JP2014092212A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無段変速機を搭載した車両に対し、減速時における変速比の適正化を図ることができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】車両の減速ピークGから基本再加速時駆動力要求割合ηを算出する。変速比制御開始からの経過時間tと、その時点での最大減速度Gmaxから最大車速変化量ΔVmaxを算出する。変速比制御開始からの車速変化量の時間積分値ΔVを算出する。最大車速変化量ΔVmaxに対する時間積分値ΔVの比から補正基準量δを算出し、この補正基準量δに基づいて補正割合εを算出する。前記基本再加速時駆動力要求割合ηに補正割合εを乗算することにより最終再加速時駆動力要求割合ηmodを算出し、この最終再加速時駆動力要求割合ηmodに対応するベルト式無段変速機の変速比γを求める。
【選択図】図8

Description

本発明は車両の制御装置に係る。特に、本発明は、無段変速機を搭載した車両の駆動力の適正化を図るための対策に関する。
従来より、エンジン(内燃機関)等の駆動力源からの動力を駆動輪に向けて伝達するパワートレーンに自動変速機を備えた車両にあっては、車速等の変化が生じた際、予め記憶された変速マップに従って、自動変速機の変速比(ギヤ比)を変更するようにしている(例えば、特許文献1を参照)。
また、特許文献2には、車両の減速中における減速度に基づいて自動変速機の変速比を決定することが開示されている。具体的には、車両の横加速度と前後加速度とを変数として予め設定された判定領域上に、アップシフト禁止領域およびダウンシフト領域をそれぞれ規定しておく。そして、車両の減速中における車両の横加速度と前後加速度とで表される合成加速度に基づいて設定した変速判定値が、前記判定領域上のアップシフト禁止領域にある場合(例えば、車両の旋回走行によって横加速度が所定値以上となっている場合)には、変速マップから求められた変速比へのアップシフトを禁止して再加速性を確保する。一方、その変速判定値が判定領域上のダウンシフト領域にある場合(例えば、車両が直進急減速状態にあって横加速度が所定値未満となっている場合)には、変速マップに従ったダウンシフトを行って車両減速度を高めるようにしている。
特開2012−107537号公報 特開2007−177966号公報
ところで、車両の旋回走行後のコーナ立ち上がり時(曲線路走行から直線路走行への移行時)には、自動変速機の変速比としては、運転者の再加速意図に応じた駆動力(再加速時の目標駆動力)が得られるものとなっていることが望ましい。つまり、車両減速時における前記合成加速度が同じであっても、運転者の減速意図(例えば減速の仕方)によっては、再加速意図が異なる場合があるため、この再加速意図に適した駆動力が得られる変速比を設定しておくことが望ましい。
そのため、特許文献2に記載されているように車両減速中の合成加速度に基づいて変速比を一律に設定したのでは、運転者の再加速意図に適した駆動力が得られない可能性がある。例えば、再加速時の目標駆動力を満たすことができない変速比が設定された場合(変速比が適正値よりも小さく設定された場合)には、その再加速時のアクセルペダルの踏み込み操作に伴って変速比を大きくする側への変速制御(ダウンシフト)を実行する必要が生じ、その再加速の加速応答性が十分に得られない可能性がある。また、再加速時の目標駆動力を満たすための適切な変速比よりも大きな変速比が設定されている場合には、その再加速時に運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
この点に鑑み、減速後の再加速性を向上させるために、減速度がピーク値に達した時点で再加速時の目標駆動力を推定し、この目標駆動力を実際の車速変化量で補正して変速動作を実行することが考えられる。この変速制御は、変速要求が離散的に発生し且つ変速タイミングが特定可能な有段式の自動変速機においては有効である。
ところが、変速比が連続的に変化する無段変速機にあっては、前記技術をそのまま適用することは困難である。つまり、前記技術では、減速期間中における減速度がピーク値に達した際に目標駆動力に応じた変速比の変更を行うため、この技術を、変速比が連続的に変化する無段変速機にそのまま適用した場合には、減速中は目標駆動力に応じて変速比を逐次算出(ダウン変速)するので、ピーク値に達した時点では既に変速した後となり、その時点で補正すると、ダウン変速後にアップ変速することになる。このため、補正量も減速度がピーク値に達した時点ではなく、逐次算出する必要がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、無段変速機を搭載した車両に対し、減速時における変速比の適正化を図ることができる車両の制御装置を提供することにある。
−発明の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、車両減速時における減速度から求まる最大車速変化量に対する実際の車速変化量の割合によって、減速度から求まる要求駆動力を補正することにより、再加速時における要求駆動力を求め、この補正された要求駆動力から無段変速機の変速比を決定するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、駆動力源からの動力を駆動輪側へ伝達する無段変速機を備え、車両減速中の減速度が高いほど再加速時の要求駆動力を大きく設定し、この設定された再加速時の要求駆動力に基づいて前記無段変速機の目標変速比を決定する変速比制御を行う車両の制御装置を対象とする。この車両の制御装置に対し、前記車両減速中の減速度により、再加速時における基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値を推定する。また、現時点での車両減速度により算出された最大車速変化量と、所定の制御開始条件の成立に伴って制御が開始してから現時点までの車速変化量とに基づいて、前記基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値を補正する。これにより、再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値を求め、この再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値に基づいて前記無段変速機の目標変速比を決定する構成としている。
所定の制御開始条件の成立に伴って制御が開始してから現時点までの車速変化量(例えば車速変化の積分量)は、運転者がどのように車両を減速させてきたか、すなわち運転者の減速意図を反映している。このため、本解決手段では、現時点での車両減速度により算出された最大車速変化量と車速変化量と(例えば最大車速変化量に対する車速変化量の比)によって、前記基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値を補正して最終的な基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値を求めることで、運転者の再加速意図に合った無段変速機の目標変速比を決定することができる。つまり、再加速時の目標駆動力を満たすことができる変速比が適切に設定され、再加速時のアクセルペダルの踏み込み操作によって更なるダウンシフトが実行されてしまうといったことが回避または抑制される。よって、減速意図に応じて変速比を適切に設定し、再加速時のドライバビリティ(運転者の再加速意図に応じた加速性能)を向上させることができる。
より具体的に、前記最大車速変化量は、所定の制御開始条件の成立に伴って制御が開始してから現時点までの期間中における最大減速度が、この期間中継続されたと仮定した量として算出される。また、前記車速変化量は、所定の制御開始条件の成立に伴って制御が開始してから現時点までの車速変化の積分量として算出される。そして、前記最大車速変化量に対する前記車速変化量の比を求め、この比に基づいて求められた補正割合を前記基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値に乗算することによって再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値を求め、この再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値に基づいて前記無段変速機の目標変速比を決定する構成としている。
この構成により、同一期間中における最大車速変化量および車速変化量を求め、この最大車速変化量に対する車速変化量の比に基づいて基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値を補正して最終的な要求駆動力または要求駆動力に相関のある値を求める。そして、この最終的な要求駆動力または要求駆動力に相関のある値から無段変速機の目標変速比を決定することになる。このため、運転者の減速意図を正確に反映した前記補正割合(前記比に基づいて求められた補正割合)を求めることができ、最終的な基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値を適切に求めることができる。その結果、運転者の再加速意図を正確に反映した無段変速機の目標変速比を決定することが可能になる。
前述の如く決定された無段変速機の目標変速比を変速比制御に反映させるか否かを判別する手段としては以下のものが挙げられる。まず、前記再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値に基づいて決定された前記無段変速機の目標変速比が、それまでの目標変速比よりも小さい場合には、目標変速比の更新を非実行とする構成としている。これにより、不要なアップシフトが実行されてしまうことを阻止することができ、再加速時における加速応答性を良好に確保することができる。
また、前記車両の左右方向の加速度が所定値以上である旋回走行中にあっても、目標変速比の更新を非実行とする構成としている。これにより、旋回走行中の変速が回避され、旋回走行中の車両の安定性を維持することができる。
また、前記要求駆動力に相関のある値として具体的には、現時点において発生させることが可能な最大駆動力に対する要求駆動力の割合である。これにより、車種や内燃機関の仕様(排気量や出力特性)に関わりなく、本発明の変速比制御を適用することができ、制御の汎用性を高めることができる。
また、前記制御開始条件として具体的には、車両の減速度が所定値以上となった場合に成立する。つまり、車両の減速度が所定値以上となり、運転者の減速意図が確認された時点で前記変速比制御を行うことになるので、制御の開始タイミングの適正化を図ることができ、この制御開始時点を起点として求められる前記最大車速変化量および車速変化量も適切に求めることができる。
本発明では、車両減速中の減速度により推定された再加速時における基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値を、車両減速度により算出された最大車速変化量および車速変化量によって補正して再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値を求めて無段変速機の目標変速比を決定している。このため、運転者の再加速意図に応じた変速比を適切に設定することができ、再加速時のドライバビリティの向上を図ることができる。
実施形態に係るベルト式無段変速機が搭載された車両の一例を示す概略構成図である。 プライマリプーリの油圧アクチュエータを制御する油圧制御回路の回路構成図である。 ベルトの挟圧力を制御する油圧制御回路の回路構成図である。 ベルト式無段変速機の変速制御に用いるマップの一例を示す図である。 ベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御に用いるマップの一例を示す図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 車両旋回時において車両に作用する前後Gおよび左右Gの変化を説明するための図である。 車両減速時変速比制御の手順を示すフローチャート図である。 再加速時駆動力要求割合マップの一例を示す図である。 車両減速時における車速、減速G、再加速時駆動力要求割合、指示変速比それぞれの変化の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、ベルト式無段変速機(CVT;Continuously Variable Transmission)を搭載した車両に本発明を適用した場合について説明する。
図1は、本実施形態に係るベルト式無段変速機が搭載された車両の一例を示す概略構成図である。この図1に示すように、本実施形態に係る車両は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両であって、走行用動力源であるエンジン(内燃機関)1、流体伝動装置としてのトルクコンバータ2、前後進切換装置3、ベルト式無段変速機4、減速歯車装置5、差動歯車装置6、および、ECU(Electronic Control Unit)8などが搭載されている。前記ECU8、後述する油圧制御回路20、前後加速度センサ111および左右加速度センサ112(図6を参照)などによって本発明に係る車両の制御装置が実現されている。
エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11はトルクコンバータ2に連結されており、エンジン1の出力が、トルクコンバータ2から前後進切換装置3、ベルト式無段変速機4および減速歯車装置5を介して差動歯車装置6に伝達され、左右の駆動輪10,10へ分配されるようになっている。
これらエンジン1、トルクコンバータ2、前後進切換装置3、ベルト式無段変速機4、および、ECU8の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1に吸入される吸入空気量は電子制御式のスロットルバルブ12により調整される。スロットルバルブ12は運転者のアクセルペダル操作とは独立してスロットル開度を電子的に制御することが可能であり、その開度(スロットル開度)はスロットル開度センサ102によって検出される。また、エンジン1の冷却水温は水温センサ103によって検出される。
スロットルバルブ12のスロットル開度はECU8によって駆動制御される。具体的には、エンジン回転数センサ101によって検出されるエンジン回転数Ne、および、運転者のアクセルペダル踏み込み量(アクセル操作量Acc)等のエンジン1の運転状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットルバルブ12のスロットル開度を制御している。より詳細には、スロットル開度センサ102を用いてスロットルバルブ12の実際のスロットル開度を検出し、その実スロットル開度が、上記目標吸気量が得られるスロットル開度(目標スロットル開度)に一致するようにスロットルバルブ12のスロットルモータ13をフィードバック制御している。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、入力側のポンプインペラ21、出力側のタービンランナ22、および、トルク増幅機能を発現するステータ23などを備えており、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う。ポンプインペラ21はエンジン1のクランクシャフト11に連結されている。タービンランナ22はタービンシャフト27を介して前後進切換装置3に連結されている。
トルクコンバータ2には、当該トルクコンバータ2の入力側と出力側とを直結するロックアップクラッチ24が設けられている。ロックアップクラッチ24は、係合側油室25内の油圧と解放側油室26内の油圧との差圧(ロックアップ差圧)を制御することにより完全係合・半係合(スリップ状態での係合)または解放される。
ロックアップクラッチ24を完全係合させることにより、ポンプインペラ21とタービンランナ22とが一体回転する。また、ロックアップクラッチ24を所定のスリップ状態(半係合状態)で係合させることにより、駆動時には所定のスリップ量でタービンランナ22がポンプインペラ21に追随して回転する。一方、ロックアップ差圧を負に設定することによりロックアップクラッチ24は解放状態となる。
そして、トルクコンバータ2にはポンプインペラ21に連結して駆動される機械式のオイルポンプ(油圧発生源)7が設けられている。
−前後進切換装置−
前後進切換装置3は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構30、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1を備えている。
遊星歯車機構30のサンギヤ31はトルクコンバータ2のタービンシャフト27に一体的に連結されており、キャリア33はベルト式無段変速機4の入力軸40に一体的に連結されている。また、これらキャリア33とサンギヤ31とは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ32は後進用ブレーキB1を介してハウジングに選択的に固定されるようになっている。
前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は、後述する油圧制御回路20によって係合・解放される油圧式摩擦係合要素であって、前進用クラッチC1が係合され、後進用ブレーキB1が解放されることにより、前後進切換装置3が一体回転状態となって前進用動力伝達経路が成立(達成)し、この状態で、前進方向の駆動力がベルト式無段変速機4側へ伝達される。
一方、後進用ブレーキB1が係合され、前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換装置3によって後進用動力伝達経路が成立(達成)する。この状態で、入力軸40はタービンシャフト27に対して逆方向へ回転し、この後進方向の駆動力がベルト式無段変速機4側へ伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1がともに解放されると、前後進切換装置3は動力伝達を遮断するニュートラル(遮断状態)になる。
−ベルト式無段変速機−
ベルト式無段変速機4は、エンジン1からの動力を受け、入力軸40の回転数を変速して駆動輪10,10側へ伝達するものであって、入力側のプライマリプーリ41、出力側のセカンダリプーリ42、および、これらプライマリプーリ41とセカンダリプーリ42とに巻き掛けられた金属製のベルト43などを備えている。
プライマリプーリ41は、有効径が可変な可変プーリであって、入力軸40に固定された固定シーブ411と、入力軸40に軸方向のみの摺動が可能な状態で配設された可動シーブ412とによって構成されている。セカンダリプーリ42も同様に有効径が可変な可変プーリであって、出力軸44に固定された固定シーブ421と、出力軸44に軸方向のみの摺動が可能な状態で配設された可動シーブ422とによって構成されている。
プライマリプーリ41の可動シーブ412側には、固定シーブ411と可動シーブ412との間のV溝幅を変更するための油圧アクチュエータ413が配置されている。また、セカンダリプーリ42の可動シーブ422側にも同様に、固定シーブ421と可動シーブ422との間のV溝幅を変更するための油圧アクチュエータ423が配置されている。
以上の構造のベルト式無段変速機4において、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧を制御することにより、プライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42の各V溝幅が変化してベルト43の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(γ=プライマリプーリ回転数(入力軸回転数)Nin/セカンダリプーリ回転数(出力軸回転数)Nout)が連続的に変化する。また、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧は、ベルト滑りが生じない所定の挟圧力でベルト43が挟圧されるように制御される。これらの制御はECU8および油圧制御回路20によって実行される。
−油圧制御回路−
油圧制御回路20は、図1に示すように、変速速度制御部20a、ベルト挟圧力制御部20b、ライン圧制御部20c、ロックアップ係合圧制御部20d、クラッチ圧力制御部20e、および、マニュアルバルブ20fなどによって構成されている。
また、油圧制御回路20を構成する変速速度制御用の変速制御ソレノイド(DS1)304および変速制御ソレノイド(DS2)305、ベルト挟圧力制御用のリニアソレノイド(SLS)202、ライン圧制御用のリニアソレノイド(SLT)201、並びに、ロックアップ係合圧制御用のデューティソレノイド(DSU)307にはECU8からの制御信号が供給される。
次に、油圧制御回路20のうち、ベルト式無段変速機4のプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧制御回路(変速速度制御部20aの具体的な油圧回路構成)、および、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧制御回路(ベルト挟圧力制御部20bの具体的な油圧回路構成)について、図2および図3を参照して説明する。なお、図2および図3に示すものは油圧制御回路の一例である。本発明に適用可能な油圧制御回路としてはこれら図に示したものには限定されず、種々のものが適用可能である。
まず、図3に示すように、オイルポンプ7が発生した油圧はプライマリレギュレータバルブ203により調圧されてライン圧PLが生成される。プライマリレギュレータバルブ203には、リニアソレノイド(SLT)201が出力する制御油圧がクラッチアプライコントロールバルブ204を介して供給され、その制御油圧をパイロット圧として作動する。
なお、クラッチアプライコントロールバルブ204の切り替えにより、リニアソレノイド(SLS)202からの制御油圧がプライマリレギュレータバルブ203に供給され、その制御油圧をパイロット圧としてライン圧PLが調圧される場合もある。これらリニアソレノイド(SLT)201およびリニアソレノイド(SLS)202には、ライン圧PLを元圧としてモジュレータバルブ205にて調圧された油圧が供給される。
リニアソレノイド(SLT)201は、ECU8が出力するDuty信号によって決まる電流値に応じて制御油圧を出力する。リニアソレノイド(SLT)201はノーマルオープンタイプのソレノイドバルブである。
また、リニアソレノイド(SLS)202は、ECU8が出力するDuty信号によって決まる電流値に応じて制御油圧を出力する。このリニアソレノイド(SLS)202も上記リニアソレノイド(SLT)201と同様にノーマルオープンタイプのソレノイドバルブである。
なお、図2および図3に示す油圧制御回路において、モジュレータバルブ206は、モジュレータバルブ205が出力する油圧を一定の圧力に調圧して、後述する変速制御ソレノイド(DS1)304、変速制御ソレノイド(DS2)305、および、ベルト挟圧力制御バルブ303などに供給する。
[変速制御]
次に、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧制御回路について説明する。図2に示すように、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413にはアップシフト用変速制御バルブ301が接続されている。
アップシフト用変速制御バルブ301には、軸方向に移動可能なスプール311が設けられている。スプール311の一端側(図2の上端側)にはスプリング312が配置されており、このスプール311を挟んでスプリング312とは反対側の端部に、第1油圧ポート315が形成されている。また、スプリング312が配置されている上記の一端側に第2油圧ポート316が形成されている。
第1油圧ポート315には、ECU8が出力するDuty信号(DS1変速Duty(アップシフトDuty))によって決まる電流値に応じて制御油圧を出力する変速制御ソレノイド(DS1)304が接続されており、その変速制御ソレノイド(DS1)304が出力する制御油圧が第1油圧ポート315に印加される。第2油圧ポート316には、ECU8が出力するDuty信号(DS2変速Duty(ダウンシフトDuty))によって決まる電流値に応じて制御油圧を出力する変速制御ソレノイド(DS2)305が接続されており、その変速制御ソレノイド(DS2)305が出力する制御油圧が第2油圧ポート316に印加される。
さらに、アップシフト用変速制御バルブ301には、ライン圧PLが供給される入力ポート313、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に接続(連通)される入出力ポート314および出力ポート317が形成されており、スプール311がアップシフト位置(図2の右側位置)にあるときには、出力ポート317が閉鎖され、ライン圧PLが入力ポート313から入出力ポート314を経てプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に供給される。一方、スプール311が閉じ位置(図2の左側位置)にあるときには、入力ポート313が閉鎖され、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413が入出力ポート314を介して出力ポート317に連通する。
ダウンシフト用変速制御バルブ302には、軸方向に移動可能なスプール321が設けられている。スプール321の一端側(図2の下端側)にはスプリング322が配置されているとともに、その一端側に第1油圧ポート326が形成されている。また、スプール321を挟んでスプリング322とは反対側の端部に第2油圧ポート327が形成されている。第1油圧ポート326には、上記変速制御ソレノイド(DS1)304が接続されており、その変速制御ソレノイド(DS1)304が出力する制御油圧が第1油圧ポート326に印加される。第2油圧ポート327には、上記変速制御ソレノイド(DS2)305が接続されており、その変速制御ソレノイド(DS2)305が出力する制御油圧が第2油圧ポート327に印加される。
さらに、ダウンシフト用変速制御バルブ302には、入力ポート323、入出力ポート324および排出ポート325が形成されている。入力ポート323にはバイパスコントロールバルブ306が接続されており、そのバイパスコントロールバルブ306にてライン圧PLを調圧した油圧が供給される。そして、このようなダウンシフト用変速制御バルブ302において、スプール321がダウンシフト位置(図2の左側位置)にあるときには入出力ポート324が排出ポート325に連通する。一方、スプール321が閉じ位置(図2の右側位置)にあるときには入出力ポート324が閉鎖される。なお、ダウンシフト用変速制御バルブ302の入出力ポート324は、アップシフト用変速制御バルブ301の出力ポート317に接続されている。
以上の図2の油圧制御回路において、ECU8が出力するDS1変速Duty(アップシフト変速指令)に応じて変速制御ソレノイド(DS1)304が作動し、その変速制御ソレノイド(DS1)304が出力する制御油圧がアップシフト用変速制御バルブ301の第1油圧ポート315に供給されると、その制御油圧に応じた推力によって、スプール311がアップシフト位置側(図2の上側)に移動する。このスプール311の移動(アップシフト側への移動)により、作動油(ライン圧PL)が制御油圧に対応する流量で入力ポート313から入出力ポート314を経てプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に供給されるとともに、出力ポート317が閉鎖されてダウンシフト用変速制御バルブ302への作動油の流通が阻止される。これによって変速制御圧が高められ、プライマリプーリ41のV溝幅が狭くなって変速比γが小さくなる(アップシフト)。
なお、変速制御ソレノイド(DS1)304が出力する制御油圧がダウンシフト用変速制御バルブ302の第1油圧ポート326に供給されると、スプール321が図2の上側に移動し、入出力ポート324が閉鎖される。
一方、ECU8が出力するDS2変速Duty(ダウンシフト変速指令)に応じて変速制御ソレノイド(DS2)305が作動し、その変速制御ソレノイド(DS2)305が出力する制御油圧がアップシフト用変速制御バルブ301の第2油圧ポート316に供給されると、その制御油圧に応じた推力によって、スプール311がダウンシフト位置側(図2の下側)に移動する。このスプール311の移動(ダウンシフト側への移動)により、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413内の作動油が制御油圧に対応する流量でアップシフト用変速制御バルブ301の入出力ポート314に流入する。このアップシフト用変速制御バルブ301に流入した作動油は出力ポート317およびダウンシフト用変速制御バルブ302の入出力ポート324を経て排出ポート325から排出される。これによって変速制御圧が低められ、プライマリプーリ41のV溝幅が広くなって変速比γが大きくなる(ダウンシフト)。
なお、変速制御ソレノイド(DS2)305が出力する制御油圧がダウンシフト用変速制御バルブ302の第2油圧ポート327に供給されると、スプール321が図2の下側に移動し、入出力ポート324と排出ポート325とが連通する。
以上のように、変速制御ソレノイド(DS1)304から制御油圧が出力されると、アップシフト用変速制御バルブ301から作動油がプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に供給されて変速制御圧が連続的にアップシフトされる。また、変速制御ソレノイド(DS2)305から制御油圧が出力されると、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413内の作動油がダウンシフト用変速制御バルブ302の排出ポート325から排出されて変速制御圧が連続的にダウンシフトされる。
そして、この例では、例えば図4に示すように、運転者の出力要求量を表すアクセル操作量Accおよび車速Vをパラメータとして予め設定された変速マップから入力側の目標回転数Nintを算出し、実際の入力軸回転数Ninが目標回転数Nintと一致するように、それらの偏差(Nint−Nin)に応じてベルト式無段変速機4の変速制御、すなわち、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に対する作動油の供給・排出によって変速制御圧が制御され、変速比γが連続的に変化する。図4のマップは変速条件に相当し、ECU8のROM82(図6参照)内に記憶されている。
なお、図4のマップにおいて、車速Vが小さくてアクセル操作量Accが大きいほど大きな変速比γになる目標回転数Nintが設定されるようになっている。また、車速Vはセカンダリプーリ回転数(出力軸回転数)Noutに対応するため、プライマリプーリ回転数(入力軸回転数)Ninの目標値である目標回転数Nintは目標変速比に対応し、ベルト式無段変速機4の最小変速比γminと最大変速比γmaxの範囲内で設定されている。
[ベルト挟圧力制御]
次に、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧制御回路について図3を参照して説明する。
図3に示すように、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423にはベルト挟圧力制御バルブ303が接続されている。
ベルト挟圧力制御バルブ303には、軸方向に移動可能なスプール331が設けられている。スプール331の一端側(図3の下端側)にはスプリング332が配置されているとともに、その一端側に第1油圧ポート335が形成されている。また、スプール331を挟んでスプリング332とは反対側の端部に第2油圧ポート336が形成されている。
第1油圧ポート335にはリニアソレノイド(SLS)202が接続されており、そのリニアソレノイド(SLS)202が出力する制御油圧が第1油圧ポート335に印加される。第2油圧ポート336にはモジュレータバルブ206からの油圧が印加される。
さらに、ベルト挟圧力制御バルブ303には、ライン圧PLが供給される入力ポート333、および、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に接続(連通)される出力ポート334が形成されている。
この図3の油圧制御回路において、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド(SLS)202が出力する制御油圧が増大すると、ベルト挟圧力制御バルブ303のスプール331が図3の上側に移動する。この場合、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に供給される油圧が増大し、ベルト挟圧力が増大する。
一方、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド(SLS)202が出力する制御油圧が低下すると、ベルト挟圧力制御バルブ303のスプール331が図3の下側に移動する。この場合、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に供給される油圧が低下し、ベルト挟圧力が低下する。
このようにして、リニアソレノイド(SLS)202が出力する制御油圧をパイロット圧としてライン圧PLを調圧制御してセカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に供給することによってベルト挟圧力が増減する。
そして、この例では、例えば図5に示すように、伝達トルクに対応するアクセル開度Accおよび変速比γ(γ=Nin/Nout)をパラメータとし、ベルト滑りが生じないように予め設定された必要油圧(ベルト挟圧力に相当)のマップに従って、リニアソレノイド(SLS)202が出力する制御油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機4のベルト挟圧力、つまり、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧を調圧制御することによって行われる。図5のマップは挟圧力制御条件に相当し、ECU8のROM82(図6参照)内に記憶されている。
−ECU−
ECU8は、図6に示すように、CPU81、ROM82、RAM83およびバックアップRAM84などを備えている。
ROM82には、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU81は、ROM82に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAM83はCPU81での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM84はエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
これらCPU81、ROM82、RAM83、および、バックアップRAM84はバス87を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース85および出力インターフェース86に接続されている。
ECU8の入力インターフェース85には、エンジン回転数センサ101、スロットル開度センサ102、水温センサ103、タービン回転数センサ104、プライマリプーリ回転数センサ105、セカンダリプーリ回転数センサ106、アクセル開度センサ107、CVT油温センサ108、ブレーキペダルセンサ109、シフトレバー9のレバーポジション(操作位置)を検出するレバーポジションセンサ110、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ111、および、車両の左右方向の加速度を検出する左右加速度センサ112などが接続されている。これらセンサの出力信号、つまり、エンジン1の回転数(エンジン回転速度)Ne、スロットルバルブ12のスロットル開度θth、エンジン1の冷却水温Tw、タービンシャフト27の回転数(タービン回転数)Nt、プライマリプーリ回転数(入力軸回転数)Nin、セカンダリプーリ回転数(出力軸回転数)Nout、アクセルペダルの操作量(アクセル関度)Acc、油圧制御回路20の油温(CVT油温Thc)、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無(ブレーキON・OFF)、シフトレバー9のレバーポジション(操作位置)、車両の前後方向の加速度、および、車両の左右方向の加速度などを表す信号がECU8に供給される。
出力インターフェース86には、スロットルモータ13、燃料噴射装置14、点火装置15および油圧制御回路20などが接続されている。
ここで、ECU8に供給される信号のうち、タービン回転数Ntは、前後進切換装置3の前進用クラッチC1が係合する前進走行時にはプライマリプーリ回転数(入力軸回転数)Ninと一致し、セカンダリプーリ回転数(出力軸回転数)Noutは車速Vに対応する。また、アクセル操作量Accは運転者の出力要求量を表している。
また、シフトレバー9は、駐車のためのパーキング位置「P」、後進走行のためのリバース位置「R」、動力伝達を遮断するニュートラル位置「N」、前進走行のためのドライブ位置「D」、前進走行時にベルト式無段変速機4の変速比γを手動操作で増減できるマニュアル位置「M」などの各位置に選択的に操作されるようになっている。
マニュアル位置「M」には、変速比γを増減するためのダウンシフト位置やアップシフト位置、あるいは、変速範囲の上限(変速比γが小さい側)が異なる複数の変速レンジを選択できる複数のレンジ位置等が備えられている。
レバーポジションセンサ110は、例えば、パーキング位置「P」、リバース位置「R」、ニュートラル位置「N」、ドライブ位置「D」、マニュアル位置「M」やアップシフト位置、ダウンシフト位置、あるいはレンジ位置等へシフトレバー9が操作されたことを検出する複数のON・OFFスイッチ等を備えている。なお、変速比γを手動操作で変更するために、シフトレバー9とは別にステアリングホイール等にダウンシフトスイッチやアップシフトスイッチ、あるいはレバー等を設けることも可能である。
そして、ECU8は、上記した各種のセンサの出力信号などに基づいて、エンジン1の出力制御、上述したベルト式無段変速機4の変速速度制御およびベルト挟圧力制御、並びにロックアップクラッチ24の係合・解放制御などを実行する。なお、エンジン1の出力制御は、スロットルモータ13、燃料噴射装置14、点火装置15およびECU8などによって実行される。さらに、ECU8は、後述する「車両減速時変速比制御」を実行する。
−車両減速時変速比制御−
次に、本実施形態の特徴とする動作である車両減速時変速比制御について説明する。この車両減速時変速比制御は、車両減速度に基づき、車両再加速時に要求される駆動力が得られるようなベルト式無段変速機4の変速比γを得るための制御である。
車両減速中の最大減速度(以下、「減速ピークG」という場合もある)が同一であっても、運転者の減速意図(例えば、それまでの減速の仕方)によっては、再加速意図は異なると考えられる。例えば、減速ピークGの値が同一であっても、比較的短時間で減速する減速パターンの方が、比較的長時間で減速する減速パターンよりも運転者の減速意図が強く、再加速意図も強いと考えられる。そのため、減速ピークGに基づいて求めた再加速時要求駆動力のみに応じてベルト式無段変速機4の変速比γを一律に設定した場合には、運転者の再加速意図と合わない変速比γが求められてしまう可能性がある。この場合、再加速時のアクセルペダルの踏み込み操作によって更なる変速比の変更(変速比を大きくする側への変更;ダウンシフト)が必要となったり、反対に変速比が大きすぎるために再加速時に運転者が違和感を感じたりする可能性がある。また、変速比が大きすぎる場合は、減速中に不要な変速制御を実行していることにもなる。
そこで、本実施形態では、図4で示した変速マップに従ってベルト式無段変速機4の変速比γを決定することに加えて、減速ピークGにより求められた再加速時要求駆動力を補正することにより得られた最終的な再加速時要求駆動力に基づいてベルト式無段変速機4の変速比(本発明でいう「目標変速比」)γを決定する車両減速時変速比制御を行うようにしている。
この車両減速時変速比制御について説明する前に、旋回時における車両の状態について説明する。
車両の旋回時におけるコーナ進入時の減速ピークGと再加速時要求駆動力(例えば再加速時のアクセルペダルの踏み込み操作量に対応する運転者の要求駆動力)とは相関関係があり、その減速ピークGが大きいほど、再加速時要求駆動力が大きくなることが実験的検証により見出された。
図7(a)は車両旋回時(図中のものは右旋回時)において車両に作用する前後G(車体前後方向の加速度)および左右G(車体左右方向の加速度)の変化を示している。図7(b)は車両旋回時における走行路の各区間[1]〜[4]を示している。図7(c)は各区間[1]〜[4]における前後Gおよび左右Gそれぞれの変化を時間軸上に表したものである。
この図7に示すように、コーナへの進入からそのコーナを抜けて立ち上がる(再加速する)までの走行区間は、大きく4つに分けることができる。すなわち、コーナへの進入に備えて減速する区間[1]、コーナ進入後からコーナ頂点までの区間[2]、コーナ頂点からコーナ出口までの区間[3]、コーナ出口から再加速する区間[4]の4つに分けることができる。
図7において、区間[1]のコーナ進入時では、専ら前後Gが減速Gとなり、左右Gは殆ど生じていない。区間[2]および区間[3]のコーナ旋回時では、前後Gと左右Gとの合成加速度(合成Gという)が生じている。この場合、例えば、区間[2]と区間[3]との境界部分(コーナ頂点)で左右Gは最も大きくなる。区間[4]のコーナ立ち上がり時では、専ら前後Gが加速Gとなり、左右Gは殆ど生じていない。そして、前記区間[1]における前後G(減速G)は、コーナ進入まで(区間[2]に達するまで)、その最大値(前記最大減速度)が更新されていく(図7(c)を参照)。
本実施形態では、このように更新されていく最大減速度を所定期間毎に求め、この最大減速度が検出される度に、その最大減速度の値に基づいて再加速時要求駆動力を求め、この再加速時要求駆動力を補正することにより得られた最終的な再加速時要求駆動力から、運転者の再加速意図に合ったベルト式無段変速機4の変速比γを決定するようにしている。つまり、最大減速度の値が更新される毎にベルト式無段変速機4の変速比γを逐次求めて、その変速比γが得られるようにベルト式無段変速機4の制御を行うようにしている。
前記最大減速度の値に基づいて求められた再加速時要求駆動力は、例えば要求駆動力の絶対値で表してもよいが、車種毎の適合を考えると、例えばそのときの車速Vやエンジントルク等において発生させることが可能な最大駆動力に対する、コーナ立ち上がりの際に推測される再加速時の目標駆動力の割合(再加速時駆動力要求割合η[%])で表すことが好適である。本実施形態における車両減速時変速比制御では、この再加速時駆動力要求割合η(具体的には後述する最終再加速時駆動力要求割合ηmod)を実現することができるベルト式無段変速機4の変速比γを求めることになる。
具体的に本実施形態の車両減速時変速比制御では、まず、車両減速度(減速ピークG)により再加速時における基本要求駆動力として基本再加速時駆動力要求割合η(本発明でいう「基本要求駆動力に相関のある値」)を求める。また、現時点での減速ピークGにより算出された最大車速変化量ΔVmaxと、車両減速時変速比制御が開始されてから現時点までの車速変化の積分量ΔV(=∫G(t)dt;本発明でいう「車速変化量」)とに基づいて、前記基本再加速時駆動力要求割合ηに対する補正割合εを算出する。そして、基本再加速時駆動力要求割合ηに補正割合εを乗算することによって、この基本再加速時駆動力要求割合ηを補正して最終再加速時駆動力要求割合ηmod(本発明でいう「要求駆動力に相関のある値」)を求める。さらに、この最終再加速時駆動力要求割合ηmodに応じて現時点での減速ピークGに適したベルト式無段変速機4の変速比γを決定するようにしている。
また、このようにして決定した変速比γ(今回決定した変速比γ)が、前回の車両減速時変速比制御によって求められた変速比γ0よりも小さいものであった場合には、今回決定した変速比γをキャンセルし、前回の車両減速時変速比制御によって求められた変速比γ0を維持する。これにより不要なアップシフトが実行されてしまうことを阻止する。また、前記左右Gが所定値以上であった場合にも、前回の車両減速時変速比制御によって求められた変速比γ0を維持する。これにより変速比γが必要以上に大きくなってしまう(運転者が違和感を招くダウンシフトが行われてしまう)ことを阻止する。
以下、前記基本再加速時駆動力要求割合ηを補正することによって最終再加速時駆動力要求割合ηmodを求め、この最終再加速時駆動力要求割合ηmodに基づいてベルト式無段変速機4の変速比γを決定する車両減速時変速比制御の具体的な手順について説明する。
図8は、車両減速時変速比制御の手順を示すフローチャート図である。このフローチャートは、車両走行中において数msec毎に繰り返して実行される。
まず、ステップST1において車両減速時変速比制御の開始条件が成立したか否かを判定する。この車両減速時変速比制御の開始条件としては、例えば、前記前後加速度センサ111によって検出されている車両の前後方向の加速度(減速ピークG)が所定値以上となることが挙げられる。この所定値としては、例えば、車両の旋回時におけるコーナ進入時(前記区間[1])での減速ピークGに相当する値として実験やシミュレーションによって設定されている。具体的に、車両の旋回時におけるコーナ進入時での減速ピークGは、運転者のブレーキペダルの踏み込み操作量によってバラツキを有する(個人差がある)ものであるが、この一般的なバラツキの範囲内において最も減速ピークGが小さい値として前記所定値は設定されている。なお、車両減速時変速比制御の開始条件としては減速ピークGに限られるものではない。
また、前記車両減速時変速比制御の開始条件としては、前記左右Gが所定値未満であることも付加される。つまり、左右Gが所定値以上であった場合には車両減速時変速比制御は実施されないことになり、現在の無段変速機4の変速比γを維持することになる。
減速ピークGが所定値未満である場合には、運転者は車両の減速を要求しておらず、再加速がなされることがないため前記最終再加速時駆動力要求割合ηmodを求める必要がないとして、ステップST1でNO判定されてリターンされる。
一方、減速ピークGが所定値以上、且つ左右Gが所定値未満であって車両減速時変速比制御の開始条件が成立した場合には、ステップST1でYES判定されてステップST2に移る。このステップST2では、現在のベルト式無段変速機4の変速比γ0を記憶する。具体的には、前記ECU8のRAM83に記憶する。
この変速比γ0は、前回のルーチンによって車両減速時変速比制御が行われて変速比γが決定されていた場合(前回のルーチンにおいて制御開始条件が成立していた場合)には、この変速比γに相当する値である。また、前回のルーチンにおいて制御開始条件が成立しておらず、今回のルーチンにおいて制御開始条件が成立した場合には、現在、変速マップ(図4)に従って設定されている変速比γが現在の変速比γ0として記憶されることになる。
その後、ステップST3に移り、現在の減速ピークGを前記前後加速度センサ111によって検出し、この現在の減速ピークGから基本再加速時駆動力要求割合ηを求める。この減速ピークGから基本再加速時駆動力要求割合ηを求める手法としては、減速ピークGを変数として基本再加速時駆動力要求割合ηを算出する演算式を前記ECU8のROM82に予め記憶させておき、この演算式を利用して基本再加速時駆動力要求割合ηを算出することが挙げられる。この演算式は実験やシミュレーションによって予め求められたものである。また、図9に示すような減速ピークGと再加速時駆動力要求割合ηとの関係を特定したマップ(再加速時駆動力要求割合マップ)を前記ECU8のROM82に予め記憶させておき、この再加速時駆動力要求割合マップを利用して基本再加速時駆動力要求割合ηを抽出することも挙げられる。なお、この図9に破線で示すベース値は、例えば再加速意図が比較的強い理想的な減速パターン、具体的には熟練したドライバがスポーツ走行を行うときの減速の仕方として予め定められた減速パターンの場合に、減速ピークGと再加速時駆動力要求割合との予め定められた対応関係である。また、実線で示すラインは、一般的に想定される減速パターンにおける減速ピークGと再加速時駆動力要求割合との予め定められた対応関係である。基本再加速時駆動力要求割合ηを求める場合には、この一般的に想定される減速パターンにおける減速ピークGに対応する再加速時駆動力要求割合を抽出することになる。なお、この一般的に想定される減速パターンとしては、実験やシミュレーションによって予め求められたものであってもよいし、前記ベース値に対して所定比率を乗算したものとして設定してもよい。
前記ステップST3で基本再加速時駆動力要求割合ηを求めた後、ステップST4に移り、前記車両減速時変速比制御の開始条件が成立してから現在までの経過時間tと、現在の最大減速度Gmaxとから最大車速変化量ΔVmaxを算出する。具体的には、現在の最大減速度Gmaxに前記経過時間tを乗算することによって最大車速変化量ΔVmax(=Gmax×t)を算出する。つまり、この最大車速変化量ΔVmaxは、前記制御開始条件の成立に伴って制御が開始してから現時点までの期間中における最大減速度Gmaxが、この期間中継続されたと仮定した量として算出されることになる。
図10は、車両減速時における車速、減速ピークG、再加速時駆動力要求割合、指示変速比の変化の一例を示す図である。この図10において破線で示す車速は前記ベース値で表される減速パターンでの車両減速時における車速の変化(ベース車速変化)を示し、実線で示す車速は本実施形態が対象とする実際の車両減速時における車速の変化(実車速変化)を示している。
また、図10において破線で示す減速ピークGは前記ベース値で表される減速パターンでの車両減速時における減速ピークGの変化を示し、実線で示す減速ピークGは本実施形態が対象とする実際の車両減速時における減速ピークGの変化を示している。なお、ここでは、図中におけるタイミングt2での最終再加速時駆動力要求割合ηmodを求めてベルト式無段変速機4の変速比γを決定する場合を説明する。なお、この図10では、タイミングt1において減速ピークGが所定値に達して前記制御開始条件が成立して車両減速時変速比制御が開始されている。
前述した如く、ステップST4で算出される最大車速変化量ΔVmaxは、現時点(図10におけるt2の時点)での減速度Gmax(最大減速度Gmax)が前記開始条件が成立してから現時点まで継続していたと仮定した場合の速度変化量として算出される。
このようにして最大車速変化量ΔVmaxを算出した後、ステップST5に移り、前記車両減速時変速比制御の開始条件が成立してから現在までの経過時間t(図10におけるタイミングt1からt2までの期間)の車速変化の積分量ΔVを算出する。具体的には、前記車両減速時変速比制御の開始条件が成立してから現在までの減速度の変化を時間積分することによって車速変化の積分量ΔV(=∫G(t)dt)を算出する。
このステップST5で算出される車速変化の積分量ΔVは、現時点(図10におけるt2の時点)までの減速度の変化を時間積分量(図中の減速Gに斜線を付した面積に相当)として算出される。
このようにして車速変化の積分量ΔVを算出した後、ステップST6に移り、前記最大車速変化量ΔVmaxに対する車速変化の積分量ΔVの比として補正基準量δを算出する。
その後、この補正基準量δから補正割合εを求める。この補正割合εを求める手法としては、前記補正基準量δを変数として補正割合εを算出する演算式を前記ECU8のROM82に予め記憶させておき、この演算式を利用して補正割合εを算出することが挙げられる。この演算式は実験やシミュレーションによって予め求められたものである。また、補正基準量δと補正割合εとの関係を特定したマップ(補正割合マップ)を前記ECU8のROM82に予め記憶させておき、この補正割合マップを利用して補正割合εを抽出することも挙げられる。この補正割合マップも実験やシミュレーションによって予め求められたものである。
その後、ステップST8に移り、前記基本再加速時駆動力要求割合ηと、前記補正割合εとから最終再加速時駆動力要求割合ηmodを算出する。具体的には、前記基本再加速時駆動力要求割合ηに前記補正割合εを乗算することによって最終再加速時駆動力要求割合ηmod(=η×ε)を算出する。
具体的には、図10において一点鎖線で示した基本再加速時駆動力要求割合η(タイミングt2における基本再加速時駆動力要求割合η)が、前記補正割合εによって補正されることにより、実線で示した最終再加速時駆動力要求割合ηmod(タイミングt2における最終再加速時駆動力要求割合ηmod)として求められることになる。
その後、ステップST9に移り、前記算出された最終再加速時駆動力要求割合ηmodからベルト式無段変速機4の変速比γを決定する。具体的には、最終再加速時駆動力要求割合ηmodとベルト式無段変速機4の変速比γとの関係を特定したマップ(変速比マップ)を前記ECU8のROM82に予め記憶させておき、この変速比マップを利用してベルト式無段変速機4の変速比γを抽出する。この変速比マップは、実験やシミュレーションによって予め求められたものである。
これにより、前記基本再加速時駆動力要求割合ηに対応した変速比(図10において一点鎖線で示した変速比遷移線のタイミングt2における変速比γa)が、前記最終再加速時駆動力要求割合ηmodに対応した指示変速比(図10において実線で示した変速比遷移線のタイミングt2における変速比γb)に変更されることになる。
このようにして現時点での減速ピークGに適したベルト式無段変速機4の変速比γ(=γb)を決定した後、ステップST10に移り、今回決定された(今回ルーチンにおけるステップST9で決定された)変速比γと、現在のベルト式無段変速機4の変速比γ0とを比較し、今回決定された変速比γが現在の変速比γ0よりも大きいか(今回決定された変速比γの方がダウンシフト側であるか)否かを判定する。
今回決定された変速比γが現在の変速比γ0以下である(今回決定された変速比γの方がアップシフト側であるか、または、今回決定された変速比γが現在の変速比γ0と同一である)場合には、ステップST10でNO判定されてリターンされる。つまり、変速比γが更新されることなく現在の変速比γ0が維持されることになる。これにより不要なアップシフトが実行されてしまうことを阻止できる。
一方、今回決定された変速比γが現在の変速比γ0よりも大きい(今回決定された変速比γの方がダウンシフト側である)場合には、ステップST10でYES判定され、ステップST11に移る。このステップST11では、変速比の変更動作が行われる。つまり、ベルト式無段変速機4の変速比を変速比γ0から変速比γに変更する。これにより、ベルト式無段変速機4の変速比がダウンシフト側に変更されることになる。
具体的には、前述したように、変速制御ソレノイド(DS2)305(図2を参照)が作動し、その変速制御ソレノイド(DS2)305が出力する制御油圧がアップシフト用変速制御バルブ301の第2油圧ポート316に供給される。これにより、この制御油圧に応じた推力によって、スプール311がダウンシフト位置側(図2の下側)に移動する。このスプール311の移動(ダウンシフト側への移動)により、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413内の作動油が制御油圧に対応する流量でアップシフト用変速制御バルブ301の入出力ポート314に流入する。このアップシフト用変速制御バルブ301に流入した作動油は出力ポート317およびダウンシフト用変速制御バルブ302の入出力ポート324を経て排出ポート325から排出される。これによって変速制御圧が低められ、プライマリプーリ41のV溝幅が広くなって変速比γが大きくなる。
また、前記ステップST11では、今回決定された変速比γを変速比γ0として設定する。つまり、今回ルーチンで決定された変速比γが、次回のルーチンでは前回値(前回ルーチンで決定された変速比γ0)となるようにする。
以上の動作が繰り返されることにより、所定期間毎に、減速ピークGにより求められた基本再加速時駆動力要求割合ηを補正することにより得られた最終再加速時駆動力要求割合ηmodに基づいてベルト式無段変速機4の変速比γが決定されながら、変速比が次第に大きくなっていく。
以上説明したように本実施形態では、車両減速時変速比制御の開始条件が成立してから現在までの経過時間tの車速変化の積分量ΔVは、減速ピークGに基づく車両減速時変速比制の開始条件が成立してから現時点までの車速変化量に相当するものであり、運転者がどのように車両を減速させてきたかを、すなわち運転者の減速意図を反映している。このため、その減速意図に応じて基本再加速時駆動力要求割合ηを補正して最終再加速時駆動力要求割合ηmodを求めることで、運転者の再加速意図に合ったベルト式無段変速機4の変速比γを求めることができる。つまり、再加速時の目標駆動力を満たすことができる変速比γが適切に設定され、その再加速時のアクセルペダルの踏み込み操作によって更なるダウンシフトが実行されることが回避または抑制される。その結果、運転者の再加速意図に応じた変速比γが適切に設定でき、再加速時のドライバビリティを向上させることができる。例えば、左右Gが比較的大きな旋回状態(前後Gが比較的小さな走行状態)においてアップシフト側に補正されてしまって車両の挙動が不安定になってしまうといったことが回避される。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は減速ピークGが更新される毎に再加速時駆動力要求割合を更新するものとしたが、図7(c)に示すように、旋回に入ったらこの更新処理を停止し、この時点での変速比γを保持するようにしてもよい。これにより、旋回中の変速が回避される。
また、前記実施形態では、コーナを立ち上がった後に、変速比保持を解除して通常の変速制御に復帰するものとした。これに限らず、例えば、コーナが終了したときに変速制御に復帰するようにしてもよい。ここで、コーナが終了したときとは、コーナが終了したと判断できるための予め定められたコーナ終了判定値を左右Gが下回った場合である。
また、前記実施形態では、無段変速機としてベルト式無段変速機4を搭載した車両に本発明を適用した場合について説明した。これに限らず他の無段変速機(例えばトロイダル式無段変速機やチェーン式無段変速機)を搭載した車両に対しても本発明は適用可能である。
また、前記実施形態では、基本再加速時駆動力要求割合ηを補正して最終再加速時駆動力要求割合ηmodを求め、この最終再加速時駆動力要求割合ηmodに基づいてベルト式無段変速機4の変速比γを求めるようにしていた。本発明はこれに限らず、基本再加速時要求駆動力(要求駆動力の絶対値)を補正して最終再加速時要求駆動力を求め、この最終再加速時要求駆動力に基づいてベルト式無段変速機4の変速比γを求めるようにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、前後加速度センサ111によって検出されている車両の前後方向の加速度(減速ピークG)によって運転者の減速意図を推定するようにしていた。本発明はこれに限らず、前記ブレーキペダルセンサ109からの出力信号に基づいてフットブレーキのON操作がなされている場合に限り、前後加速度センサ111によって検出されている車両の前後方向の加速度(減速ピークG)によって運転者の減速意図を推定するようにしてもよい。これにより、運転者の減速意図を正確に推定することができる。
本発明は、無段変速機を搭載した車両の減速後における再加速性能を高める変速比制御に適用可能である。
1 エンジン(駆動力源)
4 ベルト式無段変速機
41 プライマリプーリ
42 セカンダリプーリ
413,423 油圧アクチュエータ
8 ECU
10 駆動輪
20 油圧制御回路
20a 変速速度制御部
111 前後加速度センサ
112 左右加速度センサ
Gmax 最大減速度
ΔVmax 最大車速変化量
ΔV 車速変化の積分量(車速変化量)
η 基本再加速時駆動力要求割合(基本要求駆動力に相関のある値)
ηmod 最終再加速時駆動力要求割合(要求駆動力に相関のある値)
γ 目標変速比

Claims (6)

  1. 駆動力源からの動力を駆動輪側へ伝達する無段変速機を備え、車両減速中の減速度が高いほど再加速時の要求駆動力を大きく設定し、この設定された再加速時の要求駆動力に基づいて前記無段変速機の目標変速比を決定する変速比制御を行う車両の制御装置であって、
    前記車両減速中の減速度により、再加速時における基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値を推定し、
    現時点での車両減速度により算出された最大車速変化量と、所定の制御開始条件の成立に伴って制御が開始してから現時点までの車速変化量とに基づいて、前記基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値を補正することによって、再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値を求め、この再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値に基づいて前記無段変速機の目標変速比を決定する構成とされていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1記載の車両の制御装置において、
    前記最大車速変化量は、所定の制御開始条件の成立に伴って制御が開始してから現時点までの期間中における最大減速度が、この期間中継続されたと仮定した量として算出され、
    前記車速変化量は、所定の制御開始条件の成立に伴って制御が開始してから現時点までの車速変化の積分量として算出され、
    前記最大車速変化量に対する前記車速変化量の比を求め、この比に基づいて求められた補正割合を前記基本要求駆動力または基本要求駆動力に相関のある値に乗算することによって再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値を求め、この再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値に基づいて前記無段変速機の目標変速比を決定する構成とされていることを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の車両の制御装置において、
    前記再加速時における要求駆動力または要求駆動力に相関のある値に基づいて決定された前記無段変速機の目標変速比が、それまでの目標変速比よりも小さい場合には、目標変速比の更新を非実行とする構成とされていることを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項1、2または3記載の車両の制御装置において、
    前記車両の左右方向の加速度が所定値以上である旋回走行中にあっては、目標変速比の更新を非実行とする構成とされていることを特徴とする車両の制御装置。
  5. 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の車両の制御装置において、
    前記要求駆動力に相関のある値は、現時点において発生させることが可能な最大駆動力に対する要求駆動力の割合であることを特徴とする車両の制御装置。
  6. 請求項1〜5のうち何れか一つに記載の車両の制御装置において、
    前記制御開始条件は、車両の減速度が所定値以上となった場合に成立することを特徴とする車両の制御装置。
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