JP2014083829A - 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電アクチュエータ基板と流路部材とを積層する際に、ビアホール導体周囲にクラックの生じ難い液体吐出ヘッドおよび記録装置を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッドは、セラミック層21aと圧電セラミック層21bとが積層されており、一対の電極34、35とそれらに挟まれた圧電セラミック層21bを含む加圧部50を備えている圧電アクチュエータ基板21と、圧電アクチュエータ基板21のセラミック層21a側の下に積層されており、加圧室10および吐出孔8を備えている流路部材4とを含む液体吐出ヘッドであって、圧電アクチュエータ基板21は、一対の電極34、35のうちの圧電アクチュエータ基板21内部にある内部電極34と電気的に接続されていて、圧電セラミック層21bを貫通しているビアホール導体37aを備えており、流路部材4はビアホール導体37の直下に凹部22aを備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、液滴を吐出させる液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置に関する。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。
このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および記録媒体より主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態で、副走査方向に搬送されてくる記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。
シリアル式、ライン式のいずれの方式の液体吐出ヘッドであっても、液滴を高い密度で印刷するには、液体吐出ヘッドに形成されている、液滴を吐出する液体吐出孔の密度を高くする必要がある。
そこで液体吐出ヘッドを、マニホールドおよびマニホールドから複数の液体加圧室をそれぞれ介して繋がる液体吐出孔を有した流路部材と、前記液体加圧室をそれぞれ覆うように設けられた、複数の個別電極と複数の個別電極に対向している共通電極とそれらに挟まれている圧電セラミック層とを含む複数の変位素子を有する圧電アクチュエータ基板とを積層して構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この圧電アクチュエータ基板には、各個別電極間、あるいは共通電極間を電気的に接続するために圧電セラミック層を貫通するビアホール導体が設けられている。
特開2003−305852号公報
特許文献1に記載されているような液体吐出ヘッドでは、圧電アクチュエータ基板と流路部材を接合する際、圧電アクチュエータ基板のビアホール導体が形成された部分が、ビアホール導体が形成されていることにより厚さが異なったり、その部分に圧電セラミック層がないことにより、その周囲の圧電セラミック層などにクラックが生じることがあり、ショートの原因になったり、クラックを通じて圧電アクチュエータ基板と流路部材を接合する接着剤が、変位素子に付着して、変位量を低下させることがあった。
したがって、本発明の目的は、圧電アクチュエータ基板と流路部材とを積層する際に、ビアホール導体周囲にクラックの生じ難い液体吐出ヘッドおよび記録装置を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッドは、セラミック層と圧電セラミック層とが積層されており、該圧電セラミック層および当該圧電セラミック層を挟んでいる一対の電極を含んでいる加圧部を備えている圧電アクチュエータ基板と、該圧電アクチュエータ基板の前記セラミック層側の下に積層されており、前記加圧部により加圧される加圧室、および該加圧室と繋がっている吐出孔を備えている流路部材とを含む液体吐出ヘッドであって、前記圧電アクチュエータ基板は、前記一対の電極のうちの前記圧電アクチュエータ基板内部にある内部電極と電気的に接続されていて、前記圧電セラミック層を貫通しているビアホール導体を備えており、前記流路部材は、前記ビアホール導体のある部位の直下に凹部を備えていることを特徴とする。
また、本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記加圧部を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドでは、圧電アクチュエータ基板と流路部材とを積層する際にアホール導体周囲にクラックの生じ難く、クラックに起因するショートや変位量の低下が起き難いので、記録精度が低下し難い。
本発明の一実施形態に係る記録装置であるプリンタの概略構成図である。 図1の液体吐出ヘッドを構成する流路部材および圧電アクチュエータ基板の平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 (a)は、図3のV−V線に沿った縦断面図であり、(b)は、他の部位の縦断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に用いられる圧電アクチュエータ基板の平面図であり、(b)は、流路部材の(a)に対応する部位の流路部材の平面図である。
図1は、本発明の一実施形態による圧電アクチュエータ基板を含む液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている。液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。
プリンタ1には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の印刷用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された印刷用紙Pのうち、最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、印刷用紙Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、印刷用紙Pを搬送面127に確実に固着させることができる。
4つの液体吐出ヘッド2は、搬送ベルト111による搬送方向に沿って互いに近接して配置されている。各液体吐出ヘッド2は、下端に液体吐出ヘッド本体13を有している。液体吐出ヘッド本体13の下面には、液体を吐出する多数の液体吐出孔8が設けられている液体吐出孔面4aとなっている(図4、5および6参照)。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた液体吐出孔8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2には図示しない外部液体タンクから液体が供給される。各液体吐出ヘッド2の液体吐出孔8は、液体吐出孔面4aに開口しており、一方方向(印刷用紙Pと平行で印刷用紙P搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されているため、一方方向に隙間なく印刷すること
ができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、液体吐出ヘッド本体13の下面と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
搬送ベルト111によって搬送された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成する液体吐出ヘッド本体13から印刷用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、印刷用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの印刷用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、印刷用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の印刷用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
次に本発明の液体吐出ヘッドを構成する液体吐出ヘッド本体13について説明する。図2は、図1に示された液体吐出ヘッド本体13を示す上面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大平面図であり、一部の流路を省略して描いている。図4は、図3と同じ位置の拡大透視図で、吐出孔8の位置が分かり易いように、図3とは異なる一部の流路を省略して描いている。なお、図3および図4において、図面を分かり易くするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべき液体加圧室10、液体吐出孔8などを実線で描いている。図5(a)は図3の圧電アクチュエータ基板21のV−V線に沿った縦断面図であり、図5(b)は圧電アクチュエータ基板21のビアホール21baを含む他の部位の縦断面図である。図6(a)は、圧電アクチュエータ基板21の平面図であり、図6(b)は、流路部材4の、図6(a)に対応する部位の平面図である。
液体吐出ヘッド本体13は、平板状の流路部材4と、流路部材4上に積層されている圧電アクチュエータ基板21とを有している。圧電アクチュエータ基板21は台形形状を有しており、その台形の1対の平行対向辺が流路部材4の長手方向に平行になるように流路部材4の上面に配置されている。また、流路部材4の長手方向に平行な2本の仮想直線のそれぞれに沿って2つずつ、つまり合計4つの圧電アクチュエータ基板21が、全体として千鳥状に流路部材4上に配列されている。流路部材4上で隣接し合う圧電アクチュエータ基板21の斜辺同士は、流路部材4の短手方向について部分的にオーバーラップしている。このオーバーラップしている部分の圧電アクチェータユニット21を駆動することにより印刷される領域では、2つの圧電アクチュエータ基板21により吐出された液滴が混在して着弾することになる。
流路部材4の内部には液体流路の一部であるマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延び細長い形状を有しており、流路部材4の上
面にはマニホールド5の開口5bが形成されている。開口5bは、流路部材4の長手方向に平行な2本の直線(仮想線)のそれぞれに沿って5個ずつ、合計10個形成されている。開口5bは、4つの圧電アクチュエータ基板21が配置された領域を避ける位置に形成されている。マニホールド5には開口5bを通じて図示されていない液体タンクから液体が供給されるようになっている。
流路部材4内に形成されたマニホールド5は、複数本に分岐している(分岐した部分のマニホールド5を副マニホールド5aということがある)。開口5bに繋がるマニホールド5は、圧電アクチュエータ基板21の斜辺に沿うように延在しており、流路部材4の長手方向と交差して配置されている。2つの圧電アクチュエータ基板21に挟まれた領域では、1つのマニホールド5が、隣接する圧電アクチュエータ基板21に共有されており、副マニホールド5aがマニホールド5の両側から分岐している。これらの副マニホールド5aは、流路部材4の内部の各圧電アクチュエータ基板21に対向する領域に互いに隣接して液体吐出ヘッド本体13の長手方向に延在している。
流路部材4は、複数の液体加圧室10がマトリクス状(すなわち、2次元的かつ規則的)に形成されている4つの液体加圧室群9を有している。液体加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。液体加圧室10は流路部材4の上面に開口するように形成されている。これらの液体加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータ基板21に対向する領域のほぼ全面にわたって配列されている。したがって、これらの液体加圧室10によって形成された各液体加圧室群9は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、各液体加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータ基板21が接着されることで閉塞されている。
本実施形態では、図3に示されているように、マニホールド5は、流路部材4の短手方向に互いに平行に並んだ4列のE1〜E4の副マニホールド5aに分岐し、各副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に4列配列されている。副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10の並ぶ列は副マニホールド5aの両側に2列ずつ配列されている。
全体では、マニホールド5から繋がる液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に16列配列されている。各液体加圧室列に含まれる液体加圧室10の数は、変位素子(加圧部)50の外形形状に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。液体吐出孔8もこれと同様に配置されている。これによって、全体として長手方向に600dpiの解像度で画像形成が可能となっている。
つまり、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように液体吐出孔8を投影すると、図3に示した仮想直線のRの範囲に、各副マニホールド5a繋がっている4つの液体吐出孔8、つまり全部で16個の液体吐出孔8が600dpiの等間隔になっている。また、各副マニホールド5aには平均すれば150dpiに相当する間隔で個別流路32が接続されている。これは、600dpi分の液体吐出孔8を4つ列の副マニホールド5aに分けて繋ぐ設計をする際に、各副マニホールド5aに繋がる個別流路32が等しい間隔で繋がるとは限らないため、マニホールド5aの延在方向、すなわち主走査方向に平均170μm(150dpiならば25.4mm/150=169μm間隔である)以下の間隔で個別流路32が形成されているということである。
圧電アクチュエータ基板21の上面における各液体加圧室10に対向する位置には後述
する個別電極35がそれぞれ形成されている。すなわち、個別電極35は、圧電アクチュエータ基板21の一方の主面21d上に、第1の方向および第1の方向とは異なる方向に渡って形成されている。個別電極35のうち液体加圧室10と重なっている個別電極本体は、液体加圧室10より一回り小さく、液体加圧室10とほぼ相似な形状を有している。また、個別電極35には、圧電アクチュエータ基板21の上面における液体加圧室10と対向する領域内に収まるように配置されている個別電極本体から前記領域外に引き出されている引出電極が含まれる。
また、詳細は後述するが、流路部材4の上面の、圧電アクチュエータ基板21に形成されているビアホール導体37a直下の位置には凹部22aが形成されている。
流路部材4の下面の液体吐出面には多数の液体吐出孔8が形成されている。これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置された副マニホールド5aと対向する領域を避けた位置に配置されている。また、これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。これらの液体吐出孔群7は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータ基板21の変位素子50を変位させることにより液体吐出孔8から液滴が吐出できる。液体吐出孔8の配置については後で詳述する。そして、それぞれの領域内の液体吐出孔8は、流路部材4の長手方向に平行な複数の直線に沿って等間隔に配列されている。
液体吐出ヘッド本体13に含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャ(しぼり)プレート24、サプライプレート25、26、マニホールドプレート27、28、29、カバープレート30およびノズルプレート31である。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路32および副マニホールド5aを構成するように、位置合わせして積層されている。液体吐出ヘッド本体13は、図5に示されているように、液体加圧室10は流路部材4の上面に、副マニホールド5aは内部の下面側に、液体吐出孔8は下面にと、個別流路32を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、液体加圧室10を介して副マニホールド5aと液体吐出孔8とが繋がる構成を有している。
各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート22に形成された液体加圧室10である。第2に、液体加圧室10の一端から副マニホールド5aへと繋がる流路を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート23(詳細には液体加圧室10の入り口)からサプライプレート25(詳細には副マニホールド5aの出口)までの各プレートに形成されている。なお、この連通孔には、アパーチャプレート24に形成されたしぼり12と、サプライプレート25、26に形成された個別供給流路6とが含まれている。
第3に、液体加圧室10の他端から液体吐出孔8へと連通する流路を構成する連通孔であり、この連通孔は、以下の記載においてディセンダ(部分流路)と呼称される。ディセンダは、ベースプレート23(詳細には液体加圧室10の出口)からノズルプレート31(詳細には液体吐出孔8)までの各プレートに形成されている。第4に、副マニホールド5aを構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート27〜29に形成されている。
このような連通孔が相互に繋がり、副マニホールド5aからの液体の流入口(副マニホールド5aの出口)から液体吐出孔8に至る個別流路32を構成している。副マニホール
ド5aに供給された液体は、以下の経路で液体吐出孔8から吐出される。まず、副マニホールド5aから上方向に向かって、個別供給流路6を通り、しぼり12の一端部に至る。次に、しぼり12の延在方向に沿って水平に進み、しぼり12の他端部に至る。そこから上方に向かって、液体加圧室10の一端部に至る。さらに、液体加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、液体加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した液体吐出孔8へと進む。
圧電アクチュエータ基板21は、図5(a)、(b)に示されるように、2枚の圧電セラミック層21a、21b積層した積層体に、共通電極(内部電極)34、個別電極35、接続電極36、共通表面電極37が形成されている。共通電極34と個別電極35と、それらに挟まれている部位の圧電セラミック層21bと、その直下の圧電セラミック層21aとで、変位素子50が構成されている。圧電セラミック層21aは振動板として働き、電圧が加わることで圧電変形するわけではないので、圧電性のないセラミック層であってもかまわない。
共通電極34と共通表面電極37とは、圧電セラミック層21bに形成されたビアホール21ba内部にあるビアホール導体37aにより電気的に接続されている。本実施形態では、ビアホール導体37aは、共通表面電極37がビアホール21ba内に入り込んで、ビアホール21baの内壁に沿って層状に形成されている。ビアホール21baの底面の直径は、例えば50〜150μmである。ビアホール21baは、底面よりの圧電アクチュエータ基板21の表面の直径が大きい方が、共通表面電極37が、ビアホール21ba内に入り込みやすく、ビアホール21baの縁で共通表面電極37が切れることも起き難いので好ましい。
圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電セラミック層21a、21bの積層体の厚さは40μm程度である。圧電アクチュエータ基板21は、流路部材4の液体加圧室10の開口している平面状の面に積層されており、圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の液体加圧室10を跨ぐように延在している(図3参照)。圧電セラミック層21a、21bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータ基板21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極34、Au系などの金属材料からなる個別電極35、個別電極35の上に形成されているAg系などの金属材料からなる接続電極36、圧電アクチュエータ基板21の周縁領域の共通電極34上および圧電セラミック層21b上に形成されているAg系などの金属材料からなる共通表面電極37を含む。接続電極36と共通表面電極37とは同じ材料を使用することができ、同一の工程で形成してもよい。圧電アクチュエータ基板21の周縁領域の共通表面電極37が形成されていない領域には、個別電極35と略同一形状で、個別電極35の配置を延長するように、同一組成のダミー個別電極が形成されている。ダミー個別電極が周縁領域に配置されていることにより、個別電極35が焼成収縮する際に、圧電アクチュエータ基板の中央部と周辺部との差異によって、周縁領域が反ることが抑制できる。
圧電アクチュエータ基板21の接続電極36および共通表面電極37の上にはそれぞれバンプが形成され、FPCなでの配線基板を介して制御部100に繋がれる。制御部100からは、駆動信号が、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
なお、以上は、圧電アクチュエータ基板21が2層の圧電セラミック層の場合の構造であるが、3層以上の圧電セラミック層を積層して、個別電極35と共通電極34が交互になるように配置してもよい。ビアホール21baの深さも、圧電セラミック層1層分でなく、もっと深いものであってもよい。
流路部材4と圧電アクチュエータ基板21とを積層し、接合させる際には、ビアホール導体37が形成された部位の周囲にクラックが生じることがある。本実施形態においては、ビアホール21baは、ほとんど中空の状態なので、その分厚さが薄く、クラックが生じやすい。ビアホール21ba内にビアホール導体37が充填された形態であっても、その分、圧電セラミック層21bがないのでクラックが生じやすい。また、いずれの形態においても、ビアホール21baが存在する部分は周囲と構造が異なっているので、凹凸が生じやすく、下に凸になっていた場合、積層時に圧力が集中するのでクラックが生じ易い。ビアホール21ba内にビアホール導体37が充填される形態であれば、充填量が多ければ上下両方に凸になるので、よりクラックが生じ易い。
そこで、流路部材4の上面の、ビアホール導体37の直下にあたる部位に凹部22aを設けることで、ビアホール導体37直下の圧電セラミック層21aに応力が加わり難くすることでクラックを生じ難くできる。また、流路部材4と圧電アクチュエータ基板21とを接着剤層を介して接着する場合、接着剤がクラックを通って圧電アクチュエータ基板21の表面に出てきて、変位素子50にまで広がってしまい、変位素子50の変位を阻害することがあるが、凹部22aがあれば、接着剤が凹部22aに溜まるので、圧電アクチュエータ基板21の表面に出てきたり、変位素子50にまで広がることを抑制できる。
また、ビアホール導体37が、圧電アクチュエータ基板21の厚さ方向の全体を貫通している場合は、クラックなどが生じていなくても、ビアホール導体37の間の空隙やビアホール21baとビアホール導体37との間の接合部分の空隙を介して、接着剤が圧電アクチュエータ基板21の表面に出てくることがあるが、そのような場合にも凹部22aの存在は有用である。
以上のなかでも、ビアホール導体37が充填されない形態で、接着剤層を介して接着される場合は、厚さの薄い圧電セラミック層21aにクラックが生じ易いし、その結果接着剤の滲み出しが、変位素子50に影響を与えるので、凹部22aは、その様な場合において、特に有用である。
また、上述の作用は、ビアホール導体37aが共通電極を繋ぐ場合以外に、個別電極を繋ぐ場合にも有用である。
凹部22aが、圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とが積層されている部位の外側まで繋がっていれば、凹部22aに閉じ込められようとする気体が外部に排出できるので、閉じ込められようとする気体の圧力によりクラックの発生が助長されことが起き難くなる。また、接着積層する場合、凹部22aに閉じ込められようとする接着剤が外部に排出できるので、閉じ込められようとする接着剤の圧力によりクラックの発生が助長されことが起き難くなる。発生する圧力は、接着剤の方が大きいので、この構造は接着剤で接着する場合により有用である。
凹部22aの縁が角部を切り欠いた形状であれば、凹部22aの縁と圧電アクチュエータ基板21との接触部分の応力を小さくでき、クラックの発生をより抑制できる。角部はアールが付けあると応力をより小さくできる。
圧電アクチュエータ基板21の平面形状が一方方向に長い場合、焼成収縮によるビアホール21baの位置ずれは、主に前記一方方向に生じる。そのため、凹部22aが前記一方方向に延びていれば、凹部22aとビアホール導体37aとの位置ずれが生じ難く、上述の効果が得られるようにできる。
また、圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とを接着積層する場合、凹部22aが接着剤で満たされると、圧力が高くなってクラックが生じやすいので、凹部22aは接着剤で満たされず、空隙がある方が好ましい。空隙は、接着剤の塗布する厚さを凹部の深さよりの薄くすることで、作ることができる。ただし、接着剤が流動する場合、接着剤が周囲からの凹部22aに流入するので、それを考慮して接着剤量をより少なく調整したり、接着剤をパターンニングして塗布したりすればよい。なお、凹部22aが圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とが積層されている部位の外側まで繋がっている場合であっても、空隙があれば、接着剤の一部が外部に出るまでの応力を減らすことができるので、空隙がある方が好ましい。さらに応力を少なくするには、空隙が外部まで繋がっているようにすればよい。
またさらに、圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とを接着積層する場合、凹部22a内で接着剤の圧力が高くなり難いように、凹部22aの周囲に接着剤を溜める逃がし溝22bあることが好ましい。逃がし溝22bに接着剤が溜まることで、凹部22aの周囲から接着剤が流入することを抑制できる。逃がし溝22bが、凹部22aの外周の長さの半分以上、好ましくは3/4以上にするのが良く、特に、周囲全体を囲うようにするのが良い。
本実施形態では、凹部22aはプレート22aに凹部として設けられていたが、プレート22aに貫通孔を形成して、流路部材4とし積層した際に凹部となるような、他の形態でもかまわない。
また、凹部を22a内の接着剤によって、ビアホール導体37a直下の圧電セラミック層21aに応力が加わり難いように、流路部材4の凹部を22aの下の内部の空隙を設けるのが好ましい。空隙は、吐出される液体が通る流路であっても、積層時には液体は入っていないので、応力を減じる効果がある。なお、液体吐出ヘッドを印刷などに使用している間に、何らかの外力と合わさって、ビアホール導体37a直下の圧電セラミック層21aにクラックが生じることも考えらてるため、空隙は使用時においても、吐出される液体が入らないことが好ましい。
図5に示されるように、共通電極34と個別電極35とは、最上層の圧電セラミック層21bのみを挟むように配置されている。圧電セラミック層21bにおける個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域は活性部と呼称され、その部分の圧電セラミックスには厚み方向に分極が施されている。本実施形態の圧電アクチュエータ基板21においては、最上層の圧電セラミック層21bのみが活性部を含んでおり、圧電セラミック21aは活性部を含んでおらず、振動板として働く。この圧電アクチュエータ基板21はいわゆるユニモルフタイプの構成を有している。
なお、後述のように、個別電極35に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極35に対応する液体加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路32を通じて、対応する液体吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータ基板21における各液体加圧室10に対向する部分は、各液体加圧室10および液体吐出口8に対応する個別の変位素子50(アクチュエータ)に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層からなる積層体中には、図5に示されているような構造を単位構造とする変位素子50が液体加圧室10毎に、液体加圧室10の直上に位置する振動板21a、共通電極34、圧電セラミック層21b、個別電極35により作り込まれており、圧電アクチュエータ基板21には変位素子50が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって液体吐出口8から吐出される液体の量は5〜7pL(ピコリットル)程度である。
本実施形態における圧電アクチュエータ基板21の液体吐出時の駆動方法の一例を、個別電極35に供給される駆動電圧(駆動信号)に関して説明する。個別電極35を共通電極34と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この時圧電セラミック層21bは、その厚み方向すなわち積層方向に伸長または収縮し、圧電横効果により積層方向と垂直な方向すなわち面方向には収縮または伸長しようとする。一方、残りの圧電セラミック層21aは、個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域を持たない非活性層であるので、自発的に変形しない。つまり、圧電アクチュエータ基板21は、上側(つまり、液体加圧室10とは離れた側)の圧電セラミック層21bを、活性部を含む層とし、かつ下側(つまり、液体加圧室10に近い側)の圧電セラミック層21aを非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。
この構成において、電界と分極とが同方向となるように、アクチュエータ制御部により個別電極35を共通電極34に対して正または負の所定電位とすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは液体加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極35を共通電極34より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極35が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、bが元の形状に戻り、液体加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、液体加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から液体加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、bが液体加圧室10側へ凸となるように変形し、液体加圧室10の容積減少により液体加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極35に供給することになる。このパルス幅は、液体加圧室10内において圧力波がマニホールド5から液体吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、液体加圧室10内部が負圧状態から正
圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
以上のような液体吐出ヘッド2は、例えば、以下のようにして作製する。まず、圧電セラミック層に用いる圧電材料をチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)とし、PZT粉末とバインダと溶剤とを混合してスラリーを作成し、このスラリーから、成形方法としてロールコーター法を採用して、グリーンシートを作製する。
次いで、1枚のグリーンシートにビアホール21baとなる貫通孔を金型により打ち抜きなどで形成する。他の1枚のグリーンシートに共通電極34となる導体ペーストを塗布し、乾燥する。これら2枚のグリーシートを積層して、内部に共通電極34およびビアホール21baを備えた積層成形体を作製する。
その後、この積層成形体を1020℃の温度で焼成して圧電焼結体を作製する。この圧電焼結体の表面に、スクリーン印刷により、Auを主成分とする導体ペーストで、マトリックス状に個別電極35を形成し、さらに、ガラスフリットを含むAgペーストで接続電極36および共通表面電極37を形成し、しかる後に、750〜850℃で熱処理する。
共通表面電極37を印刷で形成するさいには、その一部がビアホール21ba内に入り込み、ビアホール21baの内壁に沿った層状のビアホール導体37aとなる。ビアホール導体37aは、ビアホール21ba内部を充填するように形成してもよい。その場合、例えば、ビアホール導体37aを充填するように、単独で印刷したり、共通表面電極37の厚さを厚くして、ビアホール21ba内を充填できる量が入り込みようにすればよい。
次に、流路部材4を、圧延法等により得られプレート22〜31を積層して作製する。プレート22〜31に、マニホールド5、個別供給流路6、液体加圧室10およびディセンダなどとなる孔を、エッチングにより所定の形状に加工する。この際、凹部22aもプレート22をハーフエッチングすることで形成する。
これらプレート22〜31は、Fe―Cr系、Fe−Ni系、WC−TiC系の群から選ばれる少なくとも1種の金属によって形成されていることが望ましく、特に液体としてインクを使用する場合にはインクに対する耐食性の優れた材質からなることが望ましため、Fe−Cr系がより好ましい。
圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とは、例えば接着層を介して積層接着することができる。接着層としては、周知のものを使用することができるが、圧電アクチュエータ21や流路部材4への影響を及ぼさないために、熱硬化温度が100〜150℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いるのがよい。このような接着層を用いて熱硬化温度にまで加熱することによって、圧電アクチュエータ21と流路部材4とを加熱接合することができる。このようにして、液体吐出ヘッド2を作製することができる。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
4・・・流路部材
5・・・マニホールド
5a・・・副マニホールド
5b・・・マニホールドの開口
6・・・個別供給流路
8・・・液体吐出孔
9・・・液体加圧室群
10・・・液体加圧室
11a、b、c、d・・・液体加圧室列
12・・・しぼり
13・・・液体吐出ヘッド本体
15a、b、c、d・・・液体吐出孔列
21・・・圧電アクチュエータ基板
21a・・・圧電セラミック層(セラミック層、振動板)
21b・・・圧電セラミック層
21ba・・・ビアホール
22〜31・・・プレート
22a・・・凹部
22b・・・(接着剤の)逃がし溝
32・・・個別流路
34・・・共通電極(内部電極)
35・・・個別電極
36・・・接続電極
37・・・共通表面電極
37a・・・ビアホール導体
50・・・変位素子(加圧部)

Claims (8)

  1. セラミック層と圧電セラミック層とが積層されており、該圧電セラミック層および当該圧電セラミック層を挟んでいる一対の電極を含んでいる加圧部を備えている圧電アクチュエータ基板と、
    該圧電アクチュエータ基板の前記セラミック層側の下に積層されており、前記加圧部により加圧される加圧室、および該加圧室と繋がっている吐出孔を備えている流路部材と
    を含む液体吐出ヘッドであって、
    前記圧電アクチュエータ基板は、前記一対の電極のうちの前記圧電アクチュエータ基板内部にある内部電極と電気的に接続されていて、前記圧電セラミック層を貫通しているビアホール導体を備えており、
    前記流路部材は、前記ビアホール導体のある部位の直下に凹部を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記凹部は、前記圧電アクチュエータ基板と前記流路部材とが積層されている部位の外部まで繋がっていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記凹部の縁は角部を切り欠いた形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記圧電アクチュエータ基板の平面形状が一方方向に長く、前記凹部が前記一方方向に延びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記圧電アクチュエータ基板と前記流路部材とは、接着剤層を介して接着されており、前記凹部が前記接着剤層で満たされておらず、空隙があることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記圧電アクチュエータ基板と前記流路部材とは、接着剤層を介して接着されており、前記流路部材は、前記凹部の周囲に接着剤の逃がし溝を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記ビアホール導体が、前記圧電セラミック層を貫通しているビアホールの内壁に沿って層状に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記加圧部を制御する制御部とを備えていることを特徴とする記録装置。
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