図1は、本発明に係るガス充填装置が実装される製袋充填包装機の一形態を示している。図1に示すように、この製袋充填包装機10は、上流側に配置された帯状の包装フィルムを用いて袋体を製造する製袋装置11と、その製袋装置11から順次搬出される袋体に対して開口部を開き、製品を充填し、密封処理をする充填包装装置12とを備える。
本実施形態の製袋装置11は、帯状の包装フィルムを連続して搬送しながら適宜位置を折り曲げるとともにシール・カットすることで、上部が開口し、下部並びに左右の側縁が閉塞した袋体を製袋する。この袋体1は、例えば図2に示すように、全体が矩形状で底部側で折り返されて断面がW状となっている。そして、両側縁1aは略帯状にシールされ底部1b側は円弧状にシールされる。これにより、最終的に包装体となった場合、底部が開いて自立できるようになる。そして、製袋装置11からは、製造された袋体1が一定間隔で一時停止することなく連続して搬出される。
製袋装置11の搬出側には、渡りコンベア装置5を配置している。渡りコンベア装置5は、ベルト面が垂直平面にあり、所定経路で公転移動するベルトコンベア6と、補助ベルト7を備える。ベルトコンベア6は、製袋装置11から搬出される袋体1の搬出方向の延長線上に直線状の搬送路を有する。ベルトコンベア6を構成するエンドレスベルトのベルト幅は、例えば袋体1の高さに応じたものとなり、製袋装置11から搬出される袋体1の所定部位が接触して受けられるようにすると良い。エンドレスベルトは、例えば袋体1の上方側の所定領域に接触するものでも良いし、上方と下方の両側に接触するものでも良いし、上端部を除くほぼ全域としても良く、接触する部位並びにエンドレスベルトの本数は任意である。そして例えばベルト面に多数の貫通孔を有し、搬送路の区間に吸引装置を設置し、袋体1をベルト面に吸着保持するようにするとよい。
補助ベルト7は、細幅のエンドレスベルトを備え、ベルトコンベア6との間で袋体1の上方部を挟み込んで保持する。補助ベルト7とベルトコンベア6のベルト面は、上流側(製袋装置11の搬出端側)では離れており、進行方向下流側に進むにつれて徐々に接近し、最終的に接触する配置レイアウトをとる。これにより、製袋装置11から搬出される袋体1は、スムーズにベルトコンベア6と補助ベルト7の間に入り込み、そのまま前進することでベルトコンベア6と補助ベルト7にて挟み込まれて保持され、搬送される。よって、袋体1は、渡りコンベア装置5にて搬送され、先頭から順に次段の充填包装装置12の搬送装置13に移し替えられる。
充填包装装置12は、製袋装置11から順次搬出される袋体を1枚ずつ受け取るとともに所定の経路で連続搬送する搬送装置13と、その搬送装置13の搬送経路の途中に配置され袋体の開口部を開く開袋装置14と、開袋装置14の下流側に配置され開口部が開いた袋体内に被包装物を充填する被包装物供給装置15と、被包装物供給装置15の下流側に配置され開いた袋体の開口部を閉じると共に密封するシール装置16、シール装置16の下流側に配置され上端縁がシールされた製造された包装体を、次段の搬出ライン18へ搬出する排出装置17等を備える。
搬送装置13は、所定の軌跡で水平に連続走行する無端のチェーン20に一定間隔ごとにクランプ21を取り付けた構成とする。本実施形態では、チェーン20の移動軌跡(配置レイアウト)は一般的な円形・楕円形のようなものではなく、走行路が適宜位置で屈曲した形になっており、全体としては略三角形状となるレイアウトをとる。
これは、図3に示すように、チェーン20を構成する走行路の左右両側に走行路の軌跡を規定するチェーンガイド部材81を配置する。図3(a)に示すように、チェーン20は、上下に伸びるように平行に配置される多数のピン20aを連結して無端状にするもので、隣接する一組のピン20aの上下端をそれぞれ上連結バー20cと下連結バー20dで連結して略ロ字状の枠体を構成し、隣接する枠体同士を中間連結バー20eで連結することで無端状のチェーン20を構成する。そして、枠体ごとにクランプ21が取り付けられる。
中間連結バー20eは、隣接する枠体のピン20aの上下方向の中央付近に対して回転可能に軸受け支持するように連携する。中央連結バー20eの連携部位で回転することで、隣接する枠体同士の相対位置関係、すなわち、なす角は、変更可能となる。チェーン20を構成するピン20aには、複数のローラ20bを上下に重なるようにして接着する。より具体的には、ローラ20bは、中央連結バー20eの上下に2個ずつ、合計4個を装着する。同一のピン20aに装着した各ローラ20bは、その上下に隙間を設けるように配置し、上下のローラ20bが相互に接触することがないようにしている。
図3(b)に示すように、チェーンガイド部材81は、略凹状に形成され、内側面がガイド面となる。チェーンガイド部材81の内周面は、それぞれが走行路の左右両側のガイド面となる。図1において、搬送装置13は、反時計方向に公転移動する。進行方向の左側が内側となり、進行方向の右側が外側となる。そして、チェーンガイド部材81の進行方向左側に位置する内側面には、上下所定位置に内側ガイド部81aが2箇所に設けられる。2箇所の内側ガイド部81aは、内側(中央)に向けて突出する凸条が進行方向に沿って配置され、中央連結バー20eの上方に位置する2個のローラ20bのうちの下方のローラ20bと、中央連結バー20eの下方に位置する2個のローラ20bのうちの下方のローラ20bに接触する。また、この内側ガイド部81aに接触するローラ20bは、チェーンガイド部材81の進行方向右側に位置する内側面とは非接触となる。
チェーンガイド部材81の進行方向左側に位置する外側面には、上下所定位置に外側ガイド部81bが2箇所に設けられる。2箇所の外側ガイド部81bは、内側(中央)に向けて突出する凸条が進行方向に沿って配置され、中央連結バー20eの上方に位置する2個のローラ20bのうちの上方のローラ20bと、中央連結バー20eの下方に位置する2個のローラ20bのうちの上方のローラ20bに接触する。また、この外側ガイド部81bに接触するローラ20bは、チェーンガイド部材81の進行方向左側に位置する内側面とは非接触となる。
よって、チェーンが走行する際、各ローラ20bは内側ガイド部81aか外側ガイド部81bのいずれか一方に接触する。そして、各ローラ20bは、上下に隣接するローラ20bとは非接触で互いに独立して回転する。これによりチェーン20は、チェーンガイド部材81に案内され当該チェーンガイドで規定される経路で移動する。つまり、例えば進行方向左側に曲がる経路の場合、主に内側ガイド部81aに対向するローラ20bが接触することでその曲がる経路に沿ってチェーン20の移動を案内し、例えば進行方向右側に曲がる経路の場合、主に外側ガイド部81bに対向するローラ20bが接触することでその曲がる経路に沿ってチェーン20の移動を案内する。さらに、一つのピン20aに4個のローラ20bを設けることで、進行方向の左右両側とも、それぞれ上下二箇所でガイド部81a,81bに支持されるため、チェーン20は安定した起立した状態が保持される。
さらに、上連結バー20cには、その両側面にそれぞれ二個のコロ20fを回転自在に取り付けている。この二個のコロ20fは、チェーンガイド部材81の上面に接触する。よって、このコロ20fにより上下方向の移動が抑制され、安定した姿勢で所望の経路でチェーン20が移動することになる。
以上のような構成を採用したことでレイアウトの自由度を向上させることができた。特に搬送ラインを内側に向かって屈曲させるレイアウトが簡単に採れるようになった。つまり、チェーン20をチェーンガイド部材81ではなくスプロケット等を用いて屈曲させようとすれば、クランプ21に把持された袋体1が干渉しないように配慮しなければならないし、レイアウトにおいて緩やかにカーブした形にするのは難しい。その点、チェーンガイド部材81にすれば、スプロケット等がないため袋体1の干渉を考慮する必要はなく、カーブの形状についても所望の形に設計することができる。
そして、搬送装置13の走行路は、被包装物供給装置15に沿う部分が直線状のラインとなり、被包装物の供給区間を長く採りつつ、搬送装置13の専有面積が小さくなるようにしている。
図4に示すように、クランプ21は、開閉する一対の挟持爪部材91を備える。挟持爪部材91は、上連結バー20cの上部に取り付けられた連結ベース92に対して回転自在に連携される。挟持爪部材91は、連結ベース92に対して回転軸93aを中心に回転自在に取り付けられる第一アーム93と、その第一アーム93に対して連結される第二アーム94を備える。第一アーム93と第二アーム94はそれぞれ独立して回転可能となっている。
第一アーム93は、その基端側に第一作動ローラ95が連携され、先端は内側に向けて突出する円筒状の爪部93bが設けられる。また第一アーム93は、図示省略するバネ部材により互いの先端が接近する方向に付勢され、第一作動ローラ95を第一アーム93の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図4(a)に示すような基準姿勢となる。この基準姿勢の状態から、第一作動ローラ95を連結ベース92側に向けて押し込むと、第一アーム93は回転軸93aを中心に回転し、図4(b)に示すように一対の第一アーム93は、互いの先端が離反し開いた姿勢となる。また、このときの第一アーム93の先端の爪部93b間の距離は、袋体1の横幅よりも広い設定としている。図4(b)は第一作動ローラ95を最も押し込んだ状態を示しており、第一作動ローラ95の押し込み量を調整することで、第一アーム93は、図4(a)に示す基本姿勢の閉じた状態から図4(c)に示す開いた状態までの間の任意の角度の姿勢をとれる。この図4(a)に示す閉じた状態では一対の第一アーム93間の距離は袋体1の幅よりも短く、図4(c)に示す開いた状態では一対の第一アーム93間の距離は袋体1の幅よりも長く、図4(b)に示す両者の中間の姿勢のときで当該袋体1を一対の第一アーム93間の距離は袋体1の幅とほぼ等しく(若干短く)なる。
この図4(c)に示す状態から第一作動ローラ95に対する連結ベース92側に対する付勢力が解除されると、図示省略したバネ部材の弾性復元力により第一アーム93は回転軸93aを中心に回転し、図4(a)に示す基準姿勢に復帰する。
第一アーム93の回転中心となる回転軸93aに、連結アーム96を回転自在に連携する。第二アーム94の基端側は、その連結アーム96に連結する。第二アーム94は、一端が連結アーム96に連結される帯板状の主アーム94aと、その主アーム94aの先端に回転可能に連結した爪片94bを備える。爪片94bは、その中間部位には連結ピン94cを起立させ、その連結ピン94cにて第一アーム93に回転自在に連結する。これにより、第二アーム94は、第一アーム93に対して回転軸93aと連結ピン94cを介して連携され、リンク機構を構成する。よって、第一アーム93の開閉に伴い一体となって開閉する。さらに爪片94bの先端には、円筒状の爪部94dが起立状態で設置され、その爪部94dと第一アーム93の爪部93bとの間で袋体1を把持可能となっている。
また、連結アーム96の適宜位置に第二作動ローラ97を取り付ける。さらに第一アーム93の基端側にL字プレート98を連結し、そのL字プレート98の先端と、第二アーム94を構成する主アーム94aの先端との間を、コイルスプリング99で連結する。コイルスプリング99の収縮しようとする弾性復元力により、主アーム94aをL字プレート98側に引き寄せる方向の付勢力が当該種アーム94aに働く。よって、第二作動ローラ97を第二アーム94の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図4(a)に示すように、第二アーム94の主アーム94aがL字プレート98側に引き寄せられ、それにともない、主アーム94aの先端に連携された爪片94bが連結ピン94cを中心に回転し、爪部94dが第一アーム93の爪部93bと接触する基準姿勢をとる。
この基準姿勢の状態から、第二作動ローラ97を先端側に向けて押し込むと、図4(b),(c)に示すように、連結アーム96は回転軸93aを中心に回転し、主アーム94aはコイルスプリング99の弾性復元力に抗して先端側に移動し、爪片94bが連結ピン94cを中心に回転して爪部94dが第一アーム93の爪部93bから離反する姿勢となる。
この図4(b),(c)に示す状態から第二作動ローラ97に対する先端側に対する付勢力が解除されると、コイルスプリング99の弾性復元力により第二アーム94の主アーム94aがL字プレート98側に引き寄せられて回転軸93aを中心に回転し、図4(a)に示す基準姿勢に復帰する。
図4(c)では、第一作動ローラ95と第二作動ローラ97が、共に付勢された状態を示しているが、一方に対して付勢したり、付勢する量を調整したりすることで、第一アーム93,第二アーム94は適宜の姿勢をとる。また、第一作動ローラ95と第二作動ローラ97に対する付勢力は、搬送装置13の搬送路に沿って適宜位置に設けた付勢ガイド板その他の付勢手段等により行う。
クランプ21は、2つの第一作動ローラ95と2つの第二作動ローラ97の合計4個の作動ローラを備えているが、それら4つの作動ローラの高さ位置はそれぞれ異なる位置に設定している。これにより、4個の作動ローラに対し、それぞれ異なる付勢ガイド板を接触させ、作動ローラに対する付勢の有無を適宜に設定することができる。
すなわち、搬送装置13の搬出装置17の下流側から、製袋装置11の搬出側近傍までの区間は、2つの第一作動ローラ95と2つの第二作動ローラ97の合計4個の作動ローラは付勢ガイド板と非接触であり、クランプ21は図4(a)に示す基本姿勢の閉じた状態をとる。
搬送装置13の渡りコンベア装置5付近の上流側の区間では、第一作動ローラ95と第二作動ローラ97にそれぞれ接触し先端側に付勢する付勢ガイド板が搬送路に沿って配置している。これにより、クランプ21の挟持爪部材91は開いた状態、すなわち、第一アーム93の先端同士が離れ、両アーム93,94の爪部93b,94dが離れた図4(c)に示す状態となる。この状態のまま、渡りコンベア装置5と平行な区間に至ると、クランプ21の一対の第一アーム93の間に袋体1が位置した状態で、袋体1とクランプ21が同速度で移動するように動作を制御している。
この移動中に、第一作動ローラ95の連結ベース92へ向けて押す距離を減少させて第一アーム93の開き量を袋体1の横幅と同等かやや広めにするとともに、第二作動ローラ97への付勢を解除しコイルスプリング99の弾性復元力を利用して両爪部93b,94dを閉じ、袋体1の両端を把持する。これにより、図4(b)に示すように袋体1はピンと張った状態でその上方両端がクランプ21にて把持され、以降、クランプ21の移動に伴い搬送される。
開閉装置14は、一対の吸盤(第一吸盤14a,第二吸盤14b)と、それら第一,第二吸盤14a,14bを互いの吸着面を対向させた状態のまま水平面内の所定の軌跡で公転移動させる駆動装置14cを備える。この所定の軌跡は、第一吸盤14aと第二吸盤14bが互いに接近して袋体1の適宜位置を挟み込んで吸着し、その状態のまま一定区間にわたり袋体1の搬送方向に沿って前進移動し、次いで、前進移動しながら徐々に離反し、その後、離反した状態のまま後退移動するようにしている。そして、一対の第一,第二吸盤14a,14bは、袋体1の所定部位を吸着した状態のまま袋体1の移動に追従して前進移動しながら離反するため、袋体1の開口部は、第一,第二吸盤14a,14bに引っ張られて開く。
駆動装置14cは、一対の第一,第二吸盤14a,14bを袋体1の移動方向に沿って前後進させるための駆動モータと、一対の第一,第二吸盤14a,14bを接近離反移動させるための駆動モータを備え、各駆動モータの出力をカムやリンク等の動力伝達機構を介して各吸盤に伝える。さらに本実施形態では、一対の第一,第二吸盤14a,14bを袋体1の進行方向に沿って前後に2組配置し、前後2個の袋体に対して一括して開口処理を行うようにしている。
また、この第一,第二吸盤14a,14bの開く動作に合せて搬送装置13のクランプ21の両端の間隔を狭め、袋体1の開口部を開き易くする(図4(a)の状態)。そして、搬送装置13は、開袋装置14の通過後はこのようにクランプ21の両端の間隔を狭めた状態のままクランプ21を移動するので、袋体1は開口部が開いた状態のまま移送される。すなわち、この開袋装置14の設置位置からそれ以降の所定区間では、第一作動ローラ95,第二作動ローラ97に接触し、クランプ21の先端側に付勢する付勢ガイド板を設けない。これにより、クランプ21は基準姿勢になり、バネ部材やコイルスプリング99の作用によりその基準姿勢を維持する。
被包装物供給装置15は、スナック菓子等の被包装物が定量ずつ供給されているカップを保持した状態で当該カップを搬送装置13の直線状のラインに沿って移動しながら徐々に傾斜することでカップを傾け、カップ内に供給されている被包装物を袋体の開口部から袋体内に供給するとともに、袋体1内に所定の不活性ガスを充填するものである。詳細な構成は後述する。
被包装物供給装置15を通過中は、袋体1はクランプ21にて上方開口部が開いた状態を維持する。そして被包装物供給装置15の下流側には袋体を密封するシール装置16が設置されているが、このシール装置16の直前位置にて、搬送装置13はクランプ21の第一アーム93をやや開いて袋体の開口部を閉じる処理を行う。
袋体1の上方部位をシールして袋体1を密封するシール装置16は、袋体1の移送方向に沿って配置される一次シール装置22,二次シール装置(冷却装置)23を備える。一次シール装置22,冷却装置23は、ともに一対のバーシーラと、そのバーシーラを水平面内で所定の軌跡で公転移動させる駆動装置とを備える。バーシーラは、袋体の移送方向と同一方向に伸びるように配置される。そして、一対のバーシーラは、互いに接近して袋体1の上端を挟み込み、その状態のまま袋体1の移送に合せてその移送方向に移動し、その後バーシーラが互いに離反するとともに袋体の位相方向と逆方向に移動して元の位置に復帰する。これにより、一次シール装置22において一対のバーシーラにて一定時間袋体の上端を挟み込んで加熱・加圧した後に、冷却装置23において水冷式のバーシーラでシール部分を挟み込んで冷却するとともにシール面に形成されたゴザ目でシール目を形成する。シール箇所を冷却することで安定したシールが行える。
さらに、シール装置16の下流側にはホールパンチ装置やトリミングカッター装置等が配置される。ホールパンチ装置は、シール装置16でシールした中央部位を打ち抜いて孔部を形成する。トリミングカッター装置は、袋体の角を曲線状に切り取る処理を行う。これにより被包装物が密封収納されたパウチが製造される。
搬出ライン18は、搬送装置13の走行路のシール装置16等が設置された直線状の区間の下流側に配置され、その直線状の走行路と略直交する方向に搬送装置13の外側に向けて延びるように配置される。搬出ライン18は、搬送面を構成するベルトコンベア18aと、ベルトコンベア18aの上方所定位置に配置された2本のガイドレール18bを備える。ガイドレール18は、所定の間隔をおいて同じ高さ位置に平行に配置される。
排出装置17は、搬送装置13のクランプ21にて保持されて搬送されてきたパウチを受け取り、搬出ライン18側へ導くものである。排出装置17は、水平面内で回転するチェーン17aと、そのチェーン17aに所定ピッチで取り付けられた複数の押送フィンガー17bと、円弧状に曲がった2本のガイドレール17cを備える。ガイドレール17cは、所定の間隔をおいて同じ高さ位置に平行に配置される。2本のガイドレール17cの一端は、搬送装置13の搬送ライン上に至り、他端は搬出ライン18のガイドレール18bの一端に近接する。
これにより、クランプ21から離脱したパウチは、進行方向後ろ側の辺が押送フィンガー17bに押されて搬送される。パウチの上方部位は、2本のガイドレール17c間に入り、そのガイドレール17cのカーブに沿って進路が変更され、そのまま搬出ラインのガイドレール18b間に至る。これにともないパウチは、搬出ライン18のベルトコンベア18a上に至り、そのベルトコンベア18aからの搬送力を受けて前進する。
被包装物供給装置15は、チェーン20の走行路が直線状の領域に沿って配置された製品充填装置本体25と、被包装物が供給されているカップ3を搬送し、当該カップ3を1つずつ順に製品充填装置本体25に渡すカップ搬送供給装置18と、製品充填装置本体25から搬出された空のカップ3を受け取り搬送するカップ搬出装置19を備える。図示省略するが、カップ搬出装置19の下流側と、カップ搬送供給装置18の上流側との間には、カップに対する物品供給装置が配置されており、被包装物を構成する定量された複数の物品がカップ内に供給される。これにより、被包装物供給装置15は、まず当該物品供給装置にてカップに定量の被包装物を供給する。そして、その被包装物が入ったカップをカップ搬送供給装置18が一列縦隊で搬送し、タイミングを合わせて先頭から1つずつ製品充填装置本体25に当該カップを渡す。製品充填装置本体25に渡されたカップは、直線状のラインに沿って移動する。この際、カップは循環する複数のカップ保持部の一つに底部を保持された状態で搬送されながら、カップ保持部が水平の状態から徐々に内側に傾斜することで傾けられ、最終的にカップの底部全体がカップの上方開口部よりも上に位置する。よって、カップ内の被包装物は、カップから落下し袋体内に充填される。その後、カップ保持部が水平の状態に徐々に復帰することで、空のカップの底部が下降しカップの姿勢が元に戻る。そして、カップ搬出装置19は、製品充填装置本体25から搬出される空のカップ2を受け取り一列縦隊で搬送しカップに対する物品供給装置に至るように搬送する。
製品充填装置本体25は、ホッパー搬送装置30と、ガス充填装置31を備える。ホッパー搬送装置30は、カップ3から落下された製品を袋体1内に導くホッパー(漏斗)32を所定の軌跡で公転移動させるのを基本機能とする。ホッパー32は、図9に拡大して示すように、上方部位が下方に行くにしたかって徐々に寸法が狭まる固定ホッパー部32aと、その固定ホッパー部32aの下方に配置した一対の開閉部32bとを備える。一対の開閉部材32bは、上端位置を中心に正逆回転し、先端(下端)が開いたり閉じたりする。一対の開閉部材32bの外形は、閉じたときは先端(下端)先細り状となり(図9(a)参照)、開いたときは平行になる(図9(b),(c)参照)。開閉部材32bは、ターンバックル32d並びにリンク機構を介して作動レバー32cに連携されており、この作動レバー32cを正逆回転することで開閉する。具体的には、作動レバー32cが、ほぼ起立した状態(図9(b)参照)になると、開閉部材32bは開き、作動レバー32cが斜めに倒れた状態(図9(a)参照)になると、開閉部材32bは閉じる。また、作動レバー32cに対して外部から付勢力が加わらない限り、各状態を保持する。
ホッパー搬送装置30は、係る構成のホッパー32を多数備え、そのホッパー32を水平面内で旋回移動させながら、物品供給区間で昇降移動させるものである。また、前後に配置されるホッパー32の配置ピッチは、搬送装置13におけるクランプ21の配置ピッチと一致する設定としている。そして、クランプ21とホッパー32の前後方向の位置が一致して上下に重なるように、搬送装置13とホッパー搬送装置30の動作を制御している。
ホッパー搬送装置30は、水平面内で回転するチェーン34を備える。チェーン34の走行経路は、平行に配置された2つの直線状部分と、それら2つの直線状部分を繋いで折り返す半円弧状部分を有する。一方の直線状部分が、搬送装置13のチェーン20の直線状の走行路の領域に沿うように配置される。このチェーン34の上端及び下端には、その側面にコロ34aが設けられており、それぞれ図示省略のガイド板の上面に接触することでチェーン34は水平位置を保ったまま旋回する。
このチェーン34には、L字プレート35が連結固定される。L字プレート35は、短辺部位をチェーン34の上面に連結し、その短辺部位から直角に折れ曲がった長辺部位をチェーン34の外側に沿って垂下するように配置する。このL字プレート35の長辺部位の外側に、上下に延びるベース枠体40を取り付け、このベース枠体40に対して、スライドガイド38を昇降可能に配置する。スライドガイド38の上端には、水平方向に伸びる連結バー39を固定する。連結バー39の一端には支柱37を連結し、連結バー39の他端にはコロ36を回転自在に取り付ける。コロ36の回転軸は連結バー39の両端を結ぶ軸方向と一致している。支柱37の上端には、斜め外側上方に延びるアーム42を連結し、そのアーム42の先端に吸盤43を取り付ける。また、支柱37の下端には、所定の連結部材を介してホッパー32を取り付ける。
さらに吸盤43には、チューブ44の一端が接続され、吸盤43の内部空間とチューブ44が連通し、吸盤43の内部とチューブ44の間でガスの移動ができる。そして、そのチューブ44の他端のガス噴射ノズル44a(図9参照)は、ホッパー32の開閉部材32bの外周面下端近傍に位置させ、そこで固定する。よって、チューブ44の他端のガス噴射ノズル44aは、開閉部材32bと一体になって移動する。なお、これらの吸盤43,チューブ44(ガス噴射ノズル44a)は、後述するガス充填装置31の一部を構成する。
また、ベース枠体40の進行方向前方側には、開閉部材32bを開閉する開閉作動板41が連結される。開閉作動板41は、図9に示すように、その基端側41aがベース枠体40に固定され、その基端側41aから先端側41bに向けて下方傾斜状の第一作動面41c,第二作動面41dが形成される。開閉作動板41はベース枠体40に固定されており、チェーン34の回転移動に伴いベース枠体40とともに移動し、高さ位置は一定である。一方、後述するようにホッパー32は、適宜のタイミングで昇降移動する。そして、ホッパー32の昇降により作動レバー32cも昇降移動するので、その昇降移動に伴い作動レバー32cは第一作動面41c或いは第二作動面41dに接触し上方或いは下方へ付勢され、起立したり倒れたりする。
また、チェーン34の上方には、そのチェーンの走行軌跡に沿うようにガイド板45が配置される。このガイド板45の平面形状は、無端リング状であり、チェーン34と同様に平行に配置された2つの直線状部分と、それら2つの直線状部分を繋ぐ半円弧状部分を有する。チェーン34の2つの直線状部分のうち、搬送装置13のチェーン20の直線状の走行路側と反対側(距離を置いた側)の直線状部分と、2つの円弧状部分の高さは面一となり、比較的高い位置に配置される。このガイド板45の上面にコロ36が接触し、それ以上の下降が抑止される。よって、コロ36は、ガイド板45の上面に沿って移動するため、支柱37,アーム42,吸盤43,ホッパー部32等は、高い位置を水平に移動する。この高い位置は、例えば図9(a)に示したものと同等である。
一方、図6に示すように、搬送装置13のチェーン20の直線状の走行路側に位置するガイド板45の直線状部分は、進行方向に沿って高さを適宜変えたガイド面が形成される。すなわち、図6では図中左側から右側にすすむ。図中の左端,右端のガイド板45の上面は、水平な基準面45aとなる。その基準面45aは、上述した円弧状部分や反対側の直線状部分におけるガイド板の上面の高さ位置と同じである。そして、左端の基準面45aから進行方向に沿って順に下降傾斜面45b、下方水平面45c、上昇傾斜面45dと続き、右端の基準面45aに至る経路をとる。
ガス充填装置31は、上述したホッパー搬送装置30側に取り付けられた吸盤43,チューブ44(ガス噴射ノズル44a)に加え、搬送装置13を挟んでホッパー搬送装置30と対向するように配置されたガス充填装置本体を備える。ガス充填装置本体は、搬送装置13のチェーン20の直線状の走行路の領域に沿うように偏平矩形状の細長なガス中継ボックス51を配置する。ガス中継ボックス51は、本実施形態では、複数のボックスを前後に並べて配置したが、単体で形成しても良い。
ガス中継ボックス51は、例えば上面の所定位置に開口部が形成され、底面の所定位置に形成された供給口に配管58を取り付ける(図9参照)。その配管58は、図示省略のガスボンベ・ガス発生装置等(以下「ガスボンベ」という)に連通する。ガスボンベは、窒素ガスその他の不活性ガス等、袋体1内に充填するガスが蓄えられている。これにより、ガスボンベから所定のガスがガス中継ボックス51内に供給されて充満され、ガス中継ボックス51の上面に形成した開口部から外部に放出可能となる。開口部は、例えばセンターラインに搬送方向に沿って延びるスリットとする。また、開口部は、例えば多数の孔部により構成しても良い。
ガス中継ボックス51は、ベルトコンベア52内に配置される。ベルトコンベア52は、左右一対の側壁53間に軸分け支持された駆動プーリ54a,従動プーリ54b,フリーローラ54cに穴あきベルトたるエンドレスベルト55を掛け渡して構成される。駆動プーリ54aには、図省略の駆動モータに連携され、駆動モータの駆動を受けて駆動プーリ54aが回転する。これにより、エンドレスベルト55は回転する。フリーローラ54cにより、エンドレスベルト55に係るテンションが調整され、エンドレスベルト55はピンと張った状態で回転する。エンドレスベルト55は、ガス中継ボックス51の上面に接触した状態で回転するように調整される。
エンドレスベルト55には、そのセンターライン上に一定間隔でガス噴出用孔たる貫通孔55aが形成される。貫通孔55aは、ガス中継ボックス51の上面に形成した開口部に対向し、その開口部から噴射するガスは、貫通孔55aを介してエンドレスベルト55の外に噴出可能となる。貫通孔55aの配置ピッチは、ホッパー搬送装置30のホッパー32の配置ピッチ、より具体的には吸盤43の配置ピッチと一致させる。これにより、吸盤43は、エンドレスベルト55に接触する際には、貫通孔55a上に一致し、貫通孔55aを塞ぐ。よって、ガスボンベから供給されガス中継ボックス51内に充満するガスは、ガス中継ボックス51の開口部から吸盤43内に進み、チューブ44内を通ってガス噴射ノズル44aから噴射する。
ガス中継ボックス51の開口部は、貫通孔55aの未形成のエンドレスベルト55にも対向する。よってエンドレスベルト55により開口部は塞がれる。つまり、開口部から外部に向けて出ようとするガスは、エンドレスベルト55のベルト面(貫通孔55aの未形成領域)と、貫通孔55aのいずれにも当たる。そこで、ベルト面に当たったガスは外部に出ることができず、ガスは貫通孔55aから効率よく吸盤43内に進む。また、ベルト面には、開口部から出ようとするガスが当たり、上方に付勢され、ベルト面が上昇しようとする。そして、ベルト面が上昇してしまうと、エンドレスベルト55とガス中継ボックス51の上面との間に隙間が生じ、その隙間からガスが漏れてしまう。そこで、本実施形態では、ガス中継ボックス51に対向するエンドレスベルト55のベルト面の両サイドを、多数の抑えローラ56でガス中継ボックス51の上面に抑え付けるようにした。この抑えローラ56は、フリー回転するように側壁53に連結した軸受け部57に片持ち支持状に軸受け支持させる。よって、抑えローラ56は、エンドレスベルト55の両サイドに接触しているため、エンドレスベルト55が回転移動すると、接触する抑えローラ56も自転しながら接触した状態を維持し、エンドレスベルト55が浮き上がるのを阻止する。
また、エンドレスベルト55には、貫通孔55aの進行方向後方の直近に、矩形状のマーク55bが印刷されており、貫通孔55aの位置が分かるようにしている。例えば、このマーク55bの所定距離だけ前側に貫通孔55aが形成されているため、そのマーク55bを位置合わせの基準として、ベルトコンベア52の駆動と、ホッパー搬送装置30の駆動の同期をとり、吸盤43が貫通孔55aの上に位置するように制御する。
一方、支柱37,吸盤43,スライドガイド38,連結バー39,ホッパー32等は、チェーン34に固定されたベース枠体40に対して昇降移動可能に連携されており、チェーン34の回転に伴い一体に公転移動する。この公転移動中、連結バー39に取り付けられたコロ36はガイド板45の上面に形成されるガイド面に接触する。よって、支柱37ひいては吸盤43,ホッパー32等の高さは、ガイド面に案内されて昇降移動する。具体的には、搬送装置13の走行路に近接しない領域では、所定の高位置を維持しながら水平面内で移動し、図6に示す搬送装置13の走行路に沿ったガイド板45に至ると、連結バー39に取り付けたコロ36は、基準面45a上を移動する(図9(a)参照)。
この状態からさらに前進移動すると、コロ36は下降傾斜面45bに移り、その下降傾斜面45bに沿って下降移動する。これに伴い、吸盤43やホッパー32等も下降移動する。上述したように、ホッパー32とクランプ21は、上下に重なる状態で移動するように制御されているため、クランプ21に保持された袋体1(上流側の開袋装置14で、袋体1の上端開口部は開いている)内に、ホッパー32の下端側から徐々に進入していく。また、このホッパー32の下降移動に伴い、作動レバー32cも下降移動するが、下降移動当初は、作動レバー32cは開閉作動板41の第一作動面41cと第二作動面41dの間の空間内に位置し、外部からの付勢力を受けないため、図9(a)に示す作動レバー32cが倒れて開閉部材32bが閉じた状態を維持しながら下降移動するため、スムーズに進入が行われる。そして、下降移動が進み、作動レバー32cが第一作動面41cに接触して上方へ付勢されると、最終的に作動レバー32cが起立し図9(b)に示すように開閉部材32bが開く。この開くタイミングは、例えばホッパー32が最下端位置に至った際に行うようにすると、ホッパー32が開いた状態のまま下降移動することがないので好ましい。このように開閉部材32bが開くことで、袋体1はその下方奥まで全体に開かれた状態となる。
また、ホッパー32の下降とともに吸盤43も下降移動し、コロ36が下降傾斜面45bの下端に至ると、図9(b)に示すように吸盤43はエンドレスベルト55に接触し、貫通孔55aを塞ぐ。よって、ガスボンベからのガスがガス中継ボックス51から吸盤43に流れ込み、チューブ44内を通り、先端のガス噴射ノズル44aが外部に噴射される。ガス噴射ノズル44aは、開閉部材32bとともに袋体1内に進入しているため、袋体1内にガスが充填され、元々あった空気が外部に押し出されてガス置換がなされる。
次いで、コロ36は下方水平面45cに至り、その下方水平面45cに沿って低位置で水平に前進移動する。この移動中、ホッパー32等は図9(b)に示す状態を維持するため、直線状の比較的長い区間に渡り、ガスは充填され、ホッパー32に案内されて被包装物が袋体1内に落下供給される。
その後、コロ36が上昇傾斜面45dに至ると、その傾斜面に沿って徐々に上昇していくため、ホッパー32も上昇し、吸盤43もエンドレスベルト55から離反する。図9(c)は、上昇傾斜面45dの移動途中を示している。図示するように、作動レバー32cが第一作動面41cから離脱したが、第二作動面41dに非接触で付勢力を受けないため、直前の起立した状態を維持したままとなる。よって、開閉部材32bも開いた状態のまま上昇し、袋体1内に充填供給した被包装物を取り出すことなく開閉部材32bのみが上昇し、被包装物の供給が完了する。
その後、コロ36は右端の基準面45aに至り、以後、ホッパー32,吸盤43等は高い位置での水平移動を行う。また、このとき作動レバー32cは、第二作動面41dに接触し、下向きの付勢力受けて倒れるため、図9(a)に示すように開閉部材32bは閉じた状態となる。
また、吸盤43は、ガス中継ボックス51の配置エリアよりも上流側ですでにエンドレスベルト55に接触して貫通孔55aを塞ぎ、ガス中継ボックス51の配置エリアよりも下流側でエンドレスベルト55から離れるようにしている。これにより、ガス中継ボックス51内のガスが貫通孔55aから外部に漏れ出るのを抑止する。また、吸盤43は伸縮するため、吸盤43(支柱42)の下降位置を適宜に設定することで、エンドレスベルト55のベルト面に対してしっかりと密着させ、貫通孔55aと吸盤43間でガス漏れを発生するのを抑止できる。
本実施形態では、被包装物の供給領域並びにガス置換領域を直線状としたため、比較的長い距離を取っても、被包装物供給装置はさほど大型化する必要が無く、コンパクトなレイアウトを採ることができる。