[第1の実施形態]
以下においては、本発明の第1の実施形態に係る遊技機1についての説明をする。
[1−1.遊技機の外観構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る遊技機1の概観を示す斜視図である。遊技機1は、前面が開口した箱状の本体2と本体2の前面に配置した前面扉3から構成されている。本体2と前面扉3とは片側で蝶番により固定され開閉できるようになっている。前面扉3は、遊技者が遊技を行うためのボタン類が配置された操作部OP、リール可変表示装置RLの図柄を視認させるためのリール窓20や遊技を進行するための情報が表示される表示器類が配置されたパネル表示部DP、遊技を進行するための情報が表示される表示器類や電飾装置が配置された演出表示部TP及び受皿部BPから構成されている。
操作部OPには、メダル投入口10、MAXBETボタン11をはじめとする一遊技に賭ける遊技媒体の数を設定するベットボタン、スタートレバー12、左ストップボタン13a、中ストップボタン13b、右ストップボタン13c、精算ボタン14、表示画面操作ボタン15が設けられている。操作部OPの上面右側にメダル投入口10が配置され、上面左側にMAXBETボタン11が配置されている。遊技機1の遊技は、メダル投入操作又はベットボタン操作、再遊技賞の入賞に伴う自動ベット処理により開始できる。MAXBETボタン11の下部位置の前面側には、リールR1〜R3の回転を行うためのスタートレバー12が配置され、その右側には左リールR1の回転を停止させるための左ストップボタン13a、中リールR2の回転を停止させるための中ストップボタン13b及び右リールR3の回転を停止させるための右ストップボタン13cが配置される。
また、リールR1〜R3が回転を開始した後、ストップボタン13a〜13cのうちリールを停止するために最初に入力される操作を第1停止操作、次に入力される操作を第2停止操作、最後に入力される操作を第3停止操作というものとする。また、ストップボタン13a〜13cのうち、リールを停止するために最初に押下されるボタンを第1停止ボタン、次に押下されるボタンを第2停止ボタン、最後に押下されるボタンを第3停止ボタンというものとする。また、リールR1〜R3のうち、最初に停止制御されるリールを第1停止リール、次に停止制御されるリールを第2停止リール、最後に停止制御されるリールを第3停止リールというものとする。さらに、「順押し」とは、第1停止操作が左ストップボタン13aに、第2停止操作が中ストップボタン13bに、第3停止操作が右ストップボタン13cに入力される操作順序のことをいい、「挟み押し」とは、第1停止操作が左ストップボタン13aに、第2停止操作が右ストップボタン13cに、第3停止操作が中ストップボタン13bに入力される操作順序のことをいう。また、「変則押し」とは、左ストップボタン13a以外に第1停止操作が入力される操作順序のことをいう。
スタートレバー12の左側には、貯留装置に記憶されたクレジットを精算してメダル受皿40にメダルを払い出すための精算ボタン14が配置されている。この精算ボタン14は遊技をやめる場合に使用されるものである。
パネル表示部DPには、リール窓20、遊技ガイド表示器22及び遊技価値情報表示部23が設けられている。遊技価値情報表示部23は、クレジット数表示器23a、配当数表示器23c及び獲得枚数表示器23bから構成される。リール窓20は、1つのリールにつき、3個の連続した図柄をのぞむ透明アクリル板からなり、遊技者は3つのリールで9個分の図柄を、リール窓20を通して目視することができる。
本実施形態における遊技機1は、リール窓20の中段表示位置に水平の入賞ラインL1を有している。すなわち、左リールR1における上段表示位置をU1、中段表示位置をM1、下段表示位置をD1、中リールR2における上段表示位置をU2、中段表示位置をM2、下段表示位置をD2、右リールR3における上段表示位置をU3、中段表示位置をM3、下段表示位置をD3、とした場合に、入賞ラインL1は、各リールR1〜R3における中段表示位置M1−M2−M3に対応している。
また、リール窓20の右側には、入賞した役に応じて点灯する表示部やゲーム状態に応じて点灯するLEDなどの複数のLEDが配置された遊技ガイド表示器22が設けられている。さらにリール窓20の下側には、貯留装置に蓄えられたクレジット数を表示するクレジット数表示器23a、入賞した場合に付与された配当数を表示する配当数表示器23c、及び所定ゲーム中に付与された配当数を累積して獲得枚数の表示を行う獲得枚数表示器23bから構成される遊技価値情報表示部23を有している。
演出表示部TPには、遊技の進行状態を画像で表示する液晶ディスプレイなどで構成される表示器30、ゲーム状態に応じて色彩や点灯パターンを変化させてゲーム状態を表示する電飾LED31及びゲーム状態に応じて変化させるBGMやボタン操作に応じた操作音、ガイド音声を出力するスピーカ32が設けられている。
受皿部BPには、メダル払出装置が駆動されてメダル払出口40aから排出された遊技メダルを貯めるメダル受皿40が設けられており、メダル受皿40の左側には灰皿41が設けられている。
[1−2.リール可変表示装置の構成]
図2は、遊技機1のリール可変表示装置RLの構造を示す説明図である。図2(a)は、リール可変表示装置RL全体の構造を示し、リール可変表示装置の内部を表すために右リールR3が取り外された状態を示したものである。図2(b)は、右リールR3の詳細の構造を示す。
リールR1〜R3は、軸部から放射線状に延びた複数のスポーク部と環状の枠を有する透明なABS樹脂等からなるリール枠56a〜56cに、21個の各種の図柄(図柄番号PN=1〜21)が印刷されているリール帯58a〜58cが、リール枠56a〜56cの周面に貼り付けられて構成される。リールR1〜R3はリール可変表示装置RLのケース体50の上下に設けられた、それぞれのリールに対応したガイドレール51a〜51cに沿って挿入され、ケース体50内に収容される。図2(b)を使って、リールR3の説明をするが、リールR1〜R2も同一の構造である。リールR3は、ステッピングモータ54cに固定され回転するようになっている。リールR3の回転には、400ステップのパルスの供給で1回転するステッピングモータ54cを使用し、所定のパルスを供給することで所定の図柄をリール窓20に表示させることができる。さらにLED(図示せず)を設置したバックライト装置53cを設け、リール帯58cの内側から光を照射できるようになっている。このように、リール帯58cの内側からバックライト装置53cによって光を照射することで、遊技者にリール帯58c上の図柄を目立たせることができる。
またスポーク部の一つに検知板57cを取り付け、リール位置検出センサ55cによって、リールR3が1回転するごとに1パルスのリール位置検出信号155cを出力できるようになっている。このリール位置検出信号155cを検知してから10ステップ進めたときに、図柄番号PN=1がリール窓20の中央の入賞ラインL1上に位置するように検知板57cとリール帯58cとの位置が設定してある。
リールR3、リールR3が固定されたステッピングモータ54c、バックライト装置53c及びリール位置検出センサ55cをベース板52cに固定することで一つのユニット構成としている。また、リール可変表示装置RLは、ベース板52cをリール可変表示装置RLのケース体50に設けられたガイドレール51cに沿って挿入してケース体50内に収容するようになっている。ステッピングモータ54c、バックライト装置53c、検知板57c、リール位置検出センサ55cおよびリール位置検出信号155cは、図示していないが、リールR1では、ステッピングモータ54a、バックライト装置53a、検知板57a、リール位置検出センサ55aおよびリール位置検出信号155aにそれぞれ対応し、リールR2では、ステッピングモータ54b、バックライト装置53b、検知板57b、リール位置検出センサ55bおよびリール位置検出信号155bにそれぞれ対応する。
[2.遊技機の電気的構成]
図3は、遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。遊技機1は、遊技の主たる制御を行うメイン制御基板100A、表示器30に対して表示制御を行い画像表示するサブ制御基板100Bを備えている。メイン制御基板100Aは、CPU(centralprocessingunit)101、クロック発生回路a102、クロック発生回路b103、ROM(read-onlymemory)104、RAM(random-accessmemory)105、データ送出回路106、入出力ポート107から構成されている。なお、CPU101としてROMやRAMを内蔵しているものを採用することができる。その場合には、外付けのROM104、RAM105は不要となる。
CPU101は、ROM104に格納されたプログラムを、クロック発生回路a102で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU101は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路a102の周期とは異なるクロック発生回路b103で発生したINTR信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR信号の間隔は、例えば、2ミリ秒である。CPU101はプログラムの実行に応じて、各種フラグや各種カウンタ又は各種遊技情報をRAM105に保存する。外部から供給される電源が遮断した場合でも、RAM105は電池により記憶情報が保持されており、その後電源が復帰した場合には、電源断発生の直前の状態から再開する。CPU101は、入出力ポート107を介して各種ボタン、センサの状態を読み取って各種モータ等を駆動する。
ベット操作指示信号111a〜111c、開始操作指示信号112、停止操作指示信号113a〜113c及び精算操作指示信号114は、それぞれ操作部OPに設けられたMAXボタン11をはじめとするベットボタン、スタートレバー12、ストップボタン13a〜13c、精算ボタン14が遊技者に操作されたことに応じて検知される信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。表示制御信号123a〜123cは、それぞれパネル表示部DPに設けられたクレジット数表示器23a、獲得枚数表示器23b、配当数表示器23cに表示するための表示信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。リール位置検出信号155a〜155cはそれぞれリール可変表示装置RLのそれぞれのリールに対応し、リールが1回転するたびに1回検出する信号であり入出力ポート107を介してCPU101に送られる。リール駆動信号154a〜154cは、それぞれリール可変表示装置RLのそれぞれのリールR1〜R3を駆動するステッピングモータ駆動信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。このリール駆動信号154a〜154cによってステッピングモータに対する制御を行うことにより、各リールR1〜R3の回転制御の開始や停止制御を実行することができる。
メダル投入信号160は、投入された遊技メダルをメダル投入口10から通ずる前面扉3の内部に設けられたメダル検出装置に設けられたメダルを検出するセンサの信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。また、メダルブロック信号161はメダル検出装置に設けられたソレノイドを駆動する信号であり入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。メダル払出信号162はメダル払出装置のメダル放出部に設けられたメダルを検出するセンサ信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。また、払出駆動信号163はメダル払出装置に設けられたモータを駆動する信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。
CPU101は、データ送出回路106を介してサブ制御基板100Bへ各種コマンドを出力する。サブ制御基板100Bは、CPU(centralprocessingunit)191、クロック発生回路c192、クロック発生回路d193、ROM(read-onlymemory)194、RAM(random-accessmemory)195、データ入力回路196及びグラフィックLSIとその周辺回路からなる表示回路197を備えている。このCPU191は、ROM194に格納されたプログラムを、クロック発生回路c192で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU191は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路c192の周期とは異なるクロック発生回路d193で発生したINTR1信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR1信号の間隔は、例えば、2ミリ秒とする。CPU191は、プログラムの実行に応じて、各種フラグや各種カウンタ又は各種遊技情報をRAM195に保存する。また、メイン制御基板100Aのデータ送出回路からのデータ送出タイミングに同期して送出されるストローブ信号に基づいてINTR2信号を発生させ、このINTR2信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。
サブ制御基板100BにおけるCPU191は、メイン制御基板100Aからの各種コマンドを受信して、遊技に伴う演出内容情報に対応する映像をRAM195上に生成して、表示器30に表示させる指示を表示回路197に出力する。また、サブ制御基板100Bは、遊技ガイド表示器22、電飾LED31による電飾装置の点灯制御や、リール可変表示装置RLに設けられたバックライト装置53a〜53cの点灯制御、及びBGMなどのサウンドをスピーカ32から出力する音制御を行う。
[3.遊技機1について]
以下では、本実施形態の遊技機1について説明をする。
本実施形態の遊技機1は、サブ制御基板100Bにおける画像や音声の制御により、押し順小役等を入賞させる停止操作順序やタイミングなどを報知するAT(アシストタイム)機能を有し、さらに、再遊技の確率が異なる複数のゲーム状態を有している。また、遊技機1は、リール窓20の中段表示位置に水平となる入賞ラインL1(有効ライン)を有している。
ここで、「AT機能」とは、ストップボタン13a〜13cの操作に応じて有効ライン上に停止する図柄の組合せが異なるように設定された役が当選したときに、遊技者にとって有利となる操作態様を報知する演出を伴う「AT遊技(報知ゲーム)」を実行する機能のことをいい、AT遊技が実行されることとなる状態をAT状態、AT遊技が実行されない状態を非AT状態とも言う。また、AT遊技の将来的な付与を確定する抽選処理のことを「AT抽選」ともいう。本実施形態におけるAT状態では、内部当選の結果に応じて、サブ制御基板100Bによる画像や音声の制御により遊技者にとって有利となる押し順の報知が行われ、具体的には、後述する小役1グループB〜小役1グループDを入賞させる押し順の報知や、再遊技役グループB〜Gが当選した際に、再遊技が高確率となる遊技状態に昇格する特定の図柄組合せを表示する押し順の報知がおこなわれる。また、AT状態は所定の条件を充足するまで継続するようになっており、本実施形態では、AT抽選により所定の遊技数の報知ゲームが付与されて、当該遊技数の報知ゲームを消化するまでAT状態が継続する。
また遊技機1では、押し順等の報知がない遊技において、ストップボタン13a〜13cを操作するべき基準となる押し順(基準操作順序)として、左リールを第1停止リールとする順押し又は挟み押しが推奨されている。そして後述するように、再遊技が高確率となるゲーム状態に昇格する特定の図柄組合せは、変則押しが入力される場合に有効ライン上に表示されるようになっているため、非AT状態では、再遊技が高確率となるゲーム状態に移行し難くなっている。すなわち遊技機1では、非AT状態において遊技者に基準操作順序の入力を推奨して出玉率を抑える一方で、AT状態においては再遊技が高確率となるゲーム状態や押し順等の報知による恩恵が得られるようにしており、AT状態と非AT状態との間で大きな出玉の波を創出できるようにしている。
[3−1.図柄の配置について]
図4は、本実施形態の遊技機1におけるリール帯58a〜58cに印刷された図柄の配置を示す説明図である。左、中、右のそれぞれのリールには21個の図柄が等間隔で配置して印刷されている。400ステップのパルスの供給で1回転するステッピングモータ54a〜54cを使用しているので、21個の図柄を配置すると図柄の間隔は19ステップとなる。また、リール位置検出信号155a〜155cを検知してから10ステップ進めたときに、図柄番号PN=1がリール窓20の中段の入賞ラインL1上に位置するようにしているため、リール位置検出信号155a〜155cを検知してから29ステップ進めれば図柄番号PN=2がリール窓の中段に位置し、48ステップ進めれば図柄番号PN=3がリール窓の中段に位置し、390ステップ進めれば図柄番号PN=21がリール窓の中段に位置することになる。390ステップより先に進めると、再びリール位置検出信号155a〜155cが検知される。これによりリール位置検出信号155a〜155cが検知されたタイミングを基点にして、進めるステップ数により所定の図柄をリール窓の中段に位置させることができる。
[3−2.役の種類と役抽選テーブルについて]
次に、図5を用いて、遊技機1において成立する役の種類を説明し、図6を用いて遊技機1の内部抽選時に参照される役抽選テーブルについて説明する。
具体的には、図5(a)は、特別役と、小役1〜3の図柄の組合せと、その払い出し枚数等を示すものとなっており、図5(b)は、内部抽選の抽選対象となる再遊技役A、再遊技役グループB〜Gに対応する図柄組合せ(再遊技役1〜9)と、その移行先のゲーム状態を説明する図となっている。
また図6は、遊技機1における通常ゲーム状態(RT2)と、通常ゲーム状態よりも再遊技の確率が向上する第1の再遊技高確率状態(RT3)と、第1の再遊技高確率状態よりもさらに再遊技の確率が向上する第2の再遊技高確率状態(RT4)において成立する役の役抽選テーブルを説明するための図である。図6の役抽選テーブルにおける各抽選対象が内部当選する確率(抽選確率)は、それぞれに関連付けられた抽選値を65536で除した値に対応する。なお、図6においては、RT2〜RT4以外の役抽選テーブルについての表記を省略している。
図5(a)における入賞役のうち、特別役1(BB1(ビッグボーナス1))および特別役2(BB2(ビッグボーナス2))は、それぞれ、「赤セブン−赤セブン−赤セブン」および「青セブン−青セブン−青セブン」の図柄の組合せで構成され、ボーナス遊技状態に移行する役とされている。また、特別役3(RB(レギュラーボーナス))は、「赤セブン−赤セブン−青セブン」の図柄の組合せで構成され、こちらもボーナス遊技状態に移行する役とされている。また、小役は、入賞により所定数のメダルが払い出される役である。なお、役の種類は、図5のように限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」および「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞により特別遊技であるボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役である。ビッグボーナスやレギュラーボーナスについては、フラグの持越しが行われ、BB1等に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(メイン制御基板100AのRAM105の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1等に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次ゲーム以降であっても各特別役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃う状態にある。
また、「小役1」、「小役2」、「小役3」は、それぞれ、遊技機1における「ベル役」「スイカ役」「中段チェリー役」に対応しており、図5の「小役3」における「ANY」は、有効ラインにおける中リールの図柄がどのような図柄であってもよいことを示す許容図柄となっている。
次に、図5(b)で示される、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく遊技が可能となる役である。同図に示されるように、再遊技役Aの内部当選時は、ゲーム状態の移行を伴わない再遊技1のみが停止するように制御され、再遊技役グループB〜Cと再遊技役グループD〜Gでは、それぞれに関連づけられた操作順序に応じて、ゲーム状態を遷移させる特定の図柄組合せを表示するようにリールが制御される。
再遊技役Aについては、再遊技1(リプレイ−リプレイ−リプレイ)の図柄組合せが対応付けられ、再遊技役グループB〜Cについては、再遊技2〜5(ベル1/ベル2−リプレイ−ベル1/ベル2)の図柄の組合せと、再遊技6〜7(ベル1/ベル2−リプレイ−リプレイ)の図柄の組合せが対応付けられ、再遊技役グループD〜Gについては、再遊技2〜5と再遊技8〜9(リプレイ−リプレイ−ベル1/ベル2)の図柄の組合せが対応付けられる。
ここで、再遊技役グループBが内部当選した場合には、中リールを第1停止とする場合には再遊技6〜7のいずれかが表示されてRT3ゲーム状態に移行し、他のリールを第1停止とする場合には再遊技2〜5のいずれかが表示されてRT2ゲーム状態に移行する。再遊技役グループCが内部当選した場合には、右リールを第1停止とする場合にRT3ゲーム状態に移行し、他のリールを第1停止とする場合にはRT2ゲーム状態に移行する。さらに、再遊技役グループDが内部当選した場合には、中・右・左の操作順序でストップボタン13が停止される場合に再遊技8〜9が表示されてRT4ゲーム状態に移行し、再遊技役Eが内部当選した場合には、中・左・右の操作順序の場合にRT4ゲーム状態に移行し、再遊技役グループFが内部当選した場合には、右・左・中の操作順序の場合にRT4ゲーム状態に移行し、再遊技役グループGが内部当選した場合には、右・中・左の操作順序の場合にRT4ゲーム状態に移行するように設定されている。
また小役1グループA〜小役1グループD(ベル)は、いずれの押し順が入力されても入賞するように停止制御される小役1グループAと、左ストップボタン13aを第1停止とする場合にベルが入賞する小役1グループBと、中ストップボタン13bを第1停止とする場合にベルが入賞する小役1グループCと、右ストップボタン13cを第1停止とする場合にベルが入賞する小役1グループDとなっている。また、操作順序役となる小役1グループB〜小役1グループDが内部当選した際に、ベルを入賞することができない押し順を入力した場合には、配当のない「ベルこぼし目(ベルの取りこぼし目)」が表示される。
[3−3.サブ制御基板におけるAT抽選とゲーム状態について]
次に、遊技機1におけるサブ制御基板100Bにおける遊技状態とAT抽選についての説明をする。
図7は、サブ制御基板100B側で設定される遊技状態を説明するための図である。
図7で示されるように、サブ制御基板100Bは、低確率状態、高確率状態、又は、超高確率状態においてAT遊技の権利を獲得すると、AT準備状態に移行し、数ゲームの滞在期間を経た後にAT状態(報知遊技状態)に移行するように設定する。また、サブ制御基板100Bは、操作順序の報知等がない状態にて遊技者が変則押しを入力すると、原則的にペナルティ状態に移行するように設定する。本実施形態のAT抽選は、ペナルティ状態以外の遊技状態において実行されうるものとなっており、ペナルティ状態は、例えば、遊技者が推奨されない操作順序を入力した回数に応じて継続する。ペナルティ状態では、他の全ての遊技状態よりもAT抽選において不利になるように扱われ、AT抽選が実行されない(AT遊技の当選確率がゼロとなる)等の制裁が与えられる。なお、遊技者が権利を獲得したAT遊技数は、RAM195においてカウントされ、カウントされたAT遊技数がゼロになった場合には、図7で示すようにAT状態から低確率状態に移行するようになっている。
[3−5.遊技機1における仮想3次元空間演出について]
本実施形態の遊技機1では、予め定められた条件を満たす場合に、遊技者が入力をする操作に応じて視点の制御が可能となる仮想3次元空間の演出が発生する。この仮想3次元空間の演出では、例えば、左方向に視線方向が回転をする第1の視点制御と、上方向に視線方向が回転をする第2の視点制御と、右方向に視線方向が回転をする第3の視点制御というように、複数種類の視点制御が実行可能となるように準備されており、各種の視点制御では、遊技者がストップボタンを長押しする期間等に対応して、視線方向の変化量が設定されるようになっている。
遊技機1においてこのような仮想3次元空間演出が発生すると、遊技者は、複数種類のうちから選択的に視点制御を実行でき、かつ、長押しの期間等に応じて視点制御量を変更できるため、仮想3次元空間内を自由に行動しているかのような感覚を味わうことができ、臨場感の高い仮想3次元空間の演出が実現される。
図8は、本実施形態の仮想3次元空間演出を具体的に説明するための図である。本実施形態においては、操作順序の報知等が無い状態にて小役1グループB〜小役1グループDの操作順序役が当選した場合に、所定の確率で上述の仮想3次元空間演出が発生し、ワールド座標上に特定のオブジェクト(忍者オブジェクト)が配置されるようになっている。
具体的には、図8(a)は、RAM195上に構築される仮想3次元空間VRの一例を示すものとなっており、図8(b)は、当該仮想3次元空間演出の開始後、各ストップボタン13a〜13cが未入力である状態の表示器30にて表示される視野画像を示しており、視点の変化方向を案内する矢印が表示されるようになっている。また、図8(c)は、各ストップボタン13a〜13cの入力と視線方向の変化との関係を説明する図となっている。
まず図8(a)で示すように、仮想3次元空間VR上には、例えば、人間の形状のオブジェクトP1(後述の忍者オブジェクト)と、樹木の形状をした複数のオブジェクトP2が配置されており、さらに、仮想3次元空間VR上には仮想カメラCMが配置される。この仮想カメラCMについては、その配置座標(視点)と視線方向VDが設定され、さらに、視点から視線方向VDを見る方向に視野範囲VFが設定される。そして、視野範囲VF内の様子は、RAM195においてリアルタイム描画されて表示器30にて可視化されるようになっている。
遊技者のスタートレバー12の押下により仮想3次元空間演出が発生すると、図8(b)で示されるように、初期設定の視野範囲VF1に対応する視野画像が表示され、視線方向VDの方向の所定位置に忍者オブジェクトが生成される。忍者オブジェクトは、その後、ワールド座標内の配置座標が変更されて視野範囲VF1外に新たに生成され、元の忍者オブジェクトの位置には煙オブジェクトが配置される。
図8(c)は、各ストップボタン13a〜13cの入力時における視点制御の態様を説明するための図である。また、同図は、小役1グループBが内部当選した場合に対応しており、遊技者にとって最も有利となる操作順序(第1停止操作時に左ストップボタン13aを入力する操作順序)を入力する場合に、忍者オブジェクトを発見できるようになっている。
本実施形態では、左ストップボタン13aを入力すると、図8(c)で示されるように、視線方向VDが現在の視線方向(初期の視線方向)を基準としてシームレスに左側に回転する。また、同様に、中ストップボタン13bを入力すると上側に視線方向VDが回転し、右ストップボタン13cを入力すると右側に視線方向VDが回転するようになっている。そして各ストップボタン13a〜13cの押下中(押下の開始時から押下の開放時まで)には、視点方向が徐々に回転をして変化するようになっており、視線方向の変化量は、ストップボタンの押下時間に応じて決定される。
図8(c)における、左側視野画像VFL、上側視野画像VFU、右側視野画像VFRは、それぞれの視点制御の実行中における視野画像の一例を示すものとなっている。遊技者が左ストップボタン13aを長押しする期間が短ければ、視線方向VDの左方向への回転量が少なくなり、最も有利となる操作順序を入力しているにもかかわらず忍者オブジェクトが視野画像内に表示されない場合も生じるようになっている。
このように、特定のオブジェクトがワールド座標内に配置されることで、遊技者には、仮想3次元空間演出の実行中に、特定のオブジェクトを能動的に探索できるという演出が提供され、遊技機の演出のバリュエーションの増大にも繋がることとなる。
仮想3次元空間上に配置される忍者オブジェクトとしては、第1停止操作として左ストップボタン13aの入力がされた場合に、視線方向VDの左側に生成をし、第1停止操作として他のストップボタンが入力された場合には生成されないようになっている。本実施形態では、このようにして忍者オブジェクトが生成されることで、遊技者にとって有利となる適正な操作順序が入力された場合にのみ視野画像内に表示可能とし、不適正な操作順序が入力された場合には視野画像内に表示がされないようになっている。換言すると、本実施形態では、複数種類の視点制御が実行される順序、及び、複数種類の視点制御における長押し等の期間の長さの双方に応じて、忍者オブジェクトが表示される場合と、その表示が制限される場合が発生するようになっている。なお、不適正な操作順序が入力された場合には、例えば、視線方向の左側に忍者オブジェクトを生成しつつも、忍者オブジェクトの基準点と仮想カメラの配置座標との間に、別のオブジェクトを配置して、遊技者による入力に伴って実行される視点の制御によって視野画像内に映りにくくすることで表示を制限するようにしても良いし、忍者オブジェクトのサイズを縮小することで表示を制限するようにしてもよい。
また、忍者オブジェクトとしては、遊技者の操作順序に関わらず視線方向VDの左側に生成をし、例えば、所定のタイミングからの経過時間に応じて視点から遠ざかる(あるいは視点に近づく)ように制御をしたり、遊技者による長押し等の期間の長さや、仮想カメラCMによる視点の制御量に応じて、視点からの距離や視線方向との角度が変化するように移動させても良い。また、このような忍者オブジェクトの配置に関する制御は、不適正な操作順序が入力される場合においてのみ実行するようにしても良い。所定のタイミングからの経過時間に応じて視点から遠ざかるようにすることや、視線方向との角度を維持するようにオブジェクトを移動させることにより、左ストップボタン13aが第2停止操作以降で入力される場合(不適正な操作順序の場合)に、左ストップボタン13aが第1停止操作にて入力される場合(適正な操作順序の場合)よりも、忍者オブジェクトを視野画像内に表示しにくくして表示を制限でき、演出のバリュエーションの向上に寄与できる。
[3−6.遊技機の機能的構成]
以下では、本実施形態における遊技機1の機能的構成について具体的に説明をする。
図9は、本実施形態における遊技機1の機能的構成を示す図であり、メイン制御基板100Aと、サブ制御基板100Bを主として実現される。同図で示されるように、メイン制御基板100Aは、内部抽選部ILと、入力操作送信部ITと、リール制御部RCと、入賞判定処理部WJと、RAM105とを含んで構成される。
また、サブ制御基板100Bは、演出制御部PCと、報知ゲーム付与部AGと、遊技状態設定部PSと、ROM194と、RAM195とを含んで構成され、演出制御部PCは、さらに、視点制御部VCと、オブジェクト制御部OCと、オブジェクト表示判断部OJと、強調表示部EXと、視点制御案内部VGと、報知部ACとを含み、報知ゲーム付与部AGは、報知ゲーム抽選部ALを含んで構成される。
[3−6−1.メイン制御基板100Aの機能的構成]
メイン制御基板100Aは、ROM104にあらかじめ記憶されているメインプログラムや割込プログラムを実行することにより、遊技機1で実行されるゲーム全体を制御する。メイン制御基板100AのCPU101は、遊技者によるベットボタンの操作、遊技者による遊技媒体の投入、スタートレバー(開始操作部)12の操作などの入力を受け付けると、内部抽選部ILに内部抽選を行わせるとともに、リール駆動信号154a〜154cを生成して各リールR1〜R3の回転を制御する。
内部抽選部ILは、乱数を発生させるための乱数発生器を含んで構成されて、開始操作部(スタートレバー)12からの入力による開始操作指示信号112を検知したタイミングで、一定の範囲の数値、例えば、0〜65535の範囲で1つの乱数値を発生する。そしてさらに内部抽選部ILは、現在のゲーム状態に応じた役抽選テーブルを選択する。内部抽選部ILは、乱数発生器で発生した乱数値を選択された役抽選テーブルに照らし合せることにより、乱数値の数値範囲に対応する抽選対象を内部抽選の結果を示す情報として導出する。内部抽選の結果は、RAM105だけでなくRAM195における内部抽選結果記憶領域に、内部抽選の結果に対応する当選フラグとして記録される。この当選フラグは、演出テーブルの決定だけでなく、AT遊技に関する抽選や、AT遊技の抽選条件の設定の際などに参照される。
リール制御部RCは、遊技者によるスタートレバー12の操作によりリールR1〜R3の回転駆動を開始して、内部抽選の結果に基づいて停止制御テーブルを選択し、選択された停止制御テーブルと、停止操作部13(ストップボタン13a〜13c)が欧化されるタイミングに基づいて、有効ライン上に停止される図柄を制御する。
また、停止制御テーブルは、各リールの図柄が中段表示位置に位置しているときにストップボタンが入力された場合において、その位置からいくつの図柄分を回動させた後に停止させるか(すなわち、滑りコマ数)を示す情報を規定している。この滑りコマ数は、0から4のいずれかの値となっている。
入賞判定処理部WJは、全リールの図柄が停止された後、有効ライン上に停止された図柄の組合せに基づいて入賞したか否かを判定する。
入力操作送信部ITは、一遊技の期間中における遊技者の入力操作をサブ制御基板100Bに送信する機能ブロックとなっている。入力操作送信部ITは、スタートレバー12やストップボタン13a〜13cの入力に関するタイミング、具体的には、これらの押下が開始されたタイミングや押下が開放されたタイミングを検知して、サブ制御基板100Bに送信する。
[3−6−2.サブ制御基板100Bの機能的構成]
次に、サブ制御基板100Bの機能的構成について説明をする。サブ制御基板100Bは、メイン制御基板100Aの下位に属する制御基板であって、メイン制御基板100Aから信号や情報が伝達されるものの、サブ制御基板100Bからメイン制御基板100Aには信号や情報を入力することができないようになっている。すなわち、メイン制御基板100Aからサブ制御基板100Bには、一方通行で信号が伝達されるようになっている。
演出制御部PCは、表示器30に表示させる演出を制御する機能ブロックであって、CPU191やRAM195によって実現される。本実施形態の演出制御部PCは、ワールド座標上に配置された仮想カメラCMから見た様子を表示する仮想3次元空間演出を実行するものとなっている。
演出制御部PCは、メイン制御基板100Aからの内部抽選の結果を示す情報を取得して、ROM194に記録された演出テーブルを参照して、抽選により演出内容情報を決定する。演出内容情報は、一遊技中に表示される演出の構成が定義された情報となっており、本実施形態の仮想3次元空間演出に関しては、ワールド座標系に配置されるオブジェクトに関する情報や仮想カメラCMに関する初期の視線方向や初期座標、さらに、遊技者の操作に応じて実行する複数種類の視点制御態様等が定義されている。
視点制御部VCは、遊技者による入力操作に応じて仮想3次元空間内に配置された仮想カメラCMを制御する機能ブロックであり、本実施形態の仮想3次元空間演出の場合には、ストップボタン13a〜13cの押下の開始を契機として3種類の視点制御が実行されるように設定される。また、視点制御部VCによって実行される各種の視点制御では、操作手段の入力に関連するタイミングによって設定される期間の長さに応じて、視点の配置位置や視線方向の変化量が制御されるようになっている。当該期間は、例えば、いわゆる長押しの期間であり、遊技者の入力に関するタイミングによって起点と終点とが設定される。
オブジェクト制御部OCは、仮想3次元空間に配置する特定のオブジェクトに関する制御を実行する機能ブロックとなっている。本実施形態のオブジェクト制御部OCは、忍者オブジェクトを、初期設定の配置座標に生成した直後に消滅させて、視線方向を一定以上左側に回転させた場合に視野画像内に表示される位置に再生成するものとなっている。なお、忍者オブジェクトが再生成される位置座標としては、複数候補の中から選択されるようにしてもよい。また、再生成後の忍者オブジェクトの移動態様についても複数候補の中から選択されるようにしても良い。オブジェクト制御部OCは、特定のオブジェクトが予め定められた経路で移動するように制御をしてもよいし、遊技者による操作に応じて決定される視点の制御に対応して、特定のオブジェクトの仮想3次元空間中の配置を変更するようにしてもよい。また、視点の配置位置や視線方向の変化量に応じて、オブジェクトが移動する距離や視点間との距離が変化するように制御をしてもよい。
オブジェクト表示判断部OJは、特定のオブジェクトが視野画像内に表示されているか否かを判断する機能ブロックである。具体的には、オブジェクト表示判断部OJは、ニアクリップとファークリップとで仮想カメラCMの視野範囲を切り取った領域(視錘台)内に、特定のオブジェクトの基準点が含まれるか否かを判断することで、オブジェクトが仮想カメラCMによる視野画像内に表示されているか否かを判断するものとなっている。
強調表示部EXは、遊技者による長押し等の期間中に、視野画像内に特定のオブジェクトが表示されたと判断される場合に、当該特定のオブジェクトを強調する表示を行って、遊技者に見つけやすくするように制御するものとなっている。具体的には、後述の図16(a)で表示されるように、特定のオブジェクトの視野画像上の基準点を上方に位置するようにビックリマークや集中線が描画されたレイヤーを視野画像が生成される毎に生成して、当該レイヤーを、視野画像を表示するレイヤーに重ね合わせることで特定のオブジェクトを強調する表示を行う。
視点制御案内部VGは、各ストップボタン13a〜13cの入力に対応する複数種類の視点制御態様を示す表示をする機能ブロックとなっており、本実施形態の遊技機1では、第1停止操作入力前に、図8(b)で示されるように、それぞれのストップボタンの押下により視点が変化する方向を案内する矢印が表示されるようになっている。遊技機では、リールを停止する操作手段が一列に並んで配置されているため、遊技者には視点の変化方向が想定しづらいが、各ストップボタンに対応する視点の変化方向が事前に案内されることで、遊技者は、視点の変化方向を予測しつつ視点の制御を楽しむことが出来る。
報知部ACは、遊技状態設定部PSによって設定される遊技状態がAT状態となった場合に、内部抽選の結果に応じて、遊技者にとって有利となる操作態様を報知する。AT状態における報知部ACによる報知は、小役1グループB〜1グループDや、再遊技役グループB〜Gが内部当選した場合に、遊技者にとって最も有利となるように特定の図柄組合せを有効ライン上に表示する操作順序等を報知する表示等を実行するものとなっている。
また、報知ゲーム付与部AGは、遊技者に対して報知ゲームを将来的に付与するか否かを決定する処理を実行する機能ブロックであって、報知ゲーム抽選部ALを含んで構成される。本実施形態における報知ゲーム抽選部ALは、内部当選の結果と、遊技状態設定部PSによって設定される遊技状態とに応じて抽選処理を実行する。当該抽選処理により報知ゲームに当選した場合には、遊技者に付与する報知ゲーム数をRAM195のAT遊技カウンタに蓄積する。また、一回の当選によって遊技者に付与する報知ゲーム数は、予め定められたゲーム数であっても良いし、別途抽選処理によって決定されても良く、遊技状態に応じて決定するようにしてもよい。
遊技状態設定部PSは、サブ制御基板100B側で管理される遊技状態を設定する機能ブロックとなっており、内部抽選の結果に応じて実行される移行抽選の結果や、報知ゲーム抽選部ALによる抽選処理の結果に応じて、複数の遊技状態の中から1つの遊技状態に設定するように制御する。また、遊技状態設定部PSは、低確率状態等に滞在する場合であって、かつ、遊技者にとって有利となる操作順序の報知等がない場合に変則押しが入力されることを契機として、遊技状態をペナルティ状態に移行するように設定する。遊技状態設定部PSによって設定される遊技状態は、遊技状態を示すフラグとしてRAM195に記録されて、報知ゲーム抽選部AL等の処理の際に参照される。また、ペナルティ状態およびAT状態では、ペナルティ遊技数やAT遊技数がRAM195に蓄積され、一遊技を消化する毎に、蓄積された遊技数がゼロになるまでデクリメントされる。ペナルティ遊技数やAT遊技数がゼロになると、遊技状態設定部PSは、遊技状態を低確率状態に設定する。
ROM194には、仮想3次元空間演出にて表示される樹木のオブジェクトや忍者オブジェクトの形状を示すモデルデータ、忍者オブジェクト等が生成される位置や移動する経路やその態様等の情報が記録される。モデルデータでは、オブジェクトを構成する各ポリゴンの頂点の位置が、各オブジェクトの基準点を原点とするローカル座標系の座標値として保持されて、それぞれのポリゴンにテクスチャが貼り付けられる。ここで、テクスチャとは、ポリゴンの表面に展開されることにより1つ又は複数のポリゴンによって構成されるオブジェクトの表面にマッピングされるものである。
[4.遊技機の動作について]
次に、遊技機1の全体動作の詳細を説明する。CPU101は、電源投入後初期化処理を行い、図10に示すフローチャートの処理を実行する。
[4−1.一遊技の流れ]
図10は、本実施形態のメイン制御基板100Aにおける一遊技の流れの内容を示すフローチャートである。まずCPU101は、メダル投入信号160による投入ベット操作、又はMAXBETボタン11の押下による貯留ベット操作が行われたか否かを判定し、いずれかの信号を検出するまで待機する(S100)。CPU101は、いずれかの信号を検知した場合は次に進み、開始操作指示信号112に基づいてスタートレバー操作が行われたか否かを判定し、信号を検出するまで待機する(S101)。CPU101は、開始操作指示信号112を検出した場合は、ベット操作を禁止する(S102)。具体的には、メダルブロック信号161によりメダルセレクタ装置のソレノイドをOFFにし、メダルセレクタ装置の通過経路を切替えて、遊技メダルがメダル投入口10から投入された場合でもメダル受皿40に排出する。また、ベット操作指示信号111a〜111cも受け付けないようにする。
次に内部抽選部ILは、0000HからFFFFHの範囲で10ナノ秒毎に順次インクリメントし、約1.6ミリ秒で1巡回するするカウンタ回路から入出力ポート107を介してカウンタ値を取得し乱数値とする(S103)。次にRAM105に記録されたゲーム状態を示すフラグを参照して、ゲーム状態に応じた役抽選テーブルを選択する(S104)。そして内部抽選部ILは、選択した役抽選テーブルを使用して、役抽選テーブル上の抽選対象となる役ごとに設定されたどの数値の範囲に取得した乱数値が属するかの判定を行い、当選フラグをセットする(S105)。次にステップS105で設定された当選フラグに基づき、停止制御部RC2は、リールの停止制御で参照する停止制御テーブルを準備する(S106)。
遊技機1では、遊技者が短時間に多くの遊技メダルを消費することを防ぐために、一遊技に要する経過時間を計測している。この実施形態では一遊技の最小消費時間を4.1秒とし、1分間に15ゲーム以上実行できないようにしている。具体的には、一遊技の経過時間を示す2ミリ秒毎に0までカウントダウンするタイマ値を参照して、タイマ値が0に到達した場合には、タイマ値を4.1秒に相当する初期値(2050)に設定し直す。したがって、ステップS101でスタートレバー12が操作されても、前のゲームのリールの回転の開始から4.1秒経過していない場合には、リールR1〜R3は回転させないで待機状態にする(S107)。そして4.1秒の経過後、CPU101は、リール駆動信号154a〜154cとしてパルスを供給して、ステッピングモータを順次又は同時に駆動して、3つのリールの定常回転駆動を開始する(S108)。
次にCPU101は、10ステップの加速期間を経て3つのリールR1〜R3を全て一定回転速度に移行させる。3つのリールR1〜R3が一定回転速度に到達したことを検出し、この検出時点を基準時点とし、この基準時点から自動停止時間が経過するまでの残り時間の計測を開始するとともにストップボタン13a〜13cの受け付けができることを知らせるためにストップボタンに内蔵したLEDを点灯させる。
そしてリール制御部RCは、3つのリールR1〜R3を停止させるリール停止制御処理を行う(S109)。リール停止制御処理では、遊技者によるストップボタン13a〜13cの入力がされて停止操作指示信号113a〜113cが検出された場合には、ステップS106で選択した停止制御テーブルと、ストップボタンの操作タイミングで得られたリール上の図柄位置とに基づいて、有効ラインL1上に停止させる図柄番号PNを決定し、全ての巻線相を同時に励磁する全相励磁によってブレーキ力を与えて、全相励磁を開始してから15ステップ相当分の惰性で回転して停止させるリール停止制御処理をそれぞれのリールに対して行う。また、その一方で、基準時点から自動停止時間が経過した場合(残り時間がなくなる場合)には、停止操作が行われなかったリールを自動的に停止させる。また、S108やS109では、入力操作送信部ITは、スタートレバー12やストップボタン13a〜13cの押下が開始されたタイミングと、これらの押下が開放されたタイミングを検知して、サブ制御基板100Bにその旨の信号を送信する。
次にCPU101は、全リールが停止した場合、有効な入賞ライン上に役が成立して入賞したかを判定し(S110)、入賞している場合には役ごとに設定した遊技価値を付与する。また、S110においては、特定の図柄組合せが有効ライン上に停止しているか否か等も判断され、メイン制御基板100Aにおけるゲーム状態の設定処理も実行される。次にCPU101は、当選フラグクリア処理を行う(S111)。S111では、そのゲームで成立した当選フラグがフラグの持ち越しできる特別役であれば、入賞した場合にだけ当選フラグをクリアし、入賞せずに取りこぼした場合には当選フラグをクリアせずそのままとする。一方、そのゲームで成立した当選フラグがフラグの持ち越しできない小役賞であれば、入賞したか、入賞しないで取りこぼしたかにかかわらずその当選フラグをクリアする。
次にCPU101は、再遊技賞に入賞したかを判定し(S112)、入賞したと判定した場合は、自動ベット処理を行い(S100a)、ステップS101に戻って次の遊技を開始する。入賞していないと判定した場合は、ステップS102で行ったベット操作の禁止を解除し(S113)、遊技メダルの投入又はMAXBETボタン11の入力の受け付けを行えるようにし、次のゲームの開始に備えるため、ステップS100へ戻る。
[4−2.サブ制御基板の処理について]
次に、図11を用いて、メイン制御基板100Aからのコマンドを受信した際のサブ制御基板100Bの処理について説明する。
S1501では、メイン制御基板100Aから受信した未処理コマンドがあるか否かを判定する。あればS1502に進む。なければ終了する。
S1502では、S1501で未処理コマンドと判定したコマンドが何のコマンドかを解析するコマンド解析を行う。
S1503では、内部抽選コマンドを受信したか否かを判定する。内部抽選コマンドは、スタートレバー12の押下が開始された際にメイン制御基板100Aからサブ制御基板100Bに送信される。内部抽選コマンドを受信した場合はS1504に進み、内部抽選コマンドでなければS1508に進む。
S1504では、AT抽選処理を行う。本実施形態のAT抽選処理は、上述したように内部抽選の結果等に応じて実行されるようになっている。
S1505では、遊技状態の設定処理を行う。具体的には、S1504のAT抽選処理でAT遊技の将来的付与が確定した場合には、原則的にAT準備状態に設定するように制御する。また、S1504にてAT遊技に当選しなかった場合であって、低確率状態等の場合には移行抽選を実行し、その結果に応じて遊技状態を設定する。また、S1504にてAT遊技に当選しなかった場合であって、AT状態、ペナルティ状態の場合には、継続ゲーム数を減算する処理を実行し、継続ゲーム数がとなった場合には、低確率状態等に移行するように設定する。
S1506では、演出セット処理を行うが、詳しくは後述する。
S1507では内部当選コマンドに基づくその他の処理を実行する。
次に、S1508では、停止ボタン受付コマンドを受信したか否かを判定する。メイン制御基板100Aは、ストップボタン13a〜13cの押下が開始されたタイミング及び、押下が開放されたタイミングにて、停止ボタン受付けコマンドを送信するものとなっており、この停止ボタン受付コマンドを受信した場合は、S1509に進んで停止コマンド受付時処理を実行し、そうでなければS1510に進む。
S1509の停止コマンド受付時処理については、詳細を後述するものとする。なお、S1509においては、遊技者にとって有利となる操作順序の報知や変則押しを許容する報知がされなかった遊技である場合に、基準操作順序が入力されたか否かが別途判断され、変則押しが入力されたものと判断される場合には、遊技状態設定手段PSは、ペナルティ遊技数として遊技者に5ゲーム付与してRAM195にてカウントし、遊技状態をペナルティ状態に設定する等の処理を実行する。
S1510では他のコマンドに応じたその他の処理を実行する。他のコマンドとは、たとえばデモ画面を表示させるデモコマンドをメイン制御基板100Aから受信した場合にデモ画面を表示したり、払出画面を表示させる払出コマンドをメイン制御基板100Aから受信した場合に払出画面を表示したりする。
[4−3.演出セット処理について]
ここで、S1506における演出セット処理について説明をする。図12(a)は、遊技機1における仮想3次元空間演出をセットする演出セット処理のフローチャートを示す図である。図12(a)の処理では、小役1グループBが内部当選し、図8で説明をしたような仮想3次元空間演出が実行される場合を前提としている。
まず、S1506aでは、演出制御部PCは、演出内容情報をROM194から取得する。演出内容情報は、内部抽選の結果に対応する演出テーブルを参照して取得されるものとなっている。また、仮想3次元空間演出にて表示される特定のオブジェクトの制御態様や、複数種類の視点制御の態様については、予めROM194に記録された複数の候補の中から、さらなる抽選処理を経てそれぞれ選択されるようにしてもよい。
次に、S1506bでは、S1506aで取得された演出内容情報に基づいて、仮想3次元空間VRの様子を示す視野画像を表示器30に表示する3次元画像表示を開始する。
具体的には、まず、演出内容情報に基づいて各オブジェクトや仮想カメラCMが配置された仮想3次元空間VRをRAM194上に生成する。そして、ジオメトリ処理によりワールド座標系から視点座標系への座標変換を行い、クリッピング処理も行う。その後、演出制御部PCは、レンダリング処理を行って、仮想カメラCMによる視野範囲に属する各オブジェクトを構成するポリゴンの頂点座標を導出し、テクスチャのマッピングを行って、RAM194上に仮想3次元空間の様子を表示する視野画像を生成する。このような視野画像を生成する一連の処理は、ROM194に格納されたプログラムに基づいて、所定時間(例えば1/60秒)毎に実行され、表示器30の視野画像が更新されるものとなっている。
[4−4.停止コマンド受付時処理について]
つぎに、S1509における停止コマンド受付時処理について説明をする。図12(b)は、図12(a)の場合と同様に、小役1グループBが内部当選し、図8で説明をしたような仮想3次元空間演出が実行される場合を前提としており、サブ制御基板100Bは、第1停止操作時〜第3停止操作時において、ストップボタン13a〜13bの押下の開始・開放時に送信される信号を、停止コマンドとして受付ける。
S1509aでは、まず、ストップボタン13a〜13bの押下の開始を示すコマンドであるか否かを判断し、YESの場合にはS1509bに進み、NOの場合(すなわち、押下の開放を示すコマンドである場合)には、S1509cに進む。
S1509bでは、押下されたストップボタンに対応して仮想3次元空間VRにおける仮想カメラCMの視点制御を開始して、停止コマンド受付時処理を終了する。このS1509bで開始された視点制御は、押下されたストップボタンが開放されるまで継続するものとなっており、ストップボタンの押下の開放時に受信する停止コマンドを受付けた場合に、仮想カメラCMの視点制御が終了されることとなる(S1509c)。
[5.変形例、その他について]
上記の本実施形態においては、各ストップボタン13a〜13cにより視線方向が変化するように制御されるが、視点位置が変化するように制御されても良く、図13(a)及び(b)のように、遊技者によるストップボタンの操作により、視点位置と視線方向の双方が変化するようになっていてもよい。仮想3次元空間演出において、視点位置と視線方向の双方が変化することで、2次元の画像による演出では得られない高い臨場感が得られることとなる。
図13(a)及び(b)は、視点制御の一例の様子を示すものであり、図13(a)は、第1停止操作に左ストップボタン13aを入力し、第2停止操作に右ストップボタン13cを入力し、第3停止操作に中ストップボタン13bを入力する場合の視点制御の例を示している。図13(a)で示されるように、左ストップボタン13aでは視線方向が左方向に変化し、右ストップボタン13cでは、視点位置が右方向に移動し、中ストップボタン13bでは視線方向が上方向に変化するようになっている。図13(a)のように、左ストップボタン13aと右ストップボタン13bのうち、一方の入力により視線方向が変化し、他方の入力により視点位置が変化するようにすることで、視野画像化される仮想3次元空間VR上の領域の重複が少なくなる。
また、図13(b)は、第1停止操作に右ストップボタン13cを入力し、第2停止操作に中ストップボタン13cを入力し、第3停止操作に左ストップボタン13cを入力する場合の視点制御の例を示しており、左・右ストップボタン13a、13cでは、視線方向が左方向又は右方向に変化をし、中ストップボタン13bでは視点位置が前方向(視線方向)に移動するようになっている。図13(b)のように視線方向と視線位置が変化をすることで、遊技者は仮想3次元空間VR上を探索する高い臨場感を得ることができる。
なお、第1の実施形態や変形例の場合には、各ストップボタン13a〜13cにより、視点位置および視線方向のいずれかが変化するようになっているが、例えば、いずれかのストップボタンの押下により、視点位置と視線方向とが同時に変化するような視点制御の態様であっても良い。また、第1の実施形態の場合においては、例えば、各ストップボタンの押下を開始して一定期間の経過後に、視線方向の変化を強制的に停止し、視線方向を固定するようにしてもよいし、押下の解放後には、視点位置や視線方向を所定位置等に自動的に移動するように設定されていても良い。また、視点制御部VCによる複数種類の視点の制御は、例えば、第1停止操作の入力を契機として実行され、第2停止操作や第3停止操作時には実行されないようになっていても良い。また、特定のオブジェクトとしては、図8(b)のように、各ストップボタン13a〜13cが未入力となる状態において、視野画像内に表示されるものであっても良いし表示されなくても良い。
なお、視点制御の種類としては、例えば、左ストップボタン13aを入力する際、あるいは、第1停止操作を入力する際のタイミングに応じて、視点制御の態様を決定するようにしても良い。この際、左ストップボタン13a等の入力の際に乱数による抽選が行われて視点制御の態様が決定されるのであっても良いし、例えば、左ストップボタン13a等の入力によって停止する図柄によって視点制御の態様を決定するようにしても良い。
なお、本実施形態では、長押しをする期間中(ストップボタンの押下を開始するタイミングから当該ストップボタンを開放するタイミングまでの期間)に、視点制御部VCによる視点の制御が実行されるようになっているが、視点の制御による変化量は、遊技者によるスタートレバー12やストップボタン13a〜13cの入力に関するタイミングによって設定される期間の長さによって決定されるようにすればよい。図14は、スタートレバー12と、第1〜第3停止ボタンの押下が開始されるタイミングと押下が開放されるタイミングによって設定される期間を説明するための図である。遊技者による入力に関するタイミングによって設定される期間としては、例えば、スタートレバー12の押下が開始するタイミングを起点とし、第1停止ボタンの押下開始のタイミング又は押下開放のタイミングを終点とする期間としてもよい。また、例えば、301の期間中に1つ目の視点制御が実行され、302の期間中や303の期間中に、入力されたストップボタンに対応する2つ目、3つ目の視点制御が実行されるようにしても良い。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の遊技機1について説明をする。
第1の実施形態の遊技機1は、操作順序の報知等が無い状態にて小役1グループB〜小役1グループDが内部当選した場合に、上述の仮想3次元空間演出が所定の確率で発生する場合を例にして説明をしているが、第2の実施形態の遊技機1では、AT状態において小役1グループB〜1グループDが内部当選した場合に仮想3次元空間演出が発生するものとなっている。
図15は、スタートレバー12を押下した際に、図8(b)の場合と同様に忍者オブジェクトおよび煙オブジェクトが表示された後に、煙の中から左へ向かう忍者オブジェクトが表示される様子を示すものとなっている。このように第2の実施形態の遊技機1では、操作順序役が内部当選した際に、忍者オブジェクトが再生成される位置を示唆するような表示が実行される。なお、左へ向かう忍者オブジェクトとしては、図15のように瞬間的に表示されるものであっても良いし、忍者オブジェクトが左方向に徐々に移動して視野画像の外の座標に移るようにしてもよい。
第2の実施形態の遊技機1は、第1の実施形態の場合と同様に、左、中、右ストップボタン13a〜13cの入力により、それぞれ、左方向、上方向、右方向への視点制御が実行され、視線や視点の移動方向が遊技者にとって予想しやすくなっている。このため図15のように、煙オブジェクトの後側から左に向かう忍者オブジェクトが表示されることで、いずれの方向に視線や視線を変化させるべきかが遊技者に示唆され、遊技者にとって最も有利となる操作順序が提示されることとなる。
またさらに、第2の実施形態の遊技機1では、左ストップボタン13aの押下により忍者オブジェクトが視野画像内に表示されると、第2停止操作時および第3停止操作時において、仮想カメラCMが忍者オブジェクトに追従するように制御される。
図16は、第2の実施形態の遊技機1において、忍者オブジェクトの表示後に仮想カメラCMが追従制御に切り替わる様子を説明するための図である。
オブジェクト制御部OCは、具体的には、まず、スタートレバー12の開放後に、忍者オブジェクトを第1の地点aに再生成をし、第1停止操作の開放後は、忍者オブジェクトの配置を第2の地点bに変更し、第2停止操作の開放後は第3の地点cに変更する。
そして、忍者オブジェクトが左ストップボタン13aの押下による視点制御によって視野画像内に表示された場合には、図16(a)のように忍者オブジェクトが強調表示される。忍者オブジェクトの強調表示後、図16(b)で示されるように、視点制御部VCは、第2停止操作の押下の開始時、および、第3停止操作の押下の開始時に、忍者オブジェクトが配置された地点bや地点cに向かうようにシームレスに視線方向VDを変更し、これにより、忍者オブジェクトに追従する視点制御を実行する。
なお、本実施形態の場合には、遊技者に3択の操作順序を提示する小役1グループBの当選を契機としているので、第1の地点aとしては、初期の視線方向VDから左側となる複数の座標点のいずれかが選択されるが、第2の地点bおよび第3の地点cについては、仮想3次元空間内であって視野画像として表示される範囲内であれば、中ストップボタン13bや右ストップボタン13cの押下によって開始される視線制御態様に関わらず、いずれの座標点に設定をしても良い。
このように、忍者オブジェクトが表示されて仮想カメラCMの制御が追従制御に切り替わることで、演出のバリュエーションが増大する。なお、第1の実施形態のように操作順序の報知を伴わない場合であっても、第1停止操作の開放時等に忍者オブジェクトの配置を変更し、第2停止操作以降で追従制御が実行されるようにしても良い。また、追従制御においては、視線方向の変更ではなく視点位置の変更により特定のオブジェクトを追従して視野画像内に表示をするようにしても良い。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の遊技機1について説明をする。
第1の実施形態及び第2の実施形態の遊技機1は、小役1グループB〜小役1グループDが内部当選した場合に仮想3次元空間演出が発生するものとなっているが、第3の実施形態においては、小役2及び3の一方が内部当選をした場合に、仮想3次元空間内に星印のオブジェクト(特定のオブジェクト)が生成されるようになっている。そして、遊技者によるストップボタン等の入力にしたがって、視野画像内に星印のオブジェクトが表示されることを契機として、遊技者に対して予め定められた特典が付与されるようになっている。
図17は、第3の実施形態における仮想3次元空間演出の一例を説明するものであり、左ストップボタン13aを押下した際に視線方向VDが変化する様子を示すものとなっている。第3の実施形態では、星印のオブジェクトが1つ表示される毎に、報知ゲーム抽選部ALによる処理とは別に、報知ゲーム付与部AGにより1ゲームの報知遊技が付与されるようになっている。
第3の実施形態のように、仮想3次元空間VR内において特定のオブジェクトを発見することで遊技者に特典が付与される場合には、仮想3次元空間演出の価値が向上し、遊技機の興趣性が向上することとなる。なお、遊技者に付与する特典としては、例えば、特定のオブジェクトを視野画像内に表示させることで報知ゲーム抽選部ALによる抽選機会を付与するようにするものであっても良いし、他の特典であっても良い。
また、オブジェクト制御部OCは、仮想カメラCMによる視点の制御量に応じて、視点からの距離や視線方向との角度が変化するように星印のオブジェクトを移動させても良い。これにより、星印オブジェクトを視野画像内に表示しにくくでき、演出のバリュエーションの向上に寄与することができる。また、例えば、スタートレバー12の押下の開始後、仮想3次元空間内に所定の期間(例えば、5秒)だけ生成されるようにすることで、星印オブジェクトを探す制限時間を与えるようにしても良い。
[その他]
なお、上記の各実施形態においては、操作順序役や小役2及び3が内部当選した場合に仮想3次元空間演出を発生させているが、例えば、特別役が内部当選してフラグが持ち越されている場合に、仮想3次元空間演出を発生し、内部当選を告知するようにしても良い。この場合には、例えば、仮想カメラCMの真上に多数の赤セブンのオブジェクトを配置し、遊技者が中ストップボタン13bの長押し等をすることで、視線方向VDが上方に向けられて赤セブンが発見されるようにしてもよい。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態における操作順序役は、3通りの操作順序のうちから1つの操作順序を選択する操作順序役となっているが、例えば、6通りの操作順序や4通りの操作順序のうちから1つの操作順序を選択する操作順序役となっていても良い。また、操作順序役としては、再遊技役であっても良い。なお、6通りの操作順序のうちから1つの操作順序を選択する操作順序役の場合には、第1停止操作時〜第3停止操作時に実行される複数種類の視点制御のそれぞれにおいて、忍者オブジェクトが表示可能となるようにしても良いし、いずれか1つのみにおいて、忍者オブジェクトが表示可能となるようにしても良い。
なお、第1の実施形態をはじめとする各実施形態の操作順序役では、不適正な操作順序を入力した場合に、適正な操作順序を入力した場合よりも払出しが得られる確率が低くなり、払出しが得られなかった場合には「ベルこぼし目」が表示されるようになっているが、例えば、遊技機1が複数の有効ラインを有して、不適正な操作順序を入力した場合に、払出し数の少ない小役が複数の有効ラインに停止するように制御される操作順序役であっても良い。また、不適正な操作順序を入力した場合には、適正な操作順序を入力する場合よりも少ない有効ラインに小役が停止するように制御される操作順序役であっても良い。
なお、本実施形態においては、入賞ラインがリール窓20の中央となる入賞ラインL1のみとされているが、複数の入賞ラインを備えた遊技機であっても本発明が適用されることはいうまでもない。
なお本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。