JP2014091808A - 樹脂組成物及びこれを含む液晶表示パネル用シール剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗工性、塗工安定性、機械特性及び耐熱接着性に優れた樹脂組成物、並びに耐熱接着性、塗工安定性に優れた液晶表示パネル用シール剤を提供する。
【解決手段】エチレン残基単位75.4〜98.3モル%、酢酸ビニル残基単位0.3〜19.6モル%、ビニルアルコール残基単位0〜24.2モル%及びウレタン結合を介して導入されたアクリロイル基を有する残基単位0.1〜20.0モル%を含み、JIS K6924−1に準拠し測定したMFRが5〜40000g/10分であるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)、ラジカル重合型光開始剤(B)並びに無機充填剤(C)を含む樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を含む液晶表示パネル用シール剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関するものである。詳しくは、液晶を封止するシール剤として好適な樹脂組成物に関するものである。
液晶表示パネルの組み立ては、従来は真空注入法と呼ばれる手法で、熱硬化性樹脂を液晶表示用のガラス基板に塗布した後、対向するガラス基板を貼り合せて加熱圧接させ、2枚のガラス基板で挟まれた空間に液晶封入用セルを形成し、この2枚のガラス基板を真空下に置き、前記液晶封入用セルに液晶を注入していた。しかし、この手法では熱硬化性樹脂組成物は、硬化させるために120℃〜150℃の温度で数時間の時間を要する。さらに、前述の液晶注入工程は長い時間を要することから、従来の液晶表示パネルの製造方法は生産性に問題があった。
これに対して、液晶滴下工法と呼ばれる液晶表示パネルの製造方法が提案されている(例えば特許文献1を参照)。この方法は、1)光硬化性のシール剤を液晶表示パネルの基板上に常温下で塗布し、液晶を充填するための枠を形成し、2)前記枠内に液晶の微小滴を滴下し、3)シール剤が未硬化の状態で2枚の基板を高真空下で重ね合わせ、4)紫外線等を照射してシール剤の仮硬化を行い、5)加熱による後硬化を行う方法である。
しかし、この工法は、シール剤が液晶に触れた状態で貼り合せてシール剤を硬化する手法であり、シール剤が液晶へ溶出し汚染することにより表示ムラが発生する、液状の光硬化性シール剤を用いるためシール剤の塗工安定性に劣るなど様々な問題がある。
そこで、シール剤の塗工安定性を改良するために、特定の液状のエポキシ系シール剤を用いる方法(例えば特許文献2を参照)や表面処理した粒子を配合する方法(例えば特許文献3参照)等が提案されている。
特開2002−214626号公報 特開平5−273560号公報 特開2001−100223号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法は、低粘度の液状のシール剤を使用するため、シールパターンが乱れる、機械強度が弱い等の問題がある。また、特許文献3に記載のシール剤は、経時で粘度変化が生じるため、塗工安定性に乏しい等の問題があり、シール剤の塗工性は満足できるものではなかった。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のアクリロイル基を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物を使用することにより、塗工性、塗工安定性、機械特性及び耐熱接着性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、エチレン残基単位75.4〜98.3モル%、酢酸ビニル残基単位0.3〜19.6モル%、ビニルアルコール残基単位0〜24.2モル%及び所定の一般式(1)で示されるアクリロイル基を有する残基単位0.1〜20.0モル%を含み、JIS K6924−1に準拠し測定したMFRが5〜40000g/10分であるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)、ラジカル重合型光開始剤(B)並びに無機充填剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を含む液晶表示パネル用シール剤である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、エチレン残基単位75.4〜98.3モル%、酢酸ビニル残基単位0.3〜19.6モル%、ビニルアルコール残基単位0〜24.2モル%及び下記一般式(1)で示されるアクリロイル基を有する残基単位0.1〜20.0モル%を含み、JIS K6924−1に準拠し測定したMFRが5〜40000g/10分であるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)、ラジカル重合型光開始剤(B)並びに無機充填剤(C)を含むものである。
Figure 2014091808
(ここで、Rは水素またはメチル基を示し、Rは炭素数2以上の炭化水素基を示す。)
本発明の樹脂組成物に含まれるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は、アクリロイル基を含有しているエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物にアクリロイル基を含有させることで得られる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のエチレン残基単位は、塗工性及び耐熱接着性のバランスに優れることから、75.4〜98.3モル%であり、塗工性及び耐熱接着性のバランスがさらに優れることから、80.0〜95.0モル%が好ましい。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酢酸ビニル残基単位は、塗工性及び耐熱接着性のバランスに優れることから、0.3〜19.6モル%の範囲であり、塗工性及び耐熱接着性のバランスがさらに優れることから、0.8〜10.0モル%が好ましい。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のビニルアルコール残基単位は、塗工性及び耐熱接着性のバランスに優れることから、0〜24.2モル%の範囲であり、塗工性及び耐熱接着性のバランスがさらに優れることから、0.5〜16.0モル%が好ましい。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のアクリロイル基を有する残基単位は、耐熱接着性と経済性のバランスに優れることから、0.1〜20.0モル%の範囲であり、耐熱接着性と経済性のバランスがさらに優れることから、0.5〜14.0モル%が好ましい。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の、JIS K6924−1に準拠して測定したメルトマスフローレート(MFR)は、作業性に優れることから、5〜40000g/10分であり、10〜3000g/10分であることが好ましい。5g/10分未満の場合は、ホットメルト塗工する際に粘度が高すぎて塗工できないおそれがあり、40000g/10分を超える場合は、機械強度が低下するおそれがある。
前記一般式(1)で示されるアクリロイル基のRは炭素数2以上の炭化水素基を示し、例えば、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、i−オクチル基、n−ノニル基、i−ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基等を挙げることができる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物をトルエン、キシレン等の溶媒に溶解させ、アクリロイル基含有イソシアネートと反応させることにより、得ることができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法としては、例えば、高圧法、乳化重合法等の公知の製造方法により製造されたエチレン−酢酸ビニル共重合体をメタノール、エタノールなどの低沸点アルコールと水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラートなどのアルカリからなる系で処理するケン化を施すことにより製造することができ、ポリマー鎖中にエチレン残基成分、酢酸ビニル残基成分及びビニルアルコール残基成分を有する。また、該エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は市販品であっても良い。
アクリロイル基含有イソシアネート化合物としては、例えば、アクリロイルオキシアルキルイソシアネート化合物等を挙げることができ、市販されているアクリロイルオキシアルキルイソシアネート化合物としては、具体的に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズBEI)等を挙げることができる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酢酸ビニル残基含量及びビニルアルコール残基含量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酢酸ビニル残基含量及びビニルアルコール残基含量に依存する。エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酢酸ビニル残基含量及びビニルアルコール残基含量は、例えば、重合時のガス中の酢酸ビニル濃度及びケン化反応時のアルカリの添加量により調整することが可能である。即ち、重合時のガス中の酢酸ビニル濃度が高ければ、酢酸ビニル残基含量の高いものが得られ、酢酸ビニル濃度が低ければ、酢酸ビニル残基含量の低いものが得られる。また、ケン化反応時のアルカリの添加量が酢酸ビニル残基含量に対して等モル以上のアルカリを添加すれば、ビニルアルコール残基含量の高いものが得られ、アルカリの添加量が少なければ、酢酸ビニル残基含量が高く、ビニルアルコール残基含量の低いものが得られる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のアクリロイル基を有する残基成分は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とアクリロイル基含有イソシアネート化合物を反応する際のアクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量により調整することが可能である。即ち、反応時のアクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量が多ければ、アクリロイル基含量の高いものが得られ、アクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量が少なければ、アクリロイル基含量の低いものが得られる。
該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のMFRは、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のMFRに依存し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のMFRは、例えば、重合時のガス中の連鎖移動剤の濃度により調整することが可能であり、連鎖移動剤の濃度が高ければMFRの高いものが得られ、連鎖移動剤の濃度が低ければ、MFRの低いものが得られる。
その連鎖移動剤としては、例えば、プロピレン、ブテン、ヘキセンなどのオレフィン類、エタン、プロパン、ブタンなどのパラフィン類、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチルなどのカルボニル化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物に含まれるラジカル重合型光開始剤とは、可視光線や紫外線などの照射によりラジカル種を発生する化合物であり、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル) ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマーなどのアセトフェノン類; ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物には塗工性向上及び機械強度向上等の観点から、無機充填剤を含む。無機充填剤としては、無機物であれば、特に制限されず、例えば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、タルク、ドロマイド、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラック等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物は、硬化速度と塗工性と経済性に優れるため、該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)100重量部に対し、ラジカル重合型光開始剤(B)0.1〜10.0重量部と無機充填剤(C)5〜50重量部を含むことが好ましい。
ラジカル重合型光開始剤は、硬化速度と経済性がさらに優れるため、0.3〜5.0重量部がさらに好ましい。
無機充填剤は、塗工性、機械特性及び相溶性がさらに優れるため、10〜30重量部がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、例えば、該アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ラジカル重合型光開始剤及び無機充填剤をドライブレンド、溶液混合、溶融混合等の混合方法により製造すること等が挙げることができ、中でも効率よく混合できることから溶融混合が好ましい。
溶融混合には、例えば、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、インターナルミキサー、インテンシブミキサー、ロール成形機、単軸押出機、二軸押出機等のプラスチックまたはゴムの加工に使用される混練成形機が使用可能である。
本発明の樹脂組成物は、接着剤として用いることができ、本発明の効果を損なわない範囲で各種ポリマー、各種添加剤を含有しても良い。添加剤としては、例えば、染料、顔料、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、発泡剤、滑剤、結晶核剤、離型剤、加水分解防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、難燃助剤等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物を含む接着剤は、金属、紙、合板、布、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム等の接着等に有用である。
本発明の樹脂組成物は、液体、液晶を封止するシール剤、特に液晶表示パネル用シール剤として好ましく用いられるが、封止される化合物又は樹脂組成物の種類に制限されず封止することができる。液晶表示パネル用シール剤として使用する場合、均一なセルギャップを得るためにシール剤にスペーサー材を配合してもよい。スペーサーとしては、例えば、グラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等を挙げることができる。その直径は、目的に応じ異なるが、例えば、2〜10μmが好ましい。
本発明の樹脂組成物を含む接着剤や液晶表示パネル用シール剤を使用する方法には、例えば、本発明の樹脂組成物をホットメルト塗布して被接着物に融着し、UV照射を行い硬化させる方法等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、優れた塗工性、塗工安定性及び耐熱接着性を示すなどの特長を有し、大型、小型問わず液晶表示パネル用のシール剤として好適である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の理解を助けるための例であって、本発明はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではない。なお、用いた試薬等は断りのない限り市販品を用いた。
<塗工性の評価方法>
得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社、ビューレックスA31、厚さ75μm)上に、ディスペンサー装置(武蔵エンジニアリング株式会社、SM200DSS)を用いて、塗工温度180℃、塗工圧力400kPa、塗工速度100mm/分、ノズル内径1.25mmの条件下で、80mm四方の正方形のシールパターン枠を描画した。描画したシールパターン枠の状態を確認することにより、塗工性の指標とした。糸引きやかすれがないものを○、糸引きやかすれが発生したものを×とした。
<塗工安定性の評価方法>
塗工性の評価で得られたシールパターン枠のシールの最大幅と最小幅の比率より、塗工安定性の指標とした。
[シールの最大幅と最小幅の比率]%=[シールの最小幅]/[シールの最大幅]×100
上記比率が90%以上のものを◎、80%以上90%以下のものを○、80%未満のものを×とした。
<弾性率の評価方法>
得られた樹脂組成物を圧縮成形機(株式会社神藤金属工業所製、型式AWFA50)を用いて、温度180℃、圧力10MPaで圧縮成形することにより、厚さ0.5mmのプレスシートを得た。得られたプレスシートをUV照射装置を用いてUV照射(照射量1、500mJ/cm)して硬化させた後、厚さ0.5mm、幅5mm、長さ25mmの試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーター(レオスペクトロメーターDVE−V4、レオロジー社製)を用いて−50〜200℃の範囲で弾性率を測定し、120℃での貯蔵弾性率を用いた。
<耐熱接着性の評価方法>
得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社、ビューレックスA31、厚さ75μm)上に、ディスペンサー装置(武蔵エンジニアリング株式会社、SM200DSS)を用いて、塗工温度180℃、塗工圧力400kPa、塗工速度100mm/分、ノズル内径1.25mmの条件下で、微少量塗布し、もう一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを1kgの荷重を掛けて重ねあわせ、耐熱性評価用の試験片を得た。得られた試験片を温度180℃に設定したオーブン内に吊り下げ、3時間放置した後の試験片の状態を確認することにより、耐熱接着性の指標とした。試験片が剥がれ落ちず、形状を保っていたものを○、試験片が剥がれ落ちていたものを×とした。
製造例1<アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、ウルトラセン(登録商標)725、酢酸ビニル含量28重量%、MFR=1000g/10分)をメタノール溶媒中、苛性濃度0.4mol/Lの条件下で60℃、4時間反応することによりエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(D1)を得た。得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100gをトルエン500mLに溶解し、アクリロイル基含有イソシアネート化合物(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)を9.5g添加し、70℃、6時間撹拌した。生成物をメタノール中に沈殿させ、固液分離、洗浄、真空乾燥することにより、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)を製造した(エチレン残基単位:88.8モル%、酢酸ビニル残基単位:6.7モル%、ビニルアルコール残基単位:2.5モル%、アクリロイル基を有する残基単位:2.0モル%)。
製造例2<アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A2)の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社製、ウルトラセン(登録商標)539(酢酸ビニル含量6重量%、MFR=28g/10分)を使用し、ケン化反応条件を苛性濃度0.15mol/Lの条件下で90℃、8時間とし、アクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量を3.0gとし、90℃、10時間反応した以外は、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)と同様の方法で製造した(エチレン残基単位:98.0モル%、酢酸ビニル残基単位:1.0モル%、ビニルアルコール残基単位:0.5モル%、アクリロイル基を有する残基単位:0.5モル%)。
製造例3<アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A3)の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社製、ウルトラセン(登録商標)760(酢酸ビニル含量42重量%、MFR=70g/10分)を使用し、ケン化反応条件を苛性濃度1.4mol/Lの条件下で70℃、12時間とし、アクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量を76gとした以外は、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)と同様の方法で製造した(エチレン残基単位:80.9モル%、酢酸ビニル残基単位:1.0モル%、ビニルアルコール残基単位:0モル%、アクリロイル基を有する残基単位:18.1モル%)。
製造例4<アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A4)の製造>
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社製、ウルトラセン(登録商標)7A55A(酢酸ビニル含量14重量%、MFR=30000g/10分)を使用し、ケン化反応条件を苛性濃度0.35mol/Lの条件下で90℃、6時間とし、アクリロイル基含有イソシアネート化合物の添加量を14.7gとした以外は、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)と同様の方法で製造した(エチレン残基単位:95.0モル%、酢酸ビニル残基単位:2.0モル%、ビニルアルコール残基単位:0.2モル%、アクリロイル基を有する残基単位:2.8モル%)。
実施例1
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)を100重量部、ラジカル重合型光開始剤(B1)としてチバジャパン株式会社製、イルガキュア184を1.0重量部、無機充填剤(C1)としてシリカ(株式会社アドマテックス製、商品名:アドマファインSO−E1、平均粒径0.25μm)を20重量部の比率で合計量70gを内容量100ccのミキサー(ラボプラストミル、東洋精機製作所製)に充填し、180℃で10分間溶融混合することにより、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた塗工性、塗工安定性、機械特性及び耐熱接着性を示した。
Figure 2014091808
実施例2
無機充填剤(C1)20重量部を10重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた塗工性、塗工安定性、機械特性及び耐熱接着性を示した。
実施例3
無機充填剤(C1)20重量部を40重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた塗工性、塗工安定性、機械特性及び耐熱接着性を示した。
実施例4
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部の代わりに、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A2)を100重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた塗工性、塗工安定性、機械特性及び耐熱接着性を示した。
実施例5
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部の代わりに、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A3)を100重量部、無機充填剤(C1)20重量部の代わりに、無機充填剤(C2)として、タルク(日本タルク株式会社製、商品名:ミクロエースP−2、平均粒径7.0μm)を20重量部使用した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた塗工性、塗工安定性、機械特性及び耐熱接着性を示した。
実施例6
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部の代わりに、アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A4)を100重量部、無機充填剤(C1)20重量部の代わりに、無機充填剤(C2)を20重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた塗工性、塗工安定性、機械特性及び耐熱接着性を示した。
実施例7
ラジカル重合型光開始剤(B1)1.0重量部を5.0重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、優れた塗工性、塗工安定性、機械特性及び耐熱接着性を示した。
比較例1
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部、ラジカル重合型光開始剤(B1)1.0重量部、無機充填剤(C1)0重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、得られた樹脂組成物は、塗工時に糸引きが発生し塗工性に劣り、弾性率が低く機械特性に劣るものであった。
比較例2
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部の代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(D1)を100重量部使用した以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、得られた樹脂組成物は、150℃で溶融し、機械特性及び耐熱接着性に劣るものであった。
比較例3
アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A1)100重量部、ラジカル重合型光開始剤(B1)0重量部、無機充填剤(C1)20重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて、塗工性、塗工安定性、弾性率及び耐熱接着性の評価を行った。その結果を表1に示す。表1から、得られた樹脂組成物は、150℃で溶融し、機械特性及び耐熱接着性に劣るものであった。

Claims (4)

  1. エチレン残基単位75.4〜98.3モル%、酢酸ビニル残基単位0.3〜19.6モル%、ビニルアルコール残基単位0〜24.2モル%及び下記一般式(1)で示されるアクリロイル基を有する残基単位0.1〜20.0モル%を含み、JIS K6924−1に準拠し測定したMFRが5〜40000g/10分であるアクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)、ラジカル重合型光開始剤(B)並びに無機充填剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2014091808
    (ここで、Rは水素またはメチル基を示し、Rは炭素数2以上の炭化水素基を示す。)
  2. アクリロイル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)100重量部に対し、ラジカル重合型光開始剤(B)0.1〜10.0重量部及び無機充填剤(C)5〜50重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする接着剤。
  4. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする液晶表示パネル用シール剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115176199A (zh) * 2020-03-30 2022-10-11 三井化学株式会社 液晶滴加工艺用密封剂及液晶显示面板的制造方法、以及液晶显示面板

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