7のインピーダンス差に応じた電気信号を検出する相対値信号検出手段10と、を備えたものとした。これにより本発明は、低コストで高精度な位置検出センサ3および位置検出装置1を実現できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検出物体の回転量や回転角度、移動量などを検出する位置検出センサおよび位置検出装置に関する。
特許文献1はクランクシャフトに固定されたクランクロータと、クランクロータに対向配置された半導体磁気センサが開示されている。クランクロータと半導体磁気センサとの組合せは、位置検出装置の一例である。
クランクロータの外周には、所定間隔で外方へ突出する検出歯が形成されている。
半導体磁気センサには、一つのセンサチップ内に、離れて二つのセンサ部が配置されている。また、センサ部の近傍には永久磁石が備えられている。各センサ部は、クランクロータの検出歯が近接したり離反したりするとそれに応じてセンサ部の磁束密度が変化するのに伴い、その磁束密度に応じた電圧を出力し、それを波形成形してパルス信号を出力する。
この検出したパルス信号、およびその位相差から、クランクロータの回転方向や回転数を検出することができる。
特開2002−090181号公報
上記構成の位置検出装置では、高コストでかつ検出精度が低下することがあった。
コストが高くなる理由は、以下の通りである。
すなわち各センサ部が異なるパルス信号を出力する為には、検出歯の間隔を変える度に、各センサ部間の間隔も変える必要があり、センサチップを変更する必要があったからである。また検出歯の間隔が大きくなるほどセンサチップも大型化し、製造コスト、材料コストが増大する。なお、半導体磁気センサは一つのチップに集積した場合には良好な相対精度が得られるが、別チップに設けられた半導体磁気センサ同士での相対精度は低いので信号位相の信頼度が低下するため、二つのセンサ部を別チップに分けて形成して適当なる間隔で配置するということも困難である。
また検出精度が低下する理由は、半導体磁気センサの場合、永久磁石を用いるため、半導体磁気センサと検出歯との距離が過剰に近接すると、磁気飽和を起こし、信号を検出しにくくなるからである。
そこで本発明は、低コストで検出精度の高い位置検出センサおよび位置検出装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明の位置検出センサは、互いに離間配置され、それぞれ被検出物体の状態変化に応じてインピーダンスが変化する第一検出コイルおよび第二検出コイルと、第一検出コイルと第二検出コイルとを一体的に電気的駆動する駆動回路と、第一検出コイルと第二検出コイルの合成インピーダンスに応じた絶対値信号検出手段と、第一検出コイルと第二検出コイルのインピーダンス差に応じた電気信号を検出する相対値信号検出手段と、を備えたものとした。
また本発明の位置検出装置は、所定間隔で状態変化する被検出物体と、この被検出物体と対向して配置された本発明の位置検出センサとを備えたものとした。
これにより本発明は、低コストで高精度な位置検出センサおよび位置検出装置を実現できる。
低コスト化を実現する理由は、以下の通りである。
すなわち本発明は、被検出物体の状態変化に合わせて比較的容易に第一、第二検出コイルの配置位置を調整することができ、種々の被検出物体に対応できるからである。また被検出物体の状態変化部の間隔が大きい場合は、第一検出コイルと第二検出コイルとを分離して配置し、一対で一つの位置検出センサとして用いることができる為、状態変化部の間隔が大きな被検出物体にも低コストで対応できる。
また検出精度を向上させ得る理由は、永久磁石を用いないため、位置検出センサと被検出物体との距離が近接しても信号を検出できるからである。さらに本発明は、第一、第二検出コイルは一体的に電気的駆動されているため、電流や電圧信号など、少なくとも一つの電気パラメータを共有する。したがって、第一、第二検出コイルと被検出物体との距離が変動しても、相対関係は影響を受けにくく、相対値信号を高精度に検出できる。
そしてその結果、低コストで高精度な位置検出センサおよび位置検出装置を実現できる。
実施の形態1における位置検出装置の平面図 実施の形態1における位置検出センサの回路ブロック図 実施の形態1の別の例における位置検出センサおよび位置検出装置の要部を示す平面図 (A)〜(C)実施の形態1の別の例における被検出物体の要部を示す平面図 実施の形態1の別の例における位置検出センサの要部を示す回路図 実施の形態1における位置検出センサの正転時の信号のタイムチャート 実施の形態1における位置検出センサの逆転時の信号のタイムチャート 実施の形態2における位置検出センサの回路ブロック図 実施の形態2における位置検出センサの正転時の信号のタイムチャート 実施の形態3における位置検出センサの回路ブロック図 実施の形態3における位置検出センサの正転時の信号のタイムチャート 実施の形態4における位置検出センサの回路ブロック図 (A)〜(D)実施の形態4における位置検出センサの信号のタイムチャート 実施の形態4における位置検出センサの正転時の相対値信号、絶対値信号のH−Lパターンを示す図 実施の形態4における位置検出センサの逆転時の相対値信号、絶対値信号のH−Lパターンを示す図 実施の形態4の別の例における位置検出センサの正転時の相対値信号、絶対値信号のH−Lパターンを示す図 実施の形態4の別の例における位置検出センサの逆転時の相対値信号、絶対値信号のH−Lパターンを示す図 実施の形態5における位置検出センサの回路ブロック図 実施の形態5における位置検出センサの正転時の信号のタイムチャート 本発明の実施の形態の別の例における位置検出センサのコア形状を示す斜視図 本発明の実施の形態の別の例における位置検出センサの要部を示す断面図 本発明の実施の形態の別の例における位置検出装置の平面図
(実施の形態1)
本実施の形態1では、位置検出センサとしてギアトゥースセンサ、被検出物体として回転ロータ、位置検出装置としてギアトゥースセンサユニットを例に挙げ、説明する。
図1に示すように、本実施の形態の位置検出装置1は、被検出物体2と、この被検出物体2と所定間隔gをあけて対向して配置された位置検出センサ3と、を備えている。
被検出物体2は、中心軸4を中心に回転する。なお、移動には回転も含む。位置検出センサ3と対向する被検出物体2の外周端面には、回転方向に沿って、所定間隔で形状が変化するように、複数の突部5が配列されている。本実施の形態では、複数の突部5は同じ形状からなり、一定の間隔で配列されている。突部5は外方へ突出するように形成される。被検出物体2は、アルミニウムなどの導電性材料やフェライトなどの磁性材料、鉄などの導電性を有する磁性材料からなる。
図1、図2に示すように、位置検出センサ3は、被検出物体2の状態変化に応じてインピーダンスが変化する第一検出コイル6と、第一検出コイル6と離間配置され、被検出物体2の状態変化に応じてインピーダンスが変化する第二検出コイル7と、を備えている。なお、図2のような回路ブロック図において、第一検出コイル6をL1、第二検出コイルをL2と示す。また図2に示すように、位置検出センサ3は、第一検出コイル6と第二検出コイル7とを電気的駆動する駆動回路としての発振回路8と、第一検出コイル6と第二検出コイル7の合成インピーダンスに応じた絶対値信号検出手段9と、第一検出コイル6と第二検出コイル7のインピーダンス差に応じた電気信号を検出する相対値信号検出手段10と、を有する。
本実施の形態では、第一検出コイル6と第二検出コイル7とはほぼ同じ大きさ、形状、電気的特性を有するものとした。
第一検出コイル6と第二検出コイル7は、それぞれ突部5に近接して配置される。被検出物体2が中心軸4を中心に回転すると、突部5も回転するため、被検出物体2と第一検出コイル6、第二検出コイル7との距離や対向面積が所定間隔で変化する。したがって被検出物体2が変位する方向に伴って、第一検出コイル6、第二検出コイル7のインピーダンスが変化する。なお、用いる発振周波数にもよるが、本実施の形態では、被検出物体2として鉄を用いたため、被検出物体2の回転による第一検出コイル6、第二検出コイル7の、主としてコンダクタンスが変化する。被検出物体2がアルミニウムやフェライトの場合は、発振周波数にもよるが、インピーダンス変化に伴ってインダクタンス変化を検出できる。
そして本実施の形態では、第一検出コイル6、第二検出コイル7共に、突部5に近接すると、被検出物体2との距離gが近くなり、あるいは被検出物体2との対向面積が大きくなり、コンダクタンスが大きくなる。他方で第一検出コイル6、第二検出コイル7共に、突部5の間の凹部11に近接すると、被検出物体2との距離gが遠くなり、あるいは被検出物体2との対向面積が小さくなり、コンダクタンスが小さくなる。
本実施の形態では、図1に示すように、被検出物体2が回転体であるため、被検出物体2の形状変化の一周期とは、隣接する突部5のそれぞれの対応する一端と中心軸4とを結ぶ線の成す角θ1となる。第一検出コイル6、第二検出コイル7の対応するそれぞれの一端と中心軸4とをそれぞれ結ぶ線が成す角θ2は、角θ1のN/2(Nは自然数)倍とは異なる角度とした。これにより第一検出コイル6と第二検出コイル7のインピーダンス差に応じた電気信号を出力できる。成す角θ1と成す角θ2とは、互いに自然数倍とならないため、第一検出コイル6と第二検出コイル7のコンダクタンスが同時に最大値をとる事はなく、同時に最小値を取ることもない。
なお、図3に示すように、被検出物体2が直線的に移動する場合は、被検出物体2の形状変化の一周期とは、隣接する突部5の一端間の距離d1を指す。第一検出コイル6、第二検出コイル7の一端間を結ぶ距離d2は、距離d1のN/2(Nは自然数)倍とは異なる距離とした。これにより被検出物体2が移動する間、第一検出コイル6と被検出物体2との距離と、第二検出コイル7と被検出物体2との距離とが異なるため、第一検出コイル6と第二検出コイル7とがインピーダンス差を持つ。この場合も、第一検出コイル6と第二検出コイル7のコンダクタンスは、同時に最大値となることはなく、同時に最小値を取ることもない。
なお、本実施の形態では、突部5は矩形状の突部5で構成したが、図4(A)に示すように角に丸みを帯びた突部5としてもよいし、図4(B)に示すように階段状に突出距離が変化した突部5でもよい。さらに被検出物体2は、図4(C)に示すように、状態変化する部位が所定間隔もしくは連続的に形成された貫通孔12や溝で構成されていてもよい。
また本実施の形態では、被検出物体2の外周側面に第一検出コイル6、第二検出コイル7が対向するように配置したが、例えば突部5に対し、被検出物体2の中心軸4方向に対向するように配置してもよい。
さらに本実施の形態では、第一検出コイル6と第二検出コイル7の二つのコイルを用いたが、三つ以上の検出コイルを用いてもよい。例えば三つの検出コイルを用いる場合、それぞれの検出コイルのインピーダンス差に応じた電気信号を相対値信号として用いることができる。
さらに本実施の形態では、変化する物理量としてコンダクタンスの例をあげたが、前述のように被検出体の材質がアルミ等の場合はインダクタンスでもよく、その場合には発振回路の発振周波数を絶対値信号にすることも好ましい。
本実施の形態では、低コストで高精度な位置検出センサ3および位置検出装置1を実現できる。
低コスト化を実現する理由は、以下の通りである。
すなわち本実施の形態では、突部5の間隔に合わせて比較的容易に第一、第二検出コイル6、7の配置位置を調整することができ、種々の被検出物体2に対応できるからである。また突部5の間隔が大きい場合は、第一検出コイル6と第二検出コイル7とを分離して配置し、一対で一つの位置検出センサ3として用いることができる為、大きな被検出物体2にも低コストで対応できる。
また検出精度を向上させ得る理由は、半導体磁気センサと異なり永久磁石を用いないため、位置検出センサ3と被検出物体2との距離が近接しても信号を検出できるからである。
さらに本実施の形態では、図2に示すように、第一検出コイル6と第二検出コイル7とが、共通の発振回路8に接続され、この発振回路8によって一体的に電気的駆動される。
これにより、第一検出コイル6、第二検出コイル7を合わせて一つのコイルとみなすことができ、第一検出コイル6、第二検出コイル7が電圧や電流などの少なくとも一つの電気パラメータを共有するように駆動できる。したがって、第一検出コイル6、第二検出コイル7の取り付けばらつきや外部からの振動、熱膨張等によって、第一検出コイル6および第二検出コイル7と被検出物体2との距離が変動した場合、第一検出コイル6、第二検出コイル7で共有する電気パラメータも変動するため、検出した相対値信号に与える影響を低減できる。また電気的に駆動するため、例えば差動トランスによる磁気的駆動と比べて検出コイルに直接駆動エネルギーを供給できるため、消費電力を低減できる。
また本実施の形態では、図2に示すように、第一検出コイル6(L1)と第二検出コイル7(L2)とを直列接続している。直列接続することで、第一検出コイル6と第二検出コイル7は電流Icoilが共通の電気パラメータとなり、それぞれ被検出物体2の状態変化に応じた電気信号は、電圧信号となる。電圧信号は電流信号と比較して、検出用の抵抗が不要なため信号処理として扱い易く、回路構成も簡易となる。
本実施の形態では、第一検出コイル6と第二検出コイル7に並列にコンデンサCresが接続されている。これにより第一検出コイル6、第二検出コイル7、コンデンサとで共振回路が形成される。
なお、第一検出コイル6、第二検出コイル7は、図5に示すように、インダクタンス成分L1、L2以外に抵抗成分R1、R2、寄生容量C1、C2を持つ。したがって、図2に示すコンデンサCresを省略し、寄生容量C1、C2のみで共振回路を構成してもよい。また第一検出コイル6に並列に外付けのコンデンサを接続し、同様に第二検出コイル7にも並列に外付けのコンデンサを接続してもよい。第一検出コイル6と寄生容量C1や外付けコンデンサで第一共振回路13を構成する。また第二検出コイル7と寄生容量C2や外付けコンデンサで第二共振回路14を構成する。発振回路8は第一共振回路13と第二共振回路14を一体的に励振する。
ここで、第一検出コイル6と第二検出コイル7とは実質的に同一の性能とする。第一検出コイル6のコンダクタンスをG1、第二検出コイル7のコンダクタンスをG2とすると、第一検出コイル6の振幅(電圧)はIcoil/G1となり、第二検出コイル7の振幅(電圧)は、Icoil/G2となる。
またコンデンサのコンダクタンスをGcresとすると、第一検出コイル6、第二検出コイル7、コンデンサで構成される共振回路の合成コンダクタンスGrlcは、{G1・G2/(G1+G2)}+Gcresとなる。
第一検出コイル6、第二検出コイル7と被検出物体2の状態変化部、すなわち突部5との対向面積が大きくなるほど、また突部5との距離が小さくなるほど、渦電流によってコイルインピーダンスが小さくなるため、コンダクタンスG1、G2、Grlcは大きくなる。
本実施の形態では、発振回路8から出力される発振信号(電圧)の振幅は、第一検出コイル6、第二検出コイル7、コンデンサで構成される共振回路の合成コンダクタンスGrlcと発振回路8のコンダクタンスGoscとで決まる。
発振回路8のコンダクタンスGoscは一定値に設定されているが、合成コンダクタンスGrlcの方が発振回路8のコンダクタンスGoscよりも大きくなった場合、発振回路8は発振を停止してしまい、相対値信号や絶対値信号を検出できなくなる。したがって、合成コンダクタンスGrlcが発振回路8のコンダクタンスGoscより大きくなって発振回路8の発振振幅が所定値以下となると、発振回路8のコンダクタンスGoscを制御し、発振振幅が所定値以上は維持できる様にしている。言い換えると、発振振幅が所定値以下となると発振回路8は全体として負帰還系を形成して発振振幅を所定値以上に保つ。本実施の形態では、発振回路8のコンダクタンスGoscが合成コンダクタンスGrlcとほぼ同じ値となるように負帰還する。
なお、第一検出コイル6、第二検出コイル7が図5に示すように、第一共振回路13、第二共振回路14を構成する場合は、合成コンダクタンスGrlcは第一共振回路13と第二共振回路14の合成コンダクタンスを指す。合成コンダクタンスGrlcが発振回路8のコンダクタンスGoscより大きくなると、発振回路8は所定以上の発振振幅を維持するように負帰還制御される。
図6は、図2において、被検出物体2が正転方向に移動する場合の信号のタイムチャートを示す。図6に示す時刻t0において、被検出物体2と位置検出センサ3との位置関係は、図2のように、第一検出コイル6も第二検出コイル7も突部5と近接した位置にある。ただし、一定の移動方向に対して、一方はこれから最も突部5との相互作用が強まるのに対し、他方は弱まるような位置関係となっている。本実施の形態では、t0時点から正転方向に移動するとすぐに第一検出コイル6は突部5から離れ、時刻t1時点で最も離れる。その後第一検出コイル6は時刻t2時点で隣接する突部5と最も近づく。一方で第二検出コイル7は被検出物体2が正転方向に移動して暫くは突部5と近接した状態を維持し、突部5から離れる。
図2に示すように、第一検出コイル6から出力された電圧信号と第二検出コイル7から出力された電圧信号はそれぞれ第一検波回路15、第二検波回路16に入力され、図6に示す第一電圧信号V1、第二電圧信号V2に変換される。本実施の形態の第一検波回路15、第二検波回路16とは、例えば差動増幅器である。第一電圧信号V1と第二電圧信号V2は、比較回路17で比較され、H(High)、L(Low)パターンの相対値信号として出力される。本実施の形態では、図6に示すように、第一電圧信号V1が第二電圧信号V2より大きい場合にH出力とし、小さい場合をL出力とした。
なお、相対値信号とは、第一検出コイル6、第二検出コイル7の出力電圧を所定の閾値と比較し、それぞれのHLパターンを更に比較して出力した信号も含む。
さらに第一検出コイル6、第二検出コイル7全体から出力された電圧信号は、発振検波回路18に入力され、図6に示す電圧信号VLCに変換される。電圧信号VLCは、発振検波回路18の出力側に接続された弁別回路19で所定の閾値Vthと比較され、HLパターンの絶対値信号を出力した。図6では、VthよりVLCの方が大きい場合をL、小さい場合をHと出力している。
図6に示すように、被検出物体2の正転時では、相対値信号がLからHに変わる時点で、絶対値信号がHを示す。
図7は、図2において、被検出物体2が逆転方向に移動する場合の信号のタイムチャートを示す。図7に示す時刻t0において、被検出物体2と位置検出センサ3との位置関係は、図2のようになっている。第一電圧信号V1、第二電圧信号V2、相対値信号、電圧信号VLC、絶対値信号の検出方法は、図6に示す正転時と同様である為、説明を省略する。
図7に示すように、被検出物体2の逆転時では、相対値信号がLからHに変わる時点で、絶対値信号がLを示す。
したがって、相対値信号と絶対値信号のHLパターンを用いて、被検出物体2が正転方向と逆転方向のいずれに回転しているかを検出できる。
なお、相対値信号と絶対値信号とを用いた被検出物体2の移動方向の検出手段は、上述した方法に限定されるものではない。即ち本実施の形態では、第一電圧信号V1、第二電圧信号V2、電圧信号VLCを常時生成したが、例えば絶対値信号がLからHに変わるタイミングでのみ第一検出コイル6、第二検出コイル7の電圧にサンプルホールド回路をかけ、それらの信号を比較することで回転方向を判定してもよい。さらに相対値信号として第一検出コイル6、第二検出コイル7の中点電圧の位相、振幅をモニタリングすることで、移動方向の判定をしてもよい。また中点電圧と回路全体の電圧の位相を比較し、相対値信号として用いてもよい。
なお、相対値信号と絶対値信号とを組み合わせて被検出物体2の移動方向を検出する信号処理回路20は、位置検出センサ3に組み込んでもよいし、位置検出センサ3と接続したモジュールや、位置検出センサ3とモジュールとの間に別回路として組み込んでもよい。位置検出センサ3と接続されるモジュールとしては、例えばECU(Electronic Control Unit)が挙げられる。
(実施の形態2)
本実施の形態2の被検出物体2と位置検出センサ3の外観構成は実施の形態1と同様である。実施の形態2と実施の形態1との主な違いは、図8に示すように、第一検出コイル6(L1)と第二検出コイル7(L2)とを並列に接続した点である。実施の形態1と同様に、第一検出コイル6、第二検出コイル7に並列にコンデンサCresを接続し、第一検出コイル6、第二検出コイル7、コンデンサCresで共振回路を構成している。
また本実施の形態では、第一検出コイル6は抵抗R1と直列に接続され、第二検出コイル7は抵抗R2と接続される。抵抗R1と抵抗R2の抵抗値は実質的に等しく、第一検出コイル6、第二検出コイル7に対してインピーダンスが充分に小さいものとする。したがって、第一検出コイル6のコンダクタンスと第一抵抗R1の直列要素における合成コンダクタンスは、殆ど第一検出コイル6のコンダクタンスとなる。同様に、第二検出コイル7と第二抵抗R2の合成コンダクタンスも、ほぼ第二検出コイルのコンダクタンスとなる。
第一検出コイル6のコンダクタンスG1と第二検出コイル7のコンダクタンスG2、直列抵抗R1、R2及びコンデンサCresの合成コンダクタンスGrlcは、G1+G2+GCresとなる。
実施の形態1と同様に、合成コンダクタンスGrlcが発振回路8の発振振幅が所定値よりも大きくなった場合に、コンダクタンスGoscを負帰還制御して所定以上の振幅を維持する。
第一検出コイル6と第二検出コイル7とは直列接続であるため、第一検出コイル6、第二検出コイル7、抵抗R1、抵抗R2にかかる発振電圧は共通である。第一検出コイル6に流れる電流I1は、発振電圧とコンダクタンスG1との積であり、第二検出コイル7に流れる電流I2は、発振電圧とコンダクタンスG2との積である。
第一検出コイル6の電流信号I1に相当する抵抗R1の電圧信号は第一検波回路15で第一電圧信号V1に変換される。同様に第二検出コイル7の電流信号I2は第二検波回路16で第二電圧信号V2として変換される。
第一検出コイル6、第二検出コイル7の電圧は共通であり、発振検波回路18を介して電圧信号VLCに変換される。
図9は、図8において、被検出物体2が正転方向に回転する場合の信号のタイムチャートを示す。図9に示す時刻t0において、被検出物体2と位置検出センサ3との位置関係は、図8のようになっている。相対値信号、絶対値信号の検出方法は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
図9に示すように、被検出物体2の正転時では、相対値信号がLからHに変わる時点で、絶対値信号がHを示す。また図示を省略するが、被検出物体2の逆転時では、相対値信号がLからHに変わる時点で絶対値信号がLを示す。
図9に示す信号処理回路20では、絶対値信号と相対値信号を用いて回転方向を判別し、例えば正転と判断した場合は相対値信号をそのまま出力し、逆転と判断した場合は正転時とは異なる振幅で相対値信号を出力してもよい。信号処理回路20は、位置検出センサ3に組み込んでもよく、別体のモジュールに組み込んでもよい。
本実施の形態においても、第一検出コイル6と第二検出コイル7とが一体に電気的駆動されるため、低コストで測定精度を向上できる。また相対値信号と絶対値信号とを用いて回転方向を検出できる。
その他実施の形態1と同様の構成および効果については説明を省略する。
(実施の形態3)
本実施の形態3の被検出物体2と位置検出センサ3の外観構成も、実施の形態1と同様である。本実施の形態3と実施の形態1との主な違いは、図10に示すように、比較回路17からの出力をデジタル回路(D型フリップフロップ回路21)に入力し、デジタル信号の相対値信号を出力した点である。
第一検波回路15、第二検波回路16から出力された第一電圧信号V1、第二電圧信号V2を、それぞれ比較回路17で基準電圧Vrefと比較し、各出力をD型フリップフロップ回路21に入力して相対値信号を生成した。例えば本実施の形態では、第一検出コイル6(L1)側の信号をD型フリップフロップ回路21のCK(CLOCK)端子に入力している。また第二検出コイル7(L2)側の信号をD型フリップフロップ回路21のD端子に入力している。したがって、第一検出コイル6の両端が−から+に転ずるタイミングにおいて、第二検出コイル7の両端が+か−かにより、相対値信号が確定する。
本実施の形態においても、第一検波回路15、第二検波回路16において、それぞれ第一検出コイル6、第二検出コイル7の両端電圧の差動信号をとっているが、代わりに第一検出コイル6、第二検出コイル7の中点電圧を基準電圧Vrefと比較し、相対値信号として用いてもよい。また中点電圧と回路全体の電圧の位相を比較し、相対値信号として用いてもよい。
また第一検出コイル6、第二検出コイル7単体に代えて、寄生容量や外付けのコンデンサを用いてLC共振回路としてもよい。
その他の実施の形態1と同様の構成については、説明を省略する。
図11は、図10において、被検出物体2が所定方向に移動する場合の信号のタイムチャートを示す。
なお、図11に示す第一電圧信号V1、第二電圧信号V2の波形の周期は、LC発振周期に基づくものであり、被検出物体2の突部5の間隔によるものではない。したがって、タイミングスケールは実施の形態1で示したように、突部5どうしの間隔によるものよりも短い。
各第一検出コイル6、第二検出コイル7のインピーダンスは複素数であり、被検出物体2との距離、対向面積によって変化する。第一検出コイル6、第二検出コイル7を直列に接続した場合、それぞれのコイルの両端電圧は、両者の複素インピーダンスによって分圧された値となる。したがって、振幅、位相ともに変化する。
本実施の形態では、D型フリップフロップ回路21を用いて、第一電圧信号V1と第二電圧信号V2のどちらの位相が進んでいるかを検知している。すなわち上述の実施の形態1では、第一検出コイル6と第二検出コイル7の電圧振幅を比較しているが、振幅のピークを高精度に検出するのは回路設計上難しいことがある。これに対し本実施の形態では、ピークディテクタを用いず、D型フリップフロップ回路21で位相情報から相対値信号を出力できるため、回路設計が容易である。
図11に示すように、第二検出コイル7の方が第一検出コイル6よりも位相が進んでいる場合は、D型フリップフロップ回路21の出力QがH(High)となる。第一検出コイル6、第二検出コイル7のどちらがより被検出物体2と接近しているかによって、HとL(Low)とが入れ替わる。
なお、第一検出コイル6、第二検出コイル7が完全に中立な場合には、出力QがHになったりLになったりするが、適宜デジタルフィルタを用いて安定な出力Qのみを取り出してもよい。
また第一検出コイル6、第二検出コイル7の全体の出力電圧は、図10に示すように、発振検波回路18を介して電圧信号VLCに変換され、弁別回路19で弁別されて絶対値信号が出力される。本実施の形態では、発振回路8が停止している時をLと出力し、発振回路8が発振している時をHと出力した。
例えば本実施の形態では、被検出物体2が正転時において、相対値信号がLからHに変わるとき、絶対値信号がLとなるのに対し、被検出物体2が逆転時において、相対値信号がLからHに変わるとき、絶対値信号がHとなる。これにより被検出物体2の移動方向を検出することができる。
本実施の形態においても、第一検出コイル6、第二検出コイル7を一体的に電気的駆動するため、両者のインピーダンスの相対値を忠実に信号処理に反映することができ、結果として位相差による信号判別精度が高くなるので、低コストで測定精度を高めることができる。また相対値信号と絶対値信号とを用いて回転方向を検出できる。
(実施の形態4)
本実施の形態4の被検出物体2と位置検出センサ3の外観構成も、実施の形態1と同様である。本実施の形態4と実施の形態1との主な違いは、相対値信号を発振回路8の発振周波数信号に対応する電気信号とした点である。
図12に示すように、本実施の形態の第一検出コイル6(L1)と第二検出コイル7(L2)とはそれぞれコンデンサCres1、Cres2と第一共振回路13、第二共振回路14を構成し、各共振回路が直列接続されている。コンデンサCres1、Cres2は第一検出コイル6、第二検出コイル7の寄生容量でもよく、外付けのコンデンサでもよい。
第一検出コイル6が被検出物体2と最も離れている時の第一共振回路13の共振周波数をf1とし、第二検出コイル7が被検出物体2と最も離れている時の第二共振回路14の共振周波数をf2とする。共振周波数f1とf2とは十分に離れているように第一検出コイル6、第二検出コイル7のインダクタンスやコンデンサCres1、Cres2の容量値を設定する。
本実施の形態においても、第一検出コイル6と第二検出コイル7は被検出体の凹凸ピッチのN/2倍とは異なる間隔で配置されているので、それぞれのインピーダンスの変化は位相差を持つ。したがって、後述のように被検出物体2と位置検出センサ3との対向位置によって発振回路8の発振周波数が変化し、発振周波数を相対値信号として用いることができる。
発振回路8の発振周波数は、発振周波数検波回路22で検波され、弁別回路23に入力されて相対値信号となる。発振回路8の発振振幅は、発振振幅検波回路24で検波され、弁別回路25に入力されて絶対値信号となる。
図13は、第一共振回路13、第二共振回路14を直列接続した回路全体の合成インピーダンスを示したものである。図13において、横軸は周波数、縦軸はインピーダンスである。
図13(A)は第一検出コイル6と第二検出コイル7が均等に被検出物体2と近接、対向している状態である。
図13(B)は第一検出コイル6と被検出物体2との距離が最も遠い、あるいは対向面積が最も小さい状態である。渦電流が発生しにくいため、インピーダンスが大きくなる。一方、第二検出コイル7と被検出物体2との距離は最も近い、あるいは対向面積が最も大きい状態である。渦電流が発生し、インピーダンスが小さくなる。
図13(C)は第一検出コイル6、第二検出コイル7共に被検出物体2との距離が最も遠い状態である。渦電流が発生しにくく、インピーダンスが大きくなる。
図13(D)は第二検出コイル7と被検出物体2との距離が最も遠い、あるいは対向面積が最も小さい状態である。渦電流が発生しにくいため、インピーダンスが大きくなる。一方、第一検出コイル6と被検出物体2との距離は最も近い、あるいは対向面積が最も大きい状態である。渦電流が発生し、インピーダンスが小さくなる。
第一共振回路13、第二共振回路14を励振する発振回路8は、所定の発振周波数特性を満たす周波数領域で発振条件を満たし、かつインピーダンスが最大となる周波数で発振が開始される。被検出物体2が近接し、第一共振回路13、第二共振回路14全体のコンダクタンスが増大して発振回路8のコンダクタンスを上回ると発振は停止する。
例えば図13(B)のように周波数f1におけるインピーダンスが最大となった時、発振回路8は周波数f1で発振している。この状態で、f2におけるインピーダンスがf1におけるインピーダンスよりも十分に大きくなった時、発振周波数がf1からf2に切り替わる。なお、周波数の変化にはヒステリシスがあるが、周波数の切り替えは第一共振回路13、第二共振回路14のインピーダンスの相対関係で決まるため、発振周波数を相対値信号として用いることができる。
本実施の形態では、被検出物体2が所定方向に回転する時、変化する形状の一周期中、すなわち図1に示すように、中心軸4を中心とし、隣接する突部5どうしが成す角θ1で規定される領域において、図12の第一共振回路13と第二共振回路14の共振点インピーダンスの大小関係が入れ替わるように構成した。これにより発振周波数が跳躍的に変化し、相対値信号として用いることができる。
なお、発振周波数そのものを相対値信号として用いる以外にも、発振周期など、発振周波数に対応する電気信号を用いてもよい。
一方で絶対値信号は、発振状態の時をHパターンとし、発振停止状態の時をLパターンとした。相対値信号は、発振周波数がf1かf2かをモニタリングした信号とした。
図14は、図13(A)〜(D)において、被検出物体2が正転した時の相対値信号、絶対値信号のタイミングチャートである。図15は、被検出物体2が逆転した時の同タイミングチャートである。
例えば発振停止状態となる直前、すなわち絶対値信号がHからLに切り替わる直前の相対値信号をモニタリングすると、正転時はf2であり、逆転時はf1であるため、回転方向を判定できる。
なお、実際には、第一検出コイル6、第二検出コイル7が被検出物体2に近接するとインピーダンスが下がるため、若干周波数が高い方へシフトするが、閾値fthと比較することで十分に弁別は可能である。
さらに、以上のように、発振回路8を発振・停止させてもよいが、発振停止しそうになった場合に、所定の振幅を維持するように、発振回路8のコンダクタンスを負帰還制御してもよい。図16は、被検出物体2の正転時において、負帰還制御した場合のタイミングチャートを示し、図17は被検出物体2の逆転時において、負帰還制御した場合のタイミングチャートを示す。いずれも低振幅で発振させている状態をLとし、通常の発振状態をHと示した。この場合は、常に発振周波数を検知できるため、正転・逆転を判断できる機会が多くなり、被検出物体2の移動距離が少なくても効率よく判断できる。
図14〜図17に示すH−Lのパターンはあくまで一例であり、その他のパターンであっても、形状変化の一周期に絶対値信号と相対値信号とを用いて正転・逆転などの移動方向が区別できればよい。
ここで、本実施の形態のように、第一検出コイル6、第二検出コイル7の共振周波数を大きく離間させることで、発振周波数は跳躍的に変化する。したがって、本実施の形態のように発振周波数で弁別する場合以外で、実施の形態1で示すように第一検出コイル6、第二検出コイル7の電圧振幅を比較する形態であっても、発振周波数の変化に伴って振幅が跳躍的に変化する。したがって、被検出物体2の状態変化に対して急峻な相対値信号の変化を得られ、測定精度を向上できる。
なお、本実施の形態では、第一検出コイル6と第二検出コイル7とがインピーダンス差を有する構成のため、第一検出コイル6と第二検出コイル7との共振周波数を変えることで、発振周波数を相対値信号として用いることができる。したがって本発明の第一検出コイル6と第二検出コイル7のインピーダンス差に応じた電気信号とは、本実施の形態における発振周波数信号を含む。
その他実施の形態1と同様の構成及び効果については、説明を省略する。
(実施の形態5)
本実施の形態5の被検出物体2と位置検出センサ3の外観構成も、実施の形態1と同様である。本実施の形態5と実施の形態1との主な違いは、図18に示すように、駆動回路を図2の発振回路8に代えてパルス発生回路26とした点である。パルス発生回路26は外部電源(図示せず)に接続される。
これにより駆動回路(パルス発生回路26)や信号処理回路20をデジタル回路で形成でき、安価な構成となる。
パルス発生回路26は、第一検出コイル6(L1)、第二検出コイル7(L2)に方形波電圧(パルス信号SP)を与える。パルスは被検出物体2の形状変化部分の一周期が第一検出コイル6あるいは第二検出コイル7を通過する周期よりも十分に小さな周期で発生させる。
また本実施の形態では、第一検出コイル6と第二検出コイル7とを並列に接続した。第一検出コイル6、第二検出コイル7には、それぞれ電流検出用の抵抗R1、R2を直列接続した。抵抗R1と抵抗R2の抵抗値は実質的に等しく、第一検出コイル6、第二検出コイル7に対してインピーダンスが充分に小さいものとする。
第一検出コイル6、抵抗R1からなる要素と、第二検出コイル7、抵抗R2からなる要素とは、電圧が共通の電気パラメータとなり、被検出物体2の状態変化によって各第一検出コイル6の電流I1、第二検出コイル7の電流I2が変化する。
パルス発生回路26には遅延回路27が接続される。遅延回路27は、パルスの立ち下りのエッジから所定時間Tdの遅れを生成する。
第一検出コイル6の電流I1と第二検出コイル7の電流I2は、それぞれ抵抗R1、抵抗R2の電圧信号V1、V2として比較され、相対値信号SRを生成する。
さらに抵抗R1、抵抗R2の電圧信号V1、V2は、それぞれ基準電圧Vthと比較され、出力された各信号S1、S2を、例えば更にANDをかけて絶対値信号S1ANDS2を生成する。
なお、遅延回路27の出力はラッチ回路28に与えられ、ラッチ回路28では、遅延回路27タイミングでの相対値信号、絶対値信号のH−Lパターンを次のタイミングまで保持する。
図19は、図18において、被検出物体2が正転方向に移動する場合の信号のタイムチャートを示す。図19では、一つのパルス信号SPに対する各要素の波形を示す。
本実施の形態において、第一検出コイル6、第二検出コイル7の過渡応答は、インダクタンスと抵抗(各コイルの交流抵抗と抵抗R1、R2の和)の積で決定される。ここで本実施の形態では、被検出物体2が鉄であり、発振周波数が比較的高く設定した場合は、インダクタンスの変化よりも交流抵抗の変化が支配的になる。図19では電圧信号V1と電圧信号V2とを比較することで、第一検出コイル6の方が第二検出コイル7よりも交流抵抗の過渡応答時間が長いことが分かる。すなわち第一検出コイル6の方が第二検出コイル7よりも交流抵抗が大きい。
したがって、パルス信号SRの立下りからTd経過した時点では、電圧信号V1>電圧信号V2となり、相対値信号SRをHとした。過渡応答が収束すると、比較回路17の出力は、入力オフセットのばらつきによりH−Lパターンが不定となるが、ラッチ回路28でTd時点での情報を検出するため、測定精度への影響を抑制できる。
さらに図18、図19に示す状態では、Td時点において電圧信号V1、V2が基準電圧Vthよりも大きいため、信号S1、S2はHパターンを示す。すなわち各合成抵抗(コイルの交流抵抗と抵抗Rの和)の絶対値が基準値よりも大きく、突部5と近接していることを示す。
以上のようにTd時点での相対値信号SRと信号S1、S2、またはS1とS2の論理合成結果(絶対値信号S1ANDS2)を継続的に検出し、例えば相対値信号SRがLからHになった時の絶対値信号の状態を知ることにより、回転方向を判別することができる。もちろん、本実施の形態以外の絶対値信号、相対値信号の生成及びそのパターン組み合わせによっても回転方向を判別することができる。
本実施の形態においても、第一検出コイル6と第二検出コイル7とが一体に電気的駆動されるため、低コストで測定精度を向上できる。また相対値信号と絶対値信号とを用いて回転方向を検出できる。さらに比較回路以外の殆どの回路要素をデジタル化できるため、安価に構成できる。
なお、上記実施の形態1〜5において、第一検出コイル6、第二検出コイル7を、図20、図21に示すような磁気ギャップ29を有する環状の磁性体コア30の中心軸31を中心に巻回してもよい。図22に示すように、被検出物体2の状態変化する部位、すなわち突部5は、磁気ギャップ29間を移動する。
磁性体コア30は、少なくとも対向する一対の延伸部32、33と、延伸部32、33間を連結する連結部34からなる。図20に示すようないわゆるコの字形でもよく、C字形でもよい。磁気ギャップ29とは、一対の延伸部32、33どうしが最も近接し、磁束密度が大きい領域であって、ほぼ一様な平行磁束が形成される領域を指す。
このようなコア構造により、第一検出コイル6、第二検出コイル7の磁束の殆どが各磁気ギャップ29間を通るため、被検出物体2と磁性体コア30との位置関係が、図20におけるZ方向、すなわち図22の被検出物体2の中心軸4方向にずれても、検出結果に殆ど影響がなく、高精度に測定できる。
さらに図21に示すように、磁気ギャップ29を、被検出物体2の状態変化する部位、すなわち突部5に投影した形状は、被検出物体2が移動する方向(図21のX方向)と直交する方向(図21のY方向)の両端部が、余裕寸法δをもって状態変化する部位に包含される。
このような構成により、磁性体コア30がY方向にδだけずれた場合も、磁気ギャップ29と被検出物体2との対向面積は殆ど影響を受けないため、検出結果に与える影響も抑制でき、高精度に測定できる。
第一検出コイルと第二検出コイルとが一体に電気的駆動されるため、低コストで測定精度を向上できる。したがって、高精度な測定が求められる車載用クランクロータの回転センサ等にも有用である。
1 位置検出装置
2 被検出物体
3 位置検出センサ
4 中心軸
5 突部
6 第一検出コイル
7 第二検出コイル
8 発振回路
9 絶対値信号検出手段
10 相対値信号検出手段
11 凹部
12 貫通孔
13 第一共振回路
14 第二共振回路
15 第一検波回路
16 第二検波回路
17 比較回路
18 発振検波回路
19 弁別回路
20 信号処理回路
21 D型フリップフロップ回路
22 発振周波数検波回路
23 弁別回路
24 発振振幅検波回路
25 弁別回路
26 パルス発生回路
27 遅延回路
28 ラッチ回路
29 磁気ギャップ
30 磁性体コア
31 中心軸
32 延伸部
33 延伸部
34 連結部

Claims (14)

  1. 所定間隔で状態変化する被検出物体と対向して配置される位置検出センサであって、
    前記位置検出センサは、
    互いに離間配置され、それぞれ前記被検出物体の状態変化に応じてインピーダンスが変化する第一検出コイルおよび第二検出コイルと、
    前記第一検出コイルと前記第二検出コイルとを一体的に電気的駆動する駆動回路と、
    前記第一検出コイルと前記第二検出コイルの合成インピーダンスに応じた電気信号を検出する絶対値信号検出回路と、
    前記第一検出コイルと前記第二検出コイルのインピーダンス差に応じた電気信号を検出する相対値信号検出回路と、を備えた位置検出センサ。
  2. 前記被検出物体は、中心軸を中心に回転する回転体であり、
    前記被検出物体の外周には、所定間隔に設けられた複数の形状変化部を有し、
    隣接する前記形状変化部のそれぞれの一端と前記中心軸とを結ぶ線の成す角をθ1とし、
    前記第一検出コイルと前記第二検出コイルのそれぞれの一端と前記中心軸とを結ぶ線の成す角をθ2とした場合に、成す角θ2は成す角θ1/2の自然数倍とは異なる角度である、請求項1に記載の位置検出センサ。
  3. 前記被検出物体は、所定の直線方向に移動する移動体であり、
    前記被検出物体の、前記位置検出センサと対向する端部には、所定間隔に設けられた複数の形状変化部を有し、
    隣接する前記形状変化部のそれぞれの一端間の距離をd1とし、
    前記第一検出コイルと前記第二検出コイルのそれぞれの一端間の距離をd2とした場合に、距離d2は距離d1/2の自然数倍とは異なる距離である、請求項1に記載の位置検出センサ。
  4. 前記被検出物体は所定方向に移動し、
    前記相対値信号と絶対値信号とを組み合わせて、前記被検出物体の移動方向が検出される、
    請求項1に記載の位置検出センサ。
  5. 前記第一検出コイルと前記第二検出コイルとは直列接続され、
    前記第一検出コイルと前記第二検出コイルの電圧信号が、前記相対値信号検出手段によって比較される、
    請求項1に記載の位置検出センサ。
  6. 前記第一検出コイルを含む第一共振回路と、
    前記第二検出コイルを含む第二共振回路と、を有し、
    前記駆動回路は前記第一、第二共振回路を励振する発振回路であって、
    前記発振回路の発振信号を弁別する弁別回路を更に有する、
    請求項1に記載の位置検出センサ。
  7. 前記駆動回路は発振回路であり、
    前記発振回路は、所定以上の発振振幅を維持するように出力信号が負帰還制御される、請求項1に記載の位置検出センサ。
  8. 前記相対値信号は、前記第一検出コイルと前記第二検出コイルの電圧又は電流の少なくとも何れか一方の位相差である、
    請求項1に記載の位置検出センサ。
  9. 前記駆動回路は発振回路であり、
    前記相対値信号は、前記発振回路の発振周波数信号または前記発振周波数信号と対応する電気信号である、
    請求項1に記載の位置検出センサ。
  10. 前記第一検出コイルを含む第一共振回路と、
    前記第二検出コイルを含む第二共振回路と、を有し、
    前記被検出物体は、一定の周期で形状が変化し、
    前記被検出物体が所定方向に移動する時、形状変化の一周期中に前記第一共振回路と前記第二共振回路の共振点インピーダンスの大小関係が入れ替わる、請求項8、9に記載の位置検出センサ。
  11. 前記駆動回路は、外部電源に接続されたパルス発生回路であって、
    前記相対値信号検出手段は、前記第一検出コイルと前記第二検出コイルの電気信号の過渡応答の差を検出する、請求項1に記載の位置検出センサ。
  12. 前記第一検出コイルおよび前記第二検出コイルは、
    それぞれ磁気ギャップを有する磁性体コアに巻回され、
    それぞれの前記磁気ギャップ間を前記被検出物体の状態変化する部位が移動する、請求項1に記載の位置検出センサ。
  13. 前記磁気ギャップを前記被検出物体の状態変化する部位に投影した形状は、
    被検出物体が移動する方向と直交する方向の両端部が、余裕寸法をもって前記状態変化する部位に包含される、請求項12に記載の位置検出センサ。
  14. 所定間隔で状態変化する被検出物体と、
    この被検出物体と対向して配置された位置検出センサと、を備え、
    前記位置検出センサは、
    互いに離間配置され、それぞれ前記被検出物体の状態変化に応じてインピーダンスが変化する第一検出コイルおよび第二検出コイルと、
    前記第一検出コイルと前記第二検出コイルとを一体的に電気的駆動する発振回路と、
    前記第一検出コイルと前記第二検出コイルの電気信号を合わせた全体の電気信号を検出する絶対値信号検出手段と、
    前記第一検出コイルと前記第二検出コイルのインピーダンス差に応じた電気信号を検出する相対値信号検出手段とを有する、
    位置検出装置。
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