JP2014088732A - 鋼管杭の施工方法、鋼管杭部材 - Google Patents

鋼管杭の施工方法、鋼管杭部材 Download PDF

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Abstract

【課題】従来工法と比べて、材料の確保、施工の容易性、コスト、耐力、地盤への適用範囲の少なくとも1つを改善できる鋼管杭工法を提供する。
【解決手段】鋼管杭の施工方法は、1つの方向に延びる中空のケーシング20a、bの先端部に配置される掘削翼30であって、1つの方向と直交する面方向においてケーシング20a、bよりも大きな外形を有し、回転によって地盤を掘削可能な掘削翼30によって掘削しながら、ケーシング20a、bを地中に配置する第1の工程と、鋼管をケーシング20a、b内に掘削翼30に当接するように配置する第2の工程と、第1の工程および第2の工程の後に、ケーシング20a、b内に注入材50を注入する第3の工程と、第3の工程の後に、掘削翼30を地中に残した状態でケーシング20a、bを引き抜く第4の工程とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋼管杭の施工技術に関する。
杭とは、構造物の荷重をフーティングあるいは基礎スラブから、地盤中あるいは地盤の深部に伝達する役割をする柱状の構造材を意味し、主に軟弱な地盤における構造物の建設に際して用いられる。杭工法は、材料としては鋼管杭の他にコンクリート杭や鉄筋コンクリート杭など、施工法としては既製杭工法や場所打ち工法など、支持の性質としては支持杭と摩擦杭など、いくつかの方法で分類される多数の工法がある。
その中でも、鋼材とセメント系材料とを併用する工法としては、例えば、杭の全長にわたりケーシングチューブを揺動・圧入し、地盤の崩壊を防ぎながらハンマーグラブで掘削・排土した後、杭孔に鉄筋籠を建込み、ケーシングを引き抜きながらコンクリートを打設するオールケーシング工法と呼ばれる技術が知られている。また、他の工法としては、掘削ロッドで掘削した杭孔にソイルセメントを注入した後、掘削ロッドを引き抜き、ソイルセメントが固化する前に、軸方向に沿って羽が複数形成された鋼管を、ソイルセメントによって形成されるコラムの内部に回転注入する技術が知られている(例えば、下記の特許文献1)。
特開2012−127082号公報
従来から存在する多数の工法は、材料の確保、施工の容易性、コスト、耐力、地盤への適用範囲の観点から長所・短所があり、建設される構造物の種類や規模、あるいは施工現場の地盤・地質の状況に応じて選択されている。しかしながら、従来の工法は、上述した種々の観点から改善の余地がある。例えば、上述のオールケーシング工法では、事前に鉄筋籠を製作するという作業が必要になるほか、杭孔体積に近い量の排土が生まれる、性質として大口径の杭に適しているなどの制約がある。また、特許文献1を含む、セメント固化材による地盤改良を併用する工法では、セメント固化材に土が混入するために、形成されたコラムの強度が低下するなどの課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、鋼管杭の施工方法として提供される。この施工方法は、1つの方向に延びる中空のケーシングの先端部に配置される掘削翼であって、前記1つの方向と直交する面方向において前記ケーシングよりも大きな外形を有し、回転によって地盤を掘削可能な掘削翼によって掘削しながら、ケーシングを地中に配置する第1の工程と、鋼管をケーシング内に掘削翼に当接するように配置する第2の工程と、第1の工程および第2の工程の後に、ケーシング内にセメント系の注入材を注入する第3の工程と、第3の工程の後に、掘削翼を地中に残した状態でケーシングを引き抜く第4の工程とを備える。
かかる施工方法によれば、既製コンクリート工法と比べて、材料の輸送、取扱が行いやすく、また、杭長の調節が行いやすい。また、掘削翼が鋼管に当接するように地盤中に残されるので、先端支持力を好適に確保できる。さらに、鋼管の周囲にセメント系のコラムが形成されるので、鋼管のみの杭と比べて、高い摩擦力を得ることができる。その結果、軟弱地盤に適用する場合においても、支持層までの長い杭長を確保する必要がなく、コストを低減できる。また、ほぼ無排土で杭体を施工できるので、その点においてもコストを低減できる。しかも、ケーシングの内部において、鋼管の周囲にセメント系の注入材を注入するため、注入材への土の混入を避けることができる。その結果、セメント系の注入材によって形成されるコラムの強度低下が生じず、種々の質の地盤に対して、広く適用することができる。
本発明の第2の形態として、第1の形態の第2工程が実施された後において、鋼管は、前記掘削翼に係合されていてもよい。かかる形態によれば、施工された鋼管杭において、鋼管と掘削翼との間での力の伝達性が向上し、それにより、支持力が向上する。
本発明の第3の形態として、第2の形態において、鋼管の端部が掘削翼に予め接合されていることによって、第1の工程と第2の工程とが同時に行われてもよい。かかる形態によれば、施工された鋼管杭において、鋼管と掘削翼との間での力の伝達性が一層向上し、それにより、極めて高い支持力を得ることができる。
本発明の第4の形態として、第3の形態において、同時に行われる第1の工程および第2の工程において、掘削翼とケーシングとの少なくとも周方向の相対位置が固定された状態で、ケーシングを回転させることによって、掘削翼を回転させてもよい。かかる形態によれば、掘削翼を地盤に押し込んで掘削を行う際に、地盤の抵抗力が鋼管に負荷として作用することがない。したがって、鋼管は、杭体として必要な耐力のみを有しておればよく、上記の負荷に耐え得る過大な強度を有している必要がない。つまり、鋼管を、杭体として必要な耐力以上に過大に設計する必要がない。その結果、コストを低減できる。
本発明の第5の形態として、第3または第4の形態において、鋼管は、第2の工程の途中において、接合によって長さが延長されてもよい。かかる形態によれば、鋼管の調達性が向上するとともに、取り扱いが容易になる。また、杭長の調節も容易である。
本発明の第6の形態として、第1ないし第5のいずれかの形態において、ケーシングは、第1の工程の途中において、複数のケーシングが着脱可能に係合されることによって長さが延長されてもよい。かかる形態によれば、ケーシングの調達性が向上するとともに、取り扱いが容易になる。また、着脱可能であるので、ケーシングの再使用を行いやすい。
本発明の第7の形態は、鋼管杭部材として提供される。この鋼管杭部材は、1つの方向に延びる鋼管と、鋼管の一方の端部に接合された、回転によって地盤を掘削可能な掘削翼とを備える。かかる鋼管杭部材によれば、第3の形態と同様の効果を奏する。
本発明は、上述の形態に限らず、鋼管杭等としても実現可能である。
本発明の一実施例としての鋼管杭の施工方法の手順を示す工程図である。 各工程における施工状態を模式的に示す説明図である。 各工程における施工状態を模式的に示す説明図である。 各工程における施工状態を模式的に示す説明図である。 掘削翼の形状の一例を示す説明図である。 ケーシングの係合構成の一例を示す説明図である。
A.実施例:
図1は、本発明の一実施例としての鋼管杭の施工方法の手順を示す。図2〜4は、図1に示す各工程における施工状態を模式的に示す。本実施例の施工方法では、まず、図2(a)に示すように、重機300のオーガ310にケーシング20aを取り付け、ケーシング20aを引き上げる(ステップS110)。ケーシング20aは、中空の円筒形状を有しており、本実施例では、長さ3m、φ318.5である。なお、本実施例では、ケーシングは、施工途中で継ぎ足して延長する方法を採用する。このため、以下では、各ケーシングに「20a」、「20b」などの符号を付して各ケーシングを区別するが、複数のケーシングを総称してケーシング20と呼ぶことがある。
次に、図2(b)に示すように、掘削翼30に取り付く鋼管40aに鋼管(延長鋼管)40b,40cを溶接し、建て込む(ステップS120)。本実施例では、鋼管40a〜40cは、その総延長がケーシング20aの長さとほぼ等しく、径がφ139.8である。掘削翼30は、杭鋼管の施工段階においては、回転によって地盤を掘削するために使用される。なお、以下の説明では、ケーシングと同様に、接合される複数の鋼管を総称して鋼管40と呼ぶことがある。
図5(a)は、掘削翼30の形状の具体例を示す。図示するように、掘削翼30は、平板上のベース32を備えている。本実施例では、ベース32は、略正六角形形状に形成されている。この略正六角形は、本実施例では、半径250mmの円に内接する大きさである。ベース32の一方の面、すなわち、上面の中央部には、鋼管40aが予め溶接によって接合されている。鋼管40aとベース32との接合箇所には、鋼管40aの外面から外側に向かって、複数のリブ41が周方向に沿って複数形成されている。かかるリブ41によって、鋼管40aとリブ41との接合強度が補強される。なお、本実施例では、鋼管40は、リブ41の形成箇所を除き、円形断面を有している。
ベース32の底面、すなわち、鋼管40aが接合される側と反対の面には、三角形の板状の掘削ビット35が、当該底面から下方に垂直に突出して形成されている。また、ベース32の略正六角形形状の1つの角は、頂点で分離されており、その一方側には、斜め下方に延びる掘削ビット33が形成され、他方側には、斜め上方に延びる掘削ビット34が形成されている。
ベース32の上面には、鋼管40aおよびリブ41との接合箇所の外側に、垂直に突出する突出部36が環状に形成されている。突出部36の内径は、ケーシング20の外径よりも僅かに大きくなるように、すなわち、ケーシング20が突出部36の内面36aに嵌合可能なように形成されている。突出部36の内側には、複数(ここでは2つ)のフック部37が形成されている。フック部37は、ベース32の上面から鉛直方向に延びた後、直角に折れ曲がって水平方向(接線方向)に延びる逆L字またはT字(ここでは逆L字)の形状を有している。2つのフック部37の水平方向に延びる部位(以下、水平部位37aとも呼ぶ)は、ベース32の中心軸(鋼管40aの中心軸)を回転軸とした場合の同一の回転方向(ここでは、時計回りの方向)に向けて延びている。かかるフック部37は、内面36aから、ケーシング20aの厚みよりも僅かに大きい距離だけ離れた位置に形成されている。
図5(b)は、他の具体例としての掘削翼430の形状を示す。図5(b)においては、図5(a)に示した掘削翼30と同一の構成要素については、図5(a)と同一の符号を付している。掘削翼430は、逆L字形状のフック部37に代えて、T字形状のフック部437を有している点のみが掘削翼30と異なる。かかる掘削翼430には、鋼管40aに代えて、鋼管441a,442aが溶接によって接合されている。ベース32に溶接される鋼管441aは、掘削翼30側から、反対側に向けて径が小さくなる形状を有している。鋼管441aに溶接される鋼管442aは、鋼管441aの上端と同じ径を有している。
かかる掘削翼430の構成によれば、鋼管の径に対する掘削翼30の大きさの上限が定められている場合に、掘削翼30の大きさを大きくすることができる。つまり、鋼管を補足して、コストを低減すると同時に、掘削翼30の大きさを大きくして、鋼管杭が施工された後の支持力を向上させることができる。上述の掘削翼30(図5(a)参照)では、リブ41を設けることによって、鋼管40aの径を大きくしており、同様の効果が得られる。
ここで説明を図1〜4に戻す。鋼管40a〜40cを立て込むと、次に、図2(c)に示すように、ケーシング20aと掘削翼30との少なくとも周方向の相対位置を固定する(ステップS130)。具体的には、ケーシング20aの下端部を内面36aに嵌合させ、その状態でオーガ310によってケーシング20aを回転させる。ケーシング20aの回転方向は、時計回りの方向である。ここで、ケーシング20aの下端部の内面には、フック部37と係合するフック部(図示省略)が形成されている。ケーシング20aを回転させることによって、掘削翼30のフック部37のうちの水平部位37a(図5(a)参照)が延びる方向と反対側の側面37bと、ケーシング20aのフック部とが周方向に当接することによって、掘削翼30とケーシング20aとの周方向の相対位置が固定された状態になる。なお、ケーシング20aを反対方向(反時計回りの方向)に回転させれば、この位置固定関係は解除される。
なお、掘削翼30の水平部位37aは、掘削の途中において、掘削翼30とケーシング20aとを一旦引き抜きたい場合に、ケーシング20aを反時計回りに回転させて、ケーシング20aのフック部が、側面37bと反対側の水平部位37aが形成されていない部位の側面37cと、水平部位37aの底面37dとの両方に当接することによって、ケーシング20aのフック部が掘削翼30(水平部位37a)と周方向および鉛直方向に係合できるように、すなわち、掘削翼30とケーシング20aとの周方向および鉛直方向の位置関係が固定されるようにするために設けられている。図5(b)に示したT字形状のフック部437を有する掘削翼430によれば、ケーシング20aを時計回りに回して掘削翼430によって掘削を行う際と、ケーシング20aを反時計回りに回してケーシング20aおよび掘削翼30を引き抜く際と、の両方において、ケーシング20aのフック部が、掘削翼430と周方向および鉛直方向に係合できる。
上記の説明からも明らかなように、鋼管40(ケーシング20)が延びる方向に直交する方向におけるベース32の断面積は、ケーシング20の断面積よりも大きく形成されている。かかる構成によれば、掘削翼30がケーシング20の断面積よりも広い範囲を掘削するので、ケーシング20を圧入しやすくできる。
次に、図2(d)に示すように、ケーシング20aの鉛直性を確認し、その後、オーガ310によってケーシング20aを回転・圧入させながら所定深度まで地盤350に埋設する(ステップS140)。ケーシング20aの回転方向は、掘削翼30のフック部37と、ケーシング20aのフック部との位置固定関係が維持される方向、すなわち、時計回りの方向である。これにより、ケーシング20aの回転と同期して掘削翼30が回転し、掘削翼30が掘削を行いながら、ケーシング20aが圧入されることになる。所定深度は、次に説明するステップS150の作業が行いやすい範囲で設定すればよく、例えば、ケーシング20aが地盤350から50cm程度露出する深度としてもよい。
次に、図3(e)に示すように、ケーシング20aからオーガ310を切り離して、鋼管40の最も上部に位置する鋼管40cに鋼管(延長鋼管)40dを溶接によって接合する(ステップS150)。次に、図3(f)に示すように、オーガ310に延長用のケーシング20bを取り付けて、ケーシング20bを引き上げる(ステップS160)。
次に、図3(g)に示すように、ケーシング20bを回転させて、ケーシング20aとケーシング20bを着脱可能に係合させる(ステップS170)。かかる係合を実現するための構成を図6に示す。図6(a)に示すように、ケーシング20bは、その先端(下端)部において、他の部位よりも径が小さい縮径部21bを有している。縮径部21bには、下端側が開放するように鉛直方向(ケーシング20bの長さ方向)に形成された切欠きと、当該切欠きの上端部で水平方向(ケーシング20bの周方向)に分岐する切欠きと、を有するT字形状の2つの切欠22bが形成されている。本実施例では、2つの切欠22bは、ケーシング20bの中心軸に対して対称に形成されている。一方、ケーシング20aは、その先端(上端)部において、内面の一部が内側に向けて突出した2つの突出部22aを備えている。本実施例では、2つの突出部22aは、ケーシング20aの中心軸に対して対称に形成されている。
かかるケーシング20aとケーシング20bとを、突出部22aが切欠22bを通り、かつ、縮径部21bがケーシング20aの上端部に嵌まり込むように挿入し、ケーシング20bを回転させることによって、図6(b)に示すように、突出部22aが切欠22bのうちの周方向の切欠内に収まり、ケーシング20aとケーシング20bとが、鉛直方向に着脱不能な状態となる。図6(b)では、ケーシング20bの回転方向は、掘削翼30のフック部37と、ケーシング20aのフック部との位置固定関係が維持される方向(時計回りの方向)である。このように、ケーシング20aとケーシング20bとを着脱可能に係合させることによって、ケーシング20a,20bを容易に再使用できる。
次に、図3(h)に示すように、ケーシング20bの鉛直性を確認し、その後、オーガ310によってケーシング20bを回転・圧入させながら所定深度まで地盤350に埋設する(ステップS180)。ケーシング20bの回転方向は、掘削翼30のフック部37と、ケーシング20aのフック部との位置固定関係が維持される方向である。これにより、ケーシング20bの回転と同期してケーシング20aおよび掘削翼30が回転し、掘削翼30が掘削を行いながら、ケーシング20bが圧入されることになる。
次に、図4(i)に示すように、ケーシング20bからオーガ310を切り離す(ステップS190)。次に、図4(j)に示すように、ケーシング20の内部にセメント系の注入材50を打設する(ステップS200)。かかる注入材50としては、例えば、コンクリート、モルタル、セメントミルクなどを使用できる。
次に、図4(k)に示すように、オーガ310を再度、ケーシング20bに接続する(ステップS210)。そして、最後に、注入材50が固化する前に、掘削翼30を地中に残した状態で、ケーシング20を引き抜きながら、注入材50の頭部(上方の端部)の深度を確認・調整する(ステップS220)。すなわち、ケーシング20を引き抜くにしたがって、打設した注入材50のレベルが低下するので、その低下分だけ注入材50を追加的に打設しながら、ケーシング20を引き抜く。
ステップS210においてケーシング20を引き抜く際には、ケーシング20aと掘削翼30との位置固定関係を解除するために、ケーシング20aを反時計回りに回転させる必要がある。そのために、本実施例では、オーガ310によってケーシング20bを反時計回りに回転させることになる。このとき、ケーシング20bは、ケーシング20aに対して、T字形状の幅分だけ相対的に回転するが、その後、T字形状の他端(T字の両端における、図6(b)に示した係合位置と反対側の端部)において、ケーシング20aとケーシング20bとは再度係合するので、ケーシング20a,20bを係合させた状態で好適に引き抜くことができる。かかる手順によって、注入材50が固化することによって、先端に掘削翼30を有し、鋼管40の周囲に注入材50からなるコラムが形成された鋼管杭が施工される。
上述した施工方法によれば、材料の輸送、取扱が行いやすく、また、杭長の調節が行いやすい鋼管杭工法を提供できる。特に、ケーシング20の回転および圧入によって、杭長を調節できるため、杭長の管理が容易である。また、掘削翼30が鋼管40に当接するように地盤350中に残されるので、先端支持力を好適に確保できる。特に、ベース32の外形は、ケーシング20の外形よりも大きく形成されているので、安定的な支持力を得ることができる。しかも、掘削翼30と鋼管40の先端とは、溶接によって接合されているため、掘削翼30と鋼管40との間の力の伝達性が非常に高くなり、極めて高い支持力を得ることができる。
また、上述した施工方法によれば、鋼管40の周囲に注入材50によるコラムが形成され、高い摩擦力を得ることができる。上述の例では、使用した鋼管40は、φ139.8であるが、φ300と同程度の耐力を得ることができる。その結果、コストを低減できる。また、ほぼ無排土で杭体を施工できるので、その点においてもコストを低減できる。
また、上述したケーシング20の内部において、鋼管40の周囲にセメント系の注入材50を打設するため、つまり、ケーシング20によって、周囲の注入材50と隔離された状態で注入材50を打設するため、注入材50への土の混入を避けることができる。その結果、セメント系の注入材50によって形成されるコラムの強度低下が生じず、本施工方法を種々の質の地盤に対して広く適用して、所望の性能を得ることができる。
B.変形例:
B−1.変形例1:
掘削翼30の形状は、上述の例に限らず、任意の形状とすることができる。例えば、掘削翼30のベース32は、略円形であってもよい。掘削翼30の大きさは、鋼管40が延びる方向に直交する面方向において、ケーシング20よりも大きな外形を有していればよい。
B−2.変形例2:
ケーシング20や鋼管40は、必ずしも、施工途中に継ぎ足すことによって長さを延長する必要はない。つまり、最終的に必要な長さのケーシング20や鋼管40を使用してもよい。いずれを採用するかは、施工すべき杭長や部材の調達状況に応じて、決定すればよい。
B−3.変形例3:
上述の実施例では、オーガ310を使用してケーシング20を回転させることによって、ケーシング20に係合された掘削翼30を回転させて掘削を行う方法を例示したが、かかる方法に代えて、掘削翼30に接合された鋼管40を回転させることによって、掘削翼30を回転させてもよい。
B−4.変形例4:
上述の実施例では、鋼管40(より具体的には、鋼管40a)を掘削翼30に予め接合しておくことで、ケーシング20と鋼管40とを同時に地盤350に圧入する方法について示したが、鋼管40と掘削翼30とは、分離していてもよい。例えば、ケーシング20を必要な深度(上記ステップS180の深度)まで圧入した後に、ケーシング20の内部に鋼管40を、その先端部が掘削翼30のベース32と当接するように挿入してもよい。かかる場合、掘削翼30と鋼管40との間での力の伝達性能を向上させるために、掘削翼30と鋼管40とを係合させてもよい。かかる係合の方法としては、例えば、鋼管40の外径と等しい内径を有する突出部(例えば、上述した突出部36のような形状)を形成しておき、鋼管40を当該突出部に押し込んで、鋼管40および突出部の少なくとも一方を変形させて、掘削翼30と鋼管40とを係合させる方法、上述したケーシング20a,20bの係合構成を利用する方法などを例示できる。
B−5.変形例5:
鋼管40は、非円形断面を有していてもよい。例えば、鋼管40の少なくとも一部分の外表面には、凹凸形状が形成されていてもよい。あるいは、少なくとも1つのリングが鋼管40の外周に溶接などによって取り付けられていてもよい。リングは、鋼材によって構成されてもよい。これらの形態によれば、鋼管40と、その周囲に形成される注入材50によるコラムとの間の摩擦力の伝達性を向上できる。なお、鋼管40は、ケーシング20の内部に配置されるため、鋼管40の断面形状が掘削に影響を与えることはない。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各形態要素の組み合わせ、または、省略が可能である。
20a,20b…ケーシング
21b…縮径部
22a…突出部
22b…切欠
30,430…掘削翼
32…ベース
33,34,35…掘削ビット
36…突出部
36a…内面
37,437…フック部
37a…水平部位
37b,37c…側面
37d…底面
40a〜40c,441a,442a…鋼管
41…リブ
50…注入材
300…重機
310…オーガ
350…地盤

Claims (7)

  1. 鋼管杭の施工方法であって、
    1つの方向に延びる中空のケーシングの先端部に配置される掘削翼であって、前記1つの方向と直交する面方向において前記ケーシングよりも大きな外形を有し、回転によって地盤を掘削可能な掘削翼によって掘削しながら、前記ケーシングを地中に配置する第1の工程と、
    鋼管を前記ケーシング内に前記掘削翼に当接するように配置する第2の工程と、
    前記第1の工程および前記第2の工程の後に、前記ケーシング内にセメント系の注入材を注入する第3の工程と、
    前記第3の工程の後に、前記掘削翼を地中に残した状態で前記ケーシングを引き抜く第4の工程と
    を備える鋼管杭の施工方法。
  2. 請求項1に記載の鋼管杭の施工方法であって、
    前記第2工程が実施された後において、前記鋼管は、前記掘削翼に係合されている
    鋼管杭の施工方法。
  3. 請求項2に記載の鋼管杭の施工方法であって、
    前記鋼管の端部が前記掘削翼に予め接合されていることによって、前記第1の工程と前記第2の工程とが同時に行われる
    鋼管杭の施工方法。
  4. 請求項3に記載の鋼管杭の施工方法であって、
    前記同時に行われる第1の工程および第2の工程において、前記掘削翼と前記ケーシングとの少なくとも周方向の相対位置が固定された状態で、該ケーシングを回転させることによって、前記掘削翼を回転させる
    鋼管杭の施工方法。
  5. 請求項3または請求項4に記載の鋼管杭の施工方法であって、
    前記鋼管は、前記第2の工程の途中において、接合によって長さが延長される
    鋼管杭の施工方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載に鋼管杭の施工方法であって、
    前記ケーシングは、前記第1の工程の途中において、複数のケーシングが着脱可能に係合されることによって長さが延長される
    鋼管杭の施工方法。
  7. 鋼管杭部材であって、
    1つの方向に延びる鋼管と、
    前記鋼管の一方の端部に接合された、回転によって地盤を掘削可能な掘削翼と
    を備える鋼管杭部材。
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