JP2014083563A - プロジェクション溶接方法、およびイオン交換膜電解槽 - Google Patents

プロジェクション溶接方法、およびイオン交換膜電解槽 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易に母材にプロジェクションを設けることができ、かつ、母材を損傷することなく溶接することができるプロジェクション溶接方法、およびイオン交換膜電解槽を提供する。
【解決手段】
2つの母材の間にプロジェクション溶接用スペーサー10を配置し、プロジェクション溶接用スペーサー10に電極チップを用いて通電および加圧を行い、プロジェクション溶接用スペーサー10を溶融させて2つの母材を溶接するプロジェクション溶接方法である。プロジェクション溶接用スペーサー10は、適宜間隔をあけて直線上に配置された複数の凸部11と、複数の凸部11を連結する連結部12と、を有し、かつ、電極チップの母材との接触面は、プロジェクション溶接用スペーサー10の凸部11より広い平坦部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクション溶接方法、およびイオン交換膜電解槽(以下、それぞれ単に、「溶接方法」、「電解槽」とも称す)に関し、詳しくは、簡易に母材にプロジェクションを設けることができ、かつ、母材を損傷することなく溶接することができるプロジェクション溶接方法、およびイオン交換膜電解槽に関する。
食塩電解に使用するイオン交換膜電解槽では、陽極、イオン交換膜および陰極の三者を密着させた状態(ゼロギャップ)で配置して電解電圧の低下を図っている。イオン交換膜電解槽は、イオン交換膜によって区画された陽極室と陰極室に、それぞれ陽極および陰極が収容されており、電極には多孔板、網状、またはエキスパンデッドメタル等の開口部を有する表面積が大きな剛性金属が用いられていることが多い。このようなイオン交換膜電解槽においては、陽極を電解槽に固定する場合、陽極は陽極隔壁の凸部分に配置された陽極支持部材であるチタン製ロッドや、陽極室中に配置された陽極支持部材であるチタン製リブにスポット溶接されている。
スポット溶接は、溶接したい金属母材同士を重ね、ここに大電流を流して発生する抵抗熱によって金属母材を加熱、溶融させるとともに、圧力を加えて両母材の接合を行う溶接方法である。ここで、図9に、スポット溶接により2枚の金属板を溶接した場合における溶接部近傍の一例の断面図を示す。上述の通り、スポット溶接を行う際には母材である金属板100a、100bを電極チップ101で加熱、加圧するため、金属板100a、100bの溶接部には打痕として凹み102が生じる。また、溶接による凹み102の周縁103は、金属板100aの平面に対して盛り上がっている。
したがって、陽極を電解槽に取り付ける手段としてスポット溶接を用いると、陽極表面が凹んでしまい、この範囲においては、イオン交換膜と陽極とが密着できないためゼロギャップとはならず、この領域は電解に有効活用できないという問題が生じていた。また、陽極表面が凹むだけでなく、溶接部の周縁が盛り上がってしまうと、打痕面積よりさらに広い領域において、イオン交換膜と陽極とが密着できずにゼロギャップ化できないことが予想される。さらに、打痕周縁の盛り上がりは、イオン交換膜と強く接触するため、電解中にイオン交換膜が破損するという問題を招いていた。さらにまた、打痕周縁の盛り上がり部の陽極コーティングの減耗や変色等の問題も有している。
溶接後の母材表面を平坦に保つ一般的な溶接方法として、ティグ溶接が挙げられる。ティグ溶接は手作業による溶接であり、圧力をかけないため母材である電極表面が凹むことはないが、手作業ゆえに工数が10倍以上となり、経済性の面から現実的でない。また、母材表面を平坦に保つ他の溶接方法としては、プロジェクション溶接が挙げられる。プロジェクション溶接とは、母材の溶接個所に形成された突起(プロジェクション)を接触させて電流を流し、抵抗熱の発生を比較的小さい突起部に集中させて行うスポット溶接の一種である。プロジェクション溶接においては、通常、突起部は母材に直接設けられるが、特許文献1では、2つの母材間に、母材とは別に形成された突起材を配置し、この突起材を加熱、加圧して溶融させ、2つの母材を溶接する技術が提案されている。
特開2008−183620号公報
このように、従来、突起を有しない母材をプロジェクション溶接により溶接するためには、母材に突起を設ける加工を施すか、また、特許文献1で提案されているように、別途、突起材を作製し、この突起材を母材間に配置する必要がある。しかしながら、母材を加工して突起を設けたり、別途作製した突起材を配置したりするのは手間がかかる作業であり、特に、イオン交換膜電解槽の陽極溶接部の全てに突起を設ける作業は非常に時間がかかり、作業性および経済性の面から現実的でない。また、突起を設ける作業を自動化するとしても新たな装置の導入が必要になり、コスト面が問題となる。
そこで、本発明の目的は、簡易に母材にプロジェクションを設けることができ、かつ、母材を損傷することなく溶接することができるプロジェクション溶接方法、およびイオン交換膜電解槽を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記構成とすることにより、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のプロジェクション溶接方法は、2つの母材の間にプロジェクション溶接用スペーサーを配置し、該プロジェクション溶接用スペーサーに電極チップを用いて通電および加圧を行い、前記プロジェクション溶接用スペーサーを溶融させて前記2つの母材を溶接するプロジェクション溶接方法において、
前記プロジェクション溶接用スペーサーが、適宜間隔をあけて直線上に配置された複数の凸部と、該複数の凸部を連結する連結部と、を有し、かつ、
前記電極チップの母材との接触面が、前記プロジェクション溶接用スペーサーの凸部より広い平坦部を有することを特徴とするものである。
本発明のプロジェクション溶接方法を、イオン交換膜電解槽における陽極の溶接に適用するに当たっては、プロジェクション溶接用スペーサーは、前記連結部が対向する一対の長尺状の金属製薄板であり、かつ、前記複数の凸部が前記一対の金属製薄板の縁部に適宜間隔をあけて跨設されているものや、前記連結部が長尺状の金属製薄板であり、前記凸部が前記金属製薄板の縁部から延びるフック形状を有するものが好ましい。
本発明のイオン交換膜電解槽は、イオン交換膜によって区画された陽極室と陰極室に、それぞれ陽極および陰極が収容されてなるイオン交換膜電解槽であって、前記陽極が、陽極隔壁上に配置された金属棒に溶接された多孔性の剛性金属であるイオン交換膜電解槽において、
上記本発明のプロジェクション溶接方法により、前記陽極が前記金属棒に溶接されてなること、または、イオン交換膜によって区画された陽極室と陰極室に、それぞれ陽極および陰極が収容されてなるイオン交換膜電解槽であって、前記陽極が、前記陽極室に配置された金属製リブに溶接された多孔性の剛性金属であるイオン交換膜電解槽において、
上記本発明のプロジェクション溶接方法により、前記陽極が前記金属製リブに溶接されてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、簡易に母材にプロジェクションを設けることができ、かつ、母材を損傷することなく溶接することができるプロジェクション溶接方法、およびイオン交換膜電解槽を提供することができる。
本発明のプロジェクション溶接方法の一好適な実施の形態に係るプロジェクション溶接用スペーサーをイオン交換膜電解槽の陽極の溶接に適用する例を示す斜視図である。 (a)は、図1の本発明のプロジェクション溶接方法の一好適な実施の形態に係るプロジェクション溶接用スペーサーの斜視図であり、(b)は、本発明のプロジェクション溶接方法の他の好適な実施の形態に係るプロジェクション溶接用スペーサーの斜視図である。 図1の本発明のプロジェクション溶接方法の一好適な実施の形態に係るプロジェクション溶接用スペーサーの幅方向断面図である。 本発明のプロジェクション溶接方法のさらに他の実施の形態に係るプロジェクション溶接用スペーサーの例を示す斜視図である。 (a)は本発明のプロジェクション溶接方法に係る電極チップの一好適な実施の形態の斜視図であり、(b)は本発明のプロジェクション溶接方法に係る電極チップの一好適な実施の形態の正面図である。 2枚の金属板をプロジェクション溶接する際における溶接部近傍の断面図であり、(a)は2枚の金属板を撓ませていない場合、(b)は2枚の金属板を撓ませた場合である。 本発明の一好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽の部分断面図である。 本発明の他の好適な実施に形態に係るイオン交換膜電解槽の部分断面図である。 スポット溶接により2枚の金属板を溶接した場合における溶接部近傍の一例の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサー(以下、単に、「スペーサー」とも称す)について、イオン交換膜電解槽における陽極の溶接を例として説明する。図1は、本発明のプロジェクション溶接方法の一好適な実施の形態に係るプロジェクション溶接用スペーサーをイオン交換膜電解槽の陽極の溶接に適用する例を示す斜視図である。また、図2は、(a)は、図1の本発明のプロジェクション溶接方法の一好適な実施の形態に係るプロジェクション溶接用スペーサーの斜視図であり、(b)は、本発明のプロジェクション溶接方法の他の好適な実施の形態に係るプロジェクション溶接用スペーサーの斜視図である。
本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサーは、2つの母材をプロジェクション溶接にて溶接する際に、2つの母材の間に配置するものである。図1に示す例では、2つの母材であるチタンロッド1と、チタン製の多孔性金属板からなる剛性陽極2と、を溶接するにあたって、まず、陽極室中の陽極隔壁3上に固定されたチタンロッド1に、本発明に係るスペーサー10を配置する。スペーサー10は、適宜間隔をあけて直線上に配置された複数の凸部11と、この複数の凸部11を連結する連結部12と、を有する。図1および図2(a)に示す例において、スペーサー10は、対向する一対の長尺状の金属製薄板からなる連結部12と、この一対の金属製薄板に適宜間隔をあけて跨設された金属製薄板からなる凸部11と、からなる。また、図2(b)に示す例において、スペーサー20は、1枚の長尺状の金属製薄板が連結部22となり、この金属製薄板の縁部から複数のフック形状をなす凸部21が延びている。すなわち、図2(b)に示すスペーサー20は、櫛状の金属製薄板の櫛部を湾曲させたような構造となっている。
陽極隔壁3上に配置したチタンロッド1と剛性陽極2を溶接するには、チタンロッド1に本発明に係るスペーサー10を配置した後に、さらに剛性陽極2をスペーサー10上に配置し、スペーサー10の凸部11と、剛性陽極2の接触部を電極チップにて通電、加圧する。この場合、電極チップとしては、後述する本発明に係る電極チップを用いる。なお、図1および図2(a)に示す例においては、連結部12である一対の金属製薄板の間隔は、チタンロッド1の径と同程度としてあり、スペーサー10はチタンロッド1に嵌着されている。
図3に、図1、図2(a)に示す本発明のプロジェクション溶接方法の一好適な実施の形態に係るプロジェクション溶接用スペーサー10の幅方向断面図を示す。図3(a)に示すように、スペーサー10には、連結部12である一対の金属製薄板の対向面のそれぞれに、チタンロッド1からスペーサー10が脱落するのを防止するために、脱落防止用の突起13を設けてもよい。また、図3(b)に示すように、チタンロッド1の径と同程度の間隔をあけて配置された、連結部12である対向する一対の金属製薄板の先端部同士の間隔を、チタンロッド1の径よりも小さくなるように湾曲させてもよい。
本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサーについて、イオン交換膜電解槽の陽極室における陽極隔壁3上に設けられたチタンロッド1と、チタンロッド1の上に配置される剛性陽極2と、を溶接する場合を例に挙げて、一対の長尺状の金属製薄板からなる連結部12と、一対の金属製薄板に適宜間隔をあけて跨設された金属製薄板からなる凸部11と、を有するスペーサー10(図2(a))、および連結部22が長尺状の金属製薄板であり、この金属製薄板の縁部から延びるフック形状の凸部21を有するスペーサー20(図2(b))について説明してきたが、本発明に係るスペーサーの実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、溶接する2つ母材が平坦な2枚の金属板である場合、図4(a)および(b)に示すスペーサー30、40のように、長尺状の1枚の金属製薄板を連結部32、42とし、この上に適宜間隔をあけて複数個の凸部31、41を設けたものを用いてもよい。なお、凸部の形状は、図4(a)、(b)に示す例に制限されるものではなく、ドーム形状としてもよい。
本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサー10、20、30、40の金属組成は、母材の特性に基づいて2つの母材間に強固なプロジェクション溶接部が形成されるものであれば特に制限はない。例えば、本発明に係るスペーサー10、20、30、40を食塩電解用のイオン交換膜電解槽の溶接に用いる場合は、電解雰囲気に耐性がある金属を用いればよい。上述の例においては、スペーサー10、20、30、40の金属材料としては、チタンロッド1および剛性陽極2と同じ材質であるチタンを好適に用いることができる。なお、凸部11、21、31、41と連結部12、22、32、42の金属組成は同一でもよく、また、異なっていてもよい。
本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサー10、20、30、40においては、凸部11、21、31、41の厚み、面積および間隔は、溶接したい母材の厚みや材質、形状により決定されるものであって、母材が融解、変形する前にスペーサー凸部のみが融解して母材間を溶着し、母材表面の平坦を保つように適宜設計すればよい。食塩電解用のイオン交換膜槽の電極等の溶接に用いる場合には、スペーサー凸部11、21、31、41の厚みは0.1〜1.0mm程度が好ましく、厚さ1.0mmの剛性陽極とチタンロッド1を溶接する場合における好ましい範囲は0.4〜0.8mm程度である。凸部11、21、31、41の厚みが0.8mmを超えると、溶接後の母材の表面の平滑性を維持することができず、母材表面に凹凸が生じるおそれがある。一方、スペーサーの10、20、30、40の凸部11、21、31、41の厚み0.4mm未満であるとプロジェクション溶接におけるプロジェクションとしての機能を発揮することができない場合がある。
また、本発明に係るスペーサー10、20、30、40を構成する凸部11、21、31、41の面積は、加熱効率と確実な溶接との観点から適宜設計することになるが、図1、図2(a)に示すように、本発明に係るスペーサー10の凸部11、21、31、41をイオン交換膜電解槽の陽極におけるチタンロッド1と剛性陽極2との溶接に適用する場合は、5〜10mm程度、チタン製リブと剛性陽極との溶接に適用する場合は、10〜15mm程度とすればよい。なお、この場合、隣接する凸部11同士の間隔は30〜60mm程度が好ましい。
次に、本発明に係る電極チップについて説明する。
本発明に係る電極チップは、上記本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサーを用いてプロジェクション溶接を行う際に用いる電極チップである。図5の(a)に、本発明のプロジェクション溶接方法に係る電極チップの一好適な実施の形態の斜視図を、(b)に、本発明のプロジェクション溶接方法に係る電極チップの一好適な実施の形態の正面図を示す。本発明に係る電極チップ60においては、その先端部61の母材との接触面61a(溶接面)が、上記本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサー10、20、30、40の凸部11、21、31、41の面積より広い平坦面を有する。従来、プロジェクション溶接に用いられていた電極チップは、図9に示すように、母材との接触面である先端は丸みを有していた。これは、電極チップ101を母材に接触させた際、通電面積を小さくすることで電気抵抗を大きくし、プロジェクションを溶融させるだけの十分な加熱効果を得るためである。
しかしながら、このような先端形状が丸みを有する電極チップ101を用いてプロジェクション溶接を行うと、上述の通り、溶接時の加圧により母材表面に凹みが生じてしまう(図9参照)。そこで、本発明に係る電極チップ60の母材との接触面61aに、上記本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサー10、20、30、40の凸部11、21、31、41より広い平坦面を設ける。このような構造とすることで、プロジェクション溶接時における母材に対する電極チップ60の圧力を分散させることになり、母材表面に凹みが生じることを防止することができる。好適には、接触面61aの平坦面の面積は、プロジェクション溶接用スペーサー10、20、30、40の凸部11、21、31、41の面積の50〜70倍である。
本発明に係る電極チップ60は、母材との接触面61aが、上記本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサー10、20、30、40の凸部11、21、31、41より広い面積の平坦面を有することのみが重要であり、それ以外の構成は、既知のものを採用することができる。例えば、電極チップ60の材質としては、銅や、クロム銅、アルミナ分散銅、ベリリウム銅等の合金を用いることができるが、消耗に強いという観点からすると、接触面61aはクロム銅が好ましい。
次に、本発明のプロジェクション溶接方法について説明する。
本発明のプロジェクション溶接方法は、2つの母材の間に上記本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサー10、20、30、40を配置し、このプロジェクション溶接用スペーサー10、20、30、40に上記本発明に係る電極チップ60を用いて通電および加圧を行うことで、凸部を溶融させて2つの母材を溶接するものある。本発明の溶接方法によれば、スペーサーおよび電極チップとして、本発明の溶接方法に係るスペーサー10、20、30、40および電極チップ60を用いているため、母材の表面に凹みが生じることなく、母材の表面の平滑性を維持することができる。
本発明のプロジェクション溶接方法を用いて、2枚の金属板をプロジェクション溶接する場合は、電極チップ60で加圧する方向と逆の方向に2枚の金属板を撓ませておくことが好ましい。図6は、2枚の金属板をプロジェクション溶接する際における溶接部近傍の断面図であり、(a)は2枚の金属板を撓ませていない場合、(b)は2枚の金属板を撓ませた場合である。図6(a)に示すように、スペーサー50を介して2枚の金属板4a、4bをプロジェクション溶接にするにあたり、金属板4a、4bを撓ませていない場合、電極チップ60で2枚の金属板4a、4bにプロジェクション溶接を施すと、金属板4a、4bが加圧方向に撓んでしまう。この場合、電極チップ60の接触面の角部61bが金属板4aに強く当たることになり、金属板4aの表面に傷が生じてしまう。そこで、図6(b)に示すように、電極チップ60による加圧方向と逆の方向に2枚の金属板4a、4bを撓ませておくことで、かかる問題を回避することができる。母材である2枚の金属版4a、4bをどの程度撓ませるかは、金属板4a、4bの剛性や電極チップ60による加圧の程度によって、適宜設定すればよい。
本発明のプロジェクション溶接方法においては、上記本発明に係るプロジェクション溶接用スペーサーと上記本発明に係る電極チップを用いること以外、特に制限はなく、加圧力、溶接電流、溶接時間、スクイズ時間、保持時間、タクトタイム等の溶接条件等については、適宜設定すればよい。
次に、本発明のイオン交換膜電解槽について説明する。
図7は、本発明の一好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽の部分断面図であり、図示例においては、イオン交換膜電解槽ユニット70は、イオン交換膜71によって陽極室72と陰極室73とに区画されている。図示するイオン交換膜電解槽においては、陽極は、陽極隔壁74上に配置されたチタンロッドのような金属棒75に溶接された多孔性の剛性金属からなる剛性陽極76であり、陰極は、陰極隔壁77上に配置された弾性体78(図示例においては板バネ)を介して電気的に接続された可撓性陰極79である。図示例においては、可撓性陰極79およびイオン交換膜71は、弾性体78の反力により、隣接するイオン交換膜電解槽ユニット70の剛性陽極76と密着されてなる。本発明の一好適なイオン交換膜電解槽においては、金属棒75と多孔性の剛性陽極76とが、上記本発明のプロジェクション溶接により接合されてなる。
また、図8は、本発明の他の好適な実施の形態に係るイオン交換膜電解槽の部分断面図であり、図示例においては、イオン交換膜電解槽ユニット80は、イオン交換膜81により陽極室82と陰極室83とに区画されている。図示するイオン交換核電解槽においては、陽極は、陽極隔壁84に設けられたチタン製リブのような金属製リブ85に配置された多孔性の剛性金属からなる剛性陽極86であり、陰極は、陰極隔壁87上に配置された弾性体88(図示例においては板バネ)を介して電気的に接続された可撓性陰極89である。図示例においては、可撓性陰極89およびイオン交換膜81は、弾性体88の反力により、隣接するイオン交換膜電解槽ユニット80の剛性陽極86と密着されてなる。本発明の他の好適なイオン交換膜電解槽においては、金属製リブ85と多孔性の剛性陽極86とが、上記本発明のプロジェクション溶接により接合されてなる。
本発明のイオン交換膜電解槽は、本発明の溶接方法により金属棒75や金属製リブ85と剛性陽極76、86とを溶接しているため、従来溶接時に剛性陽極上に生じていた打痕は生じない。そのため、打痕に起因してイオン交換膜71、81が損傷することはなく、また、電解性能が低下することもない。なお、本発明のイオン交換膜電解槽においては、剛性陽極76、86が、陽極隔壁74の凸部に配置された金属棒75、または、陽極隔壁84に設けられた金属製リブ85に、上記本発明のプロジェクション溶接方法により溶接されていること以外には特に制限はない。
例えば、陽極隔壁には、チタン、タンタル、ジルコニウム等の薄膜形成性金属、またはこれらの合金を用いることができる。陽極には、チタン、タンタル、ジルコニウム等の薄膜形成性金属、またはこれらの合金の表面に、白金族金属、白金族金属の酸化物を含有する電極触媒物質の被覆を形成したものを用いることができる。
陰極隔壁には、ニッケル、ニッケル合金等を用いることができ、陰極には、ニッケル、ニッケル合金の多孔体、網状体、エキスパンデッドメタル、あるいはこれらを基体として、表面に白金族金属含有層、ラネーニッケル含有層、活性炭含有ニッケル層等の電極触媒物質の被覆を形成し、水素過電圧を低下させたものを用いることができる。
イオン交換膜としては、パーフルオロカルボン酸系陽イオン交換膜、パーフルオロスルホン酸系陽イオン交換膜とパーフルオロカルボン酸系陽イオン交換膜とを積層した陽イオン交換膜等を用いることができる。
1 チタンロッド
2 剛性陽極
3 陽極隔壁
4a、4b 金属板
10、10、20、30、40、50 スペーサー
11、21、31、41 凸部
12、22、32、42 連結部
13 突起
60 電極チップ
61 先端部
61a 接触面
61b 角部
70、80 イオン交換膜電解槽ユニット
71、81 イオン交換膜
72、82 陽極室
73、83 陰極室
74、84 陽極隔壁
75 金属棒
76、86 剛性陽極
77、87 陰極隔壁
78、88 弾性体
79、89 可撓性陰極
85 金属製リブ
100a、100b 金属板
101 電極チップ
102 凹み
103 縁部

Claims (5)

  1. 2つの母材の間にプロジェクション溶接用スペーサーを配置し、該プロジェクション溶接用スペーサーに電極チップを用いて通電および加圧を行い、前記プロジェクション溶接用スペーサーを溶融させて前記2つの母材を溶接するプロジェクション溶接方法において、
    前記プロジェクション溶接用スペーサーが、適宜間隔をあけて直線上に配置された複数の凸部と、該複数の凸部を連結する連結部と、を有し、かつ、
    前記電極チップの母材との接触面が、前記プロジェクション溶接用スペーサーの凸部より広い平坦部を有することを特徴とするプロジェクション溶接方法。
  2. 前記連結部が対向する一対の長尺状の金属製薄板であり、かつ、前記複数の凸部が前記一対の金属製薄板の縁部に適宜間隔をあけて跨設されている請求項1記載のプロジェクション溶接方法。
  3. 前記連結部が長尺状の金属製薄板であり、前記凸部が前記金属製薄板の縁部から延びるフック形状を有する請求項1記載のプロジェクション溶接方法。
  4. イオン交換膜によって区画された陽極室と陰極室に、それぞれ陽極および陰極が収容されてなるイオン交換膜電解槽であって、前記陽極が、陽極隔壁上に配置された金属棒に溶接された多孔性の剛性金属であるイオン交換膜電解槽において、
    請求項1~3のうちいずれか一項記載のプロジェクション溶接方法により、前記陽極が前記金属棒に溶接されてなることを特徴とするイオン交換膜電解槽。
  5. イオン交換膜によって区画された陽極室と陰極室に、それぞれ陽極および陰極が収容されてなるイオン交換膜電解槽であって、前記陽極が、前記陽極室に配置された金属製リブに溶接された多孔性の剛性金属であるイオン交換膜電解槽において、
    請求項1〜3のうちいずれか一項記載のプロジェクション溶接方法により、前記陽極が前記金属製リブに溶接されてなることを特徴とするイオン交換膜電解槽。
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