JP2009269948A - 多孔体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】親水性が高くて医療用分離媒体として好適に使用することができ、しかも、分離性能や吸着性能に優れる多孔体を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂硬化物の三次元網目構造の骨格と空隙とを有する多孔体であって、骨格内にさらに1nm〜1μmの孔径のメソポアを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、二重細孔を有するエポキシ樹脂硬化物の多孔体及びその製造方法に関するものであり、特に、クロマトグラフィー用分離媒体、血液分離用多孔質体、環境分析用試料濃縮媒体、吸湿用多孔質体、消臭等低分子吸着用多孔質体、均一径微粒子を製造する膜乳化法に用いる多孔質膜あるいは酵素担体及び触媒担体用多孔質体等に適した多孔体及びその製造方法に関するものである。
三次元網目構造の連続した骨格と空隙とを有する多孔質体は一般的にモノリス型多孔体と呼ばれており、主にクロマトグラフィー分野でカラムと呼ばれる分離媒体として用いられている。このような分離媒体としては、無機材料から形成されるシリカゲルと、有機材料から形成される有機ポリマーに大別される。シリカゲルの分離媒体は、溶媒による材料の膨潤が少なく、物質移動による拡散の影響が小さいことに特徴があるため、主に高性能分離媒体として用いられている。一方、有機ポリマーの分離媒体は、酸・アルカリ等のpH耐久性に優れ、シリカで起こる生体系試料の非特異的吸着がないことに特徴があるため、環境や生体試料の分離に好適に用いられている。
そして、有機ポリマーの三次元網目構造の研究・開発は様々なされており、また各種の有機ポリマーをクロマトグラフィーの分離媒体として用いることも提案されている。
例えば、特許文献1にはエポキシ樹脂多孔体の三次元網目状骨格と連通する空隙を有する多孔体が開示されているが、芳香族由来の炭素原子の比率が0.1未満からなる多孔体の製造方法、及び分離性能や吸着性能に優れる多孔体については開示されていない。
また、特許文献2には高分子多孔質体であって、ポア径が少なくとも50nmであるマクロポアと、ポア径が2nmから50nm未満であるメソポアを含む双山ポア径分布を有し、該多孔質体の全ポア比表面積に対する該マクロポアの比表面積の割合が少なくとも10%である高分子多孔質体を製造することができるとされている。
また、特許文献3には強度などの機械的特性に優れ、骨格および空孔の構造がより精密に制御された有機系多孔質体を得る製造方法が記載されている。しかしながら、これらの特許文献のいずれの方法によって製造される多孔質体は、開始剤を用いる重合反応ゆえにビニル基による重合やイオン重合を可能にするモノマーを使用するため、ポリマー由来の疎水性の特徴から親水性の高い分離媒体を調製することは困難であった。
また、特許文献4には骨格相と三次元網目状に連続した細孔とを備えた、骨格相の表面には新たな官能基の導入が可能な官能基をもつ非粒子凝集型の有機ポリマーモノリス分離媒体の製造方法が開示されているが、60%アセトニトリル条件下においてヘキシルベンゼンの分離度が0.6未満とクロマトグラフィー分離媒体としては分離性能が低いカラムしか提供されていない。
特許文献5には無溶剤型熱硬化性樹脂、それと相溶するポリアルキレンオキシド、ポリアルキレングリコール、又はそれらの誘導体の1種以上、及び該熱硬化性樹脂の硬化剤を特定の比率で混合し、硬化させて得られる連通多孔体の形成方法が開示されており、また特許文献6には、特許文献5に開示された連通多孔体形成時に、さらに他の成分を加えてなる熱硬化性樹脂多孔体、及びその製法が開示されており、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂も記載されている。しかしながら、これらの特許文献いずれも、粒子凝集体からなるモノリス型の多孔体及びその製法について開示されているだけであって、三次元網目構造からなるポリマー多孔体で、且つ該網目が柱状からなる非粒子凝集型の多孔体については開示されていない。
さらに、特許文献7には三次元連続網状骨格の製造方法が提供されているが、製法が熱硬化性樹脂又は原料ゴムと尿素等の水溶性有機化合物及びポリエチレングリコール等の水溶性高分子材料のローター型ミキサー等による攪拌による混合であり、条件として水溶性有機化合物の融点が水溶性高分子材料の融点より高く、且つ混合の温度がこれらの融点の間であり、また、混合時に熱硬化性樹脂又は原料ゴムが流動性を有している場合であることから、混合時は不均一系であるため、厳密に均質な三次元連続網状骨格の多孔体は得ることができない。
国際公開WO2006/073173A1 国際公開WO2006/126387A1 国際公開WO2007/043485A1 国際公開WO2007/083348A1 特開2001−181436号公報(特許第3556551号公報) 特開2004−244607号公報 特開平11−166071号公報
しかし、従来の分離媒体では親水性が低く、水系試料や生体系試料、血液試料などの医療用分離媒体としては使用しにくいという問題があった。また、有機ポリマーであっても分離効率や吸着性能に優れるより高性能の分離媒体が望まれていた。本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、親水性が高くて医療用分離媒体として好適に使用することができ、しかも、分離性能や吸着性能に優れる多孔体及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る多孔体は、エポキシ樹脂硬化物からなる三次元網目構造の骨格と空隙とを有する多孔体であって、骨格内に1nm〜1μmの孔径のメソポアを備えて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る多孔体は、請求項1において、エポキシ樹脂硬化物を構成する炭素原子全体に占める芳香環由来の炭素原子の比率が0.6以下であることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る多孔体は、請求項1又は2において、エポキシ樹脂硬化物を構成する炭素原子全体に占める芳香環由来の炭素原子の比率が0.1未満であることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る多孔体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多孔体を製造する方法であって、25℃における粘度が400mPa・s以上のポリアミノアミド系硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化することを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る多孔体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多孔体を製造する方法であって、有機高分子を添加してエポキシ樹脂を硬化した後、洗浄することで骨格内にメソポアを形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係る多孔体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多孔体を製造する方法であって、金属アルコキシドからなるゾルを添加してエポキシ樹脂を硬化した後、金属アルコキシドからなるゾルを溶解して洗浄することで骨格内にメソポアを形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項7に係る多孔体の製造方法は、請求項6において、金属アルコキシドとしてシリカアルコキシド系からなるゾルを用いることを特徴とするものである。
本発明の請求項8に係る多孔体の製造方法は、請求項5乃至7のいずれか1項において、硬化剤として25℃における粘度が400mPa・s以上のポリアミノアミド系硬化剤を用いることを特徴とするものである。
請求項1の発明では、エポキシ樹脂硬化物を用いることで硬化時に生じる水酸基により他の樹脂に比べて親水性を高くすることができ、水系試料や生体系試料、医療用分離媒体として好適に使用することができるものである。また、骨格内に形成された1nm〜1μmの孔径のメソポアにより表面積を拡大することができ、分離性能や吸着性能の高い分離媒体を形成することができるものである。高性能な分離媒体として、相互作用により分離される溶質の保持のためには骨格内にメソポアを有させることが必要だが、従来のエポキシ樹脂多孔体にはメソポアがなく、比表面積も小さいので、保持が十分ではなかった。本発明はメソポアを有し、相互作用により分離される溶質の保持にすぐれる分離メディアを提供するものである。
請求項2の発明では、柱状のエポキシ樹脂硬化物の三次元分岐網目状骨格からなる非粒子凝集型の硬化物多孔体を三次元網目構造の連続した骨格として得ることができ、ビーズ状分離媒体に比べてより大きな流路により低圧での送液が可能で、同時に細い骨格によりビーズと同等以上の分離性能を示す分離媒体であるモノリス型ポリマー分離媒体を容易に形成することができるものであり、さらに骨格内にメソポアを有する請求項1の効果を有したエポキシ樹脂硬化物を提供するものである。
請求項3の発明では、これまで三次元網目構造として得られなかった非芳香族同士の組み合わせ、又はいずれかに芳香環由来の原料を使用しても、炭素原子全体に占める芳香環由来の炭素原子の比率が0.1未満であることを特徴とし、さらに骨格内にメソポアを有する請求項1の効果を有したエポキシ樹脂硬化物を提供するものである。
請求項4〜8の発明では、骨格内に1nm〜1μmの孔径のメソポアを備えたエポキシ樹脂硬化物の多孔体を容易に得ることができる製造方法である。
本発明により得られる二重細孔を有するエポキシ樹脂硬化物の多孔体は、分離媒体のみならず、多方面の産業分野において表面積が必要で且つ親水性多孔質材料が有効に働く用途として利用を促進させるものとして期待できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の多孔体は、柱状のエポキシ樹脂硬化物の三次元分岐網目構造を骨格として有し、且つ骨格間に空隙を有し、さらに骨格内に1nm〜1μmの孔径のメソポアを有して形成されている。尚、エポキシ樹脂多孔体の基礎となる構造は、0.1μm以上の骨格と空隙(マクロ孔)がお互いに絡み合った三次元的な網目構造を有しており、当然ながら骨格内のメソポアはマクロ孔より小さな細孔である。また、必ずしも骨格内のメソポア構造は三次元網目構造のような連続孔を形成しているだけでなく、一様な貫通孔や骨格を構成している格子間の空隙と見られる構造を有しているように観察されることもある。
エポキシ樹脂硬化物の調製には、大きく分類すると、芳香族エポキシ樹脂と芳香族硬化剤の組み合わせ、芳香族エポキシ樹脂と非芳香族硬化剤の組み合わせ、非芳香族エポキシ樹脂と芳香族硬化剤の組み合わせ、非芳香族エポキシ樹脂と非芳香族硬化剤の組み合わせに分けることができる。エポキシ樹脂硬化物の炭素原子全体に占める芳香環由来の炭素原子の比率が0.10〜0.65で構成されるメソポアのないエポキシ樹脂多孔体はすでに特許文献として提供されているが、本発明では、分子構造式から導き出される芳香族由来の炭素原子の比率が0.1未満であってもエポキシ樹脂多孔体の形成が可能であることに加え、さらに芳香環由来の炭素原子の比率が0.65以下で骨格内にメソポアを形成した2種類の孔を有するエポキシ樹脂多孔体を提供している。
本発明の多孔体は、原料に用いるエポキシ樹脂と硬化剤の特定の組み合わせ及びポロゲンの使用によって形成することができる。
具体的には、本発明の多孔体の第一の製造方法は、25℃における粘度が400mPa・s以上のポリアミノアミド系硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化すればよく、特にエポキシ樹脂と硬化剤の組み合わせによる炭素原子全体に占める芳香族由来の炭素原子の比率が0.1未満であって、その中でも、非芳香族エポキシ樹脂と非芳香族アミン硬化剤との組み合わせ、特に、脂環式エポキシ樹脂とポリアミノアミド系硬化剤との組み合わせが好ましい。尚、エポキシ樹脂と硬化剤は、それぞれ1種類又は2種以上混在して使用してもよい。エポキシ樹脂又は硬化剤のいずれか一方でも芳香族系の原料を用いた場合、得られるエポキシ樹脂硬化物の耐熱性が向上するが、クロマトグラフィー用分離カラムとして用いた場合、平面認識力による平面的な物質をより選択的に保持するなどといった付加的な作用が起きるため芳香族系の原料は少ない方が好ましい。従って、エポキシ樹脂硬化物を構成する炭素原子全体に占める芳香環由来の炭素原子の比率が0.1未満(下限は0)であることが好ましい。
本発明に使用可能なエポキシ樹脂のうち、芳香環由来の炭素原子を含む芳香族エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンべ−スなどのポリフェニルベースエポキシ樹脂、フルオレン含有エポキシ樹脂、2,2,2,−トリ−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアネートなどのトリグリシジルイソシアヌレート、トリアジン環含有エポキシ樹脂等、複素芳香環を含むエポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなどを挙げることができる。また、芳香環由来の炭素原子を含まない非芳香族エポキシ樹脂として、脂肪族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂肪族グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエステル型エポキシ樹脂、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。上記の中でも、好ましくは、分子内にグリシジル基が二つ以上有するエポキシ樹脂であり、特に好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、2,2,2,−トリ−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアネート、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンである。
本発明に使用される硬化剤のうち、芳香環由来の炭素原子を含む芳香族硬化剤としては、メタフェニレンジアミンやジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルベンゼンなどの芳香族アミン、無水フタル酸や無水トリメット酸、無水ピロメット酸などの芳香族酸無水物、フェノール系化合物、フェノール系樹脂、フェノールホルムアルデヒド型ノボラックやフェノールアルキル型ノボラック等のノボラック型フェノール樹脂、イソフタル酸ジヒドラジドなどの芳香族ヒドラジド類、トリアジン環などの複素芳香環を有する芳香族アミン、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−パラ−フェニレン)ジセミカルバジド等の芳香族ポリアミン類及び芳香族ポリアミンヒドラジド類などが挙げられる。また、芳香環由来の炭素原子を含まない非芳香族硬化剤としては、エチレンジアミンやジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、ポリメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミンなどの脂肪族アミン類、アジピン酸ジヒドラジドやセバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジドなどの脂肪族ヒドラジド類、イソホロンジアミンやメンタンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタンやこれらの変性品などの脂環族ポリアミン類、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)などの脂肪族ポリアミンヒドラジド類、ポリアミン類とダイマー酸からなる脂肪族ポリアミドアミン類やポリアミノアミド類など、ビューレトリートリ−(ヘキサメチレン−N,N−ジメチルセミカルバジド)を主成分とするオリゴマープロピレングリコールモノメチルエーテル溶液、ビューレトリートリ−(ヘキサメチレン−N,N−ジメチルセミカルバジド)を主成分とするオリゴマーN,N−ジメチルホルムアミド溶液、スピログリコールや2−(5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−2−メチルプロパン−1−オールなどのグリコール類、その他アミンアダクト系硬化剤などが挙げられる。特に好ましくは、25℃における粘度が400mPa・s以上のポリアミノアミド系硬化剤を用いることである。この場合は下記の有機高分子或いは金属アルコキシドを用いることなくポロゲンを存在させるだけでメソポアの空隙を持つ本願の構造物が作成できるが、上記のその他の硬化剤を使用したときは下記の有機高分子或いは金属アルコキシドを使用する必要がある。尚、本発明で用いるポリアミノアミド系硬化剤の粘度の上限は特に限定されないが、容易に入手可能なことなどを考慮すれば、単一円筒回転粘度計法による40℃における粘度が70,000mPa・s以下のポリアミノアミド系硬化剤を用いるのが好ましい。さらに、25℃における粘度が400mPa・s以上のポリアミノアミド系硬化剤を使用する場合であっても有機高分子や金属アルコキシドの使用を妨げるものではない。
本発明では、エポキシ樹脂硬化物のマクロ孔やメソポアの空隙となりえるポロゲンを用いる。エポキシ樹脂及び硬化剤を溶かすことができ、且つエポキシ樹脂と硬化剤が重合した後、反応誘起相分離を生じさせることが可能な溶剤をポロゲンとして用いることができ、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどエステル類、又はポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類などを挙げることができる。上記の中でも、好ましくは、分子量200以下のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。分子量600以上のポリエチレングリコール或いはポリプロピレングリコールで室温中において蝋質(半固形)状であっても重合温度においてエポキシ樹脂や硬化剤と相溶し且つ液状であればポロゲンとして使用できる。
本発明の多孔体の第二の製造方法として、相分離をより誘起させるためにポロゲンと同等の効果をもたらす有機高分子をポロゲンに加えて添加することもできる。上記有機高分子としては、重合系に均一かつ溶解することが出来れば特に分子量などは限定されないが、たとえば、ポリエチレングルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリメチルメタクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体に代表されるこれらの共重合体等が挙げられる。上記の中で好ましくは、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体を用いることである。尚、これらが単独で用いられてもよいし、併用されても構わない。有機高分子の配合割合は、得ようとする骨格部のメソポア径に応じて適宜調節することができる。
本発明の多孔体の第三の製造方法として、エポキシ樹脂の硬化時にポロゲンと金属アルコキシドからなるゾルを添加して重合し、後に溶解により添加物を洗浄することで添加物が物理的に存在した孔を骨格内のメソポアとして形成する方法が有効な方法として挙げられる。この方法の場合は、上記の第一の製造方法のように、硬化剤として25℃における粘度が400mPa・s以上のポリアミノアミドといった特定の硬化剤に限定する必要はなく、より多くの硬化剤を用いることができる。
上記、金属アルコキシドからなるゾルとしては、シリカアルコキシドとして、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、1,2−ビストリメトキシシリルエタン、Si原子に1〜4つのアルコキシ基が結合したシリカアルコキシド、グリシジル基を導入したシリカアルコキシド等、チタンアルコキシドとして、チタニウムn−プロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムn−ブトキシド、チタニウムt−ブトキシド等、ジルコニウムアルコキシドとして、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムt−ブトキシド等、ハフニウムアルコキシドとして、ハフニウムプロポキシド、ハフニウムイソプロポキシド、ハフニウムn−ブトキシド、ハフニウムt−ブトキシド等が挙げられる。上記の中で好ましくは、Si原子に1〜4つのアルコキシ基が結合したシリカアルコキシド、グリシジル基を導入したシリカアルコキシドからなるゾルを添加することであり、特に好ましくは、グリシジル基を導入したシリカアルコキシドからなるゾルを添加することである。グリシジル基を導入することにより、エポキシ樹脂硬化物内に取り込みやすくすることが可能となる。尚、これらが単独で用いられてもよいし、併用されても構わない。
本発明において、全炭素原子に占める芳香環由来の炭素原子比率が0.65を超すと、柱状のエポキシ樹脂硬化物の三次元分岐網目状構造の骨格からなる非粒子凝集型の硬化物多孔体を得ることが困難となるおそれがある。
本発明において、エポキシ樹脂と硬化剤の添加割合は上記の全炭素原子に占める芳香環由来の炭素原子比率を満足する範囲のなかで、エポキシ基1当量に対して、硬化剤当量(アミン当量)が0.6〜1.5の範囲になるように調整するのが好ましい。硬化剤当量比が0.6より少ない場合はエポキシ樹脂硬化物の架橋密度が低くなり、耐熱性、耐溶剤性などが低下する場合がある。また1.5より多くなると、未反応の官能基が多くなり、未反応のまま硬化物中に残留したり、あるいは架橋密度向上を阻害する要因となり好ましくない。
本発明の多孔体は、エポキシ樹脂とポリアミン系硬化剤の混合物を、それらと非反応性であり、かつそれらを溶解可能なポロゲンに常温で又は加温して溶解し、さらに適宜、有機高分子の添加や金属アルコキシドからなるゾルの添加により調製し、加熱重合し、重合物とポロゲンがスピノーダル相分離後、相分離が進展して共連続構造が消滅する前に、架橋反応によって構造を固定させ、次いでポロゲンや添加物を除去することによって製造される。この場合、目的とする多孔構造が得られない場合は、硬化促進剤を添加することが効果的である場合もある。硬化促進剤としては、公知の物を使用することができる。例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の三級アミン、2−フェノール−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェノール−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール類などを挙げることができる。
本発明の多孔体を得るには、大きな空隙(マクロ孔)を形成することを考慮しても、重合開始から構造固定まで、遅くとも1日で終了することが産業上の利用観点からも好ましい。また、相分離による曇点発生から三次元架橋による構造の固定まで、半日以内であることが好ましく、こうした条件を目安に重合温度が設定される。例えば、エポキシ基1当量に対して、ポリアミノアミド系硬化剤当量が0.6〜1.5の範囲になるようにエポキシ樹脂とポリアミノアミド系硬化剤を選択した後、それぞれの原材料を反応容器に投入し、ポロゲンを添加する。添加されたポロゲンとエポキシ樹脂を溶解し、次いでポリアミノアミド系硬化剤を添加して溶解する。この時、エポキシ樹脂が常温で固形の場合、粉砕した樹脂を100℃以下に加熱したポロゲンに投入して溶解した後、ポリアミノアミド系硬化剤を添加し、均一な溶液を調製し、直ちに所定の重合温度に加熱し重合を行う。加熱重合後、重合が進行し、ポリマー成分が増大すると、スピノーダル相分離が起こり、共連続構造が発現するが、相分離が更に進行し、共連続構造が消滅する前にエポキシ樹脂の架橋反応を進行させることにより構造が固定されて、所望の三次元網目構造が得られる。しかし、この現象を目視で確認することは不可能であるため、あらかじめ試験的にポリアミノアミド系硬化剤の種類と量、ポロゲン及び有機高分子、金属アルコキシドからなるゾルの量を変化させながら電子顕微鏡等で構造確認をしながら最適温度プロファイルを決定して制御を行うことができる。エポキシ樹脂硬化物の調製において、エポキシ樹脂と硬化剤の種類や配合組成、及び、重合温度等の重合条件により相分離のメカニズムが総合的に変化するため、目的とする空隙やメソポアの細孔径によってポロゲンや添加物の配合比率は実験的に調節が必要になるが、エポキシ樹脂と硬化剤に対してポロゲンの比率は、好ましくは、重量比で0.1〜10倍であり、特に好ましくは、1〜7倍である。また、エポキシ樹脂と硬化剤に対して有機高分子や金属アルコキシドからなるゾルの添加物の比率は、好ましくは、重量比で0.1〜30%であり、特に好ましくは、1〜15%である。
本発明では硬化物の架橋を十分に行うために構造固定後、更にアフターキュアーを実施することが好ましい。ポロゲンを除去した後にアフターキュアーを実施すると、収縮が発生して多孔構造に変化を生じることがあるので、ポロゲンを除去せずに行う方が良い。また、使用したポロゲンが低沸点溶剤の場合は、高沸点溶剤に置換した後アフターキュアーを行うなどの方法を採ることができる。架橋が不十分な多孔体を液体クロマト分離媒体として使用すると理論段数が低下するため、十分な架橋反応を行う必要がある。
本発明のエポキシ樹脂多孔体において、空隙率は20〜95%にコントロールすることが好ましい。より好ましくは50〜95%である。50%未満では分離媒体として使用する場合、低空隙率による圧力の上昇がある。高空隙率であるほど低圧・高性能カラムが調製可能であるが、ゲル強度に問題が生じる。それに対しては、多官能エポキシ樹脂や多官能硬化剤を用いることで解決でき、必要に応じて多官能エポキシ樹脂や多官能硬化剤を適宜使用するのが好ましい。
また、本発明の多孔体は、骨格内にさらに1nm〜1μmの孔径のメソポアを備えるものであり、この1nm〜1μmのメソポアにより表面積を拡大することができ、分離性能や吸着性能の高い分離媒体を形成することができる。メソポアの孔径が1nm未満にすることは現実的に難しく、メソポアの孔径が1μmを超えると多孔体の表面積をそれほど大きくすることができず、分離性能や吸着性能を高くすることができなくなるおそれがある。細孔(マクロ孔及びメソポア)径の測定は電子顕微鏡画像で確認することが最も簡略な方法であるが、水銀圧入法や窒素吸着法で測定することが可能である。本発明の多孔体はさらにクロマトグラフィー用カラム用途への産業上の利用性を考慮し、ポリスチレンスタンダードを試料に用いたサイズ排除クロマトグラフィー法(SEC法)文献「F.Nevejans,M.Verzele,Chromatographia,Vol.20,No.3,March(1985)」によってより実際的かつ現実的なメソポアの測定を行い、骨格内のメソポアの存在の確認を行うこととしている。
多孔体の空孔率、マクロ孔径、メソポア径などは、使用されるエポキシ樹脂、ポリアミノアミド系硬化剤、ポロゲンなど原料の種類や比率、又は温度、攪拌、圧力などの反応条件により変化するため、最適な条件を選択することが好ましい。特に好ましくは、エポキシ多孔体硬化温度は40〜130℃、攪拌速度について溶液の調製時は100〜1000rpm、エポキシ多孔体硬化時は0rpm(静置重合)、調製圧力は大気圧(≒0.1MPa)である。メソポアを形成することにより、エポキシ樹脂の比表面積が拡大し、表面官能基を飛躍的に有効に利用することができる。表面官能基の有効度を測定する方法としては、文献「K.Kimata,K.Iwaguchi,S.Onishi,K.Jinno,R.Eksteen,K.Hosoya,M.Araki,N.Tanaka,J.Chromatogr.Sci.,27,721(1989)」の中に記載されている逆相クロマトグラフィーによる分配係数を指標として利用できる。
本発明の多孔体は、高沸点原料により調製されることから、特許文献として知られている他の多孔体の製造方法である密閉を必ずしも必要としない。そのため、シート状、棒状、筒状など任意の形状を容易に採ることができるため、その用途に応じて使い分けることが可能である。また液体クロマトグラフィー用のカラム用充填媒体として、大きな径のカラムからキャピラリーカラムまで使用でき、エポキシ樹脂硬化物であることから、他の樹脂に比べて親水性を高くすることができ、水系試料や生体系試料、医療用分離媒体として好適に使用することができるものであり、しかも、表面に官能基を付加しうるグラフト反応等で目的に応じた表面修飾を行うことが可能である。本発明のエポキシ樹脂硬化物は三次元架橋されており、耐薬品性、耐熱性に優れていることから、過酷な環境下でも使用可能である。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。各実施例と比較例のデータ一覧を表1に記載する。
[実施例1]
非芳香族エポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C(1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン))1gと、ポリアミノアミド系硬化剤(富士化成工業(株)製、245−S、25℃における粘度1,000〜2,500mPa・s、アミン価535mmol/g)1g、ポリエチレングリコール(ナカライテスク(株)製、分子量200)5gをスクリュー管瓶中で室温において混合し、溶液とした。上記溶液を70℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。得られた多孔体をアセトニトリル/水の混合溶液でポリエチレングリコールを洗浄し、乾燥した。この多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。図1、2に示す写真から骨格サイズ0.8〜1.2μm、骨格間の細孔(空隙)サイズ1〜2μmで、骨格内に8〜10×70〜100nmの細孔(メソポア)を持った二重細孔の多孔体であった。硬化物中に芳香族由来の炭素原子は含まれない。
[実施例2]
芳香族エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)2.6gと、ポリアミノアミド系硬化剤(富士化成工業(株)製、245−S、20℃における粘度1,000〜2,500mPa・s、アミン価535mmol/g)1.1g、ポリエチレングリコール(ナカライテスク(株)製、分子量200)9gをスクリュー管瓶中で室温において混合し、溶液とした。上記溶液を50℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。実施例1と同様に洗浄、乾燥を行い、多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。図3、4に示す写真から骨格サイズ2〜3μm、細孔(空隙)サイズ3〜5μmで、骨格内に10〜20nm×30〜60nmの筋状の細孔(メソポア)を持った二重細孔の多孔体であった。硬化物中の芳香族由来の炭素原子比率は全炭素原子中25%であった(比率は化学式から計算で求めた)。
[実施例3]
非芳香族エポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C(1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン))5.5gと、ポリアミノアミド系硬化剤(富士化成工業(株)製、290−FA、25℃における粘度2,000〜4,000mPa・s、アミン価730mmol/g)4.0g、ポリエチレングリコール(シグマ−アルドリッチ製、分子量950〜1050)66g、ポリエチレングリコール−ブロックポリプロピレングリコール−ブロックポリエチレングリコール(アルドリッチ製、F127,平均分子量12,600)0.5gをスクリュー管瓶中で室温において混合し、溶液とした。上記溶液を80℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。実施例1と同様に洗浄、乾燥を行い、多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。写真から骨格サイズ1.5〜2μm、細孔(空隙)サイズ3〜4μmで、骨格内に5〜8nm×50〜100nmの筋状の細孔(メソポア)を持った二重細孔の多孔体であった。硬化物中に芳香族由来の炭素原子は含まれない。
[実施例4]
芳香族エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)2.1gとポリアミノアミド系硬化剤(富士化成工業(株)製、245−S、25℃における粘度1,000〜2,500mPa・s、アミン価535mmol/g)0.9g、ポリエチレングリコール(ナカライテスク(株)製、分子量200)8g、ポリエチレングリコール−ブロックポリプロピレングリコール−ブロックポリエチレングリコール(P123,平均分子量5,800、アルドリッチ製)0.1gをスクリュー管瓶中で室温において混合し、溶液とした。上記溶液を40℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。実施例1と同様に洗浄、乾燥を行い、多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。図5、6に示す写真から骨格サイズ2〜3μm、細孔(空隙)サイズ4〜6μmで、骨格内に20〜30nmの細孔(メソポア)を持った二重細孔の多孔体であった。硬化物中の芳香族由来の炭素原子比率は全炭素原子中25%であった(比率は化学式から計算で求めた)。
[実施例5]
芳香族エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)1.2gとポリアミノアミド系硬化剤(富士化成工業(株)製、280−C、25℃における粘度600〜1,100mPa・s、アミン価285mmol/g)0.6g、ポリエチレングリコール(シグマ−アルドリッチ製、分子量850〜950)11g、ポリエチレングリコール−ブロックポリプロピレングリコール−ブロックポリエチレングリコール(アルドリッチ製、P123,平均分子量5,800)0.2gをスクリュー管瓶中で室温において混合し、溶液とした。上記溶液を80℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。実施例1と同様に洗浄、乾燥を行い、多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。写真から骨格サイズ2〜3μm、細孔(空隙)サイズ5〜6μmで、骨格内の細孔(メソポア)が100〜150nmの二重細孔の多孔体であった。硬化物中の芳香族由来の炭素原子比率は全炭素原子中25%であった(比率は化学式から計算で求めた)。
[実施例6]
芳香族エポキシ樹脂(日産化学工業(株)製、TEPIC−S(2,2,2,−トリ−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート))1gとポリエチレングリコール(ナカライテスク(株)製、分子量200)6.8gをスクリュー管瓶中で100℃において混合し、溶液とした。後に、ポリアミノアミド系硬化剤(富士化成工業(株)製、245−S、25℃における粘度1,000〜2,500mPa・s、アミン価535mmol/g)0.8gを加え、65℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。実施例1と同様に洗浄、乾燥を行い、多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。写真から骨格サイズ2〜4μm、細孔(空隙)サイズ5〜7μmで、骨格内の細孔(メソポア)が20〜30nmの二重細孔の多孔体であった。硬化物中の芳香族由来の炭素原子比率は全炭素原子中6%であった(比率は化学式から計算で求めた)。
[実施例7]
非芳香族エポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C(1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン))0.5gと、ポリアミノアミド系硬化剤(富士化成工業(株)製、245−S、25℃における粘度1,000〜2,500mPa・s、アミン価535mmol/g)0.5g、ジエチレングリコール(ナカライテスク(株)製、分子量106)2.5gをスクリュー管瓶中で室温において混合し、溶液とした。上記溶液を61.5℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。実施例1と同様に洗浄、乾燥を行い、多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。写真から骨格サイズ1〜1.5μm、骨格間の細孔(空隙)サイズ2〜4μmで、骨格内に10〜20nm×150〜300nmの筋状の細孔(メソポア)を持った二重細孔の多孔体であった。硬化物中に芳香族由来の炭素原子は含まれない。
[実施例8]
芳香族エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)2.6gとポリアミノアミド系硬化剤(富士化成工業(株)製、245−S、25℃における粘度1,000〜2,500mPa・s、アミン価535mmol/g)1.1g、ポリエチレングリコール(ナカライテスク(株)製、分子量200)14gをスクリュー管瓶中で室温において混合し、後に、シリカ微粒子(アルドリッチ製、粒子径15nm)にグリシジル基を修飾したゾル(シリカ濃度20%)を1.0g加え、溶液とした。上記溶液を45℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。実施例1と同様に洗浄、乾燥を行い、さらに1Nの水酸化ナトリウム水溶液中に80℃条件下で1日浸漬し、シリカ粒子の溶解を行った。その後に洗浄、乾燥を行い、多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。写真から骨格サイズ0.8〜1.5μm、細孔(空隙)サイズ2〜4μmで、骨格内に16〜20nmの細孔(メソポア)を持った二重細孔の多孔体であった。硬化物中の芳香族由来の炭素原子比率は全炭素原子中25%であった(比率は化学式から計算で求めた)。
[実施例9]
非芳香族硬化剤(東京化成工業(株)製、BACM(ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン))1.21gとポリエチレングリコール(ナカライテスク(株)製、分子量200)13.4gをスクリュー管瓶中で40℃において混合し、溶液とした。後に、芳香族エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)4.43gとシリカ微粒子(アルドリッチ製、粒子径15nm)にグリシジル基を修飾したゾル(シリカ濃度20%)を1.0g加え、100℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、130℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。実施例8と同様に洗浄、乾燥の後に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液中に80℃条件下で1日浸漬し、シリカ粒子の溶解を行った。その後に洗浄、乾燥を行い、多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。写真から骨格サイズ0.8〜1.2μm、細孔(空隙)サイズ1.5〜2μmで、骨格内に16〜20nmの細孔(メソポア)を持った二重細孔の多孔体であった。硬化物中の芳香族由来の炭素原子比率は全炭素原子中44%であった(比率は化学式から計算で求めた)。
[実施例10]
実施例2で調製した混合溶液を内径200μmのキャピラリーに流し込み、両端に栓をして70℃条件で24時間重合を行った。キャピラリーを取り出し、高速液体クロマトグラフィー用ポンプを用いて、キャピラリー内を洗浄し、キャピラリーカラムを得た。得られたキャピラリーカラムは、ポリスチレンスタンダードを試料に用いたSEC法によりメソポアのサイズを確認した結果、約36.7nm以上のメソポアの存在が確認でき、電子顕微鏡写真から確認できるサイズとほぼ一致したサイズとなった。さらに、このキャピラリーカラムをアセトニトリル/水=60/40の移動相条件において逆相クロマトグラフィーを行い、ウラシルとアルキルベンゼン(n=0−6)の試料を分離した。カラム長250mmにおいて、線速度0.80mm/s、カラム負荷圧10.5MPaの条件下で、表2で示すように保持比(k)はベンゼンが0.29、トルエンが0.49、エチルベンゼンが0.71、プロピルベンゼンが1.08、ブチルベンゼンが1.62、アミルベンゼンが2.36、ヘキシルベンゼンが3.45を示した。これは下記の比較例2に記載のキャピラリーカラムより溶質の保持が大きい。このことは、骨格内の細孔により表面積が大きくなり、溶質の保持が大きくなったといえる。
[比較例1]
芳香族エポキシ樹脂(日産化学工業(株)製、TEPIC−S(2,2,2,−トリ−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート))1.6gとポリエチレングリコール(ナカライテスク(株)製、分子量200)7gをスクリュー管瓶中で100℃において混合し、溶液とした。後に、非芳香族硬化剤(東京化成工業(株)製、BACM(ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン)))0.37gを加え、74℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。得られた多孔体をアセトニトリル/水の混合溶液でポリエチレングリコールを洗浄し、乾燥して多孔体を得た。この多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。写真から骨格サイズ1〜2μm、細孔(空隙)サイズ2〜3μmの多孔体であったが、骨格内は細孔(メソポア)が無かった。硬化物中の芳香族由来の炭素原子比率は全炭素原子中14%であった(比率は化学式から計算で求めた)。
[比較例2]
比較例1で調製した混合溶液を内径200μmのキャピラリーに流し込み、両端に栓をして74℃条件で24時間重合を行った。キャピラリーを取り出し、高速液体クロマトグラフィー用ポンプを用いて、キャピラリー内を洗浄し、キャピラリーカラムを得た。得られたキャピラリーカラムをアセトニトリル/水=60/40の移動相条件において逆相クロマトグラフィーを行い、ウラシルとアルキルベンゼン(n=0−6)の試料を分離した。カラム長250mmにおいて、線速度0.83mm/s、カラム負荷圧2.5MPaの条件下で、表2で示すように保持比(k)はベンゼンが0.17、トルエンが0.22、エチルベンゼンが0.25、プロピルベンゼンが0.30、ブチルベンゼンが0.38、アミルベンゼンが0.47、ヘキシルベンゼンが0.56を示した。このキャピラリーカラムは骨格内に細孔(メソポア)が無いために表面積が小さく、溶質の保持比が小さい結果となった。
[比較例3]
芳香族エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)2.6gとポリアミノアミド硬化剤(富士化成工業(株)製、245−S、25℃における粘度1,000〜2,500mPa・s、アミン価535mmol/g)1.1g、ポリエチレングリコール(ナカライテスク(株)製、分子量200)11g、ポリエチレングリコール−ブロックポリプロピレングリコール−ブロックポリエチレングリコール(アルドリッチ製、P123,平均分子量5,800)1.75gをスクリュー管瓶中で室温において混合し、溶液とした。上記溶液を40℃条件で24時間重合し、多孔体を調製した。その後、100℃条件で3時間キュアを行い、室温まで冷却して取り出した。得られた多孔体をアセトニトリル/水の混合溶液でポリエチレングリコールを洗浄し、乾燥して多孔体を得た。この多孔体を走査型電子顕微鏡で細孔サイズの確認を行った。図7に示すような写真から骨格サイズ8〜15μm、細孔(空隙)サイズ30〜50μmで、骨格内に2〜6μmの独立の穴を持った多孔体であった。硬化物中の芳香族由来の炭素原子比率は全炭素原子中25%であった(比率は化学式から計算で求めた)。過剰量に有機高分子を加えると骨格内に1μm以上のメソポアが形成される結果となった。この場合、細孔が独立した穴となる可能性が高く、貫通孔ではないため二重細孔の多孔体としての効果は得られにくい。
*1、PEGはポリエチレングリコール、DEGはジエチレングリコールの略。分子量は数平均分子量。
*2、ポリアミノアミド硬化剤の分子構造式は、基本的なダイマー酸とポリアミドの反応式によるものである。
*3、保持比はウラシルをt0試料(保持無し試料)として、計算したものである。
実施例1で得られた多孔体を走査型電子顕微鏡により五千倍に拡大した写真である。 実施例1で得られた多孔体を走査型電子顕微鏡により三十万倍に拡大した写真である。 実施例2で得られた多孔体を走査型電子顕微鏡により二千倍に拡大した写真である。 実施例2で得られた多孔体を走査型電子顕微鏡により十万倍に拡大した写真である。 実施例4で得られた多孔体を走査型電子顕微鏡により二千倍に拡大した写真である。 実施例4で得られた多孔体を走査型電子顕微鏡により十万倍に拡大した写真である。 比較例3で得られた多孔体を走査型電子顕微鏡により六百倍に拡大した写真である。

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂硬化物からなる三次元網目構造の骨格と空隙とを有する多孔体であって、骨格内に1nm〜1μmの孔径のメソポアを備えて成ることを特徴とする多孔体。
  2. エポキシ樹脂硬化物を構成する炭素原子全体に占める芳香環由来の炭素原子の比率が0.65以下であることを特徴とする請求項1に記載の多孔体。
  3. エポキシ樹脂硬化物を構成する炭素原子全体に占める芳香環由来の炭素原子の比率が0.1未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多孔体を製造する方法であって、25℃における粘度が400mPa・s以上のポリアミノアミド系硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化することを特徴とする多孔体の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多孔体を製造する方法であって、有機高分子を添加してエポキシ樹脂を硬化した後、洗浄することで骨格内にメソポアを形成することを特徴とする多孔体の製造方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多孔体を製造する方法であって、金属アルコキシドからなるゾルを添加してエポキシ樹脂を硬化した後、金属アルコキシドからなるゾルを溶解して洗浄することで骨格内にメソポアを形成すること特徴とする多孔体の製造方法。
  7. 金属アルコキシドとしてシリカアルコキシド系化合物を用いることを特徴とする請求項6に記載の多孔体の製造方法。
  8. 硬化剤として25℃における粘度が400mPa・s以上のポリアミノアミド系硬化剤を用いることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の多孔体の製造方法。
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