JP2014089505A - 他車検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤認識を抑制しつつ、他車を正確に検出することのできる他車検出装置を提供すること。
【解決手段】ECU(12)の横速度算出部(14)は、ミリ波レーダ(2)により複数の静止物の横速度VxstatN及び縦方向距離DystatNを取得し(S1)、当該各静止物の角速度θstatNを算出し(S2)、さらに平均値θstatmeanを求め(S3)、当該平均値を自車角速度θegoとして設定する(S4)。また横速度算出部は、ミリ波レーダにより他車の横速度Vxmo及び縦方向距離Dymoを取得し(S5)、自車角速度に基づき他車の補正横速度Vxcorrectを算出して(S6)、当該補正横速度を用いて他車の横速度から真の横速度Vxmotrueを算出する(S7)。
【選択図】図2

Description

本発明は、自車の前方を走行する他車を検出する他車検出装置に関する。
近年、自車両(自車)前方の先行車両(他車)や障害物を検知して、当該先行車両に追従走行するいわゆるアダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)や、先行車両等との衝突が予測される際に警告したり、自動的にブレーキを作動させる等して衝突を回避する緊急自動制動装置が開発されている。
このようなシステムでは、主にミリ波レーダやレーザレーダ等のレーダ装置やカメラ等のセンサを用いて先行車両等を検知し、当該先行車両等の動きや自車両との距離等を検出している。また、カーブ路を走行中等、自車両が旋回している際にも先行車両との位置関係を把握すべく、自車両のヨー角度を計測するジャイロセンサ(ヨーレートセンサ)を備えている。
しかし、ジャイロセンサなどヨー角度方向を計測するセンサにオフセット(ずれ)が生じた場合、そのオフセット分だけ先行車両の位置を誤って検出してしまい、各システムの誤動作を招くおそれがある。
そこで、ミリ波レーダにより検知した先行車両の横方向の位置データの動きを一定時間の間計測し、その変動が一定値以下である場合は、直線路走行中であると判断し、自車のヨー角度方向の値を中立点に算出する設定が知られている(特許文献1参照)。
特開2007−280144号公報
しかしながら、ジャイロセンサは上記特許文献1のように補正が必要な上、自車両が旋回しなければ自車のヨー角度を検出できず、またレーダ装置等の反応比べて自車の旋回に対して反応遅れも生じるという問題ある。
一方、ミリ波レーダ等のレーダ装置は、自車両の進行方向(縦方向)に対する動きに対しては比較的精度良く検出することができるが、横方向の動きに対する精度が比較的低く、旋回中の先行車両の位置や速度を正確に判別できない場合がある。また、レーダ装置は、例えば道路上方を跨ぐ標識や、料金所等の構造体を自車の走行経路上にある障害物と誤認識し、走行上の障害物なり得ない物体を障害物(いわゆるゴースト)として検出するという問題もある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、誤認識を抑制しつつ、他車を正確に検出することのできる他車検出装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の他車検出装置では、自車の前方を走行する他車を検出する他車検出装置であって、前記自車の周囲にある物体を検知し、当該物体の自車に対する相対距離及び相対速度を検出する周辺物体検出手段と、前記周辺物体検出手段により検出された物体のうち静止物について、当該静止物の相対距離における縦方向距離及び当該静止物の相対速度における横速度を特定し、当該静止物における縦方向距離に対する当該静止物の位置と当該静止物の横速度とから単位時間当たりの当該静止物の角速度を算出する静止物角速度算出手段と、前記静止物角速度算出手段により算出された前記静止物の角速度に基づき自車の角速度を算出する自車角速度算出手段と、前記周辺物体検出手段により検出された物体のうち移動物である他車について、当該他車の相対距離における縦方向距離及び当該他車の相対速度における横速度を特定し、前記自車角速度算出手段により算出された前記自車の角速度及び当該他車の縦方向距離から当該他車に対する補正横速度を算出し、当該補正横速度を用いて当該他車の横速度を補正して当該他車の真の横速度を算出する他車横速度算出手段と、前記他車横速度算出手段により算出された前記他車の真の横速度を用いて当該他車の走行状態を推定する他車走行状態推定手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項2の他車検出装置では、請求項1において、前記静止物角速度算出手段は、複数の静止物における前記角速度を算出し、前記自車角速度算出手段は、前記複数の静止物における角速度を平均した角度を自車の角速度として算出することを特徴としている。
請求項3の他車検出装置では、請求項2において、前記他車横速度算出手段は、前記複数の静止物における角速度の標準偏差を算出し、当該標準偏差に基づき角速度の誤差範囲を設定し、前記他車における縦方向距離に対する当該静止物の位置と当該静止物の横速度とから算出される単位時間当たりの当該他車の角速度が当該誤差範囲外である場合は、当該他車を検出対象から除外することを特徴としている。
請求項4の他車検出装置では、請求項1から3のいずれかにおいて、前記他車横速度算出手段は、前記他車における縦方向距離に対する当該静止物の位置と当該静止物の横速度とから算出される単位時間当たりの当該他車の角速度に対する誤認識用の閾値を予め設定し、前記他車の角速度が当該誤認識用の閾値以上である場合は、当該他車を検出対象から除外することを特徴としている。
請求項5の他車検出装置では、自車の前方を走行する他車を検出する他車検出装置であって、前記自車の周囲にある物体を検出する周辺物体検出手段と、前記周辺物体検出手段により検出された物体のうち静止物について、当該静止物の相対距離における縦方向距離及び当該静止物の相対速度における横速度を特定し、当該静止物における縦方向距離に対する当該静止物の位置と横速度から単位時間当たりの当該静止物の角速度を算出する静止物角速度算出手段と、前記静止物角速度算出手段により算出された前記静止物の角速度に基づき自車の角速度を算出する自車角速度算出手段と、を備えたことを特徴としている。
上記手段を用いる本発明の請求項1の他車検出装置によれば、周辺物体検出手段により検出される自車の周囲にある静止物の縦方向距離と横速度とから静止物角速度を算出し、この静止物角速度から自車の角速度を算出する。そして、当該自車の角速度から他車に対する補正横速度を算出し、当該補正横速度を用いて周辺物体検出手段により検出される他車の横速度を補正して当該他車の真の横速度を算出し、当該真の横速度に基づいて当該他車の走行状態を推定することとする。
このように、ジャイロセンサ(ヨーレートセンサ)等のヨー角度を直接検出するセンサ等を用いることなく、周辺物体検出手段により検出される静止物から自車の角速度を算出することで、自車の旋回運動に応じた他車の真の横速度を算出することができる。周辺物体検出手段に基づく情報のみで他車の真の横速度まで算出することから、ジャイロセンサよりも応答が速く、且つ精度良く他車の真の横速度を算出することができる。
また、周辺物体検出手段により検出された静止物の相対距離及び相対速度を基準に他車の真の横速度を算出することから、周辺物体検出手段の取付位置のずれ等の影響を受けることなく、他車の真の横速度を算出することができる。 これらのことから、誤認識を抑制しつつ、他車を正確に検出することができる。
請求項2の他車検出装置によれば、複数の静止物における角速度を算出し、これらの角速度の平均した角度を自車の角速度として算出することとする。これにより、自車の角速度を正確に算出することができ、ひいてはより正確に他車の真の横速度を算出することができる。
請求項3の他車検出装置によれば、静止物の角速度の標準偏差に基づき角速度の誤差範囲を設定し、他車の角速度が当該誤差範囲外である場合は、当該他車を検出対象から除外することとしている。このように基準から極端に外れた角速度である他車を除外することで、周辺物体検出手段による他車の誤認識を抑制することができる。
請求項4の他車検出装置によれば、他車の角速度に対して予め誤認識用の閾値を設定しておき、他車の角速度が当該誤認識用の閾値以上である場合は、当該他車を検出対象から除外することとしている。このように基準から極端に外れた角速度である他車を除外することで、周辺物体検出手段による他車の誤認識を十分に抑制することができる。
請求項5の他車検出装置によれば、周辺物体検出手段により検出される自車の周囲にある静止物の縦方向距離と横速度とから静止物角速度を算出し、この静止物角速度から自車の角速度を算出する。これにより、ジャイロセンサ(ヨーレートセンサ)等のヨー角度を直接検出するセンサ等を用いることなく、周辺物体検出手段により検出される静止物から自車の角速度を正確に取得することができ、ひいては他車との位置関係を精度良く算出することができる。
本発明の実施形態に係る他車検出装置を有する緊急自動制動装置の概略構成を表したブロック図である。 ECUの横速度算出部において実行される他車の真の横速度算出制御ルーチンを示すフローチャートである。 他車の真の横速度の算出方法についての説明図である。 ミリ波レーダの取付位置にずれがある場合の説明図である。 本実施形態の変形例として横速度算出部において実行される他車の誤認識検出制御ルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る他車検出装置を有する緊急自動制動装置の概略構成を表したブロック図であり、以下、同図に基づき本実施形態の構成について説明する。
図1に示す本実施形態に係る他車検出装置は車両の緊急自動制動装置に用いられるものであり、当該緊急自動制動装置は、主として、ミリ波レーダ2(周辺物体検出手段)、車速センサ4、警告灯6、警報器8、ブレーキ装置10、及び緊急自動制動装置用の電子コントロールユニット(以下、単にECUという)12から構成されている。
ミリ波レーダ2は、自車の車体前部中央位置に設置され、ミリ波帯の電波を用いて自車の周囲にある物体を検知し、当該物体の自車に対する相対距離及び相対速度を検出するものである。なお、この他車の車速には前後方向及び横方向の車速が含まれている。
車速センサ4は自車の車軸の回転数から車速を検出するものである。
警告灯8及び警報器10は自車の運転席に設けられており、警告灯8は点灯することにより、警報器10は警報音又は音声により、それぞれ乗員への注意喚起を行うものである。
ブレーキ装置10は、自車の各タイヤに設けられており、制動力を発生させるものである。
ECU12は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成されている。当該ECU12の入力側には、ミリ波レーダ2、及び車速センサ4等のセンサ類が電気的に接続されており、これら各種センサ類により検出された各検出情報が入力される。そして、ECU12はこれらの各検出情報に基づき、出力側に接続された警告灯6、警報器8、及びブレーキ装置10等の各種装置の制御を行うものである。
詳しくは、ECU12は図1に示すように、横速度算出部14、走行軌跡推定部16(他車走行状態推定手段)、衝突予測制御部18から構成されている。なお、以下の説明において、横方向とは自車の幅方向に沿った方向、縦方向とは自車の進行方向に沿った方向とし、横速度とは相対速度における横方向成分の速度をいい、縦方向距離とは縦方向成分の距離をいう。
ミリ波レーダ2により検出される自車の周囲の物体情報は、横速度算出部14及び走行軌跡推定部16に入力され、車速センサ4により検出される自車の車速情報は走行軌跡推定部16に入力される。
横速度算出部14については、詳しくは後述するが、ミリ波レーダ2により検出された物体情報から自車の前方を走行する他車の真の横速度を算出し、当該真の横速度情報を走行軌跡推定部16に出力するものである。また、当該横速度算出部14では、ミリ波レーダ2により検出された静止物の横速度や、自車の横速度に関する情報も算出され、これらの情報も走行軌跡推定部16へ出力される。
走行軌跡推定部16は、入力された他車の真の横速度と、ミリ波レーダ2からの情報より得られる当該他車の縦速度及び相対距離から他車の走行軌跡を推定するものである。また当該走行軌跡推定部16は、自車の車速及び進行方向等から自車の走行軌跡も推定する。これら自車及び他車の走行軌跡情報は衝突予測制御部18に入力される。
衝突予測制御部18は、入力された自車及び他車の走行軌跡情報から自車と他車とが衝突するまでの衝突予測距離又は衝突予測時間を算出し、衝突の可能性の度合いに応じて、警告灯6、警報器8、及びブレーキ装置10を制御する。例えば衝突予測距離が近づく毎に警告灯8の点灯及び警報器10による警報の開始、ブレーキ装置10により比較的弱い制動力を作用させる緩制動、ブレーキ装置10により比較的強い制動力を作用させる緊急制動等を行い、他車との衝突を回避するための制御を行う。
このように構成されたECU12において、横速度算出部14は、静止物検出部20(静止物角速度算出手段)、静止物角速度算出部22(静止物角速度算出手段)、自車角速度算出部24(自車角速度算出手段)、他車検出部26(他車横速度算出手段)、他車横速度算出部28(他車横速度算出手段)を有している。
静止物検出部20は、ミリ波レーダ2により検出された物体のうち、1又は複数(例えばN個)の建築物、標識、ガードレール等の静止物PstatNを選択し、当該静止物PstatNの自車との相対距離における縦方向距離DystatN及び自車との相対速度における横速度VxstatNを特定するものである。そして、静止物検出部20は、これら静止物PstatNの各情報を静止物角速度算出部22に出力する。
静止物角速度算出部22は、入力された各静止物の横速度VxstatNと縦方向距離DystatNとから、単位時間当たりの各静止物の角速度(ヨーレート)である静止物角速度θstatNを算出するものである。そして、静止物角速度算出部22は、算出した静止物角速度θstatNを自車角速度算出部24に出力する。
自車角速度算出部24は、まず入力された各静止物の角速度θstatNの平均値θstatmeanを算出するものである。さらに、自車角速度算出部24は、この平均値θstatmeanを自車における角速度θegoとして設定するものである。なお、ミリ波レーダ2により検出された静止物が1つである場合は、入力された角速度θstatをそのまま自車角速度θegoとして設定する。そして、自車角速度算出部24は自車角速度θegoを他車横速度算出部28に出力する。
一方、他車検出部26は、ミリ波レーダ2により検出された物体のうち、移動物である他車Pmoを検出し、当該他車Pmoの自車との相対距離における縦方向距離Dymo及び自車との相対速度における横速度Vxmoを特定するものである。なお、当該他車検出部26は、他車が複数存在する場合には、各他車毎の縦方向距離Dymo及び横速度Vxmoを特定する。そして、当該他車検出部26は、これら他車Pmoの各情報を他車横速度算出部28に出力する。
他車横速度算出部28は、他車検出部26から出力された他車の縦方向距離DystatNと、自車角速度算出部24から出力された自車角速度θegoとに基づき他車の補正横速度Vxcorrectを算出するものである。さらに、他車横速度算出部28は、算出した補正横速度Vxcorrectを用いて、他車検出部26から出力された他車の横速度Vxmoを補正して他車の真の横速度Vxmotrueを算出するものである。そして、当該他車横速度算出部28は、算出した他車の真の横速度Vxmotrue情報を上記走行軌跡推定部16に出力する。
以下、このように構成されたECU12の横速度算出部14において実行される他車の真の横速度算出制御について、詳しく説明する。
図2はECU12の横速度算出部14において実行される他車の真の横速度算出制御ルーチンを示すフローチャートであり、図3は他車の真の横速度の算出方法についての説明図であり、以下図3の具体例を参照しつつ図2のフローチャートに沿って他車の真の横速度の算出手順について説明する。
なお、図3では、自車はカーブ路を走行中であり、自車はカーブ路に沿って前方に進行しているとともに旋回運動をしている。ミリ波レーダ2は自車の進行方向を中心に自車前方の周辺の物体を検出している。
ECU12は、衝突予測制御を行う際、横速度算出部14の静止物検出部20において、図2のステップS1に示すように、ミリ波レーダ2から静止物の横速度VxstatN及び縦方向距離DystatN情報を取得する。例えば図3に示す具体例の場合、自車はミリ波レーダ2により検出された物体のうち、3つの静止物Pstat1、Pstat2、Pstat3を選択する。自車は旋回運動をしていることから、各静止物は自車の旋回運動に応じて横速度が生じており、静止物検出部20はこれら各静止物の横速度Vxstat1、Vxstat2、Vxstat3及び縦方向距離Dystat1、Dystat2、Dystat3の情報を取得する。
続いて図2のステップS2においては、静止物角速度算出部22が下記式(1)に基づき単位時間当たりの各静止物の角速度θstatNを算出する。
θstatN=tan-1(VxstatN×t/DystatN)・・・(1)
単位時間をt=1とすると、静止物の角速度θstatNは図3に示すように、各静止物における縦方向距離Vxstat1〜3と横速度Dystat1〜3とで直角をなす直角三角形の斜辺(鎖線)と縦方向距離Vxstat1〜3との間の角度に相当する。
次に図2のステップS3においては、自車角速度算出部24が各静止物の角速度θstatNの平均値θstatmeanを算出する。つまり、自車に対する静止物の位置関係やミリ波レーダ2の精度等に応じて各静止物の検出値にはばらつきがあることから、各静止物の角速度θstatNを平均することでばらつきの影響を抑えることとしている。図3の場合であれば、θstatmean=(θstat1+θstat2+θstat3)/3となる。
また、図2のステップS4においては、自車角速度算出部24がステップS3において算出した平均値θstatmeanを自車角速度θegoとして設定する。静止物の横速度は自車の旋回運動に対応していることから、静止物角速度の平均値を自車角速度とすることで、自車の旋回度合い、即ちヨーレートに相当する値が算出されることとなる。なお、単位時間をt=1secとすると単位時間当たりのヨー角度は自車角速度θego×時間(t=1)=θegoとなる。
続く図2のステップS5においては、他車検出部26が、ミリ波レーダ2から他車の横速度Vxmo及び縦方向距離Dymo情報を取得する。図3においては、他車は自車の前方において自車と同じカーブ路を走行している。他車検出部26はミリ波レーダ2により検出された物体のうち、移動体である当該他車Pmoを特定し、当該他車の横速度Vxmo及び縦方向距離Dymoの情報を取得する。
図2のステップS6においては、他車横速度算出部28が、ステップS4において算出した自車角速度θego及びステップS5において取得した他車の縦方向距離Dymoに基づき、下記式(2)により、他車の補正横速度Vxcorrectを算出する。
Vxcorrect=Dymotan(θego)・・・(2)
そして、ステップS7において、他車横速度算出部28が、ミリ波レーダ2により検出された他車の横速度Vxmoから補正横速度Vxcorrectを減算することで(Vxmotrue=Vxmo−Vxcorrect)、他車の真の横速度Vxmotrueを算出する。
これは図3に示すように、ミリ波レーダ2により検出される他車の横速度Vxmoは、自車の旋回に基づく横速度の影響を受けた値であることから、他車の位置Pmoにおいて自車の旋回に起因する横速度成分である補正横速度Vxcorrectを排除することで他車の真の横速度Vxmotrue(白抜矢印)を算出するものである。
ECU12の横速度算出部14は、上記ステップS7において算出された他車の真の横速度Vxmotrue情報を走行軌跡推定部16に出力した後、当該制御ルーチンをリターンして上記ステップS1〜S7を繰り返す。
ECU12はこのように横速度算出部14において算出された他車の真の横速度Vxmotrueに基づいて他車の走行軌跡を推定することで、より正確に当該他車の走行軌跡を推定し、他車との衝突を予測することができる。
以上のように、ジャイロセンサ(ヨーレートセンサ)等のヨー角度を直接検出するセンサ等を用いることなく、ミリ波レーダ2により検出される静止物から自車の角速度θegoを算出することで、自車の旋回運動に応じた他車の真の横速度Vxmotrueを算出することができる。ミリ波レーダ2に基づく情報のみで他車の真の横速度Vxmotrueまで算出することから、ジャイロセンサよりも応答が速く、且つ精度良く他車の真の横速度Vxmotrueを算出することができる。
また、本実施形態では、複数の静止物の角速度θstatNの平均を求め、当該平均値θstatmeanを自車の角速度θegoとして設定していることで、ばらつきの少ない高い精度の自車の角速度θegoを算出することができ、ひいてはより正確に他車の真の横速度xmotrueを算出することができる。
さらに、ミリ波レーダ2により検出された静止物の相対距離及び相対速度を基準に他車の真の横速度Vxmotrueを算出することから、ミリ波レーダ2の取付位置のずれ等の影響を受けることなく、他車の真の横速度を算出することができる。
例えば図4には、ミリ波レーダの取付位置にずれがある場合の説明図が示されている。同図では、ミリ波レーダ2の取付角度等の関係からミリ波レーダ2の電波照射中心方向(y軸方向)(以下、レーダ中心という)が自車の進行方向(yego軸方向)よりも左側にずれている。なお、当該図5では自車は旋回運動をしておらず、直進しているものとする。自車が直進している場合、本来、静止物Pstat1〜3は自車に対して、自車の進行方向と平行に相対移動するのみで横速度は生じない。しかし、図5に示すようにミリ波レーダ2のレーダ中心がずれていると自車が直進しているにも関わらず、各静止物の横速度θstat1〜3が検出されることとなる。
しかし、本実施形態におけるECU12の横速度算出部14は、静止物の角速度θstatNの平均値θstatmeanを自車角速度θegoとして設定しており、当該自車角速度θegoがレーダ中心と自車の進行方向とのずれの角度に相当することなる。そして、当該自車角速度θegoにより算出される補正横速度Vxcorrectにより他車の横速度Vxmoを補正することで、レーダ中心のずれが補正され他車の真の横速度Vxmotrue(白抜矢印)が算出されることとなる。なお、レーダ中心のずれにより縦方向の距離や横速度の方向にも多少のずれが生じるが、ミリ波レーダ2等のレーダ装置は通常縦方向の計測精度は横方向に比べて優れており、横速度の方向のずれも微少であり、影響は少ない。
このように、本実施形態に係る他車検出装置によれば、ミリ波レーダ2のずれも許容することができる。以上のことから、本実施形態に係る他車検出装置は、誤認識を抑制しつつ、他車を正確に検出することができる。
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に下記変形例に示す要素を追加してもよい。
当該変形例は、上記ECU12の横速度算出部14における他車横速度算出部28において、他車の誤認識検出制御を行うこととする。
詳しくは図5に横速度算出部14において実行される他車の誤認識検出制御ルーチンを示したフローチャートが示されており、以下同フローチャートに沿って他車の誤認識検出制御について説明する。
当該他車の誤認識検出制御は、図2で示したフローチャートのステップS7における他車の真の横速度Vxmotrueの算出後に行われる。
まず、ECU12は他車横速度算出部28において、図5のステップS20として、下記式(3)のように標準偏差に基づき自車角速度の誤差範囲εを算出する。
ε=θego±nσ・・・(3)
当該式(3)のσは各静止物の角速度の平均値θstatmeanにおける標準偏差であり、要求する精度に応じてnを任意の数(例えばn=3)に設定することで、自車角速度θegoから±nσの範囲の誤差範囲εを設定することとなる。
次にステップS21においては、他車横速度算出部28が、静止物の角速度と同様に、下記式(4)により、他車の角速度θmoを算出する。
θmo=tan-1(Vxmo/Dymo)・・・(4)
また、ステップS22においては他車横速度算出部28が、他車の角速度θmoが誤差範囲内であるか否か(ε-<θmo<ε+)を判別する。当該判別結果が真(Yes)である場合、即ち他車の角速度θmoが誤差範囲内である場合は、次のステップS23に進む。
ステップS23では、他車横速度算出部28に予めミリ波レーダ2による物体の誤認識、いわゆるゴーストに関する判定閾値εghostが記憶されており、当該他車横速度算出部28は、角速度θmoの絶対値が当該判定閾値εghostより小であるか否かを判別することで、ミリ波レーダ2により検出された他車がゴーストであるか否かを判別する。なお、当該判定閾値εghostは、|εghost|>|nσ|の関係にある。
上記ステップS22及びステップS23の判別結果のいずれかが偽(No)である場合、即ち他車の角速度θmoが誤差範囲外又はゴースト判定閾値以上である場合には、ステップS24に進む。
ステップS24では、ミリ波レーダ2により検出された他車は誤認識であると判断して、上記図2のステップS7で算出した他車の真の横速度Vxmotrueを無効(Vxmotrue=0)とすることで、当該他車を検出対象から除外する。
一方、ステップS23の判別結果が真(Yes)である場合、即ち他車の角速度θmoの絶対値がゴースト判定閾値εghostより小である場合には、ステップS25に進む。
ステップS25において、他車横速度算出部28は、上記図2のステップS7で算出した他車の真の横速度Vxmotrueは有効であるものとして、当該真の横速度Vxmotrueを走行軌跡推定部16に出力する。
上記ステップS24、S25の処理後は上記図2のステップS1にリターンする。
以上のように、当該変形例では、複数の静止物角速度θstatNを利用して標準偏差σを求め、当該標準偏差σに基づき誤差範囲εを算出してミリ波レーダ2により検出された他車の角速度θmoのばらつきを除外する。さらに、ゴースト判定閾値εghostによりゴーストと判断できる他車を除外する。このように基準から極端に外れた角速度である他車を除外することで、ミリ波レーダ2による他車の誤認識をより十分に抑制することができる。
さらに、本発明の形態は上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、本実施形態は、ミリ波レーダ2を用いて自車周囲の物体を検出しているが、これに限定するものではなく、レーザレーダや超音波レーダ等の自車に対する他車の位置関係を検出できるものであれば、他のレーダ装置を用いてもよい。
また、上記実施形態では、他車との衝突の可能性がある場合に、ブレーキ装置10を作動させることにより車両を減速させ衝突の回避及び被害を軽減するようにしているが、ブレーキ装置10の代わり或いはこれと一緒に衝突時に乗員のシートベルトを巻き取るシートベルトプリテンショナを備えてもよく、このシートベルトプリテンショナを制御することにより乗員を保護することもできる。さらに、アクセルやステアリング等の他の装置も用いて自車と他車との衝突を回避するよう自車の走行を制御しても構わない。
2 ミリ波レーダ(周辺物体検出手段)
4 車速センサ
6 警告灯
8 警報器
10 ブレーキ装置
12 ECU
14 横速度算出部
16 走行軌跡推定部(他車走行状態推定手段)
18 衝突予測制御部
20 静止物検出部
22 静止物角速度算出部(静止物角速度算出手段)
24 自車角速度算出部(自車角速度算出手段)
26 他車検出部
28 他車横速度算出部(他車横速度算出手段)

Claims (5)

  1. 自車の前方を走行する他車を検出する他車検出装置であって、
    前記自車の周囲にある物体を検知し、当該物体の自車に対する相対距離及び相対速度を検出する周辺物体検出手段と、
    前記周辺物体検出手段により検出された物体のうち静止物について、当該静止物の相対距離における縦方向距離及び当該静止物の相対速度における横速度を特定し、当該静止物における縦方向距離に対する当該静止物の位置と当該静止物の横速度とから単位時間当たりの当該静止物の角速度を算出する静止物角速度算出手段と、
    前記静止物角速度算出手段により算出された前記静止物の角速度に基づき自車の角速度を算出する自車角速度算出手段と、
    前記周辺物体検出手段により検出された物体のうち移動物である他車について、当該他車の相対距離における縦方向距離及び当該他車の相対速度における横速度を特定し、前記自車角速度算出手段により算出された前記自車の角速度及び当該他車の縦方向距離から当該他車に対する補正横速度を算出し、当該補正横速度を用いて当該他車の横速度を補正して当該他車の真の横速度を算出する他車横速度算出手段と、
    前記他車横速度算出手段により算出された前記他車の真の横速度を用いて当該他車の走行状態を推定する他車走行状態推定手段と、を備えたことを特徴とする他車検出装置。
  2. 前記静止物角速度算出手段は、複数の静止物における前記角速度を算出し、
    前記自車角速度算出手段は、前記複数の静止物における角速度を平均した角度を自車の角速度として算出することを特徴とする請求項1記載の他車検出装置。
  3. 前記他車横速度算出手段は、前記複数の静止物における角速度の標準偏差を算出し、当該標準偏差に基づき角速度の誤差範囲を設定し、前記他車における縦方向距離に対する当該静止物の位置と当該静止物の横速度とから算出される単位時間当たりの当該他車の角速度が当該誤差範囲外である場合は、当該他車を検出対象から除外することを特徴とする請求項2記載の他車検出装置。
  4. 前記他車横速度算出手段は、前記他車における縦方向距離に対する当該静止物の位置と当該静止物の横速度とから算出される単位時間当たりの当該他車の角速度に対する誤認識用の閾値を予め設定し、前記他車の角速度が当該誤認識用の閾値以上である場合は、当該他車を検出対象から除外することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の他車検出装置。
  5. 自車の前方を走行する他車を検出する他車検出装置であって、
    前記自車の周囲にある物体を検出する周辺物体検出手段と、
    前記周辺物体検出手段により検出された物体のうち静止物について、当該静止物の相対距離における縦方向距離及び当該静止物の相対速度における横速度を特定し、当該静止物における縦方向距離に対する当該静止物の位置と横速度から単位時間当たりの当該静止物の角速度を算出する静止物角速度算出手段と、
    前記静止物角速度算出手段により算出された前記静止物の角速度に基づき自車の角速度を算出する自車角速度算出手段と、
    を備えたことを特徴とする他車検出装置。
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