JP2014091802A - 樹脂組成物及びこれを含むホットメルト接着剤 - Google Patents

樹脂組成物及びこれを含むホットメルト接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱接着性を改善した上で、接着性及びタック性に優れる樹脂組成物、並びにホットメルト接着剤を提供する。
【解決手段】エチレン残基単位75.4〜98.3モル%、酢酸ビニル残基単位0.3〜19.6モル%、ビニルアルコール残基単位0〜24.2モル%及びウレタン結合で示されるアクリロイル基を有する残基単位0.1〜20.0モル%を含み、JISK6924−1に準拠し測定したMFRが5〜40000g/10分であるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)、ラジカル重合型光開始剤(B)並びに粘着付与剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物、並びにホットメルト接着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関するものである。詳しくは、耐熱接着性を改善したホットメルト接着剤として好適な樹脂組成物に関するものである。
エチレン−酢酸ビニル共重合体及びそのケン化物は経済性、柔軟性、透明性、成形性等に優れていることから建築資材分野、包装分野、接着剤分野等の広範な産業で使用されている。
そして、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びそのケン化物はその高い接着性を利用してホットメルト接着剤として使用されている。エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酢酸ビニル含有量、ケン化度、分子量、配合処方の変更により広範な用途に適用可能なホットメルト接着剤を調整可能であることから、包装、合板、木工、芯地などの分野で広く使用されている。
ホットメルト接着剤は、塗布後の固化時間が短く、無溶剤であること等から年々使用量が増加している。しかしながら、一般にエチレン−酢酸ビニル共重合体及びそのケン化物からなるホットメルト接着剤は耐熱性に問題があり、耐熱性が要求される用途では使用が制限されてきた。
そこで、耐熱性を高めたホットメルト接着剤を得るために、エチレン−酢酸ビニル共重合体に特定のパラフィンワックスを用いた樹脂組成物(例えば特許文献1参照)や特定の高軟化温度の粘着付与剤を用いたホットメルト接着剤(例えば特許文献2参照)等が提案されている。
特開平7−247468号公報 特開2004−263100号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の方法は、ある特定の原料を用いて配合技術を駆使したものであり、耐熱性は従来のエチレン−酢酸ビニル共重合体よりも向上するものの必ずしも満足できるものではなかった。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のアクリロイル基を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を使用することにより、耐熱接着性を改善した上で、接着性及びタック性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、エチレン残基単位75.4〜98.3モル%、酢酸ビニル残基単位0.3〜19.6モル%、ビニルアルコール残基単位0〜24.2モル%及び所定の一般式(1)で示されるアクリロイル基を有する残基単位0.1〜20.0モル%を含み、JIS K6924−1に準拠し測定したMFRが5〜40000g/10分であるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)とラジカル重合型光開始剤(B)並びに粘着付与剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物、並びにホットメルト接着剤である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、エチレン残基単位75.4〜98.3モル%、酢酸ビニル残基単位0.3〜19.6モル%、ビニルアルコール残基単位0〜24.2モル%及び下記一般式(1)で示されるアクリロイル基を有する残基単位0.1〜20.0モル%を含み、JIS K6924−1に準拠し測定したMFRが5〜40000g/10分であるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)、ラジカル重合型光開始剤(B)並びに粘着付与剤(C)を含むものである。
Figure 2014091802
(ここで、Rは水素またはメチル基を示し、Rは炭素数2以上の炭化水素基を示す。)
本発明の樹脂組成物に含まれるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は、アクリロイル基を含有しているエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物にアクリロイル基を含有させることで得られる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のエチレン残基単位は、接着性及び耐熱性のバランスに優れることから、75.4〜98.3モル%であり、接着性及び耐熱性のバランスがさらに優れることから、80.0〜95.0モル%が好ましい。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酢酸ビニル残基単位は、接着性及び耐熱性のバランスに優れることから、0.3〜19.6モル%の範囲であり、接着性及び耐熱性のバランスがさらに優れることから、0.8〜10.0モル%が好ましい。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のビニルアルコール残基単位は、接着性及び耐熱性のバランスに優れることから、0〜24.2モル%の範囲であり、接着性及び耐熱性のバランスがさらに優れることから、0.5〜16.0モル%が好ましい。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のアクリロイル基を有する残基単位は、耐熱性と経済性のバランスに優れることから、0.1〜20.0モル%の範囲であり、耐熱性と経済性のバランスがさらに優れることから、0.5〜14.0モル%が好ましい。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の、JIS K6924−1に準拠して測定したメルトマスフローレート(MFR)は、作業性に優れることから、5〜40000g/10分であり、10〜3000g/10分であることが好ましい。5g/10分未満の場合は、ホットメルト塗工する際に粘度が高すぎて塗工できないおそれがあり、40000g/10分を超える場合は、機械強度が低下するおそれがある。
前記一般式(1)で示されるアクリロイル基のRは炭素数2以上の炭化水素基を示し、例えば、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、i−オクチル基、n−ノニル基、i−ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基等を挙げることができる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物をトルエン、キシレン等の溶媒に溶解させ、アクリロイル基含有イソシアネートと反応させることにより、得ることができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法としては、例えば、高圧法、乳化重合法等の公知の製造方法により製造されたエチレン−酢酸ビニル共重合体をメタノール、エタノールなどの低沸点アルコールと水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラートなどのアルカリからなる系で処理するケン化を施すことにより製造することができ、ポリマー鎖中にエチレン残基成分、酢酸ビニル残基成分及びビニルアルコール残基成分を有する。また、該エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は市販品であっても良い。
アクリロイル基含有イソシアネート化合物としては、例えば、アクリロイルオキシアルキルイソシアネート化合物等を挙げることができ、市販されているアクリロイルオキシアルキルイソシアネート化合物としては、具体的に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズBEI)等を挙げることができる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酢酸ビニル残基含量及びビニルアルコール残基含量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酢酸ビニル残基含量及びビニルアルコール残基含量に依存する。エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酢酸ビニル残基含量及びビニルアルコール残基含量は、例えば、重合時のガス中の酢酸ビニル濃度及びケン化反応時のアルカリの添加量により調整することが可能である。即ち、重合時のガス中の酢酸ビニル濃度が高ければ、酢酸ビニル残基含量の高いものが得られ、酢酸ビニル濃度が低ければ、酢酸ビニル残基含量の低いものが得られる。また、ケン化反応時のアルカリの添加量が酢酸ビニル残基含量に対して等モル以上のアルカリを添加すれば、ビニルアルコール残基含量の高いものが得られ、アルカリの添加量が少なければ、酢酸ビニル残基含量が高く、ビニルアルコール残基含量の低いものが得られる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のアクリロイル基を有する残基成分は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とアクリロイル基含有イソシアネート化合物を反応する際のアクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量により調整することが可能である。即ち、反応時のアクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量が多ければ、アクリロイル基含量の高いものが得られ、アクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量が少なければ、アクリロイル基含量の低いものが得られる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のMFRは、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のMFRに依存し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のMFRは、例えば、重合時のガス中の連鎖移動剤の濃度により調整することが可能であり、連鎖移動剤の濃度が高ければMFRの高いものが得られ、連鎖移動剤の濃度が低ければ、MFRの低いものが得られる。
その連鎖移動剤としては、例えば、プロピレン、ブテン、ヘキセンなどのオレフィン類、エタン、プロパン、ブタンなどのパラフィン類、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチルなどのカルボニル化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物に含まれるラジカル重合型光開始剤とは、可視光線や紫外線などの照射によりラジカル種を発生する化合物であり、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル) ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマーなどのアセトフェノン類; ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない
本発明の樹脂組成物に含まれる粘着付与剤とは、可塑化により粘着性を向上させることができる樹脂であれば特に制限なく、公知のものを用いることができる。例えば、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、硬化速度と接着性と経済性に優れるため、該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)100重量部に対し、ラジカル重合型光開始剤(B)0.1〜10.0重量部と粘着付与剤(C)5〜100重量部を含むことが好ましい。
ラジカル重合型光開始剤は、硬化速度と経済性がさらに優れるため、0.3〜5.0重量部がさらに好ましい。
粘着付与剤は、接着性と相溶性がさらに優れるため、10〜80重量部がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、例えば、該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ラジカル重合型光開始剤及び粘着付与剤をドライブレンド、溶液混合、溶融混合等の混合方法により製造すること等が挙げることができ、中でも効率よく混合できることから溶融混合が好ましい。
溶融混合には、例えば、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、インターナルミキサー、インテンシブミキサー、ロール成形機、単軸押出機、二軸押出機等のプラスチックまたはゴムの加工に使用される混練成形機が使用可能である。
本発明の樹脂組成物は、接着剤として用いることができ、本発明の効果を損なわない範囲で各種ポリマー、各種添加剤を含有しても良い。添加剤としては、例えば、染料、顔料、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、発泡剤、滑剤、結晶核剤、離型剤、加水分解防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、難燃助剤等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物を含むホットメルト接着剤は、金属、紙、合板、布、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム等の接着等に有用である。
本発明の樹脂組成物を含むホットメルト接着剤を使用する方法には、例えば、本発明の組成物をホットメルト塗布して被接着物に融着させた後、UV照射を行い硬化させる方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、各種基材との接着性に優れ、通常のホットメルト接着剤と同様に塗工、接着が可能で、光硬化することにより、耐熱接着性(耐熱性)が向上するなどの特長を有し、ホットメルト接着剤として好適である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の理解を助けるための例であって、本発明はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではない。なお、用いた試薬等は断りのない限り市販品を用いた。
<接着強度の評価方法>
得られた樹脂組成物を圧縮成形機(株式会社神藤金属工業所製、型式AWFA50)を用いて、温度150℃、圧力10MPaで圧縮成形することにより、厚さ0.1mmのプレスシートを得た。幅100mmのプレスシートをポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社、ビューレックスA31、厚さ75μm)で挟み合わせ、ヒートシールテスター(テスター産業株式会社製)を用いて温度150℃、圧力0.2MPa、時間2秒の条件でヒートシールバーにより押さえて加熱接着を行い、UV照射装置を用いてUV照射(照射量1,500mJ/cm)した。
得られた試験片を幅25mmの短冊状に切断し、該加熱融着部分を引張試験機(株式会社オリエンテック社製、テンシロン万能試験機、RTE−1210)を用いて、剥離速度300mm/分で剥離した際の剪断剥離強度を接着強度とした。
<タック性の評価方法>
ガラス基板(サイズ25mm×50mm、厚さ0.7mm)上に、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング株式会社、SM200DSS)を用いて、150℃で微少量塗布し、もう一方のガラス基板を1kgの荷重を掛けて重ねあわせ、タック性評価用の試験片を得た。得られた試験片を、引張試験機(オリエンテック社製、テンシロンRTE−1210)を用いて、剥離速度5mm/分で剥離した際の剥離強度をタック性の指標とした。
<耐熱接着性の評価方法>
ガラス接着強度用の試験片を温度150℃に設定したオーブン内に吊り下げ、3時間放置した後の試験片の状態を確認することにより、耐熱接着性の指標とした。ガラス基板が剥がれ落ちず、形状を保っていたものを○、ガラス基板が剥がれ落ちていたものを×とした。
製造例1<アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、ウルトラセン(登録商標)727、酢酸ビニル含量28重量%、MFR=2200g/10分)をメタノール溶媒中、苛性濃度0.3mol/Lの条件下で60℃、4時間反応することによりエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(D1)を得た。得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100gをトルエン500mLに溶解し、アクリロイル基含有イソシアネート化合物(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)を4.7g添加し、70℃、6時間撹拌した。生成物をメタノール中に沈殿させ、固液分離、洗浄、真空乾燥することにより、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)を製造した(エチレン残基単位:88.8モル%、酢酸ビニル残基単位:7.8モル%、ビニルアルコール残基単位:2.4モル%、アクリロイル基を有する残基単位:1.0モル%)。
製造例2<アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A2)の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社製、ウルトラセン(登録商標)760(酢酸ビニル含量42重量%、MFR=70g/10分)を使用し、ケン化反応条件を苛性濃度1.5mol/Lの条件下で70℃、6時間とし、アクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量を75gとし、90℃、10時間反応した以外は、製造例1と同様の方法で、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A2)を製造した(エチレン残基単位:80.9モル%、酢酸ビニル残基単位:1.0モル%、ビニルアルコール残基単位:0モル%、アクリロイル基を有する残基単位:18.1モル%)。
製造例3<アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A3)の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社製、ウルトラセン(登録商標)7A55A(酢酸ビニル含量14重量%、MFR=30000g/10分)を使用し、ケン化反応条件を苛性濃度0.4mol/Lの条件下で70℃、8時間とし、アクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量を15gとした以外は、製造例1と同様の方法で、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A3)を製造した(エチレン残基単位:93.7モル%、酢酸ビニル残基単位:1.3モル%、ビニルアルコール残基単位:2.0モル%、アクリロイル基を有する残基単位:3.0モル%)。
製造例4<アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A4)の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社製、ウルトラセン(登録商標)0B54E(酢酸ビニル含量33重量%、MFR=400g/10分)を使用し、ケン化反応条件を苛性濃度0.9mol/Lの条件下で90℃、6時間とし、アクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量を2.8gとした以外は、製造例1と同様の方法で、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A4)を製造した(エチレン残基単位:86.2モル%、酢酸ビニル残基単位:2.8モル%、ビニルアルコール残基単位:10.4モル%、アクリロイル基を有する残基単位:0.6モル%)。
実施例1
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)を100重量部、ラジカル重合型光開始剤(B1)としてチバジャパン株式会社製、イルガキュア184を1.0重量部、粘着付与剤(C1)としてテルペン系粘着付与剤(ヤスハラケミカル株式会社製、商品名:YSレジンPX800)を10重量部の比率で合計量70gを内容量100ccのミキサー(ラボプラストミル、東洋精機製作所製)に充填し、150℃で10分間溶融混合することにより、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた接着性及び耐熱接着性を示した。
Figure 2014091802
実施例2
粘着付与剤(C1)10重量部を80重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた接着性及び耐熱接着性を示した。
実施例3
粘着付与剤(C1)10重量部の代わりに、粘着付与剤(C2)として、ロジンエステル系粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製、商品名:スーパーエステルA−75)を10重量部使用した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた接着性及び耐熱接着性を示した。
実施例4
粘着付与剤(C1)10重量部の代わりに、粘着付与剤(C3)として、脂肪族系炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製、商品名:アルコンM−90)を10重量部使用した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた接着性及び耐熱接着性を示した。
実施例5
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部の代わりに、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A2)を100重量部、粘着付与剤(C1)10重量部の代わりに、粘着付与剤(C4)として、テルペンフェノール樹脂(荒川化学工業株式会社製、商品名:タマノル803L)を10重量部使用した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた接着性及び耐熱接着性を示した。
実施例6
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部の代わりに、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A3)を100重量部、粘着付与剤(C1)10重量部の代わりに、粘着付与剤(C5)として、水添テルペン樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製、商品名:クリアロンP85)を10重量部使用した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた接着性及び耐熱接着性を示した。
実施例7
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部の代わりに、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A4)を100重量部、粘着付与剤(C1)10重量部の代わりに、粘着付与剤(C6)として、水素化ロジン(荒川化学工業株式会社製、商品名:ハイペールCH)を10重量部使用した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた接着性及び耐熱接着性を示した。
実施例8
ラジカル重合型光開始剤(B1)1.0重量部を5.0重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた接着性及び耐熱接着性を示した。
比較例1
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部、ラジカル重合型光開始剤(B1)1.0重量部、粘着付与剤(C1)0重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、得られた樹脂組成物は、接着強度、タック性及び耐熱接着性に劣るものであった。
比較例2
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部の代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(D1)を100重量部使用した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、接着強度、タック性及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、得られた樹脂組成物は、接着強度、タック性及び耐熱接着性に劣るものであった。
比較例3
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部、ラジカル重合型光開始剤(B1)0重量部、粘着付与剤(C1)10重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。しかし、得られた樹脂組成物は、UV照射により硬化せず溶融し、評価に至らなかった。

Claims (3)

  1. エチレン残基単位75.4〜98.3モル%、酢酸ビニル残基単位0.3〜19.6モル%、ビニルアルコール残基単位0〜24.2モル%及び下記一般式(1)で示されるアクリロイル基を有する残基単位0.1〜20.0モル%を含み、JIS K6924−1に準拠し測定したMFRが5〜40000g/10分であるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)、ラジカル重合型光開始剤(B)並びに粘着付与剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2014091802
    (ここで、Rは水素またはメチル基を示し、Rは炭素数2以上の炭化水素基を示す。)
  2. アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)100重量部に対し、ラジカル重合型光開始剤(B)0.1〜10.0重量部及び粘着付与剤(C)5〜100重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とするホットメルト接着剤。
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