JP2014085318A - 蓄光標識用の輝度測定装置および方法 - Google Patents

蓄光標識用の輝度測定装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄光標識の定期点検時に、より短時間で残光輝度を測定できる装置が望まれていた。
【解決手段】蓄光標識1を遮光するための遮光カバー11を有し、遮光カバー11内には励起光源14および簡易輝度計15が備えられている。励起光源14は、環境光のたとえば7倍の1400ルクスの光を照射できる。励起光照射後、蓄光標識1から放出される残光輝度は簡易輝度計15で測定され、残光輝度の減衰量の変化と経過時間とに基づいて、たとえば20分後の蓄光標識1の残光輝度を、たとえば約13秒という短時間の間に算出することができる。
【効果】蓄光標識1の残光輝度の検査時間を大幅に短縮することができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、蓄光標識の残光輝度を測定するための輝度測定装置およびその測定方法に関する。
蓄光物質を使用した避難誘導表示等の蓄光標識が公知である。蓄光標識は、消費電力がなく、いわゆるエコな標識であり、公共施設やビル内での誘導標識等に導入を検討するケースが増えている。
しかし、蓄光標識は、火災警報器と同様、消防法に基づき定期点検(定期的な残光輝度性能のチェック)を実施する必要がある。
従来の定期点検で使用される検査装置としては、特許文献1に記載の残光輝度測定装置や、特許文献2に記載の蓄光輝度測定器が提案されている。
特開2006−250914号公報 特開2007−170944号公報
蓄光標識は、定期点検を実施するにあたり、電光式誘導標識と比較して、検査に著しく時間がかかり、優れた標識であるにもかかわらず、その導入が敬遠される傾向があった。
蓄光標識の定期点検に使用可能な従来の残光輝度測定装置や蓄光輝度測定器では、一定時間の間の残光輝度を検出し、その検出値に基づいてたとえば20分後や60分後の残光輝度を予測して算出することにより、測定時間の短縮が図られている。
しかし、従来の測定装置や測定器においては、残光輝度の測定時間を短縮してはいるものの、それでも電光式誘導標識の定期点検等と比較して時間を要し、より短時間で残光輝度を測定できる装置が望まれていた。
この発明は、かかる背景のもとになされたものであり、短時間の検査で、蓄光標識の所定時間後の残光輝度を算出できる蓄光標識用の輝度測定装置を提供することを主たる目的とする。
この発明は、また、蓄光標識の定期点検等において、実用的で容易にかつ短時間で蓄光標識の残光輝度を測定できる輝度測定装置を提供することを他の目的とする。
この発明のさらに他の目的は、蓄光標識の残光輝度を短時間で測定することのできる新規な測定方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本願発明者は、蓄光物質(蓄光標識)に対し、環境光よりも照度の大きな強制励起光を照射したとき、蓄光物質(蓄光標識)から放出される蓄光に基づく残光の輝度の減衰度が強制励起光を照射しない場合と比較して急峻になることを発見するとともに、強制励起光の照度と減衰速度との関係を実験により突き止め、本願発明をなしたものである。
具体的には、請求項1記載の発明は、測定対象である蓄光標識を遮光する遮光手段と、遮光された蓄光標識に対し、通常付与される環境光の所定倍の照度の光を照射する光照射手段と、前記光照射手段から光が照射された後の前記蓄光標識の残光輝度の変化を時間の経過とともに検出する残光輝度検出手段と、前記残光輝度検出手段で得られた残光輝度の変化および経過時間に基づいて、所定時間後の前記蓄光標識の残光輝度を推定して算出する残光輝度算出手段と、を含むことを特徴とする、蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項2記載の発明は、前記遮光手段は、前記蓄光標識の表面に密接し、当該表面の前方を覆って当該表面を外光から遮光するカップ状遮光部材を含むことを特徴とする、請求項1記載の蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項3記載の発明は、前記カップ状遮光部材は、前記蓄光標識の表面に密接させた状態で、前記蓄光標識に係止させるための係止部材を含むことを特徴とする、請求項2記載の蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項4記載の発明は、前記光照射手段は、前記カップ状遮光部材内に設けられ、前記表面を照射するように向けられ、前記蓄光標識を励起して蓄光をさせるために光を照射する1つまたは複数の光源を含むことを特徴とする、請求項2または3記載の蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項5記載の発明は、前記光源はLEDを含むことを特徴とする、請求項4記載の蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項6記載の発明は、前記残光輝度検出手段は、前記カップ状遮光部材内に設けられ、前記蓄光標識の表面から放出される蓄光に基づく残光を検出する輝度計を含むことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項7記載の発明は、前記残光輝度算出手段は、
B(t)=B(0)×NF(t/τ)・・・(1)
NF(t)=F(t)/F(0) ・・・(2)
NF(t/τ) ・・・(3)
ただし、
B(0)は、光照射手段で光を照射する前の残光輝度初期値、
F(0)は、光照射手段で光を照射後の残光輝度初期値、
F(t)は、光照射手段で光を照射して後経過時間t後の残光輝度
測定値、
NF(t)は、F(0)で正規化された残光輝度測定値、
τは、環境光を与えられたときの残光輝度の減衰速度と、光照射手
段で環境光の所定倍の照度の光が与えられたときの残光輝度の減衰速
度との比、
NF(t/τ)は、経過時間tにおける残光輝度の減衰率、
上記式(1)〜(3)を用いて演算を行い、経過時間t後の残光輝度B(t)を算出することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項8記載の発明は、前記残光輝度算出手段は、前記遮光手段とは別体として設けられ、前記遮光手段と通信によりデータの送受信を行えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項9記載の発明は、前記環境光の所定倍の照度の光は、環境光の照度の2倍以上の光であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項10記載の発明は、前記所定倍は、7倍であることを特徴とする、請求項9記載の蓄光標識用の輝度測定装置である。
請求項11記載の発明は、測定対象である蓄光標識を遮光し、遮光直後の輝度初期値を測定するステップと、遮光された蓄光標識に対し、通常付与される環境光の所定倍の照度の光を照射するステップと、前記所定倍の照度の光が照射された後の蓄光標識の残光輝度の変化を時間の経過とともに検出するステップと、検出された残光輝度の変化および時間経過に基づいて、所定時間後の蓄光標識の残光輝度を算出するステップと、を含むことを特徴とする、蓄光標識用の輝度測定方法である。
請求項12記載の発明は、前記光を照射するステップで、照射する光は環境光の2倍以上の照度の光であることを特徴とする、請求項11記載の蓄光標識用の輝度測定方法である。
本願発明によれば、光照射手段で照射する強制励起光の照度が環境光の所定倍であり、このため、検出される残光輝度も、極めて短時間で明確な減衰特性を示す。よって、極めて短時間で検出した残光輝度の減衰特性から、通常付与される環境光で励起された蓄光標識の残光輝度の減衰特性を予測でき、その結果、所定時間後の蓄光標識の残光輝度を正確に推定して算出することができる。
この発明によれば、短時間、たとえば10数秒〜数10秒程度で、蓄光標識の残光輝度を測定することができる。
請求項2または請求項3記載のように、遮光手段をカップ状遮光部材を含む構成とすれば、蓄光標識の測定がし易い装置となる。しかも、請求項3記載のように係止部材を設ければ、測定時にカップ状遮光部材をセットして手で押さえておく必要がなく、いわゆるハンズフリーでの測定も可能となる。
請求項4記載のように、光照射手段は、カップ状遮光部材内に設けるのが小型化に有利であり、また、要求される光の照度を満足するために、光源は1つまたは複数備えられていてもよい。そして、請求項5に記載のように、光源をLEDとすることにより、より小型化を実現できる。
また、請求項6記載のように、残光輝度検出手段を、カップ状遮光部材内に設けられた輝度計とすることにより、装置の小型化を実現できる。
残光輝度算出手段が、請求項7記載の演算式を用いて演算する構成とすれば、簡単なソフトウェアで正確にかつ迅速に残光輝度を算出することができる。
請求項8記載のように、残光輝度算出手段を遮光手段と別体とし、両者間でデータの送受信を行える構成とすれば、測定対象である蓄光標識が多数備えられている場合に、各蓄光標識に対し遮光手段をセットするだけで残光輝度が測定できるので、使い勝手が良い。また、この構成において、1つの残光輝度算出手段に対し、複数の遮光手段とデータの送受信が行える構成とすれば、遮光手段を複数用意して、並列的に複数の蓄光標識の残光輝度を測定できる。よって、検査時間をより短縮できる輝度測定装置とすることができる。
強制励起用の光の照度は、環境光の照度の2倍以上であることが好ましく(請求項9)、さらに7倍以上であってもよい(請求項10)。
請求項11および12記載の輝度測定方法を用いれば、測定時間を従来の測定時間の数10分の1に短縮した測定方法とすることができる。
図1は、測定対象である蓄光標識1の一例を示す図である。 図2は、この発明の一実施形態に係る輝度測定装置10の概略構成ブロック図である。 図3は、図2に示す輝度測定装置10によって蓄光標識1の残光輝度を測定する場合の光の照射および残光輝度検出のタイミングチャートの一例を示す図である。 図4は、図2に示す輝度測定装置10によって蓄光標識1の残光輝度を測定する測定動作のフローチャートの一例を示す図である。 図5は、図4に示すフローチャートの変形例である。 図6は、残光輝度算出手段としてのCPU17において行われる演算処理の内容をまとめたものである。 図7は、輝度測定装置10における遮光カバー11の変形例を示す図である。 図8は、この発明の他の実施形態に係る輝度測定装置の構成を表わすブロック図である。 図9は、実施例として検証した実験方法を説明するものである。 図10は、励起条件1における試料1(S50)の減衰特性を示すグラフである。 図11は、励起条件2における試料1(S50)の測定結果を示すグラフである。 図12は、図10の減衰特性と、図11の減衰特性とを同一のグラフに表わした図である。 図13は、励起条件2における試料1の減衰特性と、それを正規化した残光輝度の減衰特性とを示すグラフである。 図14は、励起条件1における試料1の正規化した残光輝度の減衰特性を示すグラフである。 図15は、図13に示す減衰特性と図14に示す減衰特性とを重ね合わせて表示したグラフである。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明をする。
図1は、測定対象である蓄光標識(蓄光式避難誘導標識)の一例を示す図である。蓄光標識1は、たとえば正方形のパネルであり、白で表わされた発光領域2は蓄光物質(アルミン酸ストロンチウム、アルミン酸カルシウム、硫化亜鉛など)を含有する材料で形成されている。発光領域2は、光が照射される間に、光により励起されて蓄光する。そして光が与えられなくなったとき、すなわち周囲が暗くなったときに、可視光(燐光)を放出し、人はそれを視認することができる。この燐光は、時間の経過とともに減衰し、やがて視認できなくなる。
この実施形態に係る輝度測定装置は、このような蓄光板が放出する燐光(この明細書では、以下「残光」という。)の輝度が、消防法等で定められた、たとえば20分後、60分後に、予め定める輝度を維持しているか否かを検査する装置である。
図2に、この発明の一実施形態に係る輝度測定装置の概略構成ブロック図を示す。
輝度測定装置10は、壁面や床面等に配置された蓄光標識(蓄光式誘導標識)1の残光輝度を測定するために、当該蓄光標識1を遮光するための遮光手段としての遮光カバー11を有している。遮光カバー11は、蓄光標識1の表面前方を覆って、当該蓄光標識1の表面を外光から遮蔽する。そのため、遮光カバー11は、カップ状(または椀状、ドーム状、一面が開放したボックス状)になっていることが望ましい。遮光カバー11の蓄光標識1に当接する(または蓄光標識1の周囲に当接する)端縁部12には、ゴム等でできた遮光用弾性体13が備えられている。遮光用弾性体13により、遮光カバー11と、壁面、床面等の間の隙間、または遮光カバー11と蓄光標識1の表面との間の隙間が塞がれ、遮光カバー11によって蓄光標識1は、外光から完全に遮断される。
遮光カバー11内には、光照射手段として、たとえば2つの励起光源14、14が備えられている。励起光源14は、たとえば白色LEDで構成されている。この実施形態では、2つの励起光源14、14により、1400ルクス(lux)の光を照射できる構成となっている。なお、この実施形態では、励起光源14を2個備えたものを示したが、励起光源14は1個でもよいし、3個以上でも構わない。
遮光カバー11内には、さらに、残光輝度検出手段としての簡易輝度計15が備えられている。簡易輝度計15は、蓄光標識1から放出される残光(燐光)の輝度を検出する。
励起光源14、14および簡易輝度計15は、制御基板16に接続され、制御基板16によって発光および残光輝度の検出が制御される。制御基板16は、この実施形態では、遮光カバー11と一体になるように構成されている。
さらに、制御基板16には残光輝度算出手段として機能するCPU17が接続されており、CPU17には表示部18が接続されている。表示部18には、CPU17により算出された残光輝度の算出結果が表示される。
上述の構成において、遮光カバー11および制御基板16を備える部分を検出部とし、CPU17および表示部18を備える部分を本体部として、2つの構成部材に分割してもよい。そしてその場合は、制御基板16とCPU17との間のデータの送受信を通信で行うようにしてもよい。そうすれば、検出部を測定対象である蓄光標識1に対してセットし、その場所からやや離れた場所に設けた本体部を操作して、蓄光標識1の残光輝度測定を行える。
図3は、図2に示す輝度測定装置10によって蓄光標識1の残光輝度を測定する場合の光の照射および残光輝度検出のタイミングチャートの一例を示す。
図2および図3を参照して、タイミングを説明する。蓄光標識1は、遮光カバー11が被せられる前は、環境光により励起されている。そして時刻t0において遮光カバー11で覆われ、環境光が遮光される。そこで、環境光を遮光直後の蓄光標識1の残光輝度初期値B(0)を測定する。
次いで、時刻t1において、励起光源14、14を発光させ、蓄光標識1に励起光を照射する。照射時間は1分以下であり、好ましくは10秒以下である。この実施形態では、5秒間励起光を照射する。
励起光源14により照射する励起光の照度は、環境光の2倍以上の照度が必要である。この実施形態では、環境光の7倍(1400ルクス)の光を照射する。
励起光源14による励起光の照射を停止後、すなわち消灯直後の時刻t2から、蓄光標識1から放出される残光輝度を簡易輝度計15により測定する。蓄光標識1から放出される残光は、強烈なパルス光照射で励起されたことに基づく残光であり、残光輝度の減衰カーブが急峻になる。
なお、照度と照射時間により減衰カーブ(減衰特性)が変わってくるので、予め材料のデータを取っておく必要がある。
残光輝度の測定は、遅くとも時刻t3のタイミングで終えることができる。この実施形態では、t1が0秒とすると、t2は5秒、t3は18秒である。
つまり、後述するように、この実施形態に係る輝度測定装置10によれば、蓄光標識1の消灯20分後の残光輝度を、13秒(強制的な励起光照射時間を含まず)という短時間で測定できる。電子体温計等で使用されている公知の予測技術を用いると、20分を3分に短縮することができる。そして、本発明の技術を用いることにより、本実施例では14分の1に短縮できるので、3分/14が実現し、約13秒で測定が可能となる。
図4は、図2に示す輝度測定装置10によって蓄光標識1の残光輝度を測定する測定動作のフローチャートの一例を示す。
図2および図4を参照して、説明する。測定場所の室内照明等が消灯されており、環境光が照射されていない場合には、まず、測定対象である蓄光標識1を遮光カバー11で覆うのに先駆けて、蓄光標識が設置してある場所のたとえば照明灯を点灯して、蓄光標識1に環境光を照射する(環境光照射A、ステップS1)。
一定時間の環境光の照射の後、遮光カバー11で蓄光標識1を覆う。そして簡易輝度計15により残光輝度初期値B(0)を測定する(ステップS2)。
次いで、励起光源14を点灯して、励起光を蓄光標識1に照射する(ステップS3)。この実施形態では、励起光源14、14により、1400ルクスの光を5秒照射するという励起光照射Bを行う。
励起光源14を消灯後(励起光照射Bの終了後)、すぐに簡易輝度計15により残光輝度の測定を開始し、一定期間、たとえば18秒間残光輝度を測定する(ステップS4)。
そしてその結果をCPU17により演算し、演算結果として所定時間後(たとえば、20分後)の蓄光標識1の残光輝度を算出する(ステップS5)。この演算は、後述するように、正規化した残光輝度を基に計算を行う。
そして、結果を表示部18に表示する(ステップS6)。
図5は、図4に示すフローチャートの変形例である。図5に示す測定のフローチャートは、測定開始前から蓄光標識1が室内照明(蛍光灯など)により継続的に照明されて励起されていた場合の測定処理を示している。この場合、図4のフローチャートで説明したステップS1の環境光照射Aの処理を省略することができる。従って、図5のフローチャートでは、図4のフローチャートと比較して、ステップS1が省略され、ステップS2からステップS6の処理が行われる。
図6は、残光輝度算出手段としてのCPU17において行われる演算処理の内容をまとめたものである。
図6を参照して説明する。励起光源14により励起光照射Bを行う前の、簡易輝度計15により測定した残光輝度測定値を、B(t)とする。ここで、tは経過時間を表わしている。そうすると、励起光源14により励起光を照射する前の残光輝度初期値は、B(0)である。
次いで、ステップS3(図4、図5を参照)の励起光照射Bを行った後の、簡易輝度計15により測定された残光輝度測定値をF(t)とする。ここで、tは経過時間を示す。
すると、励起光照射Bを行った直後の残光輝度初期値は、F(0)である。
そこで、F(0)で正規化した輝度測定値は、
NF(t)=F(t)/F(0) ・・・(2)
と表わせる。
次に、時間倍率τを定義する。τは、予め材料のデータを測定して求められた値である。τは、測定開始時の残光輝度初期値F(0)で規格化した残光減衰曲線において、強力な励起光照射B後の残光減衰速度と、通常の残光減衰速度との比を表わしている。この実施形態の場合、τ=14であることが、予め測定された材料のデータから分かっている。
そこで、CPU17は、時間tにおける残光輝度の減衰率を、
NF(t/τ) ・・・(3)
の式に基づいて算出する。
従って、時間tにおける残光輝度B(t)は、
B(t)=B(0)×NF(t/τ) ・・・(1)
と演算により求めることができる。
このように、強力な励起光を短時間照射することにより、時間tにおける残光輝度を、時間t/τにおける正規化残光輝度から予測して算出することができる。
図7は、輝度測定装置10における遮光カバー11の変形例を示す。図7において、遮光カバー11内に励起光源14および簡易輝度計15が備えられており、励起光源14および簡易輝度計15は遮光カバー11と一体化された制御基板16に接続されている構成は、先に説明した実施形態(図2参照)と同様である。
図7に示す実施形態では、遮光カバー11に備えられた遮光用弾性体13が、リング状の環状吸盤21で構成されている点が特徴である。このように蓄光標識1の表面を覆う遮光カバー11の端縁部12に環状吸盤21を設けることにより、遮光カバー11を環状吸盤21を介して遮光標識1の表面に押しつけることにより、その後は、遮光カバー11から手を離しても、遮光カバー11が蓄光標識1の表面に貼り付けられた状態を維持できる。
従って、残光輝度の測定中、遮光カバー11で蓄光標識1を覆い、その状態を手で保持しておく手間が省ける。
なお、環状吸盤21に代え、遮光カバー11を蓄光標識1の表面にセットした状態を保てる係止具が備えられた構成としてもよい。
図8は、この発明のさらに他の実施形態に係る輝度測定装置の構成を表わすブロック図である。
図8に示すように、輝度測定装置を、1台の本体部30と、この本体部30と無線通信でデータの送受信が可能な複数個の遮光カバーユニット11a、11b、11cとを有する構成としてもよい。このようにすると、第1の遮光カバーユニット11aを測定対象である第1の蓄光標識にセットし、第2の遮光カバーユニット11bを測定対象である第2の蓄光標識11bにセットし、さらに第3の遮光カバーユニット11cを測定対象である第3の蓄光標識1cにセットして、複数の蓄光標識1の残光輝度を並列的に測定することが可能となる。通常、蓄光標識1は、建物内等に複数設置されており、それらを個別に検査する必要がある。図8に示す実施形態を用いれば、複数の蓄光標識1が並列的に検査でき、より短時間で検査を終えることが可能となる。
上述の説明は、この発明の一実施形態の説明にすぎず、この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下、具体的な実施例を説明する。
図9は、実施例として検証した実験方法を説明する図である。
実験では、株式会社ネモト・セーフテック製の型番「S50 UG−FD−A」(試料1)および型番「S200 EGS−FD−A」(試料2)を測定対象の蓄光標識(蓄光式誘導標識)1とし、それぞれの型番の蓄光標識1について実験を行った。
実験では、蓄光標識1における蓄光領域上に測定位置に定め、その測定位置に対して、励起方法として、
(1)自然励起:室内蛍光灯(200ルクス)で20分間照明
(2)強制励起:白色LED電球(1400ルクス)で5秒間照明
をした。
そして、測定位置から垂直に8mm離れた位置に輝度測定プローブの先端を対向させて、残光輝度を測定した。
輝度測定プローブに接続された輝度計本体は、デルタOHM社製のHD2102.2を用いた。
この輝度計は、光角2°、分解能0.1cd/m2、測定範囲0.1〜1999.9cd/m2、測定間隔1秒の性能で、測定結果を通信I/Fを通じて制御基板16へ送る。
そして、励起条件1として、上記(1)の自然励起をして、消灯後60分間の残光輝度測定を行った。
また、励起条件2として、上記(1)の自然励起およびその後に(2)の強制励起を行い、消灯後60分間の残光輝度測定を行った。
図10に、励起条件1における試料1(S50)の残光輝度減衰特性を示す。図10において、縦軸は残光輝度で、横軸は経過時間を示している。
図11に、励起条件2における試料1(S50)の測定結果を示す。
この測定結果を同一のグラフに示すと、図12のグラフとなる。
図13のグラフは、励起条件2における試料1の残光輝度減衰特性(図11のグラフ)を正規化したグラフと、それを時間軸方向にτ倍(14倍)引伸ばしたものとを示している。そして図14は、励起条件1における試料1の正規化した残光輝度減衰特性を示している。
図13に示す励起条件2における正規化した残光輝度減衰特性を時間軸方向にτ倍(14倍)引伸ばしたグラフと、図14に示す励起条件1における正規化した残光輝度減衰特性を時間軸方向にτ倍(14倍)引伸ばしたグラフとを重ね合わせると、図15に示すように、両者の減衰特性は一致する。
また、試料2についても、同様の実験を行った結果、試料1と同じく、励起条件2における正規化した残光輝度減衰特性と、励起条件1における正規化した残光輝度減衰特性との、減衰特性が一致することが確認できた。
このことから、環境光(200ルクス)よりも高照度(1400ルクス)の励起光を短時間(5秒)照射することで、正規化した残光輝度減衰特性が、本来の測定条件よりも約14倍速く減衰したことから、残光輝度減衰特性の加速試験を実施できることが検証できた。
なお、本実施例においては、励起光源14の発光輝度が規定値の範囲内にあるか否かのモニターをすることの記載がないが、従来技術の手法により適宜モニターし、輝度値を維持しておくことは容易なので、説明を省略している。
この発明は、蓄光標識の定期的な残光輝度性能の検査において、検査を短時間で行える輝度測定装置および方法を提供でき、蓄光標識設置後、消防法に基づく検査において、検査時間の大幅な短縮を実現することができる。
1 蓄光標識
10 輝度測定装置
11 遮光カバー
13 遮光用弾性体
14 励起光源
15 簡易輝度計
16 制御基板
17 CPU
18 表示部
21 環状吸盤

Claims (12)

  1. 測定対象である蓄光標識を遮光する遮光手段と、
    遮光された蓄光標識に対し、通常付与される環境光の所定倍の照度の光を照射する光照射手段と、
    前記光照射手段から光が照射された後の前記蓄光標識の残光輝度の変化を時間の経過とともに検出する残光輝度検出手段と、
    前記残光輝度検出手段で得られた残光輝度の変化および経過時間に基づいて、所定時間後の前記蓄光標識の残光輝度を推定して算出する残光輝度算出手段と、
    を含むことを特徴とする、蓄光標識用の輝度測定装置。
  2. 前記遮光手段は、前記蓄光標識の表面に密接し、当該表面の前方を覆って当該表面を外光から遮光するカップ状遮光部材を含むことを特徴とする、請求項1記載の蓄光標識用の輝度測定装置。
  3. 前記カップ状遮光部材は、前記蓄光標識の表面に密接させた状態で、前記蓄光標識に係止させるための係止部材を含むことを特徴とする、請求項2記載の蓄光標識用の輝度測定装置。
  4. 前記光照射手段は、前記カップ状遮光部材内に設けられ、前記表面を照射するように向けられ、前記蓄光標識を励起して蓄光をさせるために光を照射する1つまたは複数の光源を含むことを特徴とする、請求項2または3記載の蓄光標識用の輝度測定装置。
  5. 前記光源はLEDを含むことを特徴とする、請求項4記載の蓄光標識用の輝度測定装置。
  6. 前記残光輝度検出手段は、前記カップ状遮光部材内に設けられ、前記蓄光標識の表面から放出される蓄光に基づく残光を検出する輝度計を含むことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の蓄光標識用の輝度測定装置。
  7. 前記残光輝度算出手段は、
    B(t)=B(0)×NF(t/τ)・・・(1)
    NF(t)=F(t)/F(0) ・・・(2)
    NF(t/τ) ・・・(3)
    ただし、
    B(0)は、光照射手段で光を照射する前の残光輝度初期値、
    F(0)は、光照射手段で光を照射後の残光輝度初期値、
    F(t)は、光照射手段で光を照射して後経過時間t後の残光輝度
    測定値、
    NF(t)は、F(0)で正規化された残光輝度測定値、
    τは、環境光を与えられたときの残光輝度の減衰速度と、光照射手
    段で環境光の所定倍の照度の光が与えられたときの残光輝度の減衰速
    度との比、
    NF(t/τ)は、経過時間tにおける残光輝度の減衰率、
    上記式(1)〜(3)を用いて演算を行い、経過時間t後の残光輝度B(t)を算出することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄光標識用の輝度測定装置。
  8. 前記残光輝度算出手段は、前記遮光手段とは別体として設けられ、前記遮光手段と通信によりデータの送受信を行えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の蓄光標識用の輝度測定装置。
  9. 前記環境光の所定倍の照度の光は、環境光の照度の2倍以上の光であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の蓄光標識用の輝度測定装置。
  10. 前記所定倍は、7倍であることを特徴とする、請求項9記載の蓄光標識用の輝度測定装置。
  11. 測定対象である蓄光標識を遮光し、遮光直後の輝度初期値を測定するステップと、
    遮光された蓄光標識に対し、通常付与される環境光の所定倍の照度の光を照射するステップと、
    前記所定倍の照度の光が照射された後の蓄光標識の残光輝度の変化を時間の経過とともに検出するステップと、
    検出された残光輝度の変化および時間経過に基づいて、所定時間後の蓄光標識の残光輝度を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする、蓄光標識用の輝度測定方法。
  12. 前記光を照射するステップで、照射する光は環境光の2倍以上の照度の光であることを特徴とする、請求項11記載の蓄光標識用の輝度測定方法。
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