以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明装置10(LED照明器具)の回路図である。図2は、照明装置10が備えるLEDモジュール11の表面の外観と、LEDモジュール11及び色温度制御回路50間の接続を示す図である。
照明装置10は、商用交流電源ACが供給される電源装置20(LED電源装置)と、この電源装置20が出力する直流電流を入力して点灯するLEDモジュール11とを備える。
LEDモジュール11は、複数の発光部として、LEDアレイ1a(「LED1」ともいう)(第1発光部)と、LEDアレイ2a(「LED2」ともいう)(第2発光部)とを備える。また、LEDモジュール11は、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aとを実装する基板12(例えば、プリント基板)を備える。LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aは、それぞれ少なくとも1つのLEDからなり、後述する出力定電流回路40(定電流電源回路)からの定電流により当該少なくとも1つのLEDを点灯させて光を発する。具体的には、LEDアレイ1aは、色温度が例えば3000K(ケルビン)の複数の第1光色LEDからなり、全体としても色温度が3000Kの光(第1色の光)を発する。LEDアレイ2aは、色温度が例えば5000Kの複数の第2光色LEDからなり、全体としても色温度が5000Kの光(第1色と異なる第2色の光)を発する。LEDアレイ1aとLEDアレイ2aとは互いに直列に接続され、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aをそれぞれ構成する第1光色LEDと第2光色LEDは、交互に並ぶように基板12上に実装される。このように、LEDアレイ1aを構成する第1光色LEDとLEDアレイ2aを構成する第2光色LEDを交互に配置することで、第1光色LEDの発光色と第2光色LEDの発光色とが混合しやすくなる。
電源装置20は、整流平滑回路30、出力定電流回路40、色温度制御回路50、制御回路60(例えば、マイクロコンピュータ)を備える。整流平滑回路30は、商用交流電源ACをダイオードブリッジ31により全波整流し、平滑コンデンサ32により平滑して直流電圧を得る。出力定電流回路40は、定電流を供給する。具体的には、出力定電流回路40は、整流平滑回路30の直流電圧を入力し、定電流の直流電流を出力する。色温度制御回路50は、この出力定電流回路40が出力する直流電流を入力し、接続されるLEDモジュール11に流れる電流を制御する。制御回路60は、外部(調光器等)からの調光信号及び色温度信号を入力し、この入力した調光信号及び色温度信号に基づいて、出力定電流回路40を制御する出力制御信号と色温度制御回路50を制御する色温度制御信号を生成する。
電源装置20(制御回路60)に入力される調光信号は、PWM(パルス幅変調)のデューティ比によって明るさの情報を示す信号(複数の発光部全体の調光度を指令する調光信号)である。電源装置20(制御回路60)に入力される色温度信号は、PWMのデューティ比によって色温度の情報を示す信号(複数の発光部全体の発光色を指令する調色信号)である。
出力定電流回路40は、定電流制御用のFET41、抵抗42、チョークコイル43、トランジスタ44、ダイオード45、電流検出抵抗46、定電流制御回路47、電解コンデンサ48を備える。定電流制御用のFET41は、ドレイン端子が整流平滑回路30の高電位側に接続される。抵抗42は、このFET41のドレイン端子とゲート端子に並列に接続される。チョークコイル43は、一端がFET41のソース端子に接続される。トランジスタ44は、コレクタ端子がFET41のゲート端子に接続され、エミッタ端子が整流平滑回路30の低電位側に接続される。ダイオード45は、カソード端子がFETのソース端子に接続され、アノード端子が整流平滑回路30の低電位側に接続される。電流検出抵抗46は、一端が整流平滑回路30の低電位側に接続され、他端が後段の色温度制御回路50に接続される。定電流制御回路47は、電流検出抵抗46の他端とトランジスタ44のベース端子と制御回路60に接続される。電解コンデンサ48は、正極がチョークコイル43を介してFET41のソース端子に接続され、負極が整流平滑回路30の低電位側に接続される。
制御回路60は、外部から入力された調光信号のデューティ比に応じて、出力定電流回路40から出力される電流を制御するための出力制御信号を生成する。出力定電流回路40の定電流制御回路47は、制御回路60からの出力制御信号を入力し、この入力した出力制御信号に基づいて、トランジスタ44のスイッチングを制御し、このトランジスタ44のスイッチングによりFET41をオン/オフさせて、所定の定電流を得る。この電流に応じて、LEDモジュール11全体から発せられる光の明るさが変化する。
出力定電流回路40とLEDモジュール11の基板12との間の配線には直流電流のみが流れる。
色温度制御回路50は、複数のスイッチ素子として、LEDアレイ1aと並列接続されたスイッチ素子であるFET1(第1スイッチ素子)と、LEDアレイ2aと並列接続されたスイッチ素子であるFET2(第2スイッチ素子)とを備える。また、色温度制御回路50は、FET1とFET2のオン/オフを制御するFET駆動回路51を備える。FET1及びFET2は、それぞれオンで導通状態になり、オフで遮断状態となる。FET1とFET2の接続点と、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aの接続点とが接続され、FET1はLEDアレイ1aと、FET2はLEDアレイ2aと、それぞれ並列接続されている。したがって、FET1がオンになるとLEDアレイ1aが短絡され、FET2がオンになるとLEDアレイ2aが短絡されることになる。
制御回路60は、FET駆動回路51を制御してFET1のオン/オフを所定の周期で切り替えることで、FET1に接続されたLEDアレイ1aをその周期で点滅させる。また、FET駆動回路51は、FET駆動回路51を制御してFET2のオン/オフを所定の周期で切り替えることで、FET2に接続されたLEDアレイ2aをその周期で点滅させる。具体的には、制御回路60は、外部から入力された色温度信号のデューティ比に応じて、色温度制御回路50がFET1とFET2をオン/オフする周期を制御するための色温度制御信号を生成する。色温度制御回路50のFET駆動回路51は、制御回路60からの色温度制御信号を入力し、この入力した色温度制御信号に基づいて、FET1とFET2のオン/オフを制御する。このオン/オフの周期に応じて、LEDモジュール11全体から発せられる光の色温度が変化する。
次に、照明装置10の動作(照明制御方法)の説明をする。
図3(a)は、PWM信号の波形の例を示す図である。図3(b)は、調光信号のデューティ比と明るさの関係を示すグラフであり、図3(c)は、色温度信号のデューティ比と色温度の関係を示すグラフである。
図3(a)に示すように、デューティ比(Duty)は、PWM信号の立ち上がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの時間(1周期の時間)Tに対する、PWM信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの時間tの比率である。前述したように、外部から入力される調光信号、色温度信号は、ともにPWM信号であり、そのデューティ比(即ち、オン時間の割合)で動作(調光制御処理、色温度制御処理)を制御回路60に指示する信号である。
図3(b)に示すように、制御回路60は、入力された調光信号のデューティ比が0%であれば、光源の明るさ(調光度)を100%に調節し、入力された調光信号のデューティ比が100%であれば、光源の明るさを0%に調節する(消灯させる)。制御回路60は、調光信号のオン時間が長くなると、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aが発する光の明るさを暗くする。つまり、制御回路60は、入力された調光信号のデューティ比が大きいほど、光源が暗く点灯するように制御する。
図3(c)に示すように、制御回路60は、入力された色温度信号のデューティ比が0%であれば、光源の色温度を5000Kに調節し、入力された色温度信号のデューティ比が100%であれば、光源の色温度を3000Kに調節する。制御回路60は、色温度信号のオン時間が長くなると、色温度が3000Kの光を発するLEDアレイ1aが点灯する時間を長くし、色温度が5000Kの光を発するLEDアレイ2aが点灯する時間を短くする。したがって、色温度信号のオン時間が長くなると、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aから発せられ、混ざり合った光の色温度は相対的にLEDアレイ1aが発する色温度である3000Kに近づく。つまり、制御回路60は、入力された色温度信号のデューティ比が大きいほど、光源の色温度が低くなるように制御する。
図4(a)〜(c)、図5(a)〜(d)、図6は、照明装置10の動作例を示すタイミングチャートである。
前述したように、照明装置10の電源装置20には、信号としてPWMのデューティ比によって明るさの情報を入力する調光信号と、PWMのデューティ比によって色温度の情報を入力する色温度信号が印加されている。この2つの信号は制御回路60が受信する。
制御回路60は、調光信号に基づき、出力定電流回路40の定電流制御用のFET41のスイッチングを制御して、チョークコイル43、電解コンデンサ48、ダイオード45からなるDC/DCコンバータでその出力電流の値を制御して明るさを調節する。このとき、制御回路60は、調光信号のデューティ比によって示された調光度を得るための定電流の電流値を指示する出力制御信号を出力定電流回路40に入力する。なお、制御回路60は、調光信号をそのまま出力制御信号として出力定電流回路40に入力してもよい。出力定電流回路40は、電流検出抵抗46で出力電流、即ち、LEDに流す電流を検出して、定電流制御回路47で出力制御信号が指示する電流値に合わせた定電流をLEDへ供給する。
制御回路60は、色温度信号に基づき、色温度制御回路50のFET1及びFET2のスイッチングを制御して、FET1がオンの期間はLEDアレイ1aを短絡してその発光を停止させ、FET2がオンの期間はLEDアレイ2aを短絡してその発光を停止させる。このとき、制御回路60は、色温度信号のデューティ比によって示された色温度を得るためのスイッチング動作を指示する色温度制御信号を色温度制御回路50に入力する。なお、制御回路60は、色温度信号をそのまま色温度制御信号として色温度制御回路50に入力してもよい。色温度制御回路50は、FET駆動回路51で色温度制御信号が指示するスイッチング動作を行う。
前述したように、例えばLEDアレイ1aが3000Kの発光色、LEDアレイ2aが5000Kの発光色とすれば、FET1及びFET2がオフの期間は出力定電流回路40はLEDアレイ1a→LEDアレイ2aに同じ電流を流し、その合成発光色は4500Kとすることができる。一方、FET1がオンの期間、電流はFET1→LEDアレイ2aの経路で流れ、LEDアレイ2aのみが発光することからその発光色は5000Kとなる。逆にFET2がオンの場合はLEDアレイ1aの発光色、即ち、3000Kとなる。したがって、FET1及びFET2を所定の周期でオン/オフ制御することで3000K〜5000Kの間の光色を自由に作り出すことができる。このとき、一方のLEDのみに電流が流れている期間では、合成の光束が低下してしまう。明るさ一定で光色を変更する場合、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aがそれぞれ同じ電流が供給されると略同じ光束の光を発するものであれば、FET1及びFET2の一方のみがオンしている期間は、出力定電流回路40の出力電流を2倍とすることで明るさを一定に制御可能である。なお、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aがそれぞれ同じ電流が供給されても異なる光束の光を発するものであっても、FET1及びFET2の一方のみがオンしている期間は、出力定電流回路40の出力電流をLEDアレイ1a及びLEDアレイ2aの光束比(同じ電流を流したときの光束の比率)に合わせて調節することで明るさを一定に制御可能である。
また、光色一定で合成の明るさだけを変更したい場合は、FET1及びFET2のオン/オフ制御状態を一定にしたまま、出力定電流回路40の出力を変更することで実現できる。FET1及びFET2のオン/オフ周期は、人間の目がちらつきとして認識できない周波数以上(一般には200Hz以上)であることが望ましい。
以下、図4(a)〜(c)、図5(a)〜(d)、図6の例について詳細に説明する。ここでは、LEDアレイ1aを構成する第1光色LED(色温度は3000K)及びLEDアレイ2aを構成する第2光色LED(色温度は5000K)は、例として、いずれも0.4Aの電流が入力されると100%の光出力で点灯し、光出力は電流値に比例するものとする。なお、第1光色LED及び第2光色LEDの特性は、これに限るものではない。
図4(a)の例において、電源装置20の制御回路60は、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を0.4Aにする。また、制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1及びFET2を常時オフにする。FET1が常時オフであるため、LEDアレイ1a(LED1)は常時100%(照明装置10全体の50%)の光出力で点灯する。同様に、FET2が常時オフであるため、LEDアレイ2a(LED2)は常時100%(照明装置10全体の50%)の光出力で点灯する。これにより、照明装置100が発する光の(見た目の)明るさは100%、(見た目の)色温度は4000Kとなる。なお、この例では、調光信号として、デューティ比が0%のPWM信号(調光度100%を指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。また、色温度信号として、デューティ比が50%のPWM信号(色温度4000Kを指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。
図4(b)の例において、電源装置20の制御回路60は、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を0.4Aにする。また、制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1を1周期の25%オンにし、FET2を常時オフにする。FET1が1周期の25%オンであるため、LEDアレイ1aは1周期の75%のみ100%の光出力で点灯し、1周期の25%は消灯する。一方、FET2が常時オフであるため、LEDアレイ2aは常時100%の光出力で点灯する。これにより、照明装置100が発する光の(見た目の)明るさは87.5%(=100×0.75+50×0.25)、(見た目の)色温度は4250K(=4000×0.75+5000×0.25)となる。なお、この例では、調光信号として、デューティ比が12.5%のPWM信号(調光度87.5%を指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。また、色温度信号として、デューティ比が46.875%のPWM信号(色温度4250Kを指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。
図4(c)の例において、電源装置20の制御回路60は、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を0.4Aにする。また、制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1を常時オフにし、FET2を1周期の75%オンにする。FET1が常時オフであるため、LEDアレイ1aは常時100%の光出力で点灯する。一方、FET2が1周期の75%オンであるため、LEDアレイ2aは1周期の25%のみ100%の光出力で点灯し、1周期の75%は消灯する。これにより、照明装置100が発する光の(見た目の)明るさは62.5%(=100×0.25+50×0.75)、(見た目の)色温度は3250K(=4000×0.25+3000×0.75)となる。なお、この例では、調光信号として、デューティ比が37.5%のPWM信号(調光度62.5%を指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。また、色温度信号として、デューティ比が59.375%のPWM信号(色温度3250Kを指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。
図5(a)の例において、電源装置20の制御回路60は、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を0.4Aにする。また、制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1を常時オンにし、FET2を常時オフにする。FET1が常時オンであるため、LEDアレイ1aは常時消灯する。一方、FET2が常時オフであるため、LEDアレイ2aは常時100%の光出力で点灯する。これにより、照明装置100が発する光の(見た目の)明るさは50%、(見た目の)色温度は5000Kとなる。なお、この例では、調光信号として、デューティ比が50%のPWM信号(調光度50%を指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。また、色温度信号として、デューティ比が0%のPWM信号(色温度5000Kを指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。
図5(b)の例において、電源装置20の制御回路60は、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を0.4Aにする。そして、制御回路60は、ある時点以降、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を0.5Aに増加させる。また、制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1を常時オンにし、FET2を常時オフにする。FET1が常時オンであるため、LEDアレイ1aは常時消灯する。一方、FET2が常時オフであるため、LEDアレイ2aは上記時点までは100%の光出力で点灯し、上記時点以降は125%(=0.5/0.4×100)の光出力で点灯する。これにより、上記時点まで、照明装置100が発する光の(見た目の)明るさは50%、(見た目の)色温度は5000Kとなる。上記時点以降、照明装置100が発する光の(見た目の)明るさは62.5%(=50×1.25)となるが、(見た目の)色温度は5000Kに維持される。なお、この例では、調光信号として、上記時点まではデューティ比が50%のPWM信号(調光度50%を指令する信号)が制御回路60に入力され、上記時点以降はデューティ比が37.5%のPWM信号(調光度62.5%を指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。また、色温度信号として、デューティ比が0%のPWM信号(色温度5000Kを指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。
この例において、制御回路60は、入力した調光信号に応じて出力定電流回路40に供給させる定電流を制御するため、照明装置100が発する光の明るさを容易に変更することができる。
図5(c)の例において、電源装置20の制御回路60は、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を0.4Aにする。その後、制御回路60は、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を時間経過に伴って0Aまで徐々に減少させる。また、制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1を1周期の25%オンにし、FET2を常時オフにする。FET1が1周期の25%オンであるため、LEDアレイ1aは1周期の75%のみ点灯し、1周期の25%は消灯する。LEDアレイ1aの点灯時の光出力は100%から0%まで徐々に低下する。一方、FET2が常時オフであるため、LEDアレイ2aは常時点灯する。LEDアレイ2aの光出力は100%から0%まで徐々に低下する。これにより、照明装置100が発する光は徐々に暗くなるが、消灯するまで(見た目の)色温度は3500K(=3000×0.75+5000×0.25)に維持される。なお、この例では、調光信号として、デューティ比が約0%のPWM信号(調光度約100%を指令する信号)が制御回路60に入力され、その後、入力されるPWM信号のデューティ比が時間経過に伴って上昇し、最終的には100%になるものとする。また、色温度信号として、デューティ比が56.25%のPWM信号(色温度3500Kを指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。
図5(d)の例において、電源装置20の制御回路60は、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を0.4Aにする。また、制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1を1周期の50%オンにし、FET2を1周期の25%オンにする。FET1が1周期の50%オンであるため、LEDアレイ1aは1周期の50%のみ100%の光出力で点灯し、1周期の50%は消灯する。一方、FET2が1周期の25%オンであるため、LEDアレイ2aは1周期の75%のみ100%の光出力で点灯し、1周期の25%は消灯する。これにより、照明装置100が発する光の(見た目の)明るさは62.5%(=100×0.25+50×0.25+50×0.5)、(見た目の)色温度は4250K(=4000×0.25+3000×0.25+5000×0.5)となる。なお、この例では、調光信号として、デューティ比が37.5%のPWM信号(調光度62.5%を指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。また、色温度信号として、デューティ比が46.875%のPWM信号(色温度4250Kを指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。
図6の例において、電源装置20の制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1を1周期の25%オンにし、FET2を常時オフにする。また、制御回路60は、出力定電流回路40を制御して、その出力電流を、FET1がオンのときは0.4A、FET1がオフのときは0.2A(=0.4/2)にする。つまり、制御回路60は、出力定電流回路40の出力電流をFET1のスイッチング動作に合わせて調節する。FET1が1周期の25%オンであるため、LEDアレイ1aは1周期の75%のみ50%の光出力で点灯し、1周期の25%は消灯する。一方、FET2が常時オフであるため、LEDアレイ2aは常時点灯する。LEDアレイ2aの光出力は、FET1がオンのときは100%、FET1がオフのときは50%となる。これにより、照明装置100が発する光の明るさは50%、色温度は4250K(=4000×0.75+5000×0.25)となる。なお、この例では、調光信号として、デューティ比が50%のPWM信号(調光度50%を指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。また、色温度信号として、デューティ比が46.875%のPWM信号(色温度4250Kを指令する信号)が制御回路60に入力されているものとする。
この例において、制御回路60は、FET1のオン/オフを切り替えるタイミングと同じタイミングで出力定電流回路40に供給させる定電流の大きさを変更するため、LEDアレイ1aの点灯時も消灯時も照明装置100が発する光の明るさを一定に維持できる。なお、この例を変形して、FET2もスイッチング動作するようにした場合、制御回路60は、FET1とFET2とのいずれかのオン/オフを切り替えるタイミングと同じタイミングで出力定電流回路40に供給させる定電流の大きさを変更することで、同様の効果が得られる。
上記のように、本実施の形態において、制御回路60は、複数のスイッチ素子の少なくとも1つのオン/オフを所定の周期で切り替えることで、複数の発光部の少なくとも1つをその周期で点滅させる。このとき、制御回路60は、入力した色温度信号に応じて、その周期を制御する。上記の各例のように調光信号も入力される場合には、入力した調光信号も考慮して、その周期を制御する。例えば、図4(b)の例と図5(d)の例では、色温度信号が指令する色温度はいずれも4250Kと同じであるが、調光信号が指令する調光度は一方が87.5%、他方が62.5%と異なっている。そのため、制御回路60は、図4(b)の例と図5(d)の例では発光部が異なる周期で点滅するように制御している。
以上のように、本実施の形態では、電源装置20が備える出力定電流回路40が1つであるため、電源装置20を安価に構成できるだけでなく、LEDの電流をバイパスするスイッチ素子(FET1及びFET2)の損失が非常に小さいため、照明装置10全体で効率を高くすることができる。さらにスイッチ素子をオン/オフするだけの簡単な構成のため照明装置10全体を安価にすることができる。
なお、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aの発光色は、それぞれ3000K、5000K以外でもよく、例えば4200〜6500Kの白色又は昼白色と2700〜3000Kの電球色とを組み合わせることで、実用的な色可変のLED照明を得ることができる。また、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aは、全て同じ光色のLEDで構成されている必要はなくFET1及びFET2をオフしたときの合成の光色(色温度)によって選択すればよい。例えば、LEDアレイ1aは4個とも色温度が3000KのLEDで構成し、LEDアレイ2aは5000KのLEDを2個と3000KのLEDを2個有するように構成すると、全てのLEDが発光したときに得られる発光色の色温度を3500Kとすることができる。また、本実施の形態では、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aは、それぞれ4個のLEDで構成されているが、3個以下のLEDあるいは5個以上のLEDで構成されていてもよい。あるいは、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aを、それぞれ1つのLEDに置き換えてもよい。また、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aは、互いに異なる数のLEDで構成されていてもよい。
本実施の形態では、LEDモジュール11が2つの発光部(LEDアレイ1a、LEDアレイ2a)で構成されているが、LEDモジュール11は、3つ以上の発光部で構成されていてもよい。また、本実施の形態では、2つの発光部(LEDアレイ1a、LEDアレイ2a)のそれぞれに1つずつスイッチ素子(FET1、FET2)が並列に接続されているが、一部の発光部(LEDアレイ1a、あるいは、LEDアレイ2a)のみにスイッチ素子(FET1、あるいは、FET2)が並列に接続されていてもよい。発光部が3つ以上ある場合についても同様である。即ち、電源装置20は、スイッチ素子を少なくとも1つ備えていればよい。
本実施の形態では、1つの基板12にLEDアレイ1aとLEDアレイ2aを実装してLEDモジュール11を構成しているが、2つの基板にそれぞれLEDアレイ1aとLEDアレイ2aを分けて実装してLEDモジュール11を構成してもよい。また、本実施の形態では、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aを構成する第1光色LEDと第2光色LEDを交互に基板12に実装しているが、交互に実装せずに基板12の一方側に第1光色LEDを、他方側に第2光色LEDを纏めて実装してもよい。また、本実施の形態では、第1光色LEDと第2光色LEDとが基板12上に一直線状に交互に並べられているが、他の並べ方を採用してもよい。例えば、第1光色LEDと第2光色LEDとが基板12上に千鳥格子状に配置されてもよいし、リング状に交互に並べられてもよいし、第1光色LEDと第2光色LEDとが隣り合わないようにランダムに並べられてもよい。このように、同じ色温度のLEDが2つ以上連続して並ばないようにすることで、発光色の混色性が向上する。また、本実施の形態では、LEDモジュール11を構成する基板12の形状が略長方形であるが、LEDモジュール11を構成する基板12の形状は、正方形、円形、馬蹄形等であってもよく、取り付けられる照明機器の形状に合わせて形成してもよい。
本実施の形態では、LEDモジュール11と電源装置20を同じ筐体に収納してもよいし、別々の筐体に収容してもよい。LEDモジュール11と電源装置20を別々の筐体に収容する場合、電源装置20の色温度制御回路50だけをLEDモジュール11と同じ筐体に収容してもよい。このとき、色温度制御回路50のスイッチ素子であるFET1及びFET2と、FET駆動回路51をLEDアレイ1a及びLEDアレイ2aと同じ基板12上に配置してもよい。この場合、FET1及びFET2がオン/オフすることでFET1及びFET2に流れるパルス状の電流がLEDモジュール11の基板12内だけになり、出力定電流回路40とLEDモジュール11との間の主電流は直流電流のみとなるためノイズ発生を抑制することができる。
本実施の形態では、電源装置20の制御回路60が、調光信号のデューティ比が大きいほど、光源が暗く点灯するように制御するが、調光信号のデューティ比が大きいほど、光源が明るく点灯するように制御してもよい。また、本実施の形態では、制御回路60が、色温度信号のデューティ比が大きいほど、光源の色温度が低くなるように制御するが、色温度信号のデューティ比が大きいほど、光源の色温度が高くなるように制御してもよい。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図7は、本実施の形態に係る照明装置10(一部のみ)の回路図である。図8は、照明装置10が備えるLEDモジュール11の表面の外観と、LEDモジュール11及び色温度制御回路50間の接続を示す図である。
本実施の形態では、実施の形態1と同様のLEDモジュール11を2つ、電源装置20に接続している。その他の構成については、図1に示した実施の形態1に係る照明装置10と同様である。
LEDアレイ1aとLEDアレイ1b(第1発光部)は、略同じ色温度の複数のLEDを備えており、LEDアレイ1aとLEDアレイ1bの電圧降下は略等しくなっている。このLEDアレイ1aとLEDアレイ1bは並列に接続されている。このように、本実施の形態では、LEDアレイ1aとLEDアレイ1bの電圧降下が略等しくなるようにしているので、LEDアレイ1aに並列接続されたLEDアレイ1bに、LEDアレイ1aと略等しい電流を流すことができる。
同様に、LEDアレイ2aとLEDアレイ2b(第2発光部)は、略同じ色温度の複数のLEDを備えており、LEDアレイ2aとLEDアレイ2bの電圧降下は略等しくなっている。このLEDアレイ2aとLEDアレイ2bは並列に接続されている。このように、本実施の形態では、LEDアレイ2aとLEDアレイ2bの電圧降下が略等しくなるようにしているので、LEDアレイ2aに並列接続されたLEDアレイ2bに、LEDアレイ2aと略等しい電流を流すことができる。
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と比べてLEDモジュール11の数を増やしているため、光束を増加させることができる。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図9は、本実施の形態に係る照明装置10(一部のみ)の回路図である。
本実施の形態では、直列接続したLEDとそのLEDに並列に接続するスイッチ素子であるFET1及びFET2の接続位置を変更している。その他の構成については、図1に示した実施の形態1に係る照明装置10と同様である。
実施の形態1では、互いに異なる色の光を発する2つの発光部(LEDアレイ1a及びLEDアレイ2a)のそれぞれにスイッチ素子(FET1及びFET2)が1つずつ並列に接続されている。そして、制御回路60は、2つのスイッチ素子の少なくとも1つ(FET1又は/及びFET2)のオン/オフを所定の周期で切り替えることで、2つの発光部の少なくとも1つ(LEDアレイ1a又は/及びLEDアレイ2a)を当該周期で点滅させる。これに対し、本実施の形態では、4つの発光部(LEDアレイ1aの高電位側の1つのLED、中間の2つのLED、低電位側の1つのLED、LEDアレイ2a)のうち、2つの発光部(LEDアレイ1aの中間の2つのLED及びLEDアレイ2a)のそれぞれにスイッチ素子(FET1及びFET2)が1つずつ並列に接続されている。そして、制御回路60は、2つのスイッチ素子の少なくとも1つ(FET1又は/及びFET2)のオン/オフを所定の周期で切り替えることで、2つの発光部の少なくとも1つ(LEDアレイ1aの中間の2つのLED又は/及びLEDアレイ2a)を当該周期で点滅させる。
LEDアレイ1aは、4つのLEDが直列接続されたものである。FET1は、LEDアレイ1aを構成する4つのLEDのうち、例えば中間の2つのLEDに対して並列に接続される。
FET1をオフにしているときは、照明装置100が発する光の色温度を、実施の形態1と同様の色温度とする制御が可能となる。例えば、FET2をオンにすると、照明装置100が発する光の色温度は、LEDアレイ1aの色温度(例えば3000K)となる。FET1、FET2をオフにすると、照明装置100が発する光の色温度は、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aの色温度が混ざった中間の色温度(例えば4000K)となる。
FET1をオンにしているときは、LEDアレイ1aを構成する4つのLEDのうち、2つのLEDが消灯する。したがって、この状態でFET2をオフにすると、LEDアレイ2aが点灯するが、照明装置100が発する光の色温度は、実施の形態1と異なり、LEDアレイ2aが発する色温度(例えば5000K)にはならない。つまり、LEDアレイ1aの一部が点灯しているので、照明装置100が発する光の色温度は、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aの色温度が混ざった色温度となる。そして、LEDアレイ1aが部分的に点灯しているため、このときの混ざった色温度は、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aの色温度の中間にならず、LEDアレイ2aの色温度に近づいたものとなる。例えば、LEDアレイ1aの色温度が3000K、LEDアレイ2aの色温度が5000Kであった場合、混ざったときの色温度が4500Kになる。
以上のように、本実施の形態では、LEDアレイ1aを構成する4つのLEDのうち、2つのLEDをFET1によって、点灯、消灯をさせることができ、照明器具としての光の色温度を実施の形態1とは異なるものとすることができる。
なお、出力定電流回路40によって、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aに電流を供給しているので、LEDアレイ1aを構成するLEDの点灯状態を制御しても、個々のLEDに流れる電流を略一定にすることができる。
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図10は、本実施の形態に係る照明装置10(一部のみ)の回路図である。
本実施の形態では、実施の形態1と同様のLEDアレイを3個直列接続し、また、各LEDアレイに対応するスイッチ素子も3個直列接続している。その他の構成については、図1に示した実施の形態1に係る照明装置10と同様である。
電源装置20(色温度制御回路50)には、直列接続されたLEDアレイ1a(第1発光部)とLEDアレイ2a(第2発光部)とLEDアレイ3a(第3発光部)が接続される。色温度制御回路50は、LEDアレイ1aとLEDアレイ2aとLEDアレイ3aのそれぞれに並列に接続される3つのスイッチ素子(FET1、FET2、FET3)を備える。
LEDアレイ1aとLEDアレイ2aは、例えば同じ色温度(例えば5000K)のLEDをそれぞれ3個ずつ備えている。LEDアレイ3aは、例えば赤色のLEDを2個備えている。
電源装置20(色温度制御回路50)は、FET1、FET2、FET3を個別にオン/オフ制御することにより、LEDアレイ1a、LEDアレイ2a、LEDアレイ3aを点灯制御し、それぞれの発光色を混合して電球色を精度よく作り出す。例えば、FET3のオン時間の比を変更することでLEDアレイ3aの発光量を変化させ、LEDアレイ1a、LEDアレイ2a、LEDアレイ3aの合成光が色度図上の電球色の範囲内の光となるようにする。
現状の白色LEDは、光色(色温度)、光束にばらつきがあり、LEDを無選別で組み合わせると目標の光色や光束が得られない。しかしながら、本実施の形態では、FET1、FET2、FET3のオン/オフを制御して色度を調整することにより、目標の光色を得ることができる。また、出力定電流回路40の出力電流を調整することにより、目標の光束を得ることができる。
このように、本実施の形態では、個別にオン/オフ制御されるLEDアレイの数を増やすことで、実施の形態1と比べて、さらにきめ細かい色温度や明るさの制御が可能になる。
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図11は、本実施の形態に係る照明装置10の回路図である。
本実施の形態では、実施の形態1のFET1がない。その他の構成については、図1に示した実施の形態1に係る照明装置10と同様である。
実施の形態1では、互いに異なる色の光を発する2つの発光部(LEDアレイ1a及びLEDアレイ2a)のそれぞれにスイッチ素子(FET1及びFET2)が1つずつ並列に接続されている。これに対し、本実施の形態では、第1色の光(色温度が3000Kの光)を発する第1発光部(LEDアレイ1a)と、第1色と異なる第2色の光(色温度が5000Kの光)を発する第2発光部(LEDアレイ2a)との一方(LEDアレイ2a)のみにスイッチ素子(FET2)が並列に接続されている。
LEDアレイ1aにはスイッチ素子が並列接続されておらず、LEDアレイ2aのみにFET2が並列接続されている。したがって、制御回路60は、色温度信号に基づき、FET2の制御のみを実施する。例えば、FET2がオフのときは、照明装置100が発する光として色温度が4500Kで高光束の光が得られる。FET2がオンのときは、照明装置100が発する光としてLEDアレイ1aのみが発する光、即ち、色温度が3000Kで約1/2の光束の光が得られ、色温度の制御と照度の低下で良好な視環境を保ちながら省電力とすることができる。なお、FET2がオンのとき、制御回路60が出力電流を2倍に制御することで、照明装置100が発する光としてFET2がオフのときと同程度の光束の光を得ることも可能である。本実施の形態では、FET2を共通電位に接続されたLEDと並列接続することでFET駆動回路51が簡素化できる。
実施の形態6.
本実施の形態について、主に実施の形態5との差異を説明する。
図12は、本実施の形態に係る照明装置10の回路図である。
本実施の形態では、電源装置20が、整流平滑回路30、出力定電流回路40、色温度制御回路50、制御回路60のほか、この制御回路60に接続される光束調整抵抗63と、制御回路60に接続される色度調整抵抗64とを備える。
光束調整抵抗63は、出力定電流回路40がLEDモジュール11に供給する電流を調整するためのものである。色度調整抵抗64は、色温度制御回路50のFET2をオン/オフ制御するタイミング(期間)を変更させるものであり、LEDモジュール11が発する色温度(色度)を調整するものである。
本実施の形態では、LEDモジュール11のLEDアレイ1aが、色温度が5000KのLEDを6個備える。LEDアレイ2aは、赤色のLEDを2個備える。
電源装置20(色温度制御回路50)は、FET2をオン/オフ制御することにより、LEDアレイ2aを点灯制御し、LEDアレイ1a、LEDアレイ2aの発光色を混合して電球色を精度よく作り出す。例えば、FET2のオン時間の比を変更することでLEDアレイ2aの発光量を変化させ、LEDアレイ1a、LEDアレイ2aの合成光が色度図上の電球色の範囲内の光となるようにする。
現状の白色LEDは、光色(色温度)、光束にばらつきがあり、LEDを無選別で組み合わせると目標の光色や光束が得られない。しかしながら、本実施の形態では、FET2のオン/オフを制御して色度を調整(色度調整抵抗64を調整)することにより、目標の光色を得ることができる。また、出力定電流回路40の出力電流を調整(光束調整抵抗63を調整)することにより、目標の光束を得ることができる。また、白色LEDを青色LED素子と黄色蛍光体との組み合わせ(Blue−YAG)で構成した場合、赤色のスペクトルが弱くなる傾向があるが、赤色LEDを点灯させることで補間することができる。
このように、本実施の形態では、電源装置20に光束調整抵抗63及び色度調整抵抗64を備えるので、工場出荷時、あるいは、天井等に設置後に、光束調整や、色度調整が容易に行える。
実施の形態7.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図13は、本実施の形態に係る照明装置10の回路図である。
本実施の形態では、LEDモジュール11と電源装置20の色温度制御回路50を1つの筐体13に収容し、少なくとも電源装置20の出力定電流回路40を別の筐体14に収容している。
電源装置20は、実施の形態1の制御回路60に代えて、第1制御回路61と第2制御回路62とを備える。第1制御回路61は、外部からの調光信号を入力し、この調光信号に基づき、出力定電流回路40が出力する出力電流を制御する。第2制御回路62は、外部からの色温度信号を入力し、この色温度信号に基づき、色温度を変化させるための色温度制御信号をFET駆動回路51に出力する。
実施の形態1の制御回路60が、本実施の形態では第1制御回路61と第2制御回路62とに分かれているが、電源装置20及びLEDモジュール11の動作の詳細は、実施の形態1と同様なので説明を省略する。
このように、本実施の形態では、LEDモジュール11と同じ筐体13に電源装置20の色温度制御回路50(FET駆動回路51、FET1、FET2)と、第2制御回路62が備えられる。即ち、LEDモジュール11と色温度制御回路50とが、同一の筐体13に配置され、出力定電流回路40が、この筐体13とは別の筐体14に配置されている。このため、筐体13(LEDモジュール11)と筐体14(出力定電流回路40)との距離が離れたときに、筐体13と筐体14とを接続する電線が延びるが、この電線による外部への漏れ電流を減らす、あるいは、この電線による浮動容量によるレスポンスの劣化等を防止することができる。なお、LEDモジュール11と色温度制御回路50とが、同一の基板に配置され、出力定電流回路40が、この基板とは別の基板に配置されるようにしてもよく、この場合も上記と略同様の効果が得られる。
実施の形態8.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図14は、本実施の形態に係る照明装置10の回路図である。
本実施の形態では、電源装置20は、さらに、電圧検出回路70、保護回路80を備える。電圧検出回路70は、出力定電流回路40の出力電圧を電圧検出抵抗71と電圧検出抵抗72とで分圧して保護回路80に印加する。保護回路80は、この出力電圧をコンパレータ81で基準電圧82と比較する。そして、保護回路80は、この出力電圧の上昇を検出することで、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aのいずれかにおけるLEDのオープン故障を検出する。保護回路80は、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aのいずれかにおけるLEDのオープン故障を検出した場合、異常検出信号(所定の信号)を出力する。制御回路60は、保護回路80から異常検出信号が出力されている場合には、この異常検出信号を入力し、入力した異常検出信号に基づいて、保護回路80がLEDのオープン故障を検出したLEDアレイに接続されたFET(FET1又はFET2)をオンになるように制御する。
図4(b)の例において、FET1のオン/オフに関わらず、FET2がオフの期間でLEDアレイ2aのいずれかのLEDがオープン故障すると、直列接続されたLEDアレイ1a及びLEDアレイ2aには電流が流れなくなるため、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aは消灯する。
このとき、出力定電流回路40はLEDに定電流を流すためにその出力電圧を上昇させる。電圧検出回路70は、この出力電圧を電圧検出抵抗71と電圧検出抵抗72とで分圧し、保護回路80のコンパレータ81に印加する。コンパレータ81の基準電圧82は予め直列接続されたLEDの両端電圧より高く、出力定電流回路40の無負荷時の出力電圧より低く設定されている。そのため、コンパレータ81はその出力電圧を(LowからHiに)反転させ、異常検出信号として制御回路60に印加する。
制御回路60は、FET1をオン/オフ制御、FET2をオフ維持制御している中で保護回路80が保護動作をした(異常検出信号が出力された)ことからLEDアレイ2aでLEDがオープン故障したと推定する。そして、制御回路60は、FET2をオフから常時オンとなるよう制御を変更するとともに、FET1を常時オフとなるように制御する。これによりLEDアレイ1aは点灯を継続することができる。
このように、制御回路60は、少なくともFET2を常時オフにした状態で、保護回路80から異常検出信号が出力された場合、LEDアレイ2aにてLEDのオープン故障が発生したと推定する。そして、制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1を常時オフにし、FET2を常時オンにする。FET1が常時オフであり、FET2が常時オンであるため、LEDアレイ2aにオープン故障したLEDが含まれていても、LEDアレイ1aは常時100%の光出力で点灯する。これにより、照明装置100が発する光の(見た目の)明るさは50%、(見た目の)色温度は3000Kとなる。
ここで、LEDアレイ2aにてLEDのオープン故障が発生したのではなく、LEDアレイ1aにてLEDのオープン故障が発生したとしても、保護回路80は、上記と同様に動作して異常検出信号を出力する。そのため、制御回路60は、一旦FET1を常時オフにし、FET2を常時オンにする制御をした後、保護回路80からの異常検出信号の出力が継続して出力されているか否かを判定する。制御回路60は、異常検出信号が継続して出力されていないと判定した場合、LEDアレイ2aにてLEDのオープン故障が発生したという推定が正しかったと判断する。一方、制御回路60は、異常検出信号が継続して出力されていると判定した場合、LEDアレイ2aにてLEDのオープン故障が発生したのではなく、LEDアレイ1aにてLEDのオープン故障が発生したと判断する。そして、制御回路60は、色温度制御回路50を制御して、FET1を常時オンにし、FET2を常時オフにする。FET1が常時オンであり、FET2が常時オフであるため、LEDアレイ1aにオープン故障したLEDが含まれていても、LEDアレイ2aは常時100%の光出力で点灯する。これにより、照明装置100が発する光の(見た目の)明るさは50%、(見た目の)色温度は5000Kとなる。
この例では、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aが上記のように発光色が異なる設定にしてあるため、LEDアレイ1a及びLEDアレイ2aのどちらが故障したかを目視で確認でき、その故障修理を短時間で実施することができる。
図4(b)の例とは逆に、制御回路60がFET1をオフ維持制御、FET2をオン/オフ制御している中でLEDアレイ1aのいずれかのLEDがオープン故障した場合、上記と同様の動作により、制御回路60は、FET1をオフから常時オンとなるよう制御を変更するとともに、FET2を常時オフとなるように制御する。これによりLEDアレイ2aは点灯を継続することができる。
なお、ここでは、FET1及びFET2のいずれか一方がスイッチング動作し、他方が常時オフの状態でLEDにオープン故障が発生する例を示しているが、FET1及びFET2の両方がスイッチング動作している状態や、FET1及びFET2のいずれか一方が常時オンの状態等でLEDにオープン故障が発生する場合でも、同様の動作で対応可能である。いずれの場合でも、保護回路80が異常検出信号を出力することになるため、制御回路60は、異常検出信号に基づき、LEDアレイ1a又はLEDアレイ2aでLEDのオープン故障が発生したと推定して、前述した動作を行えばよい。このとき、FET1及びFET2のいずれか一方が常時オンの状態であれば、そのFETとは別のFETに接続されたLEDアレイでLEDのオープン故障が発生したと最初から判断できる。
以上のように、本実施の形態によれば、共通の出力定電流回路40に接続されたLEDの1つがオープン故障した場合に他のLEDを保護することができる。また、そのような場合に他のLEDを点灯させることにより一定の明るさを確保することができる。即ち、直列接続したLEDがオープン故障した際に、全てのLEDが消灯して、真っ暗になることを防止できる。また、その照明からの光が変化する(例えば、明るさが半減したり、色温度が変化したりする)ため、どのLED(発光部)が故障しているかを目視確認でき、その故障修理を短期間に実施することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。