JP2001133585A - 使用済核燃料貯蔵ラック用管部材とその製造方法 - Google Patents
使用済核燃料貯蔵ラック用管部材とその製造方法Info
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Abstract
燃料貯蔵ラック用管部材とその製造方法において、中性
子吸収特性に優れ、かつ、ほう酸水等の環境に対して強
い性質を備えたものを提供することを課題とする。 【解決手段】 使用済核燃料集合体を収納する内筒と、
同内筒を中間層を介して囲んだ外筒をステンレス鋼の薄
板で形成し、前記中間層は曲げ加工が容易になる様に工
作した炭化ホウ素を主成分とした素材で形成して使用済
核燃料貯蔵ラック用管部材を構成しているので、腐食環
境に対しては耐蝕性に富んだステンレス鋼薄板の内外筒
で対応し、中性子の吸収は中間層の炭化ホウ素を主成分
とした素材で対応することにより、耐蝕性と中性子吸収
性の両方の機能を満たす好適な使用済核燃料貯蔵ラック
用管部材を得た。
Description
て、原子炉で使用済の核燃料を貯蔵する使用済核燃料貯
蔵ラック用管部材とその製造方法に関するものである。
器に装填され、所定の反応(燃焼)を終えた使用済核燃
料は、原子炉に隣接して設けられた燃料貯蔵プール内に
設置された使用済燃料貯蔵ラック内に長期間貯蔵され
る。
ラック内において未臨界性を保つために、ラックを構成
する材料は中性子吸収特性に優れた材料を用い、ラック
セルの間隔は一定の間隔を保つように構成される。
構成するラック構成材料は、SUS304ステンレス鋼
又はボロン添加ステンレス鋼が用いられ、ラックセルは
前記素材の板を曲げ加工して角管にし、これを市松模様
状に配置することにより構成されていた。
力発電の貢献に期待をよせざるを得ない状況にあり、使
用済の燃料は増加の傾向にあるものの、同使用済燃料を
再生処理、又は最終処理するにはかなりの時間を要し、
燃料貯蔵プールの容積は不足の傾向にある。
において、燃料の収容体数を増加させるには、中性子吸
収能に優れたホウ素の分量を材料中に多く含有させるこ
とにより、素材面から性能強化を図り、その分ラックセ
ルの間隔を狭めてやればよいと考えられる。
製造する場合には、ホウ素の添加量は2%が限界であ
り、また、ホウ素の量が多量に添加されると延性が低下
して曲げ加工が困難となり、特に角管部材の製造ではホ
ウ素量1.3%が限界であること等よりして、前記ラッ
クセルの間隔を狭めることは、容易に実現し難く、アイ
ディアの域を出ないものである。
る水分はほう酸水であることから、前記ラックセルを構
成する材料は耐食性がすぐれたものであることが必要で
あり、ホウ素が多量添加されると耐食性が低下してくる
という問題もある。
であり、中性子吸収特性に優れ、かつ、ほう酸水等の環
境に対して強い性質を備えた使用済核燃料貯蔵ラック用
管部材及び同管部材の製造方法を提供することを課題と
するものである。
解決すべくなされたもので、その第1の手段として、使
用済核燃料集合体を収納する空間を区画する内筒と、同
内筒を中間層を介して囲んだ外筒をステンレス鋼の薄板
で形成し、前記中間層は曲げ加工が容易になる様に工作
した炭化ホウ素を主成分とした素材で形成した使用済核
燃料貯蔵ラック用管部材を提供するものである。
核燃料貯蔵ラック用管部材を内外筒と中間層に区分し、
燃料貯蔵プールで厳しい腐食環境にされされる内外筒は
耐蝕性に富んだステンレス鋼の薄板で形成し、中性子の
吸収は中間層を形成する炭化ホウ素を主成分とした素材
に期待し、役割分担を明確にすることにより必要とされ
る耐蝕性と中性子吸収性の両方の機能を満たす好適な使
用済核燃料貯蔵ラック用管部材の提供を図るものであ
る。
レス鋼の薄板内筒にホウ素繊維テープを巻いてその上に
ステンレス箔を巻き、さらにホウ素繊維テープとステン
レス箔の巻きつけを複数回繰り返して中間層を形成し、
次いで最外側をステンレス鋼の薄板外筒で覆い、最後に
拡散接合して完成した使用済核燃料貯蔵ラック用管部材
の製造方法を提供するものである。
核燃料集合体を収納する空間を区画する内筒はステンレ
ス鋼の薄板で形成し、次いでその上に曲げ加工が容易に
なる様にステンレス箔及びホウ素繊維テープを交互に複
数回巻いて中間層を形成し、最外側は内筒と同様にステ
ンレス鋼の薄板で覆い、これを拡散接合して一体化する
ことにより、簡便な工程を経て耐蝕性と中性子吸収性の
両方を満たす好適な使用済核燃料貯蔵ラック用管部材の
製造を図る様にしたものである。
面と裏面で互い違いの縞模様となるように、幅方向に所
定の間隔を置いて長手方向全長に亘って延びた縞状にセ
ラミックス製ワックスを両面に塗布したステンレス箔
を、上下2枚のステンレス鋼の薄板の間に介在させて拡
散接合を行い、次いでこれらの全体に負圧をかけて前記
ワックス塗布部分を波状に延ばして各薄板の間に空間を
形成し、同空間に炭化ホウ素粉末を充填した後、同薄板
を管状に曲げ加工して接合端面を溶接することにより完
成した使用済核燃料貯蔵ラック用管部材の製造方法を提
供するものである。
に所定間隔をおいて長手方向全長に延びる縞状にセラミ
ックス製ワックスを両面に塗布し、かつ、同縞が表裏で
互い違いの模様となる様にしたステンレス箔を、上下2
枚のステンレス鋼の薄板の間に介装して拡散接合するこ
とにより、表裏互い違いの縞模様でセラミックス製ワッ
クスを塗布してない位置で、ステンレス箔を上又は下の
ステンレス鋼の薄板に互い違いに接合し、この状態で負
圧をかけることにより前記セラミックス製ワックスを塗
布したことにより接合していない部分を延ばして上下の
ステンレス鋼の薄板間に波状に変形したステンレス箔で
区画される空間を形成し、同空間に炭化ホウ素粉末を充
填した後これを管状に曲げ加工して接合端面を溶接する
ことにより、簡便な工程を経て耐蝕性と中性子吸収性の
両方を満たす好適な使用済核燃料貯蔵ラック用管部材の
製造を図る様にしたものである。
図1及び図2に基づいて説明する。図1は本実施の形態
における使用済核燃料貯蔵ラック用管部材の製造される
工程を(1)から(5)まで段階的に示す説明図であ
り、図2は完成した前記管部材を示し、(a)はその全
体図、(b)は(a)の矢視A−A方向で端面の一部を
示す端面図である。
ック用管部材は、ステンレス鋼であるSUS304薄板
の内筒2に対してボロン繊維テープ3を巻いて、その上
にステンレス箔であるSUS304箔4を巻き、同ボロ
ン繊維テープ3とSUS304箔4を交互に繰り返し巻
いて積層した中間層とし、更にその最外側を前記内筒2
と同じステンレス鋼であるSUS304薄板の外筒5で
覆った後、拡散接合して構成されている。
m厚のSUS304薄板の角形内筒2を挿入し、その表
面にボロン繊維(1本が約100μm径)で平織した厚
さt 3 =0.2mm、50mm幅のボロン繊維テープ3
をマンドレル1を回転しながら全長にわたって一様に巻
き、その上に厚さt4 =0.2mmのSUS304箔4
をマンドレル1を回転しながら全長にわたって巻く。
4箔4を繰り返し交互に巻いて、5段に積層重ねし、最
外層に厚さt5 =1mmのSUS304薄板の角形外筒
5で覆う。
1を引抜いた後、内筒2から外筒5までの厚さt0 =〜
4mmとした一体物として温度1000℃、圧力20M
Paの真空中で1時間の拡散接合をすることにより、S
US304箔2とSUS304箔2が接合し、角管成形
品6として製造される。
の様にして製造された角管成形品6の両端は前記した内
筒2及び外筒5と同じ材料のSUS304の板で溶接シ
ールされ、かくして全幅W=240φ、全長L=450
0mm程度の大きさで完成した角管成形品6におけるボ
ロン量はトータル量として約5wt%である。
部材はボロン繊維テープ3を積層に巻いてあることよ
り、2%以上のB量を十分含有している。従って、中性
子吸収能に非常に優れたラック用角管部材であり、ラッ
クセル間隔を大きく狭めることが可能となり燃料収容体
数を大幅に増加させることができる。
板で成形した角形内筒2の表面にボロン繊維テープ2と
SUS304箔4を多重巻し、最外層をSUS304薄
板の外筒5で覆って成形されていることより、角管する
必要はなく、曲げ時の割れの問題は生じない。
内外面はSUS304であり、問題ない。
3乃至図7に基づいて説明する。なお、ここで図3乃至
図6は工程の進捗過程を段階的に示し、図3は(a)に
下側のステンレス鋼の薄板とここに配置するステンレス
箔の配列関係を斜視図で示し、(b)に(a)のC部拡
大図を示し、図4上下のステンレス鋼の薄板に挟んだス
テンレス箔を波形に加工する工程を概略図として示し、
図5に図4の加工が終了した状態を概略図として示し、
図6に図5のものを管部材に曲げ加工した状態を概略図
として示している。なお、図7は完成した前記管部材を
示し、(a)はその全体図、(b)は(a)の矢視B−
B方向で端面の一部を示す端面図である。
ック用管部材は、内外面にステンレス鋼であるSUS3
04薄板11、12を用いて、その間にステンレス箔で
あるSUS304箔13を波状にサンドイッチし、ここ
に形成される空間に粉末としてボロン量を多く含んだ炭
化ホウ素のB4 C粉末15を充填し、必要なシールを行
ってこれを管状に曲げ加工して接合端面を溶接すること
により構成されている。
S304薄板下側11と同上側12の間に、拡散接合防
止のためのセラミック製ワックス14を塗布した部分の
幅W 1 =2mm、拡散接合を行うために塗布しない部分
の幅W2 =1mmピッチで長手方向全長にわたってセラ
ミック製ワックス14を両面に互い違いに塗布した厚さ
t13=0.2mmのSUS304箔13を置いて、その
状態で図4に示すような箱型ケース18中の空間部(厚
さt18=4mm)にセットし、図示省略の電気炉内にて
温度1000℃、圧力20MPa、真空中で1時間の拡
散接合をする。
を塗布した幅W1 に相当する箇所は拡散を生じないので
接合せず、ワックス14を塗布しない幅W2 に相当する
箇所が拡散接合し、かつ、この幅W1 と幅W2 に相当す
る箇所は表裏面、すなわち上下面で互い違いとなってい
るので、上下互い違いに接合しない所ができる。
にて全体に約30MPaの負圧を与えることにより、S
US304箔13の拡散接合していない所は延びて、波
形の形状となり空間が生じる。
し、両端を溶接シールした後、角管に曲げ加工し接合端
面の溶接部20を溶接することにより角管成形品16が
製造され、かくして厚みt10=〜4mm、全幅W=24
0φ、全長L=4500mm程度の大きさで完成した角
管成形品16におけるボロン量はトータル量として約5
wt%である。
部材はB4 C粉末15を多量に含んでいることより、2
%以上のボロン量を十分に含有している。従って、中性
子吸収能に非常に優れたラック用角管部材であり、ラッ
クセル間隔を大きく狭めることが可能であり、燃料収容
体数を大幅に増加させることができる。
S304薄板11,12で構成されており、曲げ時の割
れの問題もなく十分健全に角管することができる。ま
た、角管成形品16の内外表面はSUS304で構成さ
れており、耐食性についても問題ない。
説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
よいことはいうまでもない。
して角管部材として四角形状のものを説明したが、この
形状はここに説明したもののみに限定されず、種々のも
が選択されうることは勿論である。
用済核燃料を貯蔵するものとして説明したが、発電所へ
の燃料の運び込みと、発電量の都合との兼ね合いにより
未使用のものを一時的に保管する場所として応用し得る
ことも勿論である。
よれば、使用済核燃料集合体を収納する空間を区画する
内筒と、同内筒を中間層を介して囲んだ外筒をステンレ
ス鋼の薄板で形成し、前記中間層は曲げ加工が容易にな
る様に工作した炭化ホウ素を主成分とした素材で形成し
て使用済核燃料貯蔵ラック用管部材を構成しているの
で、燃料貯蔵プールで厳しい腐食環境に対しては耐蝕性
に富んだステンレス鋼の薄板で形成した内外筒で対応
し、中性子の吸収は中間層を形成する炭化ホウ素を主成
分とした素材に期待し、役割分担を明確に区分して必要
とされる耐蝕性と中性子吸収性の両方の機能を満たす好
適な使用済核燃料貯蔵ラック用管部材を得ることができ
たものである。
テンレス鋼の薄板内筒にホウ素繊維テープを巻いてその
上にステンレス箔を巻き、さらにホウ素繊維テープとス
テンレス箔の巻きつけを複数回繰り返して中間層を形成
し、次いで最外側をステンレス鋼の薄板外筒で覆い、最
後に拡散接合して完成するようにして使用済核燃料貯蔵
ラック用管部材の製造方法を構成しているので、この様
に、使用済核燃料集合体を収納する空間を区画する内筒
はステンレス鋼の薄板で形成し、その上に曲げ加工が容
易になる様にステンレス箔及びホウ素繊維テープを交互
に複数回巻いて中間層を形成し、最外側は内筒と同様に
ステンレス鋼の薄板で覆い、これを拡散接合して一体化
するという、簡便な工程を経て耐蝕性と中性子吸収性の
両方を満たす好適な使用済核燃料貯蔵ラック用管部材の
製造を容易に行うことが出来たものである。
ば、表面と裏面で互い違いの縞模様となるように、幅方
向に所定の間隔を置いて長手方向全長に亘って延びた縞
状にセラミックス製ワックスを両面に塗布したステンレ
ス箔を、上下2枚のステンレス鋼の薄板の間に介在させ
て拡散接合を行い、次いでこれらの全体に負圧をかけて
前記ワックス塗布部分を波状に延ばして各薄板の間に空
間を形成し、同空間に炭化ホウ素粉末を充填した後、同
薄板を管状に曲げ加工して接合端面を溶接することによ
り完成するようにして使用済核燃料貯蔵ラック用管部材
の製造方法を構成しているので、この様に、セラミック
ス製ワックスの選択的な塗布、拡散接合、負圧をかける
ことによるステンレス箔の波状変形と空間の作成、炭化
ホウ素粉末の充填、管状の曲げ加工と接合端面の溶接と
いう工程を経て耐蝕性と中性子吸収性の両方を満たす好
適な使用済核燃料貯蔵ラック用管部材の製造を容易かつ
適格に行うことができたものである。
蔵ラック用管部材の製造工程を段階的に示す説明図であ
る。
(a)はその全体図、(b)は(a)の矢視A−A方向
で端面の一部を示す端面図である。
蔵ラック用管部材の製造工程の最初の段階を示し、
(a)は下側のステンレス鋼の薄板とここに配置するス
テンレス箔の配列関係を示す斜視図、(b)に(a)の
C部拡大図である。
挟んだステンレス箔を波形に加工する工程を示す概略図
である。
である。
概略図である。
(a)はその全体図、(b)は(a)の矢視B−B方向
で端面の一部を示す端面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 使用済核燃料集合体を収納する空間を区
画する内筒と、同内筒を中間層を介して囲んだ外筒をス
テンレス鋼の薄板で形成し、前記中間層は曲げ加工が容
易になる様に工作した炭化ホウ素を主成分とした素材で
形成したことを特徴とする使用済核燃料貯蔵ラック用管
部材。 - 【請求項2】 ステンレス鋼の薄板内筒にホウ素繊維テ
ープを巻いてその上にステンレス箔を巻き、さらにホウ
素繊維テープとステンレス箔の巻きつけを複数回繰り返
して中間層を形成し、次いで最外側をステンレス鋼の薄
板外筒で覆い、最後に拡散接合して完成したことを特徴
とする使用済核燃料貯蔵ラック用管部材の製造方法。 - 【請求項3】 表面と裏面で互い違いの縞模様となるよ
うに、幅方向に所定の間隔を置いて長手方向全長に亘っ
て延びた縞状にセラミックス製ワックスを両面に塗布し
たステンレス箔を、上下2枚のステンレス鋼の薄板の間
に介在させて拡散接合を行い、次いでこれらの全体に負
圧をかけて前記ワックス塗布部分を波状に延ばして各薄
板の間に空間を形成し、同空間に炭化ホウ素粉末を充填
した後、同薄板を管状に曲げ加工して接合端面を溶接す
ることにより完成したことを特徴とする使用済核燃料貯
蔵ラック用管部材の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP31156399A JP4317627B2 (ja) | 1999-11-01 | 1999-11-01 | 使用済核燃料貯蔵ラック用管部材の製造方法 |
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CN108735322A (zh) * | 2018-06-04 | 2018-11-02 | 江苏核电有限公司 | 一种不锈钢硼铝复合板及制造方法 |
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