JP2014089166A - 中性子吸収材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料で構成した中性子吸収材のアルミニウムとジルコニウム合金から成る燃料被覆管との直接の接触を防止し、両者の接触に起因する後者の腐食を防止でき、かつ軽量で熱伝導が良好な中性子吸収材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】核燃料の貯蔵用容器、貯蔵ラック、輸送用容器及び核燃料プール等に使用される中性子吸収材であって、アルミニウムマトリックス中にホウ素化合物粒子が分散したホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料層と、その両面のアルミニウムスキン層とから成るコア板、およびコア板の少なくとも片面のステンレス鋼クラッド層を含む中性子吸収材。アルミニウムマトリックス中にホウ素化合物粒子が分散したホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料層と、その両面のアルミニウムスキン層とから成るコア板を用意し、コア板の少なくとも片面にステンレス鋼板をクラッド圧延する製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、MOX燃料を含む核燃料の臨界反応の防止を目的として、使用済み核燃料の貯蔵用容器、貯蔵ラック、輸送用容器及び核燃料プール等や容器等に使用される、中性子吸収機能に優れた中性子吸収材に関するものである。
一般に、中性子吸収機能に優れた材料としては、アルミニウムあるいはステンレス鋼(SUS)等の金属マトリックス中に天然ホウ素(または濃縮ホウ素)またはホウ素化合物(B4Cなど)の粒子を分散させたホウ素分散金属基複合材料が使用されてきた。さらに近年では、中性子吸収機能の他にも耐久性、引張強度、破壊強度、熱伝導性など様々な特性に優れた材料が求められている。
本願において、用語「アルミニウム」は、特に断りのない限り、純アルミニウムおよびアルミニウム合金の両方を指す。
従来は、中性子吸収機能を備えた元素としてガドリニウム(Gd)、サマリウム(Sm)、ホウ素(B)などが使用されており、その中でもホウ素が最も頻繁に使用されている。例えば、バスケットや使用済燃料貯蔵ラック等に、アルミニウム基複合材料で構成された中性子吸収材が用いられている。これは、炭化ホウ素(BC)粉末とアルミニウム粉末を混合した混合粉末をアルミニウム板材で挟み込んで圧延して作製される。すなわち、高延性であるアルミニウム粉末粒子が圧延によって塑性変形し相互に密着一体化してアルミニウムマトリックスとなり、このマトリックス中に炭化ホウ素の粉末粒子が分散してホウ素分散アルミニウム基複合材料としての中性子吸収材が形成される。また鋼製の中性子吸収材としても、鋼マトリックス中にホウ化物を分散含有するホウ素含有鋼材の表面の耐食性を改善した中性子吸収材、ホウ素含有鋼材のコアをアルミニウム等でクラッドした中性子吸収材等が製造されていた。
ここで、原子炉の燃料被覆管はジルコニウム(Zr)合金が使用されることが一般的であるため、特許文献1のように、中性子吸収材がアルミニウム基複合材料である場合には、中性子吸収材のアルミニウムと燃料被覆管のジルコニウム合金との接触や擦れ合いによって、燃料被覆管のジルコニウム合金の腐食が進行し、破損する恐れがあった(非特許文献1)。
また、ホウ素含有鋼材を用いると、ジルコニウム合金製燃料被覆管の腐食の進行は比較的抑制できるが、アルミニウム基複合材料と比べて中性子吸収材の熱伝導率が低下してしまう。また、特許文献2のようにホウ素含有鋼材を銅板でクラッド圧延した場合は、アルミニウム基複合材料と同程度の軽量化を達成することが困難になる。
特開2010−255033号公報 特許第2853133号公報
B. Cox, "Some thoughts on the mechanisms of in-reactor corrosion of zirconium alloys", Journal of Nuclear Materials 336 (2005) 331-368.
本発明は、ホウ素分散アルミニウム基複合材料で構成した中性子吸収材のアルミニウムとジルコニウム合金から成る燃料被覆管との直接の接触を防止し、両者の接触に起因する燃料被覆管のジルコニウム合金の腐食を防止でき、かつ軽量で熱伝導が良好な中性子吸収材およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、核燃料の貯蔵及び輸送等に使用される中性子吸収材であって、
アルミニウムマトリックス中にホウ素化合物粒子が分散したホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料層と、その両面のアルミニウムスキン層とから成るコア板、および
上記コア板の少なくとも片面のステンレス鋼クラッド層、
を含むことを特徴とする中性子吸収材が提供される。
更に、本発明によれば、核燃料の貯蔵及び輸送等に使用される中性子吸収材の製造方法であって、
アルミニウムマトリックス中にホウ素化合物粒子が分散したホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料層と、その両面のアルミニウムスキン層とから成るコア板を用意する工程、および
上記コア板の少なくとも片面にステンレス鋼板をクラッド圧延する工程、
を含むことを特徴とする中性子吸収材の製造方法が提供される。
本発明の中性子吸収材は、軽量かつ熱伝導率が高く中性子吸収機能に優れたホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料にステンレス鋼板をクラッド圧延したので、ジルコニウム合金からなる燃料被覆管に使用しても、アルミニウムとジルコニウム合金との間にステンレス鋼クラッド層が介在するため、アルミニウムとジルコニウム合金との直接接触することが防止され、ジルコニウム合金の腐食が防止される。
また、ホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料を含むコア板に、ステンレス鋼をクラッド接合することにより、コア板の優れた中性子吸収機能とステンレス鋼の強度および耐食性を併せ持つ中性子吸収材を提供することができる。また、この中性子吸収材によって構成されるバスケット材等は、一般的なジルコニウム合金製燃料被覆管と接触し得る状態で使用することが可能になる。
本発明の中性子吸収材の断面図 図1に示した本発明の中性子吸収材の製造においてコア板の両面にステンレス鋼板をクラッド圧延するための材料配置形態 本発明の望ましい形態による中性子吸収材の断面図 図3に示した本発明の望ましい形態の中性子吸収材の製造においてコア板の両面にステンレス鋼板をクラッド圧延するための材料配置形態 図3の中性子吸収材の断面ミクロ組織 コア板の片面にステンレス鋼板をクラッドした本発明の中性子吸収材の断面図 図6に示した本発明の一形態の中性子吸収材を2組同時に製造するクラッド圧延を行うための材料配置形態 本発明の他の望ましい形態による中性子吸収材の断面図 図8に示した本発明の他の望ましい形態の中性子吸収材を製造するクラッド圧延を行うための材料配置形態
図1に示すように、本発明の中性子吸収材100は、アルミニウムマトリックス中にホウ素化合物粒子が分散したホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料板110と、その両面のアルミニウムスキン112とから成るコア板114、およびコア板114の少なくとも片面(図の例では両面)のステンレス鋼クラッド層116を備えている。これにより、コア板114により中性子吸収能を発揮し、同時に、ステンレスクラッド層116によりコア板112のアルミニウム(=110のマトリックスおよびスキン112)と燃料被覆管のジルコニウム合金との接触を防止し、両者の接触に起因するジルコニウム合金の腐食を防止する。
図2に、図1の中性子吸収材100のクラッド圧延方法を示す。すなわち、アルミニウム基複合材料板110とその両面のアルミニウムスキン112とから成るコア板114の両面にステンレス鋼板116を重ねてクラッド圧延する。
図1に示すように、ステンレス鋼板116をコア板114の両面にクラッドする場合には、図2に示すうに、コア板114と2枚のステンレス鋼板116を一括して同時に圧延することが好ましい。コア板114にステンレス鋼板116を1枚ずつクラッド圧延すると、材料の伸びの違いが原因で、コア板114がステンレス鋼板116寄りに反ってしまうことが多い。コア板114を両側からステンレス鋼板116で挟み込んで両面同時にクラッド圧延することで、この反り現象を抑制することができる。また、一度の圧延工程で両面にステンレスクラッド層116を形成することができるためコストの低減にもなる。
図3に示すように、コア板114とステンレス鋼板116との間にアルミニウム接合層118を挿入する場合にも同様であり、図4に示すように、コア板114を両側からアルミニウム接合層118およびステンレス鋼板116で挟み込んで両面同時にクラッド圧延する。
本発明の望ましい形態においては、図3に示すように、コア板114のアルミニウムスキン112と、ステンレスクラッド層116との間に、これら両者(スキン112およびクラッド116)より延性の高いアルミニウム接合層118が介在する。これにより、アルミニウムスキン112とステンレスクラッド層116との間に介在するアルミニウム接合層118がクラッド圧延時に塑性変形することでアルミニウムクラッド層112およびステンレスクラッド層116の両者と密着し、両者間の接合強度を高める。
図4に、図3の望ましい形態の中性子吸収材101のクラッド圧延方法を示す。すなわち、アルミニウム基複合材料板110とその両面のアルミニウムスキン112とから成るコア板114の両面に、アルミニウムスキン112およびステンレスクラッド層116の両者よりも延性の高いアルミニウム接合材118を配置し、その上からステンレス鋼板116を重ねてクラッド圧延する。
典型的には、アルミニウムスキン112がJIS2000系〜7000系のアルミニウム合金から成り、アルミニウム接合層118がJIS1000系の純アルミニウムから成る。ステンレスクラッド層116は、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、二相ステンレス鋼等から用途に応じて適宜選択することができる。
図5に、図3、4に示す本発明の望ましい形態により、BC分散アルミニウム基複合材料110とJIS5052のアルミニウムスキン112とから成るコア板114に、JIS1100のアルミニウム接合層118を介在させて、JISSUS304ステンレス鋼板116をクラッドした中性子吸収材101の断面ミクロ組織の一例を示す(後述の実施例を参照)。コア板114、アルミニウム接合層118、ステンレスクラッド層116が密着した良好な接合状態が得られている。
図6に、コア板114の片面にステンレス鋼板116をクラッドした本発明の中性子吸収材の一実施形態102を示す。
図7に、図6に示すように片面クラッドする中性子吸収材102のクラッド圧延方法を示す。すなわち、ホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料110とアルミニウムスキン112とから成るコア板114の片面に、アルミニウム接合層118を介在させて、その上にステンレス鋼板116を重ねた組み合わせ2組A、Bを、ステンレス鋼板116の側で重ね合わせて、2組同時に圧延する。
ステンレス鋼板116をコア材114の片面にのみクラッドする場合には、図7のようにステンレスクラッド側同士(ステンレス鋼板116同士)が向き合うよう並べて同工程にて圧延することが好ましい。これにより、コア板114のステンレス鋼板115寄りの反りの発生を抑えることができる。また同時に、一度の圧延工程で2枚の片面クラッド中性子吸収材102を製造することができるので、コストを低減することができる。その際、2組の間に離型剤を配することで組間の接合(図示の例ではステンレス鋼板116同士の接合)を防止することができる。なお、図7には、図示の便宜上、ステンレス鋼板116同士を接触させスキン向きで圧延する場合を示したが、反対に、コア板114同士(アルミニウムスキン112同士)を接触させスキン向きで圧延しても同様の効果が得られる。
図8に示した実施形態の中性子吸収材103においては、コア板114のアルミニウムスキン112をJIS1000系純アルミニウムのような高延性の材料とすることにより、図3〜7に示した実施形態のように高延性のアルミニウム板118を別途挿入することなく、図9に示すように、コア板114に直接ステンレスクラッド層116を高い密着性で接合することができる。また、別途に高延性のアルミニウム板118を必要としないため、材料の節約を達成することができコスト低減に有利である。
本発明に用いるコア板114は、以下のようにして作製できる。
すなわち、炭化ホウ素(BC)等のホウ素化合物粉末とアルミニウム粉末との混合粉末とをアルミニウム製のスキン112内に封入し圧延して作製される。あるいは、上記の混合粉末を焼結・押出した後に、アルミニウム製スキンに挟み込んで圧延してもよい。いずれの場合も、高延性であるアルミニウム粉末粒子が圧延によって塑性変形し相互に密着一体化してアルミニウムマトリックスとなり、このマトリックス中に炭化ホウ素等のホウ素化合物の粉末粒子が分散してホウ素分散アルミニウム基複合材料110と、その両面のアルミニウムスキン112とから成るコア板114が形成される。
アルミニウム基複合材料110のマトリックス中に分散含有されるホウ素化合物は、中性子吸収能に優れるものであれば特に限定されるものではない。一般的には炭化ホウ素(BC)、酸化ホウ素(B)、窒化ホウ素(BN)、ホウ化アルミニウム(AlB)等が挙げられるが、特に炭化ホウ素BCは、工業的には量産可能で中性子吸収能に優れた同位体であるB10を約15%含有するため複合化に最適である。
Cは、アルミニウム基複合材料にホウ素量で0.4〜60.0wt%含有することが好ましい。含有量が0.4wt%よりも低いと十分な中性子吸収能を得ることができず、そのため中性子吸収材の板厚を厚くしなければならず、中性子吸収材が嵩張り収納にとって不利になってしまうためである。また、ホウ素化合物の含有量が60.0wt%よりも多いと、変形抵抗が上昇し加工性が悪化ししてしまうほか、アルミニウムとホウ素化合物の密着性が低下することで空隙ができやすくなり、放熱性が低下する恐れがある。
コア板とステンレス鋼板の間に挟み込むJIS1000系純アルミニウム板は、純度が99.0wt%以上の高純度アルミニウム材であれば特に限定される必要はない。1000系純アルミニウム板の厚さは0.05〜0.5mmが好ましい。1000系純アルミニウム板を挿入することで、コア材とステンレス鋼板を良好に接合することができる。
図4を参照して、本発明の望ましい製造方法を説明する。
コア板としてのBC分散アルミニウム基複合材料110、ステンレス鋼板116、1000系純アルミニウム板118を、図示のように並べてクラッド圧延を行い一体化させる。その際、圧延温度は300〜550℃の範囲とするのが好ましい。圧延温度が300℃より低いと材料間の接合がうまくいかず、また550℃よりも高いと、ステンレス鋼板の表面酸化が急激に進行する恐れがあるためである。
コア板、ステンレス鋼板および1000系アルミニウム板材のそれぞれは、クラッド圧延を行う前に表面を研磨することが好ましい。研磨はブラッシングやブラスト処理など、表面を粗くする処理であればいずれの手段でもよい。それぞれの材料の表面を粗くすることで接合面積を大きくし、接合状態を良好にすることができる。
さらにコア板、ステンレス鋼板、1000系純アルミニウム板のそれぞれは、クラッド圧延を行う前に、酸・アルカリなどの化成処理により表面の酸化物等を除去することが好ましい。そうすることで接合状態を良好にすることができる。
そしてクラッド圧延の際には、材料間の反りやズレを防止するために、特に手段は限定しないが溶接で固定するか針金で押さえるなどして、それぞれの圧延材料を固定しながら圧延する。圧延工程は、圧下率20〜30%で複数パス行い、中性子吸収材全体の板厚が所望の厚さになるまで仕上げる。
本発明の望ましい実施形態により、図3に示す中性子吸収材101を下記の条件および手順で製造した。
まず、クラッド圧延を行う材料を以下のようにそれぞれ準備した。
<コア板>
JIS 1070系純アルミニウム粉末とBC粉末を混合した混合粉末を、加圧焼結、押出成形して作製したBC分散アルミニウム基複合材料を5052系アルミニウムスキンで挟み込んで圧延した
<アルミニウム接合層>
JIS A1100系純アルミニウム板
<ステンレス鋼板(クラッド層)>
JIS SUS304系のステンレス鋼板
それぞれの圧延前の寸法を表1に示す。
図4に示すように、各材料を下記の順に積層配置して圧延用アセンブリを準備した。
SUS304鋼板116
A1100板(アルミニウム接合層)118
コア板114(アルミニウム基複合材料110+アルミニウムスキン112)
A1100板(アルミニウム接合層)118
SUS304鋼板116
(アセンブリ総板厚:11.1mm)
この圧延用アセンブリを約450℃で3時間前後保持した後、長さ方向における両端を針金で固定し、圧延温度400〜500℃で圧下率20〜30%の条件下で圧延し、図3の中性子吸収材101を得た。板厚は4.72mmであった。(*圧下率=〔(圧下前の板材の厚さ−圧下後の板厚の厚さ)/圧下前の板材の厚さ〕×100)
表2に、各部位の圧延前後の板厚および圧下率をまとめて示す。
図5に、得られた中性子吸収材101の長手方向の中央部の断面ミクロ組織を示す。コア板114、アルミニウム接合層118、ステンレスクラッド層116が密着した良好な接合状態(金属接合)が得られていることが認められる。
表3に、機械的性質を表3にまとめて示す。
本実施例(ステンレスクラッド中性子吸収材)と従来例(クラッドなし中性子吸収材)との機械的性質の比較を示す。本実施例と従来例について同様の板厚(4.72mm)で比較したところ、引張強さおよび耐力は、本実施例の方が2〜2.5倍優れていた。
本発明によれば、ホウ素分散アルミニウム基複合材料で構成した中性子吸収材のアルミニウムとジルコニウム合金から成る燃料被覆管との直接の接触を防止し、両者の接触に起因する燃料被覆管のジルコニウム合金の腐食を防止でき、かつ軽量で熱伝導が良好な中性子吸収材およびその製造方法が提供される。
本発明のステンレスクラッド中性子吸収材はその表面が鋼材に覆われているため、バスケット材などとしてジルコニウム合金製の燃料被覆管等に使用されても、中性子吸収材のアルミニウム部分とジルコニウム合金の接触箇所でジルコニウム合金の腐食発生を防止できるので、従来よりも用途が大幅に拡大する。
ホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料を含むコア板にステンレス鋼板をクラッド圧延することで、従来よりも優れた引張強さ、耐力および耐食性を得ることができるため、より過酷な状況下での利用が可能になる。
本発明のステンレスクラッド中性子吸収材は、薄いステンレス鋼板をクラッドするだけでジルコニウム合金側の腐食防止には十分有効であるため、全体の重量としてはアルミニウムをベースとするコア板により軽量であり、重量制限が厳しい状況下においても幅広く核燃料容器や輸送部材に使用することができる。

Claims (14)

  1. 核燃料の貯蔵用容器、貯蔵ラック、輸送用容器及び核燃料プール等に使用される中性子吸収材であって、
    アルミニウムマトリックス中にホウ素化合物粒子が分散したホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料層と、その両面のアルミニウムスキン層とから成るコア板、および
    上記コア板の少なくとも片面のステンレス鋼クラッド層、
    を含むことを特徴とする中性子吸収材。
  2. 請求項1において、
    上記ホウ素化合物が炭化ホウ素(BC)であることを特徴とする中性子吸収材。
  3. 請求項1または2において、
    上記コア板のアルミニウムスキン層と上記ステンレス鋼クラッド層との間に、これら両者より延性の高いアルミニウム接合層を有することを特徴とする中性子吸収材。
  4. 請求項3において、
    上記コア板のアルミニウムスキン層がJIS2000系〜7000系のアルミニウム合金から成り、上記アルミニウム接合層がJIS1000系の純アルミニウムから成ることを特徴とする中性子吸収材。
  5. 請求項1または2において、
    上記コア板のアルミニウムスキン層がJIS1000系の純アルミニウムから成ることを特徴とする中性子吸収材。
  6. 核燃料の貯蔵用容器、貯蔵ラック、輸送用容器及び核燃料プール等に使用される中性子吸収材の製造方法であって、
    アルミニウムマトリックス中にホウ素化合物粒子が分散したホウ素化合物分散アルミニウム基複合材料層と、その両面のアルミニウムスキン層とから成るコア板を用意する工程、および
    上記コア板の少なくとも片面にステンレス鋼板をクラッド圧延する工程、
    を含むことを特徴とする中性子吸収材の製造方法。
  7. 請求項6において、
    上記コア板は、
    アルミニウム粉末とホウ素化合物粉末との混合粉末をアルミニウムスキン内に封入し、または該混合粉末を焼結・押出後アルミニウムスキン間に挟み込んで、圧延することにより作製したものであることを特徴とする中性子吸収材の製造方法。
  8. 請求項6において、
    上記ホウ素化合物が炭化ホウ素(BC)であることを特徴とする中性子吸収材の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項において、
    上記クラッド圧延において、上記コア板の上記アルミニウムスキン層と上記ステンレス鋼板との間に、これら両者より延性の高いアルミニウム板を挿入して圧延を行うことを特徴とする中性子吸収材の製造方法。
  10. 請求項9において、
    上記コア板のアルミニウムスキン層がJIS2000系〜7000系のアルミニウム合金から成り、上記挿入するアルミニウム板がJIS1000系の純アルミニウムから成ることを特徴とする中性子吸収材の製造方法。
  11. 請求項6〜8のいずれか1項において、
    上記コア板のアルミニウムスキン層がJIS1000系の純アルミニウムから成ることを特徴とする中性子吸収材の製造方法。
  12. 請求項6〜11のいずれか1項において、
    上記クラッド圧延を圧延温度300〜550℃で行うことを特徴とする中性子吸収材の製造方法。
  13. 請求項6〜12のいずれか1項において、
    上記クラッド圧延において、圧延前に、上記コア板および上記ステンレス鋼板の表面を物理的研磨および/または化成処理することを特徴とする中性子吸収材の製造方法。
  14. 請求項6〜13のいずれか1項において、
    上記クラッド圧延において、上記コア板の片面に上記ステンレス鋼板をクラッドする場合、コア板1枚とステンレス鋼板1枚とを重ね合わせた組合せ2組を、コア板同士またはステンレス鋼板同士を向き合わせて重ね合わせ上記2組を同時に圧延することを特徴とする中性子吸収材の製造方法。
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