JP2014082679A - 画像読取り装置、それを備えた画像形成装置、及びその校正ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】校正基準部材を覆ったり開放したりすることができ、校正基準部材を読取るときには該校正基準部材を読取り部に接近させることが可能な画像読取り装置を提供する。
【解決手段】シャッター板97の開閉動作と保持部93並びに校正基準部材78の上下方向の移動とを連動させており、シャッター板97が閉じられるときには、保持部93が下方に移動されて、校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aから離間した退避位置に位置決めされ、検出面72aと保持部93並びに校正基準部材78との隙間が広く開けられて、シャッター板97がその隙間に挿入され、またシャッター板97が開かれるときには、保持部93が上方に移動されて、校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aに接近した読取り位置に位置決めされ、分光測色器72による校正基準部材78の読取り精度が高くなるようにしている。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像の校正に用いられるテストチャートを読取る画像読取り装置、それを備えた画像形成装置、及びその校正ユニットに関する。
この種の画像形成装置では、像担持体表面を均一に帯電し、光ビームにより像担持体表面を走査して、静電潜像を像担持体表面に形成し、像担持体表面の静電潜像を現像して、像担持体表面にトナー像を形成し、トナー像を像担持体から記録用紙に転写し、記録用紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録用紙上に定着させている。
また、画像形成装置としては、該画像形成装置により記録用紙上に形成されたテストチャートを読取る画像読取り装置を備えたものがあり、この画像読取り装置により読取られたテストチャートに基づき像担持体表面に形成されるトナー像(画像)を校正する。例えば、画像読取り装置は、CISや測色器などの読取り部と、読取り部により読取られて、読取り部等のキャリブレーションに用いられる校正基準部材とを有している。校正基準部材は、例えば白色であり、キャリブレーションの精度低下を防止するべく、紙粉や埃等の付着により校正基準部材が汚れないようにすることが望ましい。
例えば、特許文献1では、発光素子により校正基準部材を照明し、CISにより校正基準部材を読取り、その読取り結果に基づきCISのキャリブレーションを行っている。
また、特許文献2では、中間転写ベルト上のレジストマークを検出する光学センサの検出面を開閉するシャッターを設け、シャッターにより光学センサの検出面を覆って、その検出面の汚れを防止している。
更に、特許文献3では、ルーバーを排気口に設け、ルーバーにより排気口を開閉している。このようなルーバーにより校正基準部材を覆ったり開放したりすれば、校正基準部材の汚れを防止したり、読取り部により校正基準部材を読取ったりすることが可能になる。
特開2001−144906号公報 特開2010−175840号公報 特開2012−42602号公報
ところで、読取り部による校正基準部材の読取り精度を高くするには、校正基準部材を読取り部に接近させる必要がある。しかしながら、シャッターにより校正基準部材を覆うには、校正基準部材と読取り部との隙間にシャッターを入れることから、その隙間を広くする必用があって、校正基準部材を読取り部に接近させることができない。
例えば、特許文献3のようなルーバーを校正基準部材と読取り部との間に配置すると、その間が広く開くので、ルーバーの適用は困難である。また、単なる薄板からなるシャッターを校正基準部材と読取り部との隙間に出し入れする構成であっても、校正基準部材を読取り部に接近させるのには限界がある。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、校正基準部材を覆ったり開放したりすることができ、校正基準部材を読取るときには該校正基準部材を読取り部に接近させることが可能な画像読取り装置、それを備えた画像形成装置、及びその校正ユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像読取り装置は、校正基準部材と、用紙上に形成されたテストチャート及び前記校正基準部材を読取る読取り部とを備えた画像読取り装置であって、回転される回転部と、前記校正基準部材を保持し、前記回転部との係合により該回転部の回転に連動して、前記校正基準部材を前記読取り部に接近した読取り位置と前記読取り部から離間した退避位置とに切替え移動させる保持部と、前記回転部との係合により該回転部の回転に連動して、前記読取り部と前記校正基準部材との間に出し入れされるシャッター部とを備えている。
このような本発明の画像読取り装置では、校正基準部材を保持した保持部と回転部との係合により該回転部の回転に連動して、校正基準部材が読取り部に接近した読取り位置と読取り部から離間した退避位置とに切替え移動され、またシャッター部と回転部との係合により該回転部の回転に連動して、シャッター部が読取り部と校正基準部材との間に出し入れされる。従って、シャッター部が読取り部と校正基準部材との間から出されると同時に、校正基準部材が読取り部に接近した読取り位置に移動される。このとき、読取り部と校正基準部材との間にはシャッター部が存在しないので、校正基準部材を読取り部に対して十分に接近させることができ、読取り部による校正基準部材の読取り精度を高くすることができる。また、シャッター部が読取り部と校正基準部材との間に入れられると同時に、校正基準部材が読取り部から離間した退避位置に移動される。このとき、校正基準部材が読取り部から離間するので、シャッター部を読取り部と校正基準部材との間に入れることができ、シャッター部により校正基準部材の汚れを防止することができる。
従って、回転部を回転させるだけで、読取り部による校正基準部材の読取り精度を高くし、かつシャッター部により校正基準部材の汚れを防止することができる。
また、本発明の画像読取り装置においては、前記回転部は、該回転部と共に回転する突起部を有し、前記シャッター部は、前記突起部との係合により該回転部の回転に連動して、前記読取り部と前記校正基準部材との間に出し入れされる。例えば、前記読取り部と前記校正基準部材との間に対して出される方向又は入れられる方向に前記シャッター部を付勢するシャッター付勢部材を備え、前記シャッター付勢部材の付勢力により前記シャッター部が前記突起部に当接され、前記突起部の回転に連動して、前記シャッター部が前記読取り部と前記校正基準部材との間に出し入れされる。
このような構成により、シャッター部と回転部とが係合し、回転部の回転に連動して、シャッター部が読取り部と校正基準部材との間に出し入れされる。
更に、本発明の画像読取り装置においては、前記テストチャートを前記読取り部へと搬送する用紙搬送部を備え、前記保持部及び前記校正基準部材は、前記テストチャートの搬送領域の外側であってかつ前記読取り部の読取り領域に配置されている。
この場合は、保持部及び校正基準部材がテストチャートに干渉することはなく、かつ読取り部による構成基準部材の読取りが可能になる。また、テストチャートの搬送領域には、用紙の紙粉が溜まり易いため、保持部及び校正基準部材をテストチャートの搬送領域の外に配置するのが望ましい。
また、本発明の画像読取り装置においては、前記保持部を付勢する保持付勢部材と、前記保持部の回転を禁止し、前記保持部を前記切替え移動の方向にガイドする固定支持部とを備え、前記回転部は、該回転部と共に回転する凸部を有し、前記保持部は、前記読取り位置と前記退避位置との間で切替え移動される前記校正基準部材の切替え移動の方向に対して傾斜した傾斜ガイド部を有し、前記保持付勢部材の付勢力により前記傾斜ガイド部が前記凸部に当接し、前記凸部の回転に伴い、前記傾斜ガイド部に対する前記凸部の当接位置が変位して、前記校正基準部材が前記読取り位置又は前記読取り部から離間した退避位置に切替え移動される。例えば、前記保持付勢部材は、前記固定支持部と前記校正基準部材又は前記保持部との間に設けられて、前記校正基準部材を前記読取り位置の方向に付勢する。
このような構成により、校正基準部材を保持した保持部と回転部とが係合し、回転部の回転に連動して、校正基準部材が読取り部に接近した読取り位置と読取り部から離間した退避位置とに切替え移動される。また、保持付勢部材により校正基準部材をガタツキ無く支持することができる。
更に、本発明の画像読取り装置においては、前記保持部は、前記校正基準部材を前記切替え移動の方向で挟み込んで支持する第1保持体及び第2保持体を有している。
この場合、第1及び第2保持体を離間させることにより校正基準部材のメンテナンスや交換等が可能になる。
次に、本発明の画像形成装置は、上記本発明の画像読取り装置と、用紙上にテストチャートを形成する画像形成部とを備え、前記読取り部は、前記画像形成部よりも前記用紙の搬送方向下流側に設けられている。
このような画像形成装置においては、画像形成部によりテストチャートが形成された用紙を画像読取り装置まで搬送して、読取り部によりテストチャートを読取ることができる。
また、本発明の校正ユニットは、回転される回転部と、校正基準部材を保持し、前記回転部との係合により該回転部の回転に連動して、前記校正基準部材を前記読取り部に接近した読取り位置と前記読取り部から離間した退避位置とに切替え移動させる保持部と、前記回転部との係合により該回転部の回転に連動して、前記読取り部と前記校正基準部材との間に出し入れされるシャッター部とを備えている。
このような校正ユニットにおいても、上記本発明の画像読取り装置と同様の作用効果を奏する。
本発明では、校正基準部材を保持した保持部と回転部との係合により該回転部の回転に連動して、校正基準部材が読取り部に接近した読取り位置と読取り部から離間した退避位置とに切替え移動され、またシャッター部と回転部との係合により該回転部の回転に連動して、シャッター部が読取り部と校正基準部材との間に出し入れされる。従って、シャッター部が読取り部と校正基準部材との間から出されると同時に、校正基準部材が読取り部に接近した読取り位置に移動される。このとき、読取り部と校正基準部材との間にはシャッター部が存在しないので、校正基準部材を読取り部に対して十分に接近させることができ、読取り部による校正基準部材の読取り精度を高くすることができる。また、シャッター部が読取り部と校正基準部材との間に入れられると同時に、校正基準部材が読取り部から離間した退避位置に移動される。このとき、校正基準部材が読取り部から離間するので、シャッター部を読取り部と校正基準部材との間に入れることができ、シャッター部により校正基準部材の汚れを防止することができる。
従って、回転部を回転させるだけで、読取り部による校正基準部材の読取り精度を高くし、かつシャッター部により校正基準部材の汚れを防止することができる。
本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。 画像形成装置における読取り装置を概略的に示す斜視図である。 記録用紙上に形成されたテストチャートを例示する平面図である。 読取り装置におけるプレート、分光測色器、及び校正ユニット等を拡大して示す断面図であり、(a)は校正ユニットの校正基準部材が分光測色器から離間した退避位置に位置決めされた状態を示し、(b)は校正基準部材が分光測色器に接近した読取り位置に位置決めされた状態を示す。 校正ユニットを上方から視て示す分解斜視図である。 校正ユニットの固定支持部、第1及び第2保持体、校正基準部材を下方から視て示す分解斜視図である。 校正ユニットを拡大して示す斜視図である。 (a)〜(e)は、校正ユニットの円筒回転部を示す平面図、斜視図、側面図、側面図のA−Aに沿う断面図、及び底面図である。 (a)〜(f)は、校正ユニットの固定支持部を示す平面図、上方向から視て示す斜視図、斜視図の矢印方向Bから見て示す側面図、斜視図の矢印方向Cから見て示す側面図、底面図、及び下方向から視て示す斜視図である。 (a)〜(f)は、校正ユニットの第1保持体を示す平面図、上方向から視て示す斜視図、斜視図の矢印方向Bから見て示す側面図、斜視図の矢印方向Cから見て示す側面図、底面図、及び下方向から視て示す斜視図である。 (a)〜(f)は、校正ユニットの第2保持体を示す平面図、上方向から視て示す斜視図、斜視図の矢印方向Bから見て示す側面図、斜視図の矢印方向Cから見て示す側面図、底面図、及び下方向から視て示す斜視図である。 (a)〜(d)は、第1及び第2保持体の内側に固定支持部を差し込んで取付けて円筒回転部の内側にセットする手順を示す図である。 校正基準部材、第1及び第2保持体、固定支持部、及びコイルバネを組み立てた状態を示す斜視図である。 円筒回転部、シャッター板、レバー、及びソレノイドを下方から視て模式的に示す図であり、(a)はソレノイドが消勢されてシャッター板が閉じられた状態を示し、(b)はソレノイドが付勢されてシャッター板が開かれた状態を示している。 (a)〜(c)は、円筒回転部と第1及び第2保持体との係合状態及び動作を示す図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。図1において、画像形成装置Psは、画像形成ユニット1、中継ユニット3、後処理ユニット4、及び読取りユニット5を備えている。画像形成ユニット1は、原稿の画像を記録用紙に記録形成し、画像が記録された記録用紙を中継ユニット3に搬出する。中継ユニット3は、記録用紙を画像形成ユニット1から受け取ると、記録用紙に対して樹脂コーティング(光沢処理)を施すことなく、記録用紙の中継搬送のみを行って、記録用紙を後処理ユニット4又は読取りユニット5に搬出するか、あるいは記録用紙に対して樹脂コーティング(光沢処理)を施した後に、記録用紙を後処理ユニット4に搬出する。後処理ユニット4は、記録用紙を中継ユニット3から受け取ると、記録用紙をそのまま排出するか、あるいは記録用紙に対してステープル等の後処理を施した後に、記録用紙を排出する。読取りユニット5は、画像形成装置Psによりテストチャートが印刷された記録用紙を中継ユニット3から受け取り、記録用紙上のテストチャートを読取る。
次に、画像形成ユニット1の概略構成を説明する。まず、画像形成ユニット1において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、及び帯電器15は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するためにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
各画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdのいずれにおいても、ドラムクリーニング装置14により感光体ドラム13表面の残留トナーを除去及び回収した後、帯電器15により感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させ、光走査装置11により感光体ドラム13表面を露光して、その表面に静電潜像を形成し、現像装置12により感光体ドラム13表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13表面にトナー像を形成する。これにより、各感光体ドラム13表面に各色のトナー像が形成される。
引き続いて、中間転写ベルト21を矢印方向に周回移動させつつ、ベルトクリーニング装置25により中間転写ベルト21の残留トナーを除去及び回収した後、各感光体ドラム13表面に各色のトナー像を中間転写ベルト21に順次転写して重ね合わせ、中間転写ベルト21上にカラーのトナー像を形成する。
中間転写ベルト21と2次転写装置26の転写ローラ26a間にはニップ域が形成されており、用紙搬送経路R1を通じて搬送されて来た記録用紙をそのニップ域に挟み込んで搬送しつつ、中間転写ベルト21表面のカラーのトナー像を記録用紙上に転写する。そして、定着装置17の加熱ローラ31と加圧ローラ32との間に記録用紙を挟み込んで加熱及び加圧し、記録用紙上のカラーのトナー像を定着させる。
一方、記録用紙は、ピックアップローラ33により給紙カセット18から引出されて、S字状の用紙搬送経路R1を通じて搬送され、2次転写装置26や定着装置17を経由し、排紙ローラ36を介して中継ユニット3へと搬出される。この用紙搬送経路R1には、記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃えた後、中間転写ベルト21と転写ローラ26a間のニップ域でのカラーのトナー像の転写タイミングに合わせて記録用紙の搬送を開始する一組のレジストローラ34、記録用紙の搬送を促す複数組の搬送ローラ35、一組の排紙ローラ36等が配置されている。
また、記録用紙の表面だけではなく、裏面の印字を行う場合は、記録用紙を各排紙ローラ36から反転経路Rrへと逆方向に搬送して、記録用紙の表裏を反転させ、記録用紙を各レジストローラ34へと再度導き、記録用紙の表面と同様に、記録用紙の裏面に画像を記録して定着し、記録用紙を中継ユニット3へと搬出する。
次に、中継ユニット3では、直線状のスルー搬送経路R3、U字状の引込み搬送経路R4、読取りユニット5に通じる分岐搬送経路R5、スルー搬送経路R3の用紙出入り口に設けられた一組の搬入ローラ42及び一組の搬出ローラ43、スルー搬送経路R3及び引込み搬送経路R4に沿って配置された複数組の搬送ローラ44、各搬送経路R3、R4の分岐位置に配置されたフラッパー45、各搬送経路R3、R5の分岐位置に配置されたフラッパー47、及び引込み搬送経路R4に設けられた2台のフィルムコーティング装置46等を備え、記録用紙に対して樹脂コーティング(光沢処理)を施すときと、それ以外のときとで記録用紙の搬送経路を切替えている。
次に、後処理ユニット4では、排出搬送経路R6、排出搬送経路R6から分岐したステープル搬送経路R7、排出搬送経路R6の用紙入り口に設けられた一組の搬入ローラ51、各搬送経路R6、R7の用紙出口に設けられた二組の排出ローラ52と2つの排紙トレイ53、54、各搬送経路R6、R7に沿って配置された複数組の搬送ローラ55、各搬送経路R6、R7の分岐位置に配置されたフラッパー56、及びステープル搬送経路R7に設けられたステープル装置57を備え、記録用紙に対して後処理を施すときと施さないときとで記録用紙の搬送経路を適宜切替えている。
次に、読取りユニット5は、中継ユニット3の上側に搭載されており、2つの搬送経路R8、R9、各搬送経路R8、R9に沿って配置された複数組の搬送ローラ64、記録用紙上のテストチャートを読取る読取り装置61、及び排紙トレイ62を備えている。
読取りユニット5では、画像形成ユニット1により予め設定されたテストチャートが記録用紙に印刷されたときに、この記録用紙を画像形成ユニット1から中継ユニット3を介して受け取る。この記録用紙は、中継ユニット3の各搬送ローラ44を通じて搬送経路R8へと搬入され、搬送経路R8を通じて読取り装置61へと搬送され、更に搬送経路R9及び各排出ローラ63を通じて排紙トレイ62へと排出される。読取り装置61は、記録用紙の通過に際し、記録用紙上のテストチャートを読取って、テストチャートを示す画像データを出力する。このテストチャートを示す画像データは、画像形成装置Psの画像処理部(図示せず)に入力され、この画像処理部において、テストチャートに基づき画像形成ユニット1により記録用紙上に形成される画像が校正される。例えば、画像のカラーバランス、画像濃度、諧調等が校正される。
ところで、読取りユニット5の読取り装置61は、記録用紙上のテストチャートの各色を高精度で分析して読取る分光測色器を備えている。また、分光測色器としては、白色乃至灰色の校正基準部材を読取って、この校正基準部材の読取りデータに基づき分光測色器のキャリブレーションを行い、テストチャートの各色の読取り精度を高めるものがある。本実施形態では、そのような校正基準部材を読取って、テストチャートの各色の読取り精度を高めることが可能な分光測色器を適用している。
しかしながら、紙粉や埃等の付着により校正基準部材が汚れると、キャリブレーションの精度が低下することから、分光測色器による校正基準部材の読取りが行われないときには、校正基準部材をシャッターで覆って、校正基準部材の汚れを防止することが望ましい。
また、分光測色器によるテストチャートの読取り精度を高くするには、テストチャートを分光測色器に接近させる必要があり、更に校正基準部材の読取り精度を高くするには、分光測色器に対して校正基準部材をテストチャートと同一位置に位置決めする必要がある。従って、校正基準部材を分光測色器に接近させる必要がある。ところが、シャッターにより校正基準部材を覆うには、校正基準部材と分光測色器との隙間にシャッターを入れることから、その隙間を広く設定する必用があって、校正基準部材を分光測色器に接近させることができない。
そこで、本実施形態の画像形成装置Psの読取り装置61では、分光測色器により校正基準部材を読取るときには、校正基準部材を分光測色器に接近させて、分光測色器による校正基準部材の読取り精度を高くすることができ、分光測色器による校正基準部材の読取りを行わないときには、校正基準部材を分光測色器から離間させて、校正基準部材と分光測色器との間にシャッターを挿入し、シャッターにより校正基準部材の汚れを防止することができるようにしている。
次に、そのような読取り装置61における分光測色器、校正基準部材、シャッター等からなる構成を詳しく説明する。
まず、読取り装置61の概略構成を説明する。図2は、読取り装置61を示す斜視図である。図2に示すように読取り装置61は、主走査方向Xに延在するガイドプレート71、ガイドプレート71上に配置された分光測色器72、分光測色器72を主走査方向Xに案内するガイドシャフト73、ガイドプレート71の両端部上方に設けられた一対のプーリ74a、74b、一方のプーリ74aを回転駆動する駆動モータ75、各プーリ74a、74bに架け渡された無端状ベルト76、及びガイドプレート71の片端部に設けられて、校正基準部材を内蔵する校正ユニット77等を備えている。
ガイドプレート71は、その上面が平坦面である。分光測色器72は、その本体の両端部に回転自在に支持された一組のローラ81を有しており、各ローラ81がガイドプレート71の平坦面に載せられる。また、分光測色器72の本体の後端には、被ガイド部82が設けられており、この被ガイド部82の孔にガイドシャフト73が主走査方向Xに挿通されて、ガイドシャフト73により分光測色器72が主走査方向Xに案内される。更に、無端状ベルト76の一部が分光測色器72の被ガイド部82に固定されている。
ここで、駆動モータ75により一方のプーリ74aが回転駆動されると、無端状ベルト76が周回移動し、他方のプーリ74bが従動回転し、無端状ベルト76に接続された分光測色器72の本体が主走査方向Xに移動され、分光測色器72の各ローラ81がガイドプレート71上で転がって、ガイドシャフト73により分光測色器72が主走査方向Xに案内される。駆動モータ75により回転駆動される一方のプーリ74aの回転方向及び回転角度は、分光測色器72の移動方向及び移動位置に対応し、駆動モータ75を制御することにより分光測色器72をガイドプレート71上で主走査方向Xに往復移動させて、分光測色器72の移動方向及び移動位置を制御することができる。
また、読取りユニット5では、複数組の搬送ローラ64により、記録用紙が搬送経路R8→読取り装置61→搬送経路R9→排紙トレイ62という順で副走査方向Yに搬送される。そして、読取り装置61においては、記録用紙がガイドプレート71と分光測色器72との間を通過する。この記録用紙の通過に際しては、ガイドプレート71が一時的に僅かに下降されて、分光測色器72の各ローラ81とガイドプレート71との間に隙間が形成され、記録用紙が一定長さだけ搬送されて停止され、ガイドプレート71が元の高さまで上昇されて、分光測色器72の各ローラ81がガイドプレート71上に載せられ、このような記録用紙の搬送が一定長さずつ間欠的に行われる。そして、記録用紙が停止される度に、分光測色器72がガイドプレート71上で主走査方向Xに往復移動されて、分光測色器72により記録用紙上のテストチャートが読取られ、分光測色器72により記録用紙上のテストチャートが主走査方向Xに繰り返し読取られる。図3は、記録用紙上に形成されたテストチャートTを例示する平面図である。
一方、校正ユニット77は、ガイドプレート71の片端部であって、主走査方向Xにおける記録用紙の搬送領域M1の外側に配置されている。このため、校正ユニット77がガイドプレート71と分光測色器72との間を通過する記録用紙に干渉することはなく、校正ユニット77が記録用紙の搬送を阻害することもない。また、記録用紙の搬送領域M1には紙粉が溜まり易いので、紙粉の影響を軽減するべく、校正ユニット77を搬送領域M1の外側に配置している。
また、校正ユニット77は、主走査方向Xにおける分光測色器72の移動領域(読取り領域)M2の内側に配置されている。分光測色器72の移動領域M2は、記録用紙の搬送領域M1と校正ユニット77の配置部位を含む領域である。駆動モータ75の制御により分光測色器72が記録用紙の搬送領域M1で主走査方向Xに往復移動されているときに、分光測色器72により記録用紙のテストチャートが読取られ、駆動モータ75の制御により分光測色器72が校正ユニット77の配置部位に移動されて位置決めされているときに、分光測色器72により校正ユニット77に内蔵の校正基準部材が読取られる。
図4(a)、(b)は、ガイドプレート71、分光測色器72、及び校正ユニット77を副走査方向Yに視て拡大して示す断面図であって、分光測色器72が校正ユニット77の配置部位に移動されて位置決めされた状態を示している。図4(a)、(b)に示すように校正ユニット77は、校正基準部材78、校正基準部材78を保持する保持部93、保持部93を支持する固定支持部94、校正基準部材78と固定支持部94との間に挿入されたコイルバネ95、保持部93や固定支持部94等を収容した円筒回転部96、円筒回転部96の上側に配置されたシャッター板97、レバー98、及びソレノイド99等を備えている。保持部93は、校正基準部材78を挟み込んで支持する第1保持体91と第2保持体92とからなる。
図4(a)に示すように校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aから離間した退避位置に位置決めされているときには、分光測色器72の検出面72aと保持部93並びに校正基準部材78との隙間が広く開き、シャッター板97がその隙間に挿入されて閉じられる。この状態では、シャッター板97により分光測色器72の検出面72aが覆われ、検出面72aが汚れることはない。
また、図4(b)に示すようにシャッター板97が分光測色器72の検出面72aと保持部93並びに校正基準部材78との間から出されて開かれたときには、保持部93が上方に移動して、校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aに接近した読取り位置(ガイドプレート71上の記録用紙と同一位置)に位置決めされる。この状態では、分光測色器72による校正基準部材78の読取り精度が高くなる。
図4(a)の状態では、シャッター板97の上面は、ガイドプレート71の上面と同一高さにあって、それらの間に段差がなく、分光測色器72の各ローラ81がガイドプレート71とシャッター板97の間を滑らかに通過し得るようにされている。この状態で、分光測色器72が記録用紙の搬送領域M1から校正ユニット77の配置部位へと移動され、分光測色器72が校正ユニット77の配置部位に位置決めされた後に、図4(b)の状態が設定されて、分光測色器72による校正ユニット77の読取りが行われる。
また、後で詳しく述べるようにソレノイド99によりレバー98が往復回転され、レバー98の往復回転に連動して円筒回転部96が往復回転し、円筒回転部96の往復回転に連動して保持部93が上下方向に移動しかつシャッター板97が開閉される。従って、図4(a)、(b)に示すような保持部93の上下方向の移動とシャッター板97の開閉動作とが互いに連動する。
次に、校正ユニット77の構造の概略を説明する。図5は、校正基準部材78、第1保持体91、第2保持体92、固定支持部94、コイルバネ95、円筒回転部96、及びシャッター板97等を上方から視て示す分解斜視図である。また、図6は、固定支持部94、第1保持体91、第2保持体92、及び校正基準部材78を下方から視て示す分解斜視図である。更に、図7は、校正ユニット77を拡大して示す斜視図である。
図5乃至図7において、支持板101は、ガイドプレート71(図2及び図4に示す)の下側に重ねられて固定され、校正ユニット77を支持するものである。支持板101には、半円支柱102及び円支柱103が突設されている。半円支柱102は、支持板101の上面側で、校正基準部材78、保持部93(第1保持体91、第2保持体92)、固定支持部94、コイルバネ95、及び円筒回転部96を支持している。円筒回転部96は、半円支柱102を中心にして回転自在に支持されており、円筒回転部96の底板に突設された柱状体96hが支持板101に形成された円弧状孔101aを貫通している。また、固定支持部94は、円筒回転部96の内側で半円支柱102により固定されている。更に、保持部93は、概ね、円筒回転部96と固定支持部94との間に挟まれて、上下方向に移動可能にかつ回転を禁止された状態で支持されている。
校正基準部材78は、基準色(例えば白色)のグレーパッチ78aと、グレーパッチ78aを保護する枠部材78bとからなり、第1保持体91と第2保持体92との間に挟み込まれて保持されている。コイルバネ95は、圧縮された状態で、固定支持部94の底面と校正基準部材78の下面との間に挟み込まれて、校正基準部材78を上方向に付勢している。
円支柱103は、支持板101の上面側で、シャッター板97の円筒部97aに通されて、シャッター板97を円支柱103を中心にして回転自在に支持している。また、円支柱103は、支持板101の下面側で、レバー98の端部に形成された孔(図示せず)に通されて、レバー98を円支柱103を中心にして回転自在に支持している。
支持板101の下面には、ソレノイド99が固定されており、ソレノイド99のプランジャー99aがレバー98に係合し、レバー98が円筒回転部96の柱状体96hに係合している。
次に、校正ユニット77の詳細構造を説明する。まず、円筒回転部96、固定支持部94、及び保持部93(第1保持体91、第2保持体92)の形状を逐次説明する。
図8(a)〜(e)は、円筒回転部96を示す平面図、斜視図、側面図、側面図のA−Aに沿う断面図、及び底面図である。図8(a)〜(e)に示すように円筒回転部96は、円筒側壁96a、円筒側壁96aの上端に設けられた鍔96b、及び円板状の底板96cを有している。円筒側壁96aの内側上部には、一対の凸部96dが形成されており、各凸部96dが円筒側壁96aの直径中心を介して互い対向する位置に設けられている。各凸部96dの内側面は、外側に凹む湾曲面となっており、各凸部96dの湾曲面が仮想円Q6に重なる。
鍔96bには、上方向に突出する突起96eが形成されている。突起96eは、各凸部96dを結ぶ円筒側壁96aの内面に沿った円弧の概ね中央に位置する。また、底板96cには、図7(a)に示すように平面視すると、各凸部96dに重なるそれぞれの位置に成形孔96fが形成されている。更に、底板96cの中央には、円筒軸96gが形成され、底板96cの下面には、柱状体96hが突設されている。
図9(a)〜(f)は、固定支持部94を示す平面図、上方向から視て示す斜視図、(b)の矢印方向Bから見て示す側面図、(b)の矢印方向Cから見て示す側面図、底面図、及び下方向から視て示す斜視図である。図9(a)〜(f)に示すように固定支持部94は、円筒側壁94a及び円板状の底板94bを有している。円筒側壁94aには、一対のガイド溝94cが上下方向に形成されており、各ガイド溝94cが円筒側壁94aの直径中心を介して互い対向する位置に設けられている。また、円筒側壁94aには、一組のガイド溝94dとスリット94eが上下方向に形成されて、これらのガイド溝94dとスリット94eとの間に弾性柱94fが形成され、同様に他の一組のガイド溝94dとスリット94eが上下方向に形成されて、これらのガイド溝94dとスリット94eとの間に他の弾性柱94fが形成されている。各弾性柱94fは、円筒側壁94aの直径中心を介して互い対向する位置に設けられている。また、各弾性柱94fの上端には、外側に突出する爪94gが形成されている。
底板94bの中央には、半円孔94hが形成され、底板94bの下面には、半円孔94hと同芯状に環状凹所94iが形成されている。
図10(a)〜(f)は、第1保持体91を示す平面図、上方向から視て示す斜視図、(b)の矢印方向Bから見て示す側面図、(b)の矢印方向Cから見て示す側面図、底面図、及び下方向から視て示す斜視図である。図10(a)〜(f)に示すように第1保持体91は、円筒側壁91aを有している。円筒側壁91aの内径φ1は、固定支持部94の円筒側壁94aの外径φ4(図9(e)に示す)よりも僅かに大きくされており、円筒側壁91aの内側に固定支持部94を差し込むことが可能である。
円筒側壁91aの周面には、一対のL字形凹部91bが形成されており、各L字形凹部91bが円筒側壁91aの直径中心を介して互い対向する位置に設けられている。各L字形凹部91bの上側開口箇所の幅W1は、円筒回転部96の各凸部96dの幅W6(図8(a)に示す)よりも広くされており、円筒回転部96の各凸部96dを各L字形凹部91bに上下方向に通すことが可能である。また、各L字形凹部91bの内側には、切欠部91jが形成されている。
円筒側壁91aには、一対の上段面91c、一対の傾斜面91d、一対の中段面91e、及び一対のストッパー91fが形成されており、各上段面91c、各傾斜面91d、各中段面91e、及び各ストッパー91fが円筒側壁91aの直径中心を介してそれぞれ互い対向している。また、各ストッパー91fの内側には、一対のガイド凸部91gが上下方向に長く形成されている。各ガイド凸部91gの上端は、各上段面91c及び各ストッパー91fよりも上方に突出している。また、円筒側壁91aの内側であって各中段面91eの下側部位には、一対の係合凸部91hが形成されており、各係合凸部91hが円筒側壁91aの直径中心を介して互い対向している。
図11(a)〜(f)は、第2保持体92を示す平面図、上方向から視て示す斜視図、(b)の矢印方向Bから見て示す側面図、(b)の矢印方向Cから見て示す側面図、底面図、及び下方向から視て示す斜視図である。図11(a)〜(f)に示すように第2保持体92は、円筒側壁92a及び蓋体92bを有している。円筒側壁92aの内径φ21は、第1保持体91の円筒側壁91aの内径φ1と同一であって、円筒側壁92aの内側に固定支持部94を差し込むことが可能である。
円筒側壁92aには、一対の矩形切欠部92cが形成されており、各矩形切欠部92cが円筒側壁92aの直径中心を介して互いに対向する位置に設けられている。また、円筒側壁92aの外側には、一方の矩形切欠部92cから他方の矩形切欠部92cの近傍に及ぶガイド部92d、及び他方の矩形切欠部92cから一方の矩形切欠部92cの近傍に及ぶガイド部92dが形成されており、各ガイド部92dが円筒側壁92aの直径中心を介して互いに対向する位置に設けられている。各ガイド部92dの上側には、各上段ガイド面92e、各傾斜ガイド面92f、及び各下段ガイド面92gが形成され、また各ガイド部92dの下側には、各上段当接面92h、各傾斜当接面92i、及び各下段当接面92jが形成されている。更に、円筒側壁92aの外側下端であって各ガイド部92dの一端と各矩形切欠部92cとの間の部位には、それぞれのストッパー92kが形成されている。
円筒側壁92aの外径φ22は、円筒回転部96の各凸部96dの湾曲面の離間距離(図8(a)に示す仮想円Q6の内径に等しい)よりも僅かに小さくされており、円筒側壁92aを円筒回転部96の各凸部96dの間に配置することが可能である。また、各ガイド部92dの外側輪郭が仮想円Q2に重なるとすると、仮想円Q2の直径が円筒回転部96の円筒側壁96aの内径よりも僅かに小さくされており、各ガイド部92dを円筒側壁92aの内側に配置することが可能である。
円筒側壁92aの内側には、各係合凸部92mが上下方向に長く形成されており、各係合凸部92mが円筒側壁92aの直径中心を介して互いに対向する位置に設けられている。また、蓋体92bの中央には、円形開口部92nが形成されている。
次に、校正基準部材78、保持部93(第1保持体91、第2保持体92)、固定支持部94、コイルバネ95、及び円筒回転部96等の組み立て手順を説明する。
まず、図4乃至図7に示すように円筒回転部96の円筒軸96gの孔に支持板101に突設された半円支柱102を挿し通し、円筒回転部96の底板96cに突設された柱状体96hを支持板101の円弧状孔101aに差し入れて、円筒回転部96を支持板101上に載せる。そして、固定支持部94の半円孔94hに支持板101の半円支柱102を挿し通して、固定支持部94を半円支柱102に固定する。同時に、固定支持部94の底板94bの環状凹所94iに円筒回転部96の円筒軸96gを回転自在に差し入れて、固定支持部94の底板94bと支持板101との間に円筒回転部96の底板96cを挟み込んで支持する。
この状態では、固定支持部94が支持板101上で上下方向にも回転方向にも移動せず固定される。また、円筒回転部96の底板96cが固定支持部94の底板94bと支持板101との間に挟み込まれていることから、円筒回転部96の上下方向の移動が禁止される。更に、円筒回転部96の円筒軸96gが固定支持部94の底板94bの環状凹所94iに回転自在に差し入れられていることから、円筒回転部96が半円支柱102を中心にして回転自在に支持される。円筒回転部96の回転に伴い、円筒回転部96の柱状体96hが支持板101の円弧状孔101aの内側で回転移動する。
一方、図5及び図6に示すように校正基準部材78を第2保持体92の下側開口部から挿入し、校正基準部材78の枠部材78bの周縁に形成された各切欠部78cに第2保持体92の各係合凸部92mを挿し入れて、枠部材78bを第2保持体92の蓋体92bの下面に重ね合わせる。
そして、第2保持体92の各ストッパー92kを第1保持体91の各切欠部91jに挿入して、第2保持体92の各ガイド部92dの各上段当接面92h、各傾斜当接面92i、及び各下段当接面92jを第1保持体91の各上段面91c、各傾斜面91d、及び各中段面91eに重ね合わせつつ、第2保持体92の各ストッパー92kが第1保持体91の各切欠部91jの終端91iに当接しかつ第2保持体92の各ガイド部92dの端部が第1保持体91のストッパー91fに当接するまで第2保持体92を回転させる。これにより、第2保持体92の各ストッパー92kが第1保持体91の各切欠部91jに係合し、第1及び第2保持体91、92が互いに一体化して、保持部93が形成される。
この状態では、第1保持体91の各ガイド凸部91gの上端と第2保持体92の蓋体92bとの間に校正基準部材78の枠部材78bが挟み込まれて、校正基準部材78が保持される。また、校正基準部材78の枠部材78bの各切欠部78cと第2保持体92の内側の各係合凸部92mとが係合して、校正基準部材78の回転が禁止される。更に、第1保持体91の各係合凸部91hと第2保持体92の各係合凸部92mとが上下方向で直線状に並ぶ。また、第1保持体91の各切欠部91jの一端91kと第2保持体92の各矩形切欠部92cの一端92pとの間にそれぞれの空きスペースS(図13に示す)が形成される。更に、第1保持体91の各L字形凹部91bにおいては、保持部93の外周を上下方向に通るそれぞれの開きスペースが形成される。
引き続いて、シャッター板97が開かれた状態で、図12(a)〜(d)に示す手順に従って第1及び第2保持体91、92の内側に固定支持部94を差し込んで取付け、第1及び第2保持体91、92を円筒回転部96の内側にセットする。
まず、図12(a)に示すようにコイルバネ95を固定支持部94の底板94bに載せ、第1及び第2保持体91、92の内側にコイルバネ95を入れて、第1及び第2保持体91、92を下方に押し下げる。このとき、円筒回転部96の円筒側壁96a内側の各凸部96dを第1保持体91の各L字形凹部91bの空きスペースに通し、同時に図5及び図6に示すように第1保持体91の各ガイド凸部91gを固定支持部94の各ガイド溝94dに挿入しかつ第1保持体91の各係合凸部91h並びに第2保持体92の各係合凸部92mを固定支持部94の各ガイド溝94cに挿入して、第1及び第2保持体91、92の内側に固定支持部94を差し入れる。これに伴い、図12(b)に示すように校正基準部材78と固定支持部94の底板94bとの間にコイルバネ95が挟み込まれて圧縮される。また、固定支持部94の各弾性柱94fの爪94gが第1保持体91の円筒側壁91aの内壁に圧接して、各弾性柱94fが内側向きに弾性変形する。
そして、第1及び第2保持体91、92を更に下方に押し下げて行くと、固定支持部94の各弾性柱94fの爪94gがそれぞれのスペースS(図13に示す)まで移動し、各弾性柱94fの爪94gがそれぞれのスペースSで外側に突出して、各弾性柱94fが元の形状に復帰し、各弾性柱94fの爪94gが第1保持体91の各切欠部91jの下端91mに引っ掛かり、第1及び第2保持体91、92が固定支持部94に取付けられる。
図13は、校正基準部材78、第1及び第2保持体91、92、固定支持部94、及びコイルバネ95を組み立てた状態を示す斜視図である。図13に示すように第2保持体92の各上段当接面92h、各傾斜当接面92i、及び各下段当接面92jが第1保持体91の各上段面91c、各傾斜面91d、及び各中段面91eに重ね合わされ、第2保持体92の各ストッパー92kが第1保持体91の各切欠部91jに係合し、第1及び第2保持体91、92が互いに一体化して、保持部93が形成されている。また、固定支持部94の各弾性柱94fの爪94gがそれぞれのスペースSで外側に突出して、各弾性柱94fの爪94gが第1保持体91の各切欠部91jの下端91mに引っ掛かって、第1及び第2保持体91、92が固定支持部94に取付けられている。更に、校正基準部材78のグレーパッチ78aが第2保持体92の蓋体92bの円形開口部92nを通じて露呈している。
この状態では、固定支持部94の各弾性柱94fの爪94gが第1保持体91の各切欠部91jの下端91mに引っ掛かることから、第1及び第2保持体91、92が固定支持部94から外れることはない。また、コイルバネ95が圧縮され、コイルバネ95の付勢力により校正基準部材78が上方向に付勢されて、校正基準部材78の枠部材78bが第2保持体92の蓋体92bに当接し、校正基準部材78がガタツキ無く支持される。更に、第1保持体91の各ガイド凸部91gが固定支持部94の各ガイド溝94dに挿入されかつ第1保持体91の各係合凸部91h並びに第2保持体92の各係合凸部92mが固定支持部94の各ガイド溝94cに挿入されているので、第1及び第2保持体91、92が上下方向に移動可能にかつ回転を禁止された状態で支持される。
引き続き、そのような固定支持部94に対する第1及び第2保持体91、92の取付けに際しては、図12(b)に示すように第1保持体91の各ストッパー91fの上端が円筒回転部96の各凸部96dの下方まで移動されるので、図12(c)に示すように円筒回転部96の各凸部96dが各ストッパー91fの上端を越えて第2保持体92の各下段ガイド面92gの上方に移動するまで円筒回転部96を回転させる。そして、図12(d)に示すように第1及び第2保持体91、92を解放すると、コイルバネ95の付勢力により校正基準部材78と第1及び第2保持体91、92が上方向に移動されて、第2保持体92の各下段ガイド面92gが円筒回転部96の各凸部96dに当接する。これにより、第1及び第2保持体91、92が円筒回転部96の内側にセットされる。
このようにシャッター板97が開かれた状態で、コイルバネ95を固定支持部94の底板94bに載せ、第1及び第2保持体91、92を押し下げて、第1及び第2保持体91、92の内側に固定支持部94を差し込み、円筒回転部96を回転させてから、第1及び第2保持体91、92を解放すると、第1及び第2保持体91、92が円筒回転部96の内側にセットされる。
尚、図12(a)〜(d)に示す手順で第1及び第2保持体91、92を取付けると、図12(d)及び図4(b)に示すよう校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aに接近した読取り位置に位置決めされる。
また、固定支持部94の各弾性柱94fの爪94gを押して第1保持体91の各切欠部91jの下端91mから外し、図12(a)〜(d)とは逆の手順を行えば、第1及び第2保持体91、92を取外すことができる。更に、第1及び保持体91、92を互いに異なる回転方向に回転させて、第1及び保持体91、92を分解すれば、校正基準部材78を取外してクリーニングしたり交換したりすることが可能である。例えば、校正基準部材78と分光測色器72との組み合わせは変更することができないので、故障等により分光測色器72を交換するときには校正基準部材78も交換する必要がある。
次に、円筒回転部96、シャッター板97、レバー98、及びソレノイド99の係合状態と動作について説明する。
図14(a)は、円筒回転部96、シャッター板97、レバー98、及びソレノイド99を下方から視て模式的に示す図である。図14(a)に示すようにソレノイド99が支持板101(図7に示す)の下面に固定され、また支持板101の下面側でレバー98が円支柱103を中心にして回転自在に支持され、更に支持板101の上面側でシャッター板97の円筒部97aに円支柱103が通されて、シャッター板97が円支柱103を中心にして回転自在に支持され、更に支持板101の上面側で円筒回転部96が半円支柱102を中心にして回転自在に支持され、円筒回転部96の底板96cに突設された柱状体96hが支持板101の円弧状孔101a(図5に示す)を通じて下方に突出している。
また、支持板101の上面側でキックバネ104の両端がシャッター板97の円筒部97aと支持板101とに係合されて、キックバネ104によりシャッター板97が円支柱103を中心にして回転方向Dに付勢されている。更に、支持板101の下面側でキックバネ105の両端が円筒回転部96の柱状体96hと半円支柱102とに係合されて、キックバネ105により円筒回転部96が半円支柱102を中心にして回転方向Eに付勢されている。
また、ピン106がソレノイド99のプランジャー99aの先端部とレバー98の中央付近とを貫通して、プランジャー99aとレバー98とが係合している。
ここで、ソレノイド99が消勢されたときには、図14(a)に示すようにプランジャー99aが突出して、レバー98が円支柱103を中心にして時計回り方向に回転されて位置決めされる。このとき、キックバネ105の付勢力により円筒回転部96が回転方向Eに回転されて、円筒回転部96の柱状体96hがレバー98の先端98aに当接する位置P11まで回転移動する。これに伴い、円筒回転部96の鍔96bに突設された突起96eが位置P21まで回転移動され、キックバネ104の付勢力によりシャッター板97が回転方向Dに回転されて、シャッター板97の側端97bが突起96eに当接し、シャッター板97が閉じられる。
また、ソレノイド99が付勢されたときには、図14(b)に示すようにプランジャー99aが引き込まれる。このとき、レバー98が円支柱103を中心にして反時計周りに回転され、レバー98の先端98aにより円筒回転部96の柱状体96hが押されて、キックバネ105の付勢力に抗して円筒回転部96が回転方向Eとは逆方向に回転され、円筒回転部96の柱状体96hが位置P12まで回転移動する。これに伴い、円筒回転部96の鍔96bの突起96eが位置P22まで回転移動され、突起96eによりシャッター板97の側端97bが押されて、キックバネ104の付勢力に抗してシャッター板97が回転方向Dとは逆方向に回転されて、シャッター板97が開かれる。
次に、円筒回転部96と第1及び第2保持体91、92との係合状態及び動作について説明する。図15(a)〜(c)は、円筒回転部96と第1及び第2保持体91、92との係合状態及び動作を示す図である。
まず、ソレノイド99が消勢されて、図14(a)に示すようにプランジャー99aが突出すると、キックバネ105の付勢力により円筒回転部96が回転方向Eに回転されて、円筒回転部96の柱状体96hが位置P11まで回転移動し、円筒回転部96の鍔96bに突設された突起96eが位置P21まで移動する。これに伴い、図15(a)に示すように円筒回転部96内側の各凸部96dが位置P31まで回転移動する。また、第1及び第2保持体91、92が上下方向に移動可能にかつ回転を禁止された状態で支持されていることから、第1及び第2保持体91、92に対して円筒回転部96内側の各凸部96dが回転移動することになり、各凸部96dが第2保持体92の各上段ガイド面92e上へと移動し、第1及び第2保持体91、92がコイルバネ95の付勢力に抗して下方に移動される。これにより、校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aから離間した退避位置まで移動される。
従って、ソレノイド99が消勢されると、図14(a)に示すようにシャッター板97が閉じられ、図15(a)に示すように保持部93が下方に移動されて、校正基準部材78が退避位置に位置決めされる。すなわち、図4(a)に示すように校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aから離間した退避位置に位置決めされて、分光測色器72の検出面72aと保持部93並びに校正基準部材78との隙間が広く開き、シャッター板97がその隙間に挿入されて閉じられ、シャッター板97により分光測色器72の検出面72aの汚れが防止される。
また、ソレノイド99が付勢されて、図14(b)に示すようにプランジャー99aが引き込まれると、円筒回転部96がキックバネ105の付勢力に抗して回転方向Eとは逆方向に回転されて、円筒回転部96の柱状体96hが位置P11から位置P12へと回転移動し、円筒回転部96の鍔96bに突設された突起96eが位置P21から位置P22へと回転移動する。これに伴い、図15(b)、(c)に示すように円筒回転部96内側の各凸部96dが位置P31から位置P32へと回転移動する。
図15(b)に示すように円筒回転部96内側の各凸部96dが位置P31からP32へと回転移動する途中では、各凸部96dが第2保持体92の各傾斜ガイド面92fに摺接して移動する。このため、コイルバネ95により上方に付勢されている第1及び第2保持体91、92が上方向に徐々に移動されて行く。そして、図15(c)に示すように円筒回転部96内側の各凸部96dが第1保持体91のストッパー91fに当接する位置P32まで回転移動すると、各凸部96dが第2保持体92の各下段ガイド面92gまで移動し、第1及び第2保持体91、92が更に上方に移動されて、校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aに接近した読取り位置まで移動される。
従って、ソレノイド99が付勢されると、図14(b)に示すようにシャッター板97が開かれ、図15(c)に示すように保持部93が上方に移動されて、校正基準部材78が読取り位置に位置決めされる。すなわち、図4(b)に示すようにシャッター板97が分光測色器72の検出面72aと保持部93並びに校正基準部材78との間から出されて開かれたときには、保持部93が上方に移動して、校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aに接近した読取り位置に位置決めされ、分光測色器72による校正基準部材78の読取り精度が高くなる。
更に、ソレノイド99が再び消勢されると、図14(a)に示すようにシャッター板97が閉じられ、キックバネ105の付勢力により円筒回転部96が回転方向Eに回転されて、図15(a)〜図15(c)とは逆の順序で保持部93が下方に移動され、校正基準部材78が退避位置に位置決めされる。
このように本実施形態では、シャッター板97の開閉動作と保持部93並びに校正基準部材78の上下方向の移動とを連動させており、シャッター板97が閉じられたときには、保持部93が下方に移動されて、校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aから離間した退避位置に位置決めされ、その検出面72aと保持部93並びに校正基準部材78との隙間が広く開けられて、シャッター板97がその隙間に挿入される。また、シャッター板97が開かれたときには、保持部93が上方に移動されて、校正基準部材78が分光測色器72の検出面72aに接近した読取り位置に位置決めされ、分光測色器72による校正基準部材78の読取り精度が高くなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
1 画像形成ユニット(画像形成部)
2 中継ユニット
3 コーティングユニット
4 後処理ユニット
5 読取りユニット
11 光走査装置
12 現像装置
13 感光体ドラム
14 ドラムクリーニング装置
15 帯電器
17 定着装置
18 給紙カセット
21 中間転写ベルト
25 ベルトクリーニング装置
26 転写装置
33 ピックアップローラ
34 レジストローラ
35 搬送ローラ
36 排紙ローラ
61 読取り装置
71 ガイドプレート
72 分光測色器(読取り部)
73 ガイドシャフト
74a、74b プーリ
75 駆動モータ
76 無端状ベルト
77 校正ユニット
78 校正基準部材
91 第1保持体
92 第2保持体
92f 傾斜ガイド面(傾斜ガイド部)
93 保持部
94 固定支持部
95 コイルバネ(保持付勢部材)
96 円筒回転部(回転部)
96d 凸部
96e 突起(突起部)
97 シャッター板(シャッター部)
98 レバー
99 ソレノイド
104 キックバネ(シャッター付勢部材)
Ps 画像形成装置

Claims (5)

  1. 校正基準部材と、用紙上に形成されたテストチャート及び前記校正基準部材を読取る読取り部とを備えた画像読取り装置であって、
    回転される回転部と、
    前記校正基準部材を保持し、前記回転部との係合により該回転部の回転に連動して、前記校正基準部材を前記読取り部に接近した読取り位置と前記読取り部から離間した退避位置とに切替え移動させる保持部と、
    前記回転部との係合により該回転部の回転に連動して、前記読取り部と前記校正基準部材との間に出し入れされるシャッター部とを備えたことを特徴とする画像読取り装置。
  2. 請求項1に記載の画像読取り装置であって、
    前記回転部は、該回転部と共に回転する突起部を有し、
    前記シャッター部は、前記突起部との係合により該回転部の回転に連動して、前記読取り部と前記校正基準部材との間に出し入れされることを特徴とする画像読取り装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像読取り装置であって、
    前記保持部を付勢する保持付勢部材と、
    前記保持部の回転を禁止し、前記保持部を前記切替え移動の方向にガイドする固定支持部とを備え、
    前記回転部は、該回転部と共に回転する凸部を有し、
    前記保持部は、前記読取り位置と前記退避位置との間で切替え移動される前記校正基準部材の切替え移動の方向に対して傾斜した傾斜ガイド部を有し、
    前記保持付勢部材の付勢力により前記傾斜ガイド部が前記凸部に当接し、前記凸部の回転に伴い、前記傾斜ガイド部に対する前記凸部の当接位置が変位して、前記校正基準部材が前記読取り位置又は前記読取り部から離間した退避位置に切替え移動されることを特徴とする画像読取り装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の画像読取り装置と、用紙上にテストチャートを形成する画像形成部とを備え、
    前記読取り部は、前記画像形成部よりも前記用紙の搬送方向下流側に設けられたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 回転される回転部と、
    校正基準部材を保持し、前記回転部との係合により該回転部の回転に連動して、前記校正基準部材を前記読取り部に接近した読取り位置と前記読取り部から離間した退避位置とに切替え移動させる保持部と、
    前記回転部との係合により該回転部の回転に連動して、前記読取り部と前記校正基準部材との間に出し入れされるシャッター部とを備えたことを特徴とする校正ユニット。
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