JP2014089259A - 液晶表示装置 - Google Patents

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充弘 村田
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Abstract

【課題】 マルチV−T化することで視野角特性が向上するとともに、最大透過率の低下を充分に防止する液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 第1基板と、第2基板と、液晶層とを備える液晶表示装置であって、該第1基板は、複数の線状部分を含む、複数の櫛歯又はスリットを有する第1電極と、面状の第2電極とを有し、該第2基板は、面状の第3電極を有し、該液晶層に含まれる液晶分子は、各電極からなる群より選択される少なくとも1種の電極によって発生する電界により駆動され、該液晶表示装置は、更に、画素内の複数の領域で、電圧無印加時に異なる誘電率を有する誘電体層を備え、該誘電体層は、基板主面を平面視したときに、各電極のそれぞれの少なくとも一部と重畳し、該誘電体層の誘電率は、該電界で発生する電圧によって変化するとともに、液晶表示装置に印加する電圧が大きくなるほど、該複数の領域における誘電率が互いに漸次近づく液晶表示装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶表示装置に関する。より詳しくは、画素内で異なる電圧−透過率特性を有する液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、一対のガラス基板等に液晶表示素子を挟持して構成され、薄型で軽量かつ低消費電力といった特長を活かして、モバイル用途や各種のモニター、テレビ等、日常生活やビジネスに欠かすことのできないものとなっている。近年においては、電子ブック、フォトフレーム、IA(Industrial Appliance:産業機器)、PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)、タブレットPC、スマートフォン用途等に幅広く採用されている。これらの用途において、液晶層の光学特性を変化させるための電極配置や基板の設計に係る各種モードの液晶表示装置が検討されており、例えば、以下が挙げられる。
一対の基板と、該一対の基板に挟持された液晶層とを備え、該液晶層に含まれる液晶分子の配向方位を横電界で制御して表示を行う垂直配向型の液晶表示素子であって、該横電界を発生させたときに、1個の画素内に、等電位線の形状が異なる少なくとも2個の領域が形成されるように、上記一対の基板の少なくとも一方における、平面視において該1個の画素の範囲内に、誘電率の異なる少なくとも2個の絶縁層を設けた液晶表示素子が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
互いに透過波長が異なる複数の色層が並列して設けられている第1の基板と、該第1の基板に対向した状態で該第1の基板に対して所定の間隔を具備して配置され、所定の電圧が印加された場合に所定の電界を発生させる第2の基板と、該第1の基板の該第2の基板側の面と該第2の基板の該第1の基板側の面とによって挟まれた部分に液晶が注入されることにより形成されている液晶層とを有し、該第2の基板において発生する電界が該液晶層に対して略平行であり、該電界によって表示が制御されるアクティブマトリクス液晶表示装置において、該液晶層の厚さは、該色層における透過波長によってそれぞれ異なるアクティブマトリクス液晶表示装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
電極を有する一対の基板を対向させ、その間に液晶を封入した液晶表示装置において、該一対の基板それぞれに絶縁層を設け、該一方の基板に設ける絶縁層と、他方の基板に設ける絶縁層とを互いに千鳥状に配置し、かつ、該一方の基板に設ける絶縁層と、他方の基板に設ける絶縁層とをストライプ状とし、所定長毎に折り返してジグザグに屈曲させた液晶表示装置が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
国際公開第2010/137213号 特開平10−133190号公報 特開2000−193977号公報
上述した通り、液晶表示装置において、電極配置等によって、液晶層の光学特性(例えば、電圧−透過率特性〔以下、V−T特性とも言う。〕)を変化させ、例えば、視野角特性を向上させることが望まれているが、画素内に異なるV−T特性を有する(以下、マルチV−T化とも言う。)液晶表示装置において、最大印加電圧における透過率(以下、最大透過率とも言う。)が低下するという問題が存在していた。
例えば、図13に示すような液晶表示パネル1211を備える液晶表示装置において説明する。該液晶表示パネル1211は、薄膜トランジスタ素子を備えるアクティブマトリックス基板(以下、TFT基板とも言う。)1212と、該TFT基板1212に対向するカラーフィルタ基板(以下、CF基板とも言う。)1213と、該TFT基板1212及び該CF基板1213に挟持された液晶層1222とを備えている。
上記液晶層1222に含まれる液晶分子1223は、電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向する。
上記TFT基板1212は、ガラス基板1214aと、該ガラス基板1214a上で該ガラス基板1214aの上記液晶層1222側に形成された面状の電極1215(例えば、画素電極)と、該電極1215上で該電極1215の該液晶層1222側に形成された誘電体層1219aと、該誘電体層1219a上で該誘電体層1219aの該液晶層1222側に形成された電極1216とを有している。ここで、該電極1215及び該電極1216は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)又はIZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)等の透明電極である。
上記CF基板1213は、ガラス基板1214bと、該ガラス基板1214b上で該ガラス基板1214bの上記液晶層1222側に形成されたカラーフィルタ層1220及びブラックマトリクス1221と、該カラーフィルタ層1220及び該ブラックマトリクス1221上で、該カラーフィルタ層1220及び該ブラックマトリクス1221の、該液晶層1222側に形成された面状の上記電極1217(例えば、共通電極)と、該電極1217上で該電極1217の該液晶層1222側に形成された、誘電体層1219a及び誘電体層1219bとを有している。ここで、該電極1217は、例えば、ITO又はIZO等の透明電極である。また、該誘電体層1219a及び該誘電体層1219bは、異なる誘電率を有しており、それぞれの厚さが略同一である。なお、「厚さが略同一である」とは、本発明の技術分野において厚さが同一であると言えるものであればよく、厚さが実質的に同一である場合を含む。
ここで、上記誘電体層1219a及び上記誘電体層1219bの誘電率を異なるものにすることで、上記液晶層1222内にかかる電界を部分的に制御し、該液晶層1222の厚さを変化させずにマルチV−T化することができる。しかしながら、上記液晶表示パネル1211において、V−T特性の異なる、つまり、視野角特性の異なる2つの領域(例えば、電界領域1224a及び電界領域1224bにそれぞれ対応する領域)において、各領域の最大透過率は、相対的に誘電体層の誘電率の低い方の領域で低下するため、画素内での合計の透過率(例えば、該液晶表示パネル1211の最大透過率)が低下するという問題が存在していた。
上記特許文献1は、簡素な工程で製造可能で、視野角特性の優れた、横電界で駆動する液晶表示素子を開示している。しかしながら、上記特許文献1に記載の発明は、異なるV−T特性を有する各領域の最大透過率が相対的に誘電体層の誘電率の低い方の領域で低下し、画素内での合計の透過率が低下するという上記課題の解決に繋がっておらず、上記課題を解決するための工夫の余地があった。
また、上記特許文献2は、いずれの方向から見ても色付きのない良好な表示特性を有するアクティブマトリクス液晶表示装置を提供する、としている。しかしながら、上記特許文献2に記載の発明は、液晶層の厚さ(以下、セルギャップとも言う。)を変化させる手段に規制が大きく、当該手段を実行することが難しい。例えば、セルギャップを部分的に変更するためには、該セルギャップを変更したい部分に対応するCF基板上のカラーフィルタ層及びスペーサーの厚さを変更する(例えば、PS〔フォトスペーサー〕の厚さを変更する等)場合があるが、該カラーフィルタ層及び該スペーサーの厚さが部分的に異なるように形成することは、製造工程上の制御が困難であることから、上記課題を解決するための工夫の余地があった。
また、上記特許文献3は、視角特性が向上し、階調反転の発生を抑制する液晶表示装置を提供する、としている。しかしながら、上記特許文献3に記載の発明は、異なるV−T特性を有する各領域の最大透過率が相対的に誘電体層の誘電率の低い方の領域で低下し、画素内での合計の透過率が低下するという上記課題の解決に繋がっておらず、上記課題を解決するための工夫の余地があった。
よって、特別なセルギャップを形成せずに、電界を部分的に制御するだけで視野角特性を向上し、かつ、最大透過率を低下させない液晶表示装置は未だ望まれている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、マルチV−T化することで視野角特性が向上するとともに、最大透過率の低下を充分に防止する液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、マルチV−T化することで視野角特性が向上するとともに、最大透過率の低下を充分に防止する液晶表示装置について種々検討したところ、画素内の複数の領域で、電圧無印加時に異なる誘電率を有する誘電体層に着目した。そして、該液晶表示装置が有する電極によって発生する電界を該誘電体層に印加することで、該誘電体層の誘電率を変化させ、該液晶表示装置が有する液晶層に実質的にかかる実効的な駆動電圧を画素内で部分的に制御することで、マルチV−T化することが可能であるため、視野角特性が向上することを見出した。また、該誘電体層の誘電率が、該電界で発生する電圧によって変化するとともに、該液晶表示装置に印加する電圧が大きくなるほど、該複数の領域における誘電率が互いに漸次近づくように制御することで、該液晶表示装置の最大透過率の低下を充分に防止できることも見出し、これにより、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、第1基板と、該第1基板に対向する第2基板と、該第1基板及び該第2基板に挟持された液晶層とを少なくとも備える液晶表示装置であって、該第1基板は、第1電極、及び、第2電極を有し、該第2基板は、第3電極を有し、該第1電極は、複数の線状部分を含む、複数の櫛歯電極、又は、スリットを有する電極であり、該第2電極及び該第3電極は、面状の電極であり、該液晶層に含まれる液晶分子は、該第1電極、該第2電極、及び、該第3電極からなる群より選択される少なくとも1種の電極によって発生する電界により駆動され、該液晶表示装置は、更に、画素内の複数の領域で、電圧無印加時に異なる誘電率を有する誘電体層を備え、該誘電体層は、基板主面を平面視したときに、該第1電極の少なくとも一部、該第2電極の少なくとも一部、及び、該第3電極の少なくとも一部と重畳し、該誘電体層の誘電率は、該電界で発生する電圧によって変化するとともに、液晶表示装置に印加する電圧が大きくなるほど、該複数の領域における誘電率が互いに漸次近づく液晶表示装置であってもよい。
本発明に係る液晶表示装置としては、このような構成要素を必須として含む限り、その他の構成要素により特に限定されるものではなく、液晶表示装置に通常用いられるその他の構成を適宜適用することができる。
本発明の一態様によれば、マルチV−T化することで視野角特性が向上するとともに、最大透過率の低下を充分に防止する液晶表示装置を提供することができる。
実施形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの画素部の平面模式図である。 図1中の線分A−A’に対応する部分の断面を示す断面模式図である。 図2のより好ましい形態を示す断面模式図である。 実施例1−1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルについてのシミュレーションに用いた構成である。 誘電体層の異なる構成におけるV−T特性を示すグラフである。 誘電体層の異なる構成におけるガンマシフトの特性図である。 図6の高階調側を拡大したグラフである。 実施形態2に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。 実施形態3に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。 実施形態4に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。 比較形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。 比較例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルについてのシミュレーションに用いた構成である。 比較形態2に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。 PDLC層の作製方法を示す模式図である。 PDLC層の垂直電界方向の誘電率の電圧依存性を示すグラフである。
本発明に係る液晶表示装置における他の好ましい態様について、以下に説明する。なお、本発明に係る液晶表示装置の各種態様は、適宜組み合わせることができる。
本発明に係る液晶表示装置の一態様によれば、上記誘電体層の誘電率は、液晶表示装置の最大印加電圧時に、該誘電体層の複数の領域毎に略同一となるものであってもよい。
これにより、上記液晶層にかかる実効的な駆動電圧が画素内の複数の領域で略同一となるため、該複数の領域における最大透過率が略同一となる。よって、本発明に係る液晶表示装置の最大透過率の低下をより好適に防止することができる。また、「液晶表示装置の最大印加電圧」とは、液晶表示装置の透過率が最大と言える時の液晶表示装置への印加電圧のことを言い、液晶表示装置の透過率が実質的に最大である時の印加電圧を含む。また、本明細書中、液晶表示装置に印加する電圧とは、通常、表示時に液晶を駆動するための電圧(画素電極に印加する電圧)を言う。
本発明に係る液晶表示装置の一態様によれば、上記液晶層に含まれる液晶分子は、電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向するものであってもよい。
このような垂直配向型の液晶表示装置は、広視野角、及び、高コントラスト等の特性を得るのに有利な方式である。よって、本発明の液晶表示装置が垂直配向型の液晶表示装置である場合、マルチV−T化することで視野角特性が向上し、最大透過率の低下を充分に防止するとともに、広視野角、及び、高コントラストを実現することができる。なお、「電圧無印加時」とは、本発明の技術分野において実質的に電圧が印加されていないと言えるものであればよい。また、「基板主面に対して垂直な方向に配向する」とは、本発明の技術分野において基板主面に対して垂直な方向に配向すると言えるものであればよく、実質的に垂直な方向に配向する形態を含む。
本発明に係る液晶表示装置の一態様によれば、上記第1電極は、上記第2電極の上記液晶層側にあってもよい。該第1電極が該第2電極の該液晶層側にあるとは、通常は、該第1電極と該第2電極との間に絶縁層等が形成されている形態である。
また、本発明に係る液晶表示装置の一態様によれば、上記第1基板は、更に絶縁層を有し、該絶縁層は、上記第2電極の上記液晶層側にあってもよい。
ここで、例えば、上記第1電極が複数の櫛歯電極である場合、該複数の櫛歯電極間で横電界(基板主面に対して水平な方向の電界)を好適に発生させることができる。なお、「基板主面に対して水平な方向の電界」とは、本発明の技術分野において基板主面に対して水平な方向の電界と言えるものであればよく、実質的に水平な方向に電界が発生する形態を含む。
また、例えば、上記第1電極がスリットを有する電極である場合、スリットを有する該第1電極と面状の上記第2電極との間で、フリンジ電界を好適に発生させることができる。
なお、上記第1電極は、複数の線状部分を含む、複数の櫛歯電極、又は、スリットを有する電極のどちらであってもよいが、本発明の一態様の効果が好適に発揮される上で、複数の櫛歯電極であることがより好ましい。複数の櫛歯電極は、通常は、少なくとも一対の櫛歯電極であり、好ましくは、一対の櫛歯電極である。
次に、面状の上記第2電極によれば、該第2電極と他の電極との間で、電界を好適に発生させることができる。例えば、上述したように、上記第1電極がスリットを有する電極である場合、スリットを有する該第1電極と面状の該第2電極との間で、フリンジ電界を好適に発生させることができる。また、フォトマスクを用いて該第2電極をパターニングする場合、該フォトマスクのアライメントずれが発生したとしても、不具合が発生しにくい。
次に、面状の上記第3電極によれば、該第3電極と他の電極との間で、電界を好適に発生させることができる。例えば、面状の上記第2電極を有する上記第1基板と、面状の該第3電極を有する上記第2基板との間で、垂直電界(基板主面に対して垂直な方向の電界)を好適に発生させることができる。なお、「基板主面に対して垂直な方向の電界」とは、本発明の技術分野において基板主面に対して垂直な方向の電界と言えるものであればよく、実質的に垂直な方向に電界が発生する形態を含む。
よって、上記のような、垂直電界、横電界、及び、フリンジ電界を好適に発生させることができる。
本発明に係る液晶表示装置の一態様によれば、上記誘電体層は、高分子分散型液晶(以下、PDLC〔Polymer Dispersed Liquid Crystal〕とも言う。)から構成されたものであってもよい。
このようなPDLCから構成されたもの(以下、PDLC層とも言う。)は、電界で発生する電圧によって、その誘電率が変化する。よって、上記液晶層に実質的にかかる実効電圧を画素内で部分的に制御することで、マルチV−T化することが可能であるため、視野角特性を向上させることができる。
本発明に係る液晶表示装置の一態様によれば、上記液晶層に含まれる液晶分子は、負の誘電率異方性を有するものであってもよい。
これにより、透過率をより向上することができるため、本発明に係る液晶表示装置の最大透過率の低下をより好適に防止することができる。
本発明に係る液晶表示装置の一態様によれば、上記液晶層に含まれる液晶分子は、正の誘電率異方性を有するものであってもよい。
正の誘電率異方性を有する液晶分子は、電圧を印加した場合に一定の方向に配向されるものであり、配向制御が容易であるため、より高速応答化することができる。
上記より、透過率の観点からは、上記液晶層に含まれる液晶分子が負の誘電率異方性を有する液晶分子から実質的に構成されることが好適であり、高速応答化の観点からは、該液晶層に含まれる液晶分子が正の誘電率異方性を有する液晶分子から実質的に構成されることが好適であると言える。
本発明に係る液晶表示装置の一態様によれば、上記第1基板は、更に上記誘電体層を有し、該誘電体層は、上記第1電極の上記液晶層側とは反対側にあってもよい。
これにより、上記のような、垂直電界、及び、横電界を、上記誘電体層に印加し、該誘電体層の誘電率を変化させることができる。よって、上記液晶層に実質的にかかる実効電圧を画素内で部分的に制御することで、マルチV−T化することが可能であるため、視野角特性を向上させることができる。
本発明に係る液晶表示装置の一態様によれば、上記第2基板は、更に上記誘電体層を有し、該誘電体層は、上記第3電極の上記液晶層側にあってもよい。
これにより、上記のような、垂直電界、及び、横電界を、上記誘電体層に印加し、該誘電体層の誘電率を変化させることができる。よって、上記液晶層に実質的にかかる実効電圧を画素内で部分的に制御することで、マルチV−T化することが可能であるため、視野角特性を向上させることができる。
上述した各態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
以下に実施形態を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
上記液晶表示装置の基本構成は、一般的に、液晶表示パネル、及び、光源等の部材である。該液晶表示パネルの基本構成は、透明電極及び配向膜等が形成された一対の基板(例えば、TFT基板及びCF基板)、両基板に挟持された液晶層、及び、両基板の間のギャップを保持するスペーサーであり、両基板はシール材等を用いて貼り合わされている。また、該液晶表示装置は、その他に、通常の液晶表示装置が備える部材(例えば、外部回路等)を適宜備えることができる。
[実施形態1]
実施形態1に係る液晶表示装置について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの画素部の平面模式図である。実施形態1に係る液晶表示装置において、画素部10内には、電極116が形成されている。図1では、電極116が一対の櫛歯電極である場合、つまり、電極116a及び電極116bと、電極116cとが一対の櫛歯電極である場合について描かれているが、後述するように、該電極116はスリットを有する電極であってもよい。
図2は、図1中の線分A−A’に対応する部分の断面を示す断面模式図である。実施形態1に係る液晶表示装置において、実施形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネル111の基本構成は、TFT基板112、CF基板113、及び、両基板に挟持された液晶層122である。該液晶層122に含まれる液晶分子123は、電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向し、負の誘電率異方性(Δε<0)を有している。なお、該液晶層122の厚さは特に限定されていないが、2.5μm以上、4.0μm以下であることが好ましい。また、該TFT基板112及び該CF基板113の該液晶層122側には、それぞれ配向膜(図示せず)が形成され、該配向膜は、その膜面に対して液晶分子を垂直に立たせるような垂直配向膜である限り、有機配向膜又は無機配向膜のいずれであってもよい。なお、該TFT基板112及び該CF基板113は、それぞれ、本発明の一態様における上記第1基板及び上記第2基板に相当する。
実施形態1に係る液晶表示装置において、上記TFT基板112は、ガラス基板114aと、該ガラス基板114a上で該ガラス基板114aの上記液晶層122側に形成された面状の電極115(例えば、画素電極)と、該電極115上で該電極115の該液晶層122側に形成された絶縁層118と、該絶縁層118上で該絶縁層118の該液晶層122側に形成された誘電体層119とを有している。また、該TFT基板112は、更に一対の櫛歯電極116(例えば、一対の櫛歯電極の代わりに、スリットを有する電極であってもよい。)を有しており、該電極116は、該誘電体層119上で該誘電体層119の該液晶層122側に形成されている。ここで、該電極116を構成する、上記電極116a及び上記電極116bと、上記電極116cとが一対の櫛歯電極を構成し、そのうち、中央の該電極116cと該電極115とは、コンタクトホール(図示せず)を介して接続され、同じ電圧で駆動している。よって、該電極116a及び該電極116bと、該電極116cとの間には横電界が積極的に生じる(なお、該電極116がスリットを有する電極である場合は、該電極116と、後述するような上記CF基板113が有する電極117とが同電位となり、該電極116と該電極115との間で生じるフリンジ電界による引き込み電界が横電界として作用する。)。また、該電極115及び該電極116は、例えば、ITO又はIZO等の透明電極であることが好ましい。なお、該電極115及び該電極116は、それぞれ、本発明の一態様における上記第2電極及び上記第1電極に相当する。
ここで、該絶縁層118は、有機絶縁膜又は無機絶縁膜のいずれであってもよい。なお、該絶縁層118の誘電率は、該絶縁層118が有機絶縁膜の場合は、3F/m以上、4F/m以下であることが好ましく、該絶縁層118が無機絶縁膜の場合は、5F/m以上、7F/m以下であることが好ましい。また、該絶縁層118の厚さは特に限定されていないが、該絶縁層118が有機絶縁膜の場合は、1.0μm以上、4.0μm以下であることが好ましく、該絶縁層118が無機絶縁膜の場合は、0.2μm以上、1.0μm以下であることが好ましい。
また、上記誘電体層119は、誘電体層119a及び誘電体層119bから構成されており、該誘電体層119a及び該誘電体層119bは、電圧無印加時に異なる誘電率を有している。該誘電体層119a及び該誘電体層119bは、例えば、PDLC層であることが好ましい。PDLC層は、電界で発生する電圧によって、その誘電率が変化する。なお、該誘電体層119a及び該誘電体層119bの厚さは特に限定されていないが、略同一であることが好ましく、0.1μm以上、1.0μm以下であることが好ましい。
本実施形態1において、上記誘電体層119aは正の誘電率異方性を有するポジ型PDLC層であり、上記電極116が一対の櫛歯電極である場合は、該電極116によって発生する横電界で駆動される。また、該電極116がスリットを有する電極である場合、該誘電体層119aは、該電極116と上記電極115との間で発生するフリンジ電界(斜め電界)で駆動される。
また、本実施形態1において、上記誘電体層119bは負の誘電率異方性を有するネガ型PDLC層であり、上記TFT基板112が有する上記電極115と、後述するような上記CF基板113が有する上記電極117との間で発生する垂直電界で駆動される。
よって、上記のように、実施形態1に係る液晶表示装置が有する電極(上記電極115、上記電極116、及び、上記電極117からなる群より選択される少なくとも1種の電極)によって発生する電界を上記誘電体層119a及び上記誘電体層119bに印加することで、該誘電体層119a及び該誘電体層119bの誘電率を変化させ、実施形態1に係る液晶表示装置が有する上記液晶層122にかかる実効的な駆動電圧を、画素部10内の電界領域124a及び電界領域124bで部分的に制御することで、マルチV−T化することが可能である。これにより、後述するように、実施形態1に係る液晶表示装置の視野角特性(例えば、ガンマシフト)が向上する。
ここで、本実施形態1において、上記誘電体層119は、2種類のPDLC層(上記誘電体層119a及び上記誘電体層119b)から構成されているが、該誘電体層119を構成するPDLC層の種類の限定は特になく、3種類以上のPDLC層から構成されていてもよい。また、該誘電体層119は、電界で発生する電圧によって、その誘電率が変化するものである限り、PDLC層以外のものから構成されていてもよい。
実施形態1に係る液晶表示装置において、上記CF基板113は、ガラス基板114bと、該ガラス基板114b上で該ガラス基板114bの上記液晶層122側に形成されたカラーフィルタ層120及びブラックマトリクス121と、該カラーフィルタ層120及び該ブラックマトリクス121上で、該カラーフィルタ層120及び該ブラックマトリクス121の、該液晶層122側に形成された面状の上記電極117(例えば、共通電極)とを有している。ここで、該電極117は、例えば、IZO等の透明電極であることが好ましい。なお、該電極117は、本発明の一態様における上記第3電極に相当する。
図3は、図2のより好ましい形態を示す断面模式図である。ここで、本実施形態1において、画素内の垂直電界(上記電極115と上記電極117との間で発生する垂直電界)を好適に制御するために、図3に示すような、オーバーコート層125を設けることが好ましい。つまり、上記カラーフィルタ層120及び上記ブラックマトリクス121上で、該カラーフィルタ層120及び該ブラックマトリクス121の、上記液晶層122側に該オーバーコート層125を形成することが好ましい。なお、該オーバーコート層125の誘電率は、3F/m以上、5F/m以下であることが好ましい。
実施形態1に係る液晶表示装置において、上記TFT基板112と上記CF基板113との間に挟持された上記液晶層122に含まれる、負の誘電率異方性を有する上記液晶分子123は、該TFT基板112が有する上記電極115と該CF基板113が有する上記電極117との間で発生する垂直電界で駆動される。
ここで、実施形態1に係る液晶表示装置の表示モードは、上記液晶分子123が電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向するものである限り、特に限定されず、例えば、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、及び、VA(Vertical Alignment)モード等を採用することができる。また、該液晶分子123の配向方位を決定する手段の限定も特になく、ラビング法、及び、光配向技術等を好適に用いることができる。
次に、上記PDLC層の作製方法、並びに、上記ポジ型PDLC層及び上記ネガ型PDLC層の垂直電界方向における誘電率の電圧依存性について、以下に詳細に説明する。
[PDLC層の作製方法]
図14は、PDLC層の作製方法を示す模式図である。図14に示すように、ゲストホスト液晶材料(液晶分子1323)と光硬化性樹脂(光硬化性モノマー1326)との混合物に対して、UV(Ultraviolet:紫外線)光を照射する。つまり、該液晶材料の等方相(アイソトロピック相)に対してUV光を照射することで、該光硬化性モノマー1326がポリマー化し、該液晶分子1323とポリマー1327とが分離した状態(液晶のドロップレット1328が高分子〔該ポリマー1327〕中に分散している状態)として、PDLC層1329が作製される。
そして、本実施形態1において、上記PDLC層を用いて、図2及び図3等に示したように、上記誘電体層119a及び上記誘電体層119bを、上記絶縁層118上で該絶縁層118の上記液晶層122側にあるように、フォトリソグラフィーを用いて形成する。
また、ドロップレット状の液晶材料を駆動させる場合において、低電圧化するためには、上記PDLC層1329の厚みは薄いことが好ましい。ここで、例えば、液晶材料の屈折率異方性Δnが0.1で、該PDLC層1329の厚さが1.0μmである場合、該PDLC層1329のリタデーション(液晶材料の屈折率異方性Δnと該PDLC層1329の厚さとの積)は、100nmとなり、光学的に100nmの複屈折が生じることになる。よって、該PDLC層1329の厚さが1.0μmを超えると、ドロップレットによる散乱の影響及び該複屈折の影響により、液晶表示装置の視野角特性及びコントラストが悪くなる恐れがある。また、例えば、該PDLC層1329の厚さが0.1μm未満の場合は、該PDLC層1329を形成するプロセスが困難である場合がある。よって、上述より、該PDLC層1329の厚さは、0.1μm以上、1.0μm以下であることが好ましい。
[ポジ型PDLC層及びネガ型PDLC層の垂直電界方向における誘電率の電圧依存性]
図15は、PDLC層の垂直電界方向の誘電率の電圧依存性を示すグラフである。横軸は印加電圧を、縦軸は誘電率を示す。下記表1は、図15の各座標での値である。なお、以下では、垂直電界方向における誘電率のことを、単に、誘電率とも言う。図15に示すように、印加電圧が低い場合(例えば、印加電圧が8V未満の場合)は、ポジ型PDLC層の誘電率の方が、ネガ型PDLC層の誘電率よりも大きくなっている。また、印加電圧が増加するにつれて、ネガ型PDLC層の誘電率が急激に増加し(例えば、印加電圧が2.0V以上になると、ネガ型PDLC層の誘電率が急激に増加する。)、ポジ型PDLC層の誘電率とネガ型PDLC層の誘電率とが漸次近づくように設計されている。
ここで、実施形態1に係る液晶表示装置の最大印加電圧時には、上記誘電体層119a(ポジ型PDLC層)及び上記誘電体層119b(ネガ型PDLC層)の誘電率が略同一となる。例えば、実施形態1に係る液晶表示装置の最大印加電圧時を8Vで設定した場合、表1に示すように、ポジ型PDLC層(該誘電体層119a)の誘電率は、7.31F/mであり、ネガ型PDLC層(該誘電体層119b)の誘電率は、7.30F/mとなり、該誘電体層119a及び該誘電体層119bの誘電率は略同一となる。なお、「最大印加電圧」とは、例えば、図2に示すような上記電極115(例えば、画素電極)に印加する最大電圧のことを言い(例えば、上記電極116が一対の櫛歯電極である場合、上述したように、該電極115とコンタクトホールを介して接続されている上記電極116cに印加する最大電圧でもある。)、後述するような他の実施形態においても同様である。
よって、実施形態1に係る液晶表示装置の最大印加電圧時(例えば、印加電圧8V)において、上記誘電体層119a及び上記誘電体層119bの誘電率が略同一となることによって、マルチV−T化された上記電界領域124a及び上記電界領域124bにおける上記液晶層122にかかる実効的な駆動電圧が略同一となるため、該電界領域124a及び該電界領域124bの最大透過率が略同一となる。これにより、実施形態1に係る液晶表示装置の最大透過率の低下を充分に防止できる。なお、「誘電率が略同一である」とは、例えば、該誘電体層119a及び該誘電体層119bの誘電率差が、0.01F/m以下であることが好ましい。
Figure 2014089259
なお、上述したようなPDLC層の作製方法、並びに、ポジ型PDLC層及びネガ型PDLC層の垂直電界方向における誘電率の電圧依存性については、後述するような他の実施形態においても同様である。
また、実施形態1に係る液晶表示装置は、図2及び図3等に示される上記TFT基板112の上記液晶層122側とは反対側(光源側)に下偏光板(図示せず)を備え、上記CF基板113の該液晶層122側とは反対側(観察側)に上偏光板(図示せず)を備えることができる。実施形態1に係る液晶表示装置は、その他に、通常の液晶表示装置が備える部材(例えば、外部回路等)を適宜備えることができる。
以下に、実施形態1に係る液晶表示装置について、シミュレーションを行った実施例を示す。
(実施例1−1)
図4は、実施例1−1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルについてのシミュレーションに用いた構成である。実施形態1に係る液晶表示装置が備える上記液晶表示パネル111において、上記電極115は画素電極であり、上記電極116を構成する、上記電極116a及び上記電極116bと、上記電極116cとが一対の櫛歯電極を構成し、上記電極117は共通電極である。ここで、該電極116cと該電極115とは、上記絶縁層118に形成されたコンタクトホール(図示せず)を介して接続され、同じ電圧で駆動している。
実施例1−1に係る液晶表示装置の表示モードは、上記液晶分子123が電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向するECBモードであり、該液晶分子123の配向方位を決定する手段としては、ラビング法を採用し、上記電極116の線状部分に沿う方向と垂直な方向にラビング処理を行った(同様に、該液晶分子123の配向方位を決定する手段としては、光配向技術を用いてもよい)。
実施例1−1に係る液晶表示装置についてのシミュレーション条件は、上記液晶層122の厚さを3.2μmとし、上記誘電体層119a及び上記誘電体層119bの厚さを0.6μmとした。また、上記絶縁層118を無機絶縁膜とし、その誘電率を6.9F/mとし、その厚さを0.4μmとした。また、実施例1−1に係る液晶表示装置の最大印加電圧は、8Vとした。なお、シミュレーション用ソフトは、シンテック社製のLCD−Master2Fを用いた。
上記のシミュレーション条件と、図15をもとに印加電圧毎に設定された上記誘電体層119a及び上記誘電体層119bの誘電率とを用いてシミュレーションを実施し、実施例1−1に係る液晶表示装置の透過率と視野角特性に関わるガンマシフトとを算出した。以下に、そのシミュレーション結果について説明する。
図5は、誘電体層の異なる構成におけるV−T特性を示すグラフである。横軸は印加電圧を、縦軸は透過率を示す。図5中、「ε=4固定」とは、上記誘電体層119(上記誘電体層119a及び上記誘電体層119b)の誘電率をε=4F/mとして、該誘電体層119の全領域で、その誘電率を固定した場合である。「ε=7固定」とは、該誘電体層119(上記誘電体層119a及び上記誘電体層119b)の誘電率をε=7F/mとして、該誘電体層119の全領域で、その誘電率を固定した場合である。「ε=4/7固定」とは、該誘電体層119が上記誘電体層119a及び上記誘電体層119bから構成され、該誘電体層119aの誘電率を4F/mとし、該誘電体層119bの誘電率を7F/mと固定した場合である。「誘電率可変」とは、該誘電体層119が上記誘電体層119a及び上記誘電体層119bから構成され、該誘電体層119a及び該誘電体層119bの誘電率が電圧によって変化する場合であり、本実施例1−1に該当する。
図5に示すように、最大印加電圧(8V)において、実施例1−1に係る液晶表示装置の透過率は、上記誘電体層119a及び上記誘電体層119bの誘電率を固定した場合(「ε=4固定」、「ε=7固定」、及び、「ε=4/7固定」の場合)の透過率よりも高くなることが確認された。
図6は、誘電体層の異なる構成におけるガンマシフトの特性図である。図7は、図6の高階調側を拡大したグラフである。横軸は階調を、縦軸は規格化輝度比を示す。なお、規格化輝度比とは、最高階調(256階調)の輝度に対する各階調の輝度の比を示す。図6及び図7中、「正面」とは、液晶表示装置の正面方向から観察した場合である。「ε=4固定」、「ε=7固定」、「ε=4/7固定」、及び、「誘電率可変」とは、図5中の表記と同じ定義である。「正面」のカーブは、γ=2.2となるように調整されており、他の4本のカーブは、正面方向から極角60°の方向で確認した場合のカーブである。ここで、実施例1−1に係る液晶表示装置が備える上記下偏光板(図示せず)の軸方向を方位角45°−225°の方向とし、上記上偏光板(図示せず)の軸方向を方位角135°−315°の方向とした場合、図6及び図7に示された輝度は、該下偏光板及び該上偏光板の軸方向から45°ずれた方向、つまり、方位角0°、90°、180°、及び、270°の方向における極角60°の方向で確認した場合の輝度の平均値である。なお、ガンマシフトとは、白浮きとも呼ばれる問題であり、ある方向のカーブが、正面方向のカーブよりも輝度が高い方向にシフトしている状態である。これにより、正面方向からの観察では正常に観察される映像が、斜め視角では違和感のある異常な映像に変化するという問題が引き起こされる。
図6及び図7に示すように、実施例1−1に係る液晶表示装置のカーブは、「ε=4/7固定」のカーブよりもやや輝度が低い方向にシフトしている結果となり、「ε=4固定」及び「ε=7固定」のカーブよりも輝度が低い方向にシフトしていることが確認された。つまり、実施例1−1に係る液晶表示装置のカーブは、「ε=4固定」及び「ε=7固定」のカーブよりも正面方向からの浮き(ガンマシフト)が少ないことが確認された。
よって、上記より、実施例1−1に係る液晶表示装置において、透過率が低下することなく、視野角特性が向上することが確認された。
(実施例1−2)
実施例1−2に係る液晶表示装置は、実施形態1に係る液晶表示装置が備える上記液晶表示パネルにおいて、上記第1電極がスリットを有する電極の場合である。また、実施例1−2に係る液晶表示装置のその他の構成は、実施例1−1に係る液晶表示装置と同様である。
ここで、実施例1−2に係る液晶表示装置において、上記第1電極がスリットを有する電極であり、上記誘電体層に、該第1電極と上記第2電極との間で発生するフリンジ電界が印加される場合であっても、上述したように、上記誘電体層が電圧無印加時に異なる誘電率を有する少なくとも2つの誘電体層から構成され、該少なくとも2つの誘電体層の誘電率が電圧によって変化し、最大印加電圧時に略同一となる限り、実施例1−1に係る液晶表示装置と同様な効果が得られるのは明らかである。
[実施形態2]
実施形態2に係る液晶表示装置について、図8を用いて説明する。
図8は、実施形態2に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。実施形態2に係る液晶表示装置において、実施形態2に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネル711の基本構成は、TFT基板712、CF基板713、及び、両基板に挟持された液晶層722である。該液晶層722に含まれる液晶分子723は、電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向し、正の誘電率異方性(Δε>0)を有している。
実施形態2に係る液晶表示装置において、上記TFT基板712は、ガラス基板714aと、該ガラス基板714a上で該ガラス基板714aの上記液晶層722側に形成された面状の電極715(例えば、画素電極)と、該電極715上で該電極715の該液晶層722側に形成された絶縁層718と、該絶縁層718上で該絶縁層718の該液晶層722側に形成された誘電体層719とを有している。また、該TFT基板712は、更に一対の櫛歯電極716(例えば、一対の櫛歯電極の代わりに、スリットを有する電極であってもよい。)を有しており、該電極716は、該誘電体層719上で該誘電体層719の該液晶層722側に形成されている。
ここで、該絶縁層718は、有機絶縁膜又は無機絶縁膜のいずれであってもよい。なお、該絶縁層718の誘電率は、該絶縁層718が有機絶縁膜の場合は、3F/m以上、4F/m以下であることが好ましく、該絶縁層718が無機絶縁膜の場合は、5F/m以上、7F/m以下であることが好ましい。
また、上記誘電体層719は、誘電体層719a及び誘電体層719bから構成されており、該誘電体層719a及び該誘電体層719bは、電圧無印加時に異なる誘電率を有している。該誘電体層719a及び該誘電体層719bは、例えば、PDLC層であることが好ましい。
本実施形態2において、上記誘電体層719aは正の誘電率異方性を有するポジ型PDLC層であり、上記電極716が一対の櫛歯電極である場合は、該電極716によって発生する横電界で駆動される。また、該電極716がスリットを有する電極である場合、該誘電体層719aは、該電極716と上記電極715との間で発生するフリンジ電界で駆動される。
また、本実施形態2において、上記誘電体層719bは負の誘電率異方性を有するネガ型PDLC層であり、上記TFT基板712が有する上記電極715と、後述するような上記CF基板713が有する電極717との間で発生する垂直電界で駆動される。
よって、上記のように、実施形態2に係る液晶表示装置が有する電極(上記電極715、上記電極716、及び、上記電極717からなる群より選択される少なくとも1種の電極)によって発生する電界を上記誘電体層719a及び上記誘電体層719bに印加することで、該誘電体層719a及び該誘電体層719bの誘電率を変化させ、実施形態2に係る液晶表示装置が有する上記液晶層722にかかる実効的な駆動電圧を、電界領域724a及び電界領域724bで部分的に制御することで、マルチV−T化することが可能である。これにより、実施形態2に係る液晶表示装置の視野角特性(ガンマシフト)が向上する。
実施形態2に係る液晶表示装置において、上記CF基板713は、ガラス基板714bと、該ガラス基板714b上で該ガラス基板714bの上記液晶層722側に形成されたカラーフィルタ層720及びブラックマトリクス721と、該カラーフィルタ層720及び該ブラックマトリクス721上で、該カラーフィルタ層720及び該ブラックマトリクス721の、該液晶層722側に形成された面状の上記電極717(例えば、共通電極)とを有している。
実施形態2に係る液晶表示装置において、上記TFT基板712と上記CF基板713との間に挟持された上記液晶層722に含まれる、正の誘電率異方性を有する上記液晶分子723は、該TFT基板712が有する上記電極716と該CF基板713が有する上記電極717との間で発生する垂直電界で駆動される。
実施形態2に係る液晶表示装置のその他の構成は、実施形態1に係る液晶表示装置と同様である。
ここで、実施形態2に係る液晶表示装置において、上述したように、上記誘電体層719が上記誘電体層719a及び上記誘電体層719bから構成され、該誘電体層719a及び該誘電体層719bの誘電率が電圧によって変化し、最大印加電圧時に略同一となる限り、実施例1−1に係る液晶表示装置と同様な効果が得られるのは明らかである。
[実施形態3]
実施形態3に係る液晶表示装置について、図9を用いて説明する。
図9は、実施形態3に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。実施形態3に係る液晶表示装置において、実施形態3に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネル811の基本構成は、TFT基板812、CF基板813、及び、両基板に挟持された液晶層822である。該液晶層822に含まれる液晶分子823は、電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向し、負の誘電率異方性(Δε<0)を有している。
実施形態3に係る液晶表示装置において、上記TFT基板812は、ガラス基板814aと、該ガラス基板814a上で該ガラス基板814aの上記液晶層822側に形成された面状の電極815(例えば、画素電極)と、該電極815上で該電極815の該液晶層822側に形成された絶縁層818と、該絶縁層818上で該絶縁層818の該液晶層822側に形成された一対の櫛歯電極816(例えば、一対の櫛歯電極の代わりに、スリットを有する電極であってもよい。)とを有している。
ここで、該絶縁層818は、有機絶縁膜又は無機絶縁膜のいずれであってもよい。なお、該絶縁層818の誘電率は、該絶縁層818が有機絶縁膜の場合は、3F/m以上、4F/m以下であることが好ましく、該絶縁層818が無機絶縁膜の場合は、5F/m以上、7F/m以下であることが好ましい。
実施形態3に係る液晶表示装置において、上記CF基板813は、ガラス基板814bと、該ガラス基板814b上で該ガラス基板814bの上記液晶層822側に形成されたカラーフィルタ層820及びブラックマトリクス821と、該カラーフィルタ層820及び該ブラックマトリクス821上で、該カラーフィルタ層820及び該ブラックマトリクス821の、該液晶層822側に形成された面状の上記電極817(例えば、共通電極)と、該電極817上で該電極817の該液晶層822側に形成された誘電体層819とを有している。
また、上記誘電体層819は、誘電体層819a及び誘電体層819bから構成されており、該誘電体層819a及び該誘電体層819bは、電圧無印加時に異なる誘電率を有している。該誘電体層819a及び該誘電体層819bは、例えば、PDLC層であることが好ましい。
本実施形態3において、上記誘電体層819aは正の誘電率異方性を有するポジ型PDLC層であり、上記誘電体層819bは負の誘電率異方性を有するネガ型PDLC層である。
よって、実施形態1に係る液晶表示装置と同様に、実施形態3に係る液晶表示装置が有する電極(上記電極815、上記電極816、及び、上記電極817からなる群より選択される少なくとも1種の電極)によって発生する電界を上記誘電体層819a及び上記誘電体層819bに印加することで、該誘電体層819a及び該誘電体層819bの誘電率を変化させ、実施形態3に係る液晶表示装置が有する上記液晶層822にかかる実効的な駆動電圧を、電界領域824a及び電界領域824bで部分的に制御することで、マルチV−T化することが可能である。これにより、実施形態3に係る液晶表示装置の視野角特性(ガンマシフト)が向上する。
実施形態3に係る液晶表示装置において、上記TFT基板812と上記CF基板813との間に挟持された上記液晶層822に含まれる、負の誘電率異方性を有する上記液晶分子823は、該TFT基板812が有する上記電極815と該CF基板813が有する上記電極817との間で発生する垂直電界で駆動される。
実施形態3に係る液晶表示装置のその他の構成は、実施形態1に係る液晶表示装置と同様である。
ここで、実施形態3に係る液晶表示装置において、上述したように、上記誘電体層819が上記誘電体層819a及び上記誘電体層819bから構成され、該誘電体層819a及び該誘電体層819bの誘電率が電圧によって変化し、最大印加電圧時に略同一となる限り、実施例1−1に係る液晶表示装置と同様な効果が得られるのは明らかである。
[実施形態4]
実施形態4に係る液晶表示装置について、図10を用いて説明する。
図10は、実施形態4に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。実施形態4に係る液晶表示装置において、実施形態4に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネル911の基本構成は、TFT基板912、CF基板913、及び、両基板に挟持された液晶層922である。該液晶層922に含まれる液晶分子923は、電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向し、正の誘電率異方性(Δε>0)を有している。
実施形態4に係る液晶表示装置において、上記TFT基板912は、ガラス基板914aと、該ガラス基板914a上で該ガラス基板914aの上記液晶層922側に形成された面状の電極915(例えば、画素電極)と、該電極915上で該電極915の該液晶層922側に形成された絶縁層918と、該絶縁層918上で該絶縁層918の該液晶層922側に形成された一対の櫛歯電極916(例えば、一対の櫛歯電極の代わりに、スリットを有する電極であってもよい。)とを有している。
ここで、該絶縁層918は、有機絶縁膜又は無機絶縁膜のいずれであってもよい。なお、該絶縁層918の誘電率は、該絶縁層918が有機絶縁膜の場合は、3F/m以上、4F/m以下であることが好ましく、該絶縁層918が無機絶縁膜の場合は、5F/m以上、7F/m以下であることが好ましい。
実施形態4に係る液晶表示装置において、上記CF基板913は、ガラス基板914bと、該ガラス基板914b上で該ガラス基板914bの上記液晶層922側に形成されたカラーフィルタ層920及びブラックマトリクス921と、該カラーフィルタ層920及び該ブラックマトリクス921上で、該カラーフィルタ層920及び該ブラックマトリクス921の、該液晶層922側に形成された面状の上記電極917(例えば、共通電極)と、該電極917上で該電極917の該液晶層922側に形成された誘電体層919とを有している。
また、上記誘電体層919は、誘電体層919a及び誘電体層919bから構成されており、該誘電体層919a及び該誘電体層919bは、電圧無印加時に異なる誘電率を有している。該誘電体層919a及び該誘電体層919bは、例えば、PDLC層であることが好ましい。
本実施形態4において、上記誘電体層919aは正の誘電率異方性を有するポジ型PDLC層であり、上記誘電体層919bは負の誘電率異方性を有するネガ型PDLC層である。
よって、実施形態4に係る液晶表示装置と同様に、実施形態4に係る液晶表示装置が有する電極(上記電極915、上記電極916、及び、上記電極917からなる群より選択される少なくとも1種の電極)によって発生する電界を上記誘電体層919a及び上記誘電体層919bに印加することで、該誘電体層919a及び該誘電体層919bの誘電率を変化させ、実施形態4に係る液晶表示装置が有する上記液晶層922にかかる実効的な駆動電圧を、電界領域924a及び電界領域924bで部分的に制御することで、マルチV−T化することが可能である。これにより、実施形態4に係る液晶表示装置の視野角特性(ガンマシフト)が向上する。
実施形態4に係る液晶表示装置において、上記TFT基板912と上記CF基板913との間に挟持された上記液晶層922に含まれる、正の誘電率異方性を有する上記液晶分子923は、該TFT基板912が有する上記電極916と該CF基板913が有する上記電極917との間で発生する垂直電界で駆動される。
実施形態4に係る液晶表示装置のその他の構成は、実施形態2に係る液晶表示装置と同様である。
ここで、実施形態4に係る液晶表示装置において、上述したように、上記誘電体層919が上記誘電体層919a及び上記誘電体層919bから構成され、該誘電体層919a及び該誘電体層919bの誘電率が電圧によって変化し、最大印加電圧時に略同一となる限り、実施例1−1に係る液晶表示装置と同様な効果が得られるのは明らかである。
[比較形態1]
比較形態1に係る液晶表示装置について、図11を用いて説明する。
図11は、比較形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。比較形態1に係る液晶表示装置において、比較形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネル1011の基本構成は、TFT基板1012、CF基板1013、及び、両基板に挟持された液晶層1022である。該液晶層1022に含まれる液晶分子1023は、電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向し、負の誘電率異方性(Δε<0)を有している。
比較形態1に係る液晶表示装置において、上記TFT基板1012は、ガラス基板1014aと、該ガラス基板1014a上で該ガラス基板1014aの上記液晶層1022側に形成された面状の電極1015(例えば、画素電極)と、該電極1015上で該電極1015の該液晶層1022側に形成された絶縁層1018と、該絶縁層1018上で該絶縁層1018の該液晶層1022側に形成された誘電体層1019とを有している。また、該TFT基板1012は、更に一対の櫛歯電極1016(例えば、一対の櫛歯電極の代わりに、スリットを有する電極であってもよい。)を有しており、該電極1016は、該誘電体層1019上で該誘電体層1019の該液晶層1022側に形成されている。
ここで、該絶縁層1018は、有機絶縁膜又は無機絶縁膜のいずれであってもよい。なお、該絶縁層1018の誘電率は、該絶縁層1018が有機絶縁膜の場合は、3F/m以上、4F/m以下であることが好ましく、該絶縁層1018が無機絶縁膜の場合は、5F/m以上、7F/m以下であることが好ましい。
また、上記誘電体層1019は、誘電体層1019a及び誘電体層1019bから構成されており、該誘電体層1019a及び該誘電体層1019bは、電圧無印加時に異なる誘電率を有している。
比較形態1に係る液晶表示装置において、上記CF基板1013は、ガラス基板1014bと、該ガラス基板1014b上で該ガラス基板1014bの上記液晶層1022側に形成されたカラーフィルタ層1020及びブラックマトリクス1021と、該カラーフィルタ層1020及び該ブラックマトリクス1021上で、該カラーフィルタ層1020及び該ブラックマトリクス1021の、該液晶層1022側に形成された面状の上記電極1017(例えば、共通電極)とを有している。
比較形態1に係る液晶表示装置において、上記TFT基板1012と上記CF基板1013との間に挟持された上記液晶層1022に含まれる、負の誘電率異方性を有する上記液晶分子1023は、該TFT基板1012が有する上記電極1015と該CF基板1013が有する上記電極1017との間で発生する垂直電界で駆動される。
よって、上記のような構成において、比較形態1に係る液晶表示装置が有する上記液晶層1022にかかる実効的な駆動電圧は、電界領域1024a及び電界領域1024bで異なるため、マルチV−T化することが可能であり、良好な視野角特性が得られる。しかしながら、上記誘電体層1019a及び上記誘電体層1019bの誘電率は、電圧によって変化せず、固定されたものであるため、比較形態1に係る液晶表示装置の最大印加電圧において、上記誘電体層1019の誘電率の低い方の領域の実質的な透過率が低下し、画素部全体の平均透過率が低下してしまう。
比較形態1に係る液晶表示装置のその他の構成は、実施形態1に係る液晶表示装置と同様である。
以下に、比較形態1に係る液晶表示装置について、シミュレーションを行った比較例を示す。
(比較例1)
図12は、比較例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルについてのシミュレーションに用いた構成である。比較形態1に係る液晶表示装置が備える上記液晶表示パネル1011において、上記電極1015は画素電極であり、上記電極1016を構成する、電極1016a及び電極1016bと、電極1016cとが一対の櫛歯電極を構成し、上記電極1017は共通電極である。ここで、該電極1016cと該電極1015とは、上記絶縁層1018に形成されたコンタクトホール(図示せず)を介して接続され、同じ電圧で駆動している。
比較例1に係る液晶表示装置の表示モードは、ECBモードであり、上記液晶分子1023の配向方位を決定する手段としては、ラビング法を採用し、上記電極1016の線状部分に沿う方向と垂直な方向にラビング処理を行った。
比較例1に係る液晶表示装置についてのシミュレーション条件は、上記液晶層1022の厚さを3.2μmとした。また、上記誘電体層1019aを有機絶縁膜とし、その誘電率を4F/mとし、その厚さを0.6μmとした。また、上記誘電体層1019bを無機絶縁膜とし、その誘電率を7F/mとし、その厚さを0.6μmとした。また、上記絶縁層1018を無機絶縁膜とし、その誘電率を6.9F/mとし、その厚さを0.4μmとした。なお、シミュレーション用ソフトは、シンテック社製のLCD−Master2Fを用いた。
比較例1に係る液晶表示装置についてのその他のシミュレーション条件は、実施例1−1に係る液晶表示装置についてのシミュレーション条件と同様である。
上記のシミュレーション条件と、図15をもとに印加電圧毎に設定された上記誘電体層1019a及び上記誘電体層1019bの誘電率とを用いてシミュレーションを実施し、比較例1に係る液晶表示装置の透過率と視野角特性に関わるガンマシフトとを算出した。以下に、そのシミュレーション結果について説明する。
比較例1に係る液晶表示装置の透過率については、図2及び図3等に示される上記誘電体層119、上記誘電体層119a、及び、上記誘電体層119bを、それぞれ、上記誘電体層1019、上記誘電体層1019a、及び、上記誘電体層1019bに置き換えることで、実施例1−1と同様に、図5を用いて説明できる。本比較例1は、図5中の「ε=4/7固定」に該当する。
図5に示すように、最大印加電圧(8V)において、比較例1に係る液晶表示装置の透過率は、実施例1−1に係る液晶表示装置(「誘電率可変」の場合)の透過率よりも低くなることが確認された。
比較例1に係る液晶表示装置の視野角特性に関わるガンマシフトについても、実施例1−1と同様に、図6及び図7を用いて説明できる。
図6及び図7に示すように、比較例1に係る液晶表示装置のカーブは、実施例1−1に係る液晶表示装置(「誘電率可変」の場合)のカーブよりもやや輝度が高い方向にシフトしているものの、「ε=4固定」及び「ε=7固定」のカーブよりも輝度が低い方向にシフトしていることが確認された。つまり、比較例1に係る液晶表示装置のカーブは、「ε=4固定」及び「ε=7固定」のカーブよりも正面方向からの浮き(ガンマシフト)が少ないことが確認された。
よって、上記より、比較例1に係る液晶表示装置において、視野角特性が向上するものの、透過率の低下を充分に防止することができないことが確認された。
[比較形態2]
比較形態2に係る液晶表示装置について、図13を用いて説明する。
図13は、比較形態2に係る液晶表示装置が備える液晶表示パネルの断面模式図である。比較形態2に係る液晶表示装置の構成については、上述した通りである。上記誘電体層1219aは無機絶縁膜であり、その誘電率を6.9F/mとし、その厚さを0.6μmとした。また、上記誘電体層1219bは有機絶縁膜であり、その誘電率を4F/mとし、その厚さを0.6μmとした。ただし、該誘電体層1219a及び該誘電体層1219bの特性の限定は特になく、該誘電体層1219aが有機絶縁膜であり、該誘電体層1219bが無機絶縁膜であってもよい。
よって、上記のような構成において、比較形態2に係る液晶表示装置が有する上記液晶層1222にかかる実効的な駆動電圧は、上記電界領域1224a及び上記電界領域1224bで異なるため、マルチV−T化することが可能であり、良好な視野角特性が得られる。しかしながら、上記誘電体層1219a及び上記誘電体層1219bの誘電率は、電圧によって変化せず、固定されたものであるため、比較形態2に係る液晶表示装置の最大印加電圧において、上記誘電体層の誘電率の低い方の領域の実質的な透過率が低下し、画素部全体の平均透過率が低下してしまう。
[その他の好適な実施形態]
本発明の各実施形態においては、酸化物半導体TFT(IGZO〔In−Ga−Zn−O系半導体〕が特に好ましい。)が好適に用いられる。この酸化物半導体TFTについて、以下に詳細に説明する。
上記TFT基板は、通常は、薄膜トランジスタ素子を備える。上記薄膜トランジスタ素子は、酸化物半導体を含むことが好ましい。すなわち、薄膜トランジスタ素子においては、シリコン半導体膜の代わりに、酸化亜鉛等の酸化物半導体膜を用いてアクティブ駆動素子の活性層を形成することが好ましい。このようなTFTを「酸化物半導体TFT」と称する。酸化物半導体は、アモルファスシリコンよりも高いキャリア移動度を示し、特性ばらつきも小さいという特徴を有している。このため、酸化物半導体TFTは、アモルファスシリコンTFTよりも高速で動作でき、駆動周波数が高く、より高精細である次世代表示装置の駆動に好適である。また、酸化物半導体膜は、多結晶シリコン膜よりも簡便なプロセスで形成されるため、大面積が必要とされる装置にも適用できるという利点を有する。
上記の実施形態1〜4の中で、マルチV−T化することで視野角特性がより向上するとともに、最大透過率の低下をより防止するものとしては、実施形態1が特に好ましい。
上述した実施形態における各形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
10:画素部
111、211、711、811、911、1011、1211:液晶表示パネル
112、712、812、912、1012、1212:TFT基板
113、713、813、913、1013、1213:CF基板
114a、114b、714a、714b、814a、814b、914a、914b、1014a、1014b、1214a、1214b:ガラス基板
115、116、116a、116b、116c、117、715、716、716a、716b、716c、717、815、816、816a、816b、816c、817、915、916、916a、916b、916c、917、1015、1016、1016a、1016b、1016c、1017、1215、1216、1216a、1216b、1216c、1217:電極
118、718、818、918、1018:絶縁層
119、119a、119b、719、719a、719b、819、819a、819b、919、919a、919b、1019、1019a、1019b、1219a、1219b:誘電体層
120、720、820、920、1020、1220:カラーフィルタ層
121、721、821、921、1021、1221:ブラックマトリクス
122、722、822、922、1022、1222:液晶層
123、723、823、923、1023、1223、1323:液晶分子
124a、124b、724a、724b、824a、824b、924a、924b、1024a、1024b、1224a、1224b:電界領域
125:オーバーコート層
1326:光硬化性モノマー
1327:ポリマー
1328:液晶のドロップレット
1329:PDLC層
TFT:薄膜トランジスタ
CF:カラーフィルタ

Claims (5)

  1. 第1基板と、
    該第1基板に対向する第2基板と、
    該第1基板及び該第2基板に挟持された液晶層とを少なくとも備える液晶表示装置であって、
    該第1基板は、第1電極、及び、第2電極を有し、
    該第2基板は、第3電極を有し、
    該第1電極は、複数の線状部分を含む、複数の櫛歯電極、又は、スリットを有する電極であり、
    該第2電極及び該第3電極は、面状の電極であり、
    該液晶層に含まれる液晶分子は、該第1電極、該第2電極、及び、該第3電極からなる群より選択される少なくとも1種の電極によって発生する電界により駆動され、
    該液晶表示装置は、更に、画素内の複数の領域で、電圧無印加時に異なる誘電率を有する誘電体層を備え、
    該誘電体層は、基板主面を平面視したときに、該第1電極の少なくとも一部、該第2電極の少なくとも一部、及び、該第3電極の少なくとも一部と重畳し、
    該誘電体層の誘電率は、該電界で発生する電圧によって変化するとともに、液晶表示装置に印加する電圧が大きくなるほど、該複数の領域における誘電率が互いに漸次近づくことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記誘電体層の誘電率は、液晶表示装置の最大印加電圧時に、該誘電体層の複数の領域毎に略同一となることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶層に含まれる液晶分子は、電圧無印加時に基板主面に対して垂直な方向に配向することを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1電極は、前記第2電極の前記液晶層側にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 前記誘電体層は、高分子分散型液晶から構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017531831A (ja) * 2014-10-21 2017-10-26 ロリク アーゲーRolic Ag ポリマー含有散乱型垂直配置液晶素子
JP2019144460A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 株式会社コムラテック 調光フィルム
CN111965863A (zh) * 2020-08-26 2020-11-20 上海天马微电子有限公司 显示装置及其控制方法

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