JP7202759B2 - 弾性マット及び電解槽 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性マット及び電解槽に関する。
食塩水等のアルカリ金属塩化物水溶液を用いた電気分解(以下、「電解」という。)では、イオン交換膜法が用いられている。イオン交換膜法は、イオン交換膜を備えた電解槽を用いるものである。電解に用いられる電解槽としては、電極間距離を小さくするため、陽・陰両電極で薄い固体電解質膜を実質的に挟持させた形の電解槽、所謂ゼロギャップ電解槽も提案されている。
ゼロギャップ電解槽において、イオン交換膜を挟持する少なくとも一方の部材を弾性部材とすることで、電解セル内で圧力変動が生じた場合でも当該弾性部材によりイオン交換膜の破損につながる応力を吸収することができる。このような弾性部材の例として、特許文献1には、0.1mmのニッケルワイヤー4本を用いて織物としたクッションマットであって、更に波形に加工して厚さ9mmとしたクッションマットを弾性マットとして用いることが開示されている。
特許第5047265号明細書
弾性マットには、ある程度の逆差圧を受けてもゼロギャップを維持できる程度にその形状を維持できる(潰れない)ことが要求される。このように、逆差圧に晒された後に荷重を開放したときの弾性マット厚みの残りやすさを示す性質を逆差圧耐性という。ゼロギャップ電解槽に適用する前提において、弾性マットの逆差圧耐性は高いことが好ましく、例えば、弾性マットの反発力を高めることで十分な逆差圧耐性が確保されるものと考えられる。しかしながら、弾性マットの反発力を高める、すなわち丈夫な弾性マットとする場合、弾性マットが電解槽の運転時に与える面圧(本明細書中、「常用面圧」ともいう。)も高くなる傾向にある。常用面圧が高いことは、イオン交換膜にかかる負荷が高いことを意味し、膜損傷を引き起こす可能性が高くなる。ここで、特許文献1に記載の弾性マットは、ニッケルワイヤーの織物を波形に加工したものであり、例えばこれを複数積層して使用することで、逆差圧耐性をより向上させ、潰れにくくすることは可能であるものの、同時に常用時の面圧が高くなる傾向にある。すなわち、特許文献1の技術では、常用時の面圧が過度に高くなることに起因してイオン交換膜に損傷を与える場合がある。このように、従来技術において、電解セル内の圧力変動が生じた場合のゼロギャップ構造の維持と膜損傷の防止との間には、トレードオフの関係がある。すなわち、特許文献1に記載の弾性マットは、適切な常用面圧の観点から未だ更なる改善の余地があり、ゼロギャップ構造の維持と膜損傷の防止を両立できるような弾性マットが求められる。
本発明は、上記の従来技術が有する課題を鑑みてなされたものであり、電解槽に適用した際、適度な常用面圧を与え、イオン交換膜への損傷を防止でき、逆差圧耐性にも優れる弾性マット及び電解槽を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の形状を有する弾性マット又は特定のパラメータを有する弾性マットにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]
導電性を有する弾性マットであって、
前記弾性マットが、湾曲していることにより形成される複数の山部及び谷部を有し、
前記山部が、当該山部の高さよりも小さい深さを持つ凹部を有し、
前記谷部が、当該谷部の深さよりも小さい高さを持つ凸部を有する、弾性マット。
[2]
一の山部の形成方向と、これと隣り合う山部の形成方向とが、いずれも略平行の関係にあり、
一の谷部の形成方向と、これと隣り合う谷部の形成方向とが、いずれも略平行の関係にある、[1]に記載の弾性マット。
[3]
前記山部及び谷部が、前記弾性マットの面方向において、ヘリンボーン模様を与える、[1]又は[2]に記載の弾性マット。
[4]
前記ヘリンボーン模様における変曲点が1点であり、当該変曲点における変曲角が90°以上である、[3]に記載の弾性マット。
[5]
任意の位置で折り畳まれてなる、[1]~[4]のいずれかに記載の弾性マット。
[6]
陽極を含む陽極室と、
[1]~[5]のいずれかに記載の弾性マット、集電体及び陰極を含む陰極室と、
前記陽極室と前記陰極室との間に配置されるイオン交換膜と、
を備え、
前記陰極室において、前記弾性マットが前記集電体及び陰極の間に配置され、
前記弾性マットが、前記陰極に対して、前記イオン交換膜に向かう方向に圧力を印加する、電解槽。
[7]
導電性を有する弾性マットであって、
前記弾性マットの厚みが2mm超であり、
(i)前記弾性マットの厚みが2mmとなるように押圧したときに測定される当該弾性マットの反発力が、5kPa以上30kPa以下であり、
(ii)前記弾性マットを40kPaの圧力で20秒間圧縮した後、当該圧力を解放した時の厚みが1mm以上である、弾性マット。
本発明の弾性マットは、電解槽に適用した際、適度な常用面圧を与え、イオン交換膜への損傷を防止することができると共に、高い逆差圧耐性を両立できる。
図1は、本実施形態に係る弾性マットの一例を示す斜視模式図である。 図2は、図1のX-X’断面に対応する部分断面模式図である。 図3は、本実施形態に係る弾性マットにおいて、ヘリンボーン模様を有する態様の一例を示す斜視模式図である。 図4は、本実施形態における弾性マットを適用した電解セルの一例を示す断面模式図である。 図5は、図4の電解セルを2つ直列に接続する場合の説明図である。 図6は、本実施形態の電解槽の一例を示す説明図である。 図7は、本実施形態の電解槽を組み立てる工程の一例を示す説明図である。 図8(a)は、実施例における、弾性マットの山部の高さ、凹部の深さ、谷部の深さ及び凸部の高さを測定するための方法を説明するための説明図である。図8(b)は、図8(a)のX-X’断面に対応する部分断面模式図である。 図9は、実施例1の弾性マットを電解セルに組み込む際の操作を示す部分断面模式図である。 図10は、実施例1の弾性マットと比較例1の弾性マットの厚みと接触面圧の関係を示すグラフである。 図11は、実施例7の弾性マットの構成を示す説明図である。 図12は、実施例8の弾性マットの構成を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。なお、図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[弾性マット]
本実施形態の第1の態様に係る弾性マット(以下、「第1の弾性マット」ともいう。)は、導電性を有する弾性マットであって、前記弾性マットが、湾曲していることにより形成される複数の山部及び谷部を有し、前記山部が、当該山部の高さよりも小さい深さを持つ凹部を有し、前記谷部が、当該谷部の深さよりも小さい高さを持つ凸部を有する。第1の弾性マットは、上記のとおり、単に山部及び谷部を有する形状(単なる波形状)とするのではなく、山部が凹部を、谷部が凸部を、それぞれ有するように構成されているため、逆差圧耐性を向上させつつも適度に常用面圧を低減することができ、したがって電解槽に適用した際、適度な常用面圧を与え、イオン交換膜への損傷を防止することができる。
また、本実施形態の第2の態様に係る弾性マット(以下、「第2の弾性マット」ともいう。)は、導電性を有する弾性マットであって、前記弾性マットの厚みが2mm超であり、(i)前記弾性マットの厚みが2mmとなるように押圧したときに測定される当該弾性マットの反発力が、5kPa以上30kPa以下であり、(ii)前記弾性マットを40kPaの圧力で20秒間圧縮した後、当該圧力を解放した時の厚みが1mm以上である。第2の弾性マットも、上記のとおり、所定のパラメータが所定の範囲内にあるため、逆差圧耐性を向上させつつも適度に常用面圧を低減することができ、したがって電解槽に適用した際、適度な常用面圧を与え、イオン交換膜への損傷を防止することができる。
以下、特に断りがない限り、「本実施形態の弾性マット」と称するときは、第1の弾性マット及び第2の弾性マットを包含するものとする。
電解を実施する際、通常、弾性マットは集電体と陰極の間に配置され、電気を陰極に伝えると共に、陰極から発生した水素ガスを集電体側に抵抗なく通過させることが好ましい。また、このとき、イオン交換膜に接している陰極に対し均一かつ膜損傷を生じさせない程度の適切な圧力を加えて、イオン交換膜と陰極とを密着させるように機能することが好ましい。このような観点から、弾性マットの材質やサイズを適宜調整することが好ましい。
本実施形態の弾性マットの導電性としては、ゼロギャップ電解槽に弾性マットを適用する場合において、隣接することとなる集電体との電気的な接続が確保できる程度の導電性であればよく、例えば、金属材料、その他の導電性材料を使用することにより、導電性を有するものとすることができる。金属材料としては、以下に限定されないが、例えば、ニッケル、鉄、コバルト、モリブデン、鉛、それらの合金等を使用することができ、導電性や電解液及び電解生成物への耐性の観点からニッケルが好ましい。
本実施形態においては、例えば、上記した金属材料からなるワイヤー(金属線)の集合体を用いることで、好ましくは、当該金属線を複数用意して織ることで、クッションマット形状の弾性マット前駆体を構成することができる。この場合のワイヤーの線径としては、特に限定されず、様々な線径とすることができるが、クッションマットを潰れにくくする観点及びイオン交換膜への押しつけ圧が過剰とならないようにする観点から、0.05mm~0.25mmが好ましい。また、ワイヤー断線の発生確率を下げることでより膜損傷を防止しやすくする観点、及びワイヤーとしてのコシを十分に確保することで面圧ムラの発生を効果的に防止する観点から、0.10mm~0.25mmがより好ましく、さらに好ましくは0.15mm~0.25mmであり、よりさらに好ましくは0.16mm~0.25mmであり、一層好ましくは0.16mm~0.19mmである。
ワイヤーの織り方としては特に限定されず、種々公知の織り方を採用することができる。本実施形態においては、例えば、メリヤス織りを採用できる。
第1の弾性マットは、上述したような弾性マット前駆体が厚み方向に湾曲され、複数の山部及び谷部を有するものとして構成される。さらに、第1の弾性マットは、前記山部が、当該山部の高さよりも小さい深さを持つ凹部を有し、前記谷部が、当該谷部の深さよりも小さい高さを持つ凸部を有する。本実施形態において、第2の弾性マットも、湾曲していることにより形成される複数の山部及び谷部を有し、前記山部が、当該山部の高さよりも小さい深さを持つ凹部を有し、前記谷部が、当該谷部の深さよりも小さい高さを持つ凸部を有することが好ましい。
図1に示す例において、弾性マット1は、左端に山部2を有し、これに隣接するように谷部3が形成され、さらに山部2が隣接し、このような構成が連続して右端の谷部3に至る構成を有する。図1に示す例において、弾性マット1は、左端の山部2の3か所において凹部4が形成されており、右端の谷部3にも3か所において凸部5が形成されている。図1では符号を省略するが、その他の山部2においても3か所ずつ凹部が形成されており、他の谷部3においても3か所ずつ凸部が形成されている。
弾性マットにおける山部、谷部、凹部及び凸部の数は特に限定されず、適宜設定することができる。電解槽に適用した際、より適切な常用面圧を与える観点から、弾性マットにおける山部及び谷部の形成方向に対して直角方向のピッチ(すなわち、隣接する山部又は谷部の頂点間距離)は3~15mmが好ましく、より好ましくは5~11mmであり、凹凸の溝に直角方向のピッチは3~15mmが好ましく、より好ましくは5~11mmである。
なお、図1に格子状に示されている線は、説明の便宜上、弾性マットを構成する線材を示すが、このような構成の線材には限定されず、上述したように好ましくは線材をメリヤス織りした構成を有するクッションマットに上述した山部、谷部、凹部及び凸部が形成されているものが好ましい。
図1に示す例において、左端の山部2は、山部形成方向αに延びるものであり、山部形成方向αにおいて山部の高さは3か所の凹部4を除き略一定である。また、右端の谷部3は谷部形成方向βに延びるものであり、谷部形成方向βにおいて谷部の高さは3か所の凸部5を除き略一定である。図1では、複数の山部及び谷部はその形成方向が略平行とされているが、略平行の関係にない弾性マットも本実施形態に包含され、均一な常用面圧を得ることができる。
図1の弾性マット1のX-X’断面の中央付近における部分的な断面模式図を図2に示す。図2における点線X-X’は弾性マット1の厚み方向の中心に対して垂直な線である。Yで示される形状は凹部が形成された山部及び凸部が形成された谷部に対応しており、図2において前方に位置する。Zで示される形状は凹部が形成されていない山部及び凸部が形成されていない谷部に対応しており、図2において後方に位置する。
点線X-X’から、凹部が形成されていない山部の最高点までの垂線で示される高さh1が「山部の高さ」に対応する。また、当該山部の最高点から凹部の最低点までの距離で示される高さh2が「凹部の深さ」に対応する。図2に示されるように、本実施形態の弾性マットにおいて、h1>h2の関係が成立する。
また、点線X-X’から、凸部が形成されていない谷部の最低点までの垂線で示される高さh3が「谷部の深さ」に対応する。また、当該谷部の最低点から凸部の最高点までの距離で示される高さh4が「凹部の高さ」に対応する。図2に示されるように、本実施形態の弾性マットにおいて、h3>h4の関係が成立する。
山部、谷部、凹部及び凸部の関係が上記を満たすことにより、本実施形態の弾性マットは電解槽に適用した際、適度な常用面圧を与え、イオン交換膜への損傷を防止することができる。
上記と同様の観点から、h1の値は、1.8~3.0mmが好ましく、より好ましくは2.0~2.8であり、h2の値は、0.6~2.2mmが好ましく、より好ましくは0.8~2.0mmであり、h3の値は、1.8~3.0mmが好ましく、より好ましくは2.0~2.8であり、h4の値は、0.6~2.2mmが好ましく、より好ましくは0.8~2.0mmである。
本実施形態においては、山部及び谷部が、弾性マットの面方向において、ヘリンボーン模様を与えることが好ましい。ヘリンボーン模様は、図3に示すように、1の山部の形成方向γと他の山部の形成方向γ’とがなす変曲角θで模様が変曲する変曲点6を有するものである。このように、ヘリンボーン模様における変曲点が1点であり、当該変曲点における変曲角が90°以上であることが好ましい。本実施形態において、山部、谷部、凹部及び凸部の形状がより均一であれば、より均一な反発特性が得られる傾向にあり、このような観点から、弾性マットの形状を調整することが好ましい。以下に限定されないが、変曲点の数や編曲角の大きさが反発特性に影響を与えることも考えられ、例えば、前述の観点から変曲点の数を1つとすることができ、変曲角θは90°以上とすることができ、好ましくは130~160°である。
本実施形態の弾性マットの厚みは、特に限定されず、所望とする電解槽における陽極と陰極室に設置される集電体との距離や弾性マットの柔軟性等を考慮して適宜設定すればよい。本実施形態の弾性マットの厚みは、典型的な電解槽を想定する場合、例えば、0.5mm~20mm程度とすることができ、3mm~15mmが好ましく、4mm~10mmがより好ましい。本実施形態の弾性マットの厚みは、例えば、株式会社今田製作所製の引張圧縮試験機(商品名SDT-201NA-SH)を使用して測定することができ、より具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の弾性マットの柔軟性としては、特に限定されないが、例えば、常用時に発生する面圧が2kPa~40kPaの範囲のものを用いることができる。常用時に発生する面圧が2kPa以上であるとイオン交換膜への押し付け圧が十分に大きくなる傾向にあり、40kPa以下であると、イオン交換膜への押しつけ圧が過剰に大きくなることを防止できる傾向にある。同様の観点から、常用時に発生する面圧が13kPa~34kPaの範囲のものを用いることが好ましい。
本実施形態の弾性マットは、任意の位置で折り畳んで使用することもでき、折り畳むことなく使用することもでき、複数枚を重ねて使用することもできる。なお、前述したように、本実施形態の弾性マットは、単に山部及び谷部を有する形状とするのではなく、山部が凹部を、谷部が凸部を、それぞれ有するように構成されているため、逆差圧耐性を向上させつつも適度に常用面圧を低減することができるものである。したがって、本実施形態の弾性マットは、複数枚を重ねて使用せずとも(1枚のみ使用する場合でも)ゼロギャップ構造の維持と膜損傷の防止を両立することができる。
本実施形態において、電解を実施する際、前述したように弾性マットを集電体に取り付けることが好ましい。その取り付け方法としては、特に限定されず、例えば、スポット溶接で適宜固定する方法、樹脂製のピンや金属製のワイヤー等で固定する方法等が挙げられる。一方、電解槽への取り付けの容易性の観点及び弾性マットを構成し得る線材の断線を防止する観点から、弾性マットの4辺を各々を集電体に折り込んだ状態で使用することが前述した固定方法よりも好ましい。
第2の弾性マットにおいて、前記弾性マットの厚みが2mmとなるように押圧したときに測定される当該弾性マットの反発力(以下、「パラメータ(i)」ともいう。)が、5kPa以上30kPa以下であり、かつ、前記弾性マットを40kPaの圧力で20秒間圧縮した後、当該圧力を解放した時の厚み(以下、「パラメータ(ii)」ともいう。)が1mm以上である。第2の弾性マットは、パラメータ(i)が5kPa以上であるため十分な押圧で電極とイオン交換膜が接触するため電解性能に優れ、30kPa以下であるため適度な押圧のため、イオン交換膜への押し付けが強すぎず、イオン交換膜の損傷防止に優れる。かかる観点から、第2の弾性マットにおいて、パラメータ(i)は7kPa以上28kPa以下が好ましく、より好ましくは9kPa以上27kPa以下である。
さらに、第2の弾性マットは、パラメータ(ii)が1mm以上であるため電解性能に優れる。かかる観点から、パラメータ(ii)は1.2mm以上が好ましく、より好ましくは1.5mm以上、さらにより好ましくは2.0mm以上である。
パラメータ(i)及び(ii)は、具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。また、これらのパラメータは、例えば、弾性マットの面方向において反発力に勾配を持たせること等により上記範囲に調整することができる。このような調整方法の一例については後述する。
〔弾性マットの製造方法〕
本実施形態の弾性マットの製造方法としては、特に限定されないが、次の工程を含むものとすることができる。
まず、導電性の弾性部材を用いて所望とする形状を有する弾性マット前駆体を製造する。
次いで、上述したような山部、谷部、凹部及び凸部に対応する形状を有する金型を用意し、これで弾性マット前駆体に対して所望とする形状を与える。
上記した方法の他、弾性マット前駆体に対して、歯先間距離を適宜調整した歯車ロールを適用することによっても本実施形態の弾性マットを製造することができる。
前述したように、弾性マットには、ある程度の逆差圧を受けてもゼロギャップを維持できる程度にその形状を維持できること(逆差圧耐性)が要求され、さらに、常用面圧が過度に高くならないようにすることも要求される。逆差圧耐性を高めるために丈夫な弾性マットとする場合、常用面圧が高くなる傾向にあり、膜損傷を引き起こす可能性が高くなる。一方、常用面圧が低くするために柔軟な弾性マットとする場合、逆差圧耐性が低下する傾向にあり、ゼロギャップの維持が困難となる。このように、ゼロギャップ構造の維持と膜損傷の防止との間には、トレードオフの関係があり、すなわち、従来技術において、パラメータ(i)を適切な範囲とすることと、パラメータ(ii)を適切な範囲とすることとの間にはトレードオフの関係があるといえる。第2の弾性マットは、このような従来技術の課題を解決するものであって、例えば、第2の弾性マットに該当し、かつ、第1の弾性マットに該当しないものは次のようにして製造することができる。
まず、所望とするサイズの1枚の弾性マット(第1の弾性マットに該当しないもの)を準備し、これを例えば3以上の領域に区分する。次いで、少なくとも1つの領域を圧縮処理に供し、厚みを低減させると共に常用面圧を下げることにより、第2の弾性マットを製造することができる。圧縮処理実施済みの領域と圧縮処理未実施の領域の配置については、特に限定されず、例えば、圧縮処理未実施の領域、圧縮処理実施済みの領域及び圧縮処理未実施の領域の順に交互に配置(後述の実施例7;図11参照)したり、圧縮処理実施済みの領域、圧縮処理未実施の領域及び圧縮処理実施済みの領域の順に交互に配置(後述の実施例8;図12参照)することが好ましい。
また、第2の弾性マットに該当し、かつ、第1の弾性マットに該当しないものの製造方法は、上記の例に限定されず、例えば、次のようにして製造することもできる。
まず、所望とするサイズの1枚の弾性マット(第1の弾性マットに該当しないもの)を準備し、これを例えば3以上の領域に分割したサンプルを準備する。次いで、このサンプルの中の少なくとも1つを圧縮処理に供し、厚みを低減させると共に常用面圧を下げる。さらに、例えば、圧縮処理実施済みのサンプルと圧縮処理未実施のサンプルの側面(電解槽運転時に電極や集電体と接しない面)同士を一体化させること等により、圧縮処理実施済みの領域と圧縮処理未実施の領域とを有する第2の弾性マットを製造することができる。ここでの一体化としては、特に限定されないが、例えば、各サンプルにおけるワイヤー同士を絡ませたり溶接することで一体化させてもよいし、導電性を有する接着剤で一体化させてもよい。圧縮処理実施済みのサンプルと圧縮処理未実施のサンプルの配置については、特に限定されず、例えば、圧縮処理未実施の領域、圧縮処理実施済みの領域及び圧縮処理未実施の領域の順に交互に配置したり、圧縮処理実施済みの領域、圧縮処理未実施の領域及び圧縮処理実施済みの領域の順に交互に配置することが好ましい。
なお、上述の例のようにして得られる弾性マットにおいて、例えば、圧縮処理実施済みの領域と圧縮処理未実施の領域との面積比を調整すること等により、パラメータ(i)の値を制御することができる。例えば、圧縮処理実施済みの領域の合計面積S1と圧縮処理未実施の領域の合計面積S2の面積比S1/S2を増加させることで、パラメータ(i)は減少する傾向にあり、この場合、パラメータ(ii)はほとんど変化しない傾向にある。パラメータ(ii)の値については、弾性マットを構成する金属材料として、例えば、ニッケル、鉄、コバルト、モリブデン、鉛、それらの合金等を使用したり、これらの金属材料からなるワイヤーの線径を、例えば0.05mm~0.25mm程度に調整する等により前述した範囲に調整できる。
[電解槽]
本実施形態の電解槽は、陽極を含む陽極室と、本実施形態の弾性マット、集電体及び陰極を含む陰極室と、前記陽極室と前記陰極室との間に配置されるイオン交換膜と、を備え、前記陰極室において、前記弾性マットが前記集電体及び陰極の間に配置され、前記弾性マットが、前記陰極に対して、前記イオン交換膜に向かう方向に圧力を印加するものである。このような構成の電解槽は、イオン交換膜の損傷が防止され、安定して運転を行うことができる。本実施形態において、陽極室と、陰極室とを組み合わせたものを電解セルと称し、以下で詳細に説明する。
(電解セル)
図4は、本実施形態の電解槽を構成する電解セルの一例を断面模式図として示したものである。電解セル100は、陽極室10と、陰極室20と、陽極室10及び陰極室20を隔離する隔壁30と、陽極室10に設置された陽極11と、陰極室20に設置された陰極21と、を備える。1つの電解セル100に属する陽極11及び陰極21は互いに電気的に接続されている。
また、陰極室20は、陰極室20内に設置された陰極21と、集電体23と、当該集電体を支持する支持体24と、弾性マット1とを更に有する。弾性マット1は、集電体23及び陰極21の間に設置されている。支持体24は、集電体23及び隔壁30の間に設置されている。集電体23は、弾性マット1を介して、陰極21と電気的に接続されている。隔壁30は、支持体24を介して、集電体23と電気的に接続されている。したがって、隔壁30、支持体24、集電体23、弾性マット1及び陰極21は電気的に接続されている。陰極21及び逆電流吸収体は、直接接続されていてもよく、集電体、支持体、金属弾性体又は隔壁等を介して間接的に接続されていてもよい。陰極21の表面全体は還元反応のための触媒層で被覆されていることが好ましい。また、電気的接続の形態は、隔壁30と支持体24、支持体24と集電体23、集電体23と弾性マット1がそれぞれ直接取り付けられ、弾性マット1上に陰極21が積層される形態であってもよい。これらの各構成部材を互いに直接取り付ける方法として、溶接や前述した折り込み等が挙げられる。
集電体23と陰極21との間に弾性マット1が設置されることにより、直列に接続された複数の電解セル100の各陰極21がイオン交換膜2に押し付けられ、各陽極11と各陰極21との間の距離が短くなり、直列に接続された複数の電解セル100全体に掛かる電圧を下げることができる。電圧が下がることにより、消費電量を下げることができる。本実施形態の弾性マットによれば、上述したように適度な常圧面圧でイオン交換膜に圧力を印加することができるため、電流効率を維持しつつゼロギャップの構成をとることができ、さらに、イオン交換膜の損傷も好ましく防止することができる。
なお、弾性マットの上には直接陰極を重ねることもできるし、別の導電性部材を介して陰極を重ねる構成であってもよい。ゼロギャップに使用できる陰極としては、線径が細くメッシュ数の小さい陰極が柔軟性も高く好ましい。このような陰極を構成する線材としては特に限定されないが、線径0.1~0.5mmで、目開きが20メッシュから80メッシュ程度の範囲のものを使用することもできる。
図5は、本実施形態の電解槽4内において隣接する2つの電解セル100の断面図である。図6は、電解槽400を示す。図7は、電解槽400を組み立てる工程を示す。図5に示すように、電解セル100、イオン交換膜2、電解セル100がこの順序で直列に並べられている。電解槽内において隣接する2つの電解セルのうち一方の電解セル100の陽極室と他方の電解セル100の陰極室との間にイオン交換膜2が配置されている。つまり、電解セル100の陽極室10と、これに隣接する電解セル100の陰極室20とは、イオン交換膜2で隔てられる。図6に示すように、電解槽400は、イオン交換膜2を介して直列に接続された複数の電解セル100から構成される。つまり、電解槽400は、直列に配置された複数の電解セル100と、隣接する電解セル100の間に配置されたイオン交換膜2と、を備える複極式電解槽である。図7に示すように、電解槽400は、イオン交換膜2を介して複数の電解セル100を直列に配置して、プレス器500により連結されることにより組み立てられる。
電解槽400は、電源に接続される陽極端子700と陰極端子600とを有する。電解槽400内で直列に連結された複数の電解セル100のうち最も端に位置する電解セル100の陽極11は、陽極端子700に電気的に接続される。電解槽400内で直列に連結された複数の電解セル2のうち陽極端子700の反対側の端に位置する電解セルの陰極21は、陰極端子600に電気的に接続される。電解時の電流は、陽極端子700側から、各電解セル100の陽極及び陰極を経由して、陰極端子600へ向かって流れる。なお、連結した電解セル100の両端には、陽極室のみを有する電解セル(陽極ターミナルセル)と、陰極室のみを有する電解セル(陰極ターミナルセル)を配置してもよい。この場合、その一端に配置された陽極ターミナルセルに陽極端子700が接続され、他の端に配置された陰極ターミナルセルに陰極端子600が接続される。
塩水の電解を行なう場合、各陽極室10には塩水が供給され、陰極室20には純水又は低濃度の水酸化ナトリウム水溶液が供給される。各液体は、電解液供給管(図中省略)から、電解液供給ホース(図中省略)を経由して、各電解セル100に供給される。また、電解液及び電解による生成物は、電解液回収管(図中省略)より、回収される。電解において、塩水中のナトリウムイオンは、一方の電解セル100の陽極室10から、イオン交換膜2を通過して、隣の電解セル100の陰極室20へ移動する。よって、電解中の電流は、電解セル100が直列に連結された方向に沿って、流れることになる。つまり、電流は、イオン交換膜2を介して陽極室10から陰極室20に向かって流れる。塩水の電解に伴い、陽極11側で塩素ガスが生成し、陰極21側で水酸化ナトリウム(溶質)と水素ガスが生成する。
(隔壁)
隔壁30は、セパレータと呼ばれることもあり、陽極室10と陰極室20の間に配置され、陽極室10と陰極室20とを区画するものである。隔壁30としては、電解用のセパレータとして公知のものを使用することができ、例えば、陰極側にニッケル、陽極側にチタンからなる板を溶接した隔壁等が挙げられる。
(陽極室)
陽極室10は、陽極11を有する。また、陽極室10は、陽極室10に電解液を供給する陽極側電解液供給部と、陽極側電解液供給部の上方に配置され、隔壁30と略平行あるいは斜めになるように配置されたバッフル板と、バッフル板の上方に配置され、気体が混入した電解液から気体を分離する陽極側気液分離部とを有することが好ましい。
(陽極)
陽極室10の枠内には、陽極11が設けられている。陽極11としては、いわゆるDSA(登録商標:デノラ・ペルメレック株式会社)等の金属電極を用いることができる。DSAとは、ルテニウム、イリジウム、チタンを成分とする酸化物によって表面を被覆されたチタン基材である。
本実施形態において、隔膜として使用するイオン交換膜の損傷の観点から、電解槽における陽極と前記逆電流吸収部材との距離が、35mm~0.1mmであることが好ましい。
(陽極側電解液供給部)
陽極側電解液供給部は、陽極室10に電解液を供給するものであり、電解液供給管に接続される。陽極側電解液供給部は、陽極室10の下方に配置されることが好ましい。陽極側電解液供給部としては、例えば、表面に開口部が形成されたパイプ(分散パイプ)等を用いることができる。かかるパイプは、陽極11の表面に沿って、電解セルの底部19に対して平行に配置されていることがより好ましい。このパイプは、電解セル100内に電解液を供給する電解液供給管(液供給ノズル)に接続される。液供給ノズルから供給された電解液はパイプによって電解セル100内まで搬送され、パイプの表面に設けられた開口部から陽極室10の内部に供給される。パイプを、陽極11の表面に沿って、電解セルの底部19に平行に配置することで、陽極室10の内部に均一に電解液を供給することができるため好ましい。
(陽極側気液分離部)
陽極側気液分離部は、バッフル板の上方に配置されることが好ましい。電解中において、陽極側気液分離部は、塩素ガス等の生成ガスと電解液を分離する機能を有する。なお、特に断りがない限り上方とは、図4の電解セル100における上方向を意味し、下方とは、図4の電解セル100における下方向を意味する。
電解時、電解セル100で発生した生成ガスと電解液が混相(気液混相)となり系外に排出されると、電解セル100内部の圧力変動によって振動が発生し、イオン交換膜の物理的な破損を引き起こす場合がある。これを抑制するために、本実施形態の電解セル100には、気体と液体を分離するための陽極側気液分離部が設けられていることが好ましい。陽極側気液分離部には、気泡を消去するための消泡板が設置されることが好ましい。気液混相流が消泡板を通過するときに気泡がはじけることにより、電解液とガスに分離することができる。その結果、電解時の振動を防止することができる。
(バッフル板)
バッフル板は、陽極側電解液供給部の上方に配置され、かつ、隔壁30と略平行あるいは斜めに配置されることが好ましい。バッフル板は、陽極室10の電解液の流れを制御する仕切り板である。バッフル板を設けることで、陽極室10において電解液(塩水等)を内部循環させ、その濃度を均一にすることができる。内部循環を起こすために、バッフル板は、陽極11近傍の空間と隔壁30近傍の空間とを隔てるように配置することが好ましい。かかる観点から、バッフル板は、陽極11及び隔壁30の各表面に対向するように設けられていることが好ましい。バッフル板により仕切られた陽極近傍の空間では、電解が進行することにより電解液濃度(塩水濃度)が下がり、また、塩素ガス等の生成ガスが発生する。これにより、バッフル板により仕切られた陽極11近傍の空間と、隔壁30近傍の空間とで気液の比重差が生まれる。これを利用して、陽極室10における電解液の内部循環を促進させ、陽極室10の電解液の濃度分布をより均一にすることができる。
なお、図4に示していないが、陽極室10の内部に集電体を別途設けてもよい。かかる集電体としては、後述する陰極室の集電体と同様の材料や構成とすることもできる。また、陽極室10においては、陽極11自体を集電体として機能させることもできる。
(陰極室)
陰極室20は、陰極21と逆電流吸収体を有し、陰極21と逆電流吸収体は電気的に接続されている。また、陰極室20も陽極室10と同様に、陰極側電解液供給部、陰極側気液分離部、バッフル板を有していることが好ましい。なお、陰極室20を構成する各部位のうち、陽極室10を構成する各部位と同様のものについては説明を省略する。
(集電体)
陰極室20は集電体23を備えることが好ましい。これにより、集電効果が高まる。図4に示す例では、集電体23は板状であり、本実施形態においては、集電体の表面と陰極21の表面とが略平行となるように配置されることが好ましい。このような集電体によれば、後述する金属弾性体のたわみを抑制しつつ集電効果が得られる傾向にある。
集電体23としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、銀、チタンなどの電気伝導性のある金属からなることが好ましい。集電体23は、これらの金属の混合物、合金又は複合酸化物でもよい。なお、集電体23の形状は、集電体として機能する形状であればどのような形状でもよく、網状であってもよい。
(支持体)
陰極室20は、集電体23と隔壁30とを電気的に接続する支持体24を備えることが好ましい。これにより、効率よく電流を流すことができる。
支持体24は、ニッケル、鉄、銅、銀、チタンなど電気伝導性を有する金属からなることが好ましい。また、支持体24の形状としては、集電体23を支えることができる形状であればどのような形状でもよく、棒状、板状又は網状であってよい。図4に示す態様では、支持体24は板状であり、好ましくは金属板をL字状に曲げた構成を有する。複数の支持体24は、隔壁30と集電体23との間に配置される。複数の支持体24は、それぞれの面が互いに平行になるように並んでいる。支持体24は、隔壁30及び集電体23に対して略垂直に配置されている。
(バッフル板)
バッフル板は、陰極側電解液供給部の上方に配置され、かつ、隔壁30と略平行あるいは斜めに配置されることが好ましい。バッフル板は、陰極室20の電解液の流れを制御する仕切り板である。バッフル板を設けることで、陰極室20において電解液(塩水等)を内部循環させ、その濃度を均一にすることができる。内部循環を起こすために、バッフル板は、陰極21近傍の空間と隔壁30近傍の空間とを隔てるように配置することが好ましい。かかる観点から、バッフル板は、陰極21及び隔壁30の各表面に対向するように設けられていることが好ましい。バッフル板により仕切られた陰極近傍の空間では、電解が進行することにより電解液濃度(塩水濃度)が下がり、また、水素ガス等の生成ガスが発生する。これにより、バッフル板により仕切られた陰極21近傍の空間と、隔壁30近傍の空間とで気液の比重差が生まれる。これを利用して、陰極室20における電解液の内部循環を促進させ、陰極室20の電解液の濃度分布をより均一にすることができる。
(陽極側ガスケット、陰極側ガスケット)
陽極側ガスケット51は、陽極室10を構成する枠体表面に配置されることが好ましい。陰極側ガスケット50は、陰極室20を構成する枠体表面に配置されていることが好ましい。1つの電解セルが備える陽極側ガスケット51と、これに隣接する電解セルの陰極側ガスケット50とが、イオン交換膜2を挟持するように、電解セル同士が接続される(図6参照)。これらのガスケットにより、イオン交換膜2を介して複数の電解セル100を直列に接続する際に、接続箇所に気密性を付与することができる。
ガスケットとは、イオン交換膜と電解セルとの間をシールするものである。ガスケットの具体例としては、中央に開口部が形成された額縁状のゴム製シート等が挙げられる。ガスケットには、腐食性の電解液や生成するガス等に対して耐性を有し、長期間使用できることが求められる。そこで、耐薬品性や硬度の点から、通常、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDMゴム)、エチレン・プロピレンゴム(EPMゴム)の加硫品や過酸化物架橋品等がガスケットとして用いられる。また、必要に応じて液体に接する領域(接液部)をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素系樹脂で被覆したガスケットを用いることもできる。これらガスケットは、電解液の流れを妨げないように、それぞれ開口部を有していればよく、その形状は特に限定されない。例えば、陽極室10を構成する陽極室枠又は陰極室20を構成する陰極室枠の各開口部の周縁に沿って、額縁状のガスケットが接着剤等で貼り付けられる。そして、例えばイオン交換膜2を介して2体の電解セル100を接続する場合(図6参照)、イオン交換膜2を介してガスケットを貼り付けた各電解セル100を締め付ければよい。これにより、電解液、電解により生成するアルカリ金属水酸化物、塩素ガス、水素ガス等が電解セル100の外部に漏れることを抑制することができる。
(イオン交換膜)
イオン交換膜2は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、塩化アルカリ等の電気分解により塩素とアルカリを製造する場合、耐熱性及び耐薬品性等に優れるという観点から、含フッ素系イオン交換膜が好ましい。含フッ素系イオン交換膜としては、電解時に発生するイオンを選択的に透過する機能を有し、かつイオン交換基を有する含フッ素系重合体を含むもの等が挙げられる。ここでいうイオン交換基を有する含フッ素系重合体とは、イオン交換基、又は、加水分解によりイオン交換基となり得るイオン交換基前駆体、を有する含フッ素系重合体をいう。このような含フッ素系重合体としては例えば、フッ素化炭化水素の主鎖からなり、加水分解等によりイオン交換基に変換可能な官能基をペンダント側鎖として有し、かつ溶融加工が可能な重合体等が挙げられる。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(弾性マットの製造)
導電性材料として、線径0.17mmのNiワイヤーをメリヤス編みすることにより目開き1.5×2.5mmの編物からなる弾性マット前駆体1を得た。この弾性マット前駆体にねじれ角θが15°(変曲角150°)のヘリンボーン様歯車ロール(歯車ロール1)で模様を与え、弾性マット前駆体2を得た。この操作によって山部及び谷部が形成され、弾性マット前駆体2の厚みとしては4.7mmであった。
続いて、歯先間距離が異なること以外は歯車ロール1と同様の歯車ロール(歯車ロール2)を用意し、弾性マット前駆体2における山部に凹部を、谷部に凸部を、いずれも高低差1.1mmとなるようにそれぞれ形成し、実施例1に係る弾性マット(1.2m×2.4m)を得た。このとき、弾性マット前駆体2に対し、歯車ロール1により転写されたヘリンボーンの意匠を反転させた意匠が更に転写されるように歯車ロール2を使用した。
得られた弾性マットの山部の高さ、凹部の深さ、谷部の深さ及び凸部の高さについては、図8(a)に示すように、一定の太さを有する測定用の棒を複数弾性マットに乗せ、図8(b)に示すように、弾性マットの載置面L1と、当該複数の棒によって形成される仮想上面L3と仮想下面L2を利用して各寸法をとることによって測定した。
なお、弾性マット前駆体及び弾性マットの厚みは、固定された測定台及び上下に可動の測定用板(100mm四方;面積10,000mm)を備える引張圧縮試験機(株式会社今田製作所製;商品名SDT-201NA-SH)を使用し、次のようにして測定した。
まず、引張圧縮試験機の測定台に何も載置されていない状態で、測定用板を降下して接触させ、その際の測定用板の位置を高さ0とした。次いで、測定用板を上昇させ、弾性マット前駆体又は弾性マットを引張圧縮試験機の測定台に載置し、再び測定用板を下降させ、弾性マット前駆体又は弾性マットと接触した後、反力が面圧換算で0.1kPaとなるように測定用板の位置を調整した。その際の測定用板の高さを弾性マット前駆体又は弾性マットの厚みとした。以下の実施例及び比較例についても同様に厚み(初期厚み)を測定した。
(電解セルの製造)
横幅が2400mm、高さが1289mmのゼロギャップ電解セルを次のようにして準備した。サイズ1149mm×2347mmかつ厚み1.2mmの孔あきのニッケル板を集電体として準備し、その表面上に前記の弾性マットを配置した。次いで、直径100mmの回転円板で弾性マットの周縁部(4辺全て)を、電解セルの枠体と集電体の縁部との間に形成される隙間を経由して集電体の裏面上に位置するように湾曲させ、集電体の縁部を跨ぎ、ヘラで集電体の裏面上に押し込んだ。このときの折込み長さは10mmであった。
さらに、ニッケル製ファインメッシュ基材にルテニウムの酸化物を被覆した陰極を、弾性マット上に配置した。図9に示すように、直径100mmの回転円板で陰極の周縁部(4辺全て)を湾曲させた。すなわち、弾性マット1及び陰極21の上端部を、枠体34と集電体40の縁部40cとの間に形成される隙間Sに挿入し、集電体40の縁部40cを跨いで裏面40b側に折り返されるようにして固定した。このときの折込み長さLは10mmであった。
(電解評価)
この電解セルを電解槽に組み込み、陽極として、チタン基材の表面にルテニウム、イリジウムを成分とする酸化物を被覆したものを用い、イオン交換膜として、ACIPLEX(登録商標)F6801を用いて、陽極液として約300g/Lの塩水を供給し、陰極室には、排出口付近で、苛性ソーダ濃度が約32重量%となるように希薄苛性ソーダを供給し、電解温度80から90℃、陽極室側ガス圧を40kPa、陰極室側ガス圧を44kPa、電流密度4kA/mで5日間電解したあとに電流密度7kA/mまで増加して計28日間電解した。なお、上記電解においては、陽極液の排出付近の塩水のpHが2となるように、供給する塩水に塩酸を添加した。電解後に取り出したイオン交換膜を目視したところ、外観上全く異常が認められなかった。次いで、イオン交換膜の表層コーティングを除去して観察したところ、発生した軽微なカルボン酸層の損傷(表中「膜損傷」と表記する。)は僅か55か所のみであり、電解性能に影響を及ぼさない程度であり、良好な状態を保っていた。
[比較例1]
歯車ロール2を使用しなかったことを除き、実施例1と同様にして比較例1に係る弾性マットを得た。かかる弾性マットを実施例1と同様の電解評価に供した。結果を表1に示す。40kPa加圧後の解放厚みは十分であるが、2mm時の面圧は過剰であるため、膜損傷が多発した。
(面圧)
実施例1及び比較例1で得られた弾性マットを対象とし、弾性マットの厚みに対する接触面圧を、次のように株式会社今田製作所製の引張圧縮試験機(商品名SDT-201NA-SH)を使用して測定した。
まず、前述のとおりに実施例1及び比較例1で得られた弾性マットの初期厚みを測定した。次いで、測定用板を下降させ、弾性マットに接触させた後、所定の反力となるように測定用板の位置を調整して押圧し、20秒間保持し、その際の圧力と厚みを記録した。押圧毎に反力の値を変更しながら上記操作を繰り返し、弾性マットの厚みに対する接触面圧をプロットした結果を図10に示す。なお、反力の値(面圧換算)としては、最初の押圧では1.5kPaとし、以降の押圧においては、反力を3.0kPa、5.0kPa、7.0kPa、9.0kPa、11.0kPa、13.0kPa、16.0kPa、19.0kPa、22.0kPa、25.0kPa、28.0kPa、31.0kPa、34.0kPa、37.0kPa、40.0kPa、及び43.0kPaの順に変更した。
ゼロギャップ電解槽においては、弾性マットの厚み(電解槽運転時の集電体と陰極との隙間と一致)は概ね2~3mmであるが、図10によれば、この範囲において、実施例1の弾性マットは比較例1に比べて面圧が有意に低下していることがわかる。
なお、弾性マット厚みが2mmのときの面圧は、実施例1では23kPaであり、比較例1では41kPaであった。
(40kPa加圧後の解放厚み)
得られた弾性マットを対象とし、弾性マットの厚みに対する接触面圧を、前述と同様の引張圧縮試験機(株式会社今田製作所製;商品名SDT-201NA-SH)を使用し、次のようにして測定した。すなわち、120mm×120mmに裁断した弾性マット(前述の「面圧」測定を実施していないもの)の中央に100mm×100mm(面積10,000mm)の測定用板を接触させ、反力が面圧換算で40kPaを示すまで押圧し、20秒間保持した後、反力が0.1kPaを示すまで測定用板を上方へ退避させ、そのときの厚みを解放時の厚みとした。
[実施例2]
歯車ロール2の歯先間距離を変更したことを除き、実施例1と同様にして実施例2に係る弾性マットを得た。かかる弾性マットを実施例1と同様の電解評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例3]
歯車ロール2の歯先間距離を変更したことを除き、実施例1と同様にして実施例3に係る弾性マットを得た。かかる弾性マットを実施例1と同様の電解評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例4]
歯車ロール2の歯先間距離を変更したことを除き、実施例1と同様にして実施例4に係る弾性マットを得た。かかる弾性マットを実施例1と同様の電解評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例5]
歯車ロール2の歯先間距離を変更したことを除き、実施例1と同様にして実施例5に係る弾性マットを得た。かかる弾性マットを実施例1と同様の電解評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例6]
導電性材料を、線径0.15mmのNiワイヤーに変更したことを除き、実施例2と同様にして実施例6に係る弾性マットを得た。かかる弾性マットを実施例2と同様の電解評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例7]
比較例1の弾性マットを縦120mm、横120mmのサイズに切り出した。次いで、切り出した弾性マットを図11のように3つの領域に区分し、中央の縦120mm×横33mmの領域のみ厚み1.6mmとなるように圧縮処理に供して得られたサンプルAを実施例7に係る弾性マット(面圧及び40kPa加圧後の解放厚み評価用)とした。このサンプルAは、面積基準で、圧縮済みの領域33%と、圧縮未実施の領域67%とを有していた。
圧縮処理は、切り出した弾性マットを十分な厚みを有するPVC板上に載置し、引っ張り圧縮試験機を用い、120mm×33mmの大きさの押し板(SUS製)を使用して実施した。
次いで、比較例1の弾性マットをサイズダウンさせずに圧縮処理に供したサンプルBを実施例7に係る弾性マット(電解評価用)とした。なお、このサンプルBにおける圧縮未実施の領域、圧縮済みの領域及び圧縮未実施の領域の位置関係並びに面積比はサンプルAと同様となるようにした。
[実施例8]
実施例7と同様に、比較例1の弾性マットを縦120mm、横120mmのサイズに切り出した。次いで、切り出した弾性マットを図12のように3つの領域に区分し、両端の縦120mm×横43.5mmの領域を厚み1.6mmとなるように圧縮処理に供して得られたサンプルCを実施例8に係る弾性マット(面圧及び40kPa加圧後の解放厚み評価用)とした。このサンプルCは、面積基準で、圧縮済みの領域67%と、圧縮未実施の領域33%とを有していた。
圧縮処理は、切り出した弾性マットを十分な厚みを有するPVC板上に載置し、引っ張り圧縮試験機を用い、120mm×45mmの大きさの押し板(SUS製)2枚を弾性マットの両端に設置して実施した。
次いで、比較例1の弾性マットをサイズダウンさせずに圧縮処理に供したサンプルDを実施例8に係る弾性マット(電解評価用)とした。なお、このサンプルDにおける圧縮済みの領域、圧縮未実施の領域及び圧縮済みの領域の位置関係並びに面積比はサンプルCと同様となるようにした。
実施例2~8についても、実施例1及び比較例1と同様に面圧及び40kPa加圧後の解放厚みを測定した。それらの結果を表1に併せて示す。
Figure 0007202759000001
表1より、第1の弾性マットの要件を満たす実施例1~6及び第2の弾性マットの要件を満たす実施例7~8は、本実施形態の弾性マットの要件を満たさない比較例1と比べてイオン交換膜の損傷が抑制されていることがわかる。
なお、実施例7~8は、比較例1を基に作成されたものであるが、事前圧縮した部分と事前圧縮していない部分とを一体化させて弾性マットとしているところ、厚み2mmの時の反発力は、平均面圧として測定されるため、値として比較例1よりも小さくなり、結果として比較例1よりも膜損傷を低減することができる。

Claims (6)

  1. 導電性を有する弾性マットであって、
    前記弾性マットが、湾曲していることにより形成される複数の山部及び谷部を有し、
    前記山部が、当該山部の高さよりも小さい深さを持つ凹部を有し、
    前記谷部が、当該谷部の深さよりも小さい高さを持つ凸部を有する、弾性マット。
  2. 一の山部の形成方向と、これと隣り合う山部の形成方向とが、いずれも略平行の関係にあり、
    一の谷部の形成方向と、これと隣り合う谷部の形成方向とが、いずれも略平行の関係にある、請求項1に記載の弾性マット。
  3. 前記山部及び谷部が、前記弾性マットの面方向において、ヘリンボーン模様を与える、請求項1又は2に記載の弾性マット。
  4. 前記ヘリンボーン模様における変曲点が1点であり、当該変曲点における変曲角が90°以上である、請求項3に記載の弾性マット。
  5. 任意の位置で折り畳まれてなる、請求項1~4のいずれか1項に記載の弾性マット。
  6. 陽極を含む陽極室と、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の弾性マット、集電体及び陰極を含む陰極室と、
    前記陽極室と前記陰極室との間に配置されるイオン交換膜と、
    を備え、
    前記陰極室において、前記弾性マットが前記集電体及び陰極の間に配置され、
    前記弾性マットが、前記陰極に対して、前記イオン交換膜に向かう方向に圧力を印加する、電解槽。
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