JP2014091821A - 抗菌性および耐薬剤性に優れたポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

抗菌性および耐薬剤性に優れたポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた透明性、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等の性能を保持したまま、抗菌性および耐薬剤性を著しく改善したポリカーボネート樹脂組成物、ならびにそれからなる成形品を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤(B)0.05〜1.5重量部および特定のアルキルケテンダイマー(C)0.01〜20重量部を含むポリカーボネート樹脂組成物、ならびにそれからなる成形品。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂に、特定の抗菌剤およびアルキルケテンダイマーを配合することにより、透明性に優れ、かつ抗菌性および耐薬剤性を有するポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、ITE、機械、自動車などの分野で広く用いられている。最近では、冷蔵庫、掃除機などの家電製品、吊り輪などの雑貨に対して、快適・清潔・安全につながる性能が求められている。これらの諸性能を満足するために、一般的には、ポリカーボネート樹脂に有機または無機系の抗菌剤が使用されている。
一方、ポリカーボネート樹脂から得られた成形品にハンドクリーム、洗剤等の各種薬品や溶剤が付着した場合に、割れ等の不具合が発生することがあり、抗菌性に優れかつ耐薬剤性にも優れたポリカーボネート樹脂が要望されている。
ポリカーボネート樹脂に抗菌性を付与するため、安全性や熱安定性が優れていることから、無機系の抗菌剤が従来から使用されていた。例えば、細菌に対して強い抗菌作用を示す銀や亜鉛などの金属イオンを担持させたゼオライト(特許文献1)や当該金属イオンを含有する溶解性ガラス(特許文献2および3)からなる抗菌剤が挙げられる。
また、非透湿構造の合成樹脂や高吸水性樹脂中に、銀イオンを放出する水溶性ガラスを含む抗菌性を有する合成樹脂成形体や、高吸水性樹脂体が開示されている(特許文献4および5)。
しかしながら、成形加工温度は成型品の形状や使用する樹脂によって差はあるものの400℃近くの高温になる場合があることから、かかる場合、溶解性ガラスと透明性樹脂が反応し透明性や熱安定性の低下をもたらすという問題があった。
一方、ポリカーボネート樹脂の耐薬剤性を改良する目的でポリカーボネート樹脂にポリエステル樹脂を配合した樹脂組成物が提案されている。しかしながら、ポリエステル樹脂を配合する事で、
(1)耐薬品性および耐溶剤性は若干改良されるものの、アタック性の強いアルカリ洗剤や機械油等が付着した場合に割れ等の不具合が発生するなど改良効果は十分とはいえず、
(2)ポリカーボネート樹脂の長所である透明性を大きく低下させると共に、
(3)ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性が損なわれる、
という問題があった。
また、耐衝撃強性を改良する為にポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂からなる樹脂組成物にMBS等の耐衝撃改良材を配合する方法が提案されている。(特許文献6)しかしながら、MBSに起因する着色やポリエステル樹脂がエステル交換を起こして分解するという問題があり、更なる改良が求められていた。
特許3293639号公報 特許2135769号公報 特開平7−25635号公報 特開平1−313531号公報 特開平1−153748号公報 特公昭55−9435号公報
本発明の課題は、ポリカーボネート樹脂が本来有する透明性、衝撃性、耐熱性、熱安定性等を保持したまま、抗菌性を有し、かつ耐薬剤性を著しく改善したポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ポリカーボネート樹脂に特定の抗菌剤とアルキルケテンダイマーを配合することにより、透明性、衝撃性、耐熱性、熱安定性等を保持したまま、抗菌性を有し、かつ耐薬剤性を著しく改善したポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤(B)0.05〜1.5重量部および下記一般式1に示すアルキルケテンダイマー(C)0.01〜20重量部を含むことを特徴とする抗菌性および耐薬剤性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
一般式1:
Figure 2014091821
(一般式1において、R1およびR2は、同一でも異なっても良いが、炭素数6〜33のアルキル基をあらわす。)
本発明の抗菌性および耐薬剤性に優れたポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた透明性、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等の性能を保持したまま、抗菌性および耐薬剤性を著しく改善したものであり、かかる樹脂組成物から得られた成形品にハンドクリーム、洗剤等の各種薬品や溶剤が付着しても割れ等の不具合の発生が抑えられる。これに加えて、抗菌性を有することから快適・清潔・安全等の機能が求められる家電製品、文房具などの構成部品に好適に用いられ、その実用上の利用価値は極めて高い。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して使用される。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは17000〜28000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用される銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤(B)は、銀イオンを溶出しうるガラス組成物から構成される。とりわけ、その組成として、銀酸化物、リン酸化物、亜鉛酸化物を含み、形状が多面体であるものが好ましい。形状が多面体の場合、樹脂中で一定の方向に配向し易くなるため、樹脂中に均一かつ容易に混合分散することができ、光の散乱が抑えられることから、透明性に優れるので好適である。
上記抗菌剤(B)のガラス組成物は、AgOを0.2〜5重量%、Pを30〜80重量%、ZnOを30〜50重量%の範囲からなるものが好ましく使用される。また、これにBを0.1〜15重量%および/またはCaOを0.1〜15重量%の範囲で含有させても良い。前者の場合は、銀イオンを安定して放出することができるととともに、ガラスの透明性を向上させることができる。後者の場合は透明性や機械的強度に優れたガラスを得ることができる。
CaOを含有させる場合には、ZnOに対するCaOの重量比率(ZnO/CaO)を1.1〜15の範囲内にするとより好ましい。
また、樹脂の透明性を保持するために、ガラス組成物の平均粒径を0.1〜300μmの範囲内にすることが好ましい。該抗菌性ガラスは市販品として容易に入手可能で、シナネンゼオミック社製KM10Dなどが挙げられる。
上記抗菌剤(B)の配合量としては、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.05〜1.5重量部である。配合量が0.05重量部未満であると十分な抗菌効果が得られにくくなるため好ましくない。一方、1.5重量部を超えると透明性が損なわれるため好ましくない。より好ましくは、0.1〜1.0重量部の範囲である。
本発明にて使用されるアルキルケテンダイマー(C)は下記一般式にて示される化合物である。
一般式1:
Figure 2014091821
一般式1において、Rは、同一でも異なっても良いが、炭素数6〜33のアルキル基、好ましくは炭素数10〜21のアルキル基である。
一般式1において、更に好ましくは、Rは、同一でも異なっても良いが、炭素数が10〜21のアルキル基である化合物が使用できる。
アルキルケテンダイマー(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.01〜20重量部である。0.01重量部未満では耐薬剤性に劣り、20重量部を越えると造粒加工が困難になり樹脂組成物のペレットを得ることができなくなることから好ましくない。好ましい配合量は、0.01〜10重量部、更に好ましくは0.03〜5重量部である。
本発明にて使用されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(D)としては、例えば、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。とりわけ、下記構造式に示される化合物が好適に用いられる。該酸化防止剤(D)としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irganox1076などが挙げられる。
Figure 2014091821
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.05〜1.0重量部が好ましい。配合量が0.05重量部未満であると十分な酸化防止効果が得られず熱安定性に劣るため好ましくない。一方、1.0重量部を超えると成形加工中の滞留時に熱安定性が不十分となり、黄変するために好ましくない。より好ましくは、0.1〜0.8重量部である。
本発明の各種配合成分(A)、(B)、(C)および所望によっては(D)の配合方法には特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の単軸または二軸押出機等で溶融混練することができる。また、これら配合成分の配合順序や一括混合、分割混合を採用することについても特に制限はない。
また、混合時、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、蛍光増白剤、展着剤(エポキシ大豆油、流動パラフィン等)や強化材(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ等)等、又、他の樹脂を配合することができる。
以下に、本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、実施例中の「%」、「部」はそれぞれ重量基準に基づく。
使用した原材料は以下のとおりである。
ポリカーボネート樹脂(A):
住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−13
(粘度平均分子量:21500、以下PCと略記)
抗菌性ガラス(B):
シナネンゼオミック社製KM10D(以下、抗菌剤と略記)
アルケルケテンダイマー(C):
永恒化工社製 AKD1840(以下、AKDと略記)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(D):
チバスペシャリティケミカルズ社製 Irganox 1076(以下AOと略記)
前述の各種原料を表1および2に示す配合比率にて、それぞれタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30α、軸直径=30mmφ、L/D=41)を用いて、溶融温度250℃にて混錬し、評価用のペレットを得た。
得られたペレットをそれぞれ120℃×4時間の条件にて事前に乾燥を行った後、射出成形機(日本製鋼所製J100E2P)を用い、シリンダー設定温度270℃の条件にて縦50mm、横50mm、厚み2mmの平板試験片を作成した。
以下、本発明における各種評価項目及び測定方法について説明する。
1.初期着色性
得られた平板試験片を用いて、スペクトロフォトメーター(村上色彩技術研究所製CMS−35SP)により、イエローネスインデックス(YI)をASTM D−1925に準拠して測定した。YIとは、黄味の程度を表し、YIが小さい程、黄味は小さく、初期着色が少ない。YIの評価基準としては、YIの値が8.5未満であるものを良好(○)、8.5以上であるものを不良(×)とした。
2.熱安定性
得られたペレットをそれぞれ120℃×4時間の条件にて事前に乾燥を行った後、射出成形機(日本製鋼所製J100E2P)を用いて、シリンダー設定温度320℃の条件にて15分間滞留前後の平板試験片(縦50mm、横50mm、厚み2mm)を作成後、スペクトロフォトメーター(村上色彩研究所社製CMS−35SP)により、YIの変化(△YI)を測定した。△YIとは、滞留前後の黄味の程度の差を表し、△YIが小さい程、変色は小さく熱安定性に優れている。△YIの評価の基準としては、△YIの値が3.0未満であるものを良好(○)、3.0以上であるものを不良(×)とした。
3.透明性
初期着色性の評価と同様の条件(シリンダー設定温度270℃)で得られた平板試験片を用いて、ヘーズメーター(村上色彩研究所社製HM−150)により、ヘイズを測定した。評価の基準としては、ヘイズの値が7.0未満であるものを良好(○)、7.0以上であるものを不良(×)とした。
4.抗菌性
抗菌性試験はJIS Z 2801(フィルム密着法)に基づいて実施した。具体的には、初期着色性の評価と同様の条件(シリンダー設定温度270℃)で得られた平板試験片の表面に、大腸菌を10個含む菌液を滴下し、その上からPE製フィルムを密着させ、35℃で24時間放置後にPE製フィルム及び平板試験片に付着している菌体をSCDLP培地で洗い出し、シャーレに移して35℃で45時間培養後に、大腸菌の生菌数(y)をカウントした。なお、評価の基準は、本発明の抗菌剤(B)を含まない樹脂組成物からなる平板試験片を用いてフィルム密着法によりカウントした大腸菌の生菌数をxとしたときに、log10(x/y)(以下、抗菌活性値と略記)が2.0以上であるものを良好(○)、2.0未満であるものを不良(×)とした。
さらに、大腸菌を黄色ブドウ球菌に変更する以外は全て上記と同じ操作・条件で抗菌性試験を行い、抗菌活性値を求め、同様の基準で評価した。それぞれの結果を表1および表2に示す。
5.成形品の耐薬品性の評価
得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ125℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度280℃、射出圧力1600kg/cmにて試験片(127x13x3.2mm)を作成した。
得られた試験片を片持ち梁の耐薬品性・耐溶剤試験治具(図1参照)を用いて任意の歪みをかけて、試験片の中央部に下記薬剤をそれぞれ塗布した。
評価用薬剤
花王社製 マジックリン(以下、薬剤1と略記)
ニベア花王社製 ニベアクリーム(以下、薬剤2と略記)
上記の薬剤塗布後の試験片を23℃および85℃の雰囲気下で48時間放置し、試験片上の割れやヒビの位置から臨界歪み(%)を次式により求めた。
(図1)
Figure 2014091821
上記式にて求めた臨界歪みから、耐薬品性および耐溶剤性を下記基準にて判定し、臨界歪みが0.7%以上(○〜◎)を良好とした。
耐薬品性・耐溶剤性の判定:
◎:臨界歪みが1.0%以上
○:臨界歪みが0.7%以上〜1.0%未満
△:臨界歪みが0.5%以上〜0.7%未満
×:臨界歪みが0.3%以上〜0.5%未満
××:臨界歪みが0.3%未満
6.総合判定
初期着色性、熱安定性、ヘイズ、抗菌性および耐薬品性の評価において、全て良好であるものを良好(○)そうでないものを不良(×)とした。
Figure 2014091821
Figure 2014091821
実施例1〜7は銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤とアルキルケテンダイマーを明細書に記載の添加量とした場合であるが、いずれも初期着色性、熱安定性、透明性、抗菌性および耐薬品は良好な結果を示した。
一方、抗菌剤の添加量が規定量よりも少ない場合(比較例1)は、抗菌性に劣っていた。また、抗菌剤の添加量が規定量よりも多い場合(比較例2)は、初期着色性、熱安定性および透明性が劣っていた。
アルキルケテンダイマーの添加量が規定量よりも少ない場合(比較例3)は、耐薬品性に劣っていた。また、アルキルケテンダイマーの添加量が規定量よりも多い場合(比較例4)は、初期着色性、熱安定性および透明性が劣っていた。
片持ち梁の耐薬剤試験評価用治具の説明図である。
1 耐薬剤試験評価用治具本体
2 試験片
3 試験片の固定用ネジ
4 試験片に歪を与えるネジ

Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤(B)0.05〜1.5重量部および下記一般式1に示すアルキルケテンダイマー(C)0.01〜20重量部を含むことを特徴とする抗菌性および耐薬剤性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
    一般式1:
    Figure 2014091821
    (一般式1において、R1およびR2は、同一でも異なっても良いが、炭素数6〜33のアルキル基をあらわす。)
  2. 前記抗菌剤(B)に含まれる銀イオンを溶出するガラスの形状が、多面体であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性および耐薬剤性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、更にヒンダードフェノール系酸化防止剤(D)を0.05〜1.0重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の抗菌性および耐薬剤性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(D)が、下記構造式で示される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の抗菌性および耐薬剤性に優れたポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 2014091821
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