JP2018025313A - 吸収式ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空調運転停止時の吸収液の結晶化(固相化)を防止しつつ、頻繁な運転および運転停止が生じる状況下でも空調機能を迅速に発揮させることが可能な吸収式ヒートポンプ装置を提供する。【解決手段】この吸収式ヒートポンプ装置100は、加熱部11により加熱された吸収液から冷媒蒸気を分離する気液分離部12と、気液分離部12により分離された冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器20と、吸収液に冷媒を吸収させる吸収器40とを備える。そして、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液(LiBr濃液)の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、吸収液の結晶化防止のために、凝縮器20の冷媒を吸収液(LiBr濃液)に混合して吸収液を希釈するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収式ヒートポンプ装置に関する。
従来、冷媒蒸発時の蒸気を吸収可能な吸収液を用いた吸収式ヒートポンプ装置などが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、エンジンの排気ガスの熱を利用して吸収液を加熱する再生器と、凝縮器と、蒸発器と、吸収器とを備え、車両内の空調を行うことが可能に構成された車載用吸収式ヒートポンプ装置が開示されている。この特許文献1に記載の車載用吸収式ヒートポンプ装置には、所定の条件下で凝縮器と吸収器とを連通可能な希釈通路が設けられている。そして、空調運転停止中に吸収液の結晶化(固相化)を防止するために、凝縮器内の冷媒(水)を希釈通路を介して吸収器に供給して吸収液の希釈が行われるように構成されている。なお、吸収液の希釈動作は、エンジン停止時、ヒートポンプ装置自体の停止時、および、乗員により空調運転の停止要求が発生されたことに基づいてその都度行われる。
特許第5708998号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された車載用吸収式ヒートポンプ装置では、空調運転が停止されるたびに、吸収液の結晶化防止のために吸収液の希釈動作が行われるため、次の空調運転再開後には、希釈された状態の吸収液が再生器内で濃縮されて吸収式ヒートポンプ装置全体が機能し始める(空調が効き出す)までに、ある程度の時間遅れが生じると考えられる。また、空調機能が発揮される前に何らかの理由で空調運転が停止される動作が繰り返された場合、車内の乗員に対して空調機能を適切に提供できない状況が生じ兼ねない。このため、短時間での空調運転条件下においても、乗員に対して空調機能を迅速に発揮させることが望まれる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、空調運転停止時の吸収液の結晶化(固相化)を防止しつつ、頻繁な運転および運転停止が生じる状況下でも空調機能を迅速に発揮させることが可能な吸収式ヒートポンプ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における吸収式ヒートポンプ装置は、加熱部により加熱された吸収液から冷媒蒸気を分離する気液分離部と、気液分離部により分離された冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器と、吸収液に冷媒を吸収させる吸収器と、を備え、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、吸収液の結晶化防止のために、凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。
この発明の一の局面による吸収式ヒートポンプ装置は、上記のように、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、吸収液の結晶化防止のために、凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成する。これにより、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合にのみ吸収液が希釈されるので、吸収式ヒートポンプ装置の運転が停止されるたびに結晶化防止を目的として吸収液が希釈される場合と異なり、吸収液が必要以上に希釈されるのを抑制することができる。すなわち、吸収式ヒートポンプ装置の運転が一時的に停止される場合であっても吸収液の濃度が第1しきい値以下の場合には、吸収液の希釈を行わなくすることができる。したがって、吸収式ヒートポンプ装置が運転を再開した場合に、希釈されていない吸収液の濃縮を短時間で行うことができる分、吸収式ヒートポンプ装置が機能するまでの時間を早めることができる。また、空調運転停止時に吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合には吸収液を希釈することによって、空調運転停止時の吸収液の結晶化を効果的に防止することができる。これらの結果、空調運転停止時の吸収液の結晶化(固相化)を防止しつつ、頻繁な運転および運転停止が生じる状況下でも空調機能を迅速に発揮させることができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きく、かつ、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の温度が第2しきい値よりも小さい場合に、凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。
このように構成すれば、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度に加えて、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の温度も加味して、吸収液の希釈を行うことができるので、吸収液の希釈動作を必要最小限の回数(頻度)に制限することができる。したがって、希釈の必要のない吸収液(濃液)を用いて、吸収式ヒートポンプ装置の運転を迅速に立ち上げるための状態(スタンバイ状態)を確実に維持することができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、加熱部と気液分離部と吸収器との間を順次接続していることによって吸収液が循環可能な循環通路と、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、凝縮器の冷媒を気液分離部の出口と吸収器の入口との間の循環通路の部分または気液分離部に供給して吸収液を希釈するための吸収液希釈用通路と、をさらに備える。
このように構成すれば、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、吸収液希釈用通路を介して吸収液の結晶化(固相化)が最も発生しやすい箇所(気液分離部の出口と吸収器の入口との間の循環通路の部分、または、気液分離部の内部)に確実に供給することができる。これにより、空調運転停止時の吸収液の結晶化(固相化)を効果的に防止することができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、吸収液の濃度は、気液分離部内の温度と、冷媒蒸気の分離に伴い吸収液が濃縮される雰囲気の圧力とに基づいて取得されるように構成されており、吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。
このように構成すれば、気液分離部内の温度と吸収液が濃縮される雰囲気の圧力とに基づいて、気液分離部から吸収器に供給される吸収液(濃液)の濃度の極大値を容易に把握することができる。そして、濃液の濃度の極大値と第1しきい値とを比較して吸収液の希釈を行うことができるので、吸収液の結晶化(固相化)を確実に防止することができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、少なくとも冷房運転停止時に、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。
このように構成すれば、冷房運転停止時であっても、気液分離部に貯留されている吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合にのみ吸収液が希釈されるので、吸収液が必要以上に希釈されるのを抑制することができる。
なお、上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において以下の構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記吸収液の濃度が気液分離部内の温度と冷媒蒸気の分離に伴い吸収液が濃縮される雰囲気の圧力とに基づいて取得される吸収式ヒートポンプ装置において、気液分離部内の温度を検出する第1温度センサと、気液分離部内の飽和蒸気圧を検出する圧力センサとを、さらに備え、第1温度センサにより検出される気液分離部内の温度と、圧力センサにより検出される気液分離部内の圧力とに基づいて、吸収液の濃度が取得されるように構成されている。
(付記項2)
また、上記第1温度センサと圧力センサとをさらに備える吸収式ヒートポンプ装置において、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の温度を検出する第2温度センサをさらに備え、吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きく、かつ、第2温度センサにより検出される吸収液の温度が第2しきい値よりも小さい場合に、凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。
(付記項3)
また、上記第2温度センサをさらに備える吸収式ヒートポンプ装置において、冷房運転時に、気液分離部から吸収器に向かって循環通路を流れる吸収液の熱を、吸収器から加熱部に向かって循環通路を流れる吸収液に付与することにより、気液分離部から吸収器に向かって流れる吸収液の温度を低下させるとともに、吸収器から加熱部に向かって流れる吸収液の温度を上昇させるための熱交換器をさらに備え、第2温度センサは、熱交換器の出口と吸収器の入口との間を流通する吸収液の温度を検出するように構成されている。
(付記項4)
また、上記少なくとも冷房運転停止時に吸収液を希釈する吸収式ヒートポンプ装置において、冷房運転停止時に加えて、冷房運転時に、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。
(付記項5)
また、上記吸収液希釈用通路をさらに備える吸収式ヒートポンプ装置において、吸収液希釈用通路に設けられ、気液分離部から吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈する際に開く制御弁をさらに備える。
(付記項6)
また、吸収液の濃度が気液分離部内の温度と吸収液が濃縮される雰囲気の圧力とに基づいて取得される吸収式ヒートポンプ装置において、吸収液の温度と、冷媒蒸気の分離に伴い吸収液が濃縮される雰囲気の圧力とに応じて吸収液の濃度が対応付けられたテーブルをさらに備え、上記テーブルに基づいて、吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。
本発明の第1実施形態における吸収式ヒートポンプ装置の全体構成を示した図である。 本発明の第1実施形態における吸収式ヒートポンプ装置の運転時に参照される臭化リチウム(LiBr)水溶液の温度−圧力の関係から濃度を求めるための線図である。 本発明の第1実施形態における吸収式ヒートポンプ装置の運転時に参照される臭化リチウム(LiBr)水溶液の濃度と結晶温度との相関関係を示した図である。 本発明の第2実施形態における吸収式ヒートポンプ装置の全体構成を示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置100の構成について説明する。
本発明の第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置100では、冷媒(水)と、吸収液(臭化リチウム(LiBr)水溶液)とが用いられる。また、吸収式ヒートポンプ装置100は、車両(図示せず)に搭載され、車内空調に適用されるように構成されている。また、吸収式ヒートポンプ装置100では、エンジン90から排出される高温の排気ガスの熱を利用(回収)して、吸収液(希液)が加熱されるように構成されている。
(吸収式ヒートポンプ装置の構造)
吸収式ヒートポンプ装置100は、図1に示すように、再生器10(二点鎖線枠内)と、凝縮器20と、蒸発器30と、吸収器40と、液−液熱交換器50と、これらを接続する吸収液通路51(循環通路の一例)および冷媒通路52とを備える。ここで、吸収液通路51は、加熱部11と気液分離部12と吸収器40との間を順次接続している。
すなわち、吸収液通路51は、加熱部11と気液分離部12とを接続する経路51aと、気液分離部12と吸収器40とを接続する経路51bと、吸収器40と加熱部11とを接続する経路51cとを含む。また、冷媒通路52は、気液分離部12と凝縮器20とを接続する経路52aと、凝縮器20と蒸発器30とを接続する経路52bと、蒸発器30と吸収器40とを接続する経路52cとを含んでいる。
再生器10は、加熱部11と気液分離部12とによって構成されている。加熱部11は、プレート式熱交換器であり、冷媒(水)がLiBr水溶液(濃液)に吸収されて希釈された吸収液(希液)を加熱する役割を有する。具体的には、加熱部11において、エンジン90に接続され排気管91を流通する高温(約300℃〜約400℃)の排気ガスと、経路51cを流通する吸収液(希液)とが熱交換されるように構成されている。なお、排気管91は、加熱部11を経由する排熱供給路91aと、加熱部11を経由しない迂回路91bとを含み、排熱供給路91aには弁92が設けられている。
冷房運転時に弁92が開かれることによって、エンジン90からの排気ガスが排熱供給路91aを介して加熱部11に流通されるように構成されている。また、気液分離部12は、加熱部11により加熱されて経路51aを介して供給される吸収液から、冷媒蒸気(高温水蒸気)を分離する機能を有する。したがって、気液分離部12には、冷媒蒸気が分離された後の吸収液(濃液)が貯留される。
凝縮器20は、気液分離部12で分離されるとともに経路52aを介して供給された冷媒蒸気を凝縮して液化させる役割を有する。具体的には、凝縮器20の内部に熱交換部83が設けられており、高温水蒸気が熱交換部83の外表面に直接的に晒される。また、熱交換部83の内部には冷却水が流通される。これにより、冷媒蒸気は、冷却水により冷やされて凝縮水になる一方、冷却水は、凝縮熱を得て温められる。また、凝縮器20の冷媒貯留部20aには、凝縮水(液冷媒)が所定量だけ貯留されるように構成されている。
蒸発器30は、真空状態(絶対圧力で1kPa以下)に保たれており、経路52bを介して供給された凝縮水(液冷媒)を低温低圧(真空状態)の条件下で蒸発(気化)させる役割を有する。具体的には、蒸発器30の内部には、凝縮水が貯留される冷媒貯留部30aと、熱交換部31とが設けられている。そして、冷媒貯留部30aからポンプ32により汲み上げられた凝縮水が噴射器33により熱交換部31の外表面に噴射される。また、熱交換部31の内部には空調用の循環水が流通される。これにより、液冷媒は蒸発潜熱を得ながら蒸発して冷媒蒸気(低温水蒸気)になる一方、循環水は、熱を奪われて冷やされる。なお、循環水は、水であってもよいしクーラント(不凍液)であってもよい。
また、熱交換部31は、蒸発器30の外部において循環水回路85を介して車内空調用熱交換部86に接続されている。循環水回路85には送液ポンプ87が設けられている。これにより、車内空調用熱交換部86では、ブロアファン88により送風された車内の空気が、車内空調用熱交換部86を流通する循環水によって冷却される。そして、冷却された空気(冷風)は、車内空間95(二点鎖線枠内)に吹き出されるように構成されている。
吸収器40は、真空状態(絶対圧力で1kPa以下)に保たれており、気液分離部12から経路51bを介して供給された吸収液(濃液)に、蒸発器30で蒸発(気化)するとともに経路52cを介して吸引された冷媒蒸気(低温水蒸気)を吸収させる役割を有する。具体的には、吸収器40の内部に熱交換部41が設けられており、ポンプ42により汲み上げられた吸収液(濃液)が噴射器43により熱交換部41の外表面に直接的に晒された状態で、吸収液に冷媒(低温水蒸気)が吸収される。また、熱交換部41の内部には冷却水が流通される。これにより、冷媒が吸収された吸収液(希液)は、冷却水により冷やされる一方、冷却水は、吸収熱を得て温められる。そして、吸収器40には、吸収液(希液)が貯留される。なお、経路51cには、吸収器40の吸収液貯留部40aに貯留された希液を吸引して加熱部11に供給する送液ポンプ55が設けられている。
液−液熱交換器50は、経路51bを流通する吸収液(濃液)と、経路51cを流通する吸収液(希液)との熱交換を行う役割を有する。液−液熱交換器50は、プレート式熱交換器であり、液−液熱交換器50においては気液分離部12から吸収器40に向かって流れる濃液の熱が吸収器40から加熱部11に向かって流れる希液に付与される。これにより、気液分離部12から吸収器40へ流れる濃液の温度は低下されるとともに、吸収器40から加熱部11へ流れる希液の温度は上昇される。
また、吸収式ヒートポンプ装置100は、冷房運転時に駆動される冷却水回路80を備える。冷却水回路80は、凝縮器20における高温水蒸気の冷却と、吸収器40における低温水蒸気の吸収液(濃液)への吸収時に発生する吸収熱の冷却(除熱)とに用いられる。詳細には、冷却水回路80は、冷却水が流通する冷却水循環路81と、ポンプ82と、凝縮器20に配置された熱交換部83と、吸収器40に配置された熱交換部41と、放熱部84とを含む。放熱部84では、熱交換部84aを流通する冷却水が送風機84bにより送風された空気(外気)によって冷却(放熱)される。
上述した構成に基づき、吸収式ヒートポンプ装置100は、次のように動作される。
すなわち、図1に示すように、加熱部11においてエンジン90からの排気ガスにより吸収液(希液)が加熱される。加熱された吸収液は気液分離部12においてLiBr濃液と冷媒(高温水蒸気)とに分離される。冷媒は、凝縮器20で液化された後、蒸発器30へと導かれる。蒸発器30において冷媒(凝縮水)が蒸発することによって冷水(空調用の循環水)が生成される。そして、蒸発器30で蒸発した冷媒(低温水蒸気)は、吸収器40へと導かれる。
一方、気液分離部12で分離されたLiBr濃液(吸収液)は、液−液熱交換器50を経て吸収器40に導かれる。そして、吸収器40においてLiBr濃液(吸収液)に対して冷媒(低温水蒸気)が吸収されることにより希液(吸収液)が生成される。希液は、再び加熱部11に送液される。したがって、冷媒は、矢印P1方向に循環されるとともに、吸収液は、矢印P2方向に循環される。
ここで、吸収式ヒートポンプ装置100は、運転状況に応じて吸収器40へ供給される吸収液(濃液)を希釈する動作が行われるように構成されている。
具体的には、吸収式ヒートポンプ装置100には、凝縮器20と経路51bとを接続する吸収液希釈用通路61が設けられている。吸収液希釈用通路61は、凝縮器20との底部に位置する冷媒貯留部20aと、気液分離部12の出口12aと吸収器40の入口40bとの間の経路51bの部分とを接続している。また、吸収液希釈用通路61には、弁62(制御弁の一例)と、送液ポンプ63とが設けられている。なお、弁62は、電磁弁であり、通常は閉じられている。
そして、第1実施形態では、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液(LiBr濃液)の濃度ξがしきい値α(第1しきい値の一例)よりも大きい場合に、吸収液の結晶化防止のために、弁62が開かれて送液ポンプ63が始動される。そして、凝縮器20(冷媒貯留部20a)の冷媒が吸収液希釈用通路61を介して経路51bに流通する吸収液に混合される。これにより、経路51bに流通する吸収液が所定の濃度以下に希釈されるように構成されている。また、この希釈動作においては、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液(LiBr濃液)に混合して吸収液を希釈するように構成されている。
ここで、吸収液の濃度ξは、気液分離部12内の温度と、冷媒蒸気の分離に伴い吸収液が濃縮される雰囲気の圧力とに基づいて取得されるように構成されている。この場合、吸収式ヒートポンプ装置100には、気液分離部12内の温度を検出する温度センサ71(第1温度センサの一例)と、気液分離部12内の飽和蒸気圧を検出する圧力センサ72とが気液分離部12に設けられている。
また、吸収式ヒートポンプ装置100では、図2に示されるような臭化リチウム水溶液の濃度線図が、運転制御装置(図示せず)内の記憶部(メモリ)にテーブル(数表)となって予め記憶されている。たとえば、気液分離部12内の飽和蒸気圧が約50mmHgであり温度が約55℃の場合、臭化リチウム水溶液の濃度ξ(重量パーセント)は、約45wt%であることが図2(図2を数表化したテーブル)から判別される。したがって、温度センサ71(図1参照)により検出される気液分離部12内の温度と、圧力センサ72(図1参照)により検出される気液分離部12内の圧力とに基づいて、気液分離部12内の吸収液(LiBr濃液)の濃度ξが把握(取得)されるように構成されている。
また、第1実施形態では、吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きく、かつ、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の温度(液−液熱交換器50と吸収器40との間の経路51bを流通する吸収液の温度)がしきい値β(第2しきい値の一例)よりも小さい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。この場合、図1に示すように、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の温度を検出する温度センサ73(第2温度センサの一例)が、液−液熱交換器50の出口50aと吸収器40の入口40bとの間の経路51bの部分に設けられている。
また、吸収式ヒートポンプ装置100では、図3に示されるような臭化リチウム水溶液の濃度ξ(重量パーセント)に対する結晶温度の相関関係(結晶線図)が、運転制御装置(図示せず)内の記憶部(メモリ)にテーブル(数表)となって予め記憶されている。たとえば、気液分離部12内の吸収液の濃度ξが約58wt%である場合、気液分離部12内の温度が約10℃以下となった場合に、臭化リチウム水溶液が結晶化(固相化)される状態になることが、図3(図3を数表化したテーブル)から判別される。
したがって、気液分離部12における吸収液の濃度ξ(しきい値α)と、温度センサ73(図1参照)により検出される吸収液の温度(液−液熱交換器50の出口50aと吸収器40の入口40bとの間の経路51bを流通する吸収液の温度(しきい値β))とに基づいて、凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。なお、温度センサ73が、液−液熱交換器50の出口50aと吸収器40の入口40bとの間の経路51bの部分に設けられている理由は、次の通りである。
すなわち、気液分離部12において吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい状態で経路51bを流通した場合、吸収液は、液−液熱交換器50にて冷却される。したがって、液−液熱交換器50と吸収器40との間の経路51bを流通する吸収液(濃液)が最も結晶化しやすい(温度が最も低くなりやすい)傾向にある。このため、温度センサ73により検出される吸収液の温度に基づいて吸収液の希釈動作を行うか否かを判定するのが最も望ましいからである。また、液−液熱交換器50と吸収器40との間の経路51bを流通する濃液を効果的に希釈するために、吸収液希釈用通路61は、気液分離部12の出口12aと液−液熱交換器50の入口50bとの間の経路51bの部分に接続されている。
また、第1実施形態では、上記した希釈動作は、冷房運転停止時に行われる。これにより、吸収式ヒートポンプ装置100が停止している場合においても、吸収器40内の吸収液が結晶化(固相化)するのが防止されている。さらには、冷房運転停止時に加えて、冷房運転時に、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている。これにより、通常の運転時にも、吸収液の濃度が適切な範囲に調整される。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、吸収液の結晶化防止のために、凝縮器20の冷媒を吸収液(LiBr濃液)に混合して吸収液を希釈するように構成する。これにより、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合にのみ吸収液が希釈されるので、吸収式ヒートポンプ装置100の運転が停止されるたびに結晶化防止を目的として吸収液が希釈される場合と異なり、吸収液が必要以上に希釈されるのを抑制することができる。すなわち、吸収式ヒートポンプ装置100の運転が一時的に停止される場合であっても吸収液の濃度ξがしきい値α以下の場合には、吸収液の希釈を行わなくすることができる。したがって、吸収式ヒートポンプ装置100が運転を再開した場合に、希釈されていない吸収液の濃縮を短時間で行うことができる分、吸収式ヒートポンプ装置100が機能するまでの時間を早めることができる。
上記効果に加えて、空調運転停止時に吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合には吸収液を希釈することによって、空調運転停止時の吸収液の結晶化を効果的に防止することができる。これらの結果、空調運転停止時の吸収液の結晶化(固相化)を防止しつつ、頻繁な運転および運転停止が生じる状況下でも空調機能を迅速に発揮させることができる。
また、第1実施形態では、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きく、かつ、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の温度がしきい値βよりも小さい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液(LiBr濃液)に混合して吸収液を希釈するように構成する。これにより、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξに加えて、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の温度も加味して、吸収液の希釈を行うことができるので、吸収液の希釈動作を必要最小限の回数(頻度)に制限することができる。したがって、希釈の必要のない吸収液(濃液)を用いて、吸収式ヒートポンプ装置100の運転を迅速に立ち上げるための状態(スタンバイ状態)を確実に維持することができる。
また、第1実施形態では、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を気液分離部12の出口12aと吸収器40の入口40bとの間の経路51bに供給して吸収液を希釈するための吸収液希釈用通路61を備える。これにより、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、吸収液希釈用通路61を介して吸収液(LiBr濃液)の結晶化(固相化)が最も発生しやすい箇所(気液分離部12の出口12aと吸収器40の入口40bとの間の吸収液通路51の部分)に確実に供給することができる。これにより空調運転停止時の吸収液の結晶化(固相化)を効果的に防止することができる。
また、第1実施形態では、吸収液の濃度ξは、気液分離部12内の温度と、冷媒蒸気の分離に伴い吸収液が濃縮される雰囲気の圧力とに基づいて取得されるように構成されており、吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成する。これにより、気液分離部12内の温度と吸収液が濃縮される雰囲気の圧力とに基づいて、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液(濃液)の濃度ξの極大値を容易に把握することができる。そして、濃液の濃度ξの極大値としきい値αとを比較して吸収液の希釈を行うことができるので、吸収液の結晶化(固相化)を確実に防止することができる。
また、第1実施形態では、少なくとも冷房運転停止時に、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成する。これにより、冷房運転停止時であっても、気液分離部12に貯留されている吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合にのみ吸収液が希釈されるので、吸収液が必要以上に希釈されるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、気液分離部12内の温度を検出する温度センサ71と、気液分離部12内の飽和蒸気圧を検出する圧力センサ72とを備える。そして、温度センサ71により検出される気液分離部12内の温度と、圧力センサ72により検出される気液分離部12内の圧力とに基づいて、吸収液の濃度ξを取得する。これにより、吸収液の濃度ξを検出する濃度ξセンサを専用に設ける場合と異なり、通常の吸収式ヒートポンプ装置100の運転制御に使用される温度センサ71および圧力センサ72を有効に利用して、吸収液の濃度ξを容易に把握(算出)することができる。
また、第1実施形態では、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の温度を検出する温度センサ73を備える。そして、吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きく、かつ、温度センサ73により検出される吸収液の温度がしきい値βよりも小さい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成する。これにより、温度センサ73により、気液分離部12と吸収器40との間の経路中で最も低温になりやすい箇所の吸収液の温度を検出することができるので、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液(濃液)が結晶化(固相化)しやすくなる状況を確実に把握することができる。したがって、このような状況下で吸収液を希釈することができるので、吸収液の結晶化(固相化)を確実に防止することができる。
また、第1実施形態では、冷房運転時に、気液分離部12から吸収器40に向かって経路51bを流れる吸収液の熱を、吸収器40から加熱部11に向かって経路51cを流れる吸収液に付与することにより、気液分離部12から吸収器40に向かって流れる吸収液の温度を低下させるとともに、吸収器40から加熱部11に向かって流れる吸収液の温度を上昇させるための液−液熱交換器50を備える。そして、液−液熱交換器50の出口50aと吸収器40の入口40bとの間の経路51bの部分を流通する吸収液の温度を検出するように温度センサ73を構成する。これにより、液−液熱交換器50の出口50aと吸収器40の入口40bとの間の経路51bの部分を流通する吸収液(LiBr濃液)が最も結晶化しやすい(温度が最も低くなりやすい)傾向にある分、この部分の吸収液の温度を指標として吸収液の希釈動作を効果的に機能させることができる。
また、第1実施形態では、冷房運転停止時に加えて、冷房運転時に、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成する。これにより、通常の冷房運転時に気液分離部12において必要以上に吸収液が濃縮されて結晶化(固相化)の可能性が高まった場合であっても、吸収液(濃液)の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に吸収液の希釈を行うことができる。これにより、冷房運転時における吸収液も結晶化(固相化)も防止されるので、吸収式ヒートポンプ装置100を安定的に運転することができる。
また、第1実施形態では、吸収液希釈用通路61に設けられ、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈する際に開く弁62を備える。これにより、吸収液の濃度ξと弁62の開閉動作とを連動させることによって、凝縮器20の冷媒を吸収液希釈用通路61を介して吸収液に混合して、吸収液を容易に希釈することができる。
また、第1実施形態では、吸収液の温度と冷媒蒸気の分離に伴い吸収液が濃縮される雰囲気の圧力(気液分離部12内の圧力)とに応じて吸収液の濃度ξが対応付けられたテーブルを、吸収式ヒートポンプ装置100の運転制御装置内のメモリに備える。そして、このテーブルに基づいて、濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈する。これにより、運転制御装置内のメモリに記憶されたテーブルを参照して、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξを容易に把握することができるので、吸収液(濃液)の希釈動作を的確に行うことができる。
[第2実施形態]
図4を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、吸収液希釈用通路261の接続先を上記第1実施形態と異ならせた例について説明する。なお、図中において上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示する。
第2実施形態による吸収式ヒートポンプ装置200には、吸収液希釈用通路261が設けられている。吸収液希釈用通路261は、凝縮器20の冷媒貯留部20aと、気液分離部12の入口12bとを接続している。また、吸収液希釈用通路261には、弁262(制御弁の一例)と、送液ポンプ63とが設けられている。なお、弁262は、電磁弁であり、通常は閉じられている。
これにより、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、吸収液(LiBr濃液)の結晶化防止のために、弁262が開かれて送液ポンプ63が始動される。そして、吸収液希釈用通路261を介して凝縮器20の冷媒を入口12bから気液分離部12に直接的に供給されるように構成されている。吸収式ヒートポンプ装置200においても、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を吸収液(LiBr濃液)に混合して吸収液が希釈されるように構成されている。なお、第2実施形態による吸収式ヒートポンプ装置200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記のように、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を気液分離部12に供給して吸収液を希釈するための吸収液希釈用通路261を備える。これにより、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液(LiBr濃液)の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、吸収液希釈用通路61を介して吸収液の結晶化(固相化)が発生しやすい箇所(気液分離部12の内部)に確実に供給することができる。これにより、空調運転停止時の吸収液の結晶化(固相化)を効果的に防止することができる。
また、第2実施形態では、凝縮器20の冷媒貯留部20aと、気液分離部12の入口12bとを接続するように吸収液希釈用通路261を構成する。これにより、吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に、凝縮器20の冷媒を気液分離部12に直接的に供給することができる。すなわち、加熱部11の出口と気液分離部12の入口12bとの間の経路51aに吸収液希釈用通路261を接続する場合と異なり、気液分離部12内で確実に冷媒が気液分離されて濃縮された後の吸収液に対して凝縮器20の冷媒を供給することができる。この結果、気液分離部12を有効に機能させつつ、気液分離部12から吸収器40に供給される吸収液の濃度ξがしきい値αよりも大きい場合に吸収液(濃液)を確実に希釈することができる。なお、その他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、冷房運転のみを行うことが可能な吸収式ヒートポンプ装置100に対して本発明を適用したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷房運転のみならず暖房運転を行うことが可能な吸収式ヒートポンプ装置に対して本発明を適用してもよい。なお、暖房運転時には、気液分離部12で分離された高温の冷媒蒸気を蒸発器30に供給することにより熱交換部31を介して空調用の循環水に熱を受け渡す。そして、蒸発器30で凝縮された冷媒(水)は、加熱部11の上流側の経路51cに戻される。このように、冷房運転と暖房運転との両方が運転可能な吸収式ヒートポンプ装置に対して、本発明を適用してもよい。
また、上記第2実施形態では、凝縮器20の冷媒を吸収液希釈用通路261を介して気液分離部12に直接的に供給したが、本発明はこれに限られない。たとえば、吸収液希釈用通路261を、加熱部11の出口と気液分離部12の入口12bとの間の経路51aの部分に接続してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、気液分離部12の内部に温度センサ71および圧力センサ72を設けて吸収液の濃度ξを把握(算出)するように構成したが、本発明はこれに限られない。たとえば、気液分離部12の内部に濃度計を設けて、この濃度計により測定された吸収液の濃度ξに基づいて凝縮器20の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、エンジン90の排気ガスの熱を利用して吸収液を加熱したが、本発明はこれに限られない。ハイブリッド自動車や電動モータを使用した電気自動車の空調用に、本発明の吸収式ヒートポンプ装置を適用してもよい。吸収液を加熱する熱源に電気自動車のバッテリやモータ排熱や燃料電池における発電時の排熱を利用して、燃料電池システムを備えた乗用車の空調に本発明を適用してもよい。
10 再生器
11 加熱部
12 気液分離部
12a 出口
12b 入口
20 凝縮器
30 蒸発器
40 吸収器
40b 入口
50 液−液熱交換器
50a 出口
50b 入口
51 吸収液通路(循環通路)
51b 経路(気液分離部の出口と吸収器の入口との間の循環通路の部分)
61、261 吸収液希釈用通路
62、262 弁(制御弁)
71 温度センサ(第1温度センサ)
72 圧力センサ
73 温度センサ(第2温度センサ)
100、200 吸収式ヒートポンプ装置
α しきい値(第1しきい値)
β しきい値(第2しきい値)
ξ 濃度(吸収液の濃度)

Claims (5)

  1. 加熱部により加熱された吸収液から冷媒蒸気を分離する気液分離部と、
    前記気液分離部により分離された冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器と、
    吸収液に冷媒を吸収させる吸収器と、を備え、
    前記気液分離部から前記吸収器に供給される吸収液の濃度が第1しきい値よりも大きい場合に、吸収液の結晶化防止のために、前記凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている、吸収式ヒートポンプ装置。
  2. 前記気液分離部から前記吸収器に供給される吸収液の濃度が前記第1しきい値よりも大きく、かつ、前記気液分離部から前記吸収器に供給される吸収液の温度が第2しきい値よりも小さい場合に、前記凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている、請求項1に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  3. 前記加熱部と前記気液分離部と前記吸収器との間を順次接続していることによって吸収液が循環可能な循環通路と、
    前記気液分離部から前記吸収器に供給される吸収液の濃度が前記第1しきい値よりも大きい場合に、前記凝縮器の冷媒を前記気液分離部の出口と前記吸収器の入口との間の前記循環通路の部分または前記気液分離部に供給して吸収液を希釈するための吸収液希釈用通路と、をさらに備える、請求項1または2に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  4. 前記吸収液の濃度は、前記気液分離部内の温度と、冷媒蒸気の分離に伴い吸収液が濃縮される雰囲気の圧力とに基づいて取得されるように構成されており、
    前記吸収液の濃度が前記第1しきい値よりも大きい場合に、前記凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  5. 少なくとも冷房運転停止時に、前記気液分離部から前記吸収器に供給される吸収液の濃度が前記第1しきい値よりも大きい場合に、前記凝縮器の冷媒を吸収液に混合して吸収液を希釈するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
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