JP2014088491A - 多孔質構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、骨格を多層カーボンナノチューブで補強することにより、従来のエポキシ樹脂多孔体に比べて弾性を損なうことなく粘性を下げることができるエポキシ樹脂の多孔質構造体を提供する。
【解決手段】 多孔質構造体は、エポキシ樹脂硬化物からなる三次元網目構造の骨格と、空孔とを有する多孔質構造体であって、前記骨格及び前記空孔の共連続構造が形成され、前記骨格内に平均直径が9nm以上110nm以下の多層カーボンナノチューブを含むことを特徴とする。多孔質構造体は、圧縮試験前後の復元率(%)に優れている。
【選択図】 図9

Description

本発明は、多層カーボンナノチューブで補強したエポキシ樹脂の多孔質構造体に関する。
三次元網目構造の連続した骨格と空隙とを有する多孔質体は一般的にモノリス型多孔体と呼ばれており、主にクロマトグラフィー分野でカラムと呼ばれる分離媒体として用いられている。このような分離媒体としては、無機材料から形成されるシリカゲルと、有機材料から形成される有機ポリマーに大別される。シリカゲルの分離媒体は、溶媒による材料の膨潤が少なく、物質移動による拡散の影響が小さいことに特徴があるため、主に高性能分離媒体として用いられている。一方、有機ポリマーの分離媒体は、酸・アルカリ等のpH耐久性に優れ、シリカで起こる生体系試料の非特異的吸着がないことに特徴があるため、環境や生体試料の分離に好適に用いられている。
これまで、有機ポリマーの三次元網目構造の研究・開発は様々なされており、各種の有機ポリマーをクロマトグラフィーの分離媒体として用いることも提案されている。
例えば、エポキシ樹脂を用いた多孔体として、三次元網目状骨格と連通する空隙を有するエポキシ樹脂硬化物多孔体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、エポキシ樹脂を用いた多孔体として、親水性が高くて医療用分離媒体として好適に使用することができ、しかも、分離性能や吸着性能に優れる多孔体及びその製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この多孔体は、骨格内に1nm〜1μmの孔径のメソポアを備えて成ることを特徴としている。
しかしながら、これらの多孔体は、粘性が高いため構造材としての用途には適していなかった。また、これらの多孔体は、変形後の復元性能に劣り、例えば80%圧縮すると、三次元網目構造の骨格は破壊されないものの空孔が押しつぶされた圧縮状態のまま復元せず、構造材としての用途には用いることができなかった。
国際公開WO2006−073173号 特開2009−269948号公報
本発明は、骨格を多層カーボンナノチューブで補強することにより、従来のエポキシ樹脂多孔体に比べて弾性を損なうことなく粘性を下げることができるエポキシ樹脂の多孔質構造体を提供することを目的とする。
本発明にかかる多孔質構造体は、エポキシ樹脂硬化物からなる三次元網目構造の骨格と、空孔とを有する多孔質構造体であって、
前記骨格及び前記空孔の共連続構造が形成され、
前記骨格内に平均直径が9nm以上110nm以下の多層カーボンナノチューブを含むことを特徴とする。
本発明にかかる多孔質構造体によれば、骨格内にある多層カーボンナノチューブが骨格部分を補強することにより、従来のエポキシ樹脂多孔体に比べて弾性を損なうことなく粘性を下げることができる。また、本発明にかかる多孔質構造体によれば、圧縮変形後の復元性能に優れることができる。
本発明にかかる多孔質構造体において、
前記多層カーボンナノチューブを0.3質量%以上10質量%以下含むことができる。
本発明にかかる多孔質構造体において、
前記多層カーボンナノチューブを0.4質量%以上1.0質量%以下含むことができる。
本発明にかかる多孔質構造体において、
クリープ試験における粘性係数ηが100mN・sec〜650mN・secであることができる。
本発明にかかる多孔質構造体において、
クリープ試験における遅延時間λが1sec〜40secであることができる。
Oリングの国際ゴム硬さ(IRHD)試験方法を説明する模式図である。 3要素線形粘弾性モデルを示す図である。 実施例2のIRHD試験の時間−歪み曲線を示すグラフである。 実施例1のサンプルの電子顕微鏡写真である。 実施例1のサンプルの圧縮試験後の電子顕微鏡写真である。 比較例1のサンプルの電子顕微鏡写真である。 比較例1のサンプルの圧縮試験後の電子顕微鏡写真である。 実施例3のサンプルの透過型電子顕微鏡写真である。 実施例3のサンプルの図8とは別の箇所を撮影した透過型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
1.多孔質構造体
本実施の形態にかかる多孔質構造体は、エポキシ樹脂硬化物からなる三次元網目構造の骨格と、空孔とを有する多孔質構造体であって、前記骨格及び前記空孔の共連続構造が形成され、前記骨格内に平均直径が9nm以上110nm以下の多層カーボンナノチューブを含むことを特徴とする。本実施の形態にかかる多孔質構造体によれば、骨格内にある多層カーボンナノチューブが骨格部分を補強することにより、圧縮変形後の復元性能に優れることができる。多層カーボンナノチューブが太すぎると、多孔質構造体の骨格の太さにも寄るが、骨格構造の形成を阻害する可能性がある。そこで、多孔質構造体の骨格構造の形成への影響を考慮すると、多層カーボンナノチューブの平均直径は110nm以下とすることができる。
三次元網目構造を形成してなる本実施の形態にかかるエポキシ樹脂硬化物の多孔質構造体は、原料に用いるエポキシ樹脂(いわゆる主剤である)と硬化剤の特定の組み合わせによって形成される。
具体的には、エポキシ樹脂と硬化剤の組み合わせが、芳香族エポキシ樹脂と非芳香族の硬化剤、特に脂環式アミンの硬化剤との組み合わせであること、又は非芳香族エポキシ樹脂と芳香族アミンの硬化剤との組み合わせ、特に脂環式エポキシ樹脂と芳香族アミンの硬化剤との組み合わせであることができる。
これらの組み合わせの中でも、非芳香族エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂、非芳香族硬化剤として脂環式アミンが使用された場合は、脂肪族エポキシ樹脂や脂肪族アミンが使用された場合に比して硬化物の耐熱性が高く、分離媒体用途に好適である。なお、エポキシ樹脂と硬化剤は、例えばそれぞれ1種類が使用されるが、それぞれ2種以上混在して用いることができる。しかしエポキシ樹脂又は硬化剤のいずれか一方又は両方が、芳香族と非芳香族の混合からなる場合は、得られる多孔質構造体は、非粒子凝集型網目構造と、粒子凝集体とが混在する多孔質構造体になりやすく、好ましくない。
以下に、本発明で用いうるエポキシ樹脂及び硬化剤について例示する。
エポキシ樹脂のうち、芳香環由来の炭素原子を含む芳香族エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンベースなどのポリフェニルベースエポキシ樹脂、フルオレン含有エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、トリアジン環含有エポキシ樹脂等、複素芳香環を含むエポキシ樹脂などを挙げることができる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フルオレン含有エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートであることができ、特に、エポキシ当量が500以下で、融点が100℃以下である、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フルオレン含有エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートであることができる。
また、芳香環由来の炭素原子を含まない非芳香族エポキシ樹脂として、脂肪族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂肪族グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエステル型エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、脂環族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエステル型エポキシ樹脂であることができ、特に、エポキシ当量が500以下で、融点が100℃以下の脂環族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエステル型エポキシ樹脂であることができる。
硬化剤のうち、芳香環由来の炭素原子を含む芳香族硬化剤としては、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルベンゼン等の芳香族アミン、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族酸無水物、フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、トリアジン環などの複素芳香環を有するアミンなどを挙げることできる。これらの中でも、分子内に一級アミンを2以上有する芳香族アミン化合物であることができ、特に、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンであることができる。
また芳香環由来の炭素原子を含まない非芳香族硬化剤としては、エチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、ポリメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン類、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンやこれらの変性品等の脂環族ポリアミン類、その他ポリアミン類とダイマー酸からなる脂肪族ポリアミドアミン類などを挙げることができる。これらの中でも、分子内に一級アミンを2以上有する脂環族アミン化合物であることができ、特に、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)などであることができる。
本実施の形態に用いられるポロゲンとは、エポキシ樹脂及び硬化剤を溶かすことができ、且つエポキシ樹脂と硬化剤が重合した後、反応誘起相分離を生ぜしめることが可能な溶剤をいい、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどエステル類、又はポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類などを挙げることができる。これらの中でも、分子量600以下のポリエチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることができ、特に分子量200以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることができる。
また、個々のエポキシ樹脂又は硬化剤と常温で不溶又は難溶であっても、エポキシ樹脂と硬化剤をアダクト化することにより可溶となるような溶剤もポロゲンとして使用可能である。
本実施の形態においては、エポキシ樹脂硬化物の多孔質構造体を構成する全炭素原子に占める芳香環由来の炭素原子比率が0.10〜0.65の範囲になるように、エポキシ樹脂及び硬化剤の種類と量を決定することが必要である。
芳香環由来の炭素原子比率が全炭素原子の0.10未満である場合は、該多孔質構造体による分離媒体は平面分子構造認識性が低下する。また全炭素原子に占める芳香環由来の炭素原子比率が0.65を超すと、柱状のエポキシ樹脂硬化物の三次元分岐網目状骨格からなる、非粒子凝集型の多孔質構造体を得ることが困難となる。
エポキシ樹脂と硬化剤の添加割合は、上記の全炭素原子に占める芳香環由来の炭素原子比率を満足する範囲のなかで、エポキシ基1当量に対して、硬化剤当量が0.6〜1.5の範囲になるように調整することができる。硬化剤当量比が0.6より少ない場合は硬化物の架橋密度が低くなり、耐熱性、耐溶剤性などが低下する場合がある。また1.5より多くなると、未反応の官能基が多くなり、未反応のまま硬化物中に残留したり、あるいは架橋密度向上を阻害する要因となり好ましくない。
本実施の形態に用いられる多層カーボンナノチューブは、平均直径が9nm以上110nm以下である。ここでいう平均直径は、繊維径の平均値である。さらに、多層カーボンナノチューブは、9nm以上20nm以下または40nm以上110nm以下であることができる。多層カーボンナノチューブは、その平均直径が比較的細いため、比表面積が大きく、マトリックスであるエポキシ樹脂との表面反応性が高く、多層カーボンナノチューブを解繊し、三次元網目構造の骨格内に分散させることができると、エポキシ樹脂を多層カーボンナノチューブによって少量でも効果的に補強することができる。平均直径が9n
m以上である多層カーボンナノチューブを用いることで、エポキシ樹脂中に比較的分散させやすい。また、平均直径が110nm以下の多層カーボンナノチューブを用いることによって、エポキシ樹脂の骨格を少量の多層カーボンナノチューブで補強することができる。多層カーボンナノチューブは、その表面におけるエポキシ樹脂との反応性を向上させるために、表面改質として、例えば酸化処理することもできる。なお、本発明の詳細な説明において多層カーボンナノチューブの平均直径及び平均長さは、電子顕微鏡による例えば5,000倍の撮像(カーボンナノチューブのサイズによって適宜倍率は変更できる)から200箇所以上の直径及び長さを計測し、その算術平均値として計算して得ることができる。
多層カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラファイトの1枚面(グラフェンシート)を巻いて筒状にした形状を有する。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、多層カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブ、気相成長炭素繊維、ナノカーボンといった名称で称されることもある。
多層カーボンナノチューブは、気相成長法によって得ることができる。気相成長法は、触媒気相合成法(Catalytic Chemical Vapor Deposition:CCVD)とも呼ばれ、炭化水素等のガスを金属系触媒の存在下で気相熱分解させて多層カーボンナノチューブを製造する方法である。より詳細に気相成長法を説明すると、例えば、ベンゼン、トルエン等の有機化合物を原料とし、フェロセン、ニッケルセン等の有機遷移金属化合物を金属系触媒として用い、これらをキャリアーガスとともに高温例えば400℃以上1000℃以下の反応温度に設定された反応炉に導入し、浮遊状態あるいは反応炉壁に第1の多層カーボンナノチューブを生成させる浮遊流動反応法(Floating Reaction Method)や、あらかじめアルミナ、酸化マグネシウム等のセラミックス上に担持された金属含有粒子を炭素含有化合物と高温で接触させて多層カーボンナノチューブを基板上に生成させる触媒担持反応法(Substrate Reaction Method)等を用いることができる。例えば、平均直径が9nm以上20nm以下の多層カーボンナノチューブは触媒担持反応法によって得ることができ、平均直径が60nm以上110nm以下の多層カーボンナノチューブは浮遊流動反応法によって得ることができる。多層カーボンナノチューブの直径は、例えば金属含有粒子の大きさや反応時間などで調節することができる。平均直径が9nm以上20nm以下の多層カーボンナノチューブは、窒素吸着比表面積が10m/g以上500m/g以下であることができ、さらに100m/g以上350m/g以下であることができ、特に、150m/g以上300m/g以下であることができる。
多孔質構造体は、多層カーボンナノチューブを0.3質量%以上10質量%以下含むことができ、さらに、多層カーボンナノチューブを0.4質量%以上1.0質量%以下含むことができる。多孔質構造体における多層カーボンナノチューブの含有量は、比較的少量であっても補強することができる。多孔質構造体における多層カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%以上10質量%以下であれば多孔質構造体の弾性を維持しながら粘性を下げることができる。多孔質構造体における多層カーボンナノチューブの含有量が10質量%以下であれば重合前の混合物の溶液における粘度が高くなりすぎないため、多層カーボンナノチューブを分散させることができ、多孔質構造体を製造することができる。多孔質構造体における多層カーボンナノチューブの含有量が0.3質量%以上であれば、多層カーボンナノチューブの補強効果を得ることができる。
多孔質構造体は、クリープ試験における粘性係数ηが100mN・sec〜650mN・secであることができ、さらに、300mN・sec〜650mN・secであることができる。また、多孔質構造体は、クリープ試験における遅延時間λが1sec〜40secであることができ、さらに、20sec〜40secであることができる。クリー
プ試験による粘弾性特性の測定は、試験片の大きさなどの諸条件によって、例えば、JIS K6253のM法に基づく国際ゴム硬さ試験(IRHD)、熱機械分析試験(TMA)などの試験方法から適宜選択して行うことができる。
JIS K6253のM法に基づく国際ゴム硬さ試験(IRHD)は、架橋ゴムの硬度を測定する方法であって、例えば、図1に示すように、多孔質構造体をOリング形状に成形した架橋サンプル20に先端に鋼球を有するインデンタ(押針)10を定荷重(一次荷重0.85g、二次荷重14.8g)、30秒間押し付けたときの変位から硬度を算出することができる。ここで、国際ゴム硬さ試験(IRHD)の結果(硬度を測定するときよりも長時間測定する)を定圧粘弾性試験の時間−歪み曲線(クリープ曲線)としてとらえて、図2に示すような2つのバネ30,40と1つのダッシュポット50を組み合わせたいわゆる三要素フォークトモデルに当てはめて、バネ定数K1,K2、粘性係数η及び遅延時間λを計算することができる。具体的には、国際ゴム硬さ試験(IRHD)にて力を加えた瞬間のひずみ量εと600秒後のひずみ量ε(600)を測定する。ε=σ/K1(ここでσ=153.3mN)より、K1を計算する。ε(600)=σ/K2としてK2を計算する。t=λの時を遅延時間とするので、下記式(1)より、ε(t)+ε(600)(1−1/e)となるときの時間tを抽出する。下記式(2)よりηを計算する。
ε(t)=ε+σ/K2[1−exp(−t/λ)] (1)
λ=η/K2 (2)
また、熱機械分析試験(TMA)による場合には、例えば、幅2mm×厚み1mm×長さ10mmの短冊試料を用いて、室温25℃、500kPaにて測定し、時間−歪み曲線を得て、IRHDと同様にしてバネ定数K1,K2、粘性係数η及び遅延時間λを計算することができる。
多孔質構造体は、多層カーボンナノチューブによる骨格の補強によって、エポキシ樹脂単体の多孔質構造体に比べて、圧縮試験前後の復元率(%)に優れることができる。
2.多孔質構造体の製造方法
本実施の形態にかかる多孔質構造体を製造する方法は、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤とポロゲンと多層カーボンナノチューブと分散剤とを含む混合物を、加熱してエポキシ樹脂を重合させながらエポキシ樹脂の重合物とポロゲンとをスピノーダル相分離させて硬化物を得る第1の工程と、前記第1の工程で得られた前記硬化物からポロゲンを除去して多孔質構造体を得る第2の工程と、を含むことができる。
第1の工程は、まず、エポキシ樹脂と硬化剤とポロゲンと多層カーボンナノチューブを含む混合物を作成することができる。第1の工程は、エポキシ樹脂と硬化剤とを混合して第1の混合物を得る工程と、ポロゲンと多層カーボンナノチューブとを混合して第2の混合物を得る工程と、第1の混合物と第2の混合物とを混合して混合物を得る工程と、を含むことができる。
混合物は、さらに多層カーボンナノチューブを解繊させる分散剤を含むことができる。例えば、第2の混合物を得る工程は、多層カーボンナノチューブを解繊させる分散剤を添加したポロゲンに多層カーボンナノチューブを混合することができる。このとき、ポロゲンを撹拌しながら多層カーボンナノチューブを添加することができる。分散剤は、凝集しやすい多層カーボンナノチューブをポロゲン中で解繊し、ポロゲン中に分散させるためのものである。分散剤としては、多層カーボンナノチューブを分散することができる公知の分散剤を用いることができる。分散剤としては、例えば、カテキンなどのポリフェノール含有水溶液、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の
界面活性剤などを用いることができる。
第1の工程は、超音波を照射して混合物を撹拌する工程を含むことができる。例えば、混合物を得る工程は、2種類の液体(第1の混合物と第2の混合物)を機械的に撹拌混合し、超音波を照射してさらに撹拌することもできる。第1の工程では、第1の混合物のエポキシ樹脂と硬化剤に対して非反応性であり、かつそれらを溶解可能なポロゲンに常温で又は加温して溶解し、ポロゲン中に添加された多層カーボンナノチューブを混合物中に分散させる。
第1の工程は、さらに、混合物を加熱重合し、重合物とポロゲンがスピノーダル相分離後、相分離が進展して共連続構造が消滅する前に、架橋反応によって構造を凍結固定させて硬化物を得ることができる。
第2の工程は、第1の工程で得られた硬化物からポロゲンを除去して多孔質構造体を得る。この場合、目的とする多孔構造が得られない場合は、硬化促進剤を添加することが効果的である場合もある。硬化促進剤としては、公知の物を使用することができる。例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の三級アミン、2−フェノール−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェノール−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。
なお、例えば、第1の工程として、エポキシ樹脂と多層カーボンナノチューブとを最初に混合した後に、ポロゲンを混合すると、エポキシ樹脂の粘度が高すぎて多層カーボンナノチューブが分散不良を起こす傾向があり、望ましくない。
本実施の形態にかかる多孔質構造体を得るには、重合開始から構造凍結まで、遅くとも120分で終了することができる。また相分離による曇点発生から三次元架橋による構造の凍結まで、30分以内であることができ、こうした条件を目安に重合温度を設定することができる。
例えば、上記のごとく、全炭素原子に占める芳香環由来の炭素原子比率を満足する範囲の中で、エポキシ基1当量に対して、硬化剤当量が0.6〜1.5の範囲になるようにエポキシ樹脂と硬化剤を選択した後、それぞれの原材料を反応容器に投入して第1の混合物を得て、多層カーボンナノチューブを含むポロゲンを添加する。添加されたポロゲンにエポキシ樹脂と硬化剤を溶解する。この時、エポキシ樹脂が常温で固形の場合、粉砕した樹脂を100℃以下に加熱したポロゲンに投入して溶解した後、硬化剤を添加溶解し、直ちに所定の重合温度に加熱し重合を行うこともできる。加熱重合後、重合が進行し、ポリマー成分が増大すると、スピノーダル相分離が起こり、共連続構造が発現するが、相分離が更に進行し、共連続構造が消滅する前にエポキシ樹脂の架橋反応を進行させることにより構造が凍結固定されて、所望の三次元網目構造が得られる。しかし、この現象を目視で確認することは不可能であるため、あらかじめ試験的に硬化剤(必要に応じて硬化促進剤も含む)の種類と量、ポロゲンの量を変化させながら電子顕微鏡等で構造確認をしながら最適温度プロファイルを決定して制御を行う。具体的な条件は、後述の実施例中に記載される。
本実施の形態では硬化物の架橋を十分に行うために構造凍結後、更にアフターキュアーを実施することができる。ポロゲンを除去した後にアフターキュアーを実施すると、収縮が発生して多孔構造に変化を生じることがあるので、ポロゲンを除去せずに行うことができる。使用したポロゲンが低沸点溶剤の場合は、高沸点溶剤に置換した後アフターキュアーを行うなどの方法を採ることができる。架橋が不十分な多孔質構造体を液体クロマト分離媒体として使用すると理論段数が低下するため、十分な架橋反応を行う必要がある。
多層カーボンナノチューブは、溶液の混合物中において、0.3質量%以上10質量%以下であることができ、さらに、0.4質量%以上1.0質量%以下であることができる。多層カーボンナノチューブの配合量が0.3質量%以上であると多孔質構造体の骨格構造の補強効果を得ることができ、10質量%以下であるとスピノーダル分解相分離に影響が少なく、いわゆるモノリス構造の多孔質構造体を得ることができる。
本実施の形態にかかるエポキシ樹脂硬化物の多孔質構造体において、空孔率は20%〜80%であることができる。空孔率が20%未満では、空孔率が低すぎてソリッドのエポキシ樹脂構造体との差が得にくくモノリス特有の柔軟性が低下する。また空孔率が80%を超すと、多孔質構造体の強度が低下する。
また、本実施の形態にかかるエポキシ樹脂硬化物の多孔質構造体は、平均孔径が0.5μm以上50μm以下であることができる。
また、本実施の形態にかかるエポキシ樹脂硬化物の多孔質構造体は、水銀圧入法で測定される微分細孔分布の最大値の1/4の高さにおける対数分布幅が0.7以下であることができる。微分細孔分布の最大値の1/4の高さにおける対数分布幅とは、細孔分布の広がりを示す一つの指標であり、細孔分布の最大値の1/4の高さにおける対数分布の幅を対数にて表示したものである。最大値の1/4の高さにおける対数分布幅が、0.7を超えると分離媒体としての理論段数が低下する傾向がある。
多孔質構造体の空孔率、孔径、孔径分布などは、使用されるエポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、ポロゲンなど原料の種類や比率、又は温度、攪拌、圧力などの反応条件により変化するため、目的とする多孔質構造体としての空孔率、孔径、及び孔径を得るためには、系の相図を作成し最適な条件を選択することが好ましい。相分離は経時的に変化するが、樹脂とポロゲンの共連続構造を特定の状態で固定し安定した多孔質構造を形成させるには、相分離時におけるエポキシ樹脂重合物の分子量、分子量分布、系の粘度、架橋反応速度などが厳密にコントロールすることが一般的に行われる。
本実施の形態にかかるエポキシ樹脂硬化物の多孔質構造体は、骨格内にある多層カーボンナノチューブが骨格部分を補強することにより、従来のエポキシ樹脂多孔体に比べて弾性を損なうことなく粘性を下げることができる。また、本発明にかかる多孔質構造体によれば、圧縮変形後の復元性能に優れることができる。そのため、従来の液体クロマトグラフィー用の分離媒体以外の、例えば、構造材としての用途にも採用が期待できる。また、多孔質構造体は、シート状、棒状、筒状など任意の形状を採ることができるため、その用途に応じて使い分けることが可能である。さらに、例えば、多孔質構造体は、液体クロマトグラフィー用のカラム用充填媒体として、大きな径のカラムからキャピラリーカラムまで使用できる。
もちろん該多孔質構造体は、エポキシ樹脂硬化物であることから、表面に官能基を有しており、グラフト反応等で目的に応じた表面修飾を行うことが可能である。
本発明にかかる多孔質構造体のエポキシ樹脂硬化物は三次元架橋されており、耐薬品性、耐熱性に優れていることから、過酷な環境下でも使用可能である。
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて、本発明の範囲に含まれるものとする。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
A.サンプルの作製
A−1.第1の工程
エポキシ樹脂(三菱ガス化学社製、商品名「TETRAD−C(「テトラ−ド/TETRAD」は三菱ガス化学社の登録商標)」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量95〜110(表では「A剤」))1.00gと、硬化剤(SANHO CHEMICAL社製、商品名「トーマイド245−S(「トーマイド/TOHMIDE」はティーアンドケイ東華社の登録商標)」、ポリアミノアミン、25℃における粘度1000〜2500mPa・s、アミン価520〜550mmol/g(表では「B剤」))1.00gと、をスクリュー管瓶中で室温において混合し、第1の混合物を得た。
また、ポリエチレングリコール(和光純薬工業社製、分子量200(表では「PEG」))5.00gに表1〜表3に示す量の多層カーボンナノチューブと分散剤とをスクリュー管瓶中で室温において撹拌混合し、さらに超音波(出力300W)を照射して第2の混合物を得た。なお、表1〜表3における配合割合は、上段が多孔質構造体の固体成分中の配合質量割合(wt%)であり、下段が製造工程で用いる溶液成分(多孔質構造体に残らない成分)中の配合質量割合(wt%)である。
次に、第1の混合物と第2の混合物とをスクリュー管瓶中で室温において撹拌混合し、さらに超音波(出力300W)を照射して混合物の溶液とした。この混合物の溶液を70℃で30分間重合し、多孔質構造体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。
なお、比較例6,7として、多層カーボンナノチューブの代わりにシングルウォールカーボンナノチューブとダブルウォールカーボンナノチューブを用いて実施例と同様にして多孔質構造体を製造しようとしたが、第2の混合物の段階でカーボンナノチューブが分散しなかったため、多孔質構造体を製造しなかった。
A−2.第2の工程
第1の工程で得られた多孔質構造体を水で洗浄してポリエチレングリコールを除去し、乾燥し、実施例1〜7及び比較例2〜5の多孔質構造体サンプルを得た。
なお、比較例1は多層カーボンナノチューブ及び分散剤を配合せずにほぼ同様に作成した純粋なエポキシ樹脂硬化物モノリスの多孔質構造体サンプルであった。
また、サンプル作成に用いた多層カーボンナノチューブは、「CNT−1」、「CNT−2」、及び「CNT−3」が平均直径が約15nmの多層カーボンナノチューブであって、製造メーカが異なるものであり、「CNT−4」が平均直径が約70nmの多層カーボンナノチューブであった。また、分散剤は、「分散剤A」がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、「分散剤B」が多種類の界面活性剤が混合された台所用洗剤、「分散剤C」がカテキン水溶液であった。表1〜表3の配合欄における多層カーボンナノチューブの配合量及び分散剤の配合量は、第1の工程で得られた混合物における配合量であった。
表1〜表3の多孔質構造体の欄に、多孔質構造体サンプルにおける多層カーボンナノチューブの質量百分率(質量%)を示し、多孔質構造体サンプルの密度(g/cm)を示した。
B.測定及び観察
B−1.クリープ試験
サンプルが薄いため、ここでは、クリープ試験として、JIS K6253のM法に基づく国際ゴム硬さ試験(IRHD)に従って、図1に示す多孔質構造体をOリング形状に成形した架橋サンプル20に先端に鋼球を有するインデンタ(押針)10を定荷重(一次荷重0.85g、二次荷重14.8g)、600秒間押し付けたときの変位を測定し、その結果を定圧粘弾性試験の時間−歪み曲線(クリープ曲線)としてグラフにして遅延時間λを測定した。そして、図2に示すような2つのバネ30,40と1つのダッシュポット50を組み合わせたいわゆる三要素フォークトモデルに当てはめて、バネ定数K1,K2、粘性係数η及び遅延時間λを計算した。具体的には、国際ゴム硬さ試験(IRHD)にて力を加えた瞬間のひずみ量εと600秒後のひずみ量ε(600)を測定した。まず、ε=σ/K1(ここでσ=153.3mN)より、K1を計算し、ε(600)=σ/K2としてK2を計算した。さらに、t=λの時を遅延時間とするので、下記式(1)より、ε(t)+ε(600)(1−1/e)となるときの時間tを抽出し、下記式(2)よりηを計算した。
ε(t)=ε+σ/K2[1−exp(−t/λ)] (1)
λ=η/K2 (2)
時間−歪み曲線(クリープ曲線)の一例として、実施例2の時間−歪み曲線(クリープ曲線)を図3に示した。各サンプルのバネ定数K1,K2、粘性係数η、遅延時間λを表1〜表3に示した。
各実施例の多孔質構造体サンプルは、骨格内にある多層カーボンナノチューブが骨格部分を補強することにより、比較例1の多孔質構造体サンプルに比べて弾性K1,K2を損なうことなく粘性η及び遅延時間λを下げることができた。
B−2.圧縮試験前後の観察
実施例1及び比較例1の多孔質構造体サンプル
(80%圧縮試験していないサンプル)を走査型電子顕微鏡で観察した。実施例1の多孔質構造体サンプルの電子顕微鏡写真を図4に示した。比較例1の多孔質構造体サンプルの電子顕微鏡写真を図6に示した。
次に、多孔質構造体サンプルを80%圧縮試験した。80%圧縮試験は、多孔質構造体サンプルの圧縮試験前の高さの20%の高さまで圧縮した後、荷重から解放した。
その80%圧縮試験後の多孔質構造体サンプルを電子顕微鏡で観察した。実施例1の多孔質構造体サンプルの80%圧縮試験した後の電子顕微鏡写真を図5に示した。比較例1の多孔質構造体サンプルの80%圧縮試験後の電子顕微鏡写真を図7に示した。圧縮方向は、写真の上下方向であった。
図4及び図5を比較すると、実施例1の多孔質構造体サンプルは圧縮後に上下方向に大きく復元したことがわかった。これに対し、図6及び図7を比較すると、比較例1の多孔質構造体サンプルは圧縮された状態で骨格構造が塑性変形したままあまり復元せず、空孔も押しつぶされて小さくなっていた。
B−3.電子顕微鏡の観察
多孔質構造体サンプルの破断面を透過型電子顕微鏡で観察した。実施例3の骨格部分を走査型電子顕微鏡で撮影した写真を図8及び図9に示した。
各実施例のサンプルの電子顕微鏡観察の結果、三次元網目構造の骨格と、空孔とを有する多孔質構造体であって、骨格及び空孔の共連続構造が形成されていることが観察された。また、各実施例のサンプルは、骨格内に多層カーボンナノチューブが解繊した状態で分散し骨格と濡れていることが観察された。比較例3,4の分散剤を用いていない多孔質構造体は、骨格内に多層カーボンナノチューブが存在するものの分散しておらず、凝集体のまま骨格内に存在していた。
10 インデンタ(押針)、20 Oリング型の架橋サンプル、K1,K2 バネ定数、η 粘性係数

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂硬化物からなる三次元網目構造の骨格と、空孔とを有する多孔質構造体であって、
    前記骨格及び前記空孔の共連続構造が形成され、
    前記骨格内に平均直径が9nm以上110nm以下の多層カーボンナノチューブを含む、多孔質構造体。
  2. 請求項1において、
    前記多層カーボンナノチューブを0.3質量%以上10質量%以下含む、多孔質構造体。
  3. 請求項1または2において、
    前記多層カーボンナノチューブを0.4質量%以上1.0質量%以下含む、多孔質構造体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    クリープ試験における粘性係数ηが100mN・sec〜650mN・secである、多孔質構造体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    クリープ試験における遅延時間λが1sec〜40secである、多孔質構造体。
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