JP2014078374A - 照明機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】調光レンジの全域に亘って人間が心地良く感じる照明環境を実現する。
【解決手段】照明機器1は、白色光源100と、白色光源100の駆動制御を行う制御回路200と、を有し、白色光源100は、第1色温度の白色光を発する第1発光素子100Lと、第1色温度よりも高い第2色温度の白色光を発する第2発光素子100Nと、を含み、制御回路200は、人間が心地良く感じる照度と色温度との組み合わせを数値化した光色リンク調光カーブに基づいて白色光源100の色温度を照度と連動して変化させるように、単一の調光信号Sdimに応じて第1発光素子100Lの照度と第2発光素子100Nの照度を各々独立に制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、照明機器に関するものである。
近年、光源の照度(明るさ)を調節すると、これに連動して光源の色温度(光色)が変化する照明機器が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
Panasonic/2012-2013住宅用照明器具総合カタログExpert/p.193
しかし、非特許文献1の照明機器は、ダイニングペンダント(ダウンライト)としての使用を前提としたものであり、調光レンジのほぼ全域(例えば0%〜90%の照度範囲)に亘って、夕食時やバータイム時の照明に適した電球色(2000K〜2800K)でのシンクロ調色を行う一方、照度が最大値付近(例えば90%以上の照度範囲)に設定された場合に限り、光源の色温度を朝食時や勉強時の照明に適した昼白色(5000K)まで一気に高める構成されていた。
このように、非特許文献1の照明機器では、光源の照度と色温度を連動して変化させているが、その主たる目的は、白熱灯の照度と色温度との相関を模擬することにあり、調光レンジの全域に亘って人間が心地良く感じる照明環境を実現し得るものではなかった。
本発明は、本願の発明者らにより見出された上記の問題点に鑑み、調光レンジの全域に亘って人間が心地良く感じる照明環境を実現することが可能な照明機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る照明機器は、白色光源と、前記白色光源の駆動制御を行う制御回路と、を有し、前記白色光源は、第1色温度の白色光を発する第1発光素子と、前記第1色温度よりも高い第2色温度の白色光を発する第2発光素子と、を含み、前記制御回路は、人間が心地良く感じる照度と色温度との組み合わせを数値化した光色リンク調光カーブに基づいて前記白色光源の色温度を照度と連動して変化させるように、単一の調光信号に応じて前記第1発光素子の照度と前記第2発光素子の照度を各々独立に制御する構成(第1の構成)とされている。
なお、第1の構成から成る照明機器において、前記制御回路は、前記調光信号が閾値よりも小さいときに、前記第2発光素子を消灯させたまま前記第1発光素子の照度を前記調光信号に応じて第1最小照度から第1最大照度まで変化させる一方、前記調光信号が前記閾値よりも大きいときに、前記第1発光素子を前記第1最大照度で点灯させたまま前記第2発光素子の照度を前記調光信号に応じて第2最小照度から第2最大照度まで変化させる構成(第2の構成)にするとよい。
また、第2の構成から成る照明機器において、前記第1色温度は電球色に相当し、前記第2色温度は昼白色に相当する構成(第3の構成)にするとよい。
また、第3の構成から成る照明機器において、前記閾値は前記白色光源の照度50%に相当し、前記第2最大照度は前記第1最大照度のほぼ2倍に相当する構成(第4の構成)にするとよい。
また、第4の構成から成る照明機器において、前記制御回路は、前記白色光源の照度を0〜4000lxの範囲で変化させるときに、色温度を2700〜4300Kの範囲で連動して変化させる構成(第5の構成)にするとよい。
また、第1〜第5いずれかの構成から成る照明機器において、前記制御回路は、前記調光信号に応じて前記第1発光素子の照度を制御する第1電源モジュールと、前記調光信号に応じて前記第2発光素子の照度を制御する第2電源モジュールと、を含む構成(第6の構成)にするとよい。
また、第6の構成から成る照明機器において、前記第1電源モジュール及び前記第2電源モジュールは、それぞれ、各々に対応した発光素子への出力電流を生成する出力電流生成回路と、前記調光信号に応じて前記出力電流生成回路を制御するマイコンとを含む構成(第7の構成)にするとよい。
また、第7の構成から成る照明機器において、前記出力電流生成回路は、前記マイコンからの指示に応じて前記出力電流の生成動作がオン/オフされるものであり、そのオン時には前記マイコンからの指示に応じて前記出力電流の電流値を可変制御する一方、そのオフ時には前記出力電流の生成動作を完全に停止して前記出力電流を0とする構成(第8の構成)にするとよい。
また、第1〜第8いずれかの構成から成る照明機器において、前記白色光源は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を各々複数個ずつ含み、前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、交互ないしは千鳥状に配列されている構成(第9の構成)にするとよい。
また、第1〜第9いずれかの構成から成る照明機器において、前記調光信号は、PWM調光方式、リニア調光方式、または、トライアック調光方式で入力される構成(第10の構成)にするとよい。
また、第1〜第10いずれかの構成から成る照明機器において、前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、いずれもLED素子である構成(第11の構成)にするとよい。
また、第11の構成から成る照明機器は、電球形LEDランプ、環形LEDランプ、直管形LEDランプ、LEDシーリングライト、または、LEDダウンライトとして提供される構成(第12の構成)にするとよい。
本発明に係る照明機器であれば、調光レンジの全域に亘って人間が心地良く感じる照明環境を実現することができる。
光源の照度及び色温度と部屋の雰囲気との関係を示す図 LED照明機器の一構成例を示すブロック図 入力デューティと出力電流との相関関係を示す図 白色光源100の照度と色温度との関係(光色リンク調光カーブ)を示す図 出力電流生成回路211の一構成例を示す回路図 LED照明機器1の第1適用例(LEDランプ)を示す外観図 LED照明機器1の第2適用例(LEDシーリングライト)を示す外観図 LED照明機器1の第3適用例(LEDダウンライト)を示す外観図
<本発明(光色リンク調光機能)のコンセプト>
近年、地球温暖化や省エネルギーへの取り組みが重要になってきているが、同時に生活環境の質を高めることも忘れてはならない重要なポイントである。
ここで、人間にとって心地良い照明環境のベースになるのは、自然界の太陽光である。日の出から日没までの様々な在り様が、人間にとって望ましい光環境の基本と言える。例えば、晴天時の日中における太陽光の色温度は5500〜7000K程度であり、照度は10万lx程度である。このような光には、人間の自律神経や交感神経を亢進させて血圧を上昇させる作用(興奮作用や覚醒作用)があるので、人間の体に緊張状態をもたらす。従って、日中の太陽光は、人間を活動的にする。これに対して、夕暮れ時における太陽光の色温度は2000K程度であり、照度は1000lx程度である。このような光には、人間の副交感神経を刺激する作用があるので、人間の体に安定状態をもたらす。従って、夕暮れ時の太陽光は、人間を落ち着かせて極上のリラクゼーションを与える。
図1は、A.H.Willoughby(1974)によって提案された光源の照度及び色温度と人間が感じる部屋の雰囲気との関係を示す図である。本図に示したように、人間が感じる部屋の雰囲気は、光源の照度及び色温度によって大きく変化する。一般的には、光源の色温度が高いほど部屋が涼しく感じられ、光源の色温度が低いほど部屋が暖かく感じられる。ただし、部屋の雰囲気を人間が快適であると感じるか否かについては、光源の色温度だけで決まるものではなく、光源の照度が大きく影響する。例えば、高照度の照明環境は人間を活動的にする場合に適しているが、その場合の色温度が低過ぎると部屋が暑苦しい雰囲気になってしまう。逆に、低照度の照明環境は人間を落ち着かせる場合に適しているが、その場合の色温度が高過ぎると部屋が陰気な雰囲気になってしまう。
従って、人間にとって心地の良い照明環境を実現するためには、光源の照度と色温度を各々を独立した要素として取り扱うのではなく、互いに関連付けて取り扱うことが重要であり、光環境と生体反応との関係性を正しく把握した上で、これを照明機器の駆動制御に反映させることが必要となる。
以下では、上記の知見に基づいて光源の照度と色温度を適切に連動させることにより、調光レンジの全域に亘って人間が心地良く感じる照明環境を実現する機能(以下、光色リンク調光機能と呼ぶ)を備えたLED照明機器について、その構成及び動作を詳述する。
<LED照明機器>
図2は、光色リンク調光機能を備えたLED照明機器の一構成例を示すブロック図である。本構成例のLED照明機器1は、白色光源100と、制御回路200と、を有する。
白色光源100は、L色(電球色:色温度2700K)の白色LED素子100Lと、N色(昼白色:色温度5000K)の白色LED素子100Nを各々複数個ずつ含む。また、白色LED素子100Lと白色LED素子100Nは、同じ色温度の白色LED素子が隣接しないように、交互ないしは千鳥状に配列されている。このような構成を採用することにより、色ムラの少ない白色光を得ることができる。
制御回路200は、商用交流電源2から入力電圧Vin(AC90〜264V)の供給を受けて動作し、調光器3から入力される調光信号Sdimに応じて白色光源100の駆動制御(光色リンク調光)を行う主体であり、電源モジュール210及び220を含む。
なお、以下では、調光信号SdimがPWM[pulse width modulation]調光方式(照度をパルスデューティで指定する方式)で入力されるものとして説明を行うが、調光信号Sdimの入力方式はこれに限定されるものではなく、リニア調光方式(照度をアナログ電圧値で指定する方式)やトライアック調光方式(照度を入力電圧Vinの位相角で指定する方式)を採用しても構わない。ただし、トライアック調光方式を採用した場合には、調光器3が商用交流電源2の系統内に設けられて、調光信号Sdimが電源モジュール210及び220で内部生成される形となる。
電源モジュール210は、調光信号Sdimに応じて白色LED素子100Lの照度を制御する主体であって、出力電流生成回路211と、マイコン(MCU[micro control unit])212と、を含む。
出力電流生成回路211は、マイコン212から入力されるPWM出力信号S11とオン/オフ切替信号S12に基づいて白色LED素子100Lへの出力電流ILED(L)を生成する。より具体的に述べると、出力電流生成回路211は、オン/オフ切替信号S12に応じて出力電流ILED(L)の生成動作がオン/オフされるものであり、そのオン時にはPWM出力信号S11に応じて出力電流ILED(L)の電流値を可変制御する一方、そのオフ時には出力電流ILED(L)の生成動作を完全に停止して出力電流ILED(L)を0とする。
マイコン212は、調光信号Sdimに応じてPWM出力信号S11とオン/オフ切替信号S12を生成することにより、出力電流生成回路211を制御する。
電源モジュール220は、調光信号Sdimに応じて白色LED素子100Nの照度を制御する主体であって、出力電流生成回路221と、マイコン222と、を含む。
出力電流生成回路221は、マイコン222から入力されるPWM出力信号S21とオン/オフ切替信号S22に基づいて白色LED素子100Nへの出力電流ILED(N)を生成する。より具体的に述べると、出力電流生成回路221は、オン/オフ切替信号S22に応じて出力電流ILED(N)の生成動作がオン/オフされるものであり、そのオン時にはPWM出力信号S21に応じて出力電流ILED(N)の電流値を可変制御する一方、そのオフ時には出力電流ILED(N)の生成動作を完全に停止して出力電流ILED(N)を0とする。
マイコン222は、調光信号Sdimに応じてPWM出力信号S21とオン/オフ切替信号S22を生成することにより、出力電流生成回路211を制御する。
上記したように、電源モジュール210及び220は、基本的に同様の構成であるが、単一の調光信号Sdimに応じて白色光源100の色温度を照度と連動して変化させるべく、白色LED素子100Lの照度と白色LED素子100Nの照度を互いに異なる挙動で各々独立に制御するように、マイコン212及び222が個別にプログラミングされている。以下、この点について詳しく説明する。
図3は、調光信号Sdimの入力デューティ[%]と出力電流ILED(L)及びILED(N)との相関関係を示す図である。
本図で示すように、入力デューティが0〜50%の範囲では、出力電流ILED(L)の電流値が入力デューティに応じて最小電流値Iminから最大電流値Imax1までリニアに増大される一方、出力電流ILED(N)の電流値が0に維持される。すなわち、制御回路200は、調光信号Sdimの入力デューティが50%よりも小さいときに、白色LED素子100Nを消灯させたまま、白色LED素子100Lの照度を入力デューティに応じて最小照度(Imin相当)から最大照度(Imax1相当)までリニアに変化させる。従って、入力デューティが0〜50%の範囲では、白色光源100の色温度がL色に維持されたまま、その照度のみが高められていく。
なお、入力デューティが0〜50%の範囲において、出力電流生成回路221をオンさせていた場合、たとえPWM出力信号S21を最小デューティに設定したとしても、最小電流値Iminの出力電流ILED(N)が出力されてしまうので、白色光源100の色温度がL色単独よりも僅かに高くなる。このような色ずれを避けるためには、出力電流生成回路221をオフさせて、出力電流ILED(N)を0としておくことが重要である。
一方、入力デューティが50%〜100%の範囲では、出力電流ILED(L)の電流値が最大電流値Imax1に維持される一方、出力電流ILED(N)の電流値が入力デューティに応じて最小電流値Iminから最大電流値Imax2(>Imax1、例えばImax2≒Imax1×2)までリニアに増大される。すなわち、制御回路200は、調光信号Sdimの入力デューティが50%よりも大きいときに、白色LED素子100Lを最大照度(Imax1相当)で点灯させたまま、白色LED素子100Nの照度を入力デューティに応じて最小照度(Imin相当)から最大照度(Imax2相当)までリニアに変化させる。従って、入力デューティが50〜100%の範囲では、白色光源100の色温度と照度が連動して高められていく。
図4は、上記の出力電流制御(図3を参照)によって実現される白色光源100の照度と色温度との関係を示す図である。このように、本構成例のLED照明機器1において、制御回路200は、人間が心地良く感じる照度と色温度との組み合わせを数値化した光色リンク調光カーブ(図4の実線)に基づいて、白色光源100の色温度を照度と連動して変化させるように、単一の調光信号Sdimに応じて白色LED素子100L及び100Nの照度を各々独立に制御する。このような構成であれば、ユーザが調光器3を用いて白色光源100の照度を変化させると、その照度に対して理想的な色温度が自動的に設定される。従って、様々なシーン(くつろぎのシーン、団欒のシーン、活動的なシーン、集中力の高いシーンなど)において、人間に最適な照明環境を提供することが可能となる。
特に、制御回路200は、白色光源100の照度を0〜4000lxの範囲で変化させるときに、色温度を2700〜4300Kの範囲で連動して変化させる。このような調光レンジ及び調色レンジの設定を行うことにより、住宅やホテルなどの住環境から、公共施設やオフィスなどのワークスペースまで、幅広いニーズに対応することが可能となる。
また、LED照明機器1では、R(赤)・G(緑)・B(青)による疑似的な色温度の再現ではなく、L色の白色LED素子100LとN色の白色LED素子100Nを互いに異なる挙動で各々独立に制御することにより、Ra85の演色性を確保している。
なお、図中の破線は、非特許文献1における照度と色温度との関係を比較参照用として示している。非特許文献1の従来技術は、光源の照度と色温度を連動させるという点において本発明と共通しているが、そのコンセプトが本発明とは根本的に異なるので、その出力挙動も本発明のそれとは全く異なるものとなっている。
図5は、出力電流生成回路211の一構成例を示す回路図である。本構成例の出力電流生成回路211は、保護/フィルタ部211aと、整流平滑部211bと、ドライバ部211cと、を含む。
また、図5では、マイコン212に附帯する回路ブロックとして、整流/平滑部211bで生成された直流電圧Vdcからマイコン212に供給する内部電圧VREG(例えば5V)を生成する内部電圧生成回路213と、調光器3から入力される調光信号Sdimをマイコン212への入力に適合させるインタフェイス回路214が描写されている。
なお、出力電流生成回路221は、出力電流生成回路211と同様の構成であり、各符号の十の桁を「1」から「2」に置き換えれば足りるので、重複した説明は割愛する。
保護/フィルタ部211aは、フューズやラインフィルタなどを含み、AC(L)端子及びAC(N)端子(L:ライブ、N:ニュートラル)に印加される過電流や過電圧から後段の回路部を保護すると共に、入力電圧Vinに重畳した電源ノイズを除去する。
整流/平滑部211bは、ダイオードブリッジや平滑コンデンサなどを含み、保護部11を介して入力される入力電圧Vinを整流/平滑することで直流電圧Vdcを生成し、これを後段の回路部に供給する。
ドライバ部211cは、LED(+)端子とLED(−)端子との間に出力電圧Vout(DC91〜98V)を生成する回路ブロックであり、pnp型バイポーラトランジスタQ1と、抵抗R1〜R14と、コンデンサC1〜C7と、ダイオードD1〜D7と、ツェナダイオードZD1と、フォトカプラPC1及びPC2と、トランスTR1と、半導体装置IC1と、を含む。また、半導体装置IC1は、Nチャネル型MOS[metal oxide semiconductor]電界効果トランジスタN1と、トランジスタN1のオン/オフ制御を行うコントローラctrlと、を含む。
LED(+)端子は、ダイオードD3のカソードとダイオードD4のアノードに各々接続されている。LED(−)端子は、直流電圧Vdcの印加端(整流/平滑部211bの出力端)に接続されている。LED(+)端子とLED(−)端子との間には、出力平滑用のコンデンサC3が接続されている。ダイオードD4のカソードは、コンデンサC2の第1端と抵抗R3及びR4の第1端に各々接続されている。コンデンサC2の第2端は、直流電圧Vdcの印加端に接続されている。抵抗R3の第2端は、トランジスタQ1のエミッタに接続されている。抵抗R4の第2端は、トランジスタQ1のベースに接続されている。トランジスタQ1のコレクタは、抵抗R5を介して半導体装置IC1のFBピンに接続されている。抵抗R1及びR2の第1端は、いずれもトランジスタQ1のベースに接続されている。抵抗R1の第2端は、直流電圧Vdcの印加端に接続されている。抵抗R2の第2端は、フォトカプラPC1を形成するフォトトランジスタPT1を介して、直流電圧Vdcの印加端に接続されている。フォトカプラPC1を形成するフォトダイオードPD1のアノードは、PWM出力信号S11の印加端に接続されている。フォトダイオードPD1のカソードは、抵抗R6を介して信号用GNDに接続されている。
トランスTR1を形成する一次側コイルL1の第1端は、ダイオードD2及びD3のアノードに各々接続されている。一次側コイルL1の第2端は、直流電圧Vdcの印加端に接続されている。ダイオードD2のカソードは、半導体装置IC1のDピンに接続されている。トランスTR1を形成する二次側コイルL2の第1端は、電源用GNDに接続されている。二次側コイルL2の第2端は、ダイオードD5のアノードに接続されている。ダイオードD5のカソードは、コンデンサC4及びC6の第1端と、抵抗R9の第1端と、ダイオードD7のアノードに各々接続されている。コンデンサC4及びC6の第2端は、いずれも電源用GNDに接続されている。抵抗R9の第2端は、ツェナダイオードZD1のカソードに接続されている。ツェナダイオードZD1のアノードは、ダイオードD6のアノードと抵抗R10の第1端に各々接続されている。抵抗R10の第2端は、電源用GNDに接続されている。ダイオードD6のカソードは、半導体装置IC1のVピンに接続されている。ダイオードD7のカソードは、抵抗R11の第1端に接続されている。抵抗R11の第2端は、コンデンサC7及び抵抗R12の第1端と、半導体装置IC1のBPピンに各々接続されている。コンデンサC7の第2端は電源用GNDに接続されている。抵抗R12の第2端は、半導体装置IC1のFBピンに接続されている。
抵抗R13は、半導体装置IC1のRピンと電源用GNDとの間に接続されている。半導体装置IC1のSピンは、電源用GNDにされている。コンデンサC5は、半導体装置IC1のVピンと電源用GNDとの間に接続されている。フォトカプラPC2を形成するフォトトランジスタPC2は、半導体装置IC1のVピンと電源用GNDとの間に接続されている。フォトカプラPC2を形成するフォトダイオードPD2のアノードは、オン/オフ切替信号S12の印加端に接続されている。フォトダイオードPD2のカソードは、抵抗R14を介して信号用GNDに接続されている。ダイオードD1のアノードは、直流電圧Vdcの印加端に接続されている。ダイオードD1のカソードは、コンデンサC1及び抵抗R7の第1端に各々接続されている。抵抗R7の第2端は、半導体装置IC1のVピンと抵抗R8の第1端に各々接続されている。コンデンサC1及び抵抗R8の第2端はいずれも電源用GNDに接続されている。
まず、半導体装置IC1のピン説明を行う。D(ドレイン)ピンは、トランジスタN1のドレインが接続されるピンである。S(ソース)ピンは、トランジスタN1のソースが接続されるピンである。BP(バイパス)ピンは、トランスTR1の二次側コイルL2からコントローラctrlへの電力供給を受けるためのピンであり、入力バイパス用のコンデンサC7が外部接続される。FB(フィードバック)ピンは、トランジスタQ1に流れる電流Ifb(出力電圧Voutに応じた電流信号)をモニタするためのピンである。R(リファレンス)ピンは、コントローラctrlの内部基準設定ピンであり、内部基準設定用の抵抗R13が外部接続される。V(電圧モニタ)ピンは、電流Iv(ピークライン電圧に関する情報)をモニタするためのピンである。
次に、上記構成から成るドライバ部211cの基本動作(半導体装置IC1を主体とするDC/DC動作)について詳細に説明する。
トランジスタN1がオン状態にされると、トランスTR1の一次側コイルL1にはダイオードD2とトランジスタN1を介して電源用GNDに向けた電流I1が流れ、その電気エネルギが一次側コイルL1に蓄えられる。なお、トランジスタN1のオン期間において既にキャパシタC3に電荷が蓄積されていた場合、LED(+)端子にはキャパシタC3から出力電流Ioutが流れることになる。このとき、ダイオードD3のアノード電位はほぼ0Vまで低下しているので、ダイオードD3は逆バイアス状態となり、キャパシタC3からトランジスタN1に向けて電流が逆流することはない。一方、トランジスタN1がオフ状態にされると、トランスTR1の一次側コイルL1に生じた逆起電圧により、一次側コイルL1に蓄積されていた電気エネルギが放出される。このとき、ダイオードD3は順バイアス状態となるので、ダイオードD3を介して流れる電流I2は、出力電流IoutとしてLED(+)端子に流れ込むとともに、キャパシタC3の充電を行う。上記の動作が繰り返されることにより、LED(+)端子には、直流電圧Vdcを昇圧した出力電圧Voutが供給される。
このように、半導体装置IC1は、トランジスタN1のオン/オフ制御によってトランスTRの一次側コイルL1を駆動することにより、直流電圧Vdcを昇圧して出力電圧Voutを生成する昇圧型スイッチングレギュレータの一構成要素として機能する。
次に、PWM出力信号S11による出力電流IoutのPWM可変制御について、詳細な説明を行う。
PWM出力信号S11は、調光信号Sdimに応じたデューティで所定のパルス周期T毎にローレベル期間TLとハイレベル期間THを交互に繰り返す。PWM出力信号S11のローレベル期間TLには、フォトカプラPC1がオフ状態となり、抵抗R2を介したベース電流経路が遮断されるので、トランジスタQ1のベース抵抗値Rは、抵抗R1の抵抗値と等しくなる。一方、PWM出力信号S11のハイレベル期間THには、フォトカプラPC1がオン状態となり、抵抗R2を介したベース電流経路が導通されるので、トランジスタQ1のベース抵抗値Rは、抵抗R1及びR2の合成抵抗値(=R1×R2/(R1+R2))まで低下する。以上の動作により、パルス周期Tにおける平均ベース抵抗値Raveは、Rave=[TL×R1+TH×{R1×R2/(R1+R2)}]/Tという算出式で求められる。
上記の算出式から分かるように、トランジスタQ1の平均ベース抵抗値Raveは、PWM出力信号S11のデューティによって変化し、これに伴ってトランジスタQ1に流れる電流Ifbが増減する。具体的に述べると、ハイレベル期間THが長いほど、平均ベース抵抗値Raveが大きくなって電流Ifbが小さくなり、逆に、ハイレベル期間THが短いほど、平均ベース抵抗値Raveが小さくなって電流Ifbが大きくなる。
半導体装置IC1は、上記した電流Ifbをモニタしており、その電流値を一定に維持するように、トランジスタN1に流れる電流I1のピーク値を制御する。電流I1を変化させれば、トランスTR1の一次側コイルL1に蓄えられる電気エネルギ量が変化するので、その電気エネルギを放出するときに流れる電流I2が変化し、延いては、出力電流Ioutが変化する。
このような構成とすることにより、マイコン212は、PWM出力信号S11を用いて出力電流Iout(白色LED素子100Lの照度)を可変制御することが可能となる。
なお、抵抗R1は、電流Ifbの最小値(延いては出力電流Ioutの最大値)を設定するための抵抗に相当し、抵抗R2は、電流Ifbのデューティ感受性(デューティに対する変化度合い)を設定するための抵抗に相当する。
次に、オン/オフ切替信号S12による出力電流生成回路211のオン/オフ制御(特にドライバ部211cのオン/オフ制御)について、詳細な説明を行う。
コントローラctrlは、Vピンに入力される電流IvとFBピンに入力される電流Ifbに応じて出力電流Ioutの帰還制御を行う。また、コントローラctrlは、電流Ivのモニタ結果に応じて過電圧や減電圧を検出する機能も備えている。さらに、コントローラctrlは、Vピンの入力段に電圧コンパレータ(不図示)を備えており、Vピンの電圧値が所定の閾値(例えば1V)を下回っているときに、トランジスタN1のスイッチング制御(延いては出力電流Ioutの生成動作)を強制停止する機能も備えている。
オン/オフ切替信号S12がローレベルとされている場合には、フォトカプラPC2がオフとなるので、半導体装置IC1のVピンには、直流電圧Vdcの印加端からダイオードD1及び抵抗R7を介して流れる電流I3と、トランスTR1の二次側コイルL2からダイオードD5、抵抗R9、ツェナダイオードZD1、及び、ダイオードD6を介して流れる電流I4とを足し合わせた電流Iv(ピークライン電圧に関する情報)が外部入力される。このとき、Vピンの電圧値は電圧コンパレータの閾値を上回っているので、コントローラctrlでは、電流Ivのモニタ結果に応じて出力電流Ioutの帰還制御や過電圧及び減電圧の検出動作が行われる。
一方、オン/オフ切替信号S12がハイレベルとされている場合には、フォトカプラPC2がオンとなるので、半導体装置IC1のVピンが電源用GNDにショートされ、Vピンの電圧値が電圧コンパレータの閾値を下回る。従って、コントローラctrlでは、トランジスタN1のスイッチング制御(延いては出力電流Ioutの生成動作)が強制的に停止されて、出力電流Ioutが0とされる。
このような構成とすることにより、マイコン212は、オン/オフ切替信号S12を用いて、出力電流生成回路211のオン/オフ制御(特にドライバ部211cのオン/オフ制御)を行うことが可能となる。
<LED照明機器の具体的な適用例>
図6A〜図6Cは、それぞれ、LED照明機器1の第1〜第3適用例を示す外観図である。図6Aには、電球形LEDランプ1a、環形LEDランプ1b、及び、直管形LEDランプ1cが示されている。また、図6Bには、LEDシーリングライト1dが示されており、図6Cには、LEDダウンライト1eが示されている。これらの図示はいずれも例示であり、LED照明機器1は、多種多様な形態で用いることが可能である。
<その他の変形例>
なお、本発明は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、白色光源に含まれる発光素子として、色温度の異なる2種類の白色LED素子を用いた例を挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、色温度の異なる3種類以上の白色LED素子を用いてもよいし、演色性の向上などを目的として、有色LED素子(例えば緑色LED素子)を追加してもよい。
また、上記実施形態では、白色光源に含まれる発光素子として、LED素子を用いた構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、先述の光色リンク調光機能を実現することができる限り、LED素子以外の発光素子(例えば、有機EL[electro luminescence]素子)を用いても構わない。
このように、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明は、住宅やホテルなどの住環境から、公共施設やオフィスなどのワークスペースまで、様々な用途に供される照明機器に利用することが可能である。
1 LED照明機器
1a 電球形LEDランプ
1b 環形LEDランプ
1c 直管形LEDランプ
1d シーリングライト
1e ダウンライト
2 商用交流電源
3 調光器
100 白色光源
100L 白色LED素子(L色)
100N 白色LED素子(N色)
200 制御回路
210、220 電源モジュール
211、221 出力電流生成回路
211a、221a 保護/フィルタ部
211b、221b 整流/平滑部
211c、221c ドライバ部
212、222 マイコン(MCU)
213、223 内部電圧生成回路
214、224 インタフェイス回路
Q1 pnp型バイポーラトランジスタ
R1〜R14 抵抗
C1〜C7 コンデンサ
D1〜D7 ダイオード
ZD1 ツェナダイオード
PC1、PC2 フォトカプラ
PD1、PD2 フォトダイオード
PT1、PT2 フォトトランジスタ
TR1 トランス
L1 一次側コイル
L2 二次側コイル
IC1 半導体装置
N1 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
ctrl コントローラ

Claims (12)

  1. 白色光源と、
    前記白色光源の駆動制御を行う制御回路と、
    を有し、
    前記白色光源は、第1色温度の白色光を発する第1発光素子と、前記第1色温度よりも高い第2色温度の白色光を発する第2発光素子と、を含み、
    前記制御回路は、人間が心地良く感じる照度と色温度との組み合わせを数値化した光色リンク調光カーブに基づいて前記白色光源の色温度を照度と連動して変化させるように、単一の調光信号に応じて前記第1発光素子の照度と前記第2発光素子の照度を各々独立に制御することを特徴とする照明機器。
  2. 前記制御回路は、前記調光信号が閾値よりも小さいときに、前記第2発光素子を消灯させたまま前記第1発光素子の照度を前記調光信号に応じて第1最小照度から第1最大照度まで変化させる一方、前記調光信号が前記閾値よりも大きいときに、前記第1発光素子を前記第1最大照度で点灯させたまま前記第2発光素子の照度を前記調光信号に応じて第2最小照度から第2最大照度まで変化させることを特徴とする請求項1に記載の照明機器。
  3. 前記第1色温度は電球色に相当し、前記第2色温度は昼白色に相当することを特徴とする請求項2に記載の照明機器。
  4. 前記閾値は前記白色光源の照度50%に相当し、前記第2最大照度は前記第1最大照度のほぼ2倍に相当することを特徴とする請求項3に記載の照明機器。
  5. 前記制御回路は、前記白色光源の照度を0〜4000lxの範囲で変化させるときに、色温度を2700〜4300Kの範囲で連動して変化させることを特徴とする請求項4に記載の照明機器。
  6. 前記制御回路は、前記調光信号に応じて前記第1発光素子の照度を制御する第1電源モジュールと、前記調光信号に応じて前記第2発光素子の照度を制御する第2電源モジュールと、を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の照明機器。
  7. 前記第1電源モジュール及び前記第2電源モジュールは、それぞれ、
    各々に対応した発光素子への出力電流を生成する出力電流生成回路と、
    前記調光信号に応じて前記出力電流生成回路を制御するマイコンと、
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の照明機器。
  8. 前記出力電流生成回路は、前記マイコンからの指示に応じて前記出力電流の生成動作がオン/オフされるものであり、そのオン時には前記マイコンからの指示に応じて前記出力電流の電流値を可変制御する一方、そのオフ時には前記出力電流の生成動作を完全に停止して前記出力電流を0とすることを特徴とする請求項7に記載の照明機器。
  9. 前記白色光源は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を各々複数個ずつ含み、
    前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、交互ないしは千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の照明機器。
  10. 前記調光信号は、PWM調光方式、リニア調光方式、または、トライアック調光方式で入力されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の照明機器。
  11. 前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、いずれもLED素子であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の照明機器。
  12. 電球形LEDランプ、環形LEDランプ、直管形LEDランプ、LEDシーリングライト、または、LEDダウンライトとして提供されることを特徴とする請求項11に記載の照明機器。
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