JP2014079567A - 使い捨て着用物品 - Google Patents

Abstract

【課題】弾性部材が切断され収縮しても外観が損なわれず、又非伸縮部のシートが意図しない挙動を示すことのない非伸縮部および伸縮部を有するシートを有する使い捨て着用物品の提供。
【解決手段】前後ウエストパネル２０，３０と、クロッチパネル４０とを含む使い捨て着用物品１において、弾性体４６を基材シートの間に伸長下で接合して成る一対のレッグ弾性化シート４２がクロッチパネルの両側縁部に沿って延び、レッグ弾性化シートの縦方向両末端部４２Ｄ，４２Ｅが、前後ウエストパネルの肌対向面に第１・第２接合領域２７，３７を介して接合され、第１・第２接合領域の間で弾性体の伸長が維持される伸縮部分４２Ａと、第１または第２接合領域を挟んで伸縮部分の反対側に位置し、弾性体の伸長が解放されることによりレッグ弾性化シートの表面にギャザーが形成される非伸縮部分４２Ｂとを有する。
【選択図】図６

Description

本発明は、使い捨て着用物品に関し、より詳しくは、クロッチパネルを前・後ウエストパネルの内側に接合したパンツ型の使い捨ておむつ、使い捨てのトイレット・トレーニングパンツ、使い捨て失禁パンツ等の使い捨て着用物品に関する。

従来、使い捨て着用物品に用いられる伸縮性シートの製造方法として、さまざまな方法が知られている。例えば、特許文献１には、不織布やプラスチックフィルム等のシートに取り付けた糸ゴム等の弾性部材を切断することにより、伸縮性の部分および非伸縮性の部分を有する伸縮性シートを製造する方法と、この伸縮性シートを用いた紙おむつが開示されている。

特開２００２−２７３８０８号公報

特許文献１に開示された伸縮性シートでは、シート走行方向に沿ってシート上に接着剤塗布部と非塗布部とを交互に設け、接着剤非塗布部において弾性部材を切断する、いわゆるスナップバック方式により非伸縮部を形成しているので、切断された弾性部材が収縮したとき不規則に湾曲を繰り返す形状になる。このため、シートを通して弾性部材が透けて見えるときは見栄えが悪くなる。また、非伸縮部には接着剤が塗布されていないため、非伸縮部のシートが自由に動き回って意図しない挙動を示すことがある。このため、例えば着用物品の着脱時に非伸縮部のシートに不要な皺が寄り、そこに身体の一部が引っかかってしまうことがある。

本発明は、切断された弾性部材が収縮したときでも見栄えが損なわれず、また非伸縮部のシートが意図しない挙動を示すことのない非伸縮部および伸縮部を有するシート（以下、レッグ弾性化シートという）を含んで構成される使い捨て着用物品を提供することを目的とする。

本発明は、縦方向およびそれに直交する横方向を有し、肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面と、前・後ウエスト域を画定する前・後ウエストパネルと、前・後ウエスト域の間に位置するクロッチ域を画定するクロッチパネルと、少なくともクロッチパネルの肌対向面に配置され縦方向へ延びる吸収体とを含む使い捨て着用物品に関する。

本発明の使い捨て着用物品は、クロッチパネルが、横方向へ延びる前・後端縁部および縦方向へ延びる両側縁部を有し、クロッチパネルの両側縁部に沿って一対のレッグ弾性化シートが延び、前記レッグ弾性化シートは縦方向に延びる弾性体を基材シートの間に伸長下で接合して構成され、一対のレッグ弾性化シートの縦方向両末端部が、前・後ウエストパネルの肌対向面にそれぞれ第１および第２接合領域を介して接合され、レッグ弾性化シートが、第１および第２接合領域の間に位置して弾性体の伸長が維持される伸縮部分と、縦方向両末端部のそれぞれにおいて第１接合領域または第２接合領域を挟んで伸縮部分の反対側に位置し、弾性体の伸長が解放されることによりレッグ弾性化シートの表面にギャザーが形成される非伸縮部分とを有することを特徴とする。

本発明に係る使い捨て着用物品の非伸縮部分では、レッグ弾性化シートに伸長下で接合された弾性体の伸長が解放されている。このとき、弾性体は、レッグ弾性化シートに伸長下で接合されていたため直線的に収縮し、不規則に湾曲を繰り返す形状に収縮することはない。従って、見栄えが悪くならないばかりでなく、弾性体の収縮によりレッグ弾性化シートの非伸縮部分の表面にギャザーが形成され、クッションのような作用を示す一方、ゴムの収縮により着用者の肌を圧迫することはないため、肌にやさしく接触する。また、非伸縮部分では弾性体が直線的に延在するので、非伸縮部分の形状が維持されやすく、意図しない挙動を示すことがない。

図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的および好ましい実施の形態を含む。
本発明に係る使い捨て着用物品の一例として示す使い捨ておむつの斜視図。 各弾性体の最大伸長時まで縦方向および横方向に伸展したおむつの一部破断展開平面図。 おむつの分解斜視図。 図２のＩＶ−ＩＶ線断面図。 図２のＶ−Ｖ線断面図。 第１接合領域を説明するための模式図。 図２のＶＩＩ−ＶＩＩ線断面に相当し、非伸縮部分の断面を表す模式図。 第２の実施形態に係るおむつの分解斜視図。 図７と同様にして第２の実施形態の非伸縮部分の断面を表す模式図。 図７と同様にして第３の実施形態の非伸縮部分の断面を表す模式図。

図１，２を参照すると、本発明に係る使い捨て着用物品の一例である使い捨ておむつ１は、縦方向Ｙおよび横方向Ｘとを有し、肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面と、前ウエスト域１２および後ウエスト域１３と、前・後ウエスト域１２，１３間に位置するクロッチ域１４と、前・後ウエスト域１２，１３を画定する弾性の前・後ウエストパネル２０，３０と、クロッチ域１４を画定し前・後ウエストパネル２０，３０の肌対向面側に取り付けられたクロッチパネル４０と、クロッチパネル４０の内側に配置され縦方向Ｙへ延びる吸収体５０とを含む。

前・後ウエストパネル２０，３０は、それぞれ内端縁２０Ａ，３０Ａと、外端縁２０Ｂ，３０Ｂと、両側縁２０Ｃ，３０Ｃとによって画定される。両側縁２０Ｃおよび３０Ｃが、互いに重ね合わされて、縦方向Ｙへ断続的に並ぶシーム部１５において公知の手段、例えば、熱エンボス／デボス加工、ソニック加工などによる熱溶着手段によって連結され、環状の弾性ウエストパネルを形成するとともに、ウエスト開口１６と一対のレッグ開口１７とが画定される。

図２〜４を参照すると、おむつ１は、横方向Ｘの寸法を二等分する仮想縦中心線２−２と、縦方向Ｙの寸法を二等分する仮想横中心線３−３とを有し、仮想縦中心線２−２にほぼ対称である。前・後ウエストパネル２０，３０は、それぞれ、肌対向面側に位置する内層シート２１，３１と、非肌対向面側に位置する外層シート２２，３２とを有する。外層シート２２，３２は内層シート２１，３１よりも縦方向Ｙの幅寸法が大きく、内層シート２１，３１の内外端縁部からさらに縦方向Ｙの外側にそれぞれ延出する。内層シート２１，３１と外層シート２２，３２とは、少なくとも一方の内面に塗布されたホットメルト接着剤または公知の熱溶着手段によって接着される。

外層シート２２，３２には、質量約１０〜３０ｇ／ｍ^２のＳＭＳ（スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド）繊維不織布、スパンボンド繊維不織布、エアスルー繊維不織布、プラスチックシート、または、前記いずれかの繊維不織布とプラスチックシートとのラミネートシートなどを用いることができる。

内層シート２１，３１には、弾性繊維不織布を用いることができ、例えば、スパンボンド繊維不織布、メルトブローン繊維不織布、ヒートロール繊維不織布、ＳＭＳ繊維不織布、エアレイド繊維不織布およびエアスルー繊維不織布など公知の弾性を有する繊維不織布を単独またはそれらを組み合わせたものから形成することができる。弾性不織布は、例えば、ポリエチレン系、ポリウレタン系等からなるエラストマー樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル等からなる熱可塑性樹脂などから形成することができる。内層シート２１，３１としては、非弾性繊維不織布を用いることもできる。

外層シート２２，３２は、内層シート２１，３１の外端縁部からさらに縦方向Ｙの外側へ延出し、縦方向Ｙ内側へ向かって折り返される折曲部位２２Ａ，３２Ａと、内層シート２１，３１の内端縁部から仮想横中心線３−３へ向かって延出する延出部位２２Ｂ，３２Ｂとを有する。折曲部位２２Ａ，３２Ａ内には、複数条のストランド状またはストリング状の第１および第２弾性体２４，３４がホットメルト接着剤を介して伸長下に収縮可能に接合される。第１および第２弾性体２４，３４は、横方向Ｘにおいてそのほぼ全域に延びる。第１および第２弾性体２４，３４を配置することによって、特に、おむつ１のウエスト開口１６を着用者に密着させることができ、ウエストからの尿等の排泄物の漏れを予防することができる。

内層シート２１，３１から仮想横中心線３−３へ向かって延出する外層シート２２，３２の延出部位２２Ｂ，３２Ｂには、繊維不織布から形成された細長状の固定シート２５，３５が配置され、固定シート２５，３５と延出部位２２Ｂ，３２Ｂとの間において、ストランド状またはストリング状の第３および第４弾性体２６，３６がホットメルト接着剤を介して伸長下に接合される。第３および第４弾性体２６，３６は、仮想縦中心線２−２近傍では非連続であって、非弾性域を形成する。非弾性域を形成する方法としては、例えば、非弾性域に位置すべき第３および第４弾性体２６，３６を伸長させないことによって非弾性域を形成することができる。また、例えば、非弾性域に位置し伸長している第３および第４弾性体２６，３６の収縮性を喪失または抑制させることで、非弾性域を形成することもできる。非弾性域を形成することによって、仮想縦中心線２−２上に配置された吸収体５０に皺が生じるのを予防することができ、かつ、第３および第４弾性体２６，３６の収縮力によって、レッグ開口１７を着用者に密着させ、尿等の漏れを防止することができる。
第１〜第４弾性体には、例えば、太さ約３１０〜９４０ｄｔｅｘ、伸長倍率２．０〜３．５倍の弾性糸を用いることができる。

内層シート２１，３１と外層シート２２，３２との間には、前・後ウエスト域１２，１３の横方向Ｘの中央部において、プラスチック材料から形成されたグラフィック表示フィルム２３，３３が配置される。グラフィック表示フィルム２３，３３には、非肌対向面に外部から視認可能なグラフィック（図示せず）などが印刷される。

クロッチパネル４０は、横方向Ｘへ延びるとともに前・後ウエストパネル２０，３０に重なる前・後端縁部４０Ａ，４０Ｂと、縦方向Ｙへ延びる両側縁部４０Ｃとを有し、横方向Ｘの中央部に位置するベースシート４１と、ベースシート４１の両側縁部に接合された一対のレッグ弾性化シート４２とを有する。レッグ弾性化シート４２は、縦方向Ｙに延びる複数条の弾性体４６が伸長下で基材シート４９に連続的に接合されて構成され、縦方向両末端部４２Ｄ，４２Ｅに非伸縮部分４２Ｂ（図６，７参照）が形成される。また、レッグ弾性化シート４２は吸収体５０に隣接し、ベースシート４１を介して吸収体５０に連結される。クロッチパネル４０の前・後端縁部４０Ａ，４０Ｂは、ベースシート４１およびレッグ弾性化シート４２の前・後端縁部によって構成され、両側縁部４０Ｃはレッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃによって構成される。クロッチパネル４０の縦方向Ｙにおける寸法は、吸収体５０の縦方向Ｙにおける寸法よりも小さくされ、吸収体５０の前・後端縁部５０Ａ，５０Ｂは、クロッチパネル４０の前・後端縁部４０Ａ，４０Ｂの縦方向Ｙ外側に位置する（図２参照）。

ベースシート４１は、肌対向面側に位置する内面シート４３と、非肌対向面側に位置する外面シート４４とから構成される。内外面シート４３，４４には、各種公知の繊維不織布またはプラスチックフィルムを用いることができる。内面シート４３は、防漏性のプラスチックフィルムから形成することが好ましい。外面シート４４は、おむつ１０の外面の一部を構成するので、プラスチックフィルムに比して肌触りの良い繊維不織布から形成することが好ましい。レッグ弾性化シート４２は、その内側縁部が内外面シート４３，４４の間に接合される。

レッグ弾性化シート４２は、縦方向Ｙに延びる外側縁部４２Ｃに沿って横方向Ｘへ折り返された折曲部位４５を有し、折曲部位４５によって形成されたスリーブ内部に縦方向Ｙへ延びる複数条のストランド状またはストリング状の弾性体４６が接合される（図５参照）。弾性体４６は、太さ約３１０〜６２０ｄｔｅｘ、伸長倍率約２．０〜３．０倍の弾性糸を用いることができ、ホットメルト接着剤を介して伸長下でレッグ弾性化シート４２に接合される。弾性体４６には、最も仮想縦中心線２−２に近接し、すなわち、横方向Ｘ内側に位置する内側弾性体４６Ａと、最も横方向Ｘ外側に位置する外側弾性体４６Ｂと、これらの間に位置する中間弾性体４６Ｃとが含まれる。図５に示す例では、外側弾性体４６Ｂは、レッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃに位置し、外側弾性体４６Ｂに沿ってレッグ弾性化シート４２の折曲部位４５が折り曲げられている。別の実施形態として、外側弾性体４６Ｂより横方向Ｘの外側でレッグ弾性化シート４２を折り曲げることもできる。この場合、レッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃに外側弾性体４６Ｂが存在しないので、外側縁部４２Ｃの肌触りが向上する。

前ウエストパネル２０では、内側弾性体４６Ａ、外側弾性体４６Ｂおよび中間弾性体４６Ｃと、横方向Ｘへ延びる第３弾性体２６とが交差する。したがって、第３弾性体２６の収縮力によって吸収体５０が着用者の身体にフィットし、着用者の大腿部の動きによっても体液の漏れを誘発するような隙間が身体と吸収体５０との間に形成されるおそれはない。後ウエストパネル３０において、横方向Ｘへ延びる第４弾性体３６は、外側弾性体４６Ｂおよび中間弾性体４６Ｃの一部に交差し、その余の中間弾性体４６Ｃおよび内側弾性体４６Ａには交差しない。したがって、後ウエスト域１３において、弾性体４６の収縮力が吸収体５０に過大に作用して体液の漏れの原因となるようなひび割れや皺を生じさせるおそれはない。

本発明において、弾性体４６と第３および第４弾性体２６，３６とが「交差する」とは、第３および第４弾性体２６，３６が伸長下で接合された固定シート２５，３５と、弾性体４６が伸長下で接合されたレッグ弾性化シート４２とが連結されることによって、弾性体４６と、第３および第４弾性体２６，３６とが連動する状態にあることを意味する。

クロッチパネル４０のベースシート４１の肌対向面には、吸液性の吸収体５０が配置される。吸収体５０は、縦長のパッド形状を有し、前・後端縁部５０Ａ，５０Ｂと、両側縁部５０Ｃと、少なくともクロッチ域１４において縦方向Ｙへ延びる吸収性コア５１と、吸収性コア５１の吸収面に位置する身体側ライナ５２とを含む。前端縁部５０Ａは、ホットメルト接着剤を介して前ウエストパネル２０の内層シート２１に接合される。後端縁部５０Ｂは、ホットメルト接着剤を介して後ウエストパネル３０の内層シート３１と外層シート３２との間、より詳細には内層シート３１と固定シート３５との間に接合される。前・後端縁部５０Ａ，５０Ｂの中間部はホットメルト接着剤を介してクロッチパネル４０の内面シート４３に接合される。吸収体５０の前端縁部５０Ａの近傍が内層シート２１の肌対向面に接合されることによって、着用者の肌には、伸縮弾性を有する比較的に柔軟な内層シート２１が直接触れるので、肌触りが向上する。また、後端縁部５０Ｂの近傍が内層シート３１と外層シート３２との間に接合されることから、排泄された体液が拡散してクロッチ域１４から後ウエスト域１３に位置する吸収体５０まで拡散しても、体液が直接着用者の肌に触れるのを防止することができる。

吸収性コア５１は、質量約２００〜８００ｇ／ｍ^２であって、フラッフパルプと、超吸収性ポリマー粒子（ＳＡＰ）と、オプションとして含まれる熱溶着性ステープル繊維との混合から形成された芯材と、芯材を被包する液透過性の繊維不織布とから構成される。身体側ライナ５２には、質量約１０〜３０ｇ／ｍ^２の透液性のスパンボンド不織布やＳＭＳ不織布等の各種公知の繊維不織布を用いることができる。

図６に示すように、前・後ウエストパネル２０，３０の内端縁２０Ａ，３０Ａに沿って、クロッチパネル４０の前・後端縁部４０Ａ，４０Ｂが接合される第１および第２接合領域２７，３７が横方向Ｘへ延びている。第１および第２接合領域２７，３７は、固定シート２５，３５にホットメルト接着剤を塗布して形成され、縦方向Ｙに延びる両側縁部２７Ｃ，３７Ｃと、横方向Ｘにほぼ平行に延びる近接端縁部２７Ａ，３７Ａおよび遠位端縁部２７Ｂ，３７Ｂを有する。第１および第２接合領域２７，３７の両側縁部２７Ｃ，３７Ｃは、レッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃ、すなわちクロッチパネル４０の両側縁部４０Ｃに重なる。第１および第２接合領域２７，３７の両端縁部の内、仮想横中心線３−３に近い近接端縁部２７Ａ，３７Ａは、前・後ウエストパネル２０，３０の内端縁２０Ａ，３０Ａに隣接した位置にある。ここで、「隣接した位置にある」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際の加工精度を考慮して、ホットメルト接着剤が内端縁２０Ａ，３０Ａからはみ出さないような距離だけ、内端縁２０Ａ，３０Ａから離間していることを意味する。第１および第２接合領域２７，３７の縦方向Ｙにおける幅、すなわち近接端縁部２７Ａ，３７Ａと遠位端縁部２７Ｂ，３７Ｂの離間距離は任意であり、例えば後述する非伸縮部分４２Ｂの幅の５０％以下になるように設定することができる。

図７に示すように、弾性体４６が伸長下で連続的に接合されたレッグ弾性化シート４２の縦方向両末端部４２Ｄ，４２Ｅを、第１および第２接合領域２７，３７を介して固定シート２５，３５に接合すると、弾性体４６の自由端部４６Ｄと第１および第２接合領域２７，３７の遠位端縁部２７Ｂ，３７Ｂとの間の弾性体４６の伸長が解放される。ここで、弾性体４６はレッグ弾性化シート４２に伸長下で接合されるため、伸長が解放されたとき、不規則に湾曲した形状に収縮するのではなく、直線的に収縮する。これにより、弾性体４６の伸長が解放された非伸縮部分４２Ｂが形成される。また、弾性体４６の収縮により非伸縮部分４２Ｂの表面にギャザーが形成される。一方、第１および第２接合領域２７，３７の近接端縁部２７Ａ，３７Ａの間では、相対的に剛性が高い吸収体５０により弾性体４６の収縮が抑制されるため、伸縮部分４２Ａが形成される。

上記の非伸縮部分４２Ｂでは弾性体４６が直線的に収縮するので、見栄えが悪くなることがない。さらに、非伸縮部分４２Ｂの表面にギャザーが形成され、クッションのような作用を示す一方、ゴムの収縮により着用者の肌を圧迫することはないため、肌にやさしく接触する。また、非伸縮部分４２Ｂでは弾性体４６が直線的に延在するので、非伸縮部分４２Ｂの形状が維持されやすく、意図しない挙動を示すことがない。別言すれば、切断された弾性体４６が収縮したときでも見栄えが損なわれず、また非伸縮部分４２Ｂのシートが意図しない挙動を示すことがない伸縮性複合シートを備えるおむつ１が提供される。さらに、非伸縮部分４２Ｂでは、弾性体４６がレッグ弾性化シート４２に接合されているため、スナップバック方式と比較して伸縮部分４２Ａからの張力によるゴム抜けが生じにくい。

第２の実施形態では、図８，９に示すように、非伸縮部分４２Ｂを覆うカバーシート６１，６２が前・後ウエストパネル２０，３０に接合される。図９は、図７と同様にして伸縮部分４２Ａと非伸縮部分４２Ｂの断面を表す模式図である。レッグ弾性化シート４２は第１および第２接合領域２７，３７においてのみ前・後ウエストパネル２０，３０に接合されている。すなわち、非伸縮部分４２Ｂは前・後ウエストパネル２０，３０に接合されていない。カバーシート６１，６２は、レッグ弾性化シート４２をはさんで第１および第２接合領域２７，３７に対向する位置となるようにレッグ弾性化シート４２上に形成される第３および第４接合領域２８，３８と、縦方向Ｙにおいてレッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃの外側に位置して固定シート２５，３５上に形成される第５および第６接合領域２９，３９に接合される。第１および第２接合領域２７，３７は上記と同様にして形成され、第３〜第６接合領域２８，３８，２９，３９は、ホットメルト接着剤によって形成される。また、好ましくはカバーシート６１，６２において縦方向Ｙに延びる両側縁部も前・後ウエストパネル２０，３０に接合される。

図９に示すように、非伸縮部分４２Ｂにはホットメルト接着剤が塗布されないので、非伸縮部分４２Ｂの剛性が高くなることはない。従って、カバーシート６１，６２を設けても非伸縮部分４２Ｂの柔軟性が保たれる。また、非伸縮部分４２Ｂでは弾性体４６が直線的に収縮してギャザーが形成され、クッションのような作用を示す一方、ゴムの収縮により着用者の肌を圧迫することはないため、肌にやさしく接触する。さらに、カバーシート６１，６２を設けることにより、おむつ１を着用するとき、外側縁部４２Ｃが誤っておむつ１の内側へ巻き込まれることが防止される。

上記では、別体のカバーシート６１，６２を用いて非伸縮部分４２Ｂを覆う実施形態について説明した。この実施形態の変形例として、別体のカバーシート６１，６２を用いずに、内層シート２１，３１の縦方向Ｙの長さを長くして、非伸縮部分４２Ｂを覆うようにすることができる。または、外層シート２２，３２の縦方向Ｙの長さを長くしておき、折り返したとき非伸縮部分４２Ｂを覆うようにすることもできる。また、図８にはカバーシート６１，６２が前・後ウエストパネル２０，３０の両側縁２０Ｃ，３０Ｃ間に延びている場合を例示している。しかし、非伸縮部分４２Ｂを覆うことができれば、必ずしも両側縁２０Ｃ，３０Ｃまで延びている必要はない。さらに、弾性体４６を基材シート４９またはレッグ弾性化シート４２に連続的に接合する例について説明したが、弾性体４６を間欠的に接合することもできる。

第３の実施形態では、図１０に示すように、非伸縮部分４２Ｂのほぼ全面を前・後ウエストパネル２０，３０に接合する。この実施形態に係る非伸縮部分４２Ｂは、第１の実施形態においてレッグ弾性化シート４２を第１および第２接合領域２７，３７を介して固定シート２５，３５に接合して非伸縮部分４２Ｂを形成した後（図７参照）、さらに非伸縮部分４２Ｂをホットメルト接着剤により固定シート２５，３５に接合することにより得られる。この実施形態によれば、非伸縮部分４２Ｂのほぼ全面が前・後ウエストパネル２０，３０に接合されているので、おむつ１を着用するとき、非伸縮部分４２Ｂが誤っておむつ１の内側へ巻き込まれることが防止される。さらに、ホットメルト接着剤の塗布により非伸縮部分４２Ｂの剛性が増加した場合でも、非伸縮部分４２Ｂにギャザーが形成され、クッションのような作用を示す一方、ゴムの収縮により着用者の肌を圧迫することはないため、肌にやさしく接触する。

使い捨ておむつ１を構成する各構成部材には、特に明記されていない限り、本明細書に記載されている材料のほかに、本発明の属する技術分野において通常用いられている各種公知の材料を制限なく用いることができる。また、本明細書および特許請求の範囲において使用されている「第１」、「第２」、「第３」および「第４」の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いられている。

以上に記載したこの発明に関する開示は、少なくとも下記事項に整理することができる。
縦方向Ｙおよびそれに直交する横方向Ｘを有し、肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面と、前・後ウエスト域１２，１３を画定する前・後ウエストパネル２０，３０と、前記前・後ウエスト域１２，１３の間に位置するクロッチ域１４を画定するクロッチパネル４０と、少なくとも前記クロッチパネル４０の前記肌対向面に配置され前記縦方向Ｙへ延びる吸収体５０とを含む使い捨て着用物品１において、前記クロッチパネル４０が、前記横方向Ｘへ延びる前・後端縁部４０Ａ，４０Ｂおよび前記縦方向へ延びる両側縁部４０Ｃを有し、前記クロッチパネル４０の前記両側縁部４０Ｃに沿って一対のレッグ弾性化シート４２が延び、前記レッグ弾性化シート４２は前記縦方向Ｙに延びる弾性体４６を基材シート４９の間に伸長下で接合して構成され、前記一対のレッグ弾性化シート４２の縦方向両末端部４２Ｄ，４２Ｅが、前記前・後ウエストパネル２０，３０の前記肌対向面にそれぞれ第１および第２接合領域２７，３７を介して接合され、前記レッグ弾性化シートが、前記第１および第２接合領域２７，３７の間に位置して前記弾性体の伸長が維持される伸縮部分４２Ａと、前記縦方向両末端部４２Ｄ，４２Ｅのそれぞれにおいて前記第１接合領域２７または第２接合領域３７を挟んで前記伸縮部分４２Ａの反対側に位置し、前記弾性体４６の伸長が解放されることにより前記レッグ弾性化シート４２の表面にギャザーが形成される非伸縮部分４２Ｂとを有することを特徴とする前記使い捨て着用物品。

上記段落００３３に開示した本発明は、少なくとも下記の形態を含むことができる。
（１）前記非伸縮部分４２Ｂを覆うカバーシート６１，６２が前記前・後ウエストパネル２０，３０のそれぞれに設けられ、前記非伸縮部分４２Ｂが前記前・後ウエストパネル２０，３０に接合されていない。
（２）前記カバーシート６１，６２が前記非伸縮部分４２Ｂに接合されていない。
（３）前記非伸縮部分４２Ｂが前記前・後ウエストパネル２０，３０に接合される。

１ おむつ（使い捨て着用物品）
１２ 前ウエスト域
１３ 後ウエスト域
１４ クロッチ域
２０ 前ウエストパネル
２７ 第１接合領域
３０ 後ウエストパネル
３７ 第２接合領域
４０ クロッチパネル
４０Ａ クロッチパネルの前端縁部
４０Ｂ クロッチパネルの後端縁部
４０Ｃ クロッチパネルの両側縁部
４１ ベースシート
４２ レッグ弾性化シート
４２Ａ 伸縮部分
４２Ｂ 非伸縮部分
４２Ｄ レッグ弾性化シートの縦方向末端部
４２Ｅ レッグ弾性化シートの縦方向末端部
４６ 弾性体
４９ 基材シート
５０ 吸収体
６１ カバーシート
６２ カバーシート
Ｘ 横方向
Ｙ 縦方向

Claims (4)

1. 縦方向およびそれに直交する横方向を有し、肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面と、前・後ウエスト域を画定する前・後ウエストパネルと、前記前・後ウエスト域の間に位置するクロッチ域を画定するクロッチパネルと、少なくとも前記クロッチパネルの前記肌対向面に配置され前記縦方向へ延びる吸収体とを含む使い捨て着用物品において、
   前記クロッチパネルが、前記横方向へ延びる前・後端縁部および前記縦方向へ延びる両側縁部を有し、前記クロッチパネルの前記両側縁部に沿って一対のレッグ弾性化シートが延び、前記レッグ弾性化シートは前記縦方向に延びる弾性体を基材シートの間に伸長下で接合して構成され、前記一対のレッグ弾性化シートの縦方向両末端部が、前記前・後ウエストパネルの前記肌対向面にそれぞれ第１および第２接合領域を介して接合され、
   前記レッグ弾性化シートが、前記第１および第２接合領域の間に位置して前記弾性体の伸長が維持されている伸縮部分と、
   前記縦方向両末端部のそれぞれにおいて前記第１接合領域または第２接合領域を挟んで前記伸縮部分の反対側に位置し、前記弾性体の伸長が解放されることにより前記レッグ弾性化シートの表面にギャザーが形成される非伸縮部分とを有することを特徴とする前記使い捨て着用物品。
2. 前記非伸縮部分を覆うカバーシートが前記前・後ウエストパネルのそれぞれに設けられ、前記非伸縮部分が前記前・後ウエストパネルに接合されていない、請求項１に記載の使い捨て着用物品。
3. 前記カバーシートが前記非伸縮部分に接合されていない、請求項２に記載の使い捨て着用物品。
4. 前記非伸縮部分が前記前・後ウエストパネルに接合される、請求項１に記載の使い捨て着用物品。

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