JP2014080374A - イオントフォレーシス用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規イオントフォレーシス用組成物の提供。
【解決手段】本発明は、二糖単位−D−グルクロン酸−β−1,3−D−N−アセチルグルコサミン−β−1,4−が2つ結合したヒアルロン酸又はその塩を有効成分として含むイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物であって、当該組成物中でマイナスに荷電した当該ヒアルロン酸が、皮膚に流される電流との反発により経皮送達される、組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規イオントフォレーシス用組成物、当該組成物を備えたキット及び当該組成物を用いた美容方法、を提供する。
近年、医薬品や化粧料等に含まれる有効成分の経皮または粘膜吸収を促進させるために、イオントフォレーシス(イオン導入)の技術が利用されている。イオントフォレーシスとは、皮膚等に電極を当てて微弱な電流を流すことにより、本来皮膚に浸透しにくい成分の経皮送達を促進させる手法であり、電流によって形成される電場での同種電荷の電気反発(electro-repulsion)による力と、負に帯電している角層に吸着している陽イオンがマイナス極に引かれる際に生じるプラス極からマイナス極側への水の流れによる電気浸透流(electro-osmosis)による力によって、成分の経皮送達がもたらされると考えられている。
例えば、美容業界では、美白や肌質改善のために、ヒトの胎盤の抽出成分であるプラセンタや、ビタミンCについてイオントフォレーシスが行われている。さらに、イオントフォレーシスによりトラネキサム酸の経皮送達を高めて美白および肌荒れ改善効果を高めることも報告されている(特許文献1及び2)。その他、グリシルグリシンを用いたイオントフォレーシスによる毛穴ケアの効果も知られている(特許文献3)。
皮膚のたるみ・しわ、ハリ・弾力の低下などの皮膚老化の原因の一つとして、紫外線曝露よる影響が挙げられる。紫外線のうち、波長の長いA波(UVA)は肌の奥深く真皮まで届き、真皮の膠原線維、弾性繊維、細胞間基質等を減少・変性させる。このような真皮のダメージは大きな深いしわの原因となる。イオントフォレーシスに一般的に使用されているビタミンC等の有効成分も紫外線照射により傷ついた皮膚を回復させ得るが、皮膚老化を処置するためのより効果的な施術についての需要が存在している。
特開2006−298850号公報 特開2007−131547号公報 特開2010−260790号公報
本発明は、新規なイオントフォレーシス用組成物、当該組成物を備えたキット及び当該組成物を用いた美容方法を提供することを課題とする。
皮膚組織にはヒアルロン酸が多く含まれており、その高い保水性により、皮膚の乾燥を防ぐ働きをしている。このため、ヒアルロン酸は保湿剤として化粧品等のスキンケア商品に配合されている。UVAが真皮に到達すると、真皮内に存在するヒアルロン酸等の細胞外マトリックス成分が減少するとともに、これらを産生する線維芽細胞も損傷を受ける。ヒアルロン酸は真皮においてクッション機能を果たしているが、その機能が害された場合、回復するためには大量のヒアルロン酸が必要になる。
しかしながら、ヒアルロン酸を単に皮膚に適用しても、角層がその透過を妨げるため真皮には到達しない。また、注射による注入も考えられるが、自宅での施術には適していない。本発明者は、低分子ヒアルロン酸とイオントフォレーシスとの組み合わせが大量のヒアルロン酸の皮膚透過を実現することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本願は下記の発明を包含する:
[1]二糖単位−D−グルクロン酸−β−1,3−D−N−アセチルグルコサミン−β−1,4−が2つ結合したヒアルロン酸又はその塩を有効成分として含むイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物であって、当該組成物中でマイナスに荷電した当該ヒアルロン酸が、皮膚に流される電流との反発により経皮送達される、組成物。
[2]前記ヒアルロン酸の平均分子量が800以下である、[1]に記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物。
[3]pHが3以上である、[1]又は[2]に記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物。
[4]紫外線曝露された皮膚を処置するための、[1]〜[3]のいずれかに記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物と、プラス極及びマイナス極の電極を備えたイオントフォレーシス用装置とを備えるイオントフォレーシス用キット。
[6][1]〜[4]のいずれかに記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物を塗布した皮膚に、[4]に記載のイオントフォレーシス用装置のマイナス極を接触させ、当該マイナス極から電流を流す工程を含んで成る美容方法。
[7]紫外線曝露された皮膚を処置するための、[6]に記載の美容方法。
ヒアルロン酸を構成するグルクロン酸はカルボキシル基を有しているため、ヒアルロン酸は中性pH付近においてマイナスに荷電している。そのため、マイナスに荷電したヒアルロン酸は、イオン導入器のマイナス極側から発生する電流との反発力により皮膚内部に浸透する。本発明で使用する低分子ヒアルロン酸は、通常のヒアルロン酸と比較してイオントフォレーシスによる角層透過効果が顕著である。
イオントフォレーシスによる低分子ヒアルロン酸の角層透過量は、イオントフォレーシス用の薬剤として従来より使用されているビタミンCやトラネキサム酸と比較して極めて多く、驚くべきことに、ヒアルロン酸注射により達成される注入量にも匹敵する。よって、本発明によれば、UVAによって真皮から失われたヒアルロン酸を簡便に且つ非侵襲的に補うことが可能になる。
図1は、異なる濃度のHA4組成物を使用した場合のHA4の累積透過量を示す。 図2は、プラス極側又はマイナス極側から電流を流して表皮を透過したHA4の累積透過量を示す。 図3は、異なる電流密度で電流を流して表皮を透過したHA4の累積透過量を示す。
本発明は、二糖単位−D−グルクロン酸−β−1,3−D−N−アセチルグルコサミン−β−1,4−が2つ結合したヒアルロン酸又はその塩を有効成分として含むイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物であって、当該組成物中でマイナスに荷電した当該ヒアルロン酸が、皮膚に流される電流との反発により経皮送達される、組成物、を提供する。
ムコ多糖の一種であるヒアルロン酸(ヒアルロナン)は、N−アセチルグルコサミンとD−グルクロン酸とが結合した二糖単位の繰り返しによって構成される直鎖状の構造を有している。ヒアルロン酸はあらゆる脊椎動物中に存在しており、ヒトでは皮膚、靭帯、大動脈、腱等の臓器や結合組織に存在している。ヒアルロン酸のpKaは2.9であり、生体内ではマイナスにチャージしている。
本発明のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物において有効成分として含まれるヒアルロン酸は、二糖単位−D−グルクロン酸−β−1,3−D−N−アセチルグルコサミン−β−1,4−が2つ結合した四糖のものであり(HA4)、その分子量は約800である。本発明の組成物は、より低分子量のヒアルロン酸、例えば分子量が約400の、二糖から成るヒアルロン酸を含んでもよい。本明細書で使用する場合、「低分子ヒアルロン酸」とは4糖以下のヒアルロン酸を意味する。イオントフォレーシスによる経皮送達が達成される限り、低分子ヒアルロン酸のみならず、より高分子量のヒアルロン酸が組成物中に含まれていてもよい。しかしながら、本発明の組成物に含まれるヒアルロン酸は平均分子量が800以下であることが好ましい。
本発明の組成物は、有効成分として低分子ヒアルロン酸の塩を含んでもよい。当該塩は特に限定されないが、医薬として又は化粧品として許容される塩であればよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
低分子ヒアルロン酸の原料は任意であり、動物等の組織、例えば鶏冠、眼球、皮膚、軟骨等のヒアルロン酸が豊富な組織が使用されてもよい。また、ヒアルロン酸生産微生物(例えば、ストレプトコッカス属の微生物)を培養して得られる培養液等を出発材料としてもよい。これらの原材料から得られた高分子ヒアルロン酸は、公知の低分子化手段、例えば酸、アルカリ、又はヒアルロニダーゼ等の酵素による処理にかけられる。当該処理の後、得られたヒアルロン酸をゲル濾過カラム等により精製することで所望の分子量分布を有する低分子ヒアルロン酸が得られる。あるいは、低分子ヒアルロン酸を化学的に合成してもよい。
低分子ヒアルロン酸は濃度依存的に皮膚に浸透するため(結果は示さず)、本発明のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物における低分子ヒアルロン酸の配合量は、所望とされる効果に応じて適宜調節できる。限定することを意図するものではないが、組成物全量に対して、0.01質量%以上、例えば0.02質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上低分子ヒアルロン酸を配合してもよい。また、経皮送達され得る低分子ヒアルロン酸量は、イオントフォレーシスの条件、例えば電流、負荷時間によっても変化するが、配合量が0.01〜0.02質量%の場合に皮膚1cm2当たり50〜100μg、配合量が0.05〜0.2質量%の場合に皮膚1cm2当たり250〜1000μg、配合量0.3〜0.5質量%の場合に1500〜2500μgである。例えば、0.5質量%の低分子ヒアルロン酸をイオントフォレーシスにかけることで、6時間後の累積透過量は皮膚1cm2当たり2000gを超える。これはヒアルロン酸注射した場合の注入量に匹敵する。
ヒアルロン酸のpKaは3付近であるため、ヒアルロン酸が組成物中でマイナスに荷電するように、組成物のpHは3以上、好ましくは3〜7、例えば6.5、より好ましくは3〜5、例えば4に調節される。pHの調節は、例えばKOH、トリエタノールアミン、2-アミノ-2- メチル−1,3 プロパンジオール、2-アミノ-2- メチル-1- プロパノール等の有機アミン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸等、任意の塩基性物質を単独でまたは2種以上を組み合わせて配合することにより行われる。それら塩基性物質の配合量は所望のpHを達成できる量であり、用いる塩基性物質の種類や低分子ヒアルロン酸の配合量等によって異なり限定はされない。
本発明の組成物は、限定することを意図するものではないが、例えば、水溶液、ゲル状水溶液、水含有成型ゲル剤、ゲル状軟膏、水含有成型ゲルを担持したシート状製剤、あるいはスクワランやエステル油などの油分を含むO/Wエマルションなどの形態で提供される。
さらに、本発明における組成物は、上記した構成成分の他に、水溶液、ゲル剤やエマルション等の目的とする剤形において通常用いられている他の任意の成分を必要に応じて適宜配合することができる。そのような成分として、特に限定はされないが、例えば、保湿剤、増粘剤、アルコールなどの有機溶媒等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、フルクトース、マンノース、エリスリトール、トレハロース、キシリトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸等が挙げられる。
また増粘剤としては、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、寒天、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト等が挙げられる。
有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類が挙げられる。
更に、例えばフェノキシエタノール、パラベン等の防腐剤や、例えばブチルヒドロキシトルエン,トコフェロール,フィチン等の酸化防止剤、さらには、必要に応じて、上述した酸または塩基性物質以外の緩衝剤またはpH調整剤等を配合してもよいが、安全性の観点から防腐剤や酸化防止剤等を含有しないことが好ましい。
本発明の低分子ヒアルロン酸は、イオントフォレーシスの際に皮膚に流される電流との反発により経皮送達される。本発明の組成物を皮膚に接触させる方法は、低分子ヒアルロン酸を経皮送達できるものであればいかなる方法を採用してもよい。例えば水溶液またはゲル状製剤またはO/Wエマルションを直接皮膚に塗布したり、あるいは例えばガーゼ等に組成物を含浸させて皮膚に適用してもよい。また、シート状の組成物を皮膚に直接貼り付けてもよい。あるいはイオントフォレーシス装置の電極構造体に一体化した薬剤貯蔵部に組成物を含ませてパッドやイオン交換膜等を介して皮膚に接触させてもよい。その適用部位も特に限定されず、顔、腕、背部、足、胸部等、体のいかなる皮膚であってもよいが、本発明の組成物を用いたイオントフォレーシスは、紫外線照射、特にUVA照射によりダメージを受けた皮膚を回復するのに好適に使用することができる。例えば、皮膚のたるみ・しわ、ハリ・弾力の低下などの皮膚老化を処置することが意図される。本発明の組成物は、その他、アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、乾癬等に罹患した皮膚の処置にも好適に使用することができる。
別の態様において、本発明は上記組成物と、プラス極及びマイナス極の電極を備えたイオントフォレーシス用装置とを備えるイオントフォレーシス用キットを提供する。本発明の組成物と当該装置とをセットにすることによって、施術がより簡便になり、例えば自宅での施術も可能となる。
本発明のキットにおいて使用するイオントフォレーシス用装置は、プラス極とマイナス極の電極を介して皮膚に0.001〜0.5mA/cm2程度の微弱電流を流し得るものであればどのようなものでもよい。電極としては、白金、カーボン、銀、塩化銀電極などが使用される。イオントフォレーシス用装置はイオントフォレーシス導入器等の名前で市販されているものなど、任意のものを使用することができる。当該装置の通電は直接型、パルス型、パルス脱分極型など任意の方法で行われる。
更に別の態様において、本発明は、イオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物を塗布した皮膚に、イオントフォレーシス用装置のマイナス極を接触させ、当該マイナス極から電流を流す工程を含んで成る美容方法、を提供する。
当該美容方法においては、上記組成物を接触させた皮膚にマイナス電極を当てた後、当該皮膚にイオントフォレーシスが施されるが、イオントフォレーシスの手法、装置、電圧の印加条件等は、通常用いられている任意のものを用いることができる。
イオントフォレーシスを行う際の電流密度は所望とする効果に応じて当業者が適宜決定することができ、例えば0.001〜1.0mA/cm2が考えられる。電流密度の増大に伴い低分子ヒアルロン酸の経皮送達量も増大するが、電流が皮膚に及ぼす刺激性を考慮すると、好ましくは0.01〜0.4mA/cm2、さらに好ましくは0.05〜0.3mA/cm2の電流密度が使用され得る。
イオントフォレーシスの施術時間も特に限定されないが、通常0.5〜30分であり、より好ましくは1〜20分である。また、施術回数や間隔も任意であってよい。
本発明の美容方法は、イオントフォレーシスを用いた低分子ヒアルロン酸の経皮送達によって皮膚の諸症状、特にUVA照射に起因する皮膚のたるみ・しわ、ハリ・弾力の低下などの皮膚老化を防止または改善し得るものであり、単独で行なっても他の任意の美容方法、例えばケミカルピーリングと組み合わせてもよい。
次に、本願発明を以下の実施例により更に具体的に説明する。
1.方法
1-1.材料
HA4 (分子量 776.3 Da) は糖質科学研究所 (東京、日本) より供与された。その他の試薬は、市販の特級もしくはHPLC用のものを、和光純薬工業 (大阪、日本) より購入した。
1-2.使用動物
雄性ヘアレスマウス (HR-1、7週令、体重:23-30 g) は、株式会社星野試験動物飼育所 (茨城、日本) より購入した。12時間ごとに明暗サイクル (on-off時間:7:00-19:00) を設定した部屋で飼育し、水と餌は自由に飽食可能とした。なお、動物実験は城西大学動物実験管理委員会の承諾を得て、「城西大学動物実験規定」に従い行った。
1-3.サンプルの調製
HA4水溶液は、精製水で0.50%の濃度に調製した。調製後の溶液のpHは約4であった。
1-4.皮膚透過膜の準備
ヘアレスマウス (8-10週令) を頸椎脱臼し、腹部の正中線を避けるように皮膚を摘出して、真皮側の脂肪を丁寧に取り除いた。In vitro皮膚透過試験には、全層皮膚を用いた。
1-5.In vitro皮膚透過試験
摘出した皮膚は、有効透過面積1.77 cm2 (直径:1.5 cm) のFranz型拡散セルに、表皮をドナー側、真皮をレシーバー側にして装着した。電極にはAg/AgClを用い、プラス極からのIP (anodal IP) を負荷する際はドナー側にAg、レシーバー側にAgClを装置し、マイナス極からのIP (cathodal IP) を負荷する際はドナー側にAgCl、レシーバー側にAgを装置した。電極は特別仕様イオン導入器JN-78に接続し、電流は0.05、0.1 mA/cm2、デューティー比は90%に設定し、試験期間(6時間又は8時間)中連続的に負荷した。ドナー側に0.5% HA4水溶液1mLを、レシーバー側に生理食塩液5 mLを適用した。拡散セル内は32℃に保ち、スターラーで攪拌した。経時的にレシーバー液300μLをサンプリングし、その都度、同量の精製水を補充した。レシーバー液中のHA4を定量し、希釈分を補正して皮膚透過量を算出した。
1-6.HA4の分析
各サンプルをメタノールと1:1で混合し、15,000×g、4℃、10分の条件で遠心分離して上清を回収した。上清は、LC/MS/MSで測定した。LC/MSシステムは、イオントラップ型タンデム質量分析装置 (LCQ DECA XP plus) (Thermo Fisher Scientific Inc.、MA、USA)およびポンプ (Paradigm MS4) (Microm Bioresources Inc.、CA、USA)、オートインジェクター (CTC HTS-PAL) (Microm Bioresources Inc.)、カラム (TSK-gel ODS-80Ts、2.0×150 mm) (TOSOH、東京、日本) から成り、移動相は10 mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール (8:2)、流速を100μL/minとし、ネガティブイオン化モードで検出した。
2. 結果
2-1. IPを用いたHA4の皮膚透過促進
上記試験方法に従い、HA4のCathodal IP負荷によるHA4の皮膚透過促進を、全層皮膚を用いて評価した。電流は0.1 mA/cm2に設定し、その他の条件については上述のとおりIP負荷を行なった。コントロールとして同一の組成物を当該皮膚に適用した(以降、受動拡散)。その結果、6時間後のHA4累積透過量は、受動拡散で0.3±0.1μg/cm2、0.1 mA/cm2 IP負荷で2310.7±703.1 μg/cm2となった。すなわち、IP負荷は、受動拡散と比較して約2700倍HA4皮膚透過量を増加させた。更に、透過係数は受動拡散で0.01 × 10-6cm/sであったのに対し、IP負荷ではその約3650倍の36.5 × 10-6cm/sであった。
HA4の濃度と累積透過量との関係を評価するために、上記0.50%の濃度の組成物に加え、0.10%及び0.02%の濃度のHA4組成物を準備した。これらの組成物を用いて上述のようにCathodal IPを行なった結果、図1に示すとおり、組成物中のHA4濃度の増大に伴い累積透過量が増加することが明らかとなった。
2-2. HA4皮膚透過促進効果についてのCathodal IPとAnodal IPの比較
Cathodal IPがHA4水溶液の皮膚透過促進効果に及ぼす影響について、Anodal IPと比較検討した。電流は0.1 mA/cm2に設定し、その他の条件については上述のとおりIP負荷を行なった。その結果、Anodal IP負荷から6時間後のHA4累積透過量は2.0±703.1 μg/cm2であり、これは同様の条件で2310.7±703.1 μg/cm2となったCathodal IP負荷(上記2-1.を参照のこと)の1/1155であった(図2)。また、Anodal IP負荷の透過係数は0.01 × 10-6cm/sであり、これは同様の条件で36.5 × 10-6cm/sであったCathodal IP負荷(上記2-1.を参照のこと)の約1/3650であった。
2-3.Cathodal IPの電流変化とHA4皮膚透過促進効果との関係
電流の変化がHA4水溶液の皮膚透過促進に及ぼす影響について検討した。検討する電流は上記試験の0.1 mA/cm2に加え、0.05 mA/cm2を採用した。その他の条件は上述のものを使用した。各電流を用いてCathodal IPを行なった結果、6時間後のHA4累積透過量は0.05 mA/cm2の場合に797.9 ±0.1μg/cm2、そして0.1 mA/cm2の場合に2310.7±703.1 μg/cm2となった(図3)。また、透過係数は0.05 mA/cm2の場合に13.2 × 10-6cm/s、そして、0.1 mA/cm2の場合に36.5 × 10-6cm/sであった。すなわち、累積透過量及び透過係数は0.05 mA/cm2の場合と比較して0.1 mA/cm2の方が約3倍高い値を示した。

Claims (7)

  1. 二糖単位−D−グルクロン酸−β−1,3−D−N−アセチルグルコサミン−β−1,4−が2つ結合したヒアルロン酸又はその塩を有効成分として含むイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物であって、当該組成物中でマイナスに荷電した当該ヒアルロン酸が、皮膚に流される電流との反発により経皮送達される、組成物。
  2. 前記ヒアルロン酸の平均分子量が800以下である、請求項1に記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物。
  3. pHが3以上である、請求項1又は2に記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物。
  4. 紫外線曝露された皮膚を処置するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物と、プラス極及びマイナス極の電極を備えたイオントフォレーシス用装置とを備えるイオントフォレーシス用キット。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオントフォレーシス用皮膚外用剤組成物を塗布した皮膚に、請求項4に記載のイオントフォレーシス用装置のマイナス極を接触させ、当該マイナス極から電流を流す工程を含んで成る美容方法。
  7. 紫外線曝露された皮膚を処置するための、請求項6に記載の美容方法。
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