JP2014078701A - 有機薄膜太陽電池素子用材料およびその用途 - Google Patents

有機薄膜太陽電池素子用材料およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換素子に用いた場合、蒸着やスピンコートにより製膜が可能であり、かつ優れた性能(高い光電気変換効率)を発揮し、特に光電変換材料に好適に用いることができる光電変換素子用材料を提供する。
【解決手段】下記一般式[1]等で表される化合物を含んでなる有機薄膜太陽電池素子用材料。(式中、R1〜R5は、置換基を表す。)一般式[1]
Figure 2014078701

【選択図】なし

Description

本発明は、新規な有機薄膜太陽電池素子(以下光電変換素子と略記)用材料およびその用途に関する。さらに詳しくは、光電変換素子に用いた場合、蒸着やスピンコートにより製膜が可能であり、かつ優れた性能(高い光電気変換効率)を発揮し、特に光電変換材料に好適に用いることができる光電変換素子用材料に関する。
近年、光電変換素子は、太陽光を直接電力に変換でき、さらにはその発電の過程で有害ガス等を全く発生しないクリーンな省エネルギーソースであり、注目を集めている。これまでは、シリコンや化合物半導体を用いたものが開発、実用化されている。中でも、シリコンを用いたものは、製造過程で高純度シリコンが必要とされ、製造工程は高温プロセスからなり、製造に要するエネルギーを考慮すると、光電変換素子として必ずしも省エネルギー技術に十分貢献しているとは言えなかった。また、これらデバイスはその性質上、固く、もろいといった特徴を持っている。さらに、高温プロセスが必要となり、基材には、ガラスを用いることが必要条件となっている。
近年の技術開発により、これら問題点を解決すべく、製造時の省エネルギー化が期待で
き、高温プロセスを用いず大面積化が用意な( 塗布) プロセスが適応できる有機材料を用いた太陽電池が注目されている。(特許文献1)さらに、低温でデバイスが作製できるため、基材にプラスチックなどを利用することも可能で、軽量且つフレキシブルなデバイスの実現も可能であり、新たな応用用途が期待されている。
有機薄膜太陽電池素子においては、高い光電変換効率と長寿命化が求められている。光電変換層にベンゾポルフィリンやフタロシアニン、共役系ポリマー等の有機p型半導体と、ペリレンジイミドやフラーレン誘導体等の有機n型半導体からなる薄膜を挟んだ素子構造を有する有機薄膜太陽電池の実用化検討はなされているが、現状では、光電変換効率は未だ2〜3% と低く、更なる効率向上が課題となっている。一方、有機薄膜太陽電池の光電変換効率向上を解決する手段として、例えば(非特許文献1)では、有機半導体材料として、ポルフィリンやフタロシアニン誘導体の他に、潜在顔料としてジケロピロロピロールが報告されている。(非特許文献2)
その中で、フラン環を含有するジケロピロロピロール誘導体は、吸収波長が長波長化すると考えられているフラン環を含有する化合物に注目すると、ポリマー材料が多く報告されている。(非特許文献3〜7)しかし、ポリマー材料である場合、いずれも素子の寿命は短く、実用的な材料とはいい難いという欠点があった。
また、フラン環を含有するジケロピロロピロール誘導体として、低分子材料が開示されている。(特許文献2)しかしながら、N原子上に置換基が無い(本願実施例における化合物(A)参照)為、吸収波長が短く、かつ、結晶性が高い為、素子の寿命が短く、実用的な材料とはいい難いという欠点があった。
また、チオフェン環を含有するジケロピロロピロールのポリマー誘導体が開示されている。(特許文献3)しかし、いずれも素子の寿命は短く、実用的な材料とはいい難いという欠点があった。
また、チオフェン環を含有するジケロピロロピロール誘導体が開示されている(特許文献4)。しかしながら、フラン環を含有するジケロピロロピロール誘導体について記載された特許文献は無い。
また、一般に有機デバイスは、熱、光、水分、酸素などの外的要因により有機材料そのものが劣化し、無機デバイスに比べて寿命が短いといった特性がある。さらに、光電変換素子は、実用化には、光電変換効率を向上させる必要がある。
また、光電変換材料は一般的に薄膜として使用されるため、薄膜の経時安定性がデバイスの寿命に大きな影響を与える。さらに、塗布プロセスを応用するためには、汎用の溶媒に対して、高い溶解性が必要とされている。
特開2004-335737号公報 特開2010-192782号公報 特開2009-541548号公報 特開2011-501743号公報
松尾豊著 有機薄膜太陽電池の科学 化学同人 2011年発行 53〜94頁 J.S.Zambounis,Z.Hao,A.Iqbal,Nature,388,131(1997) Phys. Chem. Chem. Phys., 2012, 14, 7162-7169 J. Mater. Chem., 2012, 22, 4425-4435 J. Mater. Chem., 2011, 21, 1600-1606 J.Am.Chem.Soc.2010,132,15547-15549 J.Am.Chem.Soc.2012,134,2180-2185
本発明の課題は、光電変換素子用材料に有用で、蒸着、および塗布製膜が可能であり、且つ、高い光電変換効率を示す、ジケトピロロピロールを基本骨格とする化合物を提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記一般式[1]で表される化合物、および/または下記一般式[2]で表される化合物を含んでなる有機薄膜太陽電池素子用材料に関する。
一般式[1]
Figure 2014078701
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、下記一般式[3]で表される基、または、下記一般式[4]で表される基を表すが、R3〜R5の少なくとも1つは、一般式[3]で表される基、および、一般式[4]で表される基のいずれかである。)
一般式[2]
Figure 2014078701
(式中、R6およびR7は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
8〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、下記一般式[3]で表される基、または、下記一般式[4]で表される基を表すが、R8〜R10の少なくとも1つは、一般式[3]で表される基、および、一般式[4]で表される基のいずれかである。)
一般式[3]
Figure 2014078701
(式中、Xは、−O−、−NR19−、または、−S−を表し、
19は、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基を表す。
11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換シリル基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、または、置換アミノ基を表す。)
一般式[4]
Figure 2014078701
(式中、R14〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換シリル基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、または、置換アミノ基を表し、R14〜R18は、隣り合う置換基どうしで環を形成しても良い。)
また、本発明は、一対の電極間に光電変換層を含む有機層を形成してなる有機薄膜太陽電池素子において、光電変換層が、上記有機薄膜太陽電池素子用材料を含んでなる有機薄膜太陽電池素子に関する。
また、本発明は、光電変換層に、n型半導体材料としてフラーレン誘導体を含むことを特徴とする上記有機薄膜太陽電池素子に関する。
また、本発明は、光電変換層に、n型半導体材料として無機半導体を含むことを特徴とする上記有機薄膜太陽電池素子に関する。
また、本発明は、光電変換層が塗布により成膜されてなる請求項4〜6いずれか記載の有機薄膜太陽電池素子に関する。
また、本発明は、上記有機薄膜太陽電池素子用材料と有機溶剤からなる有機薄膜太陽電池素子用インキ組成物に関する。
本発明の光電変換素子用材料を用いた光電変換素子は、高い光電変換効率を示し、かつ、長寿命であるため、表示板、標識灯の電源としても使用可能である。
以下、詳細にわたって本発明を説明する。
まず、一般式[1]におけるR1およびR2、ならびに、一般式[2]におけるR6およびR7は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表す。
1およびR2、ならびに、R6およびR7における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を指し、そのようなものとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基といった炭素数1〜18のアルキル基が挙げられる。
また、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデセニル基といった炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられる。
また、アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基といった炭素数2〜18のアルキニル基が挙げられる。
また、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基といった炭素数3〜18のシクロアルキル基が挙げられる。
1およびR2、ならびに、R6およびR7におけるアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜14のアルコキシカルボニル基が好ましい。このようなものとして、以下の例には限定されないが、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基が挙げられる。
1およびR2、ならびに、R6およびR7におけるアリ−ルオキシカルボニル基としては、炭素数2〜14のアリ−ルオキシカルボニル基が好ましい。このようなものとして、以下の例には限定されないが、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基が挙げられる。
次に、一般式[1]におけるR3〜R5、ならびに、一般式[2]におけるR8〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3]で表される基、または、一般式[4]で表される基を表すが、R3〜R5の少なくとも1つ、ならびに、R8〜R10の少なくとも1つは、一般式[3]で表される基、および、一般式[4]で表される基のいずれかである。
ここで、R3〜R5、ならびに、R8〜R10におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式[3]におけるXは、−O−、−NR19−、または、−S−を表し、R19は、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基を表す。
19における脂肪族炭化水素基は、R1およびR2における脂肪族炭化水素基と同義である。
19における芳香族炭化水素基としては、単環、縮合環、環集合炭化水素基が挙げられる。
ここで、単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の炭素数6〜18の単環芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、縮合環炭化水素基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基等の炭素数10〜18の縮合環炭化水素基が挙げられる。
また、環集合炭化水素基としては、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基等の炭素数12〜18の環集合炭化水素基が挙げられる。
一般式[3]におけるR11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換シリル基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、または、置換アミノ基を表す。
11〜R13におけるハロゲン原子は、R3〜R5におけるハロゲン原子と同義である。
11〜R13における脂肪族炭化水素基は、R1およびR2における脂肪族炭化水素基と同義である。
11〜R13における芳香族炭化水素基は、R19における芳香族炭化水素基と同義である。
11〜R13における脂肪族複素環基としては、2−ピラゾリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2−モルホリニル基といった炭素数3〜18の脂肪族複素環基が挙げられる。
11〜R13における芳香族複素環基としては、トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロ−リル基、2−ピロ−リル基、3−ピロ−リル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、N−インドリル基、N−カルバゾリル基、N−アクリジニル基、2−チオフェニル基、3−チオフェニル基、ビピリジル基、フェナントロリル基といった炭素数2〜18の芳香族複素環基が挙げられる。
11〜R13における置換シリル基としては、置換もしくは未置換のアルキル基、または、置換もしくは未置換のアリール基によって置換されたシリル基であり、モノアルキルシリル基、モノアリールシリル基、ジアルキルシリル基、ジアリールシリル基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基等といった置換シリル基が挙げられる。
ここで、モノアルキルシリル基としては、モノメチルシリル基、モノエチルシリル基、モノブチルシリル基、モノイソプロピルシリル基、モノデカンシリル、モノイコサンシリル基、モノトリアコンタンシリル基等のモノアルキルシリル基が挙げられる。
また、モノアリールシリル基としては、モノフェニルシリル基、モノトリルシリル基、モノナフチルシリル基、モノアンスリルシリル基等のモノアリールシリルが挙げられる。
また、ジアルキルシリル基としては、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジブチルシリル基、ジオクチルシリル基、ジデカンシリル基等のジアルキルシリル基が挙げられる。
また、ジアリールシリル基としては、ジフェニルシリル基、ジトリルシリル基等のジアリールシリルが挙げられる。
また、トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリオクチルシリル基等のトリアルキルシリル基が挙げられる。
また、トリアリールシリル基としては、トリフェニルシリル基、トリトリルシリル基等のトリアリールシリル基が挙げられる。
11〜R13におけるアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基といった炭素数1〜8のアルコキシル基が挙げられる。
11〜R13におけるアリ−ルオキシ基としては、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基といった炭素数6〜14のアリ−ルオキシ基が挙げられる。
11〜R13における置換アミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−フェニル−N−メチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ビス(m−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−ビフェニリル)アミノ基、ビス[4−(4−メチル)ビフェニリル]アミノ基、N−α−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−β−ナフチル−N−フェニルアミノ基等の炭素数2〜26の置換アミノ基が挙げられる。
一般式[4]におけるR14〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換シリル基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、または、置換アミノ基を表し、R14〜R18は、隣り合う置換基どうしで環を形成しても良い。
14〜R18におけるハロゲン原子は、R3〜R5におけるハロゲン原子と同義である。
14〜R18における脂肪族炭化水素基は、R1およびR2における脂肪族炭化水素基と同義である。
14〜R18における芳香族炭化水素基は、R19における芳香族炭化水素基と同義である。
14〜R18における脂肪族複素環基は、R11〜R13における脂肪族複素環基と同義である。
14〜R18における芳香族複素環基は、R11〜R13における芳香族複素環基と同義である。
14〜R18における置換シリル基は、R11〜R13における置換シリル基と同義である。
14〜R18におけるアルコキシル基は、R11〜R13におけるアルコキシル基と同義である。
14〜R18におけるアリ−ルオキシ基は、R11〜R13におけるアリ−ルオキシ基と同義である。
14〜R18における置換アミノ基は、R11〜R13における置換アミノ基と同義である。
これら、脂肪族炭化水素基、アルコキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシル基、アリ−ルオキシ基は、さらに他の置換基によって置換されていても良い。そのような置換基としては、前述の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基が挙げられる。
以上、一般式[1]で表される化合物および一般式[2]で表される化合物について説明した。これらの化合物を光電変換素子用材料として蒸着法によって光電変換素子を作成する場合、光電変換素子用材料の分子量としては、1500以下が好ましく、1200以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましく、800以下が特に好ましい。この理由として、分子量が大きいと、蒸着による素子の作製が困難になる懸念があるためである。
しかし、塗布法により光電変換素子を作成する場合は、この限りではない。この場合、分子量よりも、使用する溶媒に対する溶解性と塗布膜のアモルファス性が重要となる。
更に、詳細に説明すると、本発明の光電変換素子用材料は、ジケトピロロピロール環のN原子に置換基(具体例:R1およびR2、R6およびR7)が水素原子である場合、分子間水素結合により塗工溶媒への溶解性が低下し、塗布による光電変換素子作成が困難となる。
本発明の光電変換素子用材料の代表例を、以下の表1に示すが、本発明は、この代表例に限定されるものではない。
Figure 2014078701
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本発明における、n型半導体の例としては、フラーレン(C60、C70、C76等)化合物; オクタアザポルフィリン、上記p型半導体のパーフルオロ体、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物;及び、これらの化合物を骨格として含む誘導体などが挙げられる。その中でも好ましくはフラーレン化合物であり、さらに好ましくはインデン類が付加されたフラーレン化合物である。インデン類が付加されたフラーレン化合物は、特段の制限はないが、例えば国際公開第2008/018931号に記載のものが挙げられる。
次に、n型半導体として用いられるフラーレン誘導体の代表例を、以下の表2に示すが、本発明は、この代表例に限定されるものではない。
Figure 2014078701
Figure 2014078701
次に、n型半導体として用いられる無機半導体の代表例を、以下の表3に示すが、本発明は、この代表例に限定されるものではない。
Figure 2014078701
n型半導体として用いられる無機半導体は、単結晶、多結晶、アモルファス、または、これらの混合状態で用いることが出来る。光電変換効率の観点で見ると、電子移動度が高い単結晶や多結晶が好ましく、単結晶が特に好ましい。
次に、p型半導体の例として、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポルフィリン等のポルフィリン化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン等のフタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、テトラセンやペンタセンのポリアセン、セキシチオフェン等のオリゴチオフェンおよびこれら化合物を骨格として含む誘導体が挙げられる。さらに、ポリ(3−アルキルチオフェン) などを含むポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール等の高分子等を用いることもできる。
光電変換層は、n型半導体及びp型半導体を含有する。少なくともp型半導体および
n型半導体が含有されていれば、光電変換層の具体的な構成は任意である。すなわち光電変換層は、単層の膜のみによって構成されていてもよく、2以上の積層膜によって構成されていてもよい。例えば、n型半導体とp型半導体とを別々の膜に含有させるようにしても良く、n型半導体とp型半導体とを同じ膜に含有させても良い。また、n型半導体及びp型半導体は、それぞれ、1種の半導体材料で構成されていてもよく、任意の2種以上の半導体材料を任意の比率で併用しても良い。
具体例として、光電変換層は、p型半導体とn型半導体とが層内で相分離した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型であってもよい。また光電変換層は、p型半導体を含む層( p層)とn型半導体を含む層(n層)との間の界面を有する積層型(ヘテロpn接合型)であってもよい。さらには、光電変換層はショットキー型であってもよく、以上の種類の組み合わせであってもよい。これらの中でもバルクへテロ接合型、およびバルクへテロ接合型と積層型とを組み合わせた形式(p−i−n接合型)が、高い性能を示すことから好ましい。
光電変換層のp層、i層、n層各層の厚みに制限はないが、好ましくは3nm以上、さらに好ましくは10nm以上であり、また、好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。層厚を厚くすることにより、膜の均一性が高まる傾向がある。また、層厚を薄くすることで透過率が向上し、直列抵抗が低下する傾向がある。
電極は導電性を有する任意の材料により形成することが可能である。電極の材料の例を挙げると、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属あるいはそれらの合金; 酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物、あるいはこれらの合金(ITO)、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子、前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCI3 等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させた金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料、などが挙げられる。なかでも、正孔を捕集する電極には、Au 、ITO等の高い仕事関数を有する材料が好ましい。一方、電子を捕集する電極には、Alのような低い仕事関数を有する材料が好ましい。仕事関数を最適化することにより、光吸収により生じた正孔及び電子を良好に捕集することができる。
尚、本発明における、湿式成膜法とは、塗布法、インクジェット法、ディップコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコーター法、湿漬塗布法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷、スクリーン印刷法、LB法等などにより、組成物を塗布して成膜するものである。
光電変換素子用材料は、高純度の材料が要求されるが、本発明の化合物は、昇華精製法や再結晶法、再沈殿法、ゾーンメルティング法、カラム精製法、吸着法など、あるいはこれら方法を組み合わせて行うことができる。これら精製法の中でも再結晶法によるのが好ましい。昇華性を有する化合物においては、昇華精製法によることが好ましい。昇華精製においては、目的化合物が昇華する温度より低温で昇華ボートを維持し、昇華する不純物を予め除去する方法を採用するのが好ましい。また昇華物を採集する部分に温度勾配を施し、昇華物が不純物と目的物に分散するようにするのが望ましい。以上のような昇華精製は不純物を分離するような精製であり、本発明に適用しうるものである。また、昇華精製を行うことにより、材料の蒸着性の難易度を予測するのに役立つ。
次に、光電変換素子用インキ組成物について説明する。
本発明における光電変換素子用インキ組成物は、少なくとも本発明の光電変換素子用材料と溶剤を含有する。
上記、光電変換素子用インキ組成物に含まれる溶剤としては種々の溶剤が適用可能であり、特に限定されない。例えば、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素。クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素。1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル。酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル。シクロヘキサノン、シクロオクタノン等の脂環を有するケトン。メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン。メチルエチルケトン、シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環を有するアルコール。ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール。エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル。酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル等が挙げられる。
これらのうち、水の溶解度が低い点、容易には変質しない点で、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素が好ましい。
また、これらの溶媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。尚、使用可能な溶媒はこれらに限定されるものではない。
光電変換素子には、陰極等の水分により著しく劣化する材料が多く使用されているため、組成物中の水分の存在は、乾燥後の膜中に水分が残留し、素子の特性を低下させる可能性が考えられ好ましくない。
また、湿式成膜時における組成物からの溶剤蒸発による、成膜安定性の低下を低減するためには、光電変換素子用組成物の溶剤として、沸点が100℃以上、好ましくは沸点が150℃以上の溶剤を用いることが効果的である。
本発明の光電変換素子用インキ組成物は、光電変換材料が低分子材料であって、湿式成膜法によりこの光電変換材料を含有する層が形成される光電変換発光素子に用いられることが好ましい。
本発明の光電変換素子用インキ組成物は、主に、光電変換材料を含有させ、光電変換層を形成するために用いられるが、他の層に用いてもよい。
本発明の材料は、特に湿式成膜法での薄膜作製に適している。湿式成膜で薄膜を作製するためには、上記で挙げた溶媒等に材料が溶解することが必要であるが、単に溶解するだけでは不十分である。通常、乾式成膜法で薄膜を作製する材料でも、溶媒にある程度溶解させることができる。しかし、湿式成膜法では、材料を溶媒に溶解させて薄膜にした後で、溶媒が蒸発して薄膜が形成する過程があり、湿式成膜法に適さない材料は結晶性が高いものが多いため、この過程で結晶化してしまい良好な薄膜を形成させることが困難である。本発明の材料は、このような結晶化が起こりにくい点でも優れている。
光電変換層を作製する際、本発明の材料は、単独であっても、他の材料と一緒に用いても良い。さらに、発生したキャリア( ホールまたは電子) を電極まで効率よく運ぶため、あるいは、電極へのキャリアの注入障壁を軽減させるために、有機半導体層と電極の間に電荷輸送層を形成しても良い。
その際に用いることができる電子供与性有機材料としては、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体が用いられる。また、高分子に限定されるものではなく、例えばポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、1,1− ビス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(P−トリル)−P−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−P−トリルアミノ)ナフタレン、4,4’−ビス( ジメチルアミノ)−2−2’−ジメチルトリフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N、N’−ジフェニル−N、N’−ジ−m−トリル−4、4’− ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ−ル等の芳香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルアミノスチルベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン等のスチルベン化合物や、トリアゾール誘導体や、オキサジザゾール誘導体や、イミダゾール誘導体や、ポリアリールアルカン誘導体や、ピラゾリン誘導体や、ピラゾロン誘導体や、フェニレンジアミン誘導体や、アニールアミン誘導体や、アミノ置換カルコン誘導体や、オキサゾール誘導体や、スチリルアントラセン誘導体や、フルオレノン誘導体や、ヒドラゾン誘導体や、シラザン誘導体や、ポリシラン系アニリン系共重合体や、高分子オリゴマーや、スチリルアミン化合物や、芳香族ジメチリディン系化合物や、ポリ(3−メチルチオフェン)等も用いられる。
本発明においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により光電変換層に本発明のインキ組成物に、他の公知の材料を含有させても良く、また、本発明の組成物を湿式成膜法により成膜した光電変換層に、他の公知の光電変換材料を含む光電変換層を積層しても良い。尚、この場合、他の公知の光電変換材料を含む光電変換層は真空蒸着法等の乾式法で形成してもよい。
一般に光電変換素子は透光性の基板上に作製する。ここでいう透光性基板は光電変換素子を支持する基板であり、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で、平滑な基板が好ましい。
具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
本発明の光電変換素子用インキ組成物は、本発明の光電変換素子用材料の含有量が0.5wt%以上であることが好ましい。通常、光電変換素子の光電変換層膜厚は10〜100nmであるが、一般的には50nm以上の場合が多い。50nmよりも薄い膜厚になると光電変換性能の低下等の不具合を生じてしまう。50nm以上の膜厚を容易に形成するには0.5wt%以上の溶液濃度であることが好ましい。0.5wt%よりも濃度が低い場合は厚膜形成が困難となる。
本発明の光電変換素子用インキ組成物には、上述した光電変換素子用材料と溶剤の他に、必要に応じて公知の添加剤を添加してもよい。
添加剤として、有機薄膜層に樹脂バインダーを用いることも可能である。有機薄膜層の樹脂バインダーとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン等の絶縁性ポリマーおよびこれらの共重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン等の光伝導性ポリマー、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン等の導電性ポリマーを挙げることができる。樹脂バインダーは、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。薄膜の機械的強度を考慮するとガラス転移温度の高い樹脂バインダーが好ましく、電荷移動度を考慮すると極性基を含まない構造の樹脂バインダーや光伝導性ポリマー、導電性ポリマーが好ましい。この樹脂バインダーは使わない方が有機半導体の特性上好ましいが、目的によっては使用することもある。この場合の樹脂バインダーの使用量は、特に制限はないが、有機半導体薄膜層中、好ましくは0.05〜20質量% で用いられる。
本発明の光電変換素子用インキ組成物は、公知の湿式成膜法、例えば、塗布法、インクジェット法、ディップコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコーター法、湿漬塗布法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷、スクリーン印刷法、LB法等により成膜できる。
ここで、本発明の光電変換素子用材料を用いて作成することができる光電変換素子について詳細に説明する。
一般的に、有機光電変換素子は、一対の電極と有機半導体層から構成される。光電変換
効率の向上などを目的に、電極と有機半導体のエネルギー的なマッチングや有機半導体層
の作製法方などによってさまざまな形の素子構造が提案されている。
1 .ショットキー型光電変換素子
電子供与性(p型) または電子受容性(n型) の有機半導体と電極との界面において形
成されるショットキー障壁を利用し、光起電力を得る光電変換素子である。例えば、p型
の光電変換層を用いた場合には、一対の電極のうち仕事関数が小さいほうの電極との界面
にショットキー障壁が形成され、その界面に電荷分離が生じ光電変換が行われる。
2 .バイレイヤーヘテロ接合型光電変換素子
一対の電極の間に、電子供与性(p型) および電子受容性(n型) の有機半導体層を個
々に形成し、pn接合界面に光電荷分離を生じさせ光電流を得る光電変換素子である。
3 .バルクヘテロ接合型光電変換素子
一対の電極の間に、電子供与性(p型)および電子受容性(n型)の有機半導体材料を
任意の比率で混合させ有機半導体層を形成する。この際、p型及びn型の材料は均一に分
散していても、不均一であっても構わない。個々のp型材料、n型材料が形成する界面で
光電荷分離が起こるため、バイレイヤーヘテロ接合型よりもpn接合を広く形成させるこ
とが出来る。
本発明における化合物はいずれの素子構造にも適応することが可能である。
光電変換素子を構成する一対の電極のうち、少なくとも一つは光を透過する必要がある。この際、光の透過率は光電変換効率に大きな影響を与える。
具体的な例としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、白金、クロム、ニッケル、リチウム、イ
ンジウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム等の金属、さらにこれらの金属と導
電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリ
アニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、シリコン化合物および
これらとITOとの積層物などが挙げられる。
電極の形状としては、フラットな形状が一般的である。エネルギー変換効率を向上させるために、波型、ピラミッド型、くし型当の凹凸を故意に形成させることもある。これら電極の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、CVD法、化学反応法( ゾルゲル法など) 、キャスト法、スプレーコーティング法、インクジェット法、スピンコート法などを挙げることができる。
光電変換素子は、前記の各層以外に、その他の構成部材を備えていても良い。例えば、紫外線を透過させない光学膜(フィルタ)を備えていても良い。紫外線は、エネルギーが高いため有機材料を劣化させる一因となる。この紫外線を遮断することにより、素子を長寿命化させることが出来る。
外部からの衝撃に対して光電変換層を保護する目的で、保護膜を備えていても良い。保護膜は、例えば、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンポリビニルアルコール共重合体等のポリマー膜、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化膜や窒化膜、アルミニウム等の金属板もしくは金属箔、あるいはこれらの積層膜などにより構成することができる。なお、これらの保護膜の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上をも良い。
一般に有機デバイスは、空気中の水分や酸素により劣化を招くといわれている。それを防ぐため、バリア膜を備えていても良い。例えば、金属または無機酸化物が好ましく、Ti、Al、Mg、Zr、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化カルシウム等を挙げることができる。これら各種機能性膜を積層させる順番は特になく、これらの機能を併せ持つ機能性膜を用いても良い。
まず、本発明の合成例を説明するが、本発明はこれら合成例になんら限定されるものではない。
合成例1
化合物(48)の合成方法
反応式1〜反応式4に従って化合物(48)を合成した。
反応式1
Figure 2014078701
以下、反応式1を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、tert-ペンチルアルコール300ml中、攪拌下に水素化ナトリウム(60%)21.5g( 0.54mol) および2−シアノフラン50g ( 0.54mol) を室温で添加する。その後、100℃ まで加熱昇温し、この温度においてコハク酸ジイソプロピル36.2g( 0.18mol)を滴下した。滴下中、反応物の温度は100℃に維持した。滴下終了後、副生するイソプロピルアルコールを系外に除去しながら、同温度において3時間攪拌を行った。その後60℃ まで冷却し、この温度において酢酸43gおよびメタノール300gの混合液を滴下し、滴下終了後、0.5時間60℃加熱を施した。次にろ過し、メタノールにより洗浄した後に60℃ で乾燥した。更にメタノール中、60℃ において30分間加熱した後に熱時ろ過し、メタノール洗浄を施した。60℃ で乾燥することにより暗赤色粉末(III)を48g得た。
反応式2
Figure 2014078701
以下、反応式2を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、上記の方法により得られた(III) で表される化合物23gをジメチルアセトアミド600g中に懸濁し、攪拌下に50℃ まで加熱する。この温度においてtert− ブトキシナトリウム25g を添加し、50℃ において30分間攪拌する。次に、1−ブロモ−2−エチルヘキサン83gを滴下し、滴下終了後、50℃ において2時間攪拌を行なう。反応液を室温まで冷却し、水1000gとメタノール800gの混合液中に徐々に注入すると暗赤色の個体が析出し、懸濁状態となる。室温下に1時間攪拌を行ない、ろ過、水洗浄、メタノール洗浄を施したのち乾燥を行ない、暗赤色粉末24gを得た。
反応式3
Figure 2014078701
以下、反応式3を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、上記の方法により得られた(V) で表される化合物13gをクロロホルム500g中に懸濁し、攪拌下に0℃ まで冷却する。この温度においてN−ブロモスクシニックイミド(NBS)15g を添加し、室温に戻し12時間攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水1000gとメタノール800gの混合液中に徐々に注入すると暗赤紫色の個体が析出し、懸濁状態となる。室温下に1時間攪拌を行ない、ろ過、水洗浄、メタノール洗浄を施したのち乾燥を行ない、暗赤紫色粉末7gを得た。
反応式4
Figure 2014078701
以下、反応式4を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、上記の方法により得られた(VI) で表される化合物0.64g(1mmol)、5−フェニル−チオフェン−2−イルボロン酸0.50g(2.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.1g、炭酸カリウム(2M水溶液)30g、エチレングリコールジメチルエーテル30gを4つ口フラスコに加え、5時間加熱還流した。その後、反応液をメタノール400ml中に注入し、析出した固体を濾取し、熱真空乾燥させて、粗生成物として(化合物(48))が0.55g得られた。得られた粗成生物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。化合物(48)は、マススペクトル(ブルカーダルトニクス社製、AutoflexII)、 1H‐NMR、および13C‐NMR(日本電子製、ECX−400P)によって同定した。
尚、化合物48の合成に使用した5−フェニル−チオフェン−2−イルボロン酸は、市販の試薬を用いた。
合成例2〜100
以下に示す反応式5〜13を組み合わせて、表1中の化合物を合成した。
反応式5
Figure 2014078701
反応式5中、R3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示すが、R3〜R5の少なくとも1つは、一般式[3]で表される基、および、一般式[4]で表される基のいずれかである。
反応式6
Figure 2014078701
反応式6中、R1は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示すが、R3〜R5の少なくとも1つは、一般式[3]で表される基、および、一般式[4]で表される基のいずれかである。
反応式7
Figure 2014078701
反応式7中、R1は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
3は水素原子であり、
4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示す。
反応式8
Figure 2014078701
反応式8中、R1は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示し、
3は、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示す。
反応式9
Figure 2014078701
反応式9中、R8〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示すが、R8〜R10の少なくとも1つは、一般式[3]で表される基、および、一般式[4]で表される基のいずれかである。
反応式10
Figure 2014078701
反応式10中、R6は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
8〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示すが、R8〜R10の少なくとも1つは、一般式[3]で表される基、および、一般式[4]で表される基のいずれかである。
反応式11
Figure 2014078701
反応式11中、R6は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
8〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示す。
反応式12
Figure 2014078701
反応式12中、R6は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
8およびR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示す。
11は、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示す。
反応式13
Figure 2014078701
反応式13中、R6は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
9およびR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示す。
12は、一般式[3] で表される基、または、一般式[4] で表される基を示す。
以上の反応式5〜13を組み合わせて得られた本発明の化合物の構造については、合成例1と同様、マススペクトル、1H−NMR、13C−NMRによって同定した。合成した化合物のマススペクトルの測定結果を表4に示す。尚、化合物番号は本明細書中の表1に記載したものと同じである。
Figure 2014078701
Figure 2014078701
Figure 2014078701
以下、本発明の光電変換素子用材料を用いた光電変換素子について下記実施例により説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例においては、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。蒸着(真空蒸着)は10-6Torrの真空中にて、基板の加熱や冷却といった温度制御はしない条件下で行った。また、素子の光電変換効率は、面積2mm×2mmの光電変換素子を用いて特性を測定した。
ここで、光電変換効率は、ORIEL社製ソーラーシュミレーター(#8116)をエアマスフィルターと組み合わせ、光量計で100 mW/cm2の光量に調整して測定用光源とし、前記のように作成した光電変換セルに光照射をしながら、KEITHLEYMODEL2400ソースメーターを使用してI‐Vカーブ特性を測定し算出した。
実施例1
洗浄したITO電極付きガラス板上に、電荷注入バッファー層としてPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Bayer社製BAYTRON P)をスピンコート法にて膜厚60nm製膜した。次いで、表1の化合物(6)と表2の化合物n−3を5:4の割合で混合し、1.8wt%の濃度でクロロホルムに溶解させた。これをスピンコート法で100nmの膜厚で成膜し、光電変換層を得た。さらにその上に、Alを100nm蒸着して電極を形成して光電変換素子を得た。得られた素子を大気に曝すことなく水分濃度および酸素濃度が1ppm以下のグローブボックス内に移して封止処理を施した。封止した素子をグローブボックスから取り出し、100℃のほっとプレート上で20分間熱処理を行った。熱処理後の素子について、光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換効率を測定した。結果を表5に示す。
実施例2〜51
化合物(6)および、化合物n−3の代わりに表5に示す化合物を用いて光電変換層を作成した以外は実施例1と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表5に示す。
比較例1
以下に示す化合物(A)を用いて光電変換層を作成した以外は実施例1と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率、および80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換効率を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2014078701
Figure 2014078701
Figure 2014078701
表5から明らかなように、本発明の光電変換素子用材料を用いた素子はいずれも、比較例1で作成した素子よりも、長寿命で且つ、高い光電変換効率が得られた。
実施例52
洗浄したITO電極付きガラス板に真空中で酸素プラズマによる洗浄を1分間行った。
酸素プラズマ洗浄後に、表1の化合物(1)を蒸着して20nmの膜厚で製膜し、次いで、表1の化合物(1)と表2の化合物n−1を1:1の重量比で共蒸着して30nmの膜厚で製膜し、その上に、表2の化合物n−1を蒸着し30nmの膜厚で製膜することで、pin構造の光電変換層を形成した。さらに、BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)を蒸着して10nmの膜厚で製膜した。その上に、Alを100nm蒸着して電極を形成して光電変換素子を得た。得られた素子を大気に曝すことなく水分濃度および酸素濃度が1ppm以下のグローブボックス内に移して封止処理を施した。封止した素子をグローブボックスから取り出し、光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表6に示す。
実施例53〜74
化合物(1)および、化合物n−1の代わりに表6に示す化合物を用いて光電変換層を作成した以外は実施例52と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表6に示す。
比較例2
化合物(A)を用いて光電変換層を作成した以外は実施例52と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率、および80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換効率を測定した。結果を表6に示す。
Figure 2014078701
表6から明らかなように、本発明の光電変換素子用材料を用いた素子はいずれも、比較例2で作成した素子よりも、長寿命で且つ、高い光電変換効率が得られた。
実施例75
表1の化合物(3)を1.0wt%の濃度でクロロホルムに溶解させた。さらに、CdSeナノ粒子のトルエン分散溶液(Sigma−Aldrich社 コア型LumidotTM CdSe520、固形分濃度:5mg/ml)を、化合物(3)のクロロホルム溶液に対して加えて光電変換層用塗布溶液を得た。このとき、化合物(3)のクロロホルム溶液の固形分とCdSeナノ粒子のトルエン分散溶液の固形分の重量比が1:1となる比率で加えた。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、電荷注入バッファー層としてPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Bayer社製BAYTRON P)をスピンコート法にて膜厚60nm製膜した。次いで、光電変換層用塗布溶液をスピンコート法で100nmの膜厚で成膜し、光電変換層を得た。さらにその上に、Alを100nm蒸着して電極を形成して光電変換素子を得た。得られた素子を大気に曝すことなく水分濃度および酸素濃度が1ppm以下のグローブボックス内に移して封止処理を施した。封止した素子をグローブボックスから取り出し、100℃のほっとプレート上で20分間熱処理を行った。熱処理後の素子について、光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表7に示す。
実施例76〜82
化合物(3)のかわりに表7中に示す化合物を用いて光電変換層を作成した以外は実施例75と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表7に示す。
比較例3
化合物(A)を用いて光電変換層を作成した以外は実施例75と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率、および80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換効率を測定した。結果を表7に示す。
Figure 2014078701
表7から明らかなように、本発明の光電変換素子用材料を用いた素子はいずれも、比較例3で作成した素子よりも、長寿命で且つ、高い光電変換効率が得られた。
実施例83
化合物(3)のかわりに化合物(49)を、CdSeナノ粒子のトルエン分散溶液(Sigma−Aldrich社 コア型LumidotTM CdSe520、固形分濃度:5mg/ml)の代わりにCdSナノ粒子のトルエン分散溶液(Sigma−Aldrich社 コア型LumidotTM CdS480、固形分濃度:5mg/ml)を用いて光電変換層を作成した以外は実施例75と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表8に示す。
実施例84〜90
化合物(49)のかわりに表8中に示す化合物を用いて光電変換層を作成した以外は実施例83と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表8に示す。
比較例4
化合物(A)を用いて光電変換層を作成した以外は実施例83と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率、および80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換効率を測定した。結果を表8に示す。
Figure 2014078701
表8から明らかなように、本発明の光電変換素子用材料を用いた素子はいずれも、比較例4で作成した素子よりも、長寿命で且つ、高い光電変換効率が得られた。
実施例91
表1の化合物(5)を1.0wt%の濃度でクロロホルムに溶解させた。さらに、ジエチル亜鉛のトルエン溶液(Sigma−Aldrich社 濃度:約1M)をTHFで希釈して約0.4Mの溶液とし、化合物(5)のクロロホルム溶液に対して加えて光電変換層用塗布溶液を得た。このとき、化合物(5)のクロロホルム溶液の固形分とジエチル亜鉛溶液の固形分の重量比が5:7となる比率で加えた。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、電荷注入バッファー層としてPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Bayer社製BAYTRON P)をスピンコート法にて膜厚60nm製膜した。次いで、光電変換層用塗布溶液をスピンコート法で100nmの膜厚で成膜し、光電変換層を得た。さらにその上に、Alを100nm蒸着して電極を形成して光電変換素子を得た。得られた素子を大気に曝すことなく水分濃度および酸素濃度が1ppm以下のグローブボックス内に移して封止処理を施した。封止した素子をグローブボックスから取り出し、100℃のほっとプレート上で20分間熱処理を行った。熱処理後の素子について、光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表9に示す。
実施例92〜98
化合物(5)のかわりに表9中に示す化合物を用いて光電変換層を作成した以外は実施例91と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表9に示す。
比較例5
化合物(A)を用いて光電変換層を作成した以外は実施例91と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率、および80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換効率を測定した。結果を表9に示す。
Figure 2014078701
表9から明らかなように、本発明の光電変換素子用材料を用いた素子はいずれも、比較例5で作成した素子よりも、長寿命で且つ、高い光電変換効率が得られた。
実施例99
1−ヘキサノール27g、2−アセチルシクロヘキサノン9gにチタンアセチルアセトナート(Ti(acac)3)を混合し、日本アエロジル社製酸化チタンP−25(平均粒子径 24nm、平均粒子径は動的光散乱法を測定原理に用いたナノトラック粒度分析計装置UPA−EX(日機装株式会社製)にて測定)を36.6g加え、ジルコニアビーズと混合し、ペイントシェーカーを用いて分散しTiO2分散溶液を得た。
表1の化合物(5)を1.0wt%の濃度でクロロホルムに溶解させた。さらに、TiO2分散溶液を、化合物(5)のクロロホルム溶液に対して加えて光電変換層用塗布溶液を得た。このとき、化合物(5)のクロロホルム溶液の固形分とTiO2分散溶液の固形分の重量比が1:1となる比率で加えた。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、電荷注入バッファー層としてPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Bayer社製BAYTRON P)をスピンコート法にて膜厚60nm製膜した。次いで、光電変換層用塗布溶液をスピンコート法で100nmの膜厚で成膜し、光電変換層を得た。さらにその上に、Alを100nm蒸着して電極を形成して光電変換素子を得た。得られた素子を大気に曝すことなく水分濃度および酸素濃度が1ppm以下のグローブボックス内に移して封止処理を施した。封止した素子をグローブボックスから取り出し、100℃のホットプレート上で20分間熱処理を行った。熱処理後の素子について、光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表10に示す。
実施例100〜106
化合物(5)のかわりに表10中に示す化合物を用いて光電変換層を作成した以外は実施例99と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表10に示す。
比較例6
化合物(A)を用いて光電変換層を作成した以外は実施例99と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率、および80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換効率を測定した。結果を表10に示す。
Figure 2014078701
表10から明らかなように、本発明の光電変換素子用材料を用いた素子はいずれも、比較例6で作成した素子よりも、長寿命で且つ、高い光電変換効率が得られた。
実施例107
1−ヘキサノール27g、2−アセチルシクロヘキサノン9gにチタンアセチルアセトナート(Ti(acac)3)を混合し、日本アエロジル社製酸化チタンP−25(平均粒子径 24nm、平均粒子径は動的光散乱法を測定原理に用いたナノトラック粒度分析計装置UPA−EX(日機装株式会社製)にて測定)を36.6g加え、ジルコニアビーズと混合し、ペイントシェーカーを用いて分散しTiO2分散溶液を得た。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、上記、TiO2分散溶液をスピンコート法にて膜厚30nm製膜した。次いで、表1の化合物(6)と表2の化合物n−3を5:4の割合で混合し、1.8wt%の濃度でクロロホルムに溶解させた。これをスピンコート法で100nmの膜厚で成膜し、光電変換層を得た。その上に、PEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Bayer社製BAYTRON P)をスピンコート法にて膜厚60nm製膜した。さらにその上に、Alを100nm蒸着して電極を形成して光電変換素子を得た。得られた素子を大気に曝すことなく水分濃度および酸素濃度が1ppm以下のグローブボックス内に移して封止処理を施した。封止した素子をグローブボックスから取り出し、100℃のホットプレート上で20分間熱処理を行った。熱処理後の素子について、光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表11に示す。
実施例108〜115
化合物(6)のかわりに表11中に示す化合物を用いて光電変換層を作成した以外は実施例107と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率を測定した。また、80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換を測定した。結果を表11に示す。
比較例7
化合物(A)を用いて光電変換層を作成した以外は実施例107と同様に素子を作成した。この素子の光電変換効率、および80℃の環境で100時間連続駆動させた後の光電変換効率を測定した。結果を表11に示す。
Figure 2014078701
表11から明らかなように、本発明の光電変換素子用材料を用いた素子はいずれも、比較例7で作成した素子よりも、長寿命で且つ、高い光電変換効率が得られた。
以上のように、本発明の光電変換素子用材料を用いることにより、高い光電変換性能を有する有機薄膜太陽電池素子が作成できる。比較化合物に対して格段に高い性能が発揮されることは明らかであり、光電変換素子の高い変換効率、長寿命化が達成できた。

Claims (6)

  1. 下記一般式[1]で表される化合物、および/または下記一般式[2]で表される化合物を含んでなる有機薄膜太陽電池素子用材料。
    一般式[1]
    Figure 2014078701
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
    3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、下記一般式[3]で表される基、または、下記一般式[4]で表される基を表すが、R3〜R5の少なくとも1つは、一般式[3]で表される基、および、一般式[4]で表される基のいずれかである。)
    一般式[2]
    Figure 2014078701
    (式中、R6およびR7は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、または、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシカルボニル基を表し、
    8〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、下記一般式[3]で表される基、または、下記一般式[4]で表される基を表すが、R8〜R10の少なくとも1つは、一般式[3]で表される基、および、一般式[4]で表される基のいずれかである。)
    一般式[3]
    Figure 2014078701
    (式中、Xは、−O−、−NR19−、または、−S−を表し、
    19は、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基を表す。
    11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換シリル基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、または、置換アミノ基を表す。)
    一般式[4]
    Figure 2014078701
    (式中、R14〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換シリル基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリ−ルオキシ基、または、置換アミノ基を表し、R14〜R18は、隣り合う置換基どうしで環を形成しても良い。)
  2. 一対の電極間に光電変換層を含む有機層を形成してなる有機薄膜太陽電池素子において、光電変換層が、請求項1記載の有機薄膜太陽電池素子用材料を含んでなる有機薄膜太陽電池素子。
  3. 光電変換層に、n型半導体材料としてフラーレン誘導体を含むことを特徴とする請求項2記載の有機薄膜太陽電池素子。
  4. 光電変換層に、n型半導体材料として無機半導体を含むことを特徴とする請求項2または3記載の有機薄膜太陽電池素子。
  5. 光電変換層が塗布により成膜されてなる請求項2〜4いずれか記載の有機薄膜太陽電池素子。
  6. 請求項1記載の有機薄膜太陽電池素子用材料と有機溶剤からなる有機薄膜太陽電池素子用インキ組成物。
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