JP2014089130A - 水銀濃度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水銀を金にアマルガムとして捕集するときの試料溶液中の水銀の還元気化状況を容易に把握できる水銀濃度測定装置を提供する。
【解決手段】還元気化部1に試料溶液と10%塩化第一錫溶液を入れた後、水銀除去フィルタ10を介して空気を還元気化部1に流入させると、バブリングによって気化した水銀蒸気が酸ミスト除去器2、水分除去器3、吸収セル41を通して再捕集水銀捕集管5に導入される。このとき、再捕集水銀捕集管5の温度が150℃に維持されているので、還元気化された水銀蒸気が再捕集水銀捕集管5の捕集剤に捕集される一方、水銀蒸気以外の妨害成分は捕集されずに排出される。この水銀捕集中、制御部12は水銀検出部4で検出された光吸収信号を得、この光吸収信号の信号強度が測定開始時の信号強度とほぼ同じ信号強度になると、還元気化反応が終わったと判断し、エアポンプ9の駆動を停止して金アマルガム捕集を終了する。
【選択図】図4

Description

本発明は、水銀濃度測定装置、特に、試料溶液中の水銀や気体中の水銀を測定する水銀濃度測定装置に関する。
従来から原子吸光法による水銀分析は、長年にわたり環境分析や品質管理分析などで広く使用されている。水道水や河川水などの試料溶液の分析では、還元気化−冷原子吸光法や還元気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法を用いた装置が使用されており、環境大気、液化石油ガス、煙道ガス等の気体の分析には加熱気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法を用いた装置が使用されている。
還元気化−冷原子吸光法では、試料溶液中の水銀を還元気化して水銀蒸気を発生させ、酸ミストと水分を取り除いた後、紫外吸収水銀検出部の吸収セルに導入して水銀濃度を測定する。一方、この還元気化−冷原子吸光法では、測定値が水銀蒸気以外の妨害ガスの影響を受けるため、妨害ガスの影響がある場合は還元気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法を使用している。この還元気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法では、試料溶液中の水銀を還元気化して水銀蒸気を発生させ、酸ミストと水分を取り除いた後、適切な温度に制御された水銀捕集管に捕集することにより水銀のみを捕集し、その後再び加熱気化して紫外吸収水銀検出部の吸収セルに導入して水銀濃度を測定することにより妨害ガスの影響を取り除いている(例えば、特許文献1参照)。
また、加熱気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法では、大気等の気体中の水銀を捕集させた水銀捕集管を加熱気化装置に接続して発生した水銀蒸気を再び別の水銀捕集管の金にアマルガムとして再捕集し、さらに水銀を再捕集した捕集管を加熱し、発生する水銀蒸気を紫外吸収水銀検出部の吸収セルに導入して水銀濃度を測定する。例えば、珪藻土粒子等の表面に金を蒸着した捕集剤を充填した水銀捕集管を用いて大気を24時間一定流量で吸引捕集することにより、大気中の水銀を金アマルガムとして捕集する。このとき、その他の妨害ガス等も捕集剤の表面に付着し、測定値に影響を及ぼす恐れがあるため、水銀捕集管を加熱気化装置に接続して発生した水銀蒸気を適切な温度に制御された別の水銀捕集管に導入して水銀のみを再捕集することにより妨害ガスの影響を取り除くようにしている。
特開2010−151499号公報
試料溶液中の水銀測定に使用する、還元気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法は上記のように、高感度で干渉物質の影響を受けず、正確な測定が可能であるが、試料を還元気化した後、直接、金にアマルガムとして捕集するため試料溶液中の水銀の還元気化状況を把握することができない。このため、金アマルガム捕集の時間が、還元気化反応の終点より短い場合は、試料溶液中の水銀を完全に捕集することができない、という問題が生じる。また、還元気化状況を把握できないため、還元気化反応の終点の時間が短い場合は、還元気化反応が終了しているにもかかわらず、金アマルガム捕集を継続することがあり、無駄な時間が発生し、合計測定時間が長くなる、という問題もあった。
一方、試料溶液中の水銀測定を行う還元気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法を行う水銀濃度測定装置を、気体中の水銀測定を行う加熱気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法にも使用する場合、水銀蒸気の導入口を同一にすると、試料溶液の分析によって導入口近辺の配管が酸などで汚れている場合、気体中の水銀測定時に水銀蒸気が配管に吸着されることとなり、水銀蒸気が微量な気体試料の場合には正確な測定ができない、という問題が生じていた。このため、従来は試料溶液中の水銀測定と気体中の水銀測定に装置を共用する場合は、配管の交換をするなどの注意が必要であった。
本発明は、上記の課題を解決するために創案されたものであり、水銀を金にアマルガムとして捕集するときの試料溶液中の水銀の還元気化状況を容易に把握できるとともに、気体中の水銀測定に共用した場合に、気体中の水銀測定時に配管に水銀蒸気が吸着されず、正確な測定を行うことができる水銀濃度測定装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置は、試料溶液中の水銀を還元気化する還元気化部と、上記還元気化部で還元気化された試料溶液中の水銀を測定する水銀検出部と、上記還元気化部で還元気化された試料溶液中の水銀を捕集する水銀捕集部とを備えた水銀濃度測定装置であって上記還元気化部で還元気化された試料溶液中の水銀を上記水銀検出部を介して上記水銀捕集部に導入することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の水銀濃度測定装置は、請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置において、還元気化反応を監視する制御部を備え、当該制御部が、上記水銀検出部により検出された還元気化反応のピーク波形に基づいて還元気化反応の終点を制御することを特徴とする。
さらに、請求項3に係る発明の水銀濃度測定装置は、請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置において、上記水銀捕集部に捕集された水銀を上記水銀検出部または他の水銀検出部により測定することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の水銀濃度測定装置は、請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置において、上記還元気化部で還元気化された試料溶液中の水銀を上記水銀検出部により測定後、上記水銀捕集部を経ることなく排出することを特徴とする。
さらに、請求項5に係る発明の水銀濃度測定装置は、請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置において、気体中の水銀を捕集した捕集管を加熱して水銀蒸気を発生させる気体中水銀焼出し炉を備え、当該気体中水銀焼出し炉を上記水銀捕集部の後方に接続し、当該水銀捕集部に水銀蒸気を導入することにより水銀を捕集した後、捕集した水銀を加熱することにより発生する水銀蒸気を上記水銀検出部に導入して測定することを特徴とする。
本発明の請求項1〜請求項3の水銀濃度測定装置によれば、試料溶液中の水銀を還元気化部で還元気化して発生した水銀蒸気を水銀検出部に導入して測定を行い、測定後に水銀検出部から排出された水銀蒸気が水銀検出部の後に接続された水銀捕集部に導入されるので、水銀検出部で測定した還元気化反応のピーク波形を確認することにより水銀蒸気の発生状況が確認でき、還元気化反応が良好であるか否かを確認することができる。また、還元気化反応のピーク波形に基づいて還元気化反応の終点を確認することにより、水銀捕集の時間を適切に制御することができるので、試料溶液中の水銀を完全に捕集することができるとともに、還元気化反応の終点の時間が短い場合には、還元気化反応の終了後直ちに水銀捕集を終了することができるので、合計測定時間を短くすることができる。
また、本発明の請求項4の水銀濃度測定装置によれば、試料溶液中の水銀を還元気化部で還元気化して発生した水銀蒸気を水銀検出部で測定した後、水銀捕集部を経ることなく排出するので、試料溶液中の水銀を還元気化−冷原子吸光法により測定することができる。
さらに、本発明の請求項5の水銀濃度測定装置によれば、気体中の水銀を捕集した捕集管からの水銀蒸気は試料溶液中の水銀測定時の水銀蒸気導入口と同じ導入口ではなく、水銀検出部の後に接続された水銀捕集部の後方から導入して水銀捕集部により水銀を再捕集し、再捕集した水銀を加熱することにより発生した水銀蒸気を同一の水銀検出部に導入して測定を行うため、試料溶液中の水銀測定時に導入口近辺の配管が酸などで汚れることがあっても、気体試料の微量の水銀蒸気が吸着されることがなく、正確に測定することができるとともに、配管の交換等が不要となり、装置の共用が簡単になる。
本発明の水銀濃度測定装置の概略を示すブロック図である。 水銀検出部により検出された光吸収信号の一例を示す図である。 図1の水銀濃度測定装置により還元気化−冷原子吸光法によって試料溶液中の水銀測定を行う場合の作用を示す図である。 図1の水銀濃度測定装置により還元気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法によって試料溶液中の水銀測定を行う場合の金アマルガム捕集の作用を示す図である。 図1の水銀濃度測定装置により金アマルガム捕集された水銀の測定を行う場合の作用を示す図である。 図1の水銀濃度測定装置により気体中の水銀測定を行う場合の装置構成の概略を示すブロック図である。 図6の水銀濃度測定装置により加熱気化−金アマルガム捕集−冷原子吸光法によって気体中の水銀測定を行う場合の金アマルガム捕集の作用を示す図である。 図6の水銀濃度測定装置により金アマルガム捕集された水銀の測定を行う場合の作用を示す図である。
以下、本発明の水銀濃度測定装置について図面により説明する。
図1は本発明の水銀濃度測定装置の概略を示すブロック図であり、1は還元気化部、2は酸ミスト除去器、3は水分除去器、4は水銀検出部、5は再捕集水銀捕集管、6は加熱ヒータ、7は流量センサ、8はフィルタ、9はエアポンプ、10、11は水銀除去フィルタ、12は制御部、13、14は弁、15、16は三方切換弁、17はバイパスラインである。
還元気化部1は水銀イオンを含む試料溶液と還元剤が入れられる容器を備え、水銀イオンは還元剤によって単体(金属)まで還元され、水銀除去フィルタ10を介して還元気化部1に空気が送り込まれると、バブリングによって水銀が気化し、水銀蒸気が送り出される。
酸ミスト除去器2はメンブランフィルターや水酸化ナトリウム溶液などよりなり、酸ミストを除去するものであり、水分除去器3は冷却器で、水分をコールドトラップする。
水銀検出部4は、吸収セル41、ランプ42、ハーフミラー43、光電管44、45よりなる。吸収セル41は、ガラスまたはプラスチック製の管の両端に石英ガラス窓を付けたものであり、ランプ42には低圧水銀ランプまたは水銀中空陰極ランプを使用する。このランプ42は装置の電源オン時には常時点灯している。
ランプ42から放射された光線はハーフミラー43に入射し、吸収セル41に入射する測定光と、ハーフミラー43によって反射されて光電管44に入射する参照光とに分割される。この参照光は、いわゆるダブルビーム測光のために、すなわち、ランプ42の光強度変動をモニターして光電管45での測定光強度との比を求めることにより水銀ランプ42から放射される光強度変動を補償するために利用される。
再捕集水銀捕集管5は、石英ガラス管に石英ウール、珪藻土粒子等の表面に金を蒸着した捕集剤、石英ウールを順に充填したもので、この再捕集水銀捕集管5には加熱ヒータ6が設けられており、この再捕集水銀捕集管5と加熱ヒータ6により水銀捕集部を構成している。
水銀の金アマルガム捕集時には、再捕集水銀捕集管5を加熱ヒータ6によって150℃に加熱することにより、還元気化された水銀蒸気以外のガスを捕集しないようする。また、水銀測定時には、再捕集水銀捕集管5を加熱ヒータ6によって700℃程度に加熱することによってアマルガムが分解され、気化した水銀蒸気が放出される。
流量センサ7は管内を流れる空気の流量を検出するものであり、フィルタ8は活性炭フィルタであり、水銀蒸気やその他のガスをトラップする。エアポンプ9は空気を吸引して装置内に空気を吸引するためのものである。水銀除去フィルタ10、11は、再捕集水銀捕集管5と同様に、石英ガラス管に石英ウール、珪藻土粒子等の表面に金を蒸着した捕集剤、石英ウールを順に充填したものであり、常温で水銀を吸着して除去する。
制御部12は、弁13、14の開閉、三方切換弁15、16の切り換え、流量センサ7の検出値に基づくエアポンプ9の制御、加熱ヒータ6の制御を行うとともに、光電管44、45で検出された信号を比較することにより図2に示すようなプロファイルの光吸収信号を得、この光吸収信号に基づいて試料中の水銀濃度を求める。
なお、弁13は通常時開で制御部12による制御時のみ閉となり、弁14は通常時閉で制御部12による制御時のみ開となる。また、制御部12によるエアポンプ9の流量制御は測定の切替時の当初のみ行われる。
次に、図1の水銀濃度測定装置により還元気化−冷原子吸光法によって試料溶液中の水銀測定を行う場合の作用を図3により説明する。
還元気化部1の容器に試料溶液と塩化第一錫溶液を入れた後、測定を開始すると、制御部12は三方切換弁15をバイパスライン17側に、三方切換弁16を三方切換弁15側に切り換えた後、エアポンプ9の駆動を開始する。これにより、水銀除去フィルタ10を介して空気が還元気化部1に流入するので、塩化第一錫溶液によって還元された水銀がバブリングによって気化し、水銀蒸気が送り出される。
水銀蒸気は、図3の一点鎖線に示すように、硫酸等のミストを捕らえる酸ミスト除去器2、水分除去器3を通して水銀検出部4の吸収セル41に導入され、制御部12が光電管44、45で検出された信号を比較することによって、図2に示すようなプロファイルの光吸収信号を得る。この光吸収信号の信号強度が測定開始時の信号強度とほぼ同じ信号強度になる時点、すなわち図2の時点bまで信号強度を測定し、測定した全測定時間、すなわち時点aから時点bまで信号強度を積分することにより積分値を求め、この積分値またはピーク高さから予め作成した検量線を用いて試料中の水銀重量を求める。
吸収セル41を通過した水銀蒸気を含む空気は、図3の一点鎖線に示すように、バイパスライン17、三方切換弁15、16、流量センサ7を介してフィルタ8に流入し、水銀蒸気やその他のガスがトラップされた後、エアポンプ9から排出される。
このように、試料溶液中の水銀を還元気化部1で還元気化して発生した水銀蒸気を水銀捕集部を経ることなく排出することにより、試料溶液中の水銀を還元気化−冷原子吸光法により測定することができる。
次に、図1の水銀濃度測定装置により還元気化−金アマルガム捕集-冷原子吸光法によって試料溶液中の水銀測定を行う場合の金アマルガム捕集の作用を図4により説明する。
還元気化部1に試料溶液と塩化第一錫溶液を入れた後、水銀の金アマルガム捕集を開始すると、制御部12は三方切換弁16を再捕集水銀捕集管5側に切り換える。次に、制御部12は加熱ヒータ6を駆動することにより再捕集水銀捕集管5の温度を150℃に維持した後、エアポンプ9の駆動を開始する。これにより、水銀除去フィルタ10を介して空気が還元気化部1に流入するので、塩化第一錫溶液によって還元された水銀がバブリングによって気化し、水銀蒸気が送り出される。
水銀蒸気は、図4の一点鎖線に示すように、硫酸等のミストを捕らえる酸ミスト除去器2、水分除去器3、吸収セル41を通して再捕集水銀捕集管5に導入される。このとき、再捕集水銀捕集管5の温度が150℃に維持されているので、還元気化された水銀蒸気が再捕集水銀捕集管5の捕集剤に捕集される一方、水銀蒸気以外の酸性ガス、有機性ガス等の妨害成分は捕集されずに三方切換弁16、流量センサ7を介してフィルタ8に流入し、ガスがトラップされた後、残りの空気がエアポンプ9から排出される。
上記の水銀捕集中、制御部12は光電管44、45で検出された信号を比較することによって図2に示すようなプロファイルの光吸収信号を得、この光吸収信号の信号強度が測定開始時の信号強度とほぼ同じ信号強度になったとき、すなわち、図2の時点bで、還元気化反応が終わったと判断し、エアポンプ9の駆動を停止して金アマルガム捕集を終了する。このように、水銀捕集中、水銀蒸気の発生状況が確認できるので、還元気化反応が良好であるか否かを確認することができる。また、還元気化反応のピークの終点bを確認することにより、金アマルガム捕集の時間を適切に制御することができるので、試料中の水銀を完全に捕集することができるとともに、還元気化反応の終点の時間が短い場合には、還元気化反応の終了後直ちに金アマルガム捕集を終了することができるので、合計測定時間を短くすることができる。
水銀が金アマルガム捕集された後、再捕集水銀捕集管5に捕集された水銀を水銀検出部4により測定するが、以下、この測定を行う場合の作用を図5により説明する。
再捕集水銀捕集管5に捕集された水銀の測定を開始すると、制御部12は弁13を閉じ、弁14を開くととともに、三方切換弁15を吸収セル41側に、三方切換弁16を三方切換弁15側に切り換える。次に、制御部12は加熱ヒータ6を駆動することにより再捕集水銀捕集管5の温度を700℃に維持した後、エアポンプ9の駆動を開始する。
エアポンプ9が駆動されると、図5の一点鎖線に示すように、弁14を介して水銀除去フィルタ11によって水銀を除去した空気が再捕集水銀捕集管5に導入されるので、再捕集水銀捕集管5で気化された水銀蒸気が吸収セル41に導入され、上記と同様に、制御部12が光電管44、45で検出された信号を比較することで、図2に示すようなプロファイルの光吸収信号を得る。そして、上記と同様に、この光吸収信号の信号強度が測定開始時の信号強度とほぼ同じ信号強度になる時点bまで信号強度を測定し、測定した全測定時間にわたり信号強度を積分することにより積分値を求め、この積分値またはピーク高さから予め作成した検量線を用いて試料中の水銀重量を求める。
吸収セル41を通過した水銀蒸気を含む空気は、図5の一点鎖線に示すように、三方切換弁15、16、流量センサ7を介してフィルタ8に流入し、水銀蒸気がトラップされた後、エアポンプ9から排出される。
次に、図1の水銀濃度測定装置により気体中の水銀測定を行う場合の装置構成を図6のブロック図により説明する。
気体中の水銀測定を行う場合、図1の水銀除去フィルタ11と弁14を取り外し、気体中水銀焼出し炉18を配管に接続する。この気体中水銀焼出し炉18は水銀捕集管51、加熱ヒータ52、ガス洗気器53、水分除去器54、水銀除去フィルタ55により構成されている。
水銀捕集管51は、再捕集水銀捕集管5と同様に、珪藻土粒子等の表面に金を蒸着した捕集材を充填した捕集管であり、例えば、大気中の水銀を24時間一定流量で吸引捕集したものである。また、ガス洗気器53はpH6.86の標準緩衝液を充填したものであり、水分除去器54は、水分除去器3と同様に冷却器で、水分をコールドトラップする。水銀除去フィルタ55は水銀除去フィルタ10、11と同様に石英ガラス管に石英ウール、珪藻土粒子等の表面に金を蒸着した捕集剤、石英ウールを順に充填したものであり、常温で水銀を吸着して除去する。
この装置により加熱気化−金アマルガム捕集-冷原子吸光法によって水銀捕集管51に捕集されている水銀の測定を行う場合の水銀の再捕集の作用を図7により説明する。
試料採取済みの水銀捕集管51を気体中水銀焼出し炉18にセットした後、水銀除去フィルタ55を取り付け、水銀の再捕集を開始すると、制御部12は、弁13を閉じた後、三方切換弁15をバイパスライン17側に、三方切換弁16を三方切換弁15側に切り換える。次に、制御部12は、加熱ヒータ6を駆動することにより再捕集水銀捕集管5の温度を150℃に維持するとともに、加熱ヒータ52を駆動することにより水銀捕集管51の温度を700℃に維持した後、エアポンプ9の駆動を開始する。
エアポンプ9が駆動されると、図7の一点鎖線で示すように、水銀除去フィルタ55を介して水銀捕集管51に空気が流入し、水銀捕集管51で気化された水銀蒸気を含む空気がガス洗気器53、水分除去器54により洗気・除湿された後、再捕集水銀捕集管5に導入される。このとき、再捕集水銀捕集管5の温度が150℃に維持されているので、気化された水銀蒸気だけが再捕集水銀捕集管5に金アマルガムとして再捕集され、他のガスは捕集されずに三方切換弁15、16、流量センサ7を介してフィルタ8に流入し、ガスがトラップされた後の空気がエアポンプ9から排出される。このように、再捕集水銀捕集管5には水銀蒸気のみが捕集され、他の妨害ガス等の捕集剤への吸着が抑制されるので、水銀分析における妨害物質の影響を除去することができる。
水銀捕集管51に採取された水銀が再捕集された後、再捕集水銀捕集管5に捕集された水銀を水銀検出部4により測定するが、以下、この測定を行う場合の作用を図8により説明する。
再捕集水銀捕集管5に再捕集された水銀の測定を開始すると、制御部1は弁13を閉じた後、三方切換弁15を吸収セル41側に、三方切換弁16を三方切換弁15側に切り換える。次に、制御部12は加熱ヒータ6を駆動することにより再捕集水銀捕集管5の温度を700℃に維持した後、エアポンプ9の駆動を開始する。
エアポンプ9の駆動を開始すると、図8の一点鎖線に示すように、水銀除去フィルタ55を介して水銀捕集管51に流入した空気がガス洗気器53、水分除去器54により洗気・除湿された後、再捕集水銀捕集管5に導入されるので、再捕集水銀捕集管5で気化された水銀蒸気が吸収セル41に導入され、制御部12が光電管44、45で検出された信号を比較することで、図2に示すようなプロファイルの光吸収信号を得る。そして、上記と同様に、この光吸収信号の信号強度が測定開始時の信号強度とほぼ同じ信号強度になる時点bまで信号強度を測定し、測定した全測定時間にわたり信号強度を積分することにより積分値を求め、この積分値またはピーク高さから予め作成した検量線を用いて水銀捕集管51に採取された水銀の重量を求める。
吸収セル41を通過した水銀蒸気を含む空気は、図8の一点鎖線に示すように、三方切換弁15、16、流量センサ7を介してフィルタ8に流入し、水銀蒸気がトラップされた後、エアポンプ9から排出される。
このように、水銀捕集管51に採取された水銀の蒸気は、試料溶液の水銀測定に使用する水銀蒸気導入口と同じ導入口ではなく、水銀検出部4の後に接続された再捕集水銀捕集管5の後方から導入することによって金アマルガムとして再捕集し、再捕集した水銀を加熱して発生した水銀蒸気を同一の水銀検出部4に導入して測定を行うため、試料溶液の水銀測定に使用する水銀蒸気導入口近辺の配管が酸などで汚れていても、気体試料の微量の水銀蒸気が吸着されることがなく、正確に測定することができるとともに、配管の交換等が不要となり、装置の共用が簡単になる。
なお、上記の実施例では、還元気化−金アマルガム捕集-冷原子吸光法によって試料溶液中の水銀測定を行うときの金アマルガム捕集時に、水銀検出部4による水銀測定を行って還元気化反応を制御したが、予め還元気化反応の時間が短時間であることが判明している場合には、水銀検出部4による水銀測定を行うことなく、還元気化時間を設定して試料溶液中の水銀捕集を行うことも可能である。
また、上記の実施例では、水銀検出部4により紫外吸収によって水銀の重量を測定したが、その他の水銀検出部を使用することも可能である。
さらに、上記の実施例では、金アマルガム捕集時の水銀測定と再捕集水銀捕集管5に捕集された水銀の測定に同一の吸収セルを使用したが、再捕集水銀捕集管5に捕集された水銀の測定時に他の検出器に水銀蒸気を送り込んで測定を行うことも可能である。
1 還元気化部
2 酸ミスト除去器
3 水分除去器
4 水銀検出部
5 再捕集水銀捕集管
6 加熱ヒータ
7 流量センサ
8 フィルタ
9 エアポンプ
10、11、55 水銀除去フィルタ
12 制御部
13、14 弁
15、16 三方切換弁
17 バイパスライン
18 気体中水銀焼出し炉
51 水銀捕集管
52 加熱ヒータ
53 ガス洗気器
54 水分除去器
水銀捕集管51に採取された水銀が再捕集された後、再捕集水銀捕集管5に捕集された水銀を水銀検出部4により測定するが、以下、この測定を行う場合の作用を図8により説明する。
再捕集水銀捕集管5に再捕集された水銀の測定を開始すると、制御部12は弁13を閉じた後、三方切換弁15を吸収セル41側に、三方切換弁16を三方切換弁15側に切り換える。次に、制御部12は加熱ヒータ6を駆動することにより再捕集水銀捕集管5の温度を700℃に維持した後、エアポンプ9の駆動を開始する。

Claims (5)

  1. 試料溶液中の水銀を還元気化する還元気化部と、上記還元気化部で還元気化された試料溶液中の水銀を測定する水銀検出部と、上記還元気化部で還元気化された試料溶液中の水銀を捕集する水銀捕集部とを備えた水銀濃度測定装置であって、
    上記還元気化部で還元気化された試料溶液中の水銀を上記水銀検出部を介して上記水銀捕集部に導入することを特徴とする水銀濃度測定装置。
  2. 請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置において、還元気化反応を監視する制御部を備え、当該制御部が、上記水銀検出部により検出された還元気化反応のピーク波形に基づいて還元気化反応の終点を制御することを特徴とする水銀濃度測定装置。
  3. 請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置において、上記水銀捕集部に捕集された水銀を上記水銀検出部または他の水銀検出部により測定することを特徴とする水銀濃度測定装置。
  4. 請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置において、上記還元気化部で還元気化された試料溶液中の水銀を上記水銀検出部により測定後、上記水銀捕集部を経ることなく排出することを特徴とする水銀濃度測定装置。
  5. 請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置において、気体中の水銀を捕集した捕集管を加熱して水銀蒸気を発生させる気体中水銀焼出し炉を備え、当該気体中水銀焼出し炉を上記水銀捕集部の後方に接続し、当該水銀捕集部に水銀蒸気を導入することにより水銀を捕集した後、捕集した水銀を加熱することにより発生する水銀蒸気を上記水銀検出部に導入して測定することを特徴とする水銀濃度測定装置。
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