JP2014092320A - 熱移動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システムを迅速に立ち上げることができるとともに、冷媒循環量を増加させて冷却能力をより向上させることが可能な熱移動システムを提供する。
【解決手段】この熱移動システム100では、溶液(LiBr水溶液)に吸収された冷媒を蒸発させる蒸発部10と、溶液が収容される吸引部30と、冷媒蒸気を凝縮させる凝縮部20と、蒸気通路41に設けられた蒸気流通用弁51と、濃溶液通路43aに設けられた濃溶液移動用弁52aとを備える。そして、冷媒が蒸発して蒸発部10の溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、蒸気流通用弁51を閉じて濃溶液移動用弁52aを開くことによって冷媒蒸気の圧力により蒸発部10の溶液が吸引部30に移動されるとともに、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20で凝縮された冷媒が吸引部30に吸引されるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱移動システムに関する。
従来、密閉された容器内で蒸発および凝縮に伴う冷媒の相変化を繰り返し行うことにより、発熱体の熱(排熱)を系外に移送可能に構成された熱移動システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、水(冷媒)にベンゾトリアロール系防錆剤が混合された水溶液を蒸発させる蒸発部と、蒸発部で水溶液から蒸発した水蒸気(冷媒蒸気)を凝縮させる凝縮部と、蒸発部および凝縮部間を接続するとともに水蒸気が流通する蒸気通路および水(凝縮水)が流通する凝縮液通路とを備えた冷却システム(熱移動システム)が開示されている。この特許文献1に記載の冷却システムでは、発熱体が蒸発部で水溶液を加熱することにより発熱体の熱が水溶液から蒸発した水蒸気(冷媒蒸気)に伝達されるとともに、凝縮部において水蒸気の熱が外気に放熱されることにより、発熱体が冷却されるように構成されている。なお、凝縮部と凝縮液通路との接続部分には浸透膜が設けられており、凝縮部側の凝縮水(純水)と蒸発部側の水溶液とがこの浸透膜により隔てられている。これにより、凝縮部の凝縮水と蒸発部のベンゾトリアロール系防錆剤が含まれた水溶液との濃度差に基づく浸透圧により、凝縮部の凝縮水が蒸発部へ徐々に浸透されて蒸発中の水溶液が所定濃度に希釈されるように構成されている。
特開2011−220596号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された冷却システム(熱移動システム)では、凝縮部の凝縮水を蒸発部へ戻す際の駆動力に溶液の浸透圧を利用するため、凝縮部と蒸発部との溶液の圧力差(浸透圧)を発生させるのにはある程度の時間を要すると考えられる。また、浸透膜を用いるため、凝縮液通路を流通する冷媒(凝縮水)の流量も制限されることになり、冷却システムとして見ても、系内を循環する冷媒循環量は大きく制限される。このため、冷却システムの立ち上げに時間がかかるとともに、冷媒循環量が制限されることに起因して冷却システム起動後の冷却能力をより向上させることが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、システムを迅速に立ち上げることができるとともに、冷媒循環量を増加させて冷却能力をより向上させることが可能な熱移動システムを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における熱移動システムは、溶液に吸収された冷媒を蒸発させる蒸発部と、溶液が収容される吸引部と、蒸発部で蒸発された冷媒蒸気を凝縮させる凝縮部と、蒸発部と凝縮部とを接続する蒸気通路に設けられた第1の弁と、蒸発部と吸引部とを接続する溶液通路に設けられた第2の弁とを備え、冷媒が蒸発して蒸発部の溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、第1の弁を閉じて第2の弁を開くことによって冷媒蒸気の圧力により蒸発部の溶液が吸引部に移動されるとともに、吸引部と凝縮部との内圧差を利用して凝縮部で凝縮された冷媒が吸引部に吸引されるように構成されている。
この発明の一の局面による熱移動システムでは、上記のように、蒸発部と凝縮部とを接続する蒸気通路に設けられた第1の弁と、蒸発部と吸引部とを接続する溶液通路に設けられた第2の弁とを備え、冷媒が蒸発して蒸発部の溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、第1の弁を閉じて第2の弁を開くことによって冷媒蒸気の圧力により蒸発部の溶液が吸引部に移動されるとともに、吸引部と凝縮部との内圧差を利用して凝縮部で凝縮された冷媒が吸引部に吸引されるように構成することによって、第1の弁および第2の弁の開閉動作に基づいて冷媒蒸気の圧力を利用して蒸発部の溶液(濃溶液)を予め吸引部に円滑に移動させておくとともに、吸引部と凝縮部との内圧差を利用して凝縮部の冷媒(液冷媒)を溶液(濃溶液)が貯留された吸引部に円滑に吸引して溶液に冷媒を混合させることができる。すなわち、相対的に濃度の低い溶液(希溶液)が浸透膜を徐々に浸透しながら相対的に濃度の高い溶液(濃溶液)側に時間をかけて移動されるような場合と異なり、吸引部と凝縮部との内圧差を利用して吸引部に凝縮部の冷媒(液冷媒)が円滑に吸引されるため、時間を要さずに吸引部の溶液に凝縮部の冷媒を混合させて溶液(濃溶液)を希釈することができる。その結果、熱移動システムを迅速に立ち上げることができる。また、浸透膜(浸透圧)を用いる場合と異なり、吸引部と凝縮部との内圧差を利用することにより、冷媒の流通量が制限されないので、冷媒循環量を増加させて冷却能力をより向上させることができる。
上記一の局面による熱移動システムにおいて、好ましくは、凝縮部と吸引部とを接続する冷媒通路に設けられた第3の弁をさらに備え、蒸発部の溶液が吸引部に移動された後に、第2の弁を閉じて第3の弁を開くことにより、吸引部と凝縮部との内圧差を利用して凝縮部で凝縮された冷媒が吸引部に吸引されるように構成されている。このように、蒸発部の溶液(濃溶液)を吸引部に移動させた後、第2の弁および第3の弁の開閉動作に基づいて吸引部と凝縮部との内圧差を利用して凝縮部の液冷媒を溶液(濃溶液)が貯留された吸引部に冷媒通路を介して吸引して溶液に冷媒を混合させることができる。すなわち、凝縮部の冷媒(液冷媒)を吸引部に機械的に圧送する送液ポンプなどを設けることなく吸引部と凝縮部との内圧差を利用して第2の弁および第3の弁の開閉動作に基づいて、凝縮部から吸引部への液冷媒の円滑な流通を容易に得ることができる。
上記第3の弁をさらに備える構成において、好ましくは、凝縮部で凝縮された冷媒が吸引部に吸引された後に、第1の弁および第2の弁を開くことにより、吸引部の溶液は、吸引部と蒸発部との液面差により蒸発部に移動されるように構成されている。このように、凝縮部の液冷媒が吸引部に吸引されて濃溶液に混合された後、第1の弁および第2の弁の開閉動作に基づいて希溶液となった吸引部の溶液を液面差を利用して容易に蒸発部に戻すことができるので、蒸発部においては希釈された溶液(希溶液)を蒸発させて再び冷媒蒸気を得ることができる。すなわち、第1の弁、第2の弁および第3の弁の開閉動作に基づいて、蒸発部における冷媒蒸気の再生過程、再生された冷媒蒸気の凝縮部における凝縮(液化)過程、吸引部における冷媒(液冷媒)による溶液(濃溶液)の希釈過程、希釈された溶液の蒸発部への再供給過程をこの順に繰り返し行うことができるので、冷媒の円滑な流通を伴いながら熱移動システムを駆動させることができる。
この場合、好ましくは、第1の弁、第2の弁および第3の弁の開閉制御を行う弁制御部をさらに備え、冷媒が蒸発して蒸発部の溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、弁制御部により第1の弁を閉じて第2の弁を開く制御が行われて冷媒蒸気の圧力により蒸発部の溶液が吸引部に移動され、その後、弁制御部により第2の弁を閉じて第3の弁を開く制御が行われて吸引部と凝縮部との内圧差を利用して凝縮部の冷媒が吸引部に吸引され、その後、弁制御部により第1の弁および第2の弁を開く制御が行われることにより吸引部と蒸発部との液面差により吸引部の溶液が蒸発部に移動されるように構成されている。このように構成すれば、弁制御部を用いて、第1の弁、第2の弁および第3の弁の開閉動作を所定のタイミングに基づいて行うことができるので、蒸発部における冷媒蒸気の再生過程、再生された冷媒蒸気の凝縮部における凝縮(液化)過程、蒸発部から吸引部への溶液の移動過程、吸引部における冷媒(液冷媒)による溶液(濃溶液)の希釈過程、希釈された溶液の蒸発部への再供給過程を、熱移動システム内の冷媒循環量が制限されることなく連続的に繰り返すことができる。
上記一の局面による熱移動システムにおいて、好ましくは、蒸発部の溶液が温度低下を伴いながら吸引部に移動されることによって、吸引部の内圧を低下させて溶液が収容された吸引部の内圧と凝縮部の内圧との圧力差により凝縮部で凝縮された冷媒が吸引部に吸引されるように構成されている。このように構成すれば、溶液(濃溶液)の温度低下とともに溶液が移動された吸引部の内圧が、冷媒蒸気が封入された凝縮部の内圧よりも引き下げられた状態となるので、凝縮部に対して吸引部側が負圧状態(低い内圧状態)であることを有効に利用して凝縮部の液冷媒を吸引部に吸引させることができる。これにより、凝縮部の冷媒(液冷媒)を吸引部に機械的に圧送する送液ポンプなどを設けることなく熱移動システムを構成することができる。
この場合、好ましくは、蒸発部と吸引部とを接続する溶液通路に設けられ、蒸発部から吸引部に移動される際の溶液の温度を凝縮部における冷媒蒸気の凝縮温度未満に低下させる冷却部をさらに備える。このように構成すれば、冷却部により、蒸発部から吸引部へ移動される濃溶液の温度が凝縮部における冷媒蒸気の凝縮温度未満に確実に低下されるので、吸引部の内圧を冷媒蒸気が封入された凝縮部の内圧よりも容易に引き下げることができる。これにより、凝縮部の液冷媒を吸引部に確実に吸引させることができる。
上記蒸発部の溶液が温度低下を伴いながら吸引部に移動されることにより凝縮部の冷媒が吸引部に吸引される構成において、好ましくは、凝縮部と吸引部とを接続する冷媒通路が設けられており、凝縮部と冷媒通路との接続部分は、冷媒通路と吸引部との接続部分よりも下方に配置されている。このように、冷媒通路が凝縮部から吸引部に向かって上り勾配を有している場合においても、吸引部と凝縮部との内圧差により、凝縮部の液冷媒を濃溶液が貯留された吸引部に吸引することができるので、吸引部を凝縮部よりも下方に配置する(冷媒通路を凝縮部から吸引部に向けて下り勾配に構成する)必要性にとらわれることなく吸引部と凝縮部とを配置して熱移動システムを構成することができる。
上記一の局面による熱移動システムにおいて、好ましくは、溶液通路は、冷媒の蒸発後の濃溶液を蒸発部から吸引部へと移動させるための第1溶液通路と、吸引部において凝縮部から吸引された冷媒によって濃溶液が希釈された希溶液を吸引部から蒸発部へと移動させるための第2溶液通路とを含み、第2の弁は、第1溶液通路に設けられた濃溶液移動用弁と、第2溶液通路に設けられた希溶液移動用弁とを含む。このように構成すれば、濃溶液移動用弁を開閉動作させて濃溶液を流通させる第1溶液通路と、希溶液移動用弁を開閉動作させて希溶液を流通させる第2溶液通路とが別々に設けられるので、第1溶液通路と第2溶液通路とを蒸発部と吸引部との間でそれぞれ最適な形態で配置することができる。これにより、濃溶液と冷媒を含む希溶液との円滑な流通を図ることができる。
上記一の局面による熱移動システムにおいて、好ましくは、蒸発部で蒸発された冷媒蒸気を円滑に通過させるとともに溶液を通過させない大きさの孔を有することによって、冷媒蒸気と溶液とを分離する分離部が配置されている。このように構成すれば、冷媒蒸気とともに蒸発部の溶液(濃溶液)が蒸気通路を流通して凝縮部に混入されるのを効果的に抑制することができる。これにより、溶液(濃溶液)から冷媒(冷媒蒸気)を確実に分離した状態で、凝縮部における冷媒の凝縮過程を行うことができる。この結果、熱移動システムをより正常な状態で継続的に駆動させることができる。
上記一の局面による熱移動システムにおいて、好ましくは、蒸発部、吸引部および凝縮部は、車両に搭載されており、車両のエンジン、モータ、バッテリーおよび蓄熱器の少なくとも1つの排熱が蒸発部で蒸発された冷媒蒸気に伝達されるとともに、凝縮部において外部に放熱されるかまたは熱利用デバイスの熱源として利用されるように構成されている。このように、システムの迅速な立ち上げと冷却能力の向上とが可能な熱移動システムを用いて、車両のエンジン、モータ、バッテリーまたは蓄熱器などの熱源(発熱体)の熱(排熱)を効率よく外部環境または他の熱利用デバイスに移動させることができる。
なお、本出願では、上記一の局面による熱移動システムとは別に、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、本出願の他の構成による熱移動システムは、溶液に吸収された冷媒を蒸発させる蒸発部と、溶液が収容される吸引部と、蒸発部で蒸発された冷媒蒸気を凝縮させる凝縮部とを備え、冷媒が蒸発して蒸発部の溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、冷媒蒸気の圧力により蒸発部の溶液が温度低下を伴いながら吸引部に移動されるとともに、吸引部の温度低下による内圧の低下により凝縮部で凝縮された冷媒が吸引部に吸引された後、吸引部と蒸発部との液面差により吸引部の溶液が蒸発部に移動されるように構成されている。このように構成すれば、冷媒蒸気の圧力を利用して蒸発部の溶液(濃溶液)を予め吸引部に円滑に移動させておくとともに、吸引部の温度低下による内圧の低下により凝縮部の冷媒(液冷媒)を溶液(濃溶液)が貯留された吸引部に円滑に吸引して溶液に冷媒を混合させることができる。すなわち、相対的に濃度の低い溶液(希溶液)が浸透膜を徐々に浸透しながら相対的に濃度の高い溶液(濃溶液)側に時間をかけて移動されるような場合と異なり、蒸発部から吸引部に移動された溶液の温度低下による吸引部の内圧の低下を利用して吸引部に凝縮部の冷媒(液冷媒)が円滑に吸引されるため、時間を要さずに吸引部の溶液に冷媒を混合させて溶液(濃溶液)を希釈することができる。また、凝縮部で凝縮された冷媒が吸引部に吸引された後、吸引部と蒸発部との液面差により吸引部の溶液(希溶液)が蒸発部に移動されるので、冷媒(冷媒を含む希溶液)を円滑に流通させることができる。その結果、熱移動システムを迅速に立ち上げることができる。また、浸透膜(浸透圧)を用いる場合と異なり、吸引部の温度低下による内圧の低下を利用して凝縮部で凝縮された冷媒を吸引部に吸引させることにより、冷媒の流通量が制限されない。これにより、冷媒循環量を増加させて冷却能力をより向上させることができる。
(付記項2)
上記本出願の他の構成による熱移動システムにおいて、好ましくは、蒸発部と凝縮部とを接続する蒸気通路に設けられた第1の弁と、蒸発部と吸引部とを接続する溶液通路に設けられた第2の弁とをさらに備え、第1の弁を閉じて第2の弁を開くことにより蒸発部の溶液を吸引部に移動させるとともに、第2の弁を閉じることにより凝縮部で凝縮された冷媒が吸引部に吸引された後、第1の弁および第2の弁を開くことにより吸引部の溶液を蒸発部に移動させるように構成されている。このように構成すれば、第1の弁および第2の弁を用いて容易に冷媒の循環経路を形成することができる。
本発明によれば、上記のように、熱移動システムを迅速に立ち上げることができるとともに、冷媒循環量を増加させて冷却能力をより向上させることができる。
本発明の第1実施形態による熱移動システムの全体構成を示した図である。 本発明の第1実施形態による熱移動システムの運転動作状態(状態1)を説明するための図である。 本発明の第1実施形態による熱移動システムの運転動作状態(状態2)を説明するための図である。 本発明の第1実施形態による熱移動システムの運転動作状態(状態3)を説明するための図である。 本発明の第1実施形態による熱移動システムの運転動作状態(状態4)を説明するための図である。 本発明の第2実施形態による熱移動システムの全体構成を示した図である。 本発明の第2実施形態による熱移動システムの運転動作状態(状態1)を説明するための図である。 本発明の第2実施形態による熱移動システムの運転動作状態(状態2)を説明するための図である。 本発明の第2実施形態による熱移動システムの運転動作状態(状態3)を説明するための図である。 本発明の第2実施形態による熱移動システムの運転動作状態(状態4)を説明するための図である。 本発明の変形例による熱移動システムの全体構成を示した図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態による熱移動システム100について説明する。第1実施形態による熱移動システム100では、吸水作用を有する溶液と、熱輸送時の作動媒体(作動流体)としての冷媒とを用いることにより、発熱体90の熱を輸送して外部環境へ移動(放熱)させることが可能に構成されている。なお、吸水作用(吸湿作用)を有する溶液として臭化リチウム(LiBr)水溶液を用いるとともに、冷媒として水を用いている。なお、LiBr水溶液は、本発明の「溶液」の一例であり、水は、本発明の「冷媒」の一例である。以下では、まず、熱移動システム100の構成について説明し、その後、熱移動システム100の運転動作について説明する。
第1実施形態による熱移動システム100は、図1に示すように、蒸発部10と、凝縮部20と、吸引部30とを備えている。また、蒸発部10と凝縮部20とは、蒸気通路41によって接続(連通)されるとともに、凝縮部20と吸引部30とは、冷媒通路42によって接続(連通)されている。また、蒸発部10と吸引部30とは、濃溶液通路43aによって接続(連通)されている。また、蒸発部10と吸引部30とは、濃溶液通路43aに加えて、希溶液通路43bによっても互いに接続(連通)されている。これにより、蒸発部10と凝縮部20と吸引部30との間で、LiBr水溶液および冷媒(水)が所定の状態で流通可能な1つの閉じたサイクルが形成されている。なお、濃溶液通路43aおよび希溶液通路43bは、それぞれ、本発明の「第1溶液通路」および「第2溶液通路」の一例である。
ここで、第1実施形態では、熱移動システム100は、乗用車、バスおよびトラックなどの車両に搭載可能に構成されており、熱移動システム100は、後述する所定の動作制御に基づいて連続的に駆動されるように構成されている。この場合、発熱体90は、車両におけるエンジン、モータ、バッテリーまたは蓄熱器などの発熱部(放熱部)を含むデバイスの少なくとも1つである。熱移動システム100を駆動することにより、発熱体90の熱(排熱)が蒸発部10において蒸発潜熱を伴いながら蒸発する冷媒蒸気に伝達されるとともに、凝縮部20を介して大気に放熱される。また、発熱体90の熱が外部環境に放熱されるので、発熱体90自身は冷却されて所定の温度範囲内に維持されるように構成されている。
蒸発部10は、LiBr水溶液が貯留されるステンレス製の容器11を含んでいる。また、容器11内には、発熱体90に設けられた放熱部(ヒートシンク)91が露出している。これにより、容器11内にLiBr水溶液が貯留された状態で、発熱体90の熱(排熱)が放熱部91を介してLiBr水溶液へと伝達されてLiBr水溶液が加熱されるように構成されている。また、LiBr水溶液が加熱されることによって、LiBr水溶液に吸収されている冷媒(水)が容器11内で蒸発される。なお、LiBr水溶液の濃度(水に対するLiBrの含有率)は、LiBr水溶液が所望の温度で沸騰するように予め調整されている。
また、容器11内の側壁部11aには、LiBr水溶液の液面の位置(液面高さ)を検出する液面検知センサ12および液面検知センサ13が設けられている。液面検知センサ12は、液面検知センサ13よりも上方に設けられている。また、液面検知センサ12および13は、弁制御部70に電気的に接続されている。熱移動システム100では、LiBr水溶液の液面が液面検知センサ12または液面検知センサ13の位置に到達した際に、液面検知センサ12または液面検知センサ13の検出結果に基づいて弁制御部70により後述する所定の制御が行われるように構成されている。
ここで、第1実施形態では、容器11内のLiBr水溶液の液面高さが運転動作中において最も上昇する位置よりも高い位置に、平板状の分離部14が設けられている。分離部14は、LiBr水溶液の液面と略平行に延びるように配置されている。また、分離部14には、平板を厚み方向に貫通する複数の孔14aが形成されている。孔14aは、冷媒蒸気を円滑に通過させるとともにLiBr水溶液を通過させない大きさを有している。これにより、容器11に貯留されたLiBr水溶液が発熱体90の放熱部91により加熱された際、LiBr水溶液から蒸発した冷媒蒸気のみが孔14aを通過して容器11内上部から蒸気通路41へと導かれる。一方、LiBr水溶液は分離部14に衝突した後下方に落下して容器11内に留まるように構成されている。
凝縮部20は、冷媒蒸気を凝縮させるためのステンレス製の容器21を含んでいる。また、容器21内には、熱交換ユニット60の熱交換器61(2点鎖線で示す)が設けられている。ここで、熱交換ユニット60について説明すると、熱交換ユニット60は、内部を不凍液からなる冷却水(クーラント)が流通する熱交換器61と、大気(外気)との熱交換が可能に構成された空気熱交換器62と、熱交換器61および空気熱交換器62を接続するとともに内部に冷却水が流通される冷却水循環管路63と、送風機64とを備えている。これにより、熱交換ユニット60は、冷却水循環管路63中に冷却水を循環させた状態で送風機64を駆動することによって、容器21内の冷媒蒸気の熱を冷却水を介して外気に放熱させる機能を有している。したがって、蒸気通路41を矢印P方向に流通して凝縮部20に供給された冷媒蒸気(高温水蒸気)は、凝縮部20において凝縮潜熱を伴いながら冷却される(冷媒蒸気が凝縮(液化)される)。また、凝縮(液化)された冷媒は、凝縮水となって容器21内に貯留されるように構成されている。
また、蒸発部10と凝縮部20とを接続する蒸気通路41には、蒸気流通用弁51が設けられている。蒸気流通用弁51は弁制御部70に電気的に接続されており、弁制御部70の弁開閉制御に基づいて動作されることにより、蒸発部10と凝縮部20との間の冷媒蒸気の流通(矢印P方向)を制御することが可能に構成されている。なお、蒸気流通用弁51は、本発明の「第1の弁」の一例である。
吸引部30は、LiBr水溶液を一時的に貯留するためのステンレス製の容器31を含んでいる。なお、蒸発部10と吸引部30とを接続する濃溶液通路43aには、濃溶液移動用弁52aが設けられている。濃溶液移動用弁52aは弁制御部70に電気的に接続されており、弁制御部70の弁開閉制御に基づいて動作されることにより、蒸発部10から吸引部30へLiBr水溶液を流通させる機能を有している。また、蒸発部10と吸引部30とを接続する希溶液通路43bには、希溶液移動用弁52bが設けられている。希溶液移動用弁52bは弁制御部70に電気的に接続されており、弁制御部70の弁開閉制御に基づいて動作されることにより、吸引部30から蒸発部10へLiBr水溶液を流通させる機能を有している。また、凝縮部20と吸引部30とを接続する冷媒通路42には、凝縮水移動用弁53が設けられている。凝縮水移動用弁53は弁制御部70に電気的に接続されており、弁制御部70の弁開閉制御に基づいて動作されることにより、凝縮部20から吸引部30へ液冷媒(凝縮水)を流通させる機能を有している。なお、濃溶液移動用弁52aおよび希溶液移動用弁52bは、本発明の「第2の弁」の一例である。また、凝縮水移動用弁53は、本発明の「第3の弁」の一例である。
ここで、熱移動システム100の運転中、蒸発部10においてはLiBr水溶液から冷媒(水)が蒸発することによりLiBr水溶液の液面は徐々に低下する。また、冷媒が蒸発してLiBr水溶液の液面が低下するほど、LiBr水溶液の濃度(水に対するLiBrの含有率)は上昇する。この際、第1実施形態では、冷媒が蒸発して蒸発部10のLiBr水溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、蒸気流通用弁51を閉じて濃溶液移動用弁52aを開くことによって冷媒蒸気の圧力により容器11内に滞留する濃溶液状態のLiBr水溶液が濃溶液通路43aを矢印Q方向に流通して吸引部30に所定量だけ移動されるように構成されている。なお、蒸発部10のLiBr水溶液が吸引部30に移動される際は、希溶液移動用弁52bは閉じられている。
より詳細に説明すると、運転初期に分離部14よりも若干下方の位置まで満たされたLiBr水溶液(希溶液)の液面が冷媒の蒸発とともに低下して液面検知センサ12の位置に到達した際、容器11内のLiBr水溶液の濃度が所定値まで上昇したと判断される。そして、液面検知センサ12による液面の検出結果に基づいて蒸気流通用弁51を閉じるとともに濃溶液移動用弁52aが開かれる。これにより、冷媒蒸気の圧力を利用して蒸発部10のLiBr水溶液が吸引部30に円滑に移動される。なお、濃溶液移動用弁52aが開かれた際、LiBr水溶液の吸引部30への移動とともにLiBr水溶液の液面は液面検知センサ12の位置よりも低下する。反対に、吸引部30においては、LiBr水溶液が速やかに供給されていくので容器31内の液面は上昇する。
また、第1実施形態では、濃溶液移動用弁52aが開かれてLiBr水溶液が吸引部30に所定量だけ移動された後、今度は、濃溶液移動用弁52aを閉じるとともに凝縮水移動用弁53を開くことにより、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20で凝縮された液冷媒(凝縮水)が冷媒通路42を矢印P方向に流通して吸引部30に吸引されるように構成されている。より詳細に説明すると、蒸発部10から吸引部30へのLiBr水溶液の移動とともに蒸発部10におけるLiBr水溶液の液面が液面検知センサ12の位置から低下して液面検知センサ13の位置に到達した際、濃溶液移動用弁52aが閉じられて凝縮水移動用弁53が開かれる。これにより、吸引部30に貯留された濃溶液状態のLiBr水溶液に、凝縮部20からの液冷媒(凝縮水)が混合されて溶液が希釈されるように構成されている。この結果、容器31内のLiBr水溶液は、液面がさらに上昇する。
なお、第1実施形態では、凝縮部20と冷媒通路42との接続部分42aは、冷媒通路42と吸引部30との接続部分42bよりも下方に配置されている。このように、冷媒通路42が凝縮部20から吸引部30に向かって上り勾配を有している場合においても、吸引部30と凝縮部20とに生じる内圧差を有効に利用して凝縮部20の冷媒(液冷媒)が流通量を制限されることなくLiBr水溶液(濃溶液)が貯留された吸引部30に円滑に吸引されるように構成されている。
また、第1実施形態では、凝縮部20で凝縮された冷媒が吸引部30に吸引された後、所定のタイミングで蒸気流通用弁51および希溶液移動用弁52bが開かれる(濃溶液移動用弁52aは閉状態が維持される)。これにより、吸引部30(容器31)内で希溶液になったLiBr水溶液が、希溶液通路43bを矢印P方向に流通して蒸発部10に移動されるように構成されている。ここで、容器31内のLiBr水溶液(希溶液)の液面は、容器11(蒸発部10)内のLiBr水溶液(濃溶液)の液面(液面検知センサ13の位置)よりも高い位置に存在するので、LiBr水溶液(希溶液)は、吸引部30と蒸発部10との液面差を利用して吸引部30から蒸発部10に速やかに戻されるように構成されている。これにより、蒸発部10に貯留された濃液状態のLiBr水溶液に、吸引部30からの希溶液が混合されて容器11内のLiBr水溶液は希釈される。
なお、容器11内の液面は、LiBr水溶液の移動とともに液面検知センサ13の位置から上昇し始めて液面検知センサ12の位置を越えて分離部14よりも若干下方の位置にまで戻される。そして、希溶液となったLiBr水溶液は、発熱体90(放熱部91)により再び加熱されてLiBr水溶液から冷媒(水)が蒸発される。なお、吸引部30から蒸発部10へLiBr水溶液が戻される際、蒸気流通用弁51は開かれているので、容器11内での液面上昇とともに冷媒蒸気は蒸気通路41へ押し出されて凝縮部20へと供給される。また、容器11内では、LiBr水溶液の加熱(冷媒の蒸発)とともに、LiBr水溶液は徐々に濃度が高められて濃溶液へと変化する。すなわち、容器11内の液面は、液面検知センサ12に向かって徐々に低下する。
また、第1実施形態では、図1に示すように、熱移動システム100は、上記した蒸気流通用弁51、濃溶液移動用弁52a、希溶液移動用弁52bおよび凝縮水移動用弁53の開閉制御を行うための弁制御部70を備えている。すなわち、冷媒が蒸発して蒸発部10のLiBr水溶液の濃度が所定値まで上昇した場合(LiBr水溶液の液面が下がって液面検知センサ12の位置に到達した際)に、弁制御部70により蒸気流通用弁51を閉じて濃溶液移動用弁52aを開く制御が行われて冷媒蒸気の圧力により蒸発部10のLiBr水溶液が吸引部30に一時的に移動される。その後、LiBr水溶液の移動とともに液面が液面検知センサ13の位置に到達した際、弁制御部70により濃溶液移動用弁52aを閉じて凝縮水移動用弁53を開く制御が行われて吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20の液冷媒が吸引部30に吸引されてLiBr水溶液が希釈される。そして、その後、弁制御部70により蒸気流通用弁51および希溶液移動用弁52bを再び開く制御が行われることにより、吸引部30の液面が蒸発部10の液面よりも高い位置に存在することを利用して吸引部30のLiBr水溶液(希溶液)が蒸発部10に移動される。
このように、熱移動システム100では、液面検知センサ12および13の検出結果とともに弁制御部70による蒸気流通用弁51、濃溶液移動用弁52a、希溶液移動用弁52bおよび凝縮水移動用弁53の開閉動作に基づいて、蒸発部10における冷媒蒸気の再生過程および再生された冷媒蒸気の凝縮部20における凝縮(液化)過程、蒸発部10から吸引部30へのLiBr水溶液(濃溶液)の移動過程およびその後の吸引部30における液冷媒によるLiBr水溶液(濃溶液)の希釈過程、および、希釈されたLiBr水溶液の蒸発部10への再供給過程、をこの順に繰り返し行うことが可能に構成されている。この際、希釈過程では、凝縮部20から吸引部30へ冷媒(凝縮水)が流通量を制限されることなく円滑に吸引(流入)される。また、再供給過程においても、冷媒(水)により希釈されたLiBr水溶液が吸引部30から蒸発部10へと所定流量のもとで円滑に移動される。
また、弁制御部70による蒸気流通用弁51、濃溶液移動用弁52a、希溶液移動用弁52bおよび凝縮水移動用弁53の開閉動作のタイミングは、発熱体90の熱量(排熱量)に応じて調整可能に構成されている。これにより、システム内を循環する冷媒の循環量は所望の値に制御される。この熱移動システム100では、冷媒(水)の循環量を柔軟に調整するとともに冷媒の円滑な流通を伴いながらシステムを駆動させることによって、発熱体90が有する任意の熱量(排熱量)を凝縮部20(熱交換ユニット60)を介して大気に放熱させることを可能としている。言い換えれば、発熱体90の冷却負荷に応じて冷媒循環量を増加または減少させることが可能であり、熱移動システム100は、冷却能力を冷却負荷に合わせて向上させることが可能なシステムとして構成されている。また、熱移動システム100では、冷媒の相変化に伴う蒸発潜熱および凝縮潜熱を利用して発熱体90の熱を移動させて大気放熱させるので、従来の冷却水による顕熱変化を利用した冷却装置(水冷ラジエータ装置)などと比較してサイクルに封入される冷媒量(水量)がより少ない状態で同等の冷却能力を発揮させることができる。また、冷媒量の削減は熱容量の削減につながるので、熱移動システム100を迅速に起動することにも寄与する。
また、第1実施形態では、蒸発部10と吸引部30とを接続する濃溶液通路43aに冷却部80が設けられている。ここで、冷却部80は、蒸発部10で加熱されたLiBr水溶液(濃溶液)が濃溶液通路43aを流通する際にLiBr水溶液から若干の熱を奪って外部環境に放熱する機能を有している。この場合、冷却部80は、上記した熱交換ユニット60と同様に構成されていてもよいし、ペルチェ素子などを用いた熱電変換ユニットであってもよい。冷却部80を設けることによって、蒸発部10から吸引部30に移動される際のLiBr水溶液の温度が、凝縮部20における冷媒蒸気の凝縮温度未満に低下するように構成されている。また、冷却部80の冷却作用により、蒸発部10から吸引部30へ移動されたLiBr水溶液(濃溶液)の温度が確実に凝縮部20における冷媒蒸気の凝縮温度未満になるので、吸引部30(容器31)の内圧は、冷媒蒸気が封入された凝縮部20(容器21)の内圧よりも容易に低下される。すなわち、蒸発部10のLiBr水溶液が温度低下を伴いながら吸引部30に移動されることによって、その後のタイミングで蒸気流通用弁51を閉じて濃溶液移動用弁52aを開いた際、LiBr水溶液が収容された吸引部30の内圧と凝縮部20の内圧との圧力差により、凝縮部20で凝縮された冷媒(凝縮水)が、吸引部30に容易に吸引される。このようにして、熱移動システム100は構成されている。
次に、図2〜図5を参照して、熱移動システム100の運転動作について説明する。
まず、図2に示す運転動作状態(状態1)では、弁制御部70により、蒸気通路41の蒸気流通用弁51を開状態とする一方、濃溶液通路43aの濃溶液移動用弁52a、希溶液通路43bの希溶液移動用弁52bおよび冷媒通路42の凝縮水移動用弁53を共に閉状態に維持する弁開閉動作が行われる。そして、蒸発部10においては、発熱体90(放熱部91)からの排熱により容器11内のLiBr水溶液が加熱(沸騰)されることより、LiBr水溶液から冷媒(水)が盛んに蒸発する。また、蒸気流通用弁51は開かれているので、蒸発した冷媒蒸気(高温水蒸気)は、分離部14(孔14a)を通過した後、蒸気通路41を矢印P方向に流通して凝縮部20へ供給される。したがって、冷媒の蒸発とともに容器11内のLiBr水溶液は徐々に体積が減少してLiBr水溶液の液面は低下する。また、凝縮部20においては、熱交換ユニット60中を流通(循環)する冷却水を介して外気と冷媒蒸気との熱交換が図られる。これにより、冷媒蒸気の熱が大気(外気)に放熱されるとともに冷媒蒸気は凝縮水に戻されて容器21に順次貯留される。
ここで、容器11内のLiBr水溶液の液面が液面検知センサ12の位置まで低下した場合(図2参照)に、弁制御部70により、蒸気流通用弁51が開状態から閉状態に切り換えられるとともに濃溶液移動用弁52aが閉状態から開状態に切り換えられる。すなわち、第1実施形態では、冷媒の蒸発によるLiBr水溶液の液面の低下に伴ってLiBr水溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、蒸気流通用弁51が閉状態に切り換えられるとともに濃溶液移動用弁52aが開状態に切り換えられる。これにより、熱移動システム100は、運転動作状態(状態1)から図3に示す運転動作状態(状態2)へと移行される。
図3に示す運転動作状態(状態2)では、容器11内および蒸気通路41内の冷媒蒸気の圧力により蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)が濃溶液通路43aを矢印Q方向に流通して吸引部30へと押し出される。この際、冷却部80が駆動されることにより、濃溶液通路43aを流通するLiBr水溶液(濃溶液)は、冷却部80によって若干冷却されて温度が下げられた状態で吸引部30へと移動される。このように、第1実施形態では、蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)の一部が冷媒蒸気の圧力を利用して濃溶液通路43aを介して吸引部30に円滑に移動されるとともに、吸引部30に移動されたLiBr水溶液(濃溶液)は、蒸発部10に貯留されるLiBr水溶液(濃溶液)よりも液温が低下される。したがって、LiBr水溶液(濃溶液)が収容された吸引部30(容器31)の内圧は、蒸発部10(容器11)の内圧よりも低くなる。また、LiBr水溶液(濃溶液)が収容された吸引部30の内圧は、冷媒蒸気(高温水蒸気)が満たされた凝縮部20(容器21)の内圧よりも低くなる。
その後、第1実施形態では、蒸発部10から吸引部30へ移動されるLiBr水溶液の液面が容器11内で液面検知センサ13の位置に達した際(図4参照)に、弁制御部70により、濃溶液移動用弁52aが開状態から閉状態に切り換えられる。さらに、弁制御部70により、冷媒通路42の凝縮水移動用弁53が閉状態から開状態に切り換えられる。これにより、熱移動システム100は、運転動作状態(状態2)から図4に示す運転動作状態(状態3)へと移行される。
図4に示す運転動作状態(状態3)においては、LiBr水溶液(濃溶液)が収容された吸引部30の内圧が凝縮部20の内圧よりも低いので、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20で凝縮された冷媒がLiBr水溶液(濃溶液)が収容された吸引部30に吸引される。すなわち、第1実施形態では、吸引部30の内圧と凝縮部20の内圧との圧力差を利用して凝縮部20の冷媒(凝縮水)が冷媒通路42を矢印P方向に流通して吸引部30に円滑に移動されてLiBr水溶液(濃溶液)に混合される。これにより、吸引部30では、LiBr水溶液(濃溶液)が冷媒(凝縮水)により希釈されてLiBr水溶液(希溶液)へと変化する。また、これに伴って、容器31内のLiBr水溶液の液面がさらに上昇し、蒸発部10に残留するLiBr水溶液(濃溶液)の液面高さ(液面検知センサ13の位置)よりもはるかに高くなる。
その後、第1実施形態では、凝縮部20から吸引部30へ移動されるLiBr水溶液が容器31内で所定の液面高さに達した際に、弁制御部70により、蒸気流通用弁51および希溶液移動用弁52bが共に閉状態から開状態に切り換えられる。また、濃溶液移動用弁52aは、閉じた状態が維持される。これにより、熱移動システム100は、運転動作状態(状態3)から図5に示す運転動作状態(状態4)へと移行される。
図5に示す運転動作状態(状態4)においては、吸引部30のLiBr水溶液(希溶液)の液面高さが蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)の液面高さよりも高いので、吸引部30の液面が蒸発部10の液面よりも高い位置に存在すること(吸引部30と蒸発部10との液面差)を利用して、吸引部30のLiBr水溶液(希溶液)が希溶液通路43bを矢印P方向に流通して蒸発部10に移動される。したがって、蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)は液面の上昇とともにLiBr水溶液(希溶液)へと状態が戻される。また、吸引部30から蒸発部10へLiBr水溶液が戻される際、蒸気流通用弁51は開かれているので、容器11内での液面上昇とともに冷媒蒸気は蒸気通路41へ押し出されて凝縮部20へと供給される。そして、蒸発部10のLiBr水溶液(希溶液)が液面検知センサ12の位置よりも上方の所定の液面高さに達したところで、弁制御部70により、希溶液移動用弁52bが開状態から閉状態(図2参照)に切り換えられる。
その後、蒸発部10のLiBr水溶液(希溶液)が再び発熱体90の排熱により加熱されることより、LiBr水溶液から冷媒(水)が蒸発される。また、図2に示すように、弁制御部70により、蒸気通路41の蒸気流通用弁51を開状態に維持する一方、濃溶液通路43aの濃溶液移動用弁52a、希溶液通路43bの希溶液移動用弁52bおよび冷媒通路42の凝縮水移動用弁53を共に閉状態に維持する制御が行われる。そして、上記説明した「状態1(図2参照)」、「状態2(図3参照)」、「状態3(図4参照)」および「状態4(図5参照)」の運転動作が順次繰り返される。これにより、発熱体90の排熱が、冷媒を介して凝縮部20へと移動されて凝縮部20から大気(外気)に放熱される。したがって、発熱体90(放熱部91)からは定常的に熱が奪われて発熱体90は所定の温度に保たれる。
第1実施形態では、上記のように、蒸発部10と凝縮部20とを接続する蒸気通路41に設けられた蒸気流通用弁51と、蒸発部10と吸引部30とを接続する濃溶液通路43aに設けられた濃溶液移動用弁52aとを備え、冷媒が蒸発して蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)の濃度が所定値まで上昇した場合に、蒸気流通用弁51を閉じて濃溶液移動用弁52aを開くことによって冷媒蒸気の圧力により蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)が吸引部30に移動されるとともに、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20で凝縮された冷媒が吸引部30に吸引されるように構成することによって、蒸気流通用弁51および濃溶液移動用弁52aの開閉動作に基づいて冷媒蒸気の圧力を利用して蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)を予め吸引部30に円滑に移動させておくとともに、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20の冷媒(液冷媒)をLiBr水溶液(濃溶液)が貯留された吸引部30に円滑に吸引してLiBr水溶液(濃溶液)に冷媒を混合させることができる。すなわち、相対的に濃度の低い冷媒(液冷媒)が浸透膜を徐々に浸透しながら相対的に濃度の高いLiBr水溶液(濃溶液)側に時間をかけて移動されるような場合と異なり、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して吸引部30に凝縮部20の冷媒(液冷媒)が円滑に吸引されるため、時間を要さずに吸引部30の溶液(濃溶液)に冷媒(液冷媒)を混合させてLiBr水溶液(濃溶液)を希釈することができる。その結果、熱移動システム100を迅速に立ち上げることができる。また、浸透膜(浸透圧)を用いる場合と異なり、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用することにより、冷媒の流通量が制限されないので、冷媒循環量を増加させて熱移動システム100の冷却能力をより向上させることができる。
また、第1実施形態では、凝縮部20と吸引部30とを接続する冷媒通路42に設けられた凝縮水移動用弁53を備え、蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)が吸引部30に移動された後に、濃溶液移動用弁52aを閉じて凝縮水移動用弁53を開くことにより、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20で凝縮された冷媒が吸引部30に吸引されるように構成する。このように、蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)を吸引部30に移動させた後、濃溶液移動用弁52aおよび凝縮水移動用弁53の開閉動作に基づいて吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20の冷媒(液冷媒)をLiBr水溶液(濃溶液)が貯留された吸引部30に冷媒通路42を介して吸引してLiBr水溶液(濃溶液)に冷媒を混合させることができる。すなわち、凝縮部20の冷媒(液冷媒)を吸引部30に機械的に圧送する送液ポンプなどを設けることなく吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して濃溶液移動用弁52aおよび凝縮水移動用弁53の開閉動作に基づいて、凝縮部20から吸引部30への冷媒(液冷媒)の円滑な流通を容易に得ることができる。また、送液ポンプなどが不要となるので、熱移動システム100の消費電力を極力抑えることができる。
また、第1実施形態では、凝縮部20で凝縮された冷媒が吸引部30に吸引された後に、蒸気流通用弁51および希溶液移動用弁52bを開くことにより、吸引部30の溶液は、吸引部30と蒸発部10との液面差により蒸発部10に移動されるように構成する。このように、凝縮部20の冷媒(液冷媒)が吸引部30に吸引されてLiBr水溶液(濃溶液)に混合された後、蒸気流通用弁51および希溶液移動用弁52bの開閉動作に基づいて希溶液となった吸引部30の溶液を液面差を利用して容易に蒸発部10に戻すことができるので、蒸発部10においては溶液(希液)を蒸発させて再び冷媒蒸気を得ることができる。すなわち、蒸気流通用弁51、濃溶液移動用弁52a、希溶液移動用弁52bおよび凝縮水移動用弁53の開閉動作に基づいて、蒸発部10における冷媒蒸気の再生過程、再生された冷媒蒸気の凝縮部20における凝縮(液化)過程、蒸発部10から吸引部30へのLiBr水溶液(濃溶液)の移動過程、吸引部30における冷媒(液冷媒)によるLiBr水溶液(濃溶液)の希釈過程、希釈された溶液の蒸発部10への再供給過程をこの順で連続的に繰り返し行うことができるので、冷媒の円滑な流通を伴いながら熱移動システム100を駆動させることができる。
また、第1実施形態では、蒸気流通用弁51、濃溶液移動用弁52a、希溶液移動用弁52bおよび凝縮水移動用弁53の開閉制御を行う弁制御部70を備える。そして、冷媒が蒸発して蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)の濃度が所定値まで上昇した場合に、弁制御部70により蒸気流通用弁51を閉じて濃溶液移動用弁52aを開く制御が行われて冷媒蒸気の圧力により蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)が吸引部30に移動され、その後、弁制御部70により濃溶液移動用弁52aを閉じて凝縮水移動用弁53を開く制御が行われて吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20の冷媒が吸引部30に吸引され、その後、弁制御部70により蒸気流通用弁51および希溶液移動用弁52bを開く制御が行われることにより吸引部30と蒸発部10との液面差により吸引部30の溶液が蒸発部10に移動されるように構成する。これにより、弁制御部70を用いて、蒸気流通用弁51、濃溶液移動用弁52a、希溶液移動用弁52bおよび凝縮水移動用弁53の開閉動作を所定のタイミングに基づいて行うことができるので、蒸発部10における冷媒蒸気の再生過程、再生された冷媒蒸気の凝縮部20における凝縮(液化)過程、吸引部30における冷媒(液冷媒)によるLiBr水溶液(濃溶液)の希釈過程、希釈された溶液の蒸発部10への再供給過程を冷媒循環量が制限されることなく繰り返すことができる。
また、第1実施形態では、蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)が温度低下を伴いながら吸引部30に移動されることによって、吸引部30の内圧を低下させてLiBr水溶液(濃溶液)が収容された吸引部30の内圧と凝縮部20の内圧との圧力差により凝縮部20で凝縮された冷媒が吸引部30に吸引されるように構成する。これにより、LiBr水溶液(濃溶液)の温度低下とともにLiBr水溶液(濃溶液)が移動された吸引部30の内圧が、冷媒蒸気が封入された凝縮部20の内圧よりも引き下げられた状態となるので、凝縮部20に対して吸引部30側が負圧状態(低い内圧状態)であることを有効に利用して凝縮部20の冷媒(液冷媒)を吸引部30に吸引させることができる。したがって、凝縮部20の冷媒(液冷媒)を吸引部30に機械的に圧送する送液ポンプなどを設けることなく熱移動システム100を構成することができる。
また、第1実施形態では、蒸発部10と吸引部30とを接続する濃溶液通路43aに設けられ、蒸発部10から吸引部30に移動される際のLiBr水溶液(濃溶液)の温度を凝縮部20における冷媒蒸気の凝縮温度未満に低下させる冷却部80を備える。これにより、冷却部80により、蒸発部10から吸引部30へ移動されるLiBr水溶液(濃溶液)の温度が凝縮部20における冷媒蒸気の凝縮温度未満に確実に低下されるので、吸引部30の内圧を冷媒蒸気が封入された凝縮部20の内圧よりも容易に引き下げることができる。これにより、凝縮部20の冷媒(液冷媒)を吸引部30に確実に吸引させることができる。
また、第1実施形態では、凝縮部20と吸引部30とを接続する冷媒通路42が設けられており、凝縮部20と冷媒通路42との接続部分42aを、冷媒通路42と吸引部30との接続部分42bよりも下方に配置する。このように、冷媒通路42が凝縮部20から吸引部30に向かって上り勾配を有している場合においても、吸引部30と凝縮部20との内圧差により、凝縮部20の冷媒(液冷媒)をLiBr水溶液(濃溶液)が貯留された吸引部30に吸引することができるので、吸引部30を凝縮部20よりも下方に配置する(冷媒通路42を下り勾配にする)必要性にとらわれることなく吸引部30と凝縮部20とを配置して熱移動システム100を構成することができる。
また、第1実施形態では、冷媒の蒸発後のLiBr水溶液(濃溶液)を蒸発部10から吸引部30へと移動させるための濃溶液通路43aと、吸引部30において凝縮部20から吸引された冷媒によってLiBr水溶液(濃溶液)が希釈された希溶液を吸引部30から蒸発部10へと移動させるための希溶液通路43bとによって蒸発部10と吸引部30とをそれぞれ接続する。そして、濃溶液通路43aに濃溶液移動用弁52aを設けるとともに、希溶液通路43bに希溶液移動用弁52bを設ける。これにより、濃溶液移動用弁52aを開閉動作させてLiBr水溶液(濃溶液)を流通させる濃溶液通路43aと、希溶液移動用弁52bを開閉動作させて希溶液を流通させる希溶液通路43bとが別々に設けられるので、濃溶液通路43aと希溶液通路43bとを蒸発部10と吸引部30との間でそれぞれ最適な形態で配置することができる。これにより、濃溶液と冷媒を含む希溶液との円滑な流通を図ることができる。
また、第1実施形態では、蒸発部10で蒸発された冷媒蒸気を円滑に通過させるとともにLiBr水溶液(濃溶液)を通過させない大きさの孔を有することによって、冷媒蒸気とLiBr水溶液(濃溶液)とを分離する分離部14を配置する。これにより、冷媒蒸気とともに蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)が蒸気通路41を流通して凝縮部20に混入されるのを効果的に抑制することができる。これにより、LiBr水溶液(濃溶液)から冷媒(冷媒蒸気)を確実に分離した状態で、凝縮部20における冷媒の凝縮動作を行うことができる。この結果、熱移動システム100をより正常な状態で駆動させることができる。
また、第1実施形態では、蒸発部10、吸引部30および凝縮部20は、乗用車、バスおよびトラックなどの車両に搭載されており、乗用車、バスおよびトラックなどの車両の発熱体90の排熱が蒸発部10で蒸発された冷媒蒸気に伝達されるとともに、凝縮部20において外部に放熱されるように構成する。このように、システムの迅速な立ち上げと冷却能力の向上が可能な熱移動システム100を用いて、車両に備えられた発熱体90の熱(排熱)を効率よく外部環境に移動(放熱)させることができる。
(第2実施形態)
図1および図6〜図10を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、蒸発部10と吸引部30とを1本の溶液通路243を用いて接続する例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第2実施形態による熱移動システム200では、図6に示すように、上記第1実施形態で用いた2本の濃溶液通路43aおよび希溶液通路43b(図1参照)の代わりに、1本の溶液通路243を用いて蒸発部10と吸引部30とを接続するとともに、溶液通路243にLiBr水溶液の流通方向(矢印P方向または矢印Q方向)を制御するための溶液移動用弁252を設けている。溶液移動用弁252は弁制御部70に電気的に接続されており、弁制御部70の弁開閉制御に基づいて動作されることにより、溶液通路243にLiBr水溶液を流通させる機能を有している。また、溶液通路243には、蒸発部10から吸引部30に移動される際のLiBr水溶液の温度を凝縮部20における冷媒蒸気の凝縮温度未満に低下させる冷却部280を備えている。なお、冷却部280は、冷却部80(図1参照)と同様の構成を有する。なお、溶液移動用弁252は、本発明の「第2の弁」の一例である。
したがって、第2実施形態では、冷媒が蒸発して蒸発部10のLiBr水溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、蒸気流通用弁51を閉じて溶液移動用弁252が開かれることによって冷媒蒸気の圧力により蒸発部10の濃溶液となったLiBr水溶液が溶液通路243を矢印Q方向に流通して吸引部30に移動されるように構成されている。また、LiBr水溶液が吸引部30に所定量だけ移動された後、溶液移動用弁252を閉じるとともに凝縮水移動用弁53が開かれることにより、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20で凝縮された液冷媒(凝縮水)が冷媒通路42を矢印P方向に流通して吸引部30に吸引される。そして、凝縮部20で凝縮された冷媒が吸引部30に吸引された後に、所定のタイミングで蒸気流通用弁51および溶液移動用弁252が開かれることにより、吸引部30の希溶液となったLiBr水溶液が溶液通路243を矢印P方向に流通して蒸発部10に移動されるように構成されている。このように、第2実施形態では、蒸発部10から吸引部30へのLiBr水溶液(濃溶液)の移動と、吸引部30から蒸発部10へのLiBr水溶液(希溶液)の移動とを、共通の溶液通路243を用いて行うように構成している。なお、熱移動システム200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
次に、図7〜図10を参照して、熱移動システム200の運転動作について説明する。
まず、図7に示す運転動作状態(状態1)では、弁制御部70により、蒸気通路41の蒸気流通用弁51を開状態とする一方、溶液通路243の溶液移動用弁252および冷媒通路42の凝縮水移動用弁53を共に閉状態に維持する弁開閉動作が行われる。そして、蒸発部10においては、発熱体90(放熱部91)からの排熱により容器11内のLiBr水溶液が加熱(沸騰)されて冷媒(水)が蒸発する。また、蒸気流通用弁51は開かれているので、蒸発した高温水蒸気は蒸気通路41を矢印P方向に流通して凝縮部20へ供給される。凝縮部20においては、熱交換ユニット60中を流通する冷却水を介して外気と冷媒蒸気との熱交換が図られて、冷媒蒸気の熱が大気(外気)に放熱されるとともに冷媒蒸気は凝縮水に戻されて容器21に順次貯留される。
ここで、容器11内のLiBr水溶液の液面が液面検知センサ12の位置まで低下した場合(図6参照)に、弁制御部70により、蒸気流通用弁51が開状態から閉状態に切り換えられるとともに溶液移動用弁252が閉状態から開状態に切り換えられる。すなわち、第2実施形態においても冷媒の蒸発によるLiBr水溶液の液面の低下に伴ってLiBr水溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、蒸気流通用弁51が閉状態に切り換えられるとともに溶液移動用弁252が開状態に切り換えられる。これにより、熱移動システム200は、運転動作状態(状態1)から図8に示す運転動作状態(状態2)へと移行される。
図8に示す運転動作状態(状態2)では、容器11内および蒸気通路41内の冷媒蒸気の圧力により蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)が溶液通路243を矢印Q方向に流通して吸引部30へと押し出される。この際、冷却部280が駆動されることにより、溶液通路243を流通するLiBr水溶液(濃溶液)は若干温度が下げられた状態で吸引部30へと移動される。このように、第2実施形態においても蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)の一部が冷媒蒸気の圧力を利用して溶液通路243を介して吸引部30に円滑に移動されるとともに、吸引部30に移動されたLiBr水溶液(濃溶液)は、蒸発部10に貯留されるLiBr水溶液(濃溶液)よりも液温が下げられる。したがって、LiBr水溶液(濃溶液)が収容された吸引部30の内圧は、蒸発部10の内圧よりも低くなる。また、LiBr水溶液(濃溶液)が収容された吸引部30の内圧は、高温水蒸気が満たされた凝縮部20の内圧よりも低くなる。
その後、第2実施形態では、蒸発部10から吸引部30へ移動されるLiBr水溶液が容器11内で液面検知センサ13の位置に達した際(図9参照)に、弁制御部70により、溶液移動用弁252が開状態から閉状態に切り換えられる。さらに、弁制御部70により、冷媒通路42の凝縮水移動用弁53が閉状態から開状態に切り換えられる。これにより、熱移動システム200は、運転動作状態(状態2)から図9に示す運転動作状態(状態3)へと移行される。
図9に示す運転動作状態(状態3)においては、LiBr水溶液(濃溶液)が収容された吸引部30の内圧が凝縮部20の内圧よりも低いので、吸引部30と凝縮部20との内圧差を利用して凝縮部20で凝縮された冷媒がLiBr水溶液(濃溶液)が収容された吸引部30に吸引される。すなわち、第2実施形態においても、吸引部30の内圧と凝縮部20の内圧との圧力差を利用して凝縮部20の冷媒(凝縮水)が冷媒通路42を矢印P方向に流通して吸引部30に円滑に移動されてLiBr水溶液(濃溶液)に混合される。これにより、吸引部30では、LiBr水溶液(濃溶液)が冷媒(凝縮水)により希釈されてLiBr水溶液(希溶液)へと変化する。また、これに伴って、容器31内のLiBr水溶液の液面がさらに上昇し、蒸発部10に残留するLiBr水溶液(濃溶液)の液面高さ(液面検知センサ13の位置)よりもはるかに高くなる。
その後、第2実施形態では、凝縮部20から吸引部30へ移動されるLiBr水溶液が容器31内で所定の液面高さに達した際に、弁制御部70により、蒸気流通用弁51および溶液移動用弁252が共に閉状態から開状態に切り換えられる。これにより、熱移動システム200は、運転動作状態(状態3)から図10に示す運転動作状態(状態4)へと移行される。
図10に示す運転動作状態(状態4)においては、吸引部30のLiBr水溶液(希溶液)の液面高さが蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)の液面高さよりも高いので、吸引部30と蒸発部10との液面差により、吸引部30のLiBr水溶液(希溶液)が溶液通路243を矢印P方向に流通して蒸発部10に移動される。したがって、蒸発部10のLiBr水溶液(濃溶液)は液面高さの上昇とともにLiBr水溶液(希溶液)へと状態が戻される。また、吸引部30から蒸発部10へLiBr水溶液が戻される際、蒸気流通用弁51は開かれているので、容器11内での液面上昇とともに冷媒蒸気は蒸気通路41へ押し出されて凝縮部20へと供給される。そして、蒸発部10のLiBr水溶液(希溶液)が液面検知センサ12の位置よりも上方の所定の液面高さに達したところで、弁制御部70により、溶液移動用弁252が開状態から閉状態(図7参照)に切り換えられる。
その後、蒸発部10のLiBr水溶液(希溶液)が再び発熱体90の排熱により加熱されることより、LiBr水溶液から冷媒(水)が蒸発される。また、図7に示すように、弁制御部70により、蒸気通路41の蒸気流通用弁51を開状態とする一方、溶液通路243の溶液移動用弁252および冷媒通路42の凝縮水移動用弁53を共に閉状態に維持する弁開閉動作が行われる。そして、上記説明した「状態1(図7参照)」、「状態2(図8参照)」、「状態3(図9参照)」および「状態4(図10参照)」の運転動作が順次繰り返される。これにより、発熱体90の排熱が、冷媒を介して凝縮部20へと移動されて凝縮部20から大気(外気)に放熱される。したがって、発熱体90(放熱部91)からは定常的に熱が奪われて発熱体90は所定の温度に保たれる。
第2実施形態では、上記のように、蒸発部10と吸引部30とを溶液通路243のみによって接続し、溶液通路243を、蒸発部10から吸引部30へとLiBr水溶液(濃溶液)を移動させるとともに、吸引部30から蒸発部10へとLiBr水溶液(希溶液)を移動させるための共通の溶液通路として用いる。そして、溶液通路243に溶液移動用弁252を設ける。これにより、1つの溶液移動用弁252を開閉動作させて蒸発部10から吸引部30へとLiBr水溶液(濃溶液)を溶液通路243を介して移動させた後に、蒸発部10から吸引部30へとLiBr水溶液(希溶液)を同じ溶液通路243を介して移動させる動作を行うことができる。このように、1つの溶液移動用弁252および溶液通路243を用いて熱移動システム200を動作させることができるので、熱移動システム200の構成を簡素化させることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、濃溶液通路43aの途中に冷却部80を設けて蒸発部10から吸引部30へ移動されるLiBr水溶液(濃溶液)の温度を大気放熱により低下させる例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、このような冷却部80を設けることなく濃溶液通路43aと吸引部30とを所定の長さを有するキャピラリー(細管)を用いて接続してもよい。LiBr水溶液を冷媒蒸気の圧力によりキャピラリー中を流通させることによってLiBr水溶液は所定の流速を有して吸引部30内に噴出される。この噴出時の圧力降下に伴いLiBr水溶液(濃溶液)の温度を若干(約2K〜約3K)下げることが可能である。キャピラリーを用いたより簡易な構成によっても、蒸発部10から吸引部30へ移動されるLiBr水溶液(濃溶液)の温度を、凝縮部20における冷媒蒸気の凝縮温度未満に確実に低下させることができる。
また、上記第1実施形態では、濃溶液通路43aの濃溶液移動用弁52aと吸引部30との間に冷却部80を設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、濃溶液通路43aの蒸発部10と濃溶液移動用弁52aとの間に冷却部80を設けてもよい。また、上記第2実施形態では、溶液通路243の溶液移動用弁252と吸引部30との間に冷却部280を設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、溶液通路243の蒸発部10と溶液移動用弁252との間に冷却部280を設けてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、発熱体90の熱(排熱)を凝縮部20(熱交換ユニット60)を介して単に外気(外部環境)に放熱させた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図11に示す変形例のように、凝縮部20と他の熱利用デバイス65とを接続することにより、発熱体90の熱(排熱)を凝縮部20に移動させた後、この熱利用デバイス65の熱源として利用するように構成してもよい。たとえば、凝縮部20と、熱利用デバイス65の一例としての車内空調用の空気熱交換器とを接続して発熱体90の熱を車内空調用の熱源(温風)として再利用するように構成してもよいし、車内に設けられた熱利用デバイス65の一例としての加温器(保温器)の熱源として利用してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、凝縮部20と冷媒通路42との接続部分42aを、冷媒通路42と吸引部30との接続部分42bよりも下方に配置した例について示したが、本発明はこれに限られない。凝縮部20と冷媒通路42との接続部分42aを、冷媒通路42と吸引部30との接続部分42bよりも上方に配置してもよいし、同じ高さ位置に配置してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、蒸発部10の容器11内部に複数の孔14aを有する平板状の分離部14を設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷媒蒸気を円滑に通過させるとともに短辺がLiBr水溶液を通過させない程度の開口幅を有する細長いスリット状の貫通孔を平板に複数設けて本発明の「分離部」を構成してもよいし、このような貫通孔を有する平板の下面に、溶液の液面に向かって下方斜め方向に延びる複数の邪魔板をさらに設けて「分離部」を構成してもよい。沸騰するLiBr水溶液を含む冷媒蒸気が貫通孔(スリット)を通過する前に邪魔板に衝突することにより冷媒蒸気からLiBr水溶液が分離されて邪魔板を伝って容器11内に容易に滴下させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、蒸発部10の容器11内部に分離部14を設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、容器11内部に分離部14を設けないように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の「熱移動システム」を乗用車、バスおよびトラックなどの車両に設けられた発熱体90の冷却システムに適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、発熱体としてのディーゼルエンジンなどの内燃機関を備えた列車や船舶などの冷却システムに適用してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、吸水作用を有する溶液として臭化リチウム(LiBr)水溶液を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。吸水作用(吸湿作用)を有する溶液として、塩化リチウム(LiCl)水溶液や、塩化カルシウム(CaCl)水溶液などを用いてもよい。なお、LiCl水溶液およびCaCl水溶液は、本発明の「溶液」の一例である。
また、上記第1および第2実施形態では、冷媒として水を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷媒として液体アルコールを用いてもよい。
10 蒸発部
12、13 液面検知センサ
14 分離部
14a 孔
20 凝縮部
30 吸引部
41 蒸気通路
42 冷媒通路
42a 接続部分(凝縮部と冷媒通路との接続部分)
42b 接続部分(冷媒通路と吸引部との接続部分)
43a 濃溶液通路(第1溶液通路)
43b 希溶液通路(第2溶液通路)
51 蒸気流通用弁(第1の弁)
52a 濃溶液移動用弁(第2の弁)
52b 希溶液移動用弁(第2の弁)
53 凝縮水移動用弁(第3の弁)
65 熱利用デバイス
80、280 冷却部
70 弁制御部
100、200 熱移動システム
243 溶液通路
252 溶液移動用弁(第2の弁)

Claims (10)

  1. 溶液に吸収された冷媒を蒸発させる蒸発部と、
    前記溶液が収容される吸引部と、
    前記蒸発部で蒸発された冷媒蒸気を凝縮させる凝縮部と、
    前記蒸発部と前記凝縮部とを接続する蒸気通路に設けられた第1の弁と、
    前記蒸発部と前記吸引部とを接続する溶液通路に設けられた第2の弁とを備え、
    前記冷媒が蒸発して前記蒸発部の前記溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、前記第1の弁を閉じて前記第2の弁を開くことによって前記冷媒蒸気の圧力により前記蒸発部の前記溶液が前記吸引部に移動されるとともに、前記吸引部と前記凝縮部との内圧差を利用して前記凝縮部で凝縮された前記冷媒が前記吸引部に吸引されるように構成されている、熱移動システム。
  2. 前記凝縮部と前記吸引部とを接続する冷媒通路に設けられた第3の弁をさらに備え、
    前記蒸発部の前記溶液が前記吸引部に移動された後に、前記第2の弁を閉じて前記第3の弁を開くことにより、前記吸引部と前記凝縮部との内圧差を利用して前記凝縮部で凝縮された前記冷媒が前記吸引部に吸引されるように構成されている、請求項1に記載の熱移動システム。
  3. 前記凝縮部で凝縮された前記冷媒が前記吸引部に吸引された後に、前記第1の弁および前記第2の弁を開くことにより、前記吸引部の前記溶液は、前記吸引部と前記蒸発部との液面差により前記蒸発部に移動されるように構成されている、請求項2に記載の熱移動システム。
  4. 前記第1の弁、前記第2の弁および前記第3の弁の開閉制御を行う弁制御部をさらに備え、
    前記冷媒が蒸発して前記蒸発部の前記溶液の濃度が所定値まで上昇した場合に、前記弁制御部により前記第1の弁を閉じて前記第2の弁を開く制御が行われて前記冷媒蒸気の圧力により前記蒸発部の前記溶液が前記吸引部に移動され、その後、前記弁制御部により前記第2の弁を閉じて前記第3の弁を開く制御が行われて前記吸引部と前記凝縮部との内圧差を利用して前記凝縮部の前記冷媒が前記吸引部に吸引され、その後、前記弁制御部により前記第1の弁および前記第2の弁を開く制御が行われることにより前記吸引部と前記蒸発部との液面差により前記吸引部の前記溶液が前記蒸発部に移動されるように構成されている、請求項3に記載の熱移動システム。
  5. 前記蒸発部の前記溶液が温度低下を伴いながら前記吸引部に移動されることによって、前記吸引部の内圧を低下させて前記溶液が収容された前記吸引部の内圧と前記凝縮部の内圧との圧力差により前記凝縮部で凝縮された前記冷媒が前記吸引部に吸引されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱移動システム。
  6. 前記蒸発部と前記吸引部とを接続する前記溶液通路に設けられ、前記蒸発部から前記吸引部に移動される際の前記溶液の温度を前記凝縮部における前記冷媒蒸気の凝縮温度未満に低下させる冷却部をさらに備える、請求項5に記載の熱移動システム。
  7. 前記凝縮部と前記吸引部とを接続する冷媒通路が設けられており、
    前記凝縮部と前記冷媒通路との接続部分は、前記冷媒通路と前記吸引部との接続部分よりも下方に配置されている、請求項5または6に記載の熱移動システム。
  8. 前記溶液通路は、前記冷媒の蒸発後の濃溶液を前記蒸発部から前記吸引部へと移動させるための第1溶液通路と、前記吸引部において前記凝縮部から吸引された前記冷媒によって前記濃溶液が希釈された希溶液を前記吸引部から前記蒸発部へと移動させるための第2溶液通路とを含み、
    前記第2の弁は、前記第1溶液通路に設けられた濃溶液移動用弁と、前記第2溶液通路に設けられた希溶液移動用弁とを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱移動システム。
  9. 前記蒸発部で蒸発された前記冷媒蒸気を円滑に通過させるとともに前記溶液を通過させない大きさの孔を有することによって、前記冷媒蒸気と前記溶液とを分離する分離部が配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱移動システム。
  10. 前記蒸発部、前記吸引部および前記凝縮部は、車両に搭載されており、
    前記車両のエンジン、モータ、バッテリーおよび蓄熱器の少なくとも1つの排熱が前記蒸発部で蒸発された前記冷媒蒸気に伝達されるとともに、前記凝縮部において外部に放熱されるかまたは熱利用デバイスの熱源として利用されるように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱移動システム。
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