JP2001262387A - アルカリ金属塩電解槽 - Google Patents

アルカリ金属塩電解槽

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JP2001262387A JP2000080117A JP2000080117A JP2001262387A JP 2001262387 A JP2001262387 A JP 2001262387A JP 2000080117 A JP2000080117 A JP 2000080117A JP 2000080117 A JP2000080117 A JP 2000080117A JP 2001262387 A JP2001262387 A JP 2001262387A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ金属塩電解に用いるゼロギャップ電解
槽において長期間に亘って安定した電解を行うことを可
能とする。 【解決手段】陽イオン交換膜を陽・陰両電極間に挟持す
るための弾性マットとして、クリンプ加工によりヘリボ
ーン模様を賦形した金属性マットとし、該ヘリボーン摸
様は2〜9個の変曲点を有し、その変曲角度は120〜
160°とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陽イオン交換膜を
隔膜として用いるアルカリ金属塩、特に塩化ナトリウム
等の電解に用いられるイオン交換膜電解槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ金属塩水溶液の電解によ
る水酸化アルカリ金属の製造、特に塩化ナトリウム水溶
液の電解により、水酸化ナトリウム及び塩素を製造する
方法として、陽イオン交換膜を挟んで、陽極室と陰極室
とで構成され、陽極室には陽極を、陰極室には陰極をそ
れぞれ存在させ、陽極室にアルカリ金属塩水溶液を、ま
た陰極室にアルカリ金属水酸化物水溶液を満たして、両
電極間に直流電流を通し、電解を行う方法及びそれに用
いられるイオン交換膜電解槽は、周知である。
【0003】アルカリ金属塩(以下塩化ナトリウムを代
表として説明するが、その他のアルカリ金属塩に対して
も、当業者は、容易に適用し得るものである)の電解に
あっては、理論上、理論分解電圧をかけることにより、
所謂ファラデーの法則に従って、消費した電力に相当す
る水酸化ナトリウム、塩素及び水素が得られる。しかし
ながら、一般に電極の過電圧、イオン交換膜の電気抵
抗、電極間に存在する塩化ナトリウム水溶液や水酸化ナ
トリウム水溶液の電気抵抗等により、電極間電圧の上昇
を来し、電力の損失を生じる。
【0004】そこで、電極やイオン交換膜の改良が種々
行われているが、併せて電極間距離を小さくする試みも
種々なされており、陽・陰両電極で薄い固体電解質膜を
実質的に挟持させた形の電解槽、所謂ゼロギャップ電解
槽も提案されている。本発明も、ゼロギャップ電解槽の
改良に係る発明である。
【0005】ゼロギャップ電解槽にあっては、陽イオン
交換膜を挟持する少なくとも一方の部材に弾力を持た
せ、陽イオン交換膜の破損につながる応力を吸収しよう
とする試みがなされ、特公昭63−53272号、特公
平5−34434号、特開昭57−85981号等が提
案されている。
【0006】これらの提案のうち、例えば特公昭63−
53272号による発明にあっては、イオン交換膜を挟
んで存在する電極のうち、一方は、比較的剛性の大きい
粗目スクリーン電極とし、他方の電極は可撓性或いは柔
軟性を有する薄い多孔板電極とすること及び該薄い多孔
板電極の裏側に、圧縮時の1.5倍以上の体積を有する
弾力的圧縮性マット(以下弾性マットともいう)を給電
体として設け、該マットの弾性によりスクリーン電極を
陽イオン交換膜側に押し付ける構造が示され、該マット
は金属ワイヤーからなる一連の螺旋状コイルの織物を用
いることが提案されている。
【0007】同様に、特公平5−34434号に記載の
発明は、陽・陰両電極のうち、一方の電極として、一ヶ
所の孔の面積が0.05〜1.0mm2の多数の孔を有
し、且つ開孔率が20%以上の多孔体電極面が、直径
0.1〜1mmのワイヤーの集合体よりなる空隙率30
%以上の集電体によって裏打ちされたイオン交換膜法ア
ルカリ金属塩電解の電解槽を提案している。
【0008】又、特開昭57−85981号公報には、
陽イオン交換膜の少なくとも一方の表面に電極活性を持
たない多孔質層を設け、この多孔質層付着陽イオン交換
膜を少なくとも一方は可撓性電極である両電極間に挟
み、該可撓性電極はクッション性を有する導電性支持体
で支持する構造の電解槽が開示されている。
【0009】これらの構造のゼロギャップ電解槽は比較
的構造上の電力損失はなく、有効であるが、アルカリ金
属塩の電解にあっては、電解時に多くの気泡を生じるた
め、柔軟な可撓性多孔板電極及び陽イオン交換膜を振動
させるため、剛性の大きいスクリーン電極と可撓性多孔
板電極との間に挟持されている陽イオン交換膜表面は電
極との間の摩擦により削られ劣化するという問題があっ
た。
【0010】このため、ゼロギャップ電解槽における残
された課題の一つは、長期間の運転においてイオン交換
膜の劣化を回避し、電流効率を低下させないという技術
を開発することである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ゼロギ
ャップ電解槽におけるイオン交換膜の耐久性について種
々検討を行ない、イオン交換膜を挟持する圧力の影響が
大きいことを確認し、弾性マットに使用するワイヤーの
線径を小さくすることでイオン交換膜の狭持圧力を低下
させ、膜の劣化が防止できることを確認した。
【0012】すなわち、弾性マットを構成するワイヤー
の線径を0.02〜0.15mm軟鉄線とし、これらを
複数本まとめてメリヤス織りとして、クリンプ加工し、
更にヘリボーン模様を施すなどによって、50%圧縮変
形時の反発力が30〜50g/cm2で、且つ20%圧
縮変形時の反発力が10〜30g/cm2の弾性マット
とすることにより、陽イオン交換膜の劣化が少なく、長
期間の運転に適する電解槽を開発し、提案した(特願平
10−350956号)。
【0013】しかしながら、一般に、上記弾性マットは
メッシュデミスターとして、製造されるものに類似して
おり、その製造方法は、線径の細い金属細線を数本束ね
て筒状にメリヤス織りしたものを、表面が波型成形面に
形成されている上下一対の成形ロールで挟み凹凸状のク
リンプ並びにヘリボーン模様を賦形するものである。こ
こで使用する金属細線については、イオン交換膜の挟持
圧力を30〜50g/cm2に保つため、線径0.02
〜0.15mmを2〜8本線束したものが用いられるこ
とが好ましい。
【0014】しかしながら、工業的に用いられる電解槽
の通電部面積は一般に1m×2m以上にも及ぶ大面積で
あるため、弾性マットの均質な反発弾性を得ることが困
難であり、かかる弾性マットを組込んだ電解槽は隅々に
して、陽イオン交換膜の挟持圧力に斑を生じ、部分的に
陽イオン交換膜の劣化を生じたり、または挟持圧力不足
により部分的にゼロギャツプが達成されず、電流効率の
損失を招くことがあった。
【0015】すなわち、弾性マツトは、その端部におい
て一般に反発弾性が小さくなり、場合によっては、圧縮
力が除かれても、形状を回復しないことさえあるのであ
る。
【0016】このため、大型電解槽にあっては、通電面
全体に弾性マットを装着するのに複数枚を用いる場合に
は、電解槽通電部の周辺のみならず、各弾性マットの端
部で弾性の低下を生じることもあった。例えば、後述す
る図3に示すように電解槽通電面を2枚の弾性マットで
カバーしている場合は、図3中、イで示す通電面の中央
に横方向に横断して、弾性マットの端部が存在するた
め、弾性の劣る部分が生じることになる。
【0017】そこで、本発明者らは、更に検討を重ね、
弾性マットにおけるヘリボーン模様の形状によって、上
記の如き反発弾性斑を克服し得るという知見を得た。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は陽極
室枠と背面板とで構成された陽極室と陰極室枠と背面板
とで構成された陰極室とを有し、これらの両電極室は陽
イオン交換膜で区画され、陽極室には陽極が、陰極室に
は陰極がそれぞれ存在し且つ陽・陰両電極のうち、一方
の電極は電導リブを介して背面板に固定された剛体多孔
板であり、他方の電極は電極室内に装着された弾性マッ
トの伸縮により変動可能に設置された可撓性を有する多
孔板よりなり、該陽イオン交換膜は電解槽組み立て時に
圧縮される弾性マットの反発弾性によって両電極間に挟
持される構造の電解槽において、該弾性マットは線径
0.02〜0.15mmの金属線を用いた織物よりな
り、該織物はクリンプ加工され更に山形のヘリボーン模
様が賦形されており、各ヘリボーン模様は一枚の織物に
つき2〜9回、120〜160°の角度で変曲している
ことを特徴とするアルカリ金属塩電解槽である。
【0019】また、本発明の特徴の一つは、上記の可撓
性電極として一つの孔の面積が0.05〜1mm2の多
数の孔よりなる開孔率が20%以上の厚さ0.15〜1
mmの多孔板であり、該多孔板が存在する電極室は、背
面板からリブによって支えられ間隙をもって該背面板に
平行に設けられた剛体多孔板よりなる集電板と前記可撓
性電極との間に弾性マットが存在する構造よりなること
にある。
【0020】しかしながら、本発明の最大の特徴は、弾
性マットのヘリボーン模様の形状にある。すなわち、1
枚の弾性マットに賦形される山形のヘリボーン模様は、
少なくとも1.5個(ヘリボーン模様の変曲点の数とし
て、少なくとも2個)存在すること及びその変曲の角度
は、120〜160°とすることにある。
【0021】更に好ましくは、ヘリボーン模様の変曲点
間の長さは、50〜500mm、特に好ましくは100
〜200mmとすることである。かかる弾性マットは、
一般にメリヤス織りの織物よりなり、好ましくは、該織
物を2〜6枚重ねて構成することである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、ゼロギャップ電解槽で
あって、特に陽極又は陰極のうち、一方の電極は、電解
槽の運転条件下で実質的に変形しない剛性を有するメッ
シュ板(剛体多孔板)である。これは、一般に、チタン
製などのエキスパンドメタルや、それをロール掛けし
て、平坦化したもの或いはパンチドメタルなどが用いら
れる。多くの場合、白金族金属やその酸化物又はそれら
とチタニウム、ジルコニウムなどの酸化物との混合物な
どの活性物質をコートして、陽極として用いる。
【0023】また他方の電極は、電解条件下で可撓性を
有する柔軟な0.15〜1mmの薄い多孔板であり、一
般に軟鉄やニッケル或いはそれらの表面に公知の陰極活
性物質をコートした金網やパンチドメタルなどよりな
り、陰極として用いる。更に本発明の対象となる電解槽
は、該可撓性多孔板電極を背後から軟鉄線やニッケル線
で構成される弾性マットの弾力により前方(陽イオン交
換膜側)へ押し出す構造である。電解槽が組み立てられ
た状態では、該弾性マットは圧縮され、その反発力で陽
イオン交換膜は、陽極と陰極との間で挟持された形態と
なる。
【0024】次に、弾性マットは背面隔壁に至るまで充
填された状態とすることもできるが、一般には背面板と
の間に空間を形成するように陰極集電板を設ける。好ま
しくは、電極室を構成する背面板との間に間隙を持たせ
て、該背面板に実質的に平行に設置された剛体多孔板な
どで構成される集電板によって、背後から支えられてい
る。本発明の上記構造は、すでに示した特公昭63−5
3272号、特公平5−34434号、特開昭57−5
3272号各公報などにも示されている公知の構造が何
ら制限なく採用することができる。
【0025】図1に本発明の電解槽における電解槽ユニ
ットの一例の断面図を示す。1は電極室枠(陽極室枠と
し、以下この例による)2は電極室枠(陰極室枠とし、
以下この例による)、3は背面板、4は陽極室リブ、5
は陽極、6は陽極室側のパッキン、7は陽イオン交換膜
である。かくして、単位陽極室Aが構成されている。ま
た8は背面板であり、剛体多孔板の集電板9がリブ10
により背面板8から間隙を持って平行に設けられてい
る。弾性マット11は、可撓性多孔板陰極12との間に
装着されており、その弾力により陰極12を前方に押し
出す力をあたえる。
【0026】該押し出しの力は、弾性マットを一般に複
数枚、例えば2〜6枚重ね合わせることによって形成さ
れ、電解槽を組み立た状態で該マットは30〜60%、
好ましくは40〜50%圧縮され陽イオン交換膜に与え
る力は20〜60g/cm2、好ましくは30〜40g
/cm2程度とする。かくして、陽イオン交換膜7と共
に陰極室Bが構成される。
【0027】なお、13は陰極室側パッキンであり、1
4は陽極室枠1と一体となる隣の単位電解槽の陰極室枠
であり、15は陰極室枠2と一体となる隣の単位電解槽
の陽極室枠である。上記構造は、所謂バイポーラ電解槽
として説明されているが、勿論モノポーラ電解槽であっ
ても、単位電解槽の基本的構造は、ほぼ同じであり、本
発明がバイポーラ電解槽に限られるものではない。
【0028】本発明の最大の特徴は、弾性マットの形状
にある。弾性マットの材質としては、当然電気的に良導
体であることも重要である。更に用いられる環境下に耐
え得る材質でなければならない。
【0029】即ち、弾性マットを構成する材質は、靭性
が大きく電気良導体で且つ強アルカリ性環境に耐え得る
ものが好ましい。金属は一般に電気良導体で且つ靭性も
比較的大きい。そこで、軟鋼やニッケル或いはニッケル
合金が一応好適な材質ということができる。該弾性マッ
トは、好ましくは線径が0.02〜0.15mmの前記
の金属線、好ましくは、0.05〜0.09mmの金属
線2〜8本からなる線束を用いて、織成する。
【0030】好ましい織方はメリヤス織りであり、その
場合の目開きは3〜7mmである。すなわち、メリヤス
織りの場合、2mm以下では弾性マットとして、電極室
に装着した場合、電解時に発生する気体の抜けが悪くな
り、7mm以上になると弾力性が低下する傾向となる。
【0031】また、上記織物は、次いで、クリンプ加工
を施されるが、クリンプの山−谷の高さは5〜20mm
程度がよく、ピッチは10〜30mm程度でよい。該織
物のクリンプは、山形のヘリボーン模様の列として賦形
される。その山形は、一枚の織物につき1.5個以上形
成することが必要である。従って、ヘリボーン模様にお
ける変曲点は、少なくとも2個存在することになる。ま
た、変曲点の数があまり多いと、弾性マツトとして、電
極室内に装着すると、気体の抜けが悪くなるため、一般
に2〜9個程度が好ましい。
【0032】更に変曲の角度も重要であり、120〜1
60°の範囲とする必要がある。更に好ましくは、変曲
点間の長さは50〜500mm特に好ましくは100〜
200mmとすべきであり、前記角度と該変曲点間の長
さとの関係は、変曲角度が大きい程、変曲点間長さは短
くするのが、得られる弾性マットの形状を保つ上で、ま
た弾性を保つ上で好ましい。一般的には変曲角度160
°であれば、変曲間の長さは100mm以下、120°
であれば500mm以下が目安となる。
【0033】以上の説明は図2を参考にすれば容易に理
解される。図2は、太い線で示されるように弾性マット
1枚に2個の山形ヘリボーン模様を賦形した例である。
【0034】図3は、本発明の特徴を更に説明するため
に、弾性マットが装着された電極室、例えば陰極室を陽
イオン交換膜を除いて示した図である(但し、陰極は一
部のみ示す)。2は陰極室枠、12は陰極、11及び1
1'は弾性マットを、それぞれ示す。図3に示すとお
り、弾性マット11及び11'は単位電解槽の通電面の
ほぼ全面をカバーするように装着されている。
【0035】一般に工業的電解槽の通電面は広く、高さ
が1メートル以上もあるため、弾性マットは、その製作
上複数枚用いる。本例では、1枚に変曲点が3個ある弾
性マットを11、11'の如く2枚用いた例であるが、
一般に該弾性マットの幅は30〜100cm程度である
から、その幅に応じた枚数を用いることになる。また織
物の長さは、一般に自由に設定し得るため、単位電解槽
の横幅に見合って設定すればよい。勿論短いマットを複
数枚横方向に並べて用いることもできるが、それによる
メリットは特にない。また電極室内で気体が発生する
が、該気体の上昇を容易にする意味から、弾性マットの
ヘリボーン模様の向きは、図3に示す如く、縦方向にな
るよう装着するのが好ましい。
【0036】以下実施例及び比較例により、本発明を更
に具体的に説明する。
【0037】
【実施例】断面が図1に示す構造である電解槽を用い
て、塩化ナトリウムの電解を行った。通電部となる室枠
の開口部(通電部)は、縦116cm、横238cmの
大きさで、電極室内の厚みは4cmであった。又、かか
る電解槽の陽極室の電導リブは14cm間隔で24枚設
置した。使用する陽極はチタン製のパンチドメタルに活
性物質を被服したものを用いた。陰極については、線径
0.15mm、開孔率68%、孔の面積0.49mm2
のニッケルにNi3SN2の合金メッキしたものを使用し
た。
【0038】弾性マットとしては、ニッケル製の線径
0.08mm、本数4本の線束を網目4×4mmで袋状
にメリヤス織りし、表面が波型成形面に形成されている
上下一対の賦形ロールにより、クリンプ列で、ピッチは
14mm、山谷の高さは9mmで、袋を潰したときの幅
580mmの間にヘリボーン模様の変曲点間の長さが1
45mmで3回変曲させる。このときの変曲角度120
°となるものを、2枚重ねて用い、電解槽を組み立てた
状態では、初期高さの50%まで圧縮させて使用した。
このときの平均圧縮反発圧は50g/cm2であった。
なお、電解槽には、この弾性マットを縦方向に2枚セッ
トした。又、陽イオン交換膜はナフィオンN―981
(デュポン社製)を用いた。
【0039】以上の構造の電解槽による電解は、電流密
度40A/dm2、電解温度85℃、苛性ソーダ濃度3
2wt%、塩水濃度195g/l、陽極室内圧8KP
a、陰極室内圧11KPaで、2年運転した。この電解
における性能は、電圧2.90v、電流効率は、初期9
7%が2年後で96.5%であった。電解後の膜は、膜
全体が着色しており、陰極と膜が完全に接触しているこ
とが確認された。又、室枠周辺部でのブリスター発生も
なかった。
【0040】
【比較例】実施例1と同じ仕様の電極室であるが、弾性
マットとしては、ニッケル製の線径0.08mm、本数
4本を網目4×4のメリヤス織りしたものを袋状にし、
表面が波型成形面に形成されている上下一対の成形ロー
ルに送り、クリンプ列で、ピッチは14mm、山谷の高
さは9mm、幅580mmのもので、山形のヘリボーン
模様が1個だけのもので、その変曲角度が120°のも
のを使用した。電解槽には、この弾性マットを2枚重ね
て縦方向に2枚セットした。実施例1と同様に組み立て
た状態で50%圧縮となり、平均反発弾性は50g/c
2とした。陽イオン交換膜は、ナフィオンN―981
(デュポン社製)を用いた。
【0041】以上の構造の電解槽による電解は、電流密
度40A/dm2、電解温度85℃、苛性濃度32wt
%、塩水濃度195g/l、陽極室内圧8KPa、陰極
室内圧11KPaで、2年運転した。この電解における
性能は、電圧2.92v、電流効率は、初期97%が2
年後で95.5%であった。電解後の膜は、中央部の着
色がない事から、弾性マットでの押付けが不十分である
事が確認された。又、イオン交換膜の上下部には、所々
ブリスターが発生し、一部はピンホールになっていた。
これは、弾性マットの端部の高さが低いため、絶縁フィ
ルムでの電流遮断が不十分なため起こった。
【0042】
【発明の効果】本発明は、アルカリ金属塩の電解に用い
るゼロギャップ電解槽において、一方の電極を支える弾
性マットに特定の山形ヘリボーン模様を賦形することに
より通電面全域に亘って陽イオン交換膜を挟持する圧力
斑を実質的になくし、もって陽イオン交換膜の劣化を回
避し、延いては長期間の安定した運転を行うことを可能
にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明のアルカリ金属塩電槽の単位電解槽
の断面図である。
【図2】は、本発明を説明するための弾性マットの図で
ある。
【図3】は、本発明の弾性マットを装着した状態を説明
する図である。
【符号の説明】
1 陽極室枠 2 陰極室枠 3,8 背面板 4 電導リブ 5 陽極 6 パッキン 7 陽イオン交換膜 9 集電板 10 電導リブ 11 弾性マット 12 陰極 13 パッキン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極室枠と背面板とで構成された陽極室と
    陰極室枠と背面板とで構成された陰極室とを有し、これ
    らの両電極室は陽イオン交換膜で区画され、陽極室には
    陽極が、陰極室には陰極がそれぞれ存在し且つ陽・陰両
    電極のうち、一方の電極は電導リブを介して背面板に固
    定された剛体多孔板であり、他方の電極は電極室内に装
    着された弾性マットの伸縮により変動可能に設置された
    可撓性を有する多孔板よりなり、該陽イオン交換膜は電
    解槽組み立て時に圧縮される弾性マットの反発弾性によ
    って両電極間に挟持される構造の電解槽において、該弾
    性マットは線径0.02〜0.15mmの金属線を用い
    た織物よりなり、該織物はクリンプ加工され更に山形の
    ヘリボーン模様が賦形されており、各ヘリボーン模様は
    一枚の織物につき2〜9回、120〜160°の角度で
    変曲していることを特徴とするアルカリ金属塩電解槽。
  2. 【請求項2】可撓性電極は一つの孔の面積が0.05〜
    1mm2の多数の孔よりなる開孔率が20%以上の厚さ
    0.15〜1.0mmの多孔板であり、該多孔板が存在
    する電極室は、背面板からリブによって支えられ間隙を
    もって該背面板に平行に設けられた剛体多孔板よりなる
    集電板と前記可撓性電極との間に弾性マットが存在する
    構造よりなることを特徴とする請求項1記載のアルカリ
    金属塩電解槽。
  3. 【請求項3】弾性マットのヘリボーン模様の変曲点間の
    長さが50〜200mmである請求項1記載のアルカリ
    金属塩電解槽。
  4. 【請求項4】弾性マットがメリヤス織りの織物を2〜6
    枚重ねてなることを特徴とする請求項1記載のアルカリ
    金属塩電解槽。
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