JP2022180793A - 電解槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極多孔基材の再利用により資する電解槽を提供する。【解決手段】陽極、陰極、隔膜、および支持体フレームを有して成る電解槽であって、前記陽極および前記陰極の一方の電極が、電極導電体と、該電極導電体上に配置されかつ可撓性を有する導電性多孔基材とを有し、前記導電性多孔基材の端部が断面視において前記電極基部と前記支持体フレームとの間を通って該導電性多孔基材が延在し、前記電極導電体と前記支持体フレームとの間に詰め部材を有して成る、電解槽。【選択図】図5

Description

本発明は、電解槽に関する。特に、陽極、陰極、隔膜および支持体フレームから少なくとも構成される電解槽に関する。
現在、各種工業において電解が利用されている。電解、すなわち電気分解を行うには電解槽が用いられる。電解槽は、その用途から各種各様の形式があるものの、少なくとも陽極と陰極とを備えている。例えば塩化ナトリウム水溶液の電気分解が行われる槽は、塩素、水素および水酸化ナトリウム(いわゆる苛性ソーダ)を取り出すことができ、化学工業の基盤となる原料の生産に用いられている。また、水素製造に用いられるアルカリ水溶液の電解にも用いられている。
国際公開(WO)特2012/091051号公報 特許第5108043号公報 特許第5970250号公報 特開2012-140652号公報 特開2000-178781号公報 特開2011-117047号公報
電解槽では、陽極で生成した物質と陰極で生成した物質との混合を避けるべく隔膜が更に設けられていることが多い。隔膜としてイオン交換膜を用いて塩化ナトリウム水溶液の電気分解を行うプロセスは、“イオン交換膜法食塩電解”などとも称される。また、水素製造に用いられるアルカリ水溶液の電気分解にも用いられる。
イオン交換膜法食塩電解に用いる電解槽は様々なタイプがあるものの、中でもゼロギャップ式が主流になっている。ゼロギャップ式の電解槽では、陽極と隔膜と陰極とを互いに密着させて電極間距離を近づけ、電解液抵抗を減じ、電力消費の低減を図っている。“ゼロギャップ”式の電解槽では、例えば、陽極および陰極の一方の電極が相対的に剛性を有する電極導電体と、該電極導電体上に配置されかつ相対的に可撓性を有する導電性多孔基材とを備え、他方は相対的に剛性を有する。さらに、一方の電極の導電性多孔基材は弾性体が変形することで押さえたときに対向する剛性を高くした電極と密着する構造とする一方で、他方は剛性を高くして隔膜に押し付けても変形の少ない剛性構造とすることが考えられる。このような電解槽では、一方の電極において導電性多孔基材と電極導電体との間に導電性弾性体を設けることで、剛性を有する電極(例えば、陽極)と隔膜と導電性多孔基材(例えば、陰極)との互いの密着に必要な圧力を、その導電性弾性体の弾性力(すなわち、反力)により供することができる。
本願発明者は、従前の電解槽では克服すべき課題が依然あることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを見出した。
電解槽では、電解槽中の部材(例えば、電極)が運転により経年劣化すると、電解が効率的に行われなくなる。電解槽での効率的な電解を継続するために、例えば、電極を交換する必要が出てくる。上記ゼロギャップ式の電解槽における他方の電極の交換では、交換対象の他方の電極を取り外すことに加え、構造上、交換非対象の一方の電極を取り外さなければならない場合がある。例えば、一方の電極(例えば、陽極)の平面度を矯正して電解を効率的に行うために、もう一方の電極(例えば、陰極)の導電性多孔基材を取り外す必要がある。
導電性多孔基材は、応力が印加された状態で設置されるため、電解槽から一旦取り外すと元の形状に戻りにくく、再利用できないことがあった。かかる場合、取り外した導電性多孔基材を廃棄し、新たな導電性多孔基材を交換する必要があった。さらに、近年は省エネルギー化を目的とした電解槽の高性能化を目指し、導電性多孔基材の厚みが薄くなる傾向にあり、導電性多孔基材の強度が下がっているため、折れ、尖り、切れ等の損傷が発生しやすくなっている。そこで、導電性多孔基材の損傷を低減する電解槽への固定化(方法)が求められている。
また、フッ素樹脂製のピンを用いて、導電性多孔基材を固定している場合、ピンの上部が導電性多孔基材よりも迫り出している場合、隔膜であるイオン交換膜と接触してイオン交換膜を傷付けやすいといった問題点があった。さらに、ピン取り外し後導電性多孔基材のピンの差し込み部が変形するため、一度取り外すとピンを再利用できないことがあった。さらに、フッ素樹脂製のピンを用いて導電性多孔基材を装脱着(脱着)する時、フッ素樹脂製のピンが塑性変形するため、固定した導電性多孔基材が外れやすくなり、外れた場合、イオン交換膜を損傷する危険性があった。かかる場合、導電性多孔基材に加え、他の部材(ピンおよびイオン交換膜)を交換する必要があった。そこで、他の部材(例えば、隔膜)の損傷を低減するような、導電性多孔基材の電解槽への固定化もまた求められた。
本発明はかかる課題に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的は、再利用(特に、導電性多孔基材の再利用)により資する電解槽を提供することである。
本願発明者は、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成された電解槽の発明に至った。
本発明では、
陽極、陰極、隔膜、および支持体フレームを有して成る電解槽であって、
前記陽極および前記陰極の一方の電極が、電極導電体と、該電極導電体上に配置されかつ可撓性を有する導電性多孔基材とを有し、
前記導電性多孔基材の端部が断面視において前記電極導電体と前記支持体フレームとの間を通って該導電性多孔基材が延在し、
前記電極導電体と前記支持体フレームとの間に詰め部材を有して成る、電解槽が提供される。
本発明に基づけば、電解槽の電極交換において再利用により資する電解槽を提供することができる。
より具体的には、本発明では、陽極および陰極の少なくとも一方の(電解用)電極の導電性多孔基材の端部が断面視において、電極導電体と支持体フレームとの間を通って導電性多孔基材が延在し、電極導電体と支持体フレームとの間に詰め部材を有して成るため、電極交換において導電性多孔基材を一旦取り外しても取り付け前の元の状態に導電性多孔基材を戻しやすい。このため、導電性多孔基材は損傷の少ない状態で再度取り付けて使用することができ、再利用により資する。また、本発明によれば、他の部材(例えば、隔膜)の損傷を低減させて導電性多孔基材を電解槽に装脱着することができる。このため、本発明は再利用に資する。
図1は、電解槽の構成を例示的に説明するための模式図である。 図2は、電解槽に用いられる導電性弾性体の一例を示す斜視図である。 図3は、隔膜が介在する電解槽ユニット同士の組合せを説明するための模式的斜視図である。 図4は、ある例示的態様に従った電解槽の水平方向の模式的断面図である。 図5は、電極の導電性多孔基材の端部が断面視において、電極導電体と支持体フレームとの間を通って導電性多孔基材が延在し、電極導電体と支持体フレームとの間に詰め部材を有して成ることを説明するための斜視図である。 図6は、本発明の一実施態様(第1実施形態)として供される電解槽を説明するための模式的断面図である。 図7は、電極導電体と支持体フレームとの間に設けられた詰め部材を説明するための図6の拡大断面図である。 図8は、鋭利な導電性多孔基材端部エッジを説明するための模式図である。 図9は、本発明の別の実施形態(第2実施形態)として供される電解槽ユニットの電極導電体と支持体フレームとの間に設けられた詰め部材を説明するための拡大断面図である。 図10は、本発明のさらに別の実施形態(第3実施形態)として供される電解槽の電極導電体と支持体フレームとの間に設けられた詰め部材を説明するための斜視図である。 図11は、本発明のさらに別の実施形態(第4実施形態)として供される電解槽を説明するための模式的断面図である。 図12は、本発明の別の実施形態(第2実施形態)として供される電解槽の変形例を説明するための模式的断面図である。 図13は、本発明の別の実施形態(第2実施形態と第4実施形態との組み合わせ)として供される電解槽の変形例を説明するための模式的断面図である。 図14は、本発明の別の実施形態(第2実施形態の変形例と第4実施形態との組み合わせ)として供される電解槽の変形例を説明するための模式的断面図である。 図15は、本発明の実施形態(第1実施形態)の変形例として供される電解槽での、詰め部材の突出高さがガスケットの厚み未満であることを説明する図である。
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態に係る電解槽をより詳細に説明する。図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。
本明細書において「電解槽」とは、広義には、電気分解を行うための装置のことを指しており、狭義には、陽極、陰極およびそれら電極間に設けられる隔膜、ならびに支持体フレームを少なくとも備えた装置のことを指している。同様にして、本発明において「電解用電極」とは、広義には、電気分解を行うための装置に用いられる電極であって、狭義には、かかる装置に用いられる陽極および/または陰極のことを指している。
本明細書で直接的または間接的に説明される“上下”および“左右”の方向は、図面のける上下方向および左右方向にそれぞれ対応する。より具体的には、図6に示す形態では、電解用電極の平面方向に沿った方向が左右方向に相当し、それに直交する方向が上下方向に相当する。電解槽の運転時において、図6などに示される形態の電解用電極は、図5に示すように立てた向きで使用されることが多い。即ち、前記電解用電極は、図6の状態から略90°向きを変えて電解用電極が使用されることが多い。よって、電解槽の使用時(特に、電解槽を構成するユニット同士が組み合わされた状態の運転時)と、そうでない非使用時、特に、電解槽を構成するユニット同士が組み合わされる前の非運転時とでは槽やその構成要素の向きが相違し得る。
本明細書で言及する各種の数値範囲は、下限および上限の数値そのものも含むことを意図している。つまり、例えば1~10といった数値範囲を例にとれば、下限値の“1”を含むと共に、上限値の“10”をも含むものとして解釈される。
まず、本発明の前提となる電解槽の基本的な構成について説明し、その後、本発明の特徴について説明を行う。なお、下記説明においては、電解槽のための電極、すなわち、電解用電極のことを単に「電極」とも称すか、あるいは、より具体的に「陽極」もしくは「陰極」とも称する。
[電解槽の基本的構成]
本発明の電解槽は、陽極、陰極、およびそれら電極間に配置される隔膜、ならびに支持体フレームを有して成る。陽極および陰極は、電解質溶液に外部から電気エネルギーを与えるための電極である。典型的には、陽極は、外部電源の正極に接続される電極であり、電解槽の運転時には酸化反応がもたらされ得る電極である。一方、陰極は、典型的には外部電極の負極に接続される電極であり、電解槽の運転時には還元反応がもたらされ得る電極である。
隔膜は、典型的には陽極室と陰極室とを隔てる部材である。好ましくは、陽極で生成した物質と陰極で生成した物質との混合を避けるべく隔膜が設けられる。本発明において、隔膜は電気分解に常套的に用いられるものであってよい。例えば、隔膜はイオン交換膜である。あくまでも1つの例示にすぎないが、ソーダ工業に用いられる電解槽では、隔膜として陽イオン交換膜を用いてよい。
電解槽には、導電性弾性体が更に設けられていてよい。導電性弾性体は、その“導電性”に起因して電極間における通電に寄与しつつも、その“弾性”に起因して電極に対して押圧力を与えることができる。つまり、導電性弾性体は、電解槽において反力を呈すことが可能な導電性の部材に相当し、かかる反力を供すべく、弾性変形が可能な構造を少なくとも有している。
電解槽のある例示的な構成を図1に模式的に示す。図示するように、電解槽では陽極、陰極およびそれら電極間の(隔膜としての)イオン交換膜から少なくとも構成された電極組合せ体に対して導電性弾性体が使用されている。このような電解槽では、陽極、陰極およびそれら電極間のイオン交換膜から少なくとも構成された電極組合せ体の押圧に導電性弾性体の反力が利用される。具体的には、導電性弾性体は、電極組合せ体の背面側において弾性変形に付された状態で使用され、かかる導電性弾性体から供される弾性力(すなわち、反力)によって、電極組合せ体に押圧力がもたらされる。特に、弾性変形に付された導電性弾性体は、一方の電極から他方の電極に向かって押圧力を与えるように働き、それによって電極組合せ体の密着化を促進する。つまり、導電性弾性体の存在によって、陽極とイオン交換膜と陰極との間に緊密な接触がもたらされ、いわゆる“ゼロギャップ”式として電解槽が好適に機能できるようになる。
電解槽に用いられる導電性弾性体は、弾性反発力が生じるのであれば、いずれの形態を有していてよい。例示すると、導電性弾性体は、弾性クッション、弾性マット、および板ばねなど種々の形態を有し得る。前記弾性マットとしては、例えば、金属製コイル体から成る部材、金属製の不織布、ならびに金属ワイヤーから成る編物および織物などが挙げられる。あくまでも1つの具体的な例示にすぎないが、導電性弾性体400は、図2に示すように波状湾曲の弾性部450を備えていてよい。導電性弾性体400は、電解槽においてばね特性を発現させるべく弾性変形に付された状態で使用される。より具体的には、例えば弾性部450の波状湾曲が減じられるように変形に付された状態で導電性弾性体が電解槽に設けられる。このように変形に付された導電性弾性体では、元の形状を取ろうとする反力が働くのでばね特性が発現されることになる。大型の電解槽においては、導電性弾性体400は単数で用いられるよりも複数の導電性弾性体として設けられることが多い。
電解槽において、陽極および陰極の一方の電極が、剛性を有し得る電極導電体と、電極導電体上に配置されかつ可撓性を有する導電性多孔基材とを有する。例えば、図3に示すように、陰極は、特に相対的に剛性を有する電極導電体(陰極基部)280と、電極導電体280上に配置されかつ可撓性を有する導電性多孔基材200Aとを有する。陽極200Bは、剛性を有する電極導電体(陽極基部)を有する。導電性多孔基材200Aは、例えば、メッシュ開口を有するようなメッシュ開口電極となっていてよい。あくまでも例示にすぎないが、例えばエキスパンドメタル、例えば、平織メッシュおよび綾織メッシュのような金網、またはパンチングメタルなどから電極が構成されていてよい。
電極基部となり得る電極導電体280は、電解槽がゼロギャップ(特に真正ゼロギャップ)式となる場合、導電性弾性体400が押し付けられる背板または支持板に相当する。また当業者の認識に基づけば、この電極導電体280は、電解槽にて可撓性電極に対するベース電極に相当し、例えば可撓性電極が可撓性陰極である場合にはベース陰極に相当する。また、電極導電体280を機能・構造面の観点で捉えると、電極導電体は好ましくは集電板となる多孔性の板材である。
ある好適な態様では、陽極および陰極の双方が導電性多孔基材200Aを有して成っていてよい。例えば両電極が、エキスパンドメタルまたは平織メッシュから構成されていてよく、あるいは、一方の電極がエキスパンドメタルから構成され、もう一方の電極が平織メッシュから構成されていてもよい。つまり、陽極および陰極の双方がエキスパンドメッシュまたは平織メッシュ、若しくは陽極および電極の一方がエキスパンドメッシュ、もう一方が平織メッシュを有していてよい。耐食性(または耐腐食性ともいう)を呈し得るなどの観点から、陽極および陰極の各々は、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、タンタル、ジルコニウムおよびニオブ等から成る群から選択される少なくとも1種を含んで成っていてよい。また、そのような陽極および陰極の各々には適当な触媒が担持されていてもよい。導電性多孔基材における開口率は、特に制限されるわけではないが、20%~90%程度、例えば30%~80%、40%~75%または50%~75%などであってよい。
電解槽は、好ましくはゼロギャップ式であるところ、かかるゼロギャップ式に適した特徴を有している。そのような特徴の1つとして、電極材の剛性および可撓性といった所謂“硬さ”や“柔らかさ”の点で陽極および陰極が特徴を有している。具体的には、陽極および陰極の一方が、他方に対して相対的に可撓性を有しており、逆に当該他方が当該一方に対して相対的に剛性を有していることが好ましい。これによって、相対的に可撓性を有する電極が、導電性弾性体400の反力を受けて撓むことができる一方、相対的に剛性を有し得る電極が、その撓みをイオン交換膜300を介して受け止めることができる。このような観点で相対的に陽極と陰極とが異なると、陽極とイオン交換膜と陰極との間の互いの密着がより好適になり、電解槽が“ゼロギャップ式”としてより好適に機能できる。このようなことは、電解槽が大型の場合に特に当てはまる。つまり、ゼロギャップ式食塩電解の場合などに代表されるように、ゼロギャップのための押圧を必要とする電極主面が大きい場合に特に当てはまる。
所望の電解生成物をより大量に得るには、より大きな電解槽が用いられるが、電極の主面(特に、陽極と陰極とが互いに対向する主面)も、それに伴って大きくなる。大型のゼロギャップ式電解槽は、複数の電解槽ユニットから好ましくは構成され、その電解槽ユニットの各々では、対向する両側面に大きな電極主面が設けられている。あくまでも一例であるが所謂“複極式”の電解槽について図3を参照して説明すると、電解槽ユニット100の対向する両側面の一方に陰極200A(例えば、エキスパンドメタルから成る陰極面)が設けられている一方、当該両側面の他方に陽極200B(例えば、エキスパンドメタルから成る陽極面)が設けられている。電解槽では、そのような電解槽ユニット同士がイオン交換膜(特に陽イオン交換膜)300を介して互いに重ね合わさるように複数連結されている。特に、隣接する電解槽ユニットでは、一方の電解槽ユニット100’の陰極面と、他方の電解槽ユニット100’’の陽極面とが向き合うようにして重ねられる。このように複数の電解槽ユニットがイオン交換膜300を介して組み合わされることによって電解槽が構成されている。なお、複数の電解槽ユニットから構成される電解槽としては“複極式”に限らず、“単極式”であってもよい。つまり、電解槽を構成する電極槽ユニットとして、陽極部と陰極部とを対向する両側面に備えた複極式の電解槽ユニットであることに限らず、対向する両側面に陽極部のみ及び陰極部のみを備えた“単極式”の電解槽ユニットであってもよい。かかる場合、陽極部のみを備える電解槽ユニットと陰極部のみを備える電解槽ユニットとがイオン交換膜を介して交互に配置されるように組み合わされることで、電解槽が構成され得る。
電解槽ユニットから構成される電解槽は、電極主面サイズが比較的大きく、その大きな電極面を通じて所望の電解反応がなされるので好ましいものの、電極面の平面度を保つのが難しくなる。具体的には、電極主面は、そのサイズが大きくなればなるほど、自重に起因した撓み等の影響が無視できなくなる傾向があり、また、電極支持体への取付けなども影響し、かかる電極主面は完全な平坦面を取り難い。例えば図3で例示したような電解槽ユニット100(100’、100’’)でいえば、陽極面および陰極面の主面サイズは、数cmオーダというよりも、むしろmオーダのサイズとなっている。より好適な平坦面となるべく電極に剛性を持たせた場合であっても、そのような大きな電極主面では、上記理由等から例えば±0.5mm~1.0mm程度の平面度となっており、完全な平坦面(すなわち、平面度が0mm)とはなり難い。換言すれば、大型の電解槽において、剛性の電極主面は、巨視的には平坦に見えても、微視的にみれば局所的凹凸を伴った面となる傾向がある。
完全な平坦面となっていない電極同士をイオン交換膜300を介して密着させると、その凹凸によって、電流分布の均一化が損なわれたりする恐れがある。そこで、好適な電解槽では、剛性電極に対して、それと対を成す電極を柔らかい可撓性電極としている。これにより、イオン交換膜300を介して電極同士が強く密着させられたとしても、剛性電極面の凹凸に追随するように可撓性電極が撓むことになり、結果として電流分布の不均一化などがより好適に防止され得る。あくまでも一例であるが、陽極が相対的に硬い剛性のエキスパンドメタルから構成される一方、陰極が相対的に柔らかい可撓性のエキスパンドメタルから構成されていてよい。そして、イオン交換膜300を介して陽極の剛性エキスパンドメタルと組み合わされる陰極の可撓性エキスパンドメタルの背面側に導電性弾性体が設けられていてよい。かかる場合、導電性弾性体400の反力によって、陰極の可撓性エキスパンドメタルが陽極の剛性エキスパンドメタルに向かって押圧されるが、その際に陰極の可撓性エキスパンドメタルが、陽極の剛性エキスパンドメタルの主面の平面度に応じて局所的に弾性変形することができる。したがって、電解槽ユニット100同士が強く締め付けられるように固定され、導電性弾性体の反力が大きく働くような条件にされた場合であっても、陽極とイオン交換膜300と陰極とが互いに好適に密着し、電流分布の不均一化などの不都合な現象は引き起こされ難い。
電解槽に関する更なる理解のために図4を示しておく。図4は、ある例示態様の電解槽を垂直方向からみた断面図に相当する。つまり、図3で示される槽(特に電解槽ユニット同士の組合せ)を水平な横方向で切り取った場合の断面図が図4に相当する。かかる図4に示す態様では、エキスパンドメタルの可撓性陰極200Aと、隔膜300と、エキスパンドメタルの剛性陽極200Bとがその順で重ねられた配置に対して、導電性弾性体400が陰極200Aの背面側(すなわち、隔膜300の設置側と反対側)に設けられている。導電性弾性体400は、エキスパンドメタルの陰極200Aと(電極導電体としての)陰極基部280との間で狭窄されるように変形に付されて設けられるので(より具体的には、互いに連結された複数の電解槽ユニット同士が互いに締め付けられることによって、そのような狭窄がなされて導電性弾性体の変形がもたらされるので)、導電性弾性体400の弾性部と直接的に接するエキスパンドメタルの可撓性陰極200Aには導電性弾性体400の弾性力が直接与えられることになる。その結果、エキスパンドメタルの可撓性陰極200Aが、エキスパンドメタルの剛性陽極200Bに向かって押圧されるように付勢され、可撓性陰極200Aと隔膜300と剛性陽極200Bとの互いの密着化がもたらされる。なお、導電性弾性体と直接的に接していない電極となる剛性陽極200B自体は、電解槽ユニット100の電極支持体などに動かないように固定されているので、導電性弾性体400の弾性力を受け止めるように作用して密着化に寄与する。
また、電解槽では、図6に示すように、ガスケット260が支持体フレーム290上に配置される。ガスケット260は、平面視において電極室を取り囲むように配置され、これにより断面視において隔膜300と支持体フレーム290との間を封止し、電極室内の電解液ならびに/または電極室内で発生したガスおよび電解液の電極室外部への漏れを防止する。
[本発明の特徴]
本発明は、電解槽に関するところ、導電性多孔基材の形態に特徴を有している。特に、本発明は、導電性多孔基材の端部形態の点で特徴を有する。導電性多孔基材200Aの端部の形態を図5、図6および図7に模式的に示す。図5は、電解槽の一部の斜視図を示しており、図6は、電解槽の一部断面を示しており、図7は、図6の一部拡大図を示しており、電解槽ユニット100同士が組み合わされる前の時点の形態を示している。すなわち、電解槽ユニット100同士の締め付けによって導電性弾性体400のばね特性が発現される前の状態であって、隔膜300と電極とが互いに密着する前の状態が図5~図7で示されている。
具体的には、図5~7に示すように、陽極および陰極の少なくとも一方の電極における導電性多孔基材200Aは、断面視において、電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って、導電性多孔基材200Aが延在し、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有している。特に図7から分かるように、導電性多孔基材200Aの端部は、断面視において、電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って導電性多孔基材200Aが延在しているところ、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有している。
本明細書において、“導電性多孔基材200Aの端部が、断面視において電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って、導電性多孔基材200Aが延在している”は、導電性多孔基材200Aの端部が電極導電体280と支持体フレーム290との間に位置づけられつつも、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有している形態を示す。
本発明の効果について詳述しておく。導電性多孔基材200Aの端部が断面視において
電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って導電性多孔基材200Aが延在し、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有していると、他方の電極を交換するために一方の電極の導電性多孔基材200Aを一旦取り外す場合であっても、導電性多孔基材200Aは元の状態に導電性多孔基材200Aを戻しやすい。特に、折れ、尖り、切れ等の損傷等が減じられた状態で導電性多孔基材200Aを回収することができる。よって、他方の電極を新たな電極に交換しても、導電性多孔基材200Aを再度取り付けることができ、電極交換における導電性多孔基材200Aの再利用により資する。
本発明の効果の理解を深めるために、従来の問題点に言及する。複極式エレメントにおいては、寿命に達した陽極200Bのみを交換して更新する場合、陽極200B更新後には陽極面の平面度を所定の平面度にするために、陰極基部280側と陽極200B面側の両方から押して平面度を矯正する作業が必要となる。この作業では、導電性多孔基材200Aに影響を与えないために、当該導電性多孔基材200Aを取り外す必要がある。ここで、従来、導電性多孔基材の端部は、例えば、溶接のように前記端部を他の部材と一体化させて接合させる方法、折り曲げて他の部材に引っ掛ける方法、ならびにフッ素樹脂製のピンを打ち込む方法によって固定されていた。このため、取り外した後の導電性多孔基材が、取り付け前の導電性多孔基材から大きくかけ離れた状態となる場合が多かった。具体的には、取り外す過程において導電性多孔基材に破れやしわが発生するなどして取り出した後の導電性多孔基材が取り付け前の元の状態に戻らない場合が多かった。また、再度取り付ける過程においても折れ、尖り、切れ等が生じるなどして、再度取り付けた導電性多孔基材が取り外し前の導電性多孔基材とは大きくかけ離れた状態となる場合が多かった。よって、従来、導電性多孔基材を再度取り付けて使用すること(すなわち、再利用すること)ができなかった。このように折れ、尖り、切れ等の損傷した導電性多孔基材は、(後述するように)補修しにくく、電解槽中での効率的な電解を十分に達成することができなかった。
さらに、折れ、尖り、切れ等の損傷した導電性多孔基材は、ファイン化(目が細かい)のため、補修が非常に困難であった。このような事情から、従来の電解槽では、導電性多孔基材はそれ自体が寿命に達していないにもかかわらず、陽極の交換に際して新たな導電性多孔基材に交換する必要があった。そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、導電性多孔基材200Aの取り付けの態様を検討し、取り外した導電性多孔基材200Aが取り付け前の状態にある程度戻すことができれば、再利用できることを見出した。このような知見に基づき、本発明者らは“陽極200Bおよび陰極の少なくとも一方の電極における導電性多孔基材200Aは、断面視において、電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って、導電性多孔基材200Aが延在し、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有している”との特徴に想到した。よって、本実施形態の電解槽は、(導電性多孔基材200Aの)再利用により資する。これにより導電性多孔基材200Aを再利用することができるため、よりコストに優れる。
導電性多孔基材200Aの端部は、好ましくは電極導電体280と支持体フレーム290との間に挟み込まれ取り付けられている。前記端部は、支持体フレーム290および電極導電体280に接合されていないため、より容易な“装脱着可能”となっている。
図7に示すように、断面視において導電性多孔基材200Aの端部の電極導電体280と詰め部材700(後に詳述する)とで挟持される箇所(接触点)から導電性多孔基材200Aの端部エッジまでの長さ(別の表現では、電極導電体280の下面を含む面から下側にはみ出している部分の長さ)Lは、例えば、10mm以下である。本実施形態では、導電性多孔基材200Aの端部は、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700によって挟み込まれて固定されている。本実施形態では前記端部を固定するために、挟み込まれる部分さえ少なくとも確保できればよく、長さLに相当する部分に折り曲げる必要がない。前記端部を折り曲げる必要がないため、Lを従来の長さ(例えば、20mm以上)に比べ短くすることができる。よって、本実施形態の電解槽は、よりコストに優れる。
導電性多孔基材200Aはまた、特に端部エッジ(即ち、電極の最外縁を成すエッジ)が鋭利化しやすい。なぜなら、電極が多孔状または開口状となっている場合が多いからである。つまり、多孔状または開口状の電極では、その端部エッジが鋭利になり易い。図8に示されるように、電解槽に用いられる電極(導電性多孔基材)200Aは、多孔または開口を成す複数の線材に起因して、“ささくれ立った”ような鋭利なエッジを有し得るからである。換言すれば、導電性多孔基材200Aは、その多孔・開口を構成する線材に起因して端部エッジが鋭利状になりやすいといえる。鋭利な端部エッジは、通常、隔膜300を損傷させ易いものの、本発明の電解槽では導電性多孔基材200Aの端部は、隔膜300が配置される方向とは逆方向(反対側)に端部エッジが向くように配置される(図7参照)。このため、電極エッジを隔膜300からより遠位に位置付けることができる。よって、本発明では、副次的な効果として、導電性多孔基材200Aの端部との接触による隔膜300損傷を効果的に抑制できる。よって、本発明は、導電性多孔基材200A以外の他の部材(例えば、隔膜300)の再利用にも資する。
導電性多孔基材に折れ、尖り、切れ等の損傷が生じると、その損傷部は鋭利になり易い。例えば、切れにより生じた損傷部は、上述の鋭利なエッジを有する。よって、損傷した導電性多孔基材が電解槽中に配置されている場合または損傷した導電性多孔基材を電解槽に装脱着する場合に、損傷部が電解槽中の他の部材(例えば、隔膜)と接触すると、他の部材に損傷を生じさせることがある。本発明の実施形態では、導電性多孔基材200Aの折れ、尖り、切れ等の損傷が低減されるため、電解槽中の他の部材の損傷を低減することができる。よって、本発明は導電性多孔基材200A以外の他の部材の再利用にも資する。
(ゼロギャップ式に特有な態様)
本態様は、ゼロギャップ式の電解槽に特有な態様である。図1に示すように、ゼロギャップ式では陽極とイオン交換膜300と陰極との間で互いの密着化がもたらされ得るところ、イオン交換膜300では、密着する電極によって損傷が引き起こされ易い。したがって、電解槽がゼロギャップ式の電解槽(例えば、ゼロギャップ式の食塩電解槽)となる場合、本発明の副次的な効果である隔膜損傷の抑制が顕在化しやすい。
例えば、電解用電極として用いられる陽極および陰極の一方の電極が、他方の電極に対して相対的に可撓性を有すると、陽極とイオン交換膜300と陰極との間でより好適な密着化がもたらされるものの、それはイオン交換膜300の損傷を引き起こしやすいことを通常意味する。本発明では、かかる密着条件であっても、“電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有している”によって、電極のエッジがイオン交換膜300に直接触れないような配置を取り易く、イオン交換膜300の損傷を抑制できる。
同様な観点でいえば、電解槽に導電性弾性体400が設けられていると、陽極200Bとイオン交換膜300と陰極との間でより好適な密着化がもたらされるものの、それは一方でイオン交換膜300の損傷を引き起こしやすいことを通常意味する。つまり、陽極および陰極の一方の電極が、導電性弾性体400で他方の電極へと押圧されるように、導電性弾性体が一方の背面側に設けられる場合、好適な密着化が得られるが、一方でイオン交換膜300の損傷を引き起こしやすい(例えば、陰極、特に導電性多孔基材を有して成る陰極がイオン交換膜300を介して陽極200B側に押圧されると当該導電性多孔基材200Aがイオン交換膜300の損傷を通常引き起こしやすい)。かかる条件であっても、本発明では、“電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有している”によって、導電性多孔基材200Aの端部エッジがイオン交換膜300に直接触れない配置を取り易く、イオン交換膜300の損傷を抑制できる。
同様にして、電解槽に用いられる隔膜300がイオン交換膜である場合も本発明の効果が顕在化しやすい。電解槽で用いられるようなイオン交換膜は例えば0.1~0.5mm程度で比較的薄く、また、電極よりも相対的に軟質な材質から成っていることが多い(例えば、電解槽で用いられる陽イオン交換膜としては、陽イオン交換基を有するフッ素樹脂フィルムから成る可撓性薄膜が用いられる場合がある)。それゆえ、電解槽にイオン交換膜が用いられていると、電解用電極によりイオン交換膜の損傷が通常引き起こされ易い。よって、陽極および陰極の少なくとも一方の電解用電極が金属製の導電性多孔基材であって、そのような電極と直接的に対向する隔膜がイオン交換膜である場合には、隔膜損傷の抑制効果が顕在化しやすい。
上述したように、導電性多孔基材200Aが多孔状または開口状となっている場合には特に導電性多孔基材200Aの端部エッジが鋭利化しやすいが、本発明では導電性多孔基材200Aの端部が断面視において電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って導電性多孔基材200Aが延在し、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有すること”によって鋭利なエッジの影響は抑制されている。換言すれば、電解槽で用いる一方の電極が導電性多孔基材200Aを有するため、本発明の副次的な効果は顕在化し易いといえる。より具体的には、陽極および陰極の少なくとも一方の電解用電極が例えばエキスパンドメタル、平織メッシュおよび綾織メッシュのような金網、またはパンチングメタルなどから成るメッシュ開口電極であって、そのようなメッシュ開口電極の端部が断面視において電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って導電性多孔基材200Aが延在し、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有する場合、隔膜損傷の抑制効果が顕在化しやすい。
[詰め部材]
図5~7に示すように、本発明の電解槽は、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有する。
本明細書において「詰め部材」とは、広義には、電極導電体280(のエッジ)とそれに対向する支持体フレーム290との間の隙間を詰めるように設けられる部材を指し、狭義には、上記所定の空間を埋めることで、導電性多孔基材200Aの端部を固定するくさびのような役割を有し得る部材を指す。
詰め部材700は長尺形状を有する。長尺形状の断面としては、例えば、略円状および略多角形状の断面が挙げられる。これらの中でも詰め部材700の断面は円状であることが好ましい。詰め部材700の断面が円状であると、導電性多孔基材200Aは、丸みを帯びた詰め部材700と接触するため、詰め部材700から局所的に過度の外力を受けにくく損傷が低減され、再利用により資する。
詰め部材700は、電極導電体280と支持体フレーム290との間に導電性多孔基材200Aの端部を固定する。詰め部材700は、支持体フレーム290に取り付けられ得る。詰め部材700が支持体フレーム290に取り付けられていると、導電性多孔基材200Aの端部を電極導電体280と支持体フレーム290との間により確実に固定することができる。詰め部材700と支持体フレーム290の接合方法として、溶接、接着剤やコーキング剤を用いた接合などがある。例えば、詰め部材700が金属製である場合、グラインダーやタガネ等によって取り外され、溶接(より具体的には、タングステン-不活性ガス(TIG)溶接やスポット溶接等)によって支持体フレーム290に取り付けられる。詰め部材700が樹脂製である場合、溶剤等によって取り外され、接着剤やコーキング剤等によって支持体フレーム290に取り付けられる。このように導電性多孔基材200Aの端部が詰め部材700によって固定されているため、電極交換時に詰め部材700によって、導電性多孔基材200Aの端部を容易に取り外して、再度取り付けることができる。
詰め部材700の幅は、図7に示すように、電極導電体280と支持体フレーム290との間の隙間の幅Wに相当する。詰め部材700の幅は、電極導電体280のエッジと対向する支持体フレーム290との幅にも相当する。詰め部材700の幅は、例えば、0.5mm~5mmである。なお、詰め部材700の断面が略円状である場合、詰め部材700の幅は、該円の直径にほぼ相当する。
また、図7に示すように、断面視において、支持体フレーム290と電極導電体280の表面レベルから詰め部材700が突出していない。換言すると、支持体フレーム290の上面および電極導電体280の上面とを含む同一平面に対して上側に詰め部材700は突出せずに配置されている。このため、図4に示すように、電解槽において、可撓性陰極200Aが剛性陽極200Bに向かって押圧されるように付勢され、可撓性陰極200Aと隔膜300と剛性陽極200Bとの互いの密着化がもたらされる場合に、(他方の電極としての)剛性陽極200Bが詰め部材700に接触しにくいため、十分に密着化を実現できる。
図に示していないが、詰め部材700は、支持体フレーム290に局所的に接合できる。例えば、詰め部材700が支持体フレーム290に局所的に溶接によって接合されている場合、その接合部のみを切断するだけで詰め部材700を取り外すことができる。次いで、詰め部材700を支持体フレーム290に局所的に接合することによって詰め部材700を固定できる。よって、かかる場合、支持体フレーム290から詰め部材700をより容易に取り外し、詰め部材700を支持体フレーム290により容易に接合できる。このような局所的な接合には、例えば、点接合であってよい。これにつき、局所的な接合は、例えば、タングステン-不活性ガス(TIG)溶接等を用いて実現することができる。また、詰め部材700が支持体フレーム290に局所的に接着剤によって接合されている場合、その接合部のみを切断するだけで詰め部材700を取り外すことができる。
詰め部材700の材質としては、例えば、樹脂および金属が挙げられる。詰め部材700としての樹脂は、例えば、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、UVエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、エチレン・塩化ビニル共重合体樹脂、ブチラール樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ポリスルホン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂およびアクリル樹脂などから成る群より選択される少なくとも1種である。これらの樹脂の中でも、耐食性に優れる観点から、フッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂としては、例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)および三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)から成る群より選択される少なくとも1種である。詰め部材700を構成する金属としては、例えば、Ni、Ti、およびステンレス鋼が挙げられる。詰め部材700は、これらの中でも金属が好ましい。つまり、詰め部材700は、好ましくは金属製である。詰め部材700が、例えば、Niのような金属製であると、例えば、樹脂製の詰め部材700に比べ、耐溶剤性(耐食性)に優れる。よって、詰め部材700の交換の期間を延長できる。
電極導電体(陰極基部)280は、導電性の部材であり、導電性多孔基材200Aよりも高い剛性を通常有している。電解槽において、電極導電体280に支持されるように導電性弾性体400が電極導電体280上に設けられ、導電性弾性体400上に導電性多孔基材200Aが設けられている。隔膜300は、導電性多孔基材200Aと陽極200Bとで挟持されるように配置される。
本発明は、上述した如く、導電性多孔基材200Aの端部が断面視において電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って導電性多孔基材200Aが延在し、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有することを特徴とする。このような本発明は種々の態様で具現化することができる。以下それについて説明する。
電極の交換に伴う、導電性多孔基材200Aの端部を支持体フレーム290から取り外す方法、支持体フレーム290に(再度)取り付ける方法の一例を挙げて説明する。
[導電性多孔基材の端部の取り外し]
導電性多孔基材200Aの端部を取り外すことは、例えば、
(1)詰め部材700を支持体フレーム290から取り外すこと(詰め部材取外工程)、ならびに
(2)導電性多孔基材200Aの端部を電極導電体280と支持体フレーム290との間から、取り外すこと(端部取外工程)、
を含んで成る。
上記(1)の詰め部材取外工程では、詰め部材700が金属製であって溶接により固定される場合、溶接部をグラインダーやタガネ等で外し、詰め部材700を支持体フレーム290から取り外す。あるいは、詰め部材700が樹脂製であって、接着剤やコーキング剤等によって固定される場合、溶剤等によって取り外す。
上記(2)の端部取外工程では、導電性多孔基材200Aに折れ、尖り、切れ等の損傷が生じさせないようにして導電性多孔基材200Aの端部を取り外す。
[導電性多孔基材の端部の(再度)取り付け]
導電性多孔基材200Aの端部を、(再度)取り付けることは、例えば、
(1)支持体フレーム290と、電極導電体280との間(の隙間)に導電性多孔基材200Aの端部を差し込むこと(端部差込工程)、
(2)(1)の隙間に詰め部材700をさらに差し込むこと(詰め部材差込工程)、ならびに
(3)詰め部材700を支持体フレーム290に接合すること(詰め部材接合工程)、
を含んで成る。
上記(1)の端部差込工程では、導電性多孔基材200Aに折れ、尖り、切れ等の損傷が生じさせないようにして、導電性多孔基材200Aの端部を、導電性多孔基材200Aの端部を支持体フレーム290と電極導電体280との間の隙間に差し込む。
上記(2)の詰め部材差込工程では、支持体フレーム290と電極導電体280との間の隙間にさらに詰め部材700を差し込む。これにより、導電性多孔基材200Aの端部が、電極導電体280と詰め部材700とによって挟持されて固定される。
上記(3)の詰め部材接合工程では、詰め部材700を支持体フレーム290に接合する。これにより、導電性多孔基材200Aの端部が、電極導電体280と支持体フレーム290との間により確実に固定される。取付け方法としては、例えば、詰め部材700が金属製である場合、溶接、ならびに詰め部材700が樹脂製である場合、接着剤やコーキング剤による接着が挙げられる。溶接による接合の場合、導電性多孔基材200Aの損傷を低減する観点から、詰め部材700を導電性多孔基材200Aに溶接しない。ここで、詰め部材700は、導電性多孔基材200Aの取り外しおよび再取り付けの容易さの観点から、支持体フレーム290に局所的に接合されていてもよい。
なお、導電性多孔基材200Aの端部を固定する手段では、(3)を含まなくてもよいが、支持体フレーム290に導電性多孔基材200Aの端部をより確実に固定させる観点から好ましい。
[導電性多孔基材の端部]
上述のように、本実施形態の電解槽は、特徴的部分“導電性多孔基材200Aの端部が断面視において電極導電体280と、支持体フレーム290との間を通って導電性多孔基材200Aが延在し、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材700を有して成る”を有するが、導電性多孔基材200Aの端部は、“断面視において屈折点を有しないものの、全体として湾曲している”との態様を採用することができる。
導電性多孔基材200Aの端部は、図5~7に示すように、断面視において屈折点(屈曲点、曲折点)を有しないように電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って延在することができる。換言すると、導電性多孔基材200Aの端部は、電極導電体280と支持体フレーム290との間に位置づけられつつも、その端部が全体として連続してなだらかに湾曲し、その端部の途中で折れ曲がっていない形態(以下、このような形態を「端部の曲げ付け」とも称する)を有し得る。
導電性多孔基材200Aの端部が曲げ付けられていると、端部が全体として連続してなだらかに湾曲しているため、電解槽内で他の部材(例えば、隔膜300)が導電性多孔基材200Aに接触したとしても、損傷しにくい。より具体的には、通常、損傷が引き起されやすいとされる場合(図4に示すように、電解槽において可撓性陰極200Aが剛性陽極200Bに向かって押圧されるように付勢され、可撓性陰極200Aと隔膜300と剛性陽極200Bとが互いに強く密着する場合)であっても、導電性多孔基材200Aは断面視において屈折点のような比較的大きな変位箇所を有しないため、隔膜300が導電性多孔基材200Aによって損傷しにくい。よって、端部の曲げ付けは、他の部材の再利用に資する。
また、導電性多孔基材200Aの端部が曲げ付けられていると、図5~7に示すように、端部エッジは隔膜300が配置される方向とは逆方向(反対側)に向くように配置される。これにより、端部エッジは隔膜300から遠くに位置づけられるため、導電性多孔基材200Aの端部との接触による隔膜300の損傷を抑制できる。よって、端部の曲げ付けは、他の部材の再利用に資する。
別の実施形態(第2実施形態)について説明する。本実施形態は、上述の実施形態(第1実施形態)に比べ、支持体フレーム290Aが面取り部270を有する点において相違する。この相違点について説明する。
図9は、特徴的部分の一部拡大図である。支持体フレーム290Aは、電極導電体280のエッジと対向する部分に面取り部270を有し、面取り部270に詰め部材700が配置される。面取り部270の両端は、断面視において曲線状(R状)となっている。
電極導電体280のエッジと対向する支持体フレーム290Aとの幅W2は、面取り部270がない場合の幅W(図7参照)に比べて、小さい。つまり、第2実施形態では、詰め部材700は、支持体フレーム290Aに面取り部270がない場合に比べ、平面視で支持体フレーム290Aのより外縁側に配置することができる。よって、電解槽として機能する電極200Aの面積を増加させることができる。
詰め部材700の幅は、図9に示すように、電極導電体280と支持体フレーム290Aとの間の隙間の幅(電極導電体280のエッジと対向する支持体フレーム290Aとの幅)W2よりも大きくてもよい。
また、さらに別の実施形態(第3実施形態)について説明する。本実施形態は、上述の実施形態(第1実施形態)に比べ、導電性多孔基材200Aが2つ以上のサブ多孔基材200a,200bから構成されている点において相違する。この相違点について説明する。
図10は、導電性多孔基材200Aの端部が断面視において電極導電体280と支持体フレーム290との間を通って導電性多孔基材200Aが延在し、電極導電体280と支持体フレーム290との間に詰め部材を有する部分の斜視図である。導電性多孔基材200Aは、2つのサブ多孔基材200a,200bから構成されている。この2つのサブ多孔基材200a,200bは、その一部が互いに重なるようにして1つの導電性多孔基材200Aを構成することができる。このため、導電性多孔基材200Aが損傷した場合であっても、2つのサブ多孔基材200a、200bのうち損傷したサブ多孔基材(例えば、一方のサブ多孔基材200a)のみを部分的に交換すればよいため、単一枚からなる導電性多孔基材200Aに比べ、コストに優れる。
サブ多孔基材200a,200bの装脱着(取り外しおよび取り付け)をより容易にする観点から、図10に示すように、詰め部材700a,700bを、複数のサブ多孔基材200a,200bのそれぞれに対応させることが好ましい。より具体的には、詰め部材700aはサブ多孔基材200aに対応し、サブ多孔基材200aを固定する。詰め部材700bはサブ多孔基材200bに対応し、サブ多孔基材200bを固定する。かかる場合、サブ多孔基材200aのみを取り外す場合、詰め部材700aを支持体フレーム290から取り外し、詰め部材700bは取り外す必要はない。このようにサブ多孔基材200a,200bはその対応する詰め部材700a,700bによって固定されているため、サブ多孔基材200a,200bの装脱着がより容易となる。
また、さらに別の実施形態(第4実施形態)について説明する。本実施形態は、上述の実施形態(第1実施形態)に比べ、電極導電体280Aの端部が湾曲している点において相違する。この相違点について説明する。
図11は、第4実施形態に係る電解槽の拡大断面図である。電極導電体280Aの端部が断面視において屈折点を有しないで全体として湾曲する第2湾曲部240を有し、第2湾曲部240が支持体フレーム290と対向する。導電性多孔基材200Aは、電極導電体280Aの突起等していない部分、つまり全体として湾曲する湾曲部240および平面状の上面の一部に接触するため、損傷しにくい。よって、本実施形態に係る電解槽では、電極導電体280Aとの接触による導電性多孔基材200Aの損傷を効果的に抑制できる。本実施形態では、導電性多孔基材200Aの再利用にも資する。また、本実施形態では、電極導電体280Aの端部が湾曲しているため、落ち込みを防止し、作業性が向上する。
電極導電体280Aの端部は、隔膜300が配置されている側と逆方向に湾曲しているため、隔膜300も電極導電体280Aによって損傷しにくい。よって、本実施形態に係る電解槽では、電極導電体280Aによる隔膜300の損傷を効果的に抑制できる。本実施形態では、隔膜300の再利用にも資する。
詰め部材700は、電極導電体280Aの端部(より具体的には、その湾曲部および/または上面の一部)と、その対向する支持体フレーム290との間に配置され、導電性多孔基材200Aの端部を固定する。
以上、本発明の実施態様について説明してきたが、本発明の適用範囲における典型例を示したに過ぎない。したがって、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更がなされ得ることは当業者に容易に理解されよう。
例えば、上記実施形態では、一方の電極を陰極とし他方の電極を陽極とした電解槽を例に挙げて説明したがこれに限定されない。一方の電極を陽極とし他方の電極を陰極とした電解槽であってもよい。
第1実施形態では、図7に示すように、断面視において支持体フレーム290および電極導電体280の表面レベルから詰め部材700が突出していないものの、これに限定さない。例えば、図15に示すように、詰め部材700が前記表面レベルから突出してもよい。例えば、前記表面レベルからの詰め部材700の突出高さhが、ガスケット260の厚み(特に、圧縮時の厚み)H未満であってもよく(、そのような場合には隔膜(イオン交換膜)300の損傷を低減しやすくなる。図15では、詰め部材700の突出高さhが、ガスケット260の厚みHの1/2程度となっている。
また、第2実施形態では、支持体フレーム290Aが電極導電体280のエッジと対向する部分に面取り部270を有するが、これに限定されない。例えば、支持体フレーム290Aは、図12に示すように、前記対向する部分に第1湾曲部250を有する。第1湾曲部250は、断面視において屈折点を有しないで全体として湾曲している。第1湾曲部250に詰め部材700が配置される。
また、第3実施形態では、複数のサブ多孔基材として2枚のサブ多孔基材200a,200bを挙げたがこれに限定されない。複数のサブ多孔基材は、3枚以上のサブ多孔基材であってもよい。
また、第3実施形態では、2つのサブ多孔基材200a,200bは、その一部が互いに重なるようにして1つの導電性多孔基材200Aを構成しているが、これに限定されない。例えば、2つのサブ多孔基材200a,200bは、互いに隙間がないように隣接して1つの導電性多孔基材200Aを構成してもよく、またはそれらの端部が互いに離間した状態で導電性多孔基材200Aを構成してもよい。
さらに、第2~第4実施形態を組み合わせてもよい。第2実施形態と第4実施形態との組み合わせに係る電解槽は、例えば、図13に示す態様であってもよい。より具体的には、支持体フレーム290Aが電極導電体280Aと対向する部分に面取り部270を有し、面取り部270に詰め部材700が配置されている。さらに、電極導電体280Aの端部が断面視において屈曲点を有しないで全体として湾曲する第2湾曲部240を有し、第2湾曲部240が支持体フレーム290Aの面取り部270と対向する。この態様では、支持体フレーム290Aおよび電極導電体280Aのいずれも突起形状を有しないため、導電性多孔基材200Aおよび隔膜300の損傷がより抑制され得る。
また、第2実施形態と第4実施形態との組み合わせに係る電解槽は、例えば、図14に示す態様であってもよい。より具体的には、支持体フレーム290Aが電極導電体280Aと対向する部分に第1湾曲部250を有し、第1湾曲部250に詰め部材700が配置されている。さらに、電極導電体280Aの端部が断面視において屈曲点を有しないで全体として湾曲する第2湾曲部240を有し、第2湾曲部240が支持体フレーム290Aの第1湾曲部250と対向する。この態様では、支持体フレーム290Aおよび電極導電体280Aのいずれも湾曲部を有するため、導電性多孔基材200Aおよび隔膜300の損傷がより抑制され得る。
100 電解槽ユニット
100’ 電解槽ユニット
100” 電解槽ユニット
200A 陰極(導電性多孔基材)
200B 陽極
200a,200b サブ多孔基材
240 第2湾曲部
250 第1湾曲部
260 ガスケット
270 面取り部
280,280A 電極導電体(例えば、陰極基部)
290,290A 支持体フレーム
300 隔膜(例えば、イオン交換膜)
400 導電性弾性体
450 弾性部
700,700a,700b 詰め部材
H ガスケットの厚み
h 詰め部材の突出高さ

Claims (14)

  1. 陽極、陰極、隔膜、および支持体フレームを有して成る電解槽であって、
    前記陽極および前記陰極の一方の電極が、電極導電体と、該電極導電体上に配置されかつ可撓性を有する導電性多孔基材とを有し、
    前記導電性多孔基材の端部が断面視において前記電極導電体と前記支持体フレームとの間を通って該導電性多孔基材が延在し、
    前記電極導電体と前記支持体フレームとの間に詰め部材を有して成る、電解槽。
  2. 前記電極導電体と前記支持体フレームとの間において前記導電性多孔基材の前記端部が前記詰め部材によって固定される、請求項1に記載の電解槽。
  3. 断面視において、
    前記支持体フレームと前記隔膜との間にガスケットをさらに備え、前記支持体フレームおよび前記電極導電体の表面レベルからの前記詰め部材の突出高さが、前記ガスケットの厚み未満であり、または
    前記詰め部材が前記表面レベルから突出していない、請求項1または2に記載の電解槽。
  4. 前記詰め部材が前記支持体フレームに取り付けられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の電解槽。
  5. 前記支持体フレームに対して局所的に前記詰め部材が接合される、請求項4に記載の電解槽。
  6. 前記支持体フレームは、前記電極導電体と対向する部分に面取り部または第1湾曲部を有し、該面取り部または該第1湾曲部に前記詰め部材が配置される、請求項1~5のいずれか1項に記載の電解槽。
  7. 前記詰め部材が長尺形状を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の電解槽。
  8. 前記詰め部材が金属製である、請求項1~7のいずれか1項に記載の電解槽。
  9. 前記導電性多孔基材の前記端部は、断面視において屈折点を有しないで全体として湾曲している、請求項1~8のいずれか1項に記載の電解槽。
  10. 前記電極導電体の端部は、断面視において屈折点を有しないで全体として湾曲する第2湾曲部を有し、該第2湾曲部が前記支持体フレームに対向する、請求項1~9のいずれか1項に記載の電解槽。
  11. 前記導電性多孔基材が2つ以上のサブ多孔基材から構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の電解槽。
  12. 前記一方の電極の前記導電性多孔基材が、導電性弾性体によって他方の電極へと押圧されるように、該導電性弾性体が該導電性多孔基材の背面側に設けられている、請求項1~11のいずれか1項に記載の電解槽。
  13. 前記隔膜は、イオン交換膜である、請求項1~12のいずれか1項に記載の電解槽。
  14. ゼロギャップ式の食塩電解槽用である、請求項1~13のいずれか1項に記載の電解槽。
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