JP2014091699A - Glp−1分泌促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたGLP−1分泌促進作用を有し、且つ安全性が高い医薬品、医薬部外品、食品、飼料及びそれらに配合可能な素材を提供する。
【解決手段】ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、GLP−1(Glucagon-like peptide-1)分泌促進剤に関する。
近年、糖尿病、脂質異常症、高血圧症等の生活習慣病や肥満が大きな問題となっている。生活習慣病においては、遺伝因子の他、食生活等の生活習慣が発症に寄与すると考えられている。また肥満は、消費カロリー量に対して摂取カロリー量が過剰となることが発生の原因の一つとなっている。これら生活習慣病や肥満を予防、改善するには生活習慣の改善が有効と考えられているが、生理系統を調節して生活習慣病の発症や肥満の予防に有用な素材、特に日常的に接種できる飲食品として利用可能な素材への期待が高まっている。
GLP−1は、内分泌ホルモンであるグルカゴンと共通の遺伝子及び前駆体から産生されるホルモンである。グルカゴンが膵島のα細胞で産生されるのに対し、GLP−1は消化管粘膜上皮の内分泌細胞(L細胞)で産生され、その前駆体からグルカゴンとは異なったプロセシングを経て産生される。GLP−1は、糖代謝に重要な役割を果たしているインクレチン(incretin: Intestine Secretion Insulin)作用を備えたホルモンであり、栄養素の摂取によって血中に分泌され、膵臓β細胞に働きかけてインスリン分泌を促進し、血糖値を低下させる。GLP−1はまた、膵臓α細胞からのグルカゴン分泌を抑制することにより、肝からのブドウ糖放出を低下させ、血糖値を低下させる。GLP−1の他の作用としては、膵β細胞の増殖促進、胃排泄や胃酸分泌の抑制、及び食欲と摂食の抑制等が知られている(非特許文献1)。従って、GLP−1の効果を高めることは、肥満、糖尿病等の生活習慣病の改善に有用である。近年では、GLP−1補充療法やGLP−1受容体(GLP−1R)アゴニストを利用した糖尿病治療法の開発も進められている。
GLP−1はまた、中枢神経系に対する作用を有することが知られている。GLP−1の食欲と摂食の抑制効果は、中枢神経系に存在するGLP−1Rを介するものと考えられている(非特許文献1)。
更にGLP−1は、糖尿病患者の血糖値制御に有用であると考えられている。GLP−1により膵臓のグルカゴン分泌が抑制されると、肝からのブドウ糖放出が低下し、血糖が低下する。この作用は低血糖によるグルカゴン分泌と拮抗せず、またインスリン濃度に依存しないことが報告されている。GLP−1投与により1型糖尿病患者及び2型糖尿病患者で共に、血糖を一定にするのに必要なインスリン量が減少したことも報告されている。更にGLP−1は、中枢神経系へ作用して食欲を抑制することにより、長期的に血糖値制御に効果を発揮し得る。よって、これらの作用を介して、GLP−1により、糖尿病やインスリン抵抗性の患者の症状を改善できる可能性がある。実際にGLP−1アナログ製剤であるExenatideやLiraglutideが糖尿病治療薬として使用されており、インスリン抵抗性改善効果があることが報告されている(非特許文献2)。
更にまたGLP−1は、心筋細胞、心内膜、冠動脈の血管内皮細胞や平滑筋に存在するGLP−1の受容体を介したシグナル伝達により、心筋細胞内のcAMPを高め心筋収縮力を増強させたり、NO産生を促して、GLUT1を介した糖取込みを増加させて心機能改善作用を示すことが報告されている。GLP−1は、血管内皮細胞上に存在するGLP−1Rを介したシグナル伝達により血管内皮細胞からのNO産生を増加させ、血管弛緩反応を改善させることが報告されている(非特許文献3)。
また、Dahl食塩感受性ラットにGLP−1、エキセナチド(GLP−1受容体作動薬)アナログを投与(4週間、皮下投与)することにより、収縮期血圧が有意に低下することが報告されている(非特許文献4)。
従って、GLP−1の効果を高めることは、高血圧等の生活習慣病の改善に有用である。
しかし、GLP−1の活性本体はポリペプチドであり、GLP−1を経口摂取すると、消化管内で消化酵素により消化・分解され易く、生体内での半減期は非常に短い。そのため、体外からGLP−1を投与しても、その血中濃度を一定に保つのは非常に困難である。従って、生体内でのGLP−1濃度を長時間にわたって高めるためには、体外からのGLP−1の投与よりも内因性GLP−1の分泌を促進することが望ましい。
ここで培養系での研究から、GLP−1の分泌を促進する物質として、パルミチン酸、オレイン酸、肉加水分解物(MH)、ガストリン放出ペプチド(GRP)、カルバコール、フォルスコリン、イオノマイシン、酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)、必須アミノ酸(EAA)、ロイシン、イソロイシン、スキムミルク、カゼイン、レプチン、ムスカリン性受容体M1、M2、キラヤ又はその抽出物、リゾホスファチジルイノシトール又はその塩が、これまでに報告されている(非特許文献5〜9、特許文献1〜2)。
一方、ツキヌキサイコはセリ科の植物であり、抽出成分に含まれるサポニン成分が、ミシマサイコのものと一部同じであることが知られている。
シカカイはマメ科の植物であり、さや、葉、皮にサポニンを多く含み、これらを乾燥・粉にしたものを洗髪料として使用することができ、白髪予防に有効であることが知られている。シカカイの抽出物は、TNFα及びIL−1β低下させて認知衰退及び加齢性記憶障害の予防等(特許文献3)、寄生虫予防(非特許文献10)、in vitroにおいてTBARS産生抑制(酸化ストレス抑制)、α-アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼ、リパーゼ活性阻害(非特許文献11)に有効であることが報告されている。
しかしながら、ツキヌキサイコ又はシカカイと、GLP−1分泌促進との関係については知られていない。
特開2012−131742号公報 国際公開第2012/086406号 特許第4842818号公報
Eur J Pharmacol, 2002, 440(2-3):269-279 医学のあゆみ, 2009, 231(7):755-758 医学のあゆみ, 2012, 241(7):507-516 Cardiovascular Diabetology 2010, 9:32 Endocrinology, 2001, 142(10):4522-4528 Journal of Endocrinology, 2006, 191,159-170 Nutrition, 2009, 25(3):340-349 Endocrinology, 2003, 144(7):3244-3250 Diabetes, 2006, 52(2):252-259 Biomedicine 31 (3), pp.329-333 2011 Journal of Natural Remedies 10 (2), pp.123-135
本発明は、優れたGLP−1分泌促進作用を有し、且つ安全性が高い医薬品、医薬部外品、食品、飼料及びそれらに配合可能な素材を提供することに関する。
本発明者らは、GLP−1分泌促進において有効な成分の探索を行った結果、ツキヌキサイコ又はシカカイにGLP−1分泌促進作用を有し、これがグルカゴン分泌抑制、食欲抑制、肥満の予防又は改善、食後高血糖の予防又は改善、糖尿病の予防又は改善、血圧降下、血管保護強化等の効果を発揮し得る医薬品、医薬部外品、食品及び飼料等として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(9)に係るものである。
(1)ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とするGLP−1分泌促進剤。
(2)ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とするグルカゴン分泌抑制剤。
(3)ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする食欲抑制剤。
(4)ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする肥満の予防又は改善剤。
(5)ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする食後高血糖の予防又は改善剤。
(6)ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする糖尿病の予防又は改善剤。
(7)ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする血圧降下剤。
(8)ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする血管保護強化剤。
(9)ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分として摂取する、非治療的GLP−1分泌促進方法、非治療的グルカゴン分泌抑制方法、非治療的食欲抑制方法、非治療的肥満の予防若しくは改善方法、又は非治療的糖尿病の予防若しくは改善方法、非治療的血圧降下方法、又は非治療的血管保護強化方法。
本発明は、優れたGLP−1分泌促進作用を有し、かつ長期間摂取しても安全性も高いことから、グルカゴン分泌抑制、食欲抑制、肥満の予防又は改善、食後高血糖の予防又は改善、糖尿病の予防又は改善、血圧降下、血管保護強化効果を発揮し得る医薬品、医薬部外品、化粧料及び食品、或いはこれらへ配合するための素材又は製剤として有用である。
ツキヌキサイコ又はシカカイの抽出物による、NCI−H716のGLP−1分泌を測定した図である。
本明細書において、「GLP−1分泌促進」とは、食事、特に糖質又は脂質を多く含む食事を摂取することで引き起こされる生体内でのGLP−1分泌を促進することをいう。あるいは、主として食後に生じる生体内でのGLP−1分泌に伴う血中GLP−1濃度上昇を増強するか、上昇したGLP−1濃度を維持するか、又は上昇したGLP−1濃度の低下を抑制することをいう。
また、本明細書において、「グルカゴン分泌抑制」とは、グルカゴン分泌抑制作用により、グルカゴンを介した血糖上昇作用を抑制することをいう。当該抑制は、GLP−1の膵α細胞への直接作用によるグルカゴン分泌抑制のみならず、β細胞からのインスリンやδ細胞からのソマトスタチンを介するパラクライン的なα細胞抑制をも含む。
「食欲抑制」とは、食欲ないしは摂食量の低下、それに伴う体重増加の抑制をいう。当該抑制はGLP−1の中枢神経系の視床下部摂食中枢を介する作用が主である。
「血管保護強化」とは、糖・脂質代謝、血圧や体重などの動脈硬化促進因子を改善させる作用と、血管構成細胞である血管内皮細胞、マクロファージや血管平滑筋細胞への作用による抗動脈硬化的効果をいう。後者には、血管内皮細胞における一酸化窒素の産生増加、PAI-1やVCAM-1の発現抑制などがある。
本明細書において、「予防」とは、個体における疾患若しくは症状の発症の防止又は遅延、あるいは個体の疾患若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転、疾患、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、あるいは疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
「食後」とは摂取した食事中の炭水化物がおおむね吸収されるまでの時間を指し、食事の摂取後の直後(0分)から6時間後まで、好ましくは5時間後まで、より好ましくは4時間後まで、更に好ましくは3時間後までの時間をいう(Diabete Care,2001,24(4):775-778)。
本明細書において、「非治療的」とは、医療行為を含まない、すなわちヒトを手術、治療又は診断する方法を含まない概念である。
本明細書において、ツキヌキサイコはセリ科ミシマサイコ属のBupleurum rotundifoliumをいう。シカカイはマメ科アカシア属のAcacia concinnaをいう。
斯かる植物は、いずれの任意の部位、例えば全草、葉、茎、芽、花、蕾、根、根茎、仮球茎、球茎、塊茎、種子等、又はそれらの組み合わせを使用することができるが、ツキヌキサイコは根皮を、シカカイは根を用いるのが好ましい。
上記部位は、そのまま抽出工程に付されてもよく、又は粉砕、切断若しくは乾燥された後に抽出工程に付されて抽出物を得てもよい。該抽出物は天然成分由来であり安全性も高い。
上記抽出物としては、市販されているものを利用してもよく、又は常法により得られる各種溶剤抽出物、又はその希釈液、その濃縮液、その乾燥末、ペースト若しくはその活性炭処理したものであってもよい。一例として、抽出物は、上記植物を室温(例えば、4〜50℃)若しくは加温(室温〜溶媒沸点)下にて抽出するか、又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることができる。
上記抽出物を得る抽出手段は、具体的には、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等の手段を用いることができる。抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。この固液抽出の好適な条件の一例としては、10〜100℃下、100〜400rpm/minで1〜30分間の攪拌が挙げられる。浸漬の好適な一例として、10〜50℃で、1時間〜14日間の浸漬が挙げられる。また、抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。
上記抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。
抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。溶剤の具体例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素;ピリジン類;油脂、ワックス等その他オイル類等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適には、水、アルコール類、アルコール−水混合液、炭化水素類が挙げられ、アルコール−水混合液、炭化水素類がより好ましい。アルコール類としては炭素数1〜5のアルコール類が好ましく、エタノールがより好ましい。炭化水素類としてはヘキサンが好ましい。
抽出のための溶剤としてアルコール−水混合液を使用する場合には、アルコール類と水との配合割合(容量比)としては、0.001〜100:99.999〜0が好ましく、5〜95:95〜5がより好ましく、20〜80:80〜20が更に好ましい。エタノール水溶液の場合、エタノール濃度が、好ましくは40容量%以上、より好ましくは45容量%以上である。また好ましくは40〜100容量%、より好ましくは70〜95容量%である。
溶剤の使用量としては、それぞれの植物(乾燥質量換算)1gに対して好ましくは1mL以上、より好ましくは5mL以上、好ましくは100mL以下、より好ましくは50mL以下である。また、好ましくは1〜100mL、より好ましくは8〜50mLである。抽出時間としては、好ましくは1分間以上、より好ましくは10分間以上、好ましくは30日間以下、より好ましく10日間以下である。また好ましくは1分間〜30日間、より好ましくは10分間〜10日間である。このときの抽出温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは20℃以上、好ましくは溶媒沸点以下、より好ましくは100℃以下、更に好ましくは90℃以下である。また、好ましくは0℃〜溶媒沸点、より好ましくは10〜100℃、更に好ましくは20〜90℃である。
斯くして得られる抽出物は、抽出液や画分をそのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものでもよい。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、水・エタノール混液、水・プロピレングリコール混液、水・ブチレングリコール混液等の溶剤で希釈して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
上記抽出物は、食品上・医薬品上許容し得る規格に適合し本発明の効果を発揮するものであれば粗精製物であってもよく、更に得られた粗精製物を既知の分離精製方法を適宜組み合わせてこれらの純度を高めてもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ等が挙げられる。
本発明の有効成分としてのツキヌキサイコには、下記の化学式で示すオレアナン型トリテルペノイドサポニンを含有する。
本発明の有効成分としてのシカカイには、下記の化学式で示すオレアナン型トリテルペノイドサポニンを含有する。
上記抽出物は、上記サポニンを多く含むものが好ましい。上記サポニンは、一般的には低級アルコールにて抽出した抽出液から、非サポニン性成分を含まない粗サポニンを分画し、粗サポニンを精製することで得ることができる。例えば「天然有機化合物実験法 生理活性物質の抽出と分離,1978,講談社,名取信策他,23章トリテルペノイドサポニンの分離」に記載の方法等を用いることができる。
抽出には、エタノール若しくはメタノール、又はこれら低級アルコールと水の混液を用いることができる。種子や果実など特に油脂の含量が高い部位の場合には、適当な溶剤で脱脂や圧搾法により、油分を除去して用いることができる。葉類の場合にはクロロフィルが存在するので、シクロヘキサン又は四塩化炭素などで抽出して、クロロフィルを除去して用いることができる。また、サポニン類が熱に安定な場合には、直接水で加熱して抽出することができる。
得られた抽出物は、減圧下濃縮し溶媒を留去後、水に懸濁し、水飽和ブタノールで抽出を行うことで、大部分のサポニンをブタノール相に移行させることができる。
粗サポニン分画から非サポニン成分を除く方法としては、アルコール溶液中にコレステロール複合体を形成させる分画法、少量のメタノールに溶解し多量のエーテル又はアセトンに注入して沈殿させる方法(無極性物質の除去)、少量のアルミナで濾過する方法(フェノール性物質、色素類の除去)などがある。その後再結晶あるいは再沈殿により、単離精製を行うことで、所望のサポニンを得ることができる。更に、カラムクロマトグラフィー、調製用TLC、液滴向流クロマトグラフィーで単離精製することができる。
後記実施例に示すように、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物又はそれらの抽出物、好ましくはそれらに含まれるサポニンは、消化管細胞からのGLP−1分泌を促進する作用を有する。従って、上記植物又はその抽出物は、GLP−1分泌促進に有用であり、これらには、グルカゴン分泌抑制、食欲抑制、肥満の予防又は改善、血圧降下、血管保護強化効果が期待できる(上記非特許文献1〜4)。
また、食後血糖上昇を継続的に抑制することにより、糖尿病が発症する割合が減少することが報告されている(Foods Food Ingredients J.Jpn.,310(12),2005)。従って、上記植物又はその抽出物は、食後高血糖の予防及び/又は改善、更には糖尿病やインスリン抵抗性等の疾患の予防及び/又は改善のために有用である。
従って、上記植物又はその抽出物は、GLP−1分泌促進剤、グルカゴン分泌抑制剤、食欲抑制剤、肥満の予防又は改善剤、食後高血糖の予防又は改善剤、糖尿病の予防又は改善剤、血圧降下剤、血管保護強化剤(以下、「GLP−1分泌促進剤等」とする)として、使用することができ、更にこれらの剤を製造するために使用することができる。
当該GLP−1分泌促進剤等は、それ自体、ヒトを含む動物に摂取又は投与した場合にGLP−1分泌促進、グルカゴン分泌抑制、食欲抑制、肥満の予防又は改善、食後高血糖の予防又は改善、糖尿病の予防又は改善、血圧降下、血管保護強化の各効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、又は飼料であってもよく、或いは当該医薬品、医薬部外品、食品又は飼料に配合して使用される素材又は製剤であってもよい。
また、当該食品には、運動不足者や中高年者等におけるGLP−1分泌促進、グルカゴン分泌抑制、食欲抑制、肥満の予防又は改善、食後高血糖の予防又は改善、及び糖尿病の予防又は改善、血圧降下、血管保護強化をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品が包含される。これらの食品は機能表示が許可された食品であるため、一般の食品と区別することができる。
上記植物又はその抽出物を含有する上記医薬品(医薬部外品も含む)の剤型は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、静脈内注射剤、筋肉注射剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤、湿布剤、バップ剤、軟膏、ローション、クリーム、口腔用製剤(歯磨剤、液状歯磨剤、洗口液、歯肉マッサージクリーム、口腔用軟膏、うがい用錠剤、トローチ、のど飴等)等のいずれかでもよい。投与形態も経口投与(内用)、非経口投与(外用、注射)のいずれであってもよい。
また、このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、上記植物又はその抽出物を其々単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤、本発明以外の薬効成分等を適宜組み合わせて調製することができる。また、これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与であり、経口用液体製剤は、嬌味剤、緩衝剤、安定化剤等を加えて常法により調製することができる。
経口投与用製剤中の、上記植物又はその抽出物の含有量は、一般的に固形分濃度として好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。また、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。
上記植物又はその抽出物を含有する上記食品の形態としては、清涼飲料水、茶系飲料、コーヒー飲料、果汁飲料、炭酸飲料、ジュース、ゼリー、ウエハース、ビスケット、パン、麺、ソーセージ等の飲食品や栄養食等の各種食品の他、更には、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)の栄養補給用組成物が挙げられる。
種々の形態の食品は、上記植物又はその抽出物を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、本発明以外の有効成分等を適宜組み合わせて調製することができる。
当該食品飼料中の、上記植物又はその抽出物の含有量は、一般的に固形分濃度として好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。また、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。
また、飼料としては、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、犬、猫等に用いるペットフード等の飼料等が挙げられ、上記食品と同様の形態に調製できる。
本発明のGLP−1分泌促進剤等の摂取量は、対象の種、体重、性別、年齢、状態又はその他の要因に従って変動し得る。投与の用量、経路、間隔、及び摂取の量や間隔は、当業者によって適宜決定され得るが、成人に対して1日あたり、上記植物又はその抽出物(乾燥物換算)として、一般的に好ましくは20μg/60kg体重以上、より好ましくは200μg/60kg体重以上、更に好ましくは2mg/60kg体重以上、好ましくは1000mg/60kg体重以下、より好ましくは500mg/60kg体重以下、更に好ましくは200mg/60kg体重以下である。また、好ましくは20μg〜2000mg/60kg体重、より好ましくは200μg〜1000mg/60kg体重、更に好ましくは2〜5000mg/60kg体重である。
投与又は摂取対象者としては、病者又は健常者に関わらず、それを必要若しくは希望する人であれば特に限定されないが、運動不足者や中高年者が好ましい。また本発明のGLP−1分泌促進剤等は、糖尿病やインスリン抵抗性の患者だけでなく、糖尿病やインスリン抵抗性に罹患していない対象者、例えば、食後高血糖は高いが空腹時血糖に異常のない対象者、空腹時血糖は下げなくともよいが食後高血糖は低下させることが所望される対象者等に適用することができる。又は肥満患者だけでなく、太りやすい体質の者、又は適切な体重維持を望む者等に適用することができ、特にこれらの対象者において食欲旺盛な対象者が好ましい。また、高血圧患者、あるいは高血圧の予防又は当該発症のリスク低減を望む対象者等に適用することができる。更に、血管保護強化が必要な対象者、あるいは血管保護強化を望む対象者に適用することができる。
上述した実施形態に関し、本発明においては以下の態様が開示される。
<1>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とするGLP−1分泌促進剤。
<2>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とするグルカゴン分泌抑制剤。
<3>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする食欲抑制剤。
<4>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする肥満の予防又は改善剤。
<5>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする食後高血糖の予防又は改善剤。
<6>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする糖尿病の予防又は改善剤。
<7>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする血圧降下剤。
<8>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする血管保護強化剤。
<9>GLP−1分泌促進剤を製造するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<10>グルカゴン分泌抑制剤を製造するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<11>食欲抑制剤を製造するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<12>肥満の予防又は改善剤を製造するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<13>食後高血糖の予防又は改善剤を製造するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<14>糖尿病の予防又は改善剤を製造するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<15>血圧降下剤を製造するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<16>血管保護強化剤を製造するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<17>GLP−1分泌促進に使用するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物。
<18>グルカゴン分泌抑制に使用するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物。
<19>食欲抑制に使用するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物。
<20>肥満の予防又は改善に使用するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物。
<21>食後高血糖の予防又は改善に使用するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物。
<22>糖尿病の予防又は改善に使用するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物。
<23>血圧降下に使用するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物。
<24>血管保護強化に使用するための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物。
<25>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取するGLP−1分泌促進方法。
<26>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取するグルカゴン分泌抑制方法。
<27>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取する食欲抑制方法。
<28>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取する肥満の予防又は改善方法。
<29>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取する食後高血糖の予防又は改善方法。
<30>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取する糖尿病の予防又は改善方法。
<31>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取する血圧降下方法。
<32>ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取する血管保護強化方法。
<33>非治療的方法である、<25>〜<32>に記載の方法。
<34>GLP−1分泌促進のための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の非治療的使用。
<35>グルカゴン分泌抑制のための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の非治療的使用。
<36>食欲抑制のための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の非治療的使用。
<37>肥満の予防又は改善のための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の非治療的使用。
<38>食後高血糖の予防又は改善のための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の非治療的使用。
<39>糖尿病の予防又は改善のための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の非治療的使用。
<40>血圧降下のための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の非治療的使用。
<41>血管保護強化のための、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の非治療的使用。
<42>GLP−1分泌促進のための、機能性食品における、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<43>グルカゴン分泌抑制のための、機能性食品における、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<44>食欲抑制のための、機能性食品における、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<45>肥満の予防又は改善のための、機能性食品における、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<46>食後高血糖の予防又は改善のための、機能性食品における、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<47>糖尿病の予防又は改善のための、機能性食品における、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<48>血圧降下のための、機能性食品における、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<49>血管保護強化のための、機能性食品における、ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物の使用。
<50>GLP−1分泌促進、グルカゴン分泌抑制、食欲抑制、肥満の予防又は改善、又は食後高血糖の予防又は改善、血圧降下、血管保護強化を要するヒト若しくは望むヒトを対象者とする、<25>〜<32>記載の方法。
<51>非治療的に使用するための、<17>〜<24>に記載の植物又はそれらの抽出物。
製造例1:ツキヌキサイコ抽出物の調製
ツキヌキサイコ(セリ科ミシマサイコ属 突抜柴胡Bupleurum rotundifolium、Monteagle Herbs社より購入)根の細断物100gに80vol%エタノール1Lを加え、25℃にて10日間抽出を行った後、ろ過した。減圧下、溶媒を留去、25℃で乾燥させて抽出固形物を得た。得られた抽出固形物に、水500mL及び水飽和n−ブタノール500mLを加え、分液ロートで振り混ぜた後静置し、分層させた。このうち上層(n−ブタノール層)を分離し、減圧下、溶媒を留去して、サポニンを含む抽出物を得た。得られた抽出物に対し、固形分量1gあたり100mLのアセトンを加え、25℃にて30分間撹拌して、ろ過した。ろ紙に残った固形物を乾燥させてツキヌキサイコ抽出物1.4gを得た。
製造例2:シカカイ抽出物の調製
上述と同様の方法で、シカカイ(マメ科アカシア属 Acacia concinna、Monteagle Herbs社より購入)根の細断物100gをとり80vol%エタノール1Lを加え、25℃にて10日間抽出を行った後ろ過した。減圧下、溶媒を留去、25℃で乾燥させて抽出固形物を得た。得られた抽出固形物に水500mL及び水飽和n−ブタノール500mLを加え、分液ロートで振り混ぜた後静置し、分層させた。このうち上層(n−ブタノール層)を分離し、減圧下、溶媒を留去し、サポニンを含む抽出物を得た。得られた抽出物に対し、固形分量1gあたり100mLのアセトンを加え、25℃にて30分間撹拌して、ろ過した。ろ紙に残った固形物を乾燥させシカカイ抽出物4.8gを得た。
上記製造例1、2で得られた抽出物を、50%エタノール水により抽出物濃度1%(w/v)となるように希釈し、試験サンプルとした。コントロールとしては、50%エタノール水を用いた。
NCI−H716細胞(ヒト結腸由来細胞;ATCC社)は37℃、5% CO2存在下で培養した。培養液は、RPMI1640(10%ウシ胎児血清含有、高グルコース;Invitrogen社)を用いた。上記細胞を、マトリゲル(100μL/well;BD社)をコーティングした24ウエルプレートに5×105cell/well(コントロールはN=12、サンプルはN=8)となるように播種し、DMEM(10%ウシ胎児血清含有、高グルコース;Invitrogen社)培地で培養した。3日後に当該培地を、上記製造例1、2で得られた抽出物を0.001%の濃度で含むKRB・0.2%BSAに交換し、2時間培養した後、培地を回収した。培地はdiprotin−A(DPP4阻害剤、Sigma社)及びアプロチニン(セリンプロテアーゼ阻害剤、和光純薬工業社)を加えた微量遠心管に回収し、浮遊した細胞を除去した後、GLP−1定量まで−80℃で保存した。培地中GLP−1はGLUCAGON−LIKE PEPTIDE−1(ACTIVE) ELISA KITを用いたELISA(LINCO Research)により定量した。その結果を表1及び図1に示す。
表1及び図1より、ツキヌキサイコ、シカカイ由来抽出物は0.001%の濃度で有意にGLP−1分泌を促進した(*p<0.05、***p<0.001)。

Claims (9)

  1. ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とするGLP−1分泌促進剤。
  2. ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とするグルカゴン分泌抑制剤。
  3. ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする食欲抑制剤。
  4. ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする肥満の予防又は改善剤。
  5. ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする食後高血糖の予防又は改善剤。
  6. ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする糖尿病の予防又は改善剤。
  7. ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする血圧降下剤。
  8. ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分とする血管保護強化剤。
  9. ツキヌキサイコ及びシカカイから選ばれる植物、又はそれらの抽出物を有効成分として摂取する、非治療的GLP−1分泌促進方法、非治療的グルカゴン分泌抑制方法、非治療的食欲抑制方法、非治療的肥満の予防若しくは改善方法、又は非治療的糖尿病の予防若しくは改善方法、非治療的血圧降下方法、又は非治療的血管保護強化方法。
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