JP2024044147A - パンツ型の使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】フィット性及び着用時の外観に優れるパンツ型の使い捨ておむつを提供すること。【解決手段】本発明のパンツ型使い捨ておむつ1は、吸収性コア40を含む吸収性本体5と、該吸収性本体5の非肌対向面側に配された外装体3とを備えている。吸収性コア40は、下層コア45と上層コア41とを有する。上層コア41及び下層コア45それぞれは、上層コア41の縦方向Xに沿う両側縁から中央側に離間した位置に、縦方向Xに延びる低剛性部42,46を有している。外装体3は、背側部Bに、横方向Yに伸縮性を有する伸縮性シートを有する。平面視において、上層コア41の低剛性部42と下層コア45の低剛性部46とが重なった低剛性部重なり領域Ktと、吸収性本体5及び外装体3の接合領域Sの少なくとも一部とが重なっており、背側部Bにおいて伸縮性シートと、下層コア45の少なくとも一部とが重なっている。【選択図】図1

Description

本発明は、パンツ型の使い捨ておむつに関する。
一般的にパンツ型の使い捨ておむつは、主たる吸液部位となる吸収性コアを含んで構成される吸収体を具備することが一般的である。また着用感や吸収性能等を考慮して、吸収性コアにスリットを設けることが知られている。
例えば、特許文献1には、吸収性コアの幅方向の中央に中央スリットが形成されており、該中央スリットの両側部にサイドスリットが形成されている吸収性物品が記載されている。また同文献には、吸収性コアを、第1層と、第1層の非肌対向面側に配された第2層とからなる2層構造とすることが記載されている。
特開2011-177309号公報
特許文献1には、同文献の使い捨ておむつが着用されると、中央スリットの部分は、着用者に向けて凸となるように変形し頂面を形成する一方、サイドスリットの部分は、非肌対向面側に凸となるように変形し、吸収体の幅方向に沿う断面がW字形状となることが記載されている。同文献の使い捨ておむつは、サイドスリットの部分において非肌対向面側に凸となるように変形するので、該サイドスリットの部分において着用者の肌に密着しにくい。そのため、同文献の吸収性物品はフィット性が低下する恐れがある。また使い捨ておむつにおいては着用時に下着のような外観となることが求められるところ、同文献では、この点について何ら検討されておらず、改善の余地があった。
本発明は、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、吸収性コアを含む吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該縦方向の中央を境界として着用時に着用者の腹側に配される前身頃と着用者の背側に配される後身頃とに区分され、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型の使い捨ておむつに関する。
一実施形態として、前記吸収性コアは、下層コアと、該下層コアよりも肌対向面側に配された上層コアとを有することが好ましい。
前記下層コアは、前記横方向の両端部及び前記縦方向の一端部若しくは両端部が前記上層コアの端縁から延出していることが好ましい。
前記上層コア及び前記下層コアそれぞれは、該上層コアの前記縦方向に沿う両側縁から中央側に離間した位置に、該縦方向に延びる低剛性部を有していることが好ましい。
前記外装体は、前記背側部に、前記横方向に伸縮性を有する伸縮性シートを有していることが好ましい。
平面視において、前記上層コアの前記低剛性部と前記下層コアの前記低剛性部とが重なった低剛性部重なり領域を有していることが好ましい。
平面視において、前記低剛性部重なり領域と、前記吸収性本体及び前記外装体の接合領域の少なくとも一部とが重なっており、前記背側部において前記伸縮性シートと、前記下層コアの少なくとも一部とが重なっていることが好ましい。
本発明のパンツ型の使い捨ておむつによれば、フィット性及び着用時の外観に優れる。
図1は、本発明のパンツ型の使い捨ておむつの一実施形態を示す図であって、該おむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側を模式的に示す展開平面図である。 図2は、図1に示す使い捨ておむつの分解斜視図である。 図3は、図1のIII-III線断面図である。 図4は、図1のIV-IV線断面図である。 図5は、図1に示すおむつにおける吸収性本体と外装体との接合領域を示す平面図である。 図6(a)は、図1に示すおむつの装着状態を示す背面図であり、図6(b)は、図1に示すおむつの装着状態を模式的に示す断面図である。 図7(a)は、図1に示すおむつにおける鞍状曲面を模式的に示す斜視図であり、図7(b)は、図7(a)のX方向断面図であり、図7(c)は、図7(a)のY方向断面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1~図6には、本発明のパンツ型の使い捨ておむつ1(以下、単に「おむつ1」という。)の一実施形態が示されている。
おむつ1は、図1に示すように、着用状態において、着用者の腹側に配される腹側部Aと、着用者の背側に配される背側部Bと、該腹側部A及び該背側部Bの間に位置する股下部Cとを有している。股下部Cは、おむつ1の着用状態において着用者の股間部に配される部位である。腹側部Aは、おむつ1の着用状態において股下部Cよりも着用者の腹側即ち前側に配される部位である。背側部Bは、おむつ1の着用状態において股下部Cよりも着用者の背側即ち後側に配される部位である。
おむつ1は、図1に示すように、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有する。本明細書において、「着用者の前後方向」とは、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる方向を指す。おむつ1は、腹側部Aから股下部Cを介して背側部Bに延びる縦方向Xに延在している。
おむつ1は、図1に示すように、縦方向の中央(縦中心線CLx)を境界として着用時に着用者の前側(腹側)に配される前身頃Fと着用者の背側(後側)に配される後身頃Rとに区分される。縦中心線CLxは、図1に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに二等分して横方向Yに延びる仮想直線である。おむつ1の「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1を後述するサイドシール部で切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで広げた状態をいう。
本明細書において、おむつ1の各部位(例えば吸収性コア40)における縦方向X又は横方向Yの長さ(幅)等といった各寸法は、特に断りがない限り、各部の弾性部材を伸長させて各部材を引き伸ばした状態での寸法(設計寸法)のことである。
おむつ1は、液保持性の吸収体4を有する吸収性本体5と、該吸収性本体5の非肌対向面側に配された外装体3とを備えている。外装体3は、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける縦方向Xに沿う両側縁部AS,BSどうしが、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。これにより、おむつ1は、両側縁部AS,BSどうしが接合された一対のサイドシール部(図示せず)を有し、さらに着用者の胴が通されるウエスト開口部、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部を有する(図示せず)。
本明細書において、「肌対向面」は、使い捨ておむつ又はその構成部材(例えば表面シート12)における、使い捨ておむつの着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、使い捨ておむつ又はその構成部材における、使い捨ておむつの着用時に肌側とは反対側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品(使い捨ておむつ)の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
吸収性本体5は、平面視長方形形状をなし、縦方向Xに延在しており、その長手方向を展開且つ伸長状態におけるおむつ1の縦方向Xに一致させて、外装体3の横方向Yの中央部に配置されている。吸収性本体5は、接着剤等の公知の接合手段によって外装体3に接合されている。
本実施形態では、吸収性本体5と外装体3との接合領域Sは、図5に示すように、縦方向Xに沿って延びる略矩形形状を有している。接合領域Sは、吸収性本体5の横方向Yの中央域に位置する中央接合領域Scと、該中央接合領域Scの両側部それぞれに位置する側部接合領域Ss,Ssとを含む。
本実施形態の吸収性本体5は、縦方向Xの両端部の肌対向面が端部固定シート34,34に被覆され、外装体3に固定されている。端部固定シート34は、接着剤等の公知の接合手段によって、外装体3及び吸収性本体5に接合されている(図1及び図2参照)。
吸収性本体5は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート12、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の防漏シート13、及びこれら表面シート及び防漏シート間に配された液保持性の吸収体4を具備しており、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。
本実施形態の吸収体4は、図3に示すように、吸収性コア40と、該吸収性コア40の表面を被覆するコアラップシート49を含んで構成されている。本実施形態の吸収体4は、肌対向面及び非肌対向面を含む表面の全域がコアラップシート49で覆われている。これに代えて、吸収性コア40は、その肌対向面が液透過性のコアラップシート49で覆われていてもよい。また、吸収体4は、コアラップシート49を具備していなくともよい。吸収性コア40の詳細については、後述する。
本実施形態の吸収性本体5は、その横方向Y両側に縦方向Xに延びる弾性部材48(以下、「中間弾性部材48」ともいう。)を有している。本実施形態の中間弾性部材48は、吸収体4の横方向Y外側において、表面シート12と防漏シート13との間に伸長状態で配されている。
吸収性本体5が中間弾性部材48を具備する場合、該中間弾性部材48は、コアラップシート49と吸収性コア40との間に伸長状態で配されていてもよく、表面シート12と吸収性コア40との間に伸長状態で配されていてもよい。また、中間弾性部材48の高さ方向Zにおける位置は特に限定されず、おむつ1の展開且つ伸長状態と、おむつ1の自然状態とで、高さ方向Zにおける位置が異なっていてもよい。例えば中間弾性部材48は、自然状態で吸収体4の高さの略中央に位置してもよく、展開且つ伸長状態で該吸収体4の高さの中央よりも非肌対向面側に位置してもよい。
本実施形態のおむつ1は、吸収性本体5の肌対向面における縦方向Xに沿う左右両側部に、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性のシート材から構成された一対の防漏カフ6,6を有している(図1及び図3参照)。本実施形態の防漏カフ6は、カフ形成用シート60及びカフ弾性部材61を有し、二つ折りにされた該カフ形成用シート60どうし間に、カフ弾性部材61が伸長状態で配されている。この防漏カフ6は、横方向Y内方端部が自由端部となっており、横方向Y外方端部が吸収性本体5の非肌対向面側、すなわち防漏シート13の非肌対向面側に巻き込まれて、該防漏シート13と外装体3との間に接着剤等で固定されている。防漏カフ6の自由端部の近傍には縦方向に延びる糸状のカフ弾性部材61が1本以上伸長状態で配されている(図3参照)。防漏カフ6は、伸長状態で配されたカフ弾性部材61が収縮することによって、少なくとも股下部Cで起立し、尿等の排泄液の横方向Y外方への流出を阻止する。
なお、説明の便宜上、図2では防漏カフ6の図示を省略している。
外装体3は、おむつ1の外形、即ち、腹側部A、股下部C及び背側部Bそれぞれの外形を形成している。外装体3は、図1に示すように、展開且つ伸長状態の平面視において、腹側部A及び背側部Bでは、縦方向Xよりも横方向Yの長さが長い矩形形状をなし、股下部Cでは、縦方向Xに沿う両側縁部、即ち一対のレッグ縁部LE,LEが横方向Yの内方に向けて括れた砂時計状をなしている。本実施形態の外装体3は、展開且つ伸長状態の平面視において、股下部Cの縦方向Xに沿う両側縁よりも、腹側部A及び背側部Bの縦方向Xに沿う両側縁が横方向Y外方に張り出している。また外装体3は、腹側部Aの縦方向X外方縁WE及び背側部Bの縦方向X外方縁WEが、横方向Yに延びており、サイドシール部が形成されたおむつ1においてウエスト開口部を形成する。すなわちこれら縦方向X外方縁は、ウエスト開口部の周縁端WEとなる。
外装体3は、複数枚のシートが積層されて構成されている。本実施形態の外装体3は、図2に示すとおり、非肌対向面側から肌対向面側に向かって外層シート31、内層シート33、及び固定用シート35がこの順で積層されている。外層シート31は、少なくとも腹側部A及び背側部Bにおいて、おむつ1の外面即ち非肌対向面を形成しており、図1及び図2に示すように、前身頃Fに配置された前側外層シート31aと後身頃Rに配された後側外層シート31bとに分割されている。内層シート33は、外層シート31と固定用シート35との間に配置されており、前身頃F及び後身頃Rの両外層シート31a,31bに架け渡されて固定されている。本実施形態の内層シート33は、縦方向Xにおいて腹側部Aのウエスト開口部の周縁端WEから背側部Bのウエスト開口部の周縁端WEまで連続している。すなわち内層シート33は、おむつ1の全長に連続し、縦方向Xにおけるこれら前側外層シート31aと後側外層シート31bとの間でおむつ1の外面を形成している。固定用シート35は、内層シート33の肌対向面側に配置されており、後述するレッグ弾性部材37を該内層シート33との間で固定している。外装体3を構成するこれらのシート31,33,35は、接着剤等の公知の接合手段によって接合されている。
本実施形態の外装体3は、外層シート31a,31bが、ウエスト開口部の周縁端WEに沿って肌対向面側に折り返されている(図2参照)。即ち、外層シート31a,31bは、ウエスト開口部の周縁端WEを形成しており、該周縁端WEから縦方向Xの内方に該シート31a,31bの折り返し部分が延出している。
本実施形態の外装体3は、内層シート33も、前述した外層シート31a,31bと同様に、ウエスト開口部の周縁端WEに沿って肌対向面側に折り返されている。外装体3のウエスト開口部の周縁端WE(図4において図示せず)近傍では、外層シート31a,31bの折り返し部分と、内層シート33の折り返し部分とが肌対向面側で重なっている(図4参照)。
本実施形態の外装体3は、内層シート33の折り返し部分に伸長状態で挟まれ且つ固定された複数本の糸状又は帯状の弾性部材32を備えている。具体的には、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける、着用者の胴回りに配される領域に、複数本の弾性部材32(以下、「胴回り弾性部材32」という。)が横方向Yに伸長状態で、且つ縦方向Xに所定間隔を置いて間欠配置されている。胴周り弾性部材32は、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける縦方向Xに沿う両側縁部どうし間、即ち横方向Yにおけるサイドシール部間であって、吸収性本体5の縦方向Xの端縁から縦方向Xの外方に延出した領域に配されている。斯かる領域は、着用状態において着用者のウエスト回り及びその近傍に配される。胴回り弾性部材32は、外装体3において腹側部A及び背側部Bそれぞれの横方向Yの略全長に延在しており、弾性伸縮性が発現した状態で配されている。これにより、ウエスト開口部の全周に沿って実質的に連続した環状のウエストギャザーが形成される。
外装体3は、内層シート33及び固定用シート35間に伸長状態で配された複数本の糸状又は帯状のレッグ弾性部材37を備えている。具体的には、前身頃Fにおける一対のレッグ開口部それぞれの周縁部を形成するレッグ縁部LEに、1本又は複数本のレッグギャザー形成用のレッグ弾性部材37が伸長状態で配されている(図1参照)。これによって、前身頃Fにおける一対のレッグ開口部それぞれの周縁部にはレッグギャザーが形成される。本実施形態のおむつ1は、前身頃Fのみにレッグ弾性部材37が配されている。即ち、後身頃Rにはレッグ弾性部材37は配されていない。
これに代えて、前身頃F及び後身頃Rそれぞれのレッグ縁部LEにレッグ弾性部材37が配されていてもよい。
外装体3は、背側部Bに、横方向Yに沿って伸縮性を有する伸縮性シートを有している。更に、外装体3は、腹側部Aにも、横方向Yに沿って伸縮性を有する伸縮性シートを有していてもよい。本実施形態では、外装体3は、背側部B及び腹側部Aそれぞれに伸縮性シートを有している。具体的には、前側外層シート31a及び後側外層シート31bが伸縮性シートである。外装体3は、背側部Bのみに伸縮性シートを有していてもよいが、着用者の身体へのフィット性をより向上させる観点から、背側部B及び腹側部Aそれぞれに伸縮性シートを有していることが好ましい。
本実施形態の外装体3は、前身頃Fに横方向Yに沿って伸縮性を有する前側伸縮領域FEと、後身頃Rに同方向Yに沿って伸縮性を有する後側伸縮領域REとを有している。これら前側伸縮領域FE及び後側伸縮領域REを纏めて「伸縮領域」ともいう。本実施形態のこれら「伸縮領域」は、外装体3を構成する複数枚のシートのうちの1つである伸縮性シートにより構成されている。本実施形態の伸縮領域は、前側外層シート31a及び後側外層シート31bにより構成されている。外装体3が、伸縮性を有する伸縮性シートを具備することにより、着用状態においておむつ1が身体にフィットし、下着のような外観が得られる。
伸縮性シートは、横方向Yに伸縮性能を有するシートであり、伸長解放後の横方向Yの全長bが、伸び量の1/3以下となるシートをいう。「伸長解放後の横方向Yの全長b」は、伸縮性シートを最大伸長となるまで横方向Yに引っ張った後、該引っ張り力を開放したときの該シートの横方向Yの全長である。「伸び量」は、最大伸長状態にした伸縮性シートの横方向Yにおける全長aから、該最大伸長状態の引っ張り力を開放したときの伸縮性シートの横方向Yにおける全長bを減算した長さ(a-b)である。
本発明に用いられる伸縮性シートとしては、例えば(1)弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性不織布、(2)ネット状の弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性不織布、(3)弾性フィルムからなる弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性不織布、(4)互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、伸長可能な繊維層に一体化されてなる伸縮性不織布等を好ましく用いることができる。
ここでいう「伸長可能な繊維層」には、弾性を有する材料と一体化する前から伸長可能である繊維層の他に、弾性を有する材料との一体化後に機械加工等により伸長可能とされた繊維層が含まれる。
弾性繊維層と伸長可能な繊維層との一体化の方法としては、例えば、これらを積層して水流交絡又はエアスルー等により繊維を交絡させる方法、ヒートエンボス、接着剤、超音波等によって接合させる方法が挙げられる。弾性繊維としては、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー又はポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ゴム等の弾性樹脂を原料とする繊維を用いることができる。また、非弾性繊維としては、熱可塑性樹脂を原料とした繊維を用いることができる。
前記(4)の伸縮性不織布としては、例えば非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維層どうしの間に糸状の弾性フィラメントが挟まれ、一体化された構成を有するものが挙げられる。斯かる伸縮性不織布は、繊維層としての2枚の繊維シートと、これら両シート間に介在配置された弾性フィラメントとを含んで構成されている。この伸縮性不織布は、例えば、特開2009-61743号公報に記載の方法に従って製造することができる。
前記(4)の伸縮性不織布において、2枚の繊維シートは、何れも伸長可能なものである。この2枚の繊維シートは、弾性フィラメントの延びる方向と同方向に伸長可能になっている。伸長可能な形態とは、(イ)シートの構成繊維自体が伸長する形態と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、機械加工等により交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、シート全体として伸長する形態とを包含する。前記(ロ)における機械加工としては、熱処理、ロール間延伸、歯溝やギアによるかみ込み延伸、テンターによる引張延伸などが挙げられる。
前記(4)の伸縮性不織布において、弾性フィラメントは、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成し得る。複数の弾性フィラメントは、それぞれ、一方向に連続して配され、互いに交差せずに該一方向に延びるように配列している。弾性フィラメントは、実質的に非伸長状態で2枚の繊維シートに接合されている。この接合は、2枚の繊維シートの構成繊維(非弾性繊維)が弾性フィラメント中に埋没した状態で該弾性フィラメントに融着することによりなされたものであり、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いてなされたものではない。したがって、2枚の繊維シート(非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維層)とこれに接合されている弾性フィラメントとの間には接着剤が存在しない。
前記(4)の伸縮性不織布を構成する2枚の繊維シートは、それぞれ、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等の各種の不織布とすることができる。2枚の繊維シートは、互いに同種でもよく、異種でもよい。ここでいう、「同種のシート」とは、シートの製造プロセス、シートの構成繊維の種類、構成繊維の繊維径や長さ、シートの厚みや坪量等がすべて同じであるシートどうしを意味する。これらのうちの少なくとも1つが異なる場合には、「異種のシート」である。また、弾性フィラメントは、例えば熱可塑性エラストマーやゴム等を原料とするものである。特に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られた弾性フィラメントは熱融着させやすいので、伸縮性不織布に好適である。
着用者の身体へのフィット性をより向上させる観点から、外装体3の背側部Bに配される伸縮性シートは、前記(4)の伸縮性不織布により形成されていることが好ましい。この場合、外装体3の背側部Bに配される伸縮性シートは、弾性フィラメントの延在方向が横方向Yと一致する。
外装体3は、前側伸縮領域FEと後側伸縮領域REとの間に位置する非伸縮領域NEを有している。本実施形態の非伸縮領域NEは、外装体3において、横方向Yに伸縮しない領域であり、前述した伸縮性シート等の伸縮部材が配されていない領域である。本実施形態の非伸縮領域NEには、非伸縮性シートのみ配されている。具体的には、当該非伸縮領域NEは、外層シート31が配されておらず、非伸縮性シートである内層シート33のみが配された領域である。
本実施形態の非伸縮領域NEは、前身頃F及び後身頃Rにおける縦方向Xの中央部分に位置しており、縦方向Xにおいて前側伸縮領域FEと後側伸縮領域REとの間に挟まれている。
非伸縮性シートは、ある方向に実質的に伸縮性を有しないシートであり、本実施形態においては少なくとも横方向Yに伸縮性を有しないシートであり、縦方向Xにも横方向Yにも伸縮性を有しないシートであることが好ましい。伸縮性を有しないシートは、該シートに対して当該ある方向に引っ張る力を加えても、該シートが、殆ど伸びないことを意味する。例えば、長さ15×幅5cmのシートのサンプルに対して、該サンプルをテンシロン等の材料引っ張り試験機で該サンプルの長手方向に引っ張って、該サンプルが破断するときの破断伸度が10%以下である場合、そのサンプルは、長手方向に実質的に伸縮性を有しない。この破断伸度とは(破断時の該サンプル長さ-該サンプルの元の長さ)/(該サンプルの元の長さ)×100で算出することができる。
本実施形態では、吸収性コア40は、下層コア45と、該下層コア45よりも肌対向面側に配された上層コア41とを有している(図3及び図4参照)。すなわち、吸収性コア40は上層コア41と下層コア45とが積層した積層構造を有している。
本実施形態の下層コア45は、吸収体4と同様に、縦方向Xに長い形状を有し、縦方向X中央の両側縁が横方向Y内方に括れた砂時計形状をなしている。下層コア45は、縦方向Xに延びる低剛性部(以下「下層低剛性部」ともいう。)46を有している(図1参照)。下層低剛性部46は、上層コア41の縦方向Xに沿う両側縁から中央側に離間した位置に配されている。本実施形態の下層低剛性部46は、周囲を下層コア45のコア形成材料によって囲まれている。下層低剛性部46は、下層コア45において他の部分よりも低剛性となっている部分である。例えば下層低剛性部46は、下層コア45を形成するコア形成材料の坪量が、他の部分よりも低い低坪量部、又は該コア形成材料が欠落した部分である。後者としては、下層コア45を貫通するスリット(貫通孔)、又は有底の凹部が挙げられる。
本実施形態の下層低剛性部46は縦方向Xに延びるスリットとなっており、吸収性コア40(下層コア45)の形成材料の坪量が0g/mとなっている。斯かる構成は、後述するおむつ1の装着性及び下着らしい外観性(シルエット)をより向上させる点で好ましい。下層コア45の身体への追随性をより向上させる観点から、下層低剛性部46は、縦方向Xに延びるスリット(貫通孔)であることが好ましい。
本実施形態では、下層コア45は、下層低剛性部46を1つのみ有しているが、これに代えて、下層コア45は、下層低剛性部46を複数有していてもよい。
下層低剛性部46は、その全長が非伸縮領域NE内に収まっていてもよいし、非伸縮領域NEから延出する部分を有していてもよい。例えば、下層低剛性部46の腹側部A側の端部が前側伸縮領域FEに延出しており、且つ下層低剛性部46の背側部B側の端部が非伸縮領域NEに位置していてもよい。また、下層低剛性部46の腹側部A側の端部が非伸縮領域NEに位置しており、且つ下層低剛性部46の背側部B側の端部が後側伸縮領域REに延出していてもよい。また、下層低剛性部46の腹側部A側の端部が前側伸縮領域FEに延出しており、且つ下層低剛性部46の背側部B側の端部が後側伸縮領域REに延出していてもよい。着用時のおむつ1の外観、特に着用者の臀部に対応する部分の外観を下着のようにすっきりしたシルエットにする観点からは、下層低剛性部46の背側部B側の端部が後側伸縮領域REに延出していることが好ましい。なお、本実施形態では、下層低剛性部46の縦方向Xの両端部が非伸縮領域NEに位置している。
本実施形態の上層コア41は、下層コア45と同様に、縦方向Xに長い形状を有している。上層コア41は、略矩形状の平面視形状を有している。上層コア41は、縦方向Xに延びる低剛性部(以下「上層低剛性部」ともいう。)42を有している。上層低剛性部42は、上層コア41の縦方向Xに沿う両側縁から中央側に離間した位置に配されている。本実施形態の上層低剛性部42は、周囲を上層コア41のコア形成材料によって囲まれている。上層低剛性部42は、上層コア41を形成するコア形成材料の坪量が、他の部分よりも低い低坪量部、又は該コア形成材料が欠落した部分であり、前述した下層低剛性部46と同じ説明が適用される。
上層コア41の身体への追随性をより向上させる観点から、上層低剛性部42は、縦方向Xに延びるスリット(貫通孔)であることが好ましい。本実施形態では、上層コア41は、上層低剛性部42を1つのみ有しているが、これに代えて、上層コア41は、上層低剛性部42を複数有していてもよい。
下層コア45は、横方向Yの両端部が上層コア41の端縁から延出している。また下層コア45は、縦方向Xの一端部若しくは両端部が上層コア41の端縁から延出している。本実施形態では、下層コア45は、縦方向Xの両端部が上層コア41の端縁から延出している。下層コア45は、縦方向X及び横方向Yの寸法が上層コア41よりも大きく、上層コア41は、平面視したときに、該上層コア41の全体が下層コア45の外縁よりも内側の領域内に位置するように配されている。下層コア45の横方向Yの端部が、上層コア41の横方向Yの端縁から延出していることにより、おむつ1を着用したときに、下層コア45における、上層コア41の横方向Yの端縁から延出した部分(以下「横延出部」ともいう。)47a,47bが、上層コア41の横方向Yの端縁を起点として非肌対向面側に折れ曲がり易くなる。換言すれば、横方向Yに沿って見たときに、吸収体4が肌対向面側に向かって凸の湾曲形状となり易い。
また、下層コア45の縦方向Xの端部が、上層コア41の縦方向Xの端縁から延出していることにより、おむつ1を着用したときに、下層コア45における、上層コア41の縦方向Xの端縁から延出した部分(以下、「縦延出部」ともいう。)48a,48bが、上層コア41の縦方向Xの端縁を起点として肌対向面側に折れ曲がり易くなる。換言すれば、縦方向Xに沿って見たときに、吸収体4が非肌対向面側に向かって凸の湾曲形状となり易い。
このように、吸収体4が、横方向Yに沿って見たときに、肌対向面側に向かって凸の湾曲形状となり易く、且つ縦方向Xに沿って見たときに、非肌対向面側に向かって凸の湾曲形状となり易いことにより、おむつ1を着用したときに、吸収体4が着用者の臀部の形状に沿って変形しやすくなる。したがって、本実施形態のおむつ1は、優れた装着感が得られるとともに、着用時のおむつ1の外観を下着のようにすっきりしたシルエットにすることができる(図6(a)参照)。
下層コア45は、縦方向Xの両側において上層コア41から延出しているところ、背側部B側の縦延出部48bの縦方向Xの長さと、腹側部A側の縦延出部48aの縦方向Xの長さとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。おむつ1を着用したときに、吸収体4が着用者の臀部の形状に沿って一層変形しやすくなるようにする観点からは、背側部B側の縦延出部48bの方が、腹側部A側の縦延出部48bよりも、縦方向Xの長さが長いことが好ましい。
下層コア45は、横方向Yの両側において上層コア41から延出しているところ、一方の側の横延出部47bの横方向Yの長さと、他方の側の横延出部47aの横方向Yの長さとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。おむつ1を着用したときに、吸収体4が着用者の臀部の形状に沿って一層変形しやすくなるようにする観点からは、一方の側の横延出部47bと、他方の側の横延出部47aとで、横方向Yの長さが同じであることが好ましい。本実施形態のように、横延出部47a,47bの横方向Yの長さが、縦方向Xにおいて一定でない場合、横延出部47a,47bの横方向Yの長さとは、上層コア41の横方向Yの端縁から、下層コア45の横方向Yの端縁までの長さのうち、最も短い長さを意味する。
おむつ1は、平面視において、上層低剛性部42と下層低剛性部46とが重なった低剛性部重なり領域Ktを有している。上層低剛性部42と下層低剛性部46とは、両者の外縁の位置が平面視において完全に一致するように重なっていてもよいし、上層低剛性部42及び下層低剛性部46の一部のみが重なっていてもよい。また、上層低剛性部42と下層低剛性部46とは、上層低剛性部42の全体が、下層低剛性部46の外縁で囲まれた領域内に位置するように重なっていてもよいし、その逆であってもよい。下層低剛性部46は、上層低剛性部42の縦方向Xの端縁から延出している。本実施形態では、下層低剛性部46は、上層低剛性部42の縦方向Xの両端縁それぞれから延出しているが、これに代えて、一方の端縁のみから延出していてもよい。下層低剛性部46の横方向Yの側縁の位置と、上層低剛性部42の横方向Yの側縁の位置とは一致している。
上層コア41が上層低剛性部42を有することにより、該上層コア41が該上層低剛性部42において縦方向Xに沿って折れ曲がり易くなる。また下層コア45が下層低剛性部46を有することにより、該下層コア45が該下層低剛性部46において縦方向Xに沿って折れ曲がり易くなる。上層コア41及び下層コア45が縦方向Xに沿って折れ曲がり易くなることにより、横方向Yに沿って見たときに、吸収体4が肌対向面側に向かって凸の湾曲形状に一層なり易くなり、おむつ1の装着感及び外観を一層向上させることができる。本実施形態のように、上層低剛性部42と下層低剛性部46とが、平面視において重なっていることにより、吸収体4が、上層低剛性部42と下層低剛性部46とが重なる部分において縦方向Xに沿って一層折れ曲がり易くなるので、おむつ1の装着感及び外観を一層向上させることができる。
おむつ1では、平面視において、上層コア41と下層コア45とが重なったコア重なり領域Kcと、吸収性本体5及び外装体3の接合領域Sの少なくとも一部とが重なっている。コア重なり領域Kcと接合領域Sとは、両者の外縁の位置が完全に一致するように重なっていてもよいし、コア重なり領域Kc及び接合領域Sの一部のみが重なっていてもよい。また、コア重なり領域Kcと接合領域Sとは、コア重なり領域Kcの全体が、接合領域Sの外縁で囲まれた領域内に位置するように重なっていてもよいし、その逆であってもよい。本実施形態では、コア重なり領域Kcの一部と、接合領域Sの一部とが重なっている。具体的には、コア重なり領域Kcと中央接合領域Scとが重なっている。中央接合領域Scは、コア重なり領域Kcの縦方向Xの端縁から延出している。コア重なり領域Kcは、中央接合領域Scの横方向Yの端縁から延出している。
コア重なり領域Kcと接合領域Sとが重なっていることにより、吸収体4、特に下層コア45が上層コア41の端縁を起点として肌対向面側又は非肌対向面側に折れ曲がったときに、外装体3が、該吸収体4の動きに追従して変形するようになる。したがって、外装体3も、おむつ1の着用者の臀部の形状に沿って変形するようになるので、おむつ1の外観を一層向上させることができる。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、コア重なり領域Kcと接合領域Sとは、おむつ1の展開且つ伸長状態において重なっていることが好ましく、おむつ1の自然状態及び、おむつ1の展開且つ伸長状態の両方において重なっていることがより好ましい。
外装体3を、おむつ1の着用者の臀部の形状に沿って変形しやすくし、おむつ1の外観を一層向上させる観点から、コア重なり領域Kcのうち上層低剛性部42及び下層低剛性部46が重なった低剛性部重なり領域Ktと、接合領域Sの少なくとも一部とが重なっていることが好ましい。低剛性部重なり領域Ktと接合領域Sとは、両者の外縁の位置が完全に一致するように重なっていてもよいし、低剛性部重なり領域Kt及び接合領域Sの一部のみが重なっていてもよい。また、低剛性部重なり領域Ktと接合領域Sとは、低剛性部重なり領域Ktの全体が、接合領域Sの外縁で囲まれた領域内に位置するように重なっていてもよいし、その逆であってもよい。本実施形態では、低剛性部重なり領域Ktの一部と、接合領域Sの一部とが重なっている。具体的には、低剛性部重なり領域Ktが、中央接合領域Sc内に含まれるように両者が重なっている。おむつ1の外観を一層向上させる観点から、低剛性部重なり領域Ktと接合領域Sとは、おむつ1の展開且つ伸長状態において重なっていることが好ましく、おむつ1の自然状態及び、おむつ1の展開且つ伸長状態の両方において重なっていることがより好ましい。
またおむつ1では、背側部Bにおいて、伸縮性シートと、下層コア45の少なくとも一部とが重なっている。本実施形態では、伸縮性シートである後側外層シート31bの一部と、下層コア45の一部とが重なっている。本明細書において、伸縮性シートと下層コア45の少なくとも一部等の二つの対象物が重なっているという表現には、一方と他方とが直接重なっている場合と直接重なっていない場合の両方が含まれる。
具体的には、後側外層シート31bの横方向Y中央域における股下部C側の端部と、下層コア45の背側部B側の端部とが重なっている。伸縮性シートと下層コア45とが重なっていることにより、おむつ1を着用したときに、装着する際に伸ばされた伸縮シートの収縮力によって、下層コア45及びその両側に位置する広い領域が面として着用者の身体にフィットし、該伸縮シートが伸縮を繰り返すことで、着用中、そのフィット性が良好に維持される。これにより、おむつ1の装着感が一層向上するとともに、おむつ1を着用したときの外観が下着のようなすっきりとしたシルエットに一層なり易くなる。おむつ1の装着感及び外観を一層向上させる観点から、伸縮性シートと下層コア45とは、おむつ1の展開且つ伸長状態において重なっていることが好ましく、おむつ1の自然状態及び、おむつ1の展開且つ伸長状態の両方において重なっていることがより好ましい。
このように、本実施形態のおむつ1は、フィット性及び着用時の外観に優れる。
本実施形態では、おむつ1の着用状態において、該おむつ1の肌対向面が鞍状の曲面Pを有するようになされている。図7に、おむつ1の着用状態における肌対向面の模式図を示す。「鞍状の曲面」とは、横方向Yに沿って見たときに肌対向面側に向かって凸に湾曲し(図7(a)及び(b)参照)、且つ縦方向Xに沿って見たときに非肌対向面側に向かって凸に湾曲している(図7(a)及び(c)参照)曲面を意味する。
おむつ1の着用状態において、該おむつ1の肌対向面が鞍状の曲面(以下「鞍状曲面」ともいう。)Pを有していることにより、おむつ1が着用者の臀部の形状に沿って変形しやすくなるので、おむつ1の装着感及び外観を一層向上させることができる。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、おむつ1を着用したときに、鞍状曲面Pは、着用者の臀溝Qよりも、縦方向Xにおける背側部B側に延出していることが好ましい(図6(b)参照)。
おむつ1では、上層コア41の縦方向Xの端縁と、低剛性部重なり領域Ktとの間の距離は短いことが好ましい。以下、この点について説明する。上層コア41の縦方向Xの端縁は、吸収体4が、横方向Yに沿って折れ曲がるときの起点となる部分である。低剛性部重なり領域Ktは、吸収体4が、縦方向Xに沿って折れ曲がるときの起点となる部分である。上層コア41の縦方向Xの端縁と、低剛性部重なり領域Ktとの間の距離が短いことにより、横方向Yに沿って折れ曲がるときの起点と、縦方向Xに沿って折れ曲がるときの起点とを近づけることができるので、おむつ1を着用したときに鞍状曲面Pが一層容易に形成されるようにすることができる。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、低剛性部重なり領域Ktの縦方向Xの長さL1は、以下の距離(1)及び(2)のいずれよりも長いことが好ましい。
(1)上層コア41の縦方向Xにおける腹側部A側の端縁から、該上層低剛性部42の縦方向Xにおける腹側部A側の端縁までの距離L2
(2)上層コア41の縦方向Xにおける背側部B側の端縁から、該上層低剛性部42の縦方向Xにおける背側部B側の端縁までの距離L3
前記長さL1に対する前記距離L2の比L2/L1は、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。
前記長さL1に対する前記距離L3の比L3/L1は、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。
前記距離L2と前記距離L3とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。また前記距離L2又は前記距離L3は0であってもよい。
下層低剛性部46は、縦方向Xにおいて上層コア41から延出していなくてもよいが、延出していることが好ましい。下層低剛性部46が縦方向Xにおいて上層コア41から延出していることにより、吸収体4が縦方向Xに沿って折れ曲がるときの起点となる下層低剛性部46と、吸収体4が横方向Yに沿って折れ曲がるときの起点となる上層コア41の縦方向Xの端縁とが重なるので、鞍状曲面Pを形成しやすくなる。背側部B側において鞍状曲面Pを形成しやすくし、背側部B側の装着感及び外観を一層向上させる観点からは、下層低剛性部46は、縦方向Xにおける少なくとも背側部側において上層コア41から延出していることが好ましい。おむつ1の装着感及び外観を一層向上させる観点から、下層低剛性部46は、縦方向Xの両側において上層コア41から延出していることが好ましい。本実施形態では、下層低剛性部46の縦方向Xにおける背側部B側の後端が、上層コア41の縦方向Xにおける背側部B側の後端よりも背側部B側に延出している。また、下層低剛性部46の縦方向Xにおける腹側部A側の後端が、上層コア41の縦方向Xにおける腹側部A側の後端よりも腹側部A側に延出している。
吸収体4の縦方向Xの全長Lに対する、下層低剛性部46における上層コア41の縦方向Xの背側部B側の端縁からの延出部の長さL4の比L4/Lは、吸収体4における、縦方向Xに沿う折れ曲がり部と、横方向Yに沿う折れ曲がり部とが確実に交差するようにし、鞍状曲面Pを形成しやすくする観点から、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.08以上である。
吸収体4の縦方向Xの全長Lに対する、下層低剛性部46における上層コア41の縦方向Xの腹側部B側の端縁からの延出部の長さL5の比L5/Lは、吸収体4における、縦方向Xに沿う折れ曲がり部と、横方向Yに沿う折れ曲がり部とが確実に交差するようにし、鞍状曲面Pを形成しやすくする観点から、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.08以上である。
前記長さL4と前記長さL5とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
おむつ1は、平面視において、伸縮性シートと、上層低剛性部42又は下層低剛性部46とが重なっていることが好ましい。こうすることにより、伸縮性シートが横方向Yに伸縮し、吸収体4が上層低剛性部42又は下層低剛性部46を起点として、縦方向Xに沿って一層折れ曲がり易くなる。おむつ1の装着感及び外観を一層向上させる観点からは、伸縮性シートと下層低剛性部46とが重なっていることがより好ましい。
おむつ1は、該おむつ1を着用したときに、上層低剛性部42又は下層低剛性部46が、着用者の臀溝Qよりも、縦方向Xにおける背側部B側に延出していることが好ましい。こうすることにより、おむつ1が、着用者の臀裂部に一層フィットするようになり、おむつ1の装着感及び外観を一層向上させることができる。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、下層低剛性部46が、着用者の臀溝Qよりも、縦方向Xにおける背側部B側に延出していることがより好ましい。
おむつ1は、平面視において、接合領域Sが、上層コア41の縦方向Xの全域と重なっていることが好ましい。こうすることにより、外装体3が吸収体4の動きに一層追従しやすくなり、おむつ1の外観を一層向上させることができる。また、吸収体4が横方向Yに沿って折れ曲がるときの起点となる上層コア41の縦方向Xの端縁の位置において、外装体3が吸収性本体5と接合されることになるので、おむつ1を着用したときに鞍状曲面Pを一層形成しやすくすることができる。
次に、おむつ1の各部の形成材料について説明する。内層シート33及び固定用シート35としては、それぞれ、この種の吸収性物品において外装体として従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば内層シート33として、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布等の各種製法による不織布を用いることができる。
レッグ弾性部材等の各弾性部材32,37,61,63としては、天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、発泡ウレタン系樹脂、ホットメルト系伸縮部材等の伸縮性素材を糸状(糸ゴム)又は帯状(平ゴム)に形成したものが好ましく用いられる。
表面シート12としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、防漏シート13としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
吸収体4が具備する吸収性コア40は、パルプを始めとするセルロース等の親水性繊維や吸水性ポリマー等のコア形成材料によって形成されている。吸収性コア40は、例えば親水性繊維の積繊体、該親水性繊維と吸水性ポリマーとの混合積繊体、吸水性ポリマーの堆積体、2枚の吸水性シート間に吸水性ポリマーが担持された積層構造体等から構成される。
コアラップシート49としては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 パンツ型の使い捨ておむつ(おむつ)
3 外装体
4 吸収体
5 吸収性本体
6 防漏カフ
12 表面シート
13 防漏シート
31 外層シート
32 胴周り弾性部材
33 内層シート
34 端部固定シート
35 固定用シート
37 レッグ弾性部材
40 吸収性コア
41 上層コア
42 上層低剛性部
45 下層コア
46 下層低剛性部
48 中間弾性部材
49 コアラップシート
60 カフ形成用シート
61 カフ弾性部材
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
F 前身頃
R 後身頃
Kc コア重なり領域
Kt 低剛性部重なり領域
S 接合領域
X 縦方向
Y 横方向

Claims (9)

  1. 着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、吸収性コアを含む吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該縦方向の中央を境界として着用時に着用者の腹側に配される前身頃と着用者の背側に配される後身頃とに区分され、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型の使い捨ておむつであって、
    前記吸収性コアは、下層コアと、該下層コアよりも肌対向面側に配された上層コアとを有し、該下層コアは、前記横方向の両端部及び前記縦方向の一端部若しくは両端部が該上層コアの端縁から延出しており、
    前記上層コア及び前記下層コアそれぞれは、該上層コアの前記縦方向に沿う両側縁から中央側に離間した位置に、該縦方向に延びる低剛性部を有しており、
    前記外装体は、前記背側部に、前記横方向に伸縮性を有する伸縮性シートを有し、
    平面視において、
    前記上層コアの前記低剛性部と前記下層コアの前記低剛性部とが重なった低剛性部重なり領域を有しており、
    前記低剛性部重なり領域と、前記吸収性本体及び前記外装体の接合領域の少なくとも一部とが重なっており、前記背側部において前記伸縮性シートと、前記下層コアの少なくとも一部とが重なっている、使い捨ておむつ。
  2. 着用状態において、前記使い捨ておむつの肌対向面が鞍状の曲面を有するようになされている、請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記使い捨ておむつを着用したときに、前記曲面が、着用者の臀溝よりも、前記縦方向における前記背側部側に延出している、請求項2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記低剛性部重なり領域の前記縦方向の長さが、以下の距離(1)及び(2)のいずれよりも長い、請求項1~3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
    (1)前記上層コアの該縦方向における前記腹側部側の端縁から、該上層コアの前記低剛性部の該縦方向における前記腹側部側の端縁までの距離
    (2)前記上層コアの該縦方向における前記背側部側の端縁から、該上層コアの前記低剛性部の該縦方向における前記背側部側の端縁までの距離
  5. 前記下層コアの前記低剛性部の前記縦方向における前記背側部側の後端は、前記上層コアの該縦方向における該背側部側の後端よりも該背側部側に延出している、請求項1~4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 平面視において、前記伸縮性シートと、前記上層コアの前記低剛性部又は前記下層コアの前記低剛性部とが重なっている、請求項1~5のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  7. 前記使い捨ておむつを着用したときに、前記上層コアの前記低剛性部又は前記下層コアの前記低剛性部が、着用者の臀溝よりも、前記縦方向における前記背側部側に延出している、請求項1~6のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  8. 平面視において、前記接合領域が、前記上層コアの前記縦方向の全域と重なっている、請求項1~7のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  9. 前記上層コアの前記低剛性部又は前記下層コアの前記低剛性部はスリットからなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
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