本発明のハンドル装置は、リール本体に支持されたスプールと、前記スプールに釣り糸を巻き取り操作するためのハンドルを備え、前記ハンドルは、ハンドルノブを回転自在に取り付けたハンドルアームが取り付けネジによって前記ハンドル軸に取り付けられた魚釣り用リールにおいて、
前記ハンドルアームは、前記ハンドル軸への取り付け部にハンドルアームの長さ方向に延びた長孔を有し、
前記取り付けネジは、前記ハンドルアームの外側に位置する頭部と、前記頭部の裏側に形成した非円形の嵌合部と、前記ハンドル軸に形成した雌ネジに螺合する雄ネジを形成して前記嵌合部から延びる軸部とを有し、
前記長孔と前記嵌合部は、前記ハンドルアームが前記嵌合部に対して、回り止め状態で且つ前記ハンドルアームが長さ方向に移動可能に嵌り込む関係であり、
前記取り付けネジは、前記ハンドルアームの釣り糸巻き取り方向回転に伴って前記ハンドル軸の雌ネジに対して締まる回転となり、前記ハンドルアームの釣り糸巻き取り方向とは逆方向回転に伴って前記ハンドル軸の雌ネジに対して緩む回転となり、
前記長孔内において前記取り付けネジの嵌合部を両側から押し圧するための板バネを設け、
前記取り付けネジが締まった状態及び緩んだ状態において、前記板バネが前記長孔内で前記嵌合部を両側から押し圧する状態となるように、前記ハンドルアームと前記取り付けネジとが相互に抜け止め状態を保持する保持部材を設け、
前記取り付けネジが緩んだ状態にて、前記嵌合部に対して前記ハンドルアームが前記長孔の範囲内において移動可能となり、それによって前記ハンドルアームの回転半径が変更可能であるハンドル装置であり、以下にその実施例を記載する。
本発明は、両軸受けリール及びスピニングリールのいずれの魚釣り用リールにおいても適用可能なハンドル装置を提供するものである。以下に示す実施例は、両軸受けリール1の一つの形態であるレバードラグ式リール1について記載する。レバードラグ式リール1は、図1に示すように、その下側部に設けた金属製の取付け脚2を釣竿60の上側部に形成した取付け部61に装着して取り付けられ、その取り付け状態において、多くの使用状態として採用される右側ハンドル操作の場合について説明する。
本発明に係るレバードラグ式リール1は、図1及び図2に示すように、釣竿60の軸線60Sの竿先に向かって右側に、釣糸62をスプール15に巻き取り操作するハンドル12及びドラグ機構13のドラグ力を調整するドラグレバー14が配置され、操作者のハンドル側の手(通常は右手)でハンドル12を操作し、レバードラグ式リール1の反ハンドル側となる左側面に沿わせた操作者の反ハンドル側の手(通常は左手LH)によって、釣竿60を下方から支えると共に左手LHの親指LH1によって、ドラグレバー14を操作可能とする小型のレバードラグ式リール1を構成している。
このレバードラグ式リール1は、ジグと称される錘式のルアーを使用し、釣り竿60から釣糸62を略真下へ向けて例えば海中50m乃至それ以上の深さまで垂らして比較的大きな魚を狙うジギング釣りとして好適なものである。
以下、本発明に係るレバードラグ式リール1の構成について更に詳細に記載する。以下の説明において、レバードラグ式リール1の取付け脚2を釣竿60の上側部に形成した取付け部61に装着した状態において、レバードラグ式リール1を後方から釣竿60の竿先に向かって見た状態で、右側及び左側と呼称して説明することとする。
本発明に係るレバードラグ式リール1は、リール本体11と、リール本体11に支持されたスプール軸16に回転自在に支持されたスプール15と、スプール15の釣り糸繰り出し方向回転のドラグ力を調整するドラグ機構13と、ドラグ機構13を介してスプール15を回転駆動する歯車装置GAと、歯車装置GAを回転駆動するハンドル軸12Aを回転させるためのハンドル12と、ドラグ機構13のドラグ力を調整するドラグレバー14を備えている。また、ドラグ機構13は、ドラグ力の強弱調整範囲をプリセットするドラグ調整装置50を備えている。
金属製のリール本体11は、円形状のスプール15の左側面を覆う側面視円形状の左側の第1側板11Aと、円形状のスプール15の右側面を覆う側面視円形状の右側の第2側板11Bが、複数の連結部11Cにて連結された状態で対向配置された構成を主体部とし、これに第1側板11Aの外側を覆うように第1側板11Aにネジ11Hで固定された側面視円形状の金属製の第1側板カバー11Dと、第2側板11Bの外側を覆うように第2側板11Bにネジ11Gで固定された金属製の第2側板カバー11Eを備えた構成である。ネジ11Hは、操作者の左手LHの手のひらが接触しないように、第1側板カバー11Dの外表面から突出しないように窪みに配置されている。
第1側板カバー11Dの左側面は、操作者の左手LHの手のひらが沿い易いように、周縁部から中央部に向けて左外方へ大きな曲率で突出した曲面11D1をなし、略球面状に膨らんだ丸み形状を呈している。第2側板カバー11Eは、円形状のスプール15の右側面を覆う側面視円形状部分と、金属製のハンドル取り付け部12Tに連結された金属製のメインギア22を収容する部分とを一体形成した金属製の第2側板内カバー11E1と、ハンドル取り付け部12Tを収容する金属製の第2側板外カバー11E2とで構成している。第2側板内カバー11E1と第2側板外カバー11E2は、ハンドル取り付け部12Tがメインギア22と連結される部分で連通する状態にネジ11Jで結合され、第2側板内カバー11E1がネジ11Gで第2側板11Bに固定されている。なお、第2側板内カバー11E1内のメインギア22を覆うために、ギアカバー11E3を備えており、ギアカバー11E3は、外側端が第2側板内カバー11E1に連接し内側端がネジ11Kで第2側板11Bに取り付けられた構成である。
リール本体11には、スプール軸16の左右両側部が、第1側板11Aの一部である第1側板カバー11Dに設けた軸支持部11D2と、第2側板11Bの一部である第2側板カバー11Eに設けた軸支持部11D3に支持されており、それによって、リール本体11に対して金属製のスプール軸16が、回転不能且つスプール軸16の軸方向へ移動可能(図2で軸線16Sに沿った左右移動可能)である。実施例では、第2側板カバー11Eの外面部(具体的には第2側板内カバー11E1の外面部)に、スプール軸16と同軸に膨出形成した膨出部11E1Bが形成されており、膨出部11E1Bを貫通してスプール軸16が、その軸方向に移動可能且つ回転不能に延出するように、膨出部11E1Bに軸支持部11D3が形成されている。軸支持部11D2の一部には、スプール軸16から突出した回り止めピン16Pが嵌まり込む溝11D21が形成されており、回り止めピン16Pが溝11D21に嵌まり込んだ状態で、スプール軸16が回転不能且つ軸方向へ移動可能(図2で左右移動可能)である。
釣り糸62を巻き取る金属製のスプール15は、釣り糸62を巻き取る円筒状の小径の糸巻き胴部15Aと、糸巻き胴部15Aの左右両側に設けた円形状の大径のフランジ部15B、15Cを一体形成している。スプール15は、左右両側部が軸受け17A、17Bを介してスプール軸16対して遊転可能に支持されている。この状態で、図2に示すように、左側のフランジ部15Bは、リール本体11の第1側板11Aの内側に入り込んだ状態で配置され、右側のフランジ部15Cは、リール本体11の第2側板11Bの内側に入り込んだ状態で配置される。
図2に示すように、軸受け17Aは、スプール15の左側の第1凹部に装着されており、スプール軸16に取付けたワッシャ16Wと軸受け17Aとに付勢力が働く4枚の皿バネからなる第1付勢部材27によって、図2で右方向となる内方へ付勢され、スプール15の前記第1凹部に押し圧されている。軸受け17Bは、スプール15の右側の第2凹部に装着されており、後述の軸受け25との間のスプール軸16の周囲に配置したコイルバネからなる第2付勢部材28によって、スプール軸16の内方(図2で左方)に付勢されている。この第2付勢部材28によって、ドラグフリー状態において、第2摩擦板13Bから第1摩擦板13Aが離間するように、スプール15をスプール軸16の内方(図2で左方)に付勢する。
スプール15は、リール本体11に回転自在に取り付けたハンドル12の回転操作によって、釣り糸62がスプール15に巻き取られる。スプール15は、2号撚り糸(PEラインと称する)の釣糸62を略600mの長さまで安定に巻回できるように、糸巻き胴部15A及び左右両側のフランジ部15B、15Cが形成されている。
ハンドル12は、板状の金属製のハンドルアーム12Bと、ハンドルノブとして若干の弾力を有するゴムや合成樹脂などで形成した握り部12Dを備えており、ハンドル取り付け部12Tにてリール本体11に回転自在に取付けられている。具体的には、ハンドル取り付け部12Tは、第2側板カバー11E内(図2では第2側板外カバー11E2内)に設けた軸受け18A、18Bによって、スプール軸16の軸線16Sに平行な軸線12AS上に金属製のハンドル軸12Aが回転自在に支持され、第2側板カバー11Eを貫通したハンドル軸12Aの外側端部(図2では右側端部)に、取り付けネジ19によってハンドルアーム12Bの取り付け基部が固定され、ハンドルアーム12Bの先端部に握り部12Dをハンドルノブ支持軸部12Eによって回転自在に支持している。ハンドルノブ支持軸部12Eは、ハンドルアーム12Bに略直角に交差するように、ハンドルアーム12Bの先端部に固定したハンドルノブ軸12Cに、軸受け20A、20Bを介して握り部12Dと一体の筒部12D1が回転自在に支持された構成である。これによって、握り部12Dを操作者の右手によって握持した状態で、スプール15へ釣り糸62の巻き取りを行なう場合、ハンドル軸12Aを中心として握り部12Dを釣り糸巻き取り方向(図1にF方向で示すように、レバードラグ式リール1の右側面視で時計方向)に回転させることに伴って、ハンドルノブ軸12Cを中心として握り部12Dが回転するため、スプール15へ釣り糸62の巻き取りを連続して行なうことができる。
ハンドル12は、スプール15へ釣り糸62を巻き取る方向(図1に矢印Fで示す正方向回転という)へは回転できるがその逆方向回転(図1に矢印Rで示す方向)はできないようにするために、第2側板カバー11E内(具体的には第2側板外カバー11E2内)において、軸受け18A、18B間にワンウェイクラッチ21が設けられている。ワンウェイクラッチ21は周知の構成であり、第2側板カバー11E側(具体的には第2側板外カバー11E2側)に取り付けたアウターハウジングと、ハンドル軸12A側に取り付けたインナーハウジングとの間に介在したローラの作用によって、ハンドル軸12Aが前記正回転方向のみ許容される周知の仕組みである。このため、ハンドル12の正方向回転によってハンドル軸12Aが正方向回転し、後述のドラグ機構13を介してスプール15が釣り糸62を巻き取る方向へ回転する。一方、釣り糸62の繰り出しによってスプール15が繰り出し方向回転(釣り糸62を巻き取る方向とは逆方向の回転)する場合、その回転時の作用が後述のドラグ機構13及びメインギア22等を介してハンドル軸12Aへ伝達されるが、ワンウェイクラッチ21の作用によってハンドル軸12Aは回転せず、従ってハンドル12も逆方向回転(釣り糸62を巻き取る方向とは逆方向の回転)しないように動作する。
ハンドル12の正方向回転をスプール15へ伝達するために、ハンドル軸12Aの左端部に固定したメインギア22に噛み合うように金属製のピニオンギア23を備えている。軸受け24は、周知のボールベアリング型式の軸受けであり、その外輪が第2側板カバー11E内の凹部に装着され内輪がピニオンギア23の外側端部の外周に装着されており、それによって、ピニオンギア23が第2側板カバー11E内に回転自在に支持され、ピニオンギア23はスプール軸16に対しては回転自在、且つピニオンギア23に対してスプール軸16が軸方向移動自在なるように装着されている。この状態で、スプール軸16の軸方向移動は許容するが、メインギア22の回転に伴ってピニオンギア23が回転する関係である。また、ピニオンギア23の内側端部の外周には、後述のドラグ機構13の第2摩擦板13Bと一体の取付け板13B1の内周部分が嵌合しており、これによってピニオンギア23と第2摩擦板13Bが一体化されている。
ドラグ機構13は、回転しないスプール軸16に回転自在に装着されたスプール15に釣り糸62を巻き取る場合、巻き取り操作するハンドル12の回転をスプール15に伝達するための回転伝達力の強弱を調整すると共に、スプール15の釣り糸繰り出し方向回転に制動力を加え、この制動力を調整し、また変更するためのものである。
このためドラグ機構13は、ドラグ力の強弱を揺動動作(回動動作ともいう)にて調整する金属製のドラグレバー14と、スプール15と共に回転するようにスプール15の一側面であるハンドル側(図示では竿先方向に向かって右側)の円形状のフランジ部15Cの側面に固定した円板状の第1摩擦板13Aと、第1摩擦板13Aに当接可能に対峙しハンドル12の回転に伴って回転する円板状の第2摩擦板13Bと、スプール軸16に対してスプール15をスプール軸16の軸方向(ハンドル側、即ち図示では右側)に向けて付勢する4枚の皿バネからなる第1付勢部材27と、ドラグフリー状態で第2摩擦板13Bから第1摩擦板13Aが離間するようにスプール15をスプール軸16の軸方向(反ハンドル側となる図示では左側)に付勢するコイルバネからなる第2付勢部材28と、ドラグレバー14の揺動動作にてスプール軸16の軸方向移動を制御するカム機構30と、ドラグレバー14の揺動によるドラグ力の強弱調整範囲を予め所定の範囲に設定する(プリセットという)ドラグ調整装置50とを備えている。これによって、ドラグレバー14の揺動動作にて第1摩擦板13Aと第2摩擦板13Bとの摩擦係合力(ドラグ力)の強弱が調整され、スプール15の釣り糸繰り出し方向回転に加える制動力が調整される。
なお、第1付勢部材27の付勢力(バネ力)は、第2付勢部材28の付勢力(バネ力)よりも大きく設定されている。また、第1付勢部材27と第2付勢部材28によって、スプール15の自由回転時のガタツキを防止している。
第2摩擦板13Bは、スプール軸16に対して、ピニオンギア23の回転に伴って回転するが、スプール軸16が軸方向へ移動しても移動しないように移動不能且つ回転可能である。このため、第2摩擦板13Bは、軸受け25を介してスプール軸16に遊転可能に支持され且つスプール軸16の移動自在に支持される。この軸受け25は、周知のボールベアリング型式であり、その外輪が第2摩擦板13Bの凹部に装着され、内輪がスプール軸16に遊嵌されている。これによってスプール軸16に対して、ピニオンギア23と共に第2摩擦板13Bが回転自在であり、且つスプール軸16はその軸方向移動自在である。
第2側板カバー11Eの外面部(具体的には第2側板内カバー11E1の外面部)に、スプール軸16と同軸に膨出形成した膨出部11E1Bは、スプール軸16のピニオンギア23よりもハンドル12側へ延出する部分を取り囲んで二段階に膨出形成されており、その二段階の二段目11EB6を貫通してスプール軸16がその軸方向に移動可能に延出するように、軸受け部11D3で支持されている。
ドラグレバー14は、第2側板カバー11Eの外面部(具体的には第2側板内カバー11E1の外面部)の膨出部11E1Bに揺動自在(回動自在ともいう)に支持されている。具体的には、ドラグレバー14の基部に形成した円筒状の支持部14Aが、膨出部11E1Bの一段目の円筒状外面に揺動自在(回動自在ともいう)に組み合わされ、支持部14Aの内周の一部に形成した環状の係止部14Bが、膨出部11E1Bの二段目11EB6の外周面に取り付けたC形リングまたはE形リングの抜け止め部材141によって抜け止め保持されている。この状態でドラグレバー14は、第2側板内カバー11E1に対してスプール軸16を中心として揺動自在(回動自在ともいう)に保持される。なお、ドラグレバー14の揺動(回動ともいう)範囲は、略130度である。
カム機構30は、ドラグレバー14側の第1カム31と、第1カム31に噛み合うリール本体11側の第2カム32とで構成される。第1カム31は、環状の係止部14Bの外側面に沿って配置され、筒状の膨出部11E1Bの二段目11EB6を取り囲むように円筒状の支持部14Aの内側に回り止め状態に取り付けた傾斜カムである。第1カム31は傾斜カムと称するように、図10に示すように、ハンドル12側へ向けて徐々に高く傾斜した円弧状のカム面31Aを形成している。製作のし易さ、取り付けのし易さ、ドラグ動作の安定化のために、第1カム31は図10に示すように円形状リングをなし、カム面31Aは、スプール15の中心軸線16Sを中心とした半径方向の対称位置に形成された対称カム面31Aの構成であり、この対称のカム面31Aは、ハンドル12側から見て反時計回りに傾斜が徐々に強くなる(ハンドル12側へ近づくように高くなる)形状である。これによって第1カム31は、スプール軸16を中心としてドラグレバー14と共に揺動(回動)する。なお、第1カム31は、支持部14Aの内側に支持部14Aと一体形成でもよい。
第2カム32は、第1カム31に対向配置したリール本体側カムであり、第1カム31のカム面31Aと相互摺動するカム部32Aを備えている。膨出部11E1Bの二段目11EB6の外周面は、六角形のような多角形部を備え、第2カム32は、図11に示すように、この多角形部に嵌合する内周面32B1と、ドラグレバー14の支持部14Aの先端部分の円形状の内周面に沿う円形状の外周面とを形成した環状のカム体32Bと、カム体32Bのスプール軸16を中心とした半径方向の180度対称位置で外方へ突出するように取付けた棒状の突起カム形態のカム部32Aとで構成されている。
カム機構30として、第1カム31と第2カム32のいずれか一方が傾斜カム形態であり、他方が突起カム形態である技術は、例えば、特開平11−155442号公報で公知であるため、この基本的な技術のみは新規技術ではないが、安定動作を達成するための構成については、本発明によって新規に得られたものである。
これによって、第2カム32は、膨出部11E1Bの多角形部に回転不能状態で且つスプール軸16の軸方向へ移動可能状態であり、ドラグレバー14は、スプール軸16の軸方向へ移動不能状態であって第2カム32に対して揺動(回動)自在である。
第1カム31のカム面の具体的な構成を図10の(イ)〜(ハ)に示す。図10の(イ)は第1カム31の側面図、図10の(ロ)は第1カム31の平面図、図10の(ハ)は第1カム31のカム面31Aの展開図である。これらの図において、スプール軸16の軸線16Sを中心とした半径方向の180度対称位置であるP及びQの範囲に、同じ形状でカム面31Aが形成されている。Aの範囲が平坦カム面であり、Bの範囲がきつい傾斜の第1傾斜カム面であり、Cの範囲が緩い傾斜の第2傾斜カム面であり、Dの範囲が更に緩い傾斜の第3傾斜カム面である。第2カム32のカム部は、図11の(イ)(ロ)に示すように、第2カム32の180度対称位置に設けた突起カム形態のカム部32Aが、図10の(ロ)に示すP及びQの範囲でカム面31Aと相互摺動する。
ドラグレバー14を手動操作することによって、ドラグ機構13の摩擦係合力(ドラグ力)の強弱を調整するが、その場合のドラグ力の強弱調整範囲の初期設定は、ドラグ調整装置50によって行なわれる。ドラグ調整装置50は、ドラグレバー14を揺動自在(回動自在ともいう)に支持する膨出部11E1Bの先端の多角形部である二段目11EB6よりも、ハンドル12側へ延出するスプール軸16の先端部分に形成した雄ネジと、この雄ネジに螺合する雌ネジを内側に形成した有底円筒状をなし第2カム32に相対回転可能に当接したドラグ調整部材51を備えている。
ハンドル12側から見て、ドラグ調整部材51を時計回りに回動させることにより第2付勢部材28が圧縮されつつ、ドラグ調整部材51の雌ネジとスプール軸16の雄ネジの螺合長さが長くなり、スプール軸16がスプール15を伴ってハンドル12側(図2で右側)へ僅かに移動し、ドラグ力が僅かに強くなるドラグ力強設定状態となる。また、ハンドル12側から見て、ドラグ調整部材51を反時計回りに回動させることにより第2付勢部材28の圧縮が弱まり、ドラグ調整部材51の雌ネジとスプール軸16の雄ネジの螺合長さが短くなり、スプール軸16がスプール15を伴ってハンドル12側から離れる方向(図2で左側)へ僅かに移動し、ドラグ力が僅かに弱くなるドラグ力弱設定状態となる。このようにドラグ調整装置50によって、ドラグ力の強弱調整範囲の初期設定がなされる。
ドラグ調整装置50にて一つの調整範囲に設定した場合、図2のスプール軸16の軸線16Sより上半分は、第1摩擦板13Aと第2摩擦板13Bの当接力が強い状態、即ちドラグ機構13による強ドラグ状態を示すものであり、図2のスプール軸16の軸線16Sより下半分が、第1摩擦板13Aと第2摩擦板13Bが離間した状態、即ちドラグ機構13によるドラグ力がゼロ状態のフリー状態を示すものである。
第1摩擦板13Aと第2摩擦板13Bとの当接力の強弱が調整されることにより、ドラグ力が調整されるため、この動作を安定させるために、第1摩擦板13Aは耐熱性と耐磨耗性を備えたコルク、合成樹脂等で構成された僅かに弾性を備えたドーナツ状ディスクである。また、第2摩擦板13Bはステンレス等の金属製の円盤状である。
ドラグレバー14の揺動によってドラグ力を調整する場合について説明する。ドラグレバー14をドラグフリーの状態とするためには、ドラグレバー14を図1のR方向(手前側、反時計回り)いっぱいまで(スタート位置まで)揺動(回動)する。これによって、第2カム32の180度対称位置に設けたそれぞれのカム部32Aが、第1カム31のカム面31Aの180度対称位置に設けたそれぞれのAの範囲(ドラグレバー14の揺動(回動)角度が10度の範囲)に位置し、第2付勢部材28の付勢によってスプール軸16がスプール15を伴って図2の左方向へ移動するため、それによって第1摩擦板13Aが図2の左方向へ移動し、第1摩擦板13Aが第2摩擦板13Bから離れた状態となる。これは、釣糸62を竿先方向へ引っ張る作用に対してドラグ力は掛からないゼロの状態である。即ち、スプール15の釣り糸繰り出し方向回転に対して、ドラグ機構13によるドラグ力が掛からない状態となり、スプール15が自由回転状態となるため、キャスティングを行なえる状態となる。
このAの状態からドラグレバー14を図1のF方向(前方、時計回り)へ揺動(回動)することにより生じる相対運動によって、第2カム32の180度対称位置に設けたそれぞれのカム部32Aが、第1カム31のカム面31Aの平坦なAの範囲からカム面31Aの傾斜したBの範囲へ移行し、180度対称位置に設けたそれぞれのBの範囲(ドラグレバー14の揺動(回動)角度が20度の範囲)の傾斜したカム面を第2カム32のカム部32Aが登ることにより、第2カム32が図2の右方向へ移動し、それに伴ってドラグ調整部材51が図2の右方向へ移動するため、ドラグ調整部材51によってスプール軸16が第2付勢部材28の付勢に抗してハンドル12側(図2で右側)へ引き寄せられて移動し、それに伴ってスプール15も第1付勢部材27を介して同じ方向へ移動する。このため、それぞれのカム部32Aがカム面31AのBの範囲の略中間位置から第1摩擦板13Aが第2摩擦板13Bに当接し、ドラグ力が掛かり始める状態(ドラグ作用が開始する状態)となり、且つ、ハンドル12の回転によってスプール15が釣り糸62を巻き取り方向へ回転可能となる。
この第1摩擦板13Aと第2摩擦板13Bの当接が始まった状態から更にドラグレバー14を図1のF方向(前方、時計回り)へ揺動(回動)することにより、第2カム32の180度対称位置に設けたそれぞれのカム部32Aが第1カム31のカム面31Aの傾斜したCの範囲へ移行し、180度対称位置に設けたそれぞれのCの範囲(ドラグレバー14の揺動(回動)角度が70度の範囲)の傾斜したカム面を第2カム32のカム部32Aが登ることにより、第2カム32が図2の右方向へ移動し、それに伴ってドラグ調整部材51が図2の右方向へ移動するため、上記同様にドラグ調整部材51によってスプール軸16及びスプール15がハンドル12側(図2で右側)へ引き寄せられて移動し、第1摩擦板13Aが第2摩擦板13Bに当接する当接力が徐々に強くなる。即ち、ドラグ力が徐々に強くなる。
Bの範囲のカム面の傾斜をCの範囲のカム面の傾斜よりも強くしているのは、Aの範囲のドラグフリーの状態から速やかにドラグ作用開始状態へ移行できるようにするためであり、Bの範囲のカム面の傾斜の中間位置からドラグ作用が開始し、それ以降はCの範囲のカム面の傾斜に沿ってドラグ力が徐々に強くなるようにしている。
Cの範囲を越えてドラグレバー14を図1のF方向(前方、時計回り)へ揺動(回動)することにより、第2カム32のカム部32Aが第1カム31のカム面31AのCの範囲からDの範囲へ移行し、Dの範囲(ドラグレバー14の揺動(回動)角度が30度の範囲)のカム面を第2カム32のカム部32Aが登ることにより、第2カム32が図2の右方向へ移動し、それに伴ってドラグ調整部材51が図2の右方向へ移動するため、上記同様にドラグ調整部材51によってスプール軸16及びスプール15がハンドル12側(図2で右側)へ引き寄せられて移動し、第1摩擦板13Aが第2摩擦板13Bに当接する当接力が更に強くなる。Dの範囲の最終部がドラグレバー14の揺動(回動)動作の終点であり、このときドラグ力が最大となる。
また、ドラグレバー14を図1のR方向(手前側、反時計回り)へ揺動(回動)することによって、第2カム32のカム部32Aが第1カム31のDの範囲、Cの範囲、Bの範囲を順次経ることに伴って、第1摩擦板13Aが図2の左方向へ移動してドラグ力が徐々に弱まる。
上記のように、ドラグレバー14のF方向(前方、時計回り)、R方向(手前側、反時計回り)への揺動(回動)動作によって、ドラグ力の強弱を調整できるため、実釣中のハンドル12の操作並びにドラグレバー14の操作を適宜行なうことにより、実釣効果を得ることができる。
そして、第2カム32の180度対称位置に設けたそれぞれのカム部32Aが、第1カム31の180度対称位置に設けたそれぞれのAの範囲に位置したとき、上記のように、第1摩擦板13Aが図2の左方向へ移動して、第1摩擦板13Aが第2摩擦板13Bから離れた状態となるため、釣糸62を竿先方向へ引っ張る作用に対してドラグ力は掛からないゼロの状態である。
上記の記載から明らかなように、第2カム32のカム部32Aが第1カム31のAの範囲に位置した状態では、スプール15は、ドラグ機構13との連繋やハンドル取り付け部12Tを含むハンドル12側との連繋も外れた状態であるため、スプール15の釣り糸繰り出し方向回転に対して殆んど抵抗がない状態となる。この状態で、キャスティングを行なう、即ち、ジグと称される錘式のルアーを使用した釣り糸62を釣り竿60から略真下へ向けて、例えば海中50m乃至それ以上の深さまで垂らした後、ドラグレバー14を図1のF方向(前方、時計回り)へ揺動(回動)することにより、上記のように、ドラグ機構13が作動してドラグが掛かる。このため、ドラグレバー14のF方向(前方、時計回り)及びR方向(手前側、反時計回り)への揺動(回動)動作と、ハンドル12の回転操作とを適宜行うことによって、釣り糸62を所望の状態に繰り出した状態にて実釣動作を行なうことができる。
レバードラグ式リール1は、図1に示すように、その下側部に設けた金属製の取付け脚2を釣竿60の上側部に形成した取付け部61に装着して取り付けられ、その取り付け状態において、レバードラグ式リール1の左側面に沿わせた操作者の左手LHの中指や薬指などによって釣竿60を下方から支えると共に、その左手LHによってレバードラグ式リール1を握持し、左手LHの親指LH1によってドラグレバー14を操作可能とし、操作者の右手でハンドル12を操作可能とする構成である。また、左手LHの親指LH1は、ドラグレバー14から離した状態で、釣り糸62を案内するように操作することによって、釣り糸62をスプール15へ略均等状態に巻き取ることができる。
本発明は、ハンドル12に特徴がある。即ち、図に示すように、本発明に係る両軸受けリールは、リール本体11に支持されたスプール軸16に回転自在に支持されたスプール15と、スプール15の釣り糸繰り出し方向回転のドラグ力を調整するドラグ機構13と、ドラグ機構13を介してスプール15を回転駆動する歯車装置GAと、歯車装置GAを回転駆動するハンドル軸12Aを回転させるためのハンドル12を備え、ハンドル12は、ハンドルノブ12Dを回転自在に支持するハンドルアーム12Bが、取り付けネジ19によってハンドル軸12Aに取り付けられており、ハンドル12によってスプール15を釣り糸巻き取り方向回転(正方向回転という)できるが、スプール15をその逆方向に回転できない構成である。
以下、本発明に係るハンドル12の構成について、主として図2〜図8を参照して記載する。ハンドル軸12Aの中心軸線12AS上には、ハンドルアーム12Bを取り付けるための取り付け孔12Rが形成されている。この取り付け孔12Rは、ハンドル軸12Aの外側端(ハンドルアーム12Bが取り付けられる側の端)に開口し、中心軸線12ASに沿って延び、取り付け孔12Rの周囲壁には雌ネジ12RNが形成されている。
ハンドルアーム12Bは、ハンドル軸12Aへの取り付け基部にハンドルアーム12Bの長さ方向に延びた長孔12Pを有する。取り付けネジ19は、ハンドルアーム12Bの外側に位置する頭部19Hと、頭部19Hの裏側に突出形成した非円形の嵌合部19Aと、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの雌ネジ12RNに螺合する雄ネジ19BNを形成して嵌合部19Aから延びる軸部19Bを有する。嵌合部19Aは、長孔12Pの平行な対向壁12PA間の幅t10よりも小さい寸法の厚さt7となるように、長孔12Pの平行な対向壁12PAに平行な側面19PAを形成し、長孔12Pの長さt9(ハンドルアーム12Bの長さ方向の長さ)よりも十分短い長さt11でもって、ハンドルアーム12Bの長さ方向に延びた非円形状をなしている。このような寸法関係は、後述のように、長孔12Pと嵌合部19Aとの関係は、ハンドルアーム12Bが嵌合部19Aに対して、回り止め状態で且つハンドルアーム12Bの長さ方向に移動可能に嵌り込むような寸法関係である。
長孔12P内において取り付けネジ19の嵌合部19Aの平行な側面19PAを両側から押し圧するための板バネ12Qを設けている。板バネ12Qは、ネジ、溶接、カシメ、または接着等の手段によって板状取り付け部12Q1がハンドルアーム12Bの外側面に固定され、取り付け部12Q1から折り曲げられた一対の押し圧辺12Q2が、長孔12Pの対向壁12PAに沿う配置となるように長孔12P内に侵入状態である。一対の押し圧辺12Q2の狭まった先端部12QTの間隔t8と、嵌合部19Aの一対の平行な側面19PA間の厚さt7との関係は、t7>t8であり、それによって、板バネ12Qの一対の押し圧辺12Q2が、常に嵌合部19Aの一対の平行な側面19PAを両側から略均等に押し圧している状態である。
図8に示すように、嵌合部19Aがハンドルアーム12Bの長孔12Pに侵入した状態にて、板バネ12Qが嵌合部19Aを両側から押し圧する状態を保持するために、ハンドルアーム12Bに取り付けネジ19を抜け止め状態に保持する保持部材12Sを設けている。保持部材12Sは、ハンドル軸12Aとハンドルアーム12Bとの間において、ハンドル軸12A側のハンドルアーム12Bの面に当接または近接するように、取り付けネジ19の軸部19Bに保持されている。保持部材12Sは、取り付けネジ19の軸部19Bを略直交状態に貫通して保持される棒状体であってもよいが、軸部19Bの強度が低下する懸念を払拭するために、実施例では、ワッシャ部材のような板状環状部材を採用している。保持部材12Sは、この他に、C形リングやE形リングのように環状ではない板状の弧状部材で構成することもできる。
図示のように環状のワッシャ部材で構成した保持部材12Sは、取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNが螺合する雌ネジ12SNが形成された貫通孔12S1を有する。取り付けネジ19の軸部19Bの根元部分、即ち、嵌合部19Aに近い部分に、保持部材12Sが空回り状態に嵌り合うための雄ネジ19BNが存在しないように除去されたネジなし軸部19Cが形成されている。
ハンドルアーム12Bの外側面から取り付けネジ19の軸部19Bを長孔12Pに挿入し、板バネ12Qの一対の押し圧辺12Q2によって嵌合部19Aの一対の平行な側面19PAが両側から押し圧されるように、ハンドルアーム12Bの長孔12Pに嵌合部19Aが嵌った状態で、保持部材12Sを取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNに螺合させつつネジなし軸部19Cまで移動させる。保持部材12Sがネジなし軸部19Cに空回り状態に保持されるようにするために、保持部材12Sの厚さ及び雌ネジ12SNと、ネジなし軸部19Cの長さ及び直径の寸法関係が設定される。このため、取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNの内径(谷径)t3に対して、保持部材12Sの雌ネジ12SNの内径t4は、t3+0.1mmのように若干大きく設定しており、ネジなし軸部19Cの直径は雄ネジ19BNの内径(谷径)t3と同径であるため、保持部材12Sはネジなし軸部19Cに空回り状態に保持される。
このように、ハンドル12は、保持部材12Sによって、取り付けネジ19がハンドルアーム12Bから抜け止め状態に保持されると共に、長孔12Pに侵入した嵌合部19Aの一対の平行な側面19PAを板バネ12Qの一対の押し圧辺12Q2が、常に両側から押し圧している状態を保持部材12Sによって維持され、取り付けネジ19がハンドルアーム12Bに回り止め状態で、且つ嵌合部19Aにハンドルアーム12Bが長さ方向に移動可能に嵌り込んだ状態である。このような構成のハンドル12は図8に示す。
ハンドル軸12Aの外側端面にハンドルアーム12Bを取り付けるために、図示の実施例ではハンドル軸12Aの外側端12APがその周囲に配置された第2側板外カバーの外側端11E2Pよりもハンドルアーム12B側へ突出している。このため、ハンドルアーム12Bをハンドル軸12Aに取り付けた場合、その両者間の段差部分に釣り糸62の一部が侵入してからまりの原因になる。また、この段差部分に塵埃等が侵入して軸受け18Bの部分へ悪影響を及ぼす懸念がある。更に、ハンドル12を正方向回転(釣り糸巻き取り方向回転)させるときに生じる音を抑制することも望まれる。
これらを解決するために、この段差部分を埋める厚さの弾性のある環状パッキン12Wをハンドル軸12Aの外側端12APの周囲に緩く嵌る状態に配置し、このパッキン12Wを覆うように、ハンドル軸12Aの外側端12APから第2側板外カバーの外側端11E2Pまでを覆うために、環状カップ形状のカバー部材12Yを配置している。このため、取り付けネジ19の軸部19Bがカバー部材12Yとパッキン12Wの中心孔を緩く貫通する状態(カバー部材12Yの中心孔径が軸部19Bの雄ネジ19BNの外径よりも、例えば0.1〜0.5mmのように僅かに大きい状態)で、ハンドル12を正方向回転(釣り糸巻き取り方向回転)させて、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの雌ネジ12RNに取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNを螺合することにより、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの雌ネジ12RNに対して取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNが締め付けられ、ハンドル12がハンドル軸12Aに取り付けられる。これによって、ハンドルアーム12Bの内側面とハンドル軸12Aの外側端12APとの間に、保持部材12Sとカバー部材12Yが締め付けられる。この状態で、ハンドル12を正方向回転(釣り糸巻き取り方向回転)させることにより、ハンドルアーム12Bの回転に伴って保持部材12S、カバー部材12Y及びハンドル軸12Aが同時回転してスプール15が回転する。
この場合、パッキン12Wが圧縮状態に締め付けられた状態であれば、ハンドル12を正方向回転(釣り糸巻き取り方向回転)させる際に、カバー部材12Yの回転時にカバー部材12Yがパッキン12Wを擦ることとなり、これがハンドル12の回転の抵抗となり好ましくない。このため、パッキン12Wは圧縮状態とならないように、第2側板外カバー11E2の外側端11E2P及びカバー部材12Yの内面に対して僅かな隙間GP1(例えば、0.1mmの隙間)ができるような寸法関係としている。この僅かな隙間GP1によって、上記のような塵埃の侵入の防止や音の抑制ができる。また、ハンドル12の回転の抵抗とならないようにするために、図3に示すように、カバー部材12Yの環状壁部分12YPによって覆われる第2側板外カバーの外側端11E2P周辺との間には、僅かな隙間GP2(例えば、0.1mmの隙間)が形成されるような寸法関係に構成している。この僅かな隙間GP2によって、塵埃の侵入の防止や音の抑制ができる。
本発明のハンドル装置は、上記のように、頭部19Hと保持部材12Sによって、取り付けネジ19がハンドルアーム12Bから抜け止め状態に保持されると共に、長孔12Pに対して、嵌合部19Aは板バネ12Qによって両側から押し圧される状態を維持しつつ、回り止め状態で且つ嵌合部19Aにハンドルアーム12Bが長さ方向に移動可能に嵌り込んだ状態のハンドルを構成し、このハンドル12をハンドル軸12Aに取り付ける操作、及びハンドル12をハンドル軸12Aから緩める操作は、取り付けネジ19をドライバーなどのネジ回し工具を用いるのではなく、ハンドルノブ12Dを握持してハンドルアーム12Bを回転することにより行うものである。以下に、上記の構成のハンドル12をハンドル軸12Aに取り付ける場合について説明する。
パッキン12Wを前記段差部分へ取り付け、このパッキン12Wを覆うと共に第2側板外カバーの外側端11E2Pを覆うように、第2側板外カバー12E2にカバー部材12Yを配置する。この状態で先ず、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの開口に対し、取り付けネジ19の軸部19Bの先端を挿入状態に合わせ、この状態で、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの雌ネジ12RNに対し、取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNが螺合する(噛み合う)ようにハンドル12を正方向回転、即ち、ハンドルノブ12Dを握持してハンドルアーム12Bを正方向回転することにより、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの雌ネジ12RNに対して、取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNの螺合する(噛み合う)長さが深く(長く)なる。そして、取り付けネジ19の完全な締め付け状態に達する前の状態において、即ち、長孔12P内において嵌合部19Aが板バネ12Qによって両側から押し圧される状態を維持しつつ、回り止め状態で且つ嵌合部19Aに対してハンドルアーム12Bが長さ方向に移動可能な状態であり、この状態において、ハンドルアーム12Bを長孔19Pの範囲内で移動させ、ハンドルアーム12Bが所望の回転半径となるような嵌合部19Aと長孔19Pとの位置関係(後述のようにハンドル12の回転半径が最も長い状態、または最も短い状態)において、ハンドル12を更に正方向回転させることにより、取り付けネジ19の頭部19Hが板バネ12Qの取り付け部12Q1に圧接すると共に、ハンドルアーム12Bが、保持部材12S、カバー部材12Yを介してハンドル軸12Aの外側端12APを圧接し、最終的にハンドルアーム12Bがハンドル軸12Aにしっかりと締め付けられる状態となる。
また、ハンドルアーム12Bの回転半径を変更する場合、即ち、ハンドル12の回転半径を変更する場合は、ハンドル12を逆方向回転させる。即ち、ハンドルノブ12Dを握持してハンドルアーム12Bを逆方向回転することにより、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの雌ネジ12RNに対する取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNの螺合する(噛み合う)長さが短くなり、ハンドル12がハンドル軸12Aから緩んだ状態となる。この緩んだ状態では、保持部材12Sがネジなし軸部19Cに空回り状態に保持されており、且つ板バネ12Qの一対の押し圧辺12Q2が取り付けネジ19の嵌合部19Aを押し圧保持した状態にて、取り付けネジ19がハンドルアーム12Bに保持された状態である。
その状態は、嵌合部19Aが板バネ12Qの一対の押し圧辺12Q2による押し圧抵抗を受けつつ、取り付けネジ19に対してハンドルアーム12Bを長孔19Pの長さ方向への移動が可能な状態であるため、取り付けネジ19に対してハンドルアーム12Bが若干の摺動抵抗を受けることとなり、全く摺動抵抗を受けない場合に比して、取り付けネジ19に対してハンドルアーム12Bを移動させる操作が安定する。このように取り付けネジ19に対してハンドルアーム12Bを移動させることにより、ハンドル12の回転半径、即ち、ハンドル軸12Aに対するハンドルアーム12Bの取り付け長さが変更できる。この場合、嵌合部19Aが長孔19Pの先端部12PFに当接した状態が、ハンドル軸12Aに対するハンドルアーム12Bの取り付け長さが最も長い状態であり、ハンドル12の回転半径が最も長い状態である。この状態でハンドル12を正方向回転、即ち、ハンドルノブ12Dを握持してハンドルアーム12Bを正方向回転することにより、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの雌ネジ12RNに対する取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNの螺合する(噛み合う)長さが長くなり、上記のように、最終的にハンドルアーム12Bがハンドル軸12Aにしっかりと締め付けられ、ハンドル12の回転半径が最も長い状態にセットされる。
一方、上記のように、ハンドル12がハンドル軸12Aから緩んだ状態において、嵌合部19Aが長孔19Pの後端部12PRに当接した状態へ移動させることによって、ハンドル軸12Aに対するハンドルアーム12Bの取り付け長さが最も短い状態となり、ハンドル12の回転半径が最も短い状態となる。この状態でハンドル12を正方向回転、即ち、ハンドルノブ12Dを握持してハンドルアーム12Bを正方向回転することにより、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの雌ネジ12ANに対する取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNの螺合する(噛み合う)長さが長くなり、上記のように、最終的にハンドルアーム12Bがハンドル軸12Aにしっかりと締め付けられ、ハンドル12の回転半径が最も短い状態にセットされる。
上記のように、本発明では、ハンドル12は、ハンドル軸12Aに対して取り付けネジ19が緩んだ状態、または取り外された状態において、ネジなし軸部19Cに空回り状態に保持された保持部材12Sによって、長孔12P内において板バネ12Qが嵌合部19Aを両側から押し圧する状態を保持するため、取り付けネジ19とハンドルアーム12Bの相互のガタツキが抑えられると共に、取り付けネジ19に対するハンドルアーム12Bの傾きが抑制される。この状態でハンドル12の正方向回転へ、即ち、ハンドルアーム12Bの正方向回転へ安定して移行することができる点で特徴がある。また、取り付けネジ19がハンドルアーム12Bに回り止め状態で、且つ嵌合部19Aにハンドルアーム12Bが長さ方向に移動可能に嵌り込んだ状態となるため、長孔12P内において、ハンドル12の回転半径を変更可能となる。
上記のように、本発明では、ハンドルの固定及び緩めの操作が、ハンドル12の回転によって容易に行なえるものであり、ハンドル12の回転半径が最も長い状態と最も短い状態のいずれかに容易に選択変更できるが、ハンドル12の回転半径をこの中間の長さにすることも可能である。この中間の長さにする場合は、嵌合部19Aが長孔19Pの先端部12PFと後端部12PRのいずれにも当接しない中間位置において、ハンドル12を正方向回転、即ち、ハンドルノブ12Dを握持してハンドルアーム12Bを正方向回転することにより、ハンドル軸12Aの取り付け孔12Rの雌ネジ12ANに対する取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNの螺合する(噛み合う)長さが長くなり、上記のように、最終的にハンドルアーム12Bがハンドル軸12Aにしっかりと締め付けられ、ハンドル12の回転半径が、中間の長さ状態となる。
本発明のハンドル装置を実施した一つの具体例を以下に記載する。図4、図5、図7及び図8を参照して、保持部材12Sにワッシャ部材のような厚さt1の板状環状部材を採用した場合において、取り付けネジ19の軸部19Bの雄ネジ19BNは、M6のネジ、即ち、ネジの外径(山径)t5が6mmでありネジの内径(谷径)t3が5mmのネジであり、保持部材12Sの雌ネジ12SNもこのM6のネジと螺合するネジであり、雌ネジ12SNの内径t4は、t3+0.1mmのように若干大きく設定している。また、ハンドル軸12Aに対して取り付けネジ19が緩んだ状態において、保持部材12Sがネジなし軸部19Cにおいて空回り状態に保持されるようにするために、ネジなし軸部19Cの長さt2は保持部材12Sの厚さt1よりも若干大きく設定され、ネジなし軸部19Cの外径はt3である。更に図3に示すように、取り付けネジ19が締めつけられた状態で、保持部材12Sと雄ネジ19BNの端部との間に、ネジなし軸部19Cの一部分tp(図3の二点鎖線で囲まれた部分を拡大図に示す)が臨む寸法関係である。なお、ネジなし軸部19Cの長さt2は、ハンドル軸12Aに対して取り付けネジ19が緩んだ際、またはハンドル軸12Aに対して取り付けネジ19を外した際に、保持部材12Sがネジなし軸部19Cに嵌った状態おいて、嵌合部19Aに対するハンドルアーム12Bのガタツキが少なく、且つ保持部材12Sがネジなし軸部19Cに空回り状態に保持される構成が好ましい。このため、tpは小さく設定するのが好ましく、ネジなし軸部19Cの長さt2と保持部材12Sの厚さt1の差(t2−t1)は、0.1〜0.3mm程度あれば、好ましい状態となる。
取り付けネジ19の嵌合部19Aの長さt11は長孔12Pの長さt9よりも十分短く設定され、長さt9と長さt11の差がハンドル12の回転半径の変更範囲となる。また嵌合部19Aと長孔12Pとが相対移動できるようにするために、嵌合部19Aの厚さt7は長孔12Pの幅t10よりも若干小さく、且つ、板バネ12Qの一対の押し圧辺12Q2と嵌合部19Aとが当接状態でもって相対的に摺動できる寸法である。頭部19Hからの嵌合部19Aの突出長さt6は、板バネ12Qの取り付け部12Q1の厚さt14+ハンドルアーム12Bの厚さt12よりも若干短く設定されている。また、板バネ12Qの一対の押し圧辺12Q2が長孔12Pに侵入する長さt13は、ハンドルアーム12Bの厚さt12よりも短く設定されており、図7および図8に示すように、一対の押し圧辺12Q2が嵌合部19Aの両側壁を押し圧する部分12QT(図示の形状では一対の押し圧辺12Q2の先端部分)が、長孔12Pの中間(ハンドルアーム12Bの厚さt12内)に位置する構成である。また、一対の押し圧辺12Q2が嵌合部19Aの両側壁を押し圧する部分12QTの間隔t8は、嵌合部19Aの厚さt7よりも若干短い構成である。即ち、t8<t7<t10の関係である。これによって、取り付けネジ19が締まった状態及び緩んだ状態のいずれにおいても、一対の押し圧辺12Q2の押し圧する部分12QTが、嵌合部19Aの両側壁を押し圧する状態が維持されるようになる。
なお、図7及び図8の板バネ12Qの取り付けとは逆位置、即ち、板バネ12Qの取り付け部12Q1をハンドルアーム12Bの内側面(図7及び図8では下側面)に取り付け、その取り付け部12Q1から一対の押し圧辺12Q2が長孔12Pに侵入するように構成することもできる。この場合、嵌合部19Aの両側壁を押し圧する部分12QTが尖っておれば、取り付けネジ19を長孔12Pに侵入させる際の抵抗が大きく、その侵入操作がし難いため、一対の押し圧する部分12QTが尖らないように、互いに離れる方向へ屈曲した形状とすることにより、その問題は解決する。
上記のように、ハンドル12は、ハンドル軸12Aに対して取り付けネジ19が緩んだ状態、または取り外された状態において、保持部材12Sによって、取り付けネジ19がハンドルアーム12Bから抜け止め状態に保持されると共に、長孔12Pに侵入した嵌合部19Aの一対の平行な側面19PAを板バネ12Qの一対の押し圧辺12Q2が、常に両側から押し圧している状態を保持部材12Sによって維持され、取り付けネジ19がハンドルアーム12Bに回り止め状態で、且つ嵌合部19Aにハンドルアーム12Bが長さ方向に移動可能に嵌り込んだ状態である。
上記の実施例では、保持部材12Sとカバー部材12Yを別体構成としているが、保持部材12Sをカバー部材12Yの形状をするように一つの部材で構成することができる。このように構成された保持部材を保持部材12S2と称すれば、この保持部材12S2に雌ネジ12SNが形成された貫通孔12S1を形成し、この保持部材12S2と雄ネジ19BNとの間に、図3同様に、ネジなし軸部19Cの一部が臨む部分tp(図3の二点鎖線で囲まれた部分を拡大図に示す)が形成されるようにすれば、上記同様に本発明が達成される。
また、上記の実施例では、ハンドル軸12Aの外側端12APがその周囲に配置された第2側板外カバーの外側端11E2Pよりもハンドルアーム12B側へ大きく突出した構成であるが、ハンドル軸12Aの外側端12APが第2側板外カバーの外側端11E2Pよりも僅かに(例えば0.1mm)突出するように形成し、保持部材12Sにワッシャ部材のような板状環状部材を採用することによって、取り付けネジ19による締め付けによって、保持部材12Sがハンドル軸12Aの外側端12APに当接する構成とすれば、環状パッキン12Wとカバー部材12Yを省くことができる。
なお、図1及び図2に示すように、操作者の左手LHの親指LH1によるドラグレバー14の操作性の向上等のために、スプール15の右側のフランジ部15Cを覆う第2側板11B部分の円弧状の上面には、その上面に沿ってドラグレバー14の上端部が覆い被さる状態で揺動自在に嵌まり込む円弧状溝部70を形成している。具体的構成として、操作者の左手LHの親指LH1がドラグレバー14の上端部を操作し易いようにするために、ドラグレバー14の一部をなすようにドラグレバー14の上端部の操作部14Dとして、合成樹脂製の親指タッチ部材14Dを取り付けており、この操作部14Dから下方へ突出した突起部14D1が、円弧状溝部70に沿って移動可能に嵌まり込んだ構成である。これによって、突起部14A1が円弧状溝部70に沿った移動を行うため、ドラグレバー14の前後揺動操作を安定して行えるものとなる。
また、レバードラグ式リール1の右側に配置されるドラグ調整部材51の回動位置を操作者に音で認識させるためと、ドラグ調整部材51の回動を段階的に行えるようにするために、図2に拡大図にて示すように、発音装置95を設けている。発音装置95は、ドラグ調整部材51に対向するカム体32Bの外側面に、球面状の窪み96が円形状に等間隔で形成され、ドラグ調整部材51からこの窪み96へ向けて、先端球面状部が突出するようにバネ98で付勢された進出体97によって構成されている。進出体97は、図2に拡大で示すように球状体でもよいが棒状でもよい。なお、発音装置95と同様の構成でもって、ドラグレバー14の回動位置を操作者に音で認識させるため、及びドラグレバー14の回動を段階的に行えるようにするために、ドラグレバー14の操作部14Dにバネで付勢された進出体を設け、この進出体がドラグレバー14の回動に伴って円弧状溝部70の底面に形成した窪み70Dに段階的に嵌り合う発音装置65を設けている。
これによって、ドラグ調整部材51の回動に伴って窪み96に対して進出体97が順次進入脱出動作を行うためその都度発音することとなり、ドラグ調整部材51の回動位置を操作者が音で認識できる。また、窪み96に対して進出体97が進入する度に、ドラグ調整部材51の回動が断続的に抵抗を受けることとなり、ドラグ調整部材51の回動が段階的動作となり、ドラグ調整部材51の回動操作を安定して行えるものとなる。
レバードラグ式リール1の左側に、釣り糸62の繰り出しに伴うスプール15の回転にブレーキを掛けるブレーキ装置75を備えている。具体的には、図2に示すように、第1側板11A内にブレーキ装置75が収容され、ブレーキ装置75の操作部76が第1側板11Aの一部である第1側板カバー11Dの左側面の前上部に露出状態で配置されている。ブレーキ装置75は、スプール15の左側面に対し離れる方向へコイルバネ78にて付勢された作動体77と、第1側板11A内に回動自在に軸支持76Aされ、コイルバネ78に抗して作動体77をスプール15のフランジ部15Bの外側面へ押し圧する操作部76を備えている。
通常、コイルバネ78の付勢によって作動体77はスプール15の側面から離れた状態である。これと共に操作部76の一部は、コイルバネ78によって外方へ付勢された作動体77によって、第1側板カバー11Dの外に露出状態である。実釣の最初に行なうキャスティングとして、ジグと称される錘式のルアーを使用した釣り糸62を釣り竿60から略真下へ向けて垂らす際や、実釣中に釣れた魚による引きによって、釣り糸62の繰り出しに伴ってスプール15が回転するとき、この回転にブレーキを掛けるためには、操作部76を操作者の左手LHの親指LH1か人差し指LH2によって押し圧することにより、作動体77の先端がスプール15の左側面に圧接する程度によって、スプール15の回転にブレーキが掛かる。
実釣中に釣針が岩等の異物に引っ掛かったときなどの異常時に、釣り竿60の強い引き上げ操作によってその引っ掛かりを外す、または釣り糸62を切る操作を行なう。そのために、釣り糸62の繰り出し方向へのスプール15の回転を停止させるストップ装置85が、図2に示すように、レバードラグ式リール1の左側の第1側板11A内に収容されている。
ストップ装置85は、スプール15の左側面に取り付けたラチェット車(つめ車)86の歯に対して係止と離脱を行なうロック部材87と、ロック部材87を操作するロック操作部88を備えており、通常時はロック部材87がラチェット車(つめ車)86の歯に係止状態ではなく、ロック操作部88が第1側板11Aの下部に露出するようにバネ付勢されている。そして、上記異常時には、ロック部材87がラチェット車86の歯に係止してスプール15の回転を停止させるように、ロック操作部88を回動操作する。
レバードラグ式リール1は、スプール15の左フランジ部15Bと第1側板11Aとの隙間や、スプール15の右フランジ部15Cと第2側板11Bとの隙間に、釣り糸62が侵入することを防止して、釣り糸62がスプール15へ案内されるようにするために、図1に示すように、スプール15の前面側にスプール15から離間した状態に釣り糸ガイド90を設けている。釣り糸ガイド90は、スプール15の左フランジ部15B及び右フランジ部15Cよりも外側位置において、基部90Aが第1側板11Aと第2側板11Bとに取付けられ、これら基部90A間に湾曲状の釣り糸ガイド部90Bを左右に一体形成した線状体で形成されている。釣り糸ガイド90を安定保持するために、左右の釣り糸ガイド部90Bの連絡部が連結部11Cの溝に上部が露出する状態で嵌まり込んでいる。
本発明は、ハンドル軸に対してハンドルアームが取り付けネジによって取り付けられており、ハンドルの逆方向回転(釣り糸巻き取り方向とは逆方向の回転)によって、取り付けネジが緩んでハンドル軸に対するハンドルアームの取り付けが緩み、その状態でハンドル軸に対するハンドルアームの取り付け位置が移動可能となり、ハンドルアームを移動して所定の回転半径になる位置で、ハンドルを正方向回転(釣り糸巻き取り方向回転)することによって取り付けネジが締まり、所定の回転半径で回転できるように、ハンドル軸に対するハンドルアームの取り付けが固定されるハンドル装置である。
このため本発明は、上記のように、スプール15がハンドルの正方向回転に伴って回転する両軸受けリールに適用できることは勿論である。また、スプールは回転しない状態にリール本体に支持されているが、ハンドルの正方向回転に伴って釣り糸案内装置がスプールの周囲を回転することにより、釣り糸をスプールへ巻回する構成のスピニングリールにおいても適用できるものである。本発明は、上記の実施例に限定されず、本発明の趣旨に則る種々の実施形態を含むものである。