JP2021130869A - 電解槽およびそれを構成する電解槽ユニット - Google Patents

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清人 浅海
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宏一 寺田
尚平 松井
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尚平 松井
弘喜 肥後橋
Hiroyoshi Higohashi
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Abstract

【課題】電極の固定化のために用いられる部材による隔膜の損傷が抑制された電解槽を提供する。【解決手段】陽極、陰極200Aおよびそれらの間の隔膜300から少なくとも構成される電解槽が提供される。陽極および陰極の少なくとも一方の電極は、それが設けられる電極基部280との間に介在する介在部材600によって、電極基部に取付けられている。【選択図】図7

Description

本発明は、電解槽および電解槽ユニットに関する。特に、陽極、陰極およびそれらの間の隔膜から少なくとも成る電解槽に関するとともに、電解槽を構成するユニットに関する。
現在、各種工業において電解が利用されている。電解、すなわち電気分解を行うには電解槽が用いられる。電解槽は、その用途から各種各様の形式があるものの、少なくとも陽極と陰極とを備えている。例えば塩化ナトリウム水溶液の電気分解が行われる槽は、塩素、水素および水酸化ナトリウム(いわゆる苛性ソーダ)を取り出すことができ、化学工業の基盤となる原料の生産に用いられている。また、水素製造に用いられるアルカリ水溶液の電解にも用いられている。
国際公開(WO)特2012/091051号公報 特許第5108043号公報 特許第5970250号公報
電解槽では、陽極で生成した物質と陰極で生成した物質との混合を避けるべく隔膜が更に設けられていることが多い。隔膜としてイオン交換膜を用いて塩化ナトリウム水溶液の電気分解を行うプロセスは、“イオン交換膜法食塩電解”などとも称される。また、水素製造に用いられるアルカリ水溶液の電気分解にも用いられる。
イオン交換膜法食塩電解に用いる電解槽のタイプは様々なものがあるものの、なかでもゼロギャップ式が主流になっている。ゼロギャップ式の電解槽では、陽極と隔膜と陰極とを互いに密着させて電極間距離を近づけて電解液抵抗を減じ、電力消費の低減を図っている。“ゼロギャップ”では、陽極および陰極の一方を他方よりも柔らくして可撓性を高くする一方、他方を相対的に高い剛性を有する電解槽が考えられる。より具体的には、一方の電極は電極支持フレームなどの公差や変形による凹凸を吸収できる柔らかい可撓性構造とする一方で、他方の電極は剛性を高くして隔膜に押し付けても変形の少ない剛性構造とすることが考えられる。かかる場合、可撓性となる電極の背面側に導電性弾性体を設けることによって、陰極と隔膜と陽極との互いの密着に必要な圧力を、その導電性弾性体の弾性力(すなわち、反力)により供すことができる。
本願発明者は、従前の電解槽では克服すべき課題が依然あることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを見出した。
電解槽では、隔膜の損傷が引き起こされると電解が効率的に行われなくなる。隔膜の損傷は、電解運転を非効率的にするばかりか、陽極側と陰極側との間の電解液の直接的な接触をもたらすおそれもあり、意図しない非所望の反応が生じる懸念がある。
上述の“ゼロギャップ”の電解槽では、電極がイオン交換膜に接するので、電極に関連する部材はイオン交換膜に影響を与え易い。特に、そのような電解槽で用いられている電極は、上側からピンで支持体に取り付けられて固定されることが多く、かかるピンがイオン交換膜と直接的に接触し得る状態にある。つまり、電極の固定化のために用いられる部材は、電解槽においてイオン交換膜に少なからず負荷を与え得る部材となり、その負荷の程度によってはイオン交換膜を損傷させることが懸念される。
本発明はかかる課題に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的は、電極の固定化の観点において隔膜の損傷が抑制された電解槽技術を提供することである。
本願発明者は、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成された電解槽の発明に至った。
本発明では、陽極、陰極およびそれらの間の隔膜から少なくとも構成される電解槽であって、
陽極および陰極の少なくとも一方の電極は、それが設けられる電極基部との間に位置する介在部材によって、電極基部に取付けられている。
本発明の電解槽では、電極とその電極基部との間に設けられる介在部材に起因して、隔膜の損傷が抑制される。
具体的には、本発明の電解槽では、陽極および陰極の少なくとも一方の電極は、その電極基部との間の介在部材によって電極基部へと取り付けられ固定されている。つまり、介在部材によって電極が支持部材に固定化されているところ、かかる介在部材は、電極と支持部材との間に位置付けられ、隔膜と直接的に接触し得ない。これは、本発明における介在部材は電極を支持体に固定しつつも隔膜の損傷を抑制できるものであることを意味している。したがって、本発明では、隔膜の損傷に起因した非所望な事象を好適に抑制した電解槽技術が供され得る。
図1は、電解槽の構成を例示的に説明するための模式図である。 図2は、電解槽に用いられる導電性弾性体の一例を示す斜視図である。 図3は、隔膜を介した電解槽ユニット同士の組合せを説明するための模式的斜視図である。 図4は、ストランドの幅寸法(W)を説明するためのエキスパンドメタルの局所的拡大模式図である。 図5は、例示的態様に従った電解槽の水平方向の模式的断面図である。 図6は、電極と電極基部との間に設けられる介在部材を説明するための模式的断面図である。 図7は、介在部材として薄板状部材が設けられる形態を説明するための模式的断面図である。 図8は、介在部材としてワイヤー状部材が設けられる形態を説明するための模式的断面図である。 図9は、曲げ付けられた電極と電極基部との間に介在部材として薄板状部材が設けられる形態を説明するための模式的断面図である。 図10は、曲げ付けられた電極と電極基部との間に介在部材としてワイヤー状部材が設けられる形態を説明するための模式的断面図である。 図11は、蛇行状に曲げ付けられた電極と電極基部との間に介在部材として薄板状部材が設けられる形態を説明するための模式的断面図である。 図12は、蛇行状に曲げ付けられた電極と電極基部との間に介在部材としてワイヤー状部材が設けられる形態を説明するための模式的断面図である。 図13は、薄板状部材と電極端部曲げとの組合せ態様を説明するための模式的断面図である。 図14は、薄板状部材と電極端部曲げとの組合せ態様を説明するための模式的断面図である。 図15は、介在部材として薄板状部材が電極の端部領域以外の非端部領域に設けられる態様を説明するための模式的断面図である。 図16は、介在部材としてワイヤー状部材が電極の端部領域以外の非端部領域に設けられる態様を説明するための模式的断面図である。 図17は、鋭利な電極端部エッジを説明するための模式図である。 図18は、従前において電極固定化に用いられていたピンの使用態様を説明するための模式的断面図である。
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態に係る「電解槽」をより詳細に説明する。図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。
本明細書において「電解槽」とは、広義には、電気分解を行うための装置のことを指しており、狭義には、陽極、陰極およびそれら電極間に設けられる隔膜を少なくとも備えた装置のことを指している。また、本明細書において「電解槽ユニット」とは、電解槽を構成するためのサブ槽に相当し、隔膜を介して互いに組み合わされることで電解槽を構成できる槽要素のことを指している。
本明細書で直接的または間接的に説明される“上下”および“左右”の方向は、図面のける上下方向および左右方向にそれぞれ対応する。より具体的には、図7に示す形態では、電極の平面方向に沿った方向が左右方向に相当し、それに直交する方向が上下方向に相当する。電解槽の運転時において、図7などに示される形態の電極は、図3および図6左側に示すように立てた向きで使用されることが多い(即ち、図7の状態から略90°向きを変えて電極が使用されることが多い)。よって、電解槽の使用時(特に、電解槽を構成するユニット同士が組み合わされた状態の運転時)と、そうでない非使用時(特に、電解槽を構成するユニット同士が組み合わされる前の非運転時)とでは槽やその構成要素の向きが相違し得る。
本明細書で言及する各種の数値範囲は、下限および上限の数値そのものも含むことを意図している。つまり、例えば1〜10といった数値範囲を例にとれば、下限値の“1”を含むと共に、上限値の“10”をも含むものとして解釈される。
まず、本発明の前提となる電解槽の基本的な構成について説明し、その後、本発明の特徴について説明を行う。なお、電解槽ユニットの説明自体は、電解槽に関する説明に含める形で行う。
[電解槽の基本的構成]
本発明の電解槽は、陽極、陰極、およびそれら電極間に配置される隔膜を少なくとも有して成る。陽極および陰極は、電解質溶液に外部から電気エネルギーを与えるための電極である。典型的には、陽極は、外部電源の正極に接続される電極であり、電解槽の運転時には酸化反応がもたらされ得る電極である。一方、陰極は、典型的には外部電極の負極に接続される電極であり、電解槽の運転時には還元反応がもたらされ得る電極である。
隔膜は、典型的には陽極室と陰極室とを隔てる部材である。好ましくは、陽極で生成した物質と陰極で生成した物質との混合を避けるべく隔膜が設けられる。本発明において、隔膜は電気分解に常套的に用いられるものであってよい。例えば、隔膜はイオン交換膜である。あくまでも1つの例示にすぎないが、ソーダ工業に用いられる電解槽では、隔膜として陽イオン交換膜を用いてよい。
電解槽には、導電性弾性体が更に設けられていてよい。導電性弾性体は、その“導電性”に起因して電極間における通電に寄与しつつも、その“弾性”に起因して電極に対して押圧力を与えることができる。つまり、導電性弾性体は、電解槽において反力を呈すことが可能な導電性の部品に相当し、かかる反力を供すべく、弾性変形が可能な構造を少なくとも有している。
電解槽のある例示的な構成を図1に模式的に示す。図示するように、電解槽では陽極、陰極およびそれら電極間のイオン交換膜から少なくとも構成された電極組合せ体に対して導電性弾性体が使用されている。このような電解槽では、陽極、陰極およびそれら電極間のイオン交換膜から少なくとも構成された電極組合せ体の押圧に導電性弾性体の反力が利用される。具体的には、導電性弾性体は、電極組合せ体の背面側において弾性変形に付された状態で使用され、かかる導電性弾性体から供される弾性力(すなわち、反力)によって、電極組合せ体に押圧力がもたらされる。特に、弾性変形に付された導電性弾性体は、一方の電極から他方の電極に向かって押圧力を与えるように働き、それによって電極組合せ体の密着化を促進する。つまり、導電性弾性体の存在によって、陽極とイオン交換膜と陰極との間に緊密な接触がもたらされ、いわゆる“ゼロギャップ”式として電解槽が好適に機能できるようになる。
電解槽に用いられる導電性弾性体は、弾性反発力が生じるのであれば、いずれの形態を有していてよい。例示すると、導電性弾性体は、弾性クッションや弾性マット(例えば金属製コイル体から成る部材、金属製の不織布、金属ワイヤーから成る編物・織物など)や板バネなど種々の形態を有し得る。あくまでも1つの具体的な例示にすぎないが、導電性弾性体400は、図2に示すように波状湾曲の弾性部450を備えていてよい。導電性弾性体は、電解槽においてバネ特性を発現させるべく弾性変形に付された状態で使用される。より具体的には、例えば弾性部の波状湾曲が減じられるように変形に付された状態で導電性弾性体が電解槽に設けられる。このように変形に付された導電性弾性体では、元の形状を取ろうとする応力が働くのでバネ特性として反力が発現されることになる。なお、大型の電解槽においては、導電性弾性体は単数で用いられるよりも複数の導電性弾性体として設けられることが多い。
電解槽において、電極は、例えば通液性を有する導電性基材から構成されていてよい。この点、陽極および陰極の少なくとも一方が導電性多孔基材を有して成ることが好ましい。換言すれば、陽極および陰極の少なくとも一方がメッシュ開口を有するようなメッシュ開口電極となっていてよい。あくまでも例示にすぎないが、例えばエキスパンドメタル、金網(平織メッシュ、綾織メッシュ)またはパンチングメタルなどから電極が構成されていてよい。
ある好適な態様では、陽極および陰極の双方が導電性多孔基材を有して成っていてよい。例えば両電極が、エキスパンドメタルまたは平織メッシュから構成されていてよく、あるいは、一方の電極がエキスパンドメタルから構成され、もう一方の電極が平織メッシュから構成されていてもよい。つまり、陽極および陰極の双方がエキスパンドメッシュまたは平織メッシュ、若しくは陽極および電極の一方がエキスパンドメッシュ、もう一方が平織メッシュを有していてよい。耐食性を呈し得るなどの観点から、陽極および陰極の各々は、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、タンタル、ジルコニウムおよびニオブ等から成る群から選択される少なくとも1種を含んで成っていてよい。また、そのような陽極および陰極の各々には適当な触媒が担持されていてもよい。導電性の多孔基材における開口率は、特に制限されるわけではないが、20%〜90%程度、例えば30%〜80%、40%〜75%または50%〜75%などであってよい。
電解槽は、複数の電解槽ユニットから構成されることが好ましい。各電解槽ユニットは、少なくとも電極とその電極を支持する支持フレームとを有して成る。支持フレームは、電極が面状に配置されることを助力すべく電極を支持し、ユニットの枠部を成していることが好ましい。したがって、電極ユニットは、その側面に電極が配置された形態を有しており、そのユニット側面の大部分を占めるように電極が配置されている。このように側面に電極を備えた各電極槽ユニットが隔膜を介して互いに組み合わされることで、電解槽が構成されてよい。
電解槽は、好ましくはゼロギャップ式である。よって、ある好適な態様では、電解槽はかかるゼロギャップ式に適した特徴を有している。そのような特徴の1つとして、電極材の剛性および可撓性といった所謂“硬さ”や“柔らかさ”の点で陽極および陰極が特徴を有している。具体的には、陽極および陰極の一方が、他方に対して相対的に可撓性を有しており、逆に当該他方が当該一方に対して相対的に剛性を有していることが好ましい。これによって、相対的に可撓性を有する電極が、導電性弾性体の反力を受けて撓むことができる一方、相対的に剛性を有する電極が、その撓みをイオン交換膜を介して受け止めることができる。このような観点で相対的に陽極と陰極とが異なると、陽極とイオン交換膜と陰極との間の互いの密着がより好適になり、電解槽が“ゼロギャップ式”としてより好適に機能できる。このようなことは、電解槽が大型の場合に特に当てはまる。つまり、ゼロギャップ式食塩電解の場合などに代表されるように、ゼロギャップのための押圧を必要とする電極主面が大きい場合に特に当てはまる。
所望の電解生成物をより大量に得るには、より大きな電解槽が用いられるが、電極の主面(特に、陽極と陰極とが互いに対向する主面)も、それに伴って大きくなる。大型のゼロギャップ式電解槽は、複数の電解槽ユニットから好ましくは構成されるところ、その電解槽ユニットの各々では、対向する両側面に大きな電極面が設けられている。あくまでも一例であるが所謂“複極式”の電解槽について図3を参照して説明すると、電解槽ユニット100の対向する両側面の一方に陰極200A(例えば、エキスパンドメタルから成る陰極面)が設けられている一方、当該両側面の他方に陽極200B(例えば、エキスパンドメタルから成る陽極面)が設けられている。電解槽では、そのような電解槽ユニット同士がイオン交換膜300(特に陽イオン交換膜)を介して互いに重ね合わさるように複数連結されている。特に、隣接する電解槽ユニットでは、一方の電解槽ユニット100’の陰極面と、他方の電解槽ユニット100’’の陽極面とが向き合うようにして重ねられる。このように複数の電解槽ユニットがイオン交換膜を介して組み合わされることによって電解槽が構成されている。なお、複数の電解槽ユニットから構成される電解槽としては“複極式”に限らず、“単極式”であってもよい。つまり、電解槽を構成する電解槽ユニットとして、陽極部と陰極部とを対向する両側面に備えた複極式の電解槽ユニットであることに限らず、対向する両側面に陽極部のみ及び陰極部のみを備えた“単極式”の電解槽ユニットであってもよい。かかる場合、陽極部のみを備える電解槽ユニットと陰極部のみを備える電解槽ユニットとがイオン交換膜を介して交互に配置されるように組み合わされることで、電解槽が構成され得る。
電解槽ユニットから構成される電解槽は、電極面サイズが比較的大きく、その大きな電極面を通じて所望の電解反応がなされるので好ましいものの、電極面の平面度を保つのが難しくなる。具体的には、電極面は、そのサイズが大きくなればなるほど、自重に起因した撓み等の影響が無視できなくなる傾向があり、また、電極支持体への取付けなども影響し、かかる電極面は完全な平坦面を取り難い。例えば図3で例示したような電解槽ユニット100(100’、100’’)でいえば、陽極面および陰極面の面サイズは、数cmオーダというよりも、むしろmオーダのサイズとなっている。より好適な平坦面となるべく電極に剛性を持たせた場合であっても、そのような大きな電極面では、上記理由等から例えば±0.5mm〜1.0mm程度の平面度となっており、完全な平坦面(すなわち、平面度が0mm)とはなり難い。換言すれば、大型の電解槽において、剛性の電極面は、巨視的には平坦に見えても、微視的にみれば局所的凹凸を伴った面となる傾向がある。
完全な平坦面となっていない電極同士をイオン交換膜を介して密着させると、その凹凸によって、電流分布の均一化が損なわれたりするおそれがある。そこで、好適な電解槽では、剛性電極に対して、それと対を成す電極を柔らかい可撓性電極としている。これにより、イオン交換膜を介して電極同士が強く密着させられたとしても、剛性電極面の凹凸に追随するように可撓性電極が撓むことになり、結果として電流分布の不均一化などがより好適に防止され得る。あくまでも一例であるが、陽極が相対的に硬い剛性のエキスパンドメタルから構成される一方、陰極が相対的に柔らかい可撓性のエキスパンドメタルから構成されていてよい。そして、イオン交換膜を介して陽極の剛性エキスパンドメタルと組み合わされる陰極の可撓性エキスパンドメタルの背面側に導電性弾性体が設けられていてよい。かかる場合、導電性弾性体の反力によって、陰極の可撓性エキスパンドメタルが陽極の剛性エキスパンドメタルに向かって押圧されるが、その際に陰極の可撓性エキスパンドメタルが、陽極の剛性エキスパンドメタルの主面の平面度に応じて局所的に変位することができる。したがって、電解槽ユニット同士が強く締め付けられるように固定され、導電性弾性体の反力が大きく働くような条件にされた場合であっても、陽極とイオン交換膜と陰極とが互いに好適に密着し、電流分布の不均一化などの不都合な現象は引き起こされ難い。
特に限定されないが、相対的に硬い剛性のエキスパンドメタルは、“相対的な剛性”ゆえ、厚みが好ましくは0.2〜2.0mm程度であってよく、多孔すなわち開口を成すストランド210の幅(刻み幅)(図4中にて“W”で示す部分)は好ましくは0.2〜2.0mm程度となっていてよい。同様にして特に限定されないが、可撓性エキスパンドメタルは、“相対的な可撓性”ゆえ、例えば、厚みが好ましくは0.1〜1.0mm程度、より好ましくは0.1〜0.5mm程度であってよく、多孔すなわち開口を成すストランドの幅(刻み幅)(図4中にて“W”で示す部分)は好ましくは0.1〜2.0mm程度、より好ましくは0.1〜1.5mm程度となっていてよい。可撓性電極として金網やパンチングメタルを使用する場合には、”相対的な可撓性”ゆえ、例えば厚みが好ましくは0.1〜1.0mm程度、より好ましくは0.1〜0.5mm程度であってよい。金網の場合には金網を構成する金属繊維の略直径を意味する線径φは好ましくは0.05〜1.0mm程度、より好ましくは0.1〜0.5mm程度となってよい。パンチングメタルの場合には、隣接する開口部間の非開口部長さLが0.1〜2.0mm程度、より好ましくは0.1〜1.5mm程度となってよい。
電解槽に関する更なる理解のために図5を示しておく。図5は、ある例示態様の電解槽を垂直方向からみた断面図に相当する。つまり、図3で示される槽(特に電解槽ユニット同士の組合せ)を水平な横方向で切り取った場合の断面図が図5に相当する。かかる図5に示す態様では、エキスパンドメタルの可撓性陰極200Aと、隔膜300と、エキスパンドメタルの剛性陽極200Bとがその順で重ねられた配置に対して、導電性弾性体400が陰極200Aの背面側(すなわち、隔膜300の設置側と反対側)に設けられている。導電性弾性体400は、エキスパンドメタルの陰極200Aと陰極基部280との間で狭窄されるように変形に付されて設けられるので(より具体的には、互いに連結された複数の電解槽ユニット同士が互いに締め付けられることによって、そのような狭窄がなされて導電性弾性体の変形がもたらされるので)、導電性弾性体400の弾性部と直接的に接するエキスパンドメタルの可撓性陰極200Aには導電性弾性体400の弾性力が直接与えられることになる。その結果、エキスパンドメタルの可撓性陰極200Aが、エキスパンドメタルの剛性陽極200Bに向かって押圧されるように付勢され、可撓性陰極200Aと隔膜300と剛性陽極200Bとの互いの密着化がもたらされる。なお、導電性弾性体と直接的に接していない電極となる剛性陽極自体は、電解槽ユニットの電極支持体などに動かないように固定されているので、導電性弾性体の弾性力を受け止めるように作用して密着化に寄与する。
ある1つの具体的な例示にすぎないが、剛性陽極が設けられる電解槽ユニットは、剛性陽極と、それを支持する支持フレームから少なくとも構成されている。一方、可撓性陰極が設けられる電解槽ユニットは、導電性の電極基部と、それを支持する支持フレーム、電極基部上に設けられる導電性弾性体、その導電性弾性体上に配置される可撓性陰極から少なくとも構成される。電極基部は、可撓性陰極を少なくとも支持すべく、その可撓性陰極よりも高い剛性を有していてよい。
[本発明の特徴]
本発明は、上述の電解槽で用いられる電極に関連した特徴を有しており、特に、電極の設置形態の点で特徴を有する。具体的には、陽極および陰極の少なくとも一方の電極は、それが設けられる電極基部との間の介在部材によって、電極基部に対して取付けられている。
本発明に従った電極の例示形態を図6および図7に模式的に示す。図6および図7は、電解槽ユニットの一部断面を示しており、電解槽ユニット同士が組み合わされる前の時点の形態を示している(隔膜は発明の理解のために電解槽ユニットに併せて示している)。すなわち、組み合わされる電解槽ユニット同士の締め付けによって導電性弾性体にバネ特性が発現される前の状態であって、隔膜と電極とが互いに密着する前の状態が図6および図7で示されている。図示する形態から分かるように、電解槽に用いられる電極200が電極基部280に取り付けられているところ、電極200と電極基部280との間に介在部材600が設けられている。
介在部材600は、電極200と電極基部280との間でそれらを互いに接合している。電極200の電極基部280への取り付けに供する介在部材600は、その名の通り、電極200と電極基部280との間に設けられるものであり、好ましくは電極200の上方領域に位置付けられる部分等を具備していない。よって、介在部材600は、電解槽において電極の取付けに供しつつも、それ自体が隔膜損傷を引き起こすおそれを抑制できる部材となっている。
従前にて電極固定化に用いられていたピン800は、図18に示すように、電極200を上から押さえ付けるように電極200の上側から用いられる。よって、従前の固定化ピン800は、電極200の上方領域に位置付けられる部分(例えば、図示するような鍔部分850)を備えており、イオン交換膜と直接的に接触し得る状態にある。かかるピンは、電解槽においてイオン交換膜に少なからず負荷を与え得る部材といえ、その負荷程度によってはイオン交換膜を損傷させることが懸念される。これに対して、本発明における介在部材600は、電極200の上方領域に位置付けられる部分(すなわち、電極よりも上方側又は隔膜側に位置する部分)を具備しておらず、隔膜300との直接的な接触を回避している(図6および図7参照)。したがって、本発明では介在部材600による隔膜損傷は好適に防止され得る。
本明細書において「介在部材」とは、広義には、電解槽・電解槽ユニットにおいて電極とその支持部材との間に設けられる付加的な部材のことを指している。狭義には、本願で図示される断面視において、電極と電極基部(電極が設けられ又は取り付けられ、電極の支持体として機能し得る導電性の電極基部)との間の領域に位置付けられ、それら双方に対して互いに少なくとも部分的に接する部材である。好ましくは、電極とその電極基部との間にのみ介在部材が位置付けられる。
また、本明細書において「電極基部との間に介在する」とは、電解槽・電解槽ユニットに用いられる電極と、その電極基部との間の領域に位置することを意味している。ある切り口でいえば、巨視的に捉えて電極と電極基部との間に介在部材が位置付けられているといえる。それゆえ、後述する電極端部の曲げ付けがなされている場合(図9〜図12)、介在部材が電極端部に挟持されつつも、巨視的に捉えて電極と電極基部との間に介在部材が位置付けられている。
図6および図7から分かるように、介在部材600は、電極200が支持される電極基部280よりも上方域に配置されている。また、介在部材600は、好ましくは電極基部280上に配置されつつも電極200(例えばその端部250)と少なくとも部分的に重なるように設けられている。
更に、介在部材600は、隔膜300に対して電極200よりも遠位側に配置されているといえる。つまり、隔膜300からみると、電極200よりも介在部材600の方がより離れている。これは、電解槽ユニット同士が組み合わされて電極200と隔膜300とが互いに密着したとしても、電極と隔膜との間に介在部材600が位置付けられることはなく、介在部材600と隔膜300との直接的な接触がない又は減じられることを意味している。よって、本発明では、電極200と隔膜300とが互いに密着する条件であっても、電極固定化に資する介在部材600に起因した隔膜損傷は好適に防止されている。
介在部材600は、電極とその電極基部との間に位置して電極の取付け・固定化に資するのであれば、いずれの種類であってもよい。例えば、介在部材が導電性を有していてよい。導電性を呈する介在部材は、電極間の通電に寄与し得る。また、介在部材が例えば薄板状またはワイヤー状の形態を有していてよい。つまり、電極とその電極基部との間に位置して電極の取付け・固定化を担う部材が薄板状部材またはワイヤー状部材であってよい。薄板状部材は、“薄板”ゆえ、電極(例えばメッシュ開口電極)の厚さよりも薄いものであってよい。、薄板状部材は、例えば箔形態を有していてよい。同様に、ワイヤー状部材の太さ寸法(断面寸法)も、電極(例えばメッシュ開口電極)の厚さ寸法よりも小さいものであってよい。ただし、そのような寸法関係に本発明は必ずしも限定されず、薄板状部材の厚さ寸法またはワイヤー状部材の太さ寸法が電極(例えばメッシュ開口電極)の厚さ寸法よりも大きいものであってもよい。
図7に示す例示態様では、介在部材として薄板状部材640が電極200の取付けに用いられている。図8に示す例示態様では、介在部材としてワイヤー状部材660が電極200の取付けに用いられている。このような図示態様から分かるように、介在部材600は、電解槽・電解槽ユニットにおいて電極200と電極基部280との間に位置付けられつつ、電極200の固定化に寄与している。
薄板状部材またはワイヤー状部材などの介在部材は、電極の取付け・固定化に資するところ、好ましくは、かかる介在部材によって、電極と電極基部とが互いに接合されている。つまり、電極200と電極基部280との間の介在部材はそれらの接合材として作用し、電極200が電極基部280へと取り付けられている。
このような介在部材は、“接合”に資するのであれば、その材質に特に制限はない。例えば、介在部材が少なくとも金属材を含んでいてよい。金属材は、介在部材による接合が溶接となる場合(“溶接”の態様については後述する)に特に適している。金属材の場合、介在部材に必要な強度が供されるだけでなく、介在部材の耐食性などが供され易い点で好ましい。例えば、チタン、ニッケル、ステンレス鋼などは、介在部材に必要な強度および耐食性の点で好ましい。
本発明において、介在部材は、必ずしも金属材のみから成ることに限らない。介在部材が樹脂材を含んで成る部材となっていてもよい。樹脂材を含んで成る介在部材は、特に接着性を呈し易い。かかる介在部材は、電極と電極基部との間でそれらを互いに接合する接着剤として供されてもよい。樹脂材の場合、介在部材に適度な柔軟性がもたらされ、介在部材が設けられた電極部分が隔膜に接したとしても、その電極部分による影響を減じることができる。また、そもそも樹脂材から成る介在部材は、可変性または流動性を有する樹脂前駆体を供した後で硬化に付して設けることができるので、任意の形態や任意に箇所に介在部材を設け易い。具体的な樹脂材としては、例えばフッ素系樹脂は好適な耐食性を呈し得るので好ましい。フッ素系樹脂は、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)、PVDF(フッ化ビニリデン樹脂)、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂)およびPCTFE(三フッ化塩化エチレン樹脂)から成る群から選択される少なくとも1種であってよい。なお、樹脂材は、必ずしもフッ素系樹脂であることに限らず、エポキシ樹脂、UVエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、エチレン・塩化ビニル共重合体樹脂、ブチラール樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ポリスルホン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂およびアクリル樹脂から成る群から選択少なくとも1種であってもよい。
介在部材による接合形態は種々のものが考えられる。例えば、電極と電極基部との互いの接合として溶接がなされていてよい。つまり、介在部材が溶接部材となることで、電極基部と電極とが互い接合されていてもよい。薄板状部材またはワイヤー部材が用いられる場合、かかる薄板状部材またはワイヤー部材を介して電極基部と電極とが互い溶接されていてもよい。これにより、より好適な固定力でもって電極を電極基部に固定できる。薄板状部材またはワイヤー部材などの介在部材は、電極において局所的に設けられてよいので、そのような部材を介してスポット的な溶接が為されてよいともいえる。“溶接”を想定した場合、溶接ガンや光ビームなどで一旦溶融し得る可溶融性材から介在部材が成ることが好ましい。これにつき、薄板状部材およびワイヤー部材などの介在部材は例えば金属製部材として供されてよい。かかる金属製部材の金属は、耐食性などの点も加味すると、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、タンタル、ジルコニウムおよびニオブ等から成る群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。このような薄板状部材は、溶接時の電流が安定化し易い。薄板状部材は、例えば金属箔であってよく、一例を挙げるとニッケル箔であってよい。同様に、ワイヤー部材は、例えば金属ワイヤーであってよく、一例を挙げるとニッケル・ワイヤーであってよい。ニッケル箔またはニッケル・ワイヤーは、耐食性および溶接特性の双方の点で特に好適である。
接着の態様であれ、溶接の態様であれ、本発明では介在部材を介して電極と電極基部とが互いに接合していることが好ましい。したがって、本発明では、介在部材を“接合部材”などと称すこともできる。
ある好適な態様では、電極の少なくとも端部領域において介在部材が設けられている。つまり、例えば図6および図7に示すように、導電性弾性体400が配置される領域よりも外側の領域となる電極端部250において、電極の各種要素(電極やそれを支える電極基部)および導電性弾性体とは別の異なる部材として介在部材600が設けられてよい。電極の端部に介在部材が設けられると、電極の“端部エッジ”の観点からも隔膜損傷が抑制される効果が奏され得る。なぜなら、端部領域において電極と電極基部との間に介在部材が設けられて電極が取り付けられることで電極エッジの固定化・定置化につながり、隔膜への電極エッジの不都合な影響をより減じ易くなるからである。平面視で捉えた配置でいうと、電極の外周エッジを成す辺の少なくとも1つ(即ち、少なくとも1辺)に対して薄板状部材またはワイヤー状部材が設けられてよい。かかる場合、そのような辺に沿うように長尺状の薄板状部材またはワイヤー状部材が設けられることが好ましい。
電解槽・電解槽ユニットの電極は、特に端部エッジ(即ち、電極の最外縁を成すエッジ)が鋭利化しやすい。電極が多孔状または開口状となっている場合が多いからである。つまり、多孔状または開口状の電極では、その電極端部エッジが鋭利になり易い。図17に示されるように、電解槽に用いられる電極200は、多孔または開口を成す複数の線材に起因して、“ささくれ立った”ような鋭利なエッジを有する場合があるからである。換言すれば、導電性多孔基材から成る電極は、その多孔を構成する線材に起因して端部エッジが鋭利状になりやすいといえる。鋭利な端部エッジは、隔膜を損傷させ易いものの、電極端部に“介在部材”が設けられて端部エッジが固定化・定置化されると、そのような鋭利なエッジによる隔膜損傷は抑制され得る。
つまり、介在部材が電極の端部領域に設けられている場合、電極取り付け部材には電極の上方領域に位置付けられる部分が存在せず、隔膜との直接的な接触が回避されていると共に、そのような取付けによって端部エッジが固定化・定置化され、エッジの鋭利部が隔膜に例えば刺さるように接するといった不都合な事象が抑制される。従って、かかる態様は電解槽運転時において隔膜損傷のより好適な抑制につながる。なお、本明細書でいう「電極の端部領域」とは、広義には、電極の周縁領域のことを指しており、狭義には、電極エッジ(電極の最外縁)から例えば1mm〜3cm程度(ある場合では1mm〜5mm程度)内側へと至るまでの周縁領域のことを指している。
図7および図8に示される態様において、電極端部250は、特に折り曲げられずに介在部材600が設けられているが、図9および図10に示すように曲げ付けられた電極端部250に介在部材600が設けられていてもよい。
図9では、大きく曲げ付けられた電極端部250に介在部材として薄板状部材640があてがわれており、図10では、そのように曲げ付けられた電極端部250に介在部材としてワイヤー状部材660があてがわれている。図示されるように、電極端部250が曲げ付けられ、その曲げ付けられた端部250に介在部材600が挟持される形態で電極200と電極基部280との間に介在部材640が位置付けられてよい。端部の曲げ付けがなされると、電極200のエッジ255が隔膜300に触れない配置をより取り易くなる。つまり、図9および図10で示される形態で介在部材600が用いられると、より効果的に隔膜損傷を抑制できる。また、介在部材600は、図7および図8の態様と同様に隔膜300に対して電極200(特にそのエッジ255およびその近傍以外の電極部分)よりも遠位側に配置されるので、介在部材600と隔膜300との直接的な接触がなく、その点でも隔膜損傷を抑制できる。
図9に示される形態から特に理解できるが、介在部材として設けられる薄板状部材640は、電極の端部エッジ255の上方に位置付けられた部分を有していてよい。より具体的には、薄板状部材640は、曲げ付けられた電極端部250に挟持されつつも、電極の端部エッジ255を超えるように延在していてよい。これにより、電極の端部エッジが薄板状部材で覆われる形態となり、隔膜損傷の抑制効果が高くなり易い。図9に示されるように、エッジ255が介在部材600によって少なくとも部分的に包まれる形態であってもよい。また、ワイヤー状部材は、薄板状部材ほどの広範な面を供さず、端部エッジを覆う部材としては供されにくいものの、その狭小形状ゆえ、電解槽の運転時にて電極で発生する生成物(例えばガス状生成物)にとって相対的に有効に作用し得る。具体的には、ワイヤー状部材660(図10参照)では、細い形状ゆえ、電極で発生する生成ガスの流動を阻害しにくく、そのようなガスの不都合な滞留を回避し易い。なお、介在部材としてワイヤー状部材を用いる場合、ワイヤー状部材は1本のみでよいし、あるいは、複数本であってもよい。
電極の端部250の曲付け部は、図9および図10に示すような輪郭形態を有していてよい。つまり、電極端部250の曲付け箇所257が湾曲状の断面視形状を有していてよい。このような形態を有する電極端部では、曲付け箇所に起因して隔膜に与えられ得る不都合な影響を低減できる。つまり、曲付け箇所の断面輪郭が角張らずに比較的滑らかになるので、電解槽において曲付け箇所が隔膜に仮に接することがあったとしても、隔膜に損傷を与え難くなる。また、電極端部の曲げ箇所に起因して電極の破断・切断などが仮に生じてしまうと隔膜に損傷を与え易くなるが、本発明に従って湾曲状となった曲付け箇所では、破断・切断させるような応力が生じたとしても、応力集中し難く電極の破断・切断が抑制される。
図9および図10に示す態様から分かるように、隔膜300が位置する側と反対側に電極端部250が曲げ付けられていることが好ましい。電極端部の曲げ付け方向が隔膜に対してより遠位側となるからである。つまり、隔膜から離れるように曲げ付けられることによって電極エッジをより確実に隔膜から離すことができ、隔膜損傷の抑制効果をより高くできる。ここでいう「隔膜が位置する側と反対側に端部が曲げ付けられている」とは、電極の端部エッジが隔膜からより離れる向きに電極の曲げ付けがなされることを意味している。
同様に、図9および図10に示す態様から分かるように、電極200は、それが設けられる電極基部280を跨ぐことなく端部が曲げ付けられていることが好ましい。例えば、相対的に柔らかい電極200A(例えば、導電性多孔基板から成る電極200A)が導電性弾性体と共に電極基部280上に配置される構成では、その電極基部280を横断するようには電極端部250は延在していない。図示される形態から分かるように、電極端部250における曲げ付け部分250’が介在部材600とともに電極基部280上に配置されているといえる。なお、電極基部280は、導電性の部材であり、電極200Aよりも高い剛性を通常有しており、可撓性電極200Aおよび介在部材600の支持に供し得る。また、ある好適な態様において、電極基部を跨ぐことなく電極端部が曲げ付けられた状態で介在部材が電極により挟持されていると、隔膜に対する電極の密着化を促す応力が電極端部に生じやすくなる。
電極端部250が曲付けられる場合、図11および図12に示すように、蛇行するように曲げ付けられてもよい。より具体的には、蛇行状に曲げ付けられた端部250に挟持される形態で薄板状部材640またはワイヤー状部材660などの介在部材600が配置されていてよい。
電極端部の曲付けが蛇行状となることで、電極エッジを隔膜からより遠位に位置付け易くなり、隔膜の損傷をより好適に抑制できる。また、曲付けが蛇行状となることで、適度な応力を電極にもたらすこともできる。好ましくは、曲付けが蛇行状となることで隔膜に対する電極の密着化を促す応力を電極端部に発生させることができ、陽極とイオン交換膜と陰極との間の互いの密着化に寄与し得る。
上述したように、電解槽・電解槽ユニットの電極200が多孔状または開口状となっている場合、従前では電極固定化に用いたピンが隔膜と接触し得る状態にあったが、本発明では実質的に電極200と電極基部280との間にのみ介在部材600が位置付けられるので、電極の固定化のための部材は隔膜と接触しないか又はそのような接触が減じられている。また、電解槽・電解槽ユニットの電極200が多孔状または開口状となっている場合、電極端部のエッジが鋭利化しやすいが(図17参照)、本発明に従って電極端部の領域に介在部材が使用されていると鋭利なエッジの影響も抑制することができる。換言すれば、本発明の電極槽・電解槽ユニットで用いる電極が導電性多孔基材から成る場合、本発明の効果は顕在化し易いといえる。より具体的には、陽極および陰極の少なくとも一方の電極が例えばエキスパンドメタル、金網(平織メッシュ、綾織メッシュ)またはパンチングメタルなどから成るメッシュ開口電極であって、そのようなメッシュ開口電極が“介在部材”とともに用いられる場合、隔膜損傷の抑制効果が顕在化しやすい。
同様にして、電解槽に用いられる隔膜がイオン交換膜である場合も本発明の効果が顕在化しやすい。電解槽で用いられるようなイオン交換膜は例えば0.1〜0.5mm程度で比較的薄く、また、電極よりも相対的に軟質な材質から成っていることが多い(例えば、電解槽で用いられる陽イオン交換膜としては、陽イオン交換基を有するフッ素樹脂フィルムから成る可撓性薄膜が用いられる場合がある)。それゆえ、電解槽にイオン交換膜が用いられる場合、電解槽の電極固定化に用いられているピンのみならず電極の存在によってもイオン交換膜の損傷が通常引き起こされ易い。よって、陽極および陰極の少なくとも一方の電極が金属製の導電性多孔基材であって、そのような電極と直接的に対向する隔膜がイオン交換膜である場合、隔膜損傷の抑制効果が顕在化しやすい。
なお、本発明において介在部材の設置は、いずれの手法でも行うことができる。例えば、電解槽ユニット同士が組み合わされる前の時点において、所望形状を予め有した介在部材を電極に供しておいてよい。その後、介在部材を介して接合させるべく熱処理を行ってもよい。例えば、介在部材によって電極と電極基部とを溶接接合する場合では、電極と電極基部との間に介在部材を位置付けた後、溶接ガンや光ビームなどで熱処理に付してよい。
また、電極の端部の曲げ付けとともに介在部材が用いられる場合、かかる電極端部の曲げ付けは、いずれの手法で行ってもよい。例えば、適当なプレス手段および/または適当な把持手段(電極端部などを把持する手段)などを用いることによって曲付けを電極端部に施すことができる。典型的には、電極端部に対して外力を加えることで曲げ付けを行うことができる。この場合、電解槽ユニット同士が組み合わされる前の時点において外力を加えて曲げ付けておくことが好ましい。
本発明は、上述した如く、電極が電極基部に取り付けられるように電極と電極基部との間に介在部材が設けられることを特徴とする。このような本発明は種々の態様で具現化することができる。以下それについて説明する。
(薄板状部材と電極端部曲げとの組合せ態様)
本態様は、薄板状部材が設けられると共に電極端部が曲げられている態様である。図13および図14に示す例示態様では、介在部材600として薄板状部材640が電極取付けに用いられており、その薄板状部材640に対して電極端部250が曲げ付けられている。
図13の態様では、電極基部280上に薄板状部材640が配置されているところ、その薄板状部材640上に、曲げ付けられた電極端部250が設けられている。電極基部280上に配置された薄板状部材640の上面に電極の端部エッジ255が位置するように電極端部250が曲げられている。図示するように、電極基部280上に直接的に薄板状部材640が設けられ、その薄板状部材640の上面に相対的に近接または接触するように電極の端部エッジ255が位置付けられてよい。つまり、電極200は隔膜300が位置する側と反対側に向けて電極端部250が曲げ付けられ、その曲げ付けられた電極端部250のエッジ255が薄板状部材640の下側ではなく上側に位置付けられている。端部エッジ255と隔膜300との間には電極200が介在するので、“鋭利なエッジ”の影響が抑制され、電解槽にて隔膜の損傷が抑制され得る。
かかる態様では、端部エッジ255よりも内側となる領域が接合されていてよい。つまり、電極の平面方向において端部エッジよりも内側の領域が接合されていてよい。図13でいえば“ポイントa”において、薄板状部材640を介して電極200と電極基部280とが接合されていてよい。端部エッジ255よりも内側で、電極200と薄板状部材640と電極基部280とが互い接合されてよいといえる。接合は、溶接であってよく、例えばスポット溶接であってよい。薄板状部材640が金属製であり、接合としてスポット溶接が行われる場合、スポット溶接時の電流はより安定化し、より強固な接合がもたらされ得る。このような態様では、電極基部上に介在部材として設けた薄板状部材の上面に電極の端部エッジが位置するように電極端部が曲げ付けられており、その端部エッジよりも内側の領域に接合部が存在し得る。ここでいう「接合部」は、好ましくは、電極200と薄板状部材640と電極基部280とが互い接合された部分である。溶接が為される場合、「接合部」が溶接部に相当する。
図14の態様では、薄板状部材640が対を成すように上側と下側とに設けられている。上側の薄板状部材640Aは、電極の端部エッジ255よりも上方に位置する部分を少なくとも有する。一方、下側の薄板状部材640Bは、電極の端部エッジ255よりも全体として下方に位置している。下側の薄板状部材640Bは、上述の図13の薄板状部材640に相当する。つまり、電極基部280上に直接的に配置された薄板状部材640Bの上面に電極の端部エッジ255が位置するように電極端部250が曲げ付けられている。このような態様では、上側の薄板状部材640Aと下側の薄板状部材640Bとの間に電極の端部エッジ255が挟まれるので、隔膜損傷の抑制効果がより高くなる。
図14の態様であっても、図13の態様と同様に端部エッジ255よりも内側となる領域が接合されていてよい。つまり、電極の平面方向において端部エッジよりも内側の領域が接合されていてよい。図14でいえば“ポイントa”において、薄板状部材640を介して電極200と電極基部280とが接合されていてよい。端部エッジ255よりも内側において、電極200と上側および下側の薄板状部材640A,640Bと電極基部280とが互い接合されてよいといえる。接合は、溶接であってよく、例えばスポット溶接であってよい。薄板状部材640が金属製であり、接合として溶接が行われる場合、スポット溶接時の電流はより安定化し、より強固な接合がもたらされ得る。かかる態様でも、電極基部上に介在部材として設けた薄板状部材の上面に電極の端部エッジが位置するように(特に下側の薄板状部材の上面に電極の端部エッジが位置するように)電極端部が曲げ付けられており、その端部エッジよりも内側の領域に接合部が存在し得る。好ましくは、そのような領域に電極200と薄板状部材640と電極基部280とが互い接合した部分が存在し得る。
本発明を限定するわけではないが、図13および図14の例示態様についてより具体的な事項に触れておく。薄板状部材640(640A,640B)は、例えば金属箔であってよい。また、電極200は、可撓性電極200Aであってよく、一例を挙げるとメッシュ開口を有するメッシュ開口電極であってよい。端部エッジ255よりも内側の領域に溶接が為される場合(特にスポット溶接が為される場合)、接合部として設けられる溶接部は点状の溶接部であってよい。
(非端部領域における態様)
本態様は、電極の端部領域以外となる非端部領域に介在部材が設けられる態様である。図15に示す例示態様では、介在部材として薄板状部材640が電極の取付けに用いられており、特に電極端部以外の領域で介在部材が設けられている。図16に示す例示態様では、介在部材としてワイヤー状部材660が電極の取付けに用いられており、特に電極端部以外の領域で介在部材が設けられている。このような態様においては、電極周縁部ではない電極の非周縁部の領域に薄板状部材および/またはワイヤー状部材が介在部材として設けられているといえる。
図15および図16の態様から分かるように、介在部材600は、特に導電性弾性体400が配置される領域に設けられていてよい。図示されるように、複数の導電性弾性体400が用いられる場合、互いの隣接する導電性弾性体の間に介在部材600が配置されていることが好ましい。導電性弾性体400が障害とならず、電極と電極基部との間により確実に介在部材を配置できるからである。
非端部領域への介在部材の設置は、電極基部に対する電極の高い取付け自由度に寄与する。つまり、本発明では、用いられる電極のサイズや種類に合わせて、介在部材を電極の端部に設けるだけでなく、それに加えて又は代えて、電極の非端部領域に介在部材を設けることができる。
(電極仮止め態様)
本態様は、介在部材によって電極が仮止めされている態様である。つまり、上述した取付けによって電極が電極基部に対して仮止めされていてよい。
電解槽では電解槽ユニット同士が隔膜を挟んで組み合わされた状態で運転されるが、電解槽の組立てに先立っては、電解槽ユニットに電極が仮止めされていることが好ましい。電解槽ユニットを立設させることを通じで電解槽が組み立てられるからである(図3参照)。また、メンテナンスために槽解体して電解槽ユニット同士の組合せを解くことがある。かかる場合、介在部材による仮止めがなされていると、電極を電極基部から取り外すことができ、電極基部のクリーニングや電極交換などをより容易に行うことができる。
本発明でいう「仮止め」とは、電極槽ユニットを組み合わせて電極槽を構成するに際して、電極がユニットからズレ落ちないようにするために固定することを意味している。よって、“仮止め”では、電極基部に対して電極の全部が接合しているというよりも電極の一部のみが電極基部に対して接合している。そのような仮止めの態様では、電極基部に対して局所的に電極が接合しているといえる。
仮止めに供する介在部材は、そのサイズはあまり大きくなくてよい。例えば、図8に示すような介在部材600の断面視を例にとれば、介在部材600の幅寸法Wは0.5mm〜10mm程度であり、介在部材600の高さ寸法H(特に電極と電極基部との間に位置する部分の寸法H)は0.5mm〜10mm程度であってよい。なお、介在部材の幅に違いがある場合(すなわち、幅寸法が一定でない場合)、幅寸法Wは、そのうちで最大となる最大幅寸法のことを指している。同様にして、介在部材の高さに違いがある場合(すなわち、高さ寸法が一定でない場合)、高さ寸法Hは、そのうちで最大となる最大高さ寸法のことを指している。
介在部材が電極領域に対して局所的に用いられた場合、取付けに供する部分は同様に局所的であり、電極の電極基部への取付け状態を解除しやすい。介在部材として薄板状部材やワイヤー状部材は電極領域に対して部分的に供し易いので、電極の電極基部への取付け状態を解除しやすい。あくまでも一例であるが、介在部材を介してスポット溶接された場合、電極と電極基部との接合箇所は“スポット”的となり、メンテナンスの一環として例えば電極交換などを行うに際して電極基部から電極を取り外し易い。
(ゼロギャップ式に特有な態様)
本態様は、ゼロギャップ式の電解槽に特有な態様である。ゼロギャップ式においては陽極とイオン交換膜と陰極との間で互いの密着化がもたらされ得るところ(図1参照)、イオン交換膜では、密着する電極によって損傷が引き起こされ易い。したがって、電解槽がゼロギャップ式の電解槽(例えば、ゼロギャップ式の食塩電解槽)となる場合、本発明の効果が顕在化しやすい。
例えば、陽極および陰極の一方の電極が、他方の電極に対して相対的に可撓性を有すると、陽極とイオン交換膜と陰極との間でより好適な密着化がもたらされるものの、それはイオン交換膜の損傷を引き起こしやすいことを通常意味する。本発明では、かかる密着条件であっても、電極取付け部材として“介在部材”が用いられることによって、かかる電極取付け部材がイオン交換膜に与える影響をなるたけ減じており、イオン交換膜の損傷を抑制できる。つまり、かかる場合においては、陽極および陰極の一方の電極が、他方の電極に対して相対的に可撓性を有し、その一方の電極に対して介在部材が設けられているといえる。
同様な観点でいえば、電解槽に導電性弾性体が設けられていると、陽極とイオン交換膜と陰極との間でより好適な密着化がもたらされるものの、それは一方でイオン交換膜の損傷を引き起こしやすいことを通常意味する。つまり、陽極および陰極の一方の電極が、導電性弾性体で他方の電極へと押圧されるように、導電性弾性体が一方の背面側に設けられる場合、好適な密着化が得られるが、一方でイオン交換膜の損傷を引き起こしやすい(例えば、陰極、特に導電性多孔基材から成る陰極がイオン交換膜を介して陽極側に押圧されると当該導電性多孔基材がイオン交換膜の損傷を通常引き起こしやすい)。かかる条件であっても、本発明に従って電極取付け部材として“介在部材”が用いられることによって、かかる電極取付け部材がイオン交換膜に与える影響をなるたけ減じ、イオン交換膜の損傷を抑制できる。
[本発明の電解槽ユニット]
本発明の電解槽ユニットは、上述の電解槽を構成するためのユニットである。したがって、互いに組み合わされて電解槽を成すユニットに限らず、組み合わされる前の状態のユニット、および、一旦組み合わされたものの、それが解除された状態のユニットをも指している。
電解槽を構成するユニットゆえ、本発明の電解槽ユニットでは、陽極および陰極の少なくとも一方の電極は、それが設けられる電極基部との間に介在する介在部材によって、電極基部に取付けられている。本発明の電解槽ユニットのより詳細な事項、更なる具体的な態様などその他の事項は、上述の[電解槽の基本的構成]および[本発明の特徴]で直接的または間接的に説明しているので、重複を避けるために説明を省略する。
最後に、本明細書で用いた「電極基部」について付言しておく。上記で説明した内容から分かるように、電極基部は、電解槽がゼロギャップ(特に真正ゼロギャップ)式となる場合、導電性弾性体が押し付けられる背板または支持板に相当する。また当業者の認識に基づけば、この電極基部は、電解槽にて可撓性電極に対するベース電極に相当し、例えば可撓性電極が可撓性陰極である場合にはベース陰極に相当する。また、電極基部を機能・構造面の観点で捉えると、電極基部は好ましくは集電板となる多孔性の板材である。
以上、本発明の実施態様について説明してきたが、本発明の適用範囲における典型例を示したに過ぎない。したがって、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更がなされ得ることは当業者に容易に理解されよう。
例えば、上記で説明した介在部材の形態としては、薄板状またはワイヤー状を例示したが、本発明は必ずしもこれに限定されない。介在部材の形態は、電極と電極基部との間に位置しつつそれらの接合に資するものであればいずれの形態であってもよい。
本発明に基づく技術は、電解、すなわち電気分解が行われる各種の電解槽に利用できる。限定するわけではないが、本発明は、例えばソーダ工業に用いられる電解槽に利用でき、特に、電極による隔膜の損傷が懸念される電解槽に対して好適に利用できる。
100 電解槽ユニット
100’ 電解槽ユニット
100'' 電解槽ユニット
150 電極の支持フレーム
200 電極
200A 陰極
200B 陽極
210 ストランド
250 電極の端部
250’ 曲げ付け部分
255 電極の端部エッジ
257 曲げ箇所
280 電極基部(例えば陰極基部)
300 隔膜(例えばイオン交換膜)
400 導電性弾性体
450 弾性部
600 介在部材
640 薄板状部材
640A 上側の薄板状部材
640B 下側の薄板状部材
660 ワイヤー状部材

800 従前の電極固定化ピン
850 鍔部分

Claims (15)

  1. 陽極、陰極およびそれらの間の隔膜から少なくとも構成される電解槽であって、
    前記陽極および前記陰極の少なくとも一方の電極は、該電極が設けられる電極基部との間に介在する介在部材によって、該電極基部に対して取付けられている、電解槽。
  2. 前記介在部材が薄板状またはワイヤー状である、請求項1に記載の電解槽。
  3. 前記介在部材によって、前記電極と前記電極基部とが互いに接合されている、請求項1または2に記載の電解槽。
  4. 前記介在部材によって、前記電極と前記電極基部とが互いに溶接されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電解槽。
  5. 前記隔膜に対して前記電極よりも遠位側に前記介在部材が配置されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電解槽。
  6. 前記介在部材が前記電極の少なくとも端部領域において設けられる、請求項1〜5のいずれかに記載の電解槽。
  7. 前記電極基部上に前記介在部材として設けた薄板状部材の上面に前記電極の端部エッジが位置するように電極端部が曲げ付けられており、該端部エッジよりも内側の領域に接合部が存在する、請求項1または6に記載の電解槽。
  8. 前記介在部材が、前記電極の端部領域以外の非端部領域において設けられる、請求項1〜5のいずれかに記載の電解槽。
  9. 前記取付けによって前記電極が前記電極基部に対して仮止めされる、請求項1〜8のいずれかに記載の電解槽。
  10. 前記少なくとも一方の電極が、導電性多孔基材を有して成る、請求項1〜9のいずれかに記載の電解槽。
  11. 前記陽極および前記陰極の一方の電極が、該陽極および該陰極の他方の電極に対して相対的に可撓性を有し、該一方の電極に前記介在部材が設けられている、請求項1〜10のいずれかに記載の電解槽。
  12. 前記一方の電極が、導電性弾性体によって前記他方の電極へと押圧されるように、該導電性弾性体が該一方の背面側に設けられている、請求項11に記載の電解槽。
  13. 前記隔膜がイオン交換膜である、請求項1〜12のいずれかに記載の電解槽。
  14. 前記電解槽がゼロギャップ式の食塩電解槽である、請求項1〜13のいずれかに記載の電解槽。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の電解槽を構成するための電解槽ユニット。
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