JP2014088792A - タンデム式ベーン型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動軸の1回転当たりの吐出容量を増加可能であり、搭載性に優れるとともに、優れた機械効率と動力損失の低減とを発揮可能なタンデム式ベーン型圧縮機を提供する。
【解決手段】本発明のタンデム式ベーン型圧縮機は、フロントハウジング1とフロントサイドプレート11とで吸入室43が形成され、リヤハウジング3とリヤサイドプレート15とで吐出室53が形成されている。背圧供給路は、センターサイドプレート13に形成され、吐出室53と各第1背圧室33とを連通する第1下流路69dと、センターサイドプレート13に形成され、吐出室33と各第2背圧室39とを連通する第2下流路69eとを有している。ハウジングには、駆動軸25の後端部を収納する低圧室61と、吸入室43と低圧室61とを連通する低圧通路15bとが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明はタンデム式ベーン型圧縮機に関する。
特許文献1〜5に従来のタンデム式ベーン型圧縮機が開示されている。これらのタンデム式ベーン型圧縮機は、ハウジングに吸入室、吐出室、第1シリンダ室及び第2シリンダ室が形成されているとともに駆動軸が回転可能に軸支されている。また、これらのタンデム式ベーン型圧縮機は第1圧縮機構及び第2圧縮機構を備えている。
第1圧縮機構は、第1シリンダ室内に駆動軸によって回転可能に設けられ、複数個の第1ベーン溝が形成された第1ロータと、各第1ベーン溝に出没可能に設けられ、第1シリンダ室の内面及び第1ロータの外面とともに前方に位置する第1圧縮室を形成する第1ベーンとを有している。
また、第2圧縮機構は、第2シリンダ室内に駆動軸によって回転可能に設けられ、複数個の第2ベーン溝が形成された第2ロータと、各第2ベーン溝に出没可能に設けられ、第2シリンダ室の内面及び第2ロータの外面とともに後方に位置する第2圧縮室を形成する第2ベーンとを有している。
これらのタンデム式ベーン型圧縮機が車両等の空調装置に用いられる場合、例えば電磁クラッチを介し、駆動軸が回転駆動される。これにより、第1、2圧縮機構が作動する。すなわち、第1、2ロータが回転して第1、2圧縮室が吸入行程、圧縮行程及び吐出行程を行う。このため、冷媒ガスが吸入室から第1、2圧縮室内に吸入され、第1、2圧縮室内で圧縮されて吐出室内に吐出される。吐出室に吐出された高圧の冷媒ガスが空調装置の冷凍回路に供給される。
こうして、これらのタンデム式ベーン型圧縮機では、第1、2圧縮機構がそれぞれ吸入行程、圧縮行程及び吐出行程を行うことから、駆動軸の1回転当たりの吐出容量を増加することができる。
また、その吐出容量を増加するため、単一のシリンダ室とロータとを有する単シリンダ式ベーン型圧縮機の軸長を単に長くしただけでは、各ベーンが前後で傾斜し易く、圧縮室からの冷媒ガスの漏れが生じ易いとともに、各ベーンの摺動性が悪化すると思われる。この点、これらのタンデム式ベーン型圧縮機では、各第1、2ベーンが前後で傾斜し難く、第1、2圧縮室からの冷媒ガスの漏れが少ないとともに、各第1、2ベーンの摺動性が優れると思われる。このため、これらのタンデム式ベーン型圧縮機では、優れた機械効率を発揮できると思われる。
さらに、これらのタンデム式ベーン型圧縮機は、胴径が単シリンダ式ベーン型圧縮機と同様であり得るため、優れた搭載性も発揮することができる。
実開昭59−90086号公報 特開昭58−144687号公報 実開平3−102086号公報 実開昭60−39793号公報 実開平3−118294号公報
しかし、上記従来のタンデム式ベーン型圧縮機は、各第1ベーンの底面と各第1ベーン溝との間に形成される第1背圧室と、各第2ベーンの底面と各第2ベーン溝との間に形成される第2背圧室とに対し、高圧の潤滑油をともに供給できる構造になっていない。このため、これらのタンデム式ベーン型圧縮機では、第1、2圧縮機構がそれぞれ圧縮行程及び吐出行程を行う間、各第1、2ベーンが第1、2シリンダ室の内面に押し付けられず、第1、2圧縮室からの冷媒ガスの漏れが懸念される。このため、これらのタンデム式ベーン型圧縮機では、高い機械効率を確実には発揮することが困難である。
このため、各第1ベーンの底面と各第1ベーン溝との間を第1背圧室とし、各第2ベーンの底面と各第2ベーン溝との間を第2背圧室とするとともに、ハウジングに背圧供給路を形成することが考えられる。この背圧供給路は、吐出室と各第1背圧室及び各第2背圧室とを連通する。この場合、第1、2圧縮機構がそれぞれ圧縮行程及び吐出行程を行う間、各第1、2ベーンが吐出室内の高圧の潤滑油によって第1、2シリンダ室の内面に好適に押し付けられるため、第1、2圧縮室からの冷媒ガスの漏れが少なくなる。このため、このタンデム式ベーン型圧縮機では、高い機械効率を確実に発揮可能である。
しかしながら、タンデム式ベーン型圧縮機は、ハウジングがフロントサイドプレート、フロントハウジング、センターサイドプレート、第1シリンダブロック、リヤサイドプレート、第2シリンダブロック及びリヤハウジングを有し、フロントハウジングとフロントサイドプレートとで吸入室が形成され、リヤハウジングとリヤサイドプレートとで吐出室が形成される場合、フロントサイドプレートと駆動軸との間が低圧になり、リヤサイドプレートと駆動軸との間が高圧になる。そして、このタンデム式ベーン型圧縮機では、背圧供給路のうち、吐出室と各第1背圧室とを連通する第1供給路と、吐出室と各第2背圧室とを連通する第2供給路とがセンターサイドプレートに形成される。
この場合、第1供給路に供給された潤滑油は、第1背圧室内に至った後、フロントサイドプレートと駆動軸との間が低圧であることから、差圧により第1背圧室内を前方に向かって一方向に流れる。次いで、第1背圧室内の潤滑油は、フロントサイドプレートと駆動軸との間を経て吸入室に至る。このため、第1背圧室内の背圧を逃すことが可能である。また、フロントサイドプレートと駆動軸との間に設けられ得るフロント軸受が潤滑される。
ところが、第2供給路に供給された潤滑油は、第2背圧室に至った後、リヤサイドプレートと駆動軸との間が高圧であることから、第2背圧室内を後方に向かって一方向に流れ難い。センターサイドプレートと駆動軸との聞は、背圧供給路がセンターサイドプレートに形成されているため、吐出圧に近い高圧である。このため、第2背圧室内の背圧を逃すことができず、第2背圧室内の背圧が過度に高くなり、動力損失が大きくなってしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、駆動軸の1回転当たりの吐出容量を増加可能であり、搭載性に優れるとともに、優れた機械効率と動力損失の低減とを発揮可能なタンデム式ベーン型圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のタンデム式ベーン型圧縮機は、吸入室、吐出室、第1シリンダ室及び第2シリンダ室が形成されたハウジングと、
該ハウジングに回転可能に軸支された駆動軸と、
該第1シリンダ室内に該駆動軸によって回転可能に設けられ、複数個の第1ベーン溝が形成された第1ロータと、各該第1ベーン溝に出没可能に設けられ、該第1シリンダ室の内面及び該第1ロータの外面とともに前方に位置する第1圧縮室を形成する第1ベーンとを有する第1圧縮機構と、
該第2シリンダ室内に該駆動軸によって回転可能に設けられ、複数個の第2ベーン溝が形成された第2ロータと、各該第2ベーン溝に出没可能に設けられ、該第2シリンダ室の内面及び該第2ロータの外面とともに後方に位置する第2圧縮室を形成する第2ベーンとを有する第2圧縮機構とを備えたタンデム式ベーン型圧縮機であって、
各前記第1ベーンの底面と各前記第1ベーン溝との間は第1背圧室とされ、
各前記第2ベーンの底面と各前記第2ベーン溝との間は第2背圧室とされ、
前記ハウジングには、前記吐出室と各該第1背圧室及び各該第2背圧室とを連通する背圧供給路が形成され、
該ハウジングは、前記駆動軸に対して径方向に延び、該駆動軸を軸支するフロントサイドプレートと、該フロントサイドプレートとともに前記吸入室を形成するフロントハウジングと、該駆動軸に対して径方向に延び、該駆動軸を軸支するセンターサイドプレートと、該フロントサイドプレート及び該センターサイドプレートとともに該第1シリンダ室を形成する第1シリンダブロックと、該駆動軸に対して径方向に延び、該駆動軸を軸支するリヤサイドプレートと、該センターサイドプレート及び該リヤサイドプレートとともに該第2シリンダ室を形成する第2シリンダブロックと、該リヤサイドプレートとともに前記吐出室を形成するリヤハウジングとを有し、
該背圧供給路は、該センターサイドプレートに形成され、該吐出室と各該第1背圧室とを連通する第1供給路と、該センターサイドプレートに形成され、該吐出室と各該第2背圧室とを連通する第2供給路とを有し、
該ハウジングには、該駆動軸の後端部を収納する低圧室と、該吸入室と該低圧室とを連通する低圧通路とが形成されていることを特徴とする(請求項1)。
本発明のタンデム式ベーン型圧縮機では、各第1ベーンの底面と各第1ベーン溝との間が第1背圧室とされ、各第2ベーンの底面と各第2ベーン溝との間が第2背圧室とされ、ハウジングに背圧供給路が形成されている。この背圧供給路は、吐出室と各第1背圧室及び各第2背圧室とを連通するため、第1、2圧縮機構がそれぞれ圧縮行程及び吐出行程を行う間、各第1、2ベーンが吐出室内の高圧の潤滑油によって第1、2シリンダ室の内面に好適に押し付けられる。このため、このタンデム式ベーン型圧縮機では、第1、2圧縮室からの冷媒ガスの漏れが少なくなり、高い機械効率を確実に発揮可能である。
また、このタンデム式ベーン型圧縮機では、ハウジングがフロントサイドプレート、フロントハウジング、センターサイドプレート、第1シリンダブロック、リヤサイドプレート、第2シリンダブロック及びリヤハウジングを有し、フロントハウジングとフロントサイドプレートとで吸入室が形成され、リヤハウジングとリヤサイドプレートとで吐出室が形成されている。一方、ハウジングには、駆動軸の後端部を収納する低圧室と、吸入室と低圧室とを連通する低圧通路とが形成されている。このため、フロントサイドプレートと駆動軸との間が低圧になり、リヤサイドプレートと駆動軸との間も低圧になる。そして、このタンデム式ベーン型圧縮機において、背圧供給路のうち、吐出室と各第1背圧室とを連通する第1供給路と、吐出室と各第2背圧室とを連通する第2供給路とがセンターサイドプレートに形成される。
このため、第1供給路に供給された潤滑油は、第1背圧室内に至った後、フロントサイドプレートと駆動軸との間が低圧であることから、差圧により第1背圧室内を前方に向かって一方向に流れる。次いで、第1背圧室内の潤滑油は、フロントサイドプレートと駆動軸との間を経て吸入室に至る。このため、第1背圧室内の背圧を逃すことが可能である。また、フロントサイドプレートと駆動軸との間に設けられ得るフロント軸受が潤滑される。
また、第2供給路に供給された潤滑油は、第2背圧室に至った後、リヤサイドプレートと駆動軸との間が低圧であることから、差圧により第2背圧室内を後方に向かって一方向に流れる。次いで、第2背圧室内の潤滑油は、リヤサイドプレートと駆動軸との間、低圧室、低圧通路を経て吸入室に至る。このため、第2背圧室内の背圧を逃すことが可能である。このため、第2背圧室内の背圧は過度に高くならず、動力損失を生じ難い。なお、センターサイドプレートと駆動軸との間に設けられ得るセンター軸受は、第1背圧室の後方及び第2背圧室の前方に存在する潤滑油によって潤滑される。また、リヤサイドプレートと駆動軸との間に設けられ得るリヤ滑り軸受は、第2背圧室の後方に存在する潤滑油によって潤滑される。
したがって、このタンデム式ベーン型圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量を増加可能であり、搭載性に優れるとともに、優れた機械効率と動力損失の低減とを発揮可能である。
ハウジングには、第1圧縮機構の吸入行程時に吸入室と第1圧縮室とを連通する第1吸入通路と、第2圧縮機構の吸入行程時に吸入室と第2圧縮室とを連通する第2吸入通路とが形成され得る。そして、フロントサイドプレートには、吸入室と連通するフロント吸入孔が形成され得る。第1シリンダブロックには、フロント吸入孔と連通する第1吸入空間が形成され得る。センターサイドプレートには、第1吸入空間と連通するセンター吸入孔が形成され得る。第2シリンダブロックには、センター吸入孔と連通する第2吸入空間が形成され得る。この場合、第1吸入通路は、フロント吸入孔と第1吸入空間とからなり得る。また、第2吸入通路は、フロント吸入孔と第1吸入空間とセンター吸入孔と第2吸入空間とからなり得る(請求項2)。このように構成すれば、第1吸入通路と第2吸入通路とを別個にハウジングに形成する必要がなく、製造コストの低廉化を実現できる。
上記の場合、リヤサイドプレートには、低圧室と、第2吸入空間と連通する低圧通路とが形成されていることが好ましい(請求項3)。この場合、低圧室及び低圧通路を別個にハウジングに形成する必要がなく、製造コストの低廉化を実現できる。
また、ハウジングには、第1圧縮機構の吐出行程時に第1圧縮室と吐出室とを連通する第1吐出通路と、第2圧縮機構の吐出行程時に第2圧縮室と吐出室とを連通する第2吐出通路とが形成され得る。そして、リヤサイドプレートには、吐出室と連通するリヤ吐出孔が形成され得る。第2シリンダブロックには、リヤ吐出孔と連通する第2吐出空間が形成され得る。センターサイドプレートには、第2吐出空間と連通するセンター吐出孔が形成され得る。第1シリンダブロックには、センター吐出孔と連通する第1吐出空間が形成され得る。この場合、第2吐出通路は、第2吐出空間とリヤ吐出孔とからなり得る。また、第1吐出通路は、第1吐出空間とセンター吐出孔と第2吐出空間とリヤ吐出孔とからなり得る(請求項4)。このように構成すれば、第1吐出通路と第2吐出通路とを別個にハウジングに形成する必要がなく、製造コストの低廉化を実現できる。
背圧供給路は、上流路と第1下流路と第2下流路とからなり得る。上流路は、リヤサイドプレート、第2シリンダブロック及びセンターサイドプレートに形成され、吐出室と連通する。第1下流路は、センターサイドプレートに形成され、上流路と第1背圧室とを連通する。第2下流路は、センターサイドプレートに形成され、上流路と第2背圧室とを連通する。この場合、第1供給路は、上流路及び第1下流路からなる。また、第2供給路は、上流路及び第2下流路からなる(請求項5)。このように構成すれば、第1供給路と第2供給路とを別個にハウジングに形成する必要がなく、製造コストの低廉化を実現できる。
センターサイドプレートは、駆動軸を挿通するセンター軸孔を有し得る。センター軸孔と駆動軸との間にはセンター軸受が設けられ得る。上流路は、センター軸孔に径外方向で凹設されてセンター軸孔を環状に周回する環状路を含み得る。第1下流路は、環状路と連通して前方に延び得る。第2下流路は、環状路と連通して後方に延び得る。そして、センターサイドプレートの前面には、複数の第1背圧室と連通する第1センター連通溝が凹設され得る。また、センターサイドプレートの後面には、複数の第2背圧室と連通する第2センター連通溝が凹設されていることが好ましい(請求項6)。
この場合、第1、2センター連通溝は、高圧の潤滑油が背圧供給路を経て第1、2背圧室に供給された後においても、各第1、2ベーンが第1、2シリンダ室の内面に押付けられた状態に維持されるように、各第1、2背圧室内を所定の圧力に保つ。また、センターサイドプレートの前面及び後面に形成された第1、2センター連通溝は、各第1、2ベーンの姿勢を維持するように主に機能する。そして、センターサイドプレートを加工するだけで上流路、第1、2下流路及び第1、2センター連通溝を形成することができ、製造コストの低廉化を確実に実現できる。第1、2下流路はそれぞれ2本であることが好ましい。また、第1、2センター連通溝はそれぞれ駆動軸の軸心周りで扇形状をなしていることが好ましい。なお、第1、2連通溝に第1、2圧縮機構のチャタリングを防止するための第1、2チャタリング防止弁を設けることも可能である。
フロントサイドプレートは、駆動軸を挿通するフロント軸孔を有し得る。フロント軸孔と駆動軸との間にはフロント軸受が設けられ得る。そして、フロントサイドプレートの後面には、複数の第1背圧室と連通するフロント連通溝と、第1下流路と同一位相に位置し、各第1背圧室に供給された高圧の潤滑油による衝撃を緩和する第1ダンパ溝とが凹設されていることが好ましい(請求項7)。
この場合、第1背圧室を経由してフロントサイドプレート側に向かって流れた潤滑油は、フロントサイドプレートの後面に形成されたフロント連通溝に回収され、高圧側から低圧側に行き渡る。また、フロントサイドプレートの後面に形成されたフロント連通溝と、センターサイドプレートの前面に形成された第1センター連通溝とにより、各第1ベーンに前側及び後側から圧力をかけ、パランスよく各第1べーンの姿勢を維持することができる。さらに、各第1背圧室に供給された高圧の潤滑油による衝撃を第1ダンパ溝によって緩和することができる。第1ダンパ溝は2個であることが好ましい。また、フロント連通溝は駆動軸の軸心周りで円弧形状をなしていることが好ましい。
リヤサイドプレートは、駆動軸を挿通するリヤ軸孔を有し得る。リヤ軸孔と駆動軸との間にはリヤ軸受が設けられ得る。そして、リヤサイドプレートの前面には、複数の第2背圧室と連通するリヤ連通溝と、第2下流路と同一位相に位置し、各第2背圧室に供給された高圧の潤滑油による衝撃を緩和する第3ダンパ溝とが凹設されていることが好ましい(請求項8)。
この場合、第2背圧室を経由してリヤサイドプレート側に向かって流れた潤滑油は、リヤサイドプレートの前面に形成されたリヤ連通溝に回収され、高圧側から低圧側に行き渡る。また、センターサイドプレートの後面に形成された第2センター連通溝と、リヤサイドプレートの前面に形成されたリヤ連通溝とにより、各第2ベーンに前側及び後側から圧力をかけ、パランスよく各第2べーンの姿勢を維持することができる。さらに、各第2背圧室に供給された高圧の潤滑油による衝撃を第2ダンパ溝によって緩和することができる。第2ダンパ溝は2個であることが好ましい。また、リヤ連通溝は駆動軸の軸心周りで円弧形状をなしていることが好ましい。
吐出室内には、リヤ吐出孔から吐出される冷媒ガスから潤滑油を分離し、潤滑油を吐出室に貯留するセパレータが設けられ得る。そして、リヤサイドプレートとセパレータとの間には、低圧室を吐出室に対して封止する封止部材が設けられていることが好ましい(請求項9)。この場合、第1、2背圧室及び各軸受等に潤滑油を確実に供給することができる。また、吐出室から低圧室への冷媒ガスや潤滑油の漏れを防止し、高い機械効率を確実に発揮可能である。
また、吐出室内には、リヤ吐出孔から吐出される冷媒ガスから潤滑油を分離し、潤滑油を吐出室に貯留するセパレータが設けられ得る。そして、リヤサイドプレートがセパレータを備えていることが好ましい(請求項10)。この場合、第1、2背圧室及び各軸受等に潤滑油を確実に供給することができる。また、吐出室から低圧室への冷媒ガスや潤滑油の漏れを確実に防止し、高い機械効率を確実に発揮可能である。また、セパレータ専用の部品が必要なくなり、部品点数の削減によって製造コストの低廉化をより実現できる。
セパレータとしては、遠心分離式のものの他、衝突式等の遠心分離式以外の方式のものを採用することが可能である。例えば、セパレータは、円筒状の案内面と、案内面の内側に設けられ、案内面と略同軸の円筒状の分離筒とを有し得る。このセパレータは、リヤ吐出孔から吐出された冷媒ガスを案内面と分離筒の外周面との間で周回させて潤滑油を分離し、冷媒ガスを分離筒の内部に導いて圧縮機の外部に吐出する。案内面がリヤサイドプレートに形成されていることが好ましい(請求項11)。この場合、セパレータが遠心分離式のものとなる。これにより、部品点数の削減と小型化とを容易に実現できる。
フロントハウジングには吸入室と連通する吸入口が形成され、リヤハウジングには吐出室と連通する吐出口が形成され得る。フロントハウジング及びリヤハウジングはシェルであり得る。そして、第1シリンダブロックと第2シリンダブロックとは、上流路を除き、共通し得る。第1ロータと第2ロータとは共通し得る。第1ベーンと第2ベーンとは共通し得る。これらの場合、部品の共通化により製造コストの低廉化をより実現することができる。
本発明のタンデム式ベーン型圧縮機は、駆動軸の1回転当たりの吐出容量を増加可能であり、搭載性に優れるとともに、優れた機械効率と動力損失の低減とを発揮可能である。
実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機の断面図である。 実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機に係り、図1のA−A矢視断面図である。 実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機に係り、図1のB−B矢視断面図である。 実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機に係り、図1のC−C矢視断面図である。 実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機に係り、図1のD−D矢視断面図である。 実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機に係り、図1のE−E矢視断面図である。 実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機に係り、図1のF−F矢視断面図である。 実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機に係り、図1のG−G矢視断面図である。 実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機の模式断面図である。 実施例2のタンデム式ベーン型圧縮機の断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機は、図1に示すように、互いに結合されたフロントハウジング1及びリヤハウジング3内にフロントサイドプレート11、第1シリンダブロック5、センターサイドプレート13、第2シリンダブロック7及びリヤサイドプレート15が収容された状態で固定されている。フロントハウジング1及びリヤハウジング3がシェル9である。シェル9の胴径は単シリンダ式ベーン型圧縮機と同一である。また、第1、2シリンダブロック5、7は同一の外形である。シェル9、第1、2シリンダブロック5、7、フロントサイドプレート11、センターサイドプレート13及びリヤサイドプレート15がハウジングに相当する。
図3に示すように、第1シリンダブロック5には軸直角方向で楕円状の第1シリンダ室5aが形成されている。また、図6に示すように、第2シリンダブロック7には第1シリンダ室5aと同形の第2シリンダ室7aが形成されている。第1、2シリンダブロック5、7は第1、2シリンダ室5a、7aが同じ位相になるように固定されている。
図1に示すように、第1シリンダブロック5はフロントサイドプレート11とセンターサイドプレート13とに挟持されてシェル9内に収納されている。第1シリンダ室5aの前後はフロントサイドプレート11及びセンターサイドプレート13によりそれぞれ閉鎖されている。また、第2シリンダブロック7はセンターサイドプレート13とリヤサイドプレート15とに挟持されてシェル9内に収納されている。第2シリンダ室7aの前後はセンターサイドプレート13及びリヤサイドプレート15によりそれぞれ閉鎖されている。
フロントサイドプレート11にはフロント軸孔11aが貫設され、センターサイドプレート13にはセンター軸孔13aが形成され、リヤサイドプレート15にはリヤ軸孔15aが貫設されている。フロント軸孔11a内にはフロント滑り軸受17が圧入され、センター軸孔13a内にはセンター滑り軸受19が圧入され、リヤ軸孔15a内にはリヤ滑り軸受21が圧入されている。フロントハウジング1にも軸孔1aが貫設されており、軸孔1aには軸封装置23が圧入されている。軸封装置23、フロント滑り軸受17、センター滑り軸受19及びリヤ滑り軸受21によって駆動軸25が回転自在に保持されている。フロントハウジング1から露出する駆動軸25の先端には図示しない電磁クラッチ又はプーリが固定される。電磁クラッチ又はプーリには車両のエンジン又はモータにより駆動力が伝達されるようになっている。
また、駆動軸25には円形断面の第1、2ロータ27、29が圧入されている。第1ロータ27は第1シリンダ室5a内に配設され、第2ロータ29は第2シリンダ室7a内に配設されている。
図1及び図3に示すように、第1ロータ27の外周面には、放射方向に5個の第1ベーン溝27aが凹設されており、各第1ベーン溝27aにはそれぞれ第1ベーン31が出没可能に収納されている。各第1ベーン31の底面と各第1ベーン溝27aとの間は第1背圧室33とされている。第1背圧室33はフロントサイドプレート11の後面からセンターサイドプレート13の前面まで延びている。隣合う2枚の第1ベーン31、31、第1ロータ27の外周面、第1シリンダブロック5の内周面、フロントサイドプレート11の後面及びセンターサイドプレート13の前面によって5個の第1圧縮室35が形成されている。
また、図1及び図6に示すように、第2ロータ29の外周面にも、放射方向に5個の第2ベーン溝29aが凹設されており、各第2ベーン溝29aにもそれぞれ第2ベーン37が出没可能に収納されている。各第2ベーン37の底面と各第2ベーン溝29aとの間は第2背圧室39とされている。第2背圧室39はセンターサイドプレート13の後面からリヤサイドプレート15の前面まで延びている。隣合う2枚の第2ベーン37、37、第2ロータ29の外周面、第2シリンダブロック7の内周面、センターサイドプレート13の後面及びリヤサイドプレート15の前面によって5個の第2圧縮室41が形成されている。
第1ロータ27と第2ロータ29とは同一部品である。また、第1ベーン31と第2ベーン37とも同一部品である。これらは単シリンダ式ベーン型圧縮機で採用されているものである。
図1に示すように、フロントハウジング1とフロントサイドプレート11との間には吸入室43が形成されている。フロントハウジング1には、吸入室43を外部に接続するための吸入口1bが上方に開口されている。フロントサイドプレート11には、図2に示すように、吸入室43と連通する2個のフロント吸入孔11bが貫設されている。各フロント吸入孔11bは、図3に示すように、第1シリンダブロック5の各第1吸入空間5bに連通している。各第1吸入空間5bは、吸入ポート5cによって吸入行程にある第1圧縮室35と連通するようになっている。各フロント吸入孔11b及び各第1吸入空間5bが第1吸入通路である。
また、図1及び図3に示すように、第1シリンダブロック5とリヤハウジング3との間には、2個の第1吐出空間5dが形成されている。各第1吐出空間5dは、吐出ポート5eによって吐出行程にある第1圧縮室35と連通している。各第1吐出空間5d内には、吐出ポート5eを閉鎖する吐出弁45と、吐出弁45のリフト量を規制するリテーナ47とが設けられている。これら駆動軸25、第1シリンダブロック5、第1ロータ27、各第1ベーン31、吐出弁45、リテーナ47等によって第1圧縮機構1Cが構成されている。
図1、図4及び図5に示すように、センターサイドプレート13には、第1シリンダブロック5の各第1吸入空間5bと連通する2個のセンター吸入孔13bが貫設されている。各センター吸入孔13bは、図6に示すように、第2シリンダブロック7の各第2吸入空間7bに連通している。各第2吸入空間7bは、吸入ポート7cによって吸入行程にある第2圧縮室41と連通するようになっている。各フロント吸入孔11b、各第1吸入空間5b、各センター吸入孔13b及び第2吸入空間7bが第2吸入通路である。
また、図1、図4及び図5に示すように、センターサイドプレート13には、各第1吐出空間5dと連通する2個のセンター吐出孔13eが形成されている。また、図6に示すように、第2シリンダブロック7とリヤハウジング3との間には、各センター吐出孔13eと連通する第2吐出空間7dが形成されている。各第2吐出空間7dは、吐出ポート7eによって吐出行程にある圧縮室41と連通している。各第2吐出空間7d内には、吐出ポート7eを閉鎖する吐出弁49と、吐出弁49のリフト量を規制するリテーナ51とが設けられている。これら駆動軸25、第2シリンダブロック7、第2ロータ29、各第2ベーン37、吐出弁49、リテーナ51等によって第2圧縮機構2Cが構成されている。
図1及び図7に示すように、リヤサイドプレート15には、第2シリンダブロック7の各第2吸入空間7bと連通する2個の低圧通路15bが貫設されている。また、リヤサイドプレート15には、各第2吐出空間7dと連通する2個のリヤ吐出孔15cが貫設されている。各第2吐出空間7d及び各リヤ吐出孔15cが第2吐出通路である。また、各第1吐出空間5d、各センター吐出孔13e、各第2吐出空間7d及び各リヤ吐出孔15cが第1吐出通路である。
図1及び図8に示すように、リヤサイドプレート15とリヤハウジング3との間には吐出室53が形成されている。吐出室53内では、図1に示すように、リヤサイドプレート15とリヤハウジング3とに挟持されることによって遠心分離式のセパレータ55が固定されている。セパレータ55は、エンドフレーム57と、エンドフレーム57内に固定された上下に延びる円筒状の円筒部材59とからなる。
エンドフレーム57には上下に円柱状に延びる油分離室57aが形成されている。油分離室57aの上端に円筒部材59が圧入されている。このため、油分離室57aの一部は、円筒部材59の外周面周りに冷媒ガスを周回させる案内面57bとなっている。両リヤ吐出孔15cは円筒部材59と案内面57bとの間に連通している。また、エンドフレーム57の下端には油分離室57aの底面を吐出室53に連通させる連通口57cが形成されている。また、リヤハウジング3には吐出室53の上端を外部に接続するための吐出口3aが形成されている。吐出口3aは円筒部材59の上方に位置している。
リヤサイドプレート15とエンドフレーム57との間には、低圧室61が形成されている。駆動軸25の後端部はこの低圧室61内に収納されている。各低圧通路15bは低圧室61に連通している。リヤサイドプレート15とエンドフレーム57との間には、低圧室61を吐出室53に対して封止するOリング62が設けられている。Oリング62が封止部材である。
図1及び図2に示すように、フロントサイドプレート11の後面には、円弧形状をなす一対のフロント連通溝11cが凹設されている。両フロント連通溝11cは、駆動軸25の軸心に対して点対称になっている。各フロント連通溝11cは、第1ロータ27の回転により、吸入行程等にある第1背圧室33と連通するようになっている。また、フロントサイドプレート11の後面には、円形をなす一対の第1ダンパ溝11dが凹設されている。両第1ダンパ溝11dも、駆動軸25の軸心に対して点対称になっている。各第1ダンパ溝11dは、フロント連通溝11cよりも第1ロータ27の回転方向の後方側に位置している。
図1及び図5〜8に示すように、リヤサイドプレート15、第2シリンダブロック7及びセンターサイドプレート13には、前後に延びて吐出室53と連通する軸方向流路69aが形成されている。また、図1、図4及び図5に示すように、センターサイドプレート13には、軸方向流路69aの前端から駆動軸25の軸心方向に延びる径方向流路69bが形成されている。また、センターサイドプレート13には、センター軸孔13aを周回する環状路69cが凹設されている。径方向流路69bの上端は環状路69cと連通している。軸方向流路69a、径方向流路69b及び環状路69cが上流路である。
また、図1及び図4に示すように、センターサイドプレート13には、環状路69cと連通する2本の第1下流路69dが軸方向の前方に向かって延びている。両第1下流路69dは第1ダンパ溝11dと同一位相に位置している。また、図1及び図5に示すように、センターサイドプレート13には、環状路69cと連通する2本の第2下流路69eが軸方向の後方に向かって延びている。両第2下流路69eは、第1ダンパ溝11d及び第1下流路69dと同一位相に位置している。
つまり、各第1下流路69dは、第1ロータ27の回転により、圧縮行程及び吐出行程にある第1背圧室33と連通するようになっている。また、各第2下流路69eは、第2ロータ29の回転により、圧縮行程及び吐出行程にある第2背圧室39と連通するようになっている。軸方向流路69a、径方向流路69b、環状路69c及び第1、2下流路69d、69eが背圧供給路である。軸方向流路69a、径方向流路69b、環状路69c及び第1下流路69dが第1供給路であり、軸方向流路69a、径方向流路69b、環状路69c及び第2下流路69dが第2供給路である。
図1及び図4に示すように、センターサイドプレート13の前面には、扇形状をなす一対の第1センター連通溝13cが凹設されている。各第1センター連通溝13cは、フロント連通溝11cと同一位相に位置している。また、図1及び図5に示すように、センターサイドプレート13の後面にも、扇形状をなす一対の第2センター連通溝13dが凹設されている。各第2センター連通溝13dは、フロント連通溝11c及び第1センター連通溝13cと同一位相に位置している。
また、図1及び図7に示すように、リヤサイドプレート15の前面にも、フロントサイドプレート11の後面と同様、円弧形状をなす一対のリヤ連通溝15dが凹設されている。両リヤ連通溝15dはフロント連通溝11c、第1センター連通溝13c及び第2センター連通溝13dと同一位相に位置している。また、リヤサイドプレート15の前面には、フロントサイドプレート11の後面と同様、円形をなす一対の第2ダンパ溝15eが凹設されている。両第2ダンパ溝15eは第1ダンパ溝11d、第1、2下流路69d、69eと同一位相に位置している。
第1ロータ27及び第2ロータ29は、駆動軸25に対し、第1、2ベーン溝27a、29a、第1センター連通溝13c、第2センター連通溝13d、フロント連通溝11c、リヤ連通溝15d、第1、2下流路69d、69e及び第1、2ダンパ溝11d、15eが同じ位相になるように固定されている。
図1に示すように、駆動軸25、フロント滑り軸受17、センター滑り軸受19及びリヤ滑り軸受21、フロントサイドプレート11、第1シリンダブロック5、各第1ベーン31、吐出弁45、リテーナ47、センターサイドプレート13、第2シリンダブロック7、各第2ベーン37、吐出弁49、リテーナ51、リヤサイドプレート15及びセパレータ55はサブアッシーSAとして組付けられている。このサブアッシーSAにOリングを装着し、これをリヤハウジング3に挿入する。次いで、リヤハウジング3にOリングを装着し、これにフロントハウジング1を被せる。そして、図2〜8に示す複数本のボルト71を締結する。こうして、実施例1のタンデム式ベーン型圧縮機が組付けられる。
このタンデム式ベーン型圧縮機では、図示はしないが、吐出口3aが配管によって凝縮器に接続され、凝縮器が配管によって膨張弁に接続され、膨張弁が配管によって蒸発器に接続され、蒸発器が配管によって吸入口1bに接続される。タンデム式ベーン型圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器及び配管が冷凍回路を構成する。この冷凍回路は車両用空調装置を構成する。
このタンデム式ベーン型圧縮機では、エンジン等によって駆動軸25が駆動されると、第1、2圧縮機構1C、2Cがそれぞれ吸入行程、圧縮行程及び吐出行程を繰り返す。
すなわち、第1、2ロータ27、29が駆動軸25と同期回転し、第1、2圧縮室35、41が容積変化を生じる。このため、蒸発器を経た冷媒ガスが吸入口1bから吸入室43に吸入される。吸入室43内の冷媒ガスはフロント吸入孔11b、第1吸入空間5b及び吸入ポート5cを経て第1圧縮室35に吸入される。また、第1吸入空間5b内の冷媒ガスはセンター吸入孔13b、第2吸入空間7b及び吸入ポート7cを経て第2圧縮室41に吸入される。
そして、第1圧縮室35で圧縮された冷媒ガスは吐出ポート5eを経て第1吐出空間5dに吐出される。第1吐出空間5d内の高圧の冷媒ガスは、センター吐出孔13eを経て第2吐出空間7dに至る。また、第2圧縮室41で圧縮された冷媒ガスは吐出ポート7eを経てび第2吐出空間7dに吐出される。第2吐出空間7d内の高圧の冷媒ガスはリヤ吐出孔15cを経てセパレータ50の案内面57bに向けて吐出される。このため、冷媒ガスは、案内面57bを周回し、潤滑油が遠心分離される。そして、潤滑油が分離された冷媒ガスは吐出口3aから凝縮器に向かって吐出される。こうして、このタンデム式ベーン型圧縮機では、駆動軸25の1回転当たりの吐出容量が単シリンダ式ベーン型圧縮機と比べて2倍になっている。
また、このタンデム式ベーン型圧縮機では、各第1、2ベーン31、37が単シリンダ式ベーン型圧縮機で採用される軸長の短いものであるため、前後で傾斜し難い。このため、第1、2圧縮室35、41からの冷媒ガスの漏れが少ないとともに、各第1、2ベーン31、37の摺動性が優れる。
分離された潤滑油は油分離室57a内から連通口57cを経て吐出室53内に貯留される。吐出室53内の潤滑油は、吐出室53が高圧であることから、軸方向流路69a及び径方向流路69bを経て環状路69cに至る。環状路69c内の潤滑油は、第1下流路69dから圧縮行程及び吐出行程にある各第1背圧室33に供給される。また、環状路69c内の潤滑油は、圧縮行程及び吐出行程にある各第2背圧室39に供給される。このため、このタンデム式ベーン型圧縮機では、第1、2圧縮機構1C、2Cがそれぞれ圧縮行程及び吐出行程を行う間、各第1、2ベーン31、37が第1、2シリンダ5a、7a室の内面に好適に押し付けられ、第1、2圧縮室35、41からの冷媒ガスの漏れが少ない。このため、これらのタンデム式ベーン型圧縮機では、高い機械効率を確実に発揮可能である。
また、このタンデム式ベーン型圧縮機では、図1に示すように、ハウジングがフロントサイドプレート11、フロントハウジング1、センターサイドプレート13、第1シリンダブロック5、リヤサイドプレート15、第2シリンダブロック7及びリヤハウジング3を有している。そして、フロントハウジング1とフロントサイドプレート11とで吸入室43が形成され、リヤハウジング3とリヤサイドプレート15とで吐出室53が形成されている。一方、リヤサイドプレート15及びエンドフレーム57によって低圧室61が形成され、リヤサイドプレート15に低圧通路15bが形成されている。このため、図9に示すように、フロントサイドプレート11と駆動軸25との間がクリアランスを介して吸入室43と連通して低圧LPになり、リヤサイドプレート15と駆動軸25との間もクリアランスを介して低圧室61と連通して低圧LPになる。そして、このタンデム式ベーン型圧縮機では、吐出室53と軸方向流路59a、径方向流路69b及び環状路69cによって連通する第1、2下流路69d、69eがセンターサイドプレート13に形成されていることから、センターサイドプレート13と駆動軸25との間は、センターサイドプレート13と第1、2ロータ27、29とのクリアランスやセンター連通溝13c、13dを介して第1、2背圧室33、39と連通し、吐出圧に近い高圧HPになる。
このため、第1下流路69dに供給された潤滑油は、第1背圧室33内に至った後、センターサイドプレート13と駆動軸25との間が高圧HPであり、フロントサイドプレート11と駆動軸25との間が低圧LPであることから、第1背圧室33内を前方に向かって一方向に流れる。次いで、第1背圧室33内の潤滑油の一部は、フロントサイドプレート11と駆動軸25との間を経て吸入室43に至る。このため、第1背圧室33内の背圧を逃すことが可能である。また、フロントサイドプレート11と駆動軸25との間に設けられたフロント滑り軸受17が潤滑される。
また、第2下流路69eに供給された潤滑油は、第2背圧室39に至った後、センターサイドプレート13と駆動軸25との間が高圧HPであり、リヤサイドプレート15と駆動軸25との間が低圧LPであることから、第2背圧室39内を後方に向かって一方向に流れる。次いで、第2背圧室39内の潤滑油の一部は、リヤサイドプレート15と駆動軸25との間を経て低圧室61に至る。このため、第2背圧室39内の背圧を逃すことが可能である。このため、第2背圧室39内の背圧は過度に高くならず、動力損失を生じ難い。また、リヤサイドプレート15と駆動軸25との間に設けられたリヤ滑り軸受21は、第2背圧室39内の潤滑油の一部がリヤ連通溝15dやリヤサイドプレート15と第2ロータ29とのクリアランスを介して駆動軸25周りに流れ込むことにより、潤滑される。なお、センターサイドプレート13と駆動軸25との間に設けられたセンター滑り軸受19は、第1、2背圧室33、39内の潤滑油の一部がセンター連通溝13c、13dやセンターサイドプレート13と第1、2ロータ27、29とのクリアランスを介して駆動軸25周りに流れ込むことにより、潤滑される。
特に、このタンデム式ベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート15とエンドフレーム57との間にOリング62を設けているため、吐出室53から低圧室61への冷媒ガスや潤滑油の漏れを防止することができる。
また、このタンデム式ベーン型圧縮機では、第1、2圧縮機構C1、C2がそれぞれ吸入行程、圧縮行程及び吐出行程を行うことから、駆動軸25の1回転当たりの吐出容量を増加することができる。また、このタンデム式ベーン型圧縮機では、各第1、2ベーン31、37が前後で傾斜し難く、第1、2圧縮室35、41からの冷媒ガスの漏れが少ないとともに、各第1、2ベーン31、37の摺動性が優れる。このため、このタンデム式ベーン型圧縮機では、優れた機械効率を発揮できる。さらに、このタンデム式ベーン型圧縮機は、胴径が単シリンダ式ベーン型圧縮機と同様であり得るため、優れた搭載性も発揮することができる。
したがって、このタンデム式ベーン型圧縮機では、駆動軸25の1回転当たりの吐出容量を増加可能であり、搭載性に優れるとともに、優れた機械効率と動力損失の低減とを発揮可能である。
また、このタンデム式ベーン型圧縮機では、第1吸入通路が各フロント吸入孔11b及び各第1吸入空間5bからなり、第2吸入通路が各フロント吸入孔11b、各第1吸入空間5b、各センター吸入孔13b及び各第2吸入空間7bからなる。このため、第1吸入通路と第2吸入通路とを別個にハウジングに形成する必要がなく、製造コストの低廉化を実現できる。
特に、リヤサイドプレート15には、低圧室61と、第2吸入空間7bと連通する低圧通路15bとが形成されている。このため、低圧室61及び低圧通路15bを別個にハウジングに形成する必要がなく、製造コストの低廉化を実現できる。
また、このタンデム式ベーン型圧縮機では、第1吐出通路が各第2吐出空間7d及び各リヤ吐出孔15cからなり、第2吐出通路が各第1吐出空間5d、各センター吐出孔13e、各第2吐出空間7d及び各リヤ吐出孔15cからなる。このため、第1吐出通路と第2吐出通路とを別個にハウジングに形成する必要がなく、製造コストの低廉化を実現できる。
さらに、このタンデム式ベーン型圧縮機では、第1供給路が軸方向流路69a、径方向流路69b、環状路69c及び第1下流路69dからなる。また、第2供給路が軸方向流路69a、径方向流路69b、環状路69c及び第2下流路69eからなる。このため、第1供給路と第2供給路とを別個にハウジングに形成する必要がなく、製造コストの低廉化を実現できる。
また、このタンデム式ベーン型圧縮機では、第1、2センター連通溝13c、13dは、高圧の潤滑油が第1、2下流路69d、69eを経て第1、2背圧室33、39に供給された後においても、各第1、2ベーン31、37が第1、2シリンダ室5a、7aの内面に押付けられた状態に維持されるように、各第1、2背圧室33、39内を所定の圧力に保つ。また、センターサイドプレートの前面及び後面に形成された第1、2センター連通溝13c、13dは、各第1、2ベーン31、37の姿勢を維持するように主に機能する。
第1背圧室33を経由してフロントサイドプレート11側に向かって流れた潤滑油は、フロント連通溝11cに回収され、高圧側から低圧側に行き渡る。また、フロント連通溝11cと第1センター連通溝13cとにより、各第1ベーン31に前側及び後側から圧力をかけ、パランスよく各第1べーン31の姿勢を維持することができる。また、各第1背圧室33に供給された高圧の潤滑油による衝撃を第1ダンパ溝11dによって緩和することができる。
また、第2背圧室39を経由してリヤサイドプレート15側に向かって流れた潤滑油は、リヤ連通溝15dに回収され、高圧側から低圧側に行き渡る。また、第2センター連通溝13dとリヤ連通溝15dとにより、各第2ベーン37に前側及び後側から圧力をかけ、パランスよく各第2べーン37の姿勢を維持することができる。また、各第2背圧室39に供給された高圧の潤滑油による衝撃を第2ダンパ溝15eによって緩和することができる。
(実施例2)
実施例2のタンデム式ベーン型圧縮機は、図10に示すように、リヤサイドプレート16がセパレータ55を備えている。具体的には、このタンデム式ベーン型圧縮機では、リヤサイドプレート16が実施例1のリヤサイドプレート15とエンドフレーム57とを兼ねている。このため、低圧室61もリヤサイドプレート16によって形成され、実施例1のようなOリング62を有していない。他の構成は実施例1と同様である。
このタンデム式ベーン型圧縮機では、吐出室53から低圧室61への冷媒ガスや潤滑油の漏れを確実に防止し、高い機械効率を確実に発揮可能である。また、セパレータ専用のエンドフレームが必要なくなり、部品点数の削減によって製造コストの低廉化をより実現できる。他の作用効果は実施例1と同様である。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明は車両用空調装置に利用可能である。
43…吸入室
53…吐出室
5a…第1シリンダ室
7a…第2シリンダ室
1、3、9、11、13、15、16…ハウジング
25…駆動軸
27a…第1ベーン溝
27…第1ロータ
35…第1圧縮室
31…第1ベーン
1C…第1圧縮機構
29a…第2ベーン溝
29…第2ロータ
41…第2圧縮室
37…第2ベーン
2C…第2圧縮機構
33…第1背圧室
39…第2背圧室
69a、69b、69c、69d、69e…背圧供給路
11…フロントサイドプレート
1…フロントハウジング
13…センターサイドプレート
5…第1シリンダブロック
15、16リヤサイドプレート
7…第2シリンダブロック
3…リヤサイドプレート
11b…フロント吸入孔
5b…第1吸入空間
13b…センター吸入孔
7b…第2吸入空間
61…低圧室
15b…低圧通路
15c…リヤ吐出孔
5d…第1吐出空間
13e…センター吐出孔
7d…第2吐出空間
69a、69b、69c…上流路(69a…軸方向流路、69b…径方向流路、69c…環状路)
69d…第1下流路
69e…第2下流路
13a…センター軸孔
19…センター滑り軸受(センター軸受)
13c…第1センター連通溝
13d…第2センター連通溝
11a…フロント軸孔
17…フロント滑り軸受(フロント軸受)
11c…フロント連通溝
11d…第1ダンパ溝
15a…リヤ軸孔
21…リヤ滑り軸受(リヤ軸受)
15d…リヤ連通溝
15e…第2ダンパ溝
55…セパレータ
62…Oリング(封止部材)
57b…案内面
59…分離筒

Claims (11)

  1. 吸入室、吐出室、第1シリンダ室及び第2シリンダ室が形成されたハウジングと、
    該ハウジングに回転可能に軸支された駆動軸と、
    該第1シリンダ室内に該駆動軸によって回転可能に設けられ、複数個の第1ベーン溝が形成された第1ロータと、各該第1ベーン溝に出没可能に設けられ、該第1シリンダ室の内面及び該第1ロータの外面とともに前方に位置する第1圧縮室を形成する第1ベーンとを有する第1圧縮機構と、
    該第2シリンダ室内に該駆動軸によって回転可能に設けられ、複数個の第2ベーン溝が形成された第2ロータと、各該第2ベーン溝に出没可能に設けられ、該第2シリンダ室の内面及び該第2ロータの外面とともに後方に位置する第2圧縮室を形成する第2ベーンとを有する第2圧縮機構とを備えたタンデム式ベーン型圧縮機であって、
    各前記第1ベーンの底面と各前記第1ベーン溝との間は第1背圧室とされ、
    各前記第2ベーンの底面と各前記第2ベーン溝との間は第2背圧室とされ、
    前記ハウジングには、前記吐出室と各該第1背圧室及び各該第2背圧室とを連通する背圧供給路が形成され、
    該ハウジングは、前記駆動軸に対して径方向に延び、該駆動軸を軸支するフロントサイドプレートと、該フロントサイドプレートとともに前記吸入室を形成するフロントハウジングと、該駆動軸に対して径方向に延び、該駆動軸を軸支するセンターサイドプレートと、該フロントサイドプレート及び該センターサイドプレートとともに該第1シリンダ室を形成する第1シリンダブロックと、該駆動軸に対して径方向に延び、該駆動軸を軸支するリヤサイドプレートと、該センターサイドプレート及び該リヤサイドプレートとともに該第2シリンダ室を形成する第2シリンダブロックと、該リヤサイドプレートとともに前記吐出室を形成するリヤハウジングとを有し、
    該背圧供給路は、該センターサイドプレートに形成され、該吐出室と各該第1背圧室とを連通する第1供給路と、該センターサイドプレートに形成され、該吐出室と各該第2背圧室とを連通する第2供給路とを有し、
    該ハウジングには、該駆動軸の後端部を収納する低圧室と、該吸入室と該低圧室とを連通する低圧通路とが形成されていることを特徴とするタンデム式ベーン型圧縮機。
  2. 前記ハウジングには、前記第1圧縮機構の吸入行程時に前記吸入室と前記第1圧縮室とを連通する第1吸入通路と、前記第2圧縮機構の吸入行程時に該吸入室と前記第2圧縮室とを連通する第2吸入通路とが形成され、
    前記フロントサイドプレートには、該吸入室と連通するフロント吸入孔が形成され、
    前記第1シリンダブロックには、該フロント吸入孔と連通する第1吸入空間が形成され、
    前記センターサイドプレートには、該第1吸入空間と連通するセンター吸入孔が形成され、
    前記第2シリンダブロックには、該センター吸入孔と連通する第2吸入空間が形成され、
    前記第1吸入通路は、該フロント吸入孔と該第1吸入空間とからなり、
    前記第2吸入通路は、該フロント吸入孔と該第1吸入空間と該センター吸入孔と該第2吸入空間とからなる請求項1記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  3. 前記リヤサイドプレートには、前記低圧室と、前記第2吸入空間と連通する前記低圧通路とが形成されている請求項2記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  4. 前記ハウジングには、前記第1圧縮機構の吐出行程時に前記第1圧縮室と前記吐出室とを連通する第1吐出通路と、該第2圧縮機構の吐出行程時に前記第2圧縮室と該吐出室とを連通する第2吐出通路とが形成され、
    前記リヤサイドプレートには、該吐出室と連通するリヤ吐出孔が形成され、
    前記第2シリンダブロックには、該リヤ吐出孔と連通する第2吐出空間が形成され、
    前記センターサイドプレートには、該第2吐出空間と連通するセンター吐出孔が形成され、
    前記第1シリンダブロックには、該センター吐出孔と連通する第1吐出空間が形成され、
    前記第2吐出通路は、該第2吐出空間と該リヤ吐出孔とからなり、
    前記第1吐出通路は、該第1吐出空間と該センター吐出孔と該第2吐出空間と該リヤ吐出孔とからなる請求項1乃至3のいずれか1項記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  5. 前記背圧供給路は、前記リヤサイドプレート、前記第2シリンダブロック及び前記センターサイドプレートに形成され、前記吐出室と連通する上流路と、
    該センターサイドプレートに形成され、該上流路と前記第1背圧室とを連通する第1下流路と、
    該センターサイドプレートに形成され、該上流路と前記第2背圧室とを連通する第2下流路とからなり、
    前記第1供給路は、該上流路及び該第1下流路からなり、
    前記第2供給路は、該上流路及び該第2下流路からなる請求項1乃至4のいずれか1項記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  6. 前記センターサイドプレートは、前記駆動軸を挿通するセンター軸孔を有し、
    該センター軸孔と該駆動軸との間にはセンター軸受が設けられ、
    前記上流路は、該センター軸孔に径外方向で凹設されて該センター軸孔を環状に周回する環状路を含み、
    前記第1下流路は、該環状路と連通して前方に延び、
    前記第2下流路は、該環状路と連通して後方に延び、
    該センターサイドプレートの前面には、複数の前記第1背圧室と連通する第1センター連通溝が凹設され、
    該センターサイドプレートの後面には、複数の前記第2背圧室と連通する第2センター連通溝が凹設されている請求項5記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  7. 前記フロントサイドプレートは、前記駆動軸を挿通するフロント軸孔を有し、
    該フロント軸孔と該駆動軸との間にはフロント軸受が設けられ、
    該フロントサイドプレートの後面には、複数の前記第1背圧室と連通するフロント連通溝と、前記第1下流路と同一位相に位置し、各該第1背圧室に供給された高圧の潤滑油による衝撃を緩和する第1ダンパ溝とが凹設されている請求項6記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  8. 前記リヤサイドプレートは、前記駆動軸を挿通するリヤ軸孔を有し、
    該リヤ軸孔と該駆動軸との間にはリヤ軸受が設けられ、
    該リヤサイドプレートの前面には、複数の前記第2背圧室と連通するリヤ連通溝と、前記第2供給路と同一位相に位置し、各該第2背圧室に供給された高圧の潤滑油による衝撃を緩和する第2ダンパ溝とが凹設されている請求項6記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  9. 前記吐出室内には、前記リヤ吐出孔から吐出される冷媒ガスから潤滑油を分離し、該潤滑油を該吐出室に貯留するセパレータが設けられ、
    前記リヤサイドプレートと該セパレータとの間には、前記低圧室を該吐出室に対して封止する封止部材が設けられている請求項3又は4記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  10. 前記吐出室内には、前記リヤ吐出孔から吐出される冷媒ガスから潤滑油を分離し、該潤滑油を該吐出室に貯留するセパレータが設けられ、
    前記リヤサイドプレートが該セパレータを備えている請求項3又は4記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  11. 前記セパレータは、円筒状の案内面と、該案内面の内側に設けられ、該案内面と略同軸の円筒状の分離筒とを有し、前記リヤ吐出孔から吐出された前記冷媒ガスを該案内面と該分離筒の外周面との間で周回させて前記潤滑油を分離し、該冷媒ガスを該分離筒の内部に導いて圧縮機の外部に吐出し、
    該案内面が前記リヤサイドプレートに形成されている請求項10記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
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