以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の全体構成]
図1及び図2に外観を示すように、現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになされている。
因みに図1は斜視図を表しており、図2(A)は平面図を、図2(B)は正面図をそれぞれ表している。また以下では、現金自動預払機1のうち顧客が対峙する正面側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が一部切り落とされたような形状となっており、この部分に接客部3が設けられている。
接客部3は、前方向を向いた正面パネル2A及び上斜め前方向を向いた斜面パネル2Bにより構成されており、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになされている。
接客部3は、正面パネル2Aにカード入出口4及び通帳入出口5が設けられると共に、斜面パネル2Bに紙幣入出金口6、硬貨入出金口7、表示操作部8、通話部9及び本体スピーカ10が設けられている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(後述する)が設けられている。
通帳入出口5は、通帳が挿入または排出される部分である。通帳入出口5の奥側には、通帳に記録された磁気情報の読み取りや取引内容の印字処理等を行う通帳処理部(後述する)が設けられている。
紙幣入出金口6は、顧客が入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。また紙幣入出金口6は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになされている。
硬貨入出金口7は、顧客が入金する硬貨が投入されると共に、顧客へ出金する硬貨が排出される部分である。また硬貨入出金口7は、紙幣入出金口6と同様にシャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになされている。
表示操作部8は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。
通話部9は、筐体2の上面に設けられた載置台40に着脱可能なハンドセット30が載置されており、顧客に当該ハンドセット30を把持させて音声ガイダンスを耳元から放音し得るようになされている(詳しくは後述する)。
因みに通話部9は、例えば表示操作部8を操作することが困難な視覚障碍者に対し、専用の音声ガイダンスを聴取させながら専用の操作ボタン(図示せず)を用いて取引処理を行わせることが想定されている。
本体スピーカ10は、顧客の操作や処理の進捗状況等に応じて、必要な操作の手順や状況の説明等を案内する音声ガイダンスを音声として出力するようになされている。
主制御部11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等の種々の処理を行うようになされている。
また主制御部11は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に各種プログラムや音声ガイダンスの音声データ等、種々の情報を記憶させるようになされている。
さらに主制御部11は、図3に示すように、バス14を介して現金自動預払機1内の各部と接続されている。バス14には、主制御部11に加えて、紙幣処理部12、硬貨処理部13、カード処理部15、通帳処理部16、表示処理部17、操作処理部18、音声処理部19及び通信処理部20がそれぞれ接続されている。
紙幣処理部12は、紙幣に関する種々の処理を行ようになされている。また硬貨処理部13は、硬貨に関する種々の処理を行うようになされている。
カード処理部15は、主制御部11の制御に基づいてカードの磁気情報を読み取るようになされている。また通帳処理部16は、主制御部11の制御に基づいて磁気情報の読み取りや取引内容の印字等を行うようになされている。
表示処理部17は、表示操作部8のLCDと接続されており、主制御部11の制御に基づいて表示画面を生成し、これを当該LCDに表示させるようになされている。
操作処理部18は、表示操作部8のタッチセンサと接続されており、当該タッチセンサに対する操作入力を検出し、その内容を主制御部11へ通知するようになされている。また操作処理部18は、通話部9のフックスイッチ47からフック信号SFを取得すると共にリードスイッチ65から検出信号SDを取得し、これらを主制御部11へ供給するようになされている(詳しくは後述する)。
音声処理部19は、主制御部11から供給される音声データを音声信号に変換し、これを本体スピーカ10又は通話部9のハンドセット30に搭載された耳元スピーカ31へ供給するようになされている。また音声処理部19は、ハンドセット30に搭載されたマイクロホン32から音声信号の供給を受けるようになされている。
通信処理部20は、通信回線を介して通信網21と接続されている。この通信網21には、他の通信回線を介してオペレーションセンタ22が接続されている。
オペレーションセンタ22は、現金自動預払機1を遠隔地から監視すると共に、手助けが必要な顧客に対しオペレータによる案内や説明を行い得るようになされている。
オペレーションセンタ22は、オペレータにより操作されるオペレータ端末23が設けられている。このオペレータ端末23は、一般的な電話機と同様の機能を有する通話装置が組み込まれており、通信網21を介して現金自動預払機1の通話部9を使用している顧客との間で通話を行わせ得るようになされている。
[1−2.通話部の構成]
通話部9は、図4に示すように、筐体2に組み込まれた載置台40と、当該載置台40から顧客に持ち上げられて使用されるハンドセット30とにより構成されている。
[1−2−1.ハンドセットの構成]
ハンドセット30は、図5(A)及び(B)に示すように、一般的な電話機等のハンドセット(受話器)と同様、大きく分けて使用時に顧客の耳元に近接される耳元部33、顧客の口元に近接される口元部34、及び両者を接続し顧客に把持される把持部35により構成されている。
ハンドセット30は、載置台40上に載置された際に上方向を向く側(以下これを背面側と呼ぶ)がほぼ平坦に形成されており、把持部35における耳元部33側に音量切替スイッチ36が設けられている。
またハンドセット30は、載置台40上に載置された際に下方向を向く側であって顧客に把持された際に耳元や口元に近接する側(以下これを正面側と呼ぶ)において、耳元部33及び口元部34が把持部35よりも突出するよう形成されている。
説明の都合上、以下ではハンドセット30の把持部35から耳元部33及び口元部34へ向かう方向をそれぞれ耳元方向及び口元方向と呼び、また当該把持部35から正面側及び背面側へ向かう方向をそれぞれ正面方向及び背面方向と呼ぶ。
図4におけるA1−A2断面を図6(A)に示すように、耳元部33は、内部に耳元スピーカ31が組み込まれており、当該耳元スピーカ31から正面側へ向けて音声を出力するようになされている。
口元部34は、内部にマイクロホン32が組み込まれており、当該マイクロホン32により周囲の音声を収音して音声信号に変換するようになされている。
また図5に示したように、口元部34には、ケーブル接続部50が設けられており、当該ケーブル接続部50を介して音声信号を伝達するケーブル38が接続されている。
ケーブル接続部50は、全体として口元部34よりも細い円柱状に形成されており、長手方向の一端側からケーブル38が引き出されると共に、その反対端側に半円柱状の回動部51が形成されている。
回動部51は、ハンドセット30の口元部34に形成された溝部34Dにより回動可能に支持されており、これにより当該ハンドセット30に対しケーブル接続部50を自在に回動させ得るようになされている。
ただし溝部34Dは、ハンドセット30に対するケーブル接続部50の回動範囲を、正面方向と口元方向との間となる約90度の範囲に制限しており、当該ケーブル接続部50をこれ以外の方向へ回動させないようになされている。
因みにケーブル接続部50及び溝部34Dは、図示しない接続ケーブルを内部に通すことにより、ケーブル38と耳元スピーカ31及びマイクロホン32とを電気的に接続するようになされている。
またケーブル接続部50の内部には、被検出体としてのマグネット52が組み込まれている(詳しくは後述する)。
[1−2−2.載置台の構成]
載置台40は、図4に示したようにハンドセット30を載置させ得るようになされており、図6(A)に示したようにハンドセット30の耳元部33、口元部34及び把持部35とそれぞれ対応する耳元部窪み43、口元部窪み44及び把持部窪み45を前後方向に互いに連接させている。
すなわち載置台40は、ハンドセット30が使用されない場合(図6(A))、当該ハンドセット30の耳元部33、口元部34及び把持部35をそれぞれ窪み41の耳元部窪み43、口元部窪み44及び把持部窪み45に嵌め込むように載置させることが想定されている。以下、このときにハンドセット30が正しく載置される位置を適正位置と呼ぶ。
耳元部窪み43における把持部窪み45との接続部分の近傍には、上下方向に貫通するフック孔43Hが穿設されている。また把持部窪み45の下方には、フック46及びフックスイッチ47が設けられている。
フック46は、前後方向に細長く形成されており、口元部窪み44側の回動軸を中心として、耳元部窪み43側において上方向に突出した突出部46Aを上下方向へ動かすように回動する。またフック46は、突出部46Aを耳元部窪み43の底面43Aから上方へ突出させる箇所に配置されている。
フックスイッチ47は、フック46の下側に配置されており、直方体状の本体部47Aと、当該本体部47Aから後方へ向けて突出したレバー47Bとを有している。
レバー47Bは、本体部47Aにより回動可能に支持されると共に、図示しないスプリングにより上方向へ付勢され、フック46に対し上方向へ向かう力を加えている。
さらにフックスイッチ47は、レバー47Bの回動角度に連動するスイッチ(図示せず)を内部に有しており、このスイッチの状態に応じてフック信号SFを「オン」又は「オフ」に切り換えて出力するようになされている。
このスイッチは、レバー47Bが後端部を後方ないし後斜め下に向けたとき、すなわちフック46が押下されたときに「オン」となり、それ以外のときに「オフ」となる。
このように現金自動預払機1では、載置台40におけるハンドセット30を載置すべき適正位置に窪み41を形成し、耳元部窪み43の底面43Aから上方へ突出させたフック46の押下状態に応じてフック信号SFを「オン」又は「オフ」に切り換えるようになされている。
ところで口元部窪み44は、上側にハンドセット30の口元部34が嵌り込むような空間を形成しており、その下側に収容部60が設けられている。
収容部60は、周側壁61によってケーブル接続部50よりも一回り大きな収容空間62を形成しており、当該収容空間62内にケーブル接続部50を円滑に収容し得るようになされている。
さらに収容部60の底部63には、上下に貫通された孔部63Hが穿設されている。また窪み41の下方には、ケーブル38を巻き取る巻取部48が設けられている。
巻取部48は、中心軸48Aの周囲にケーブル38を巻き付けるようになされており、また図示しないスプリングの作用により当該中心軸48Aに対し巻取方向の回転力を与えている。
このため巻取部48は、特に外力が加えられないときにはケーブル38を巻き取ることにより当該ケーブル38を収容部60の孔部63H内へ引き込み、ハンドセット30を載置台40に引き寄せ、さらにケーブル接続部50を収容部60の収容空間62内へ落とし込む。
これを換言すれば、このとき巻取部48は、ケーブル38及びケーブル接続部50を引き込む対象である被引込体として、収容部60の収容空間62内へ順次引き込んでいく。
一方巻取部48は、ハンドセット30が顧客等により持ち上げられると、当該ハンドセット30にケーブル接続部50を介して接続されているケーブル38が引っ張られるため、当該ケーブル38をその引っ張り量に応じて引き出すものの、当該ケーブル38に対しては常に巻き取る方向に力を加えている。
すなわち巻取部48は、ケーブル38を巻き取る方向に付勢することにより、当該ケーブル38を介して常にハンドセット30の口元部34を口元部窪み44及び収容部60へ引き寄せようとしている。
[1−2−3.リードスイッチの構成]
さらに収容部60の周側壁61よりも外側には、検出部としてのリードスイッチ65が設けられている。
リードスイッチ65は、図7(A)に示すように、密閉された容器71と、当該容器71の内外を貫通する端子72及び73と、容器71の内側において当該端子72及び73からそれぞれ中心近傍へ向けて延設された接触片74及び75とにより構成されている。
容器71は、ガラスや樹脂等の透磁性を有する材料により構成されており、磁界を殆ど減衰させずに透過させるようになされている。また容器71は、楕円体状に形成されると共に、その長軸方向の両端近傍において、内外を貫通するように端子72及び73が設けられている。
端子72及び73は、容器71の長軸方向に沿って内外を貫通する線材であり、導電性を有する材料により構成されている。また端子72及び73は、ある程度の太さを有しているために容易に変形されることがなく、また磁力が加えられた際にも殆ど変形しないようになされている。
接触片74及び75は、端子72及び73から延設された直線状の部材により構成されており、図7(A)に示したように、自然状態では互いに僅かに隙間を空け、互いに電気的に絶縁されている。
また接触片74及び75は、導電性の磁性材料により構成されると共に弾性を有している。このため接触片74及び75は、周囲に磁石が近接されるなどして磁界が生じると、この磁界の影響により一時的に磁化され、変形することにより、図7(B)に示すように、互いに接触して端子72及び73の間を導通させる。
因みに接触片74及び75は、磁界の影響が無くなると、弾性力の作用により再び互いに離隔した位置に戻り(図7(A))、端子72及び73の間を電気的に絶縁させる。
ここでリードスイッチ65は、磁石MGが近接される場合、その位置及び方向に応じて、接触片74及び75を互いに引き合わせて接触させ、或いは離隔させたままとする。
具体的にリードスイッチ65は、図7(C)に示すように、容器71における長軸方向(以下、この方向をリードスイッチ65の長手方向とも呼ぶ)に対し磁石MGの磁極同士を結ぶ線(以下これを極結線LPと呼ぶ)がほぼ平行となるように配置される場合、磁石MGが領域R1内にあるときのみ、接触片74及び75を接触させて端子72及び73の間を導通させる。
またリードスイッチ65は、図7(D)に示すように、長手方向に対し極結線LPをほぼ垂直に向けるように磁石MGが配置される場合、磁石MGが領域R2又はR3内にあるときのみ、接触片74及び75を接触させて端子72及び73の間を導通させる。
一方リードスイッチ65は、磁石MGが図7(C)における領域R1内又は図7(D)における領域R2内若しくはR3内のいずれにもない場合、接触片74及び75を離隔させたままとし、端子72及び73の間を絶縁させたままとする。
このようにリードスイッチ65は、磁石MGの位置及び方向に応じて接触片74及び75を接触させることにより、端子72及び73の間を導通させるスイッチとして機能するようになされている。
[1−3.リードスイッチによるハンドセットの検出]
リードスイッチ65は、図6に示したように、載置台40の収容部60における収容空間62の後側に、周側壁61から距離D1を隔てて耳元部窪み43側に位置するよう、所定の基板上に取り付けられている。またリードスイッチ65は、その長手方向を左右に向けるように取り付けられている。
これと対応するように、ハンドセット30のケーブル接続部50における円柱状部分の中心軸よりも耳元部33側へ偏った箇所には、マグネット52が内蔵されている。このマグネット52は、N極とS極とを結ぶ極結線LPを、ハンドセット30における幅方向、すなわち口元部34及び耳元部33を結ぶ中心線と直交し、且つ背面側と正面側とを結ぶ仮想的な直線とも直交する方向へ向けるように配置されている。
このためリードスイッチ65は、載置台40にハンドセット30が載置されていない場合、すなわちケーブル接続部50が収容部60から大きく引き離されている場合(図6(B))、その近傍にマグネット52が存在しないため、端子72及び73の間を絶縁させ、検出信号SDを「オフ」として出力する。
次に、図8(A)に示すように、通話部9においてハンドセット30が載置台40の適正位置PS1に正しく載置され、ケーブル接続部50が収容部60の収容空間62内に収容された場合を想定する。
このときのリードスイッチ65及びマグネット52の位置を、収容部60の収容空間62及びケーブル接続部50の位置と併せて模式化すると、図9(A)及び(B)のように表すことができる。因みに図9(A)は斜視図であり、図9(B)は平面図である。
この図9(A)及び(B)から判るように、通話部9においてハンドセット30が載置台40の適正位置PS1に正しく載置された場合、マグネット52は、リードスイッチ65に近接され、且つ極結線LPの方向を当該リードスイッチ65の長手方向とほぼ平行としている。
このときリードスイッチ65は、図7(C)における領域R1内にマグネット52が位置する状態となるため、接触片74及び75(図7(A))を接触させて端子72及び73の間を導通させ、検出信号SDを「オン」として出力する。
さらに、図8(B)に示すように、ハンドセット30が回転位置PS2にある場合を想定する。この場合、通話部9では、ハンドセット30のケーブル接続部50が収容部60の収容空間62内に収容されているものの、耳元部33側が適正位置PS1から大きく右側に外れている。すなわちハンドセット30は、ケーブル接続部50を中心として適正位置PS1から約30度右方向へ回転したような状態となっている。
このときリードスイッチ65は、図9(B)と対応する図9(C)に示すように、ハンドセット30が適正位置PS1にあるときよりもマグネット52から離れているものの、かろうじて当該マグネット52の磁力の影響を受け、端子72及び73の間を導通させる。
またハンドセット30が適正位置PS1から左方向へ約30度回転した場合にも、同様にマグネット52の磁力の影響を受け、接触片74及び75を接触させて端子72及び73の間を導通させる。
すなわち通話部9は、ハンドセット30が適正位置PS1を中心とした左右約30度の範囲内に収まっていれば、リードスイッチ65における端子72及び73の間を導通させ、検出信号SDを「オン」として出力する。
因みに収容部60では、周側壁61からの距離D1及びマグネット52により形成される磁界の強さに起因して、リードスイッチ65において端子72及び73の間を導通させ得る回転範囲が、適正位置PS1から左右にそれぞれ約30度の範囲となっている。
今度は、図8(C)に示すように、ハンドセット30が回転位置PS3にある場合を想定する。この場合、通話部9では、ハンドセット30のケーブル接続部50が収容部60の収容空間62内に収容されているものの、耳元部33側が口元部34のほぼ右側に位置している。すなわちハンドセット30は、ケーブル接続部50を中心として適正位置PS1から約90度右方向へ回転したような状態となっている。
このときリードスイッチ65は、図7(D)における領域R2及びR3の外側にマグネット52が位置した状態となるため、接触片74及び75(図7(A))を離隔させて端子72及び73の間を絶縁させ、検出信号SDを「オフ」として出力する。
すなわち通話部9は、ケーブル接続部50が収容部60の収容空間62内に収まっていたとしても、ハンドセット30が適正位置PS1を中心とした左右約30度の範囲外にあれば、リードスイッチ65における端子72及び73の間を絶縁させ、検出信号SDを「オフ」として出力することができる。
このように通話部9は、リードスイッチ65とマグネット52との位置関係に応じて、ハンドセット30が適正位置PS1を中心とした左右約30度の範囲内にあれば検出信号SDを「オン」とし、それ以外の場合は「オフ」とするようになされている。
説明の都合上、以下ではハンドセット30の適正位置PS1を中心とした左右約30度の範囲を準適正範囲SPAと呼ぶ(図8(B))。
[1−4.フック状態の判別及び取引モードの切替]
ところで主制御部11(図3)は、上述したように、操作処理部18を介してフックスイッチ47(図6)からフック信号SFを取得すると共に、リードスイッチ65から検出信号SDも取得するようになされている。
通話部9においてフック46が押下されている場合、このことは、ハンドセット30が載置台40の適正位置PS1(図8(A))に正しく載置されており、顧客が当該ハンドセット30を持ち上げていないことを表している。
そこで主制御部11は、フック信号SFが「オン」であれば、ハンドセット30がオンフック状態にあり、顧客に当該ハンドセット30を使用する意図が無いものと認識して、各種処理を行う。
一方、回転位置PS2(図8(B))のように、通話部9においてフック46が押下されていないものの、ケーブル接続部50が載置台40における収容部60の収容空間62内に入っており、且つ準適正範囲SPA内、すなわち適正位置PS1を中心とした左右約30度の範囲内に収まっている場合がある。
この場合、ハンドセット30が適正位置PS1からややずれてはいるものの、適正位置PS1の比較的近傍に載置されているといえる。このことから、顧客にはハンドセット30を適正位置PS1に載置しようとする意思が有り、少なくとも当該ハンドセット30を使用する意図が無いものと考えられる。
そこで主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であったとしても、検出信号SDが「オン」であった場合、フック信号SFが「オン」であった場合と同様に、顧客に実際に持ち上げられていないものと認識して、各種処理を行うようになされている。
以下、このようにハンドセット30が適正位置PS1に載置されフック46が実際に押下された場合を含めて、当該ハンドセット30が準適正範囲SPAに載置された状態を、実質的にフック信号SFが「オン」であるものとして取り扱い得る状態と見なし、オンフック状態と呼ぶ。
また、回転位置PS3(図8(C))のように、通話部9においてフック46が押下されておらず、ケーブル接続部50が載置台40における収容部60の収容空間62内に入っているものの適正位置PS1から大きく回転されている場合がある。
この場合、顧客が両手を使って何らかの操作を行いたい等、フック46を押下したくないものの当該ハンドセット30から一時的に手を離したい、といった状況が考えられる。
さらに、ハンドセット30が載置台40から持ち上げられている場合には、顧客に当該ハンドセット30を使用する意図があるものと考えられる。
そこで主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であり且つ検出信号SDも「オフ」であった場合、顧客に実際に持ち上げられているものと認識して、各種処理を行うようになされている。
以下、このようにハンドセット30が準適正範囲SPAの外に載置された状態を、実質的にフック信号SFが「オフ」であるものとして取り扱い得る状態と見なし、オフフック状態と呼ぶ。
ここで、主制御部11におけるフック信号SF及び検出信号SDからフック状態(すなわちオンフック状態又はオフフック状態のいずれであるか)を認識する処理は、論理演算によっても表すこともできる。
例えば、フック信号SF及び検出信号SDの「オン」及び「オフ」をそれぞれ「1」及び「0」に割り当て、またフック状態のうちオンフック状態及びオフフック状態もそれぞれ「1」及び「0」に割り当てるものとする。
この場合、主制御部11は、図10(A)に示すように、フック信号SF及び検出信号SDの論理和を演算することにより、図10(B)に示すようにフック状態を認識することができる。
そして主制御部11は、顧客との間で行われる取引処理における取引モードを、フック信号SF及び検出信号SDに基づいて認識したフック状態を用いながら、図11に示すフローチャートに従って切り替えるようになされている。
すなわち主制御部11は、取引モード切替処理手順RT1を開始してステップSP1へ移る。
ステップSP1において主制御部11は、表示操作部8に対する顧客の操作に基づいて取引処理を開始し、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2において主制御部11は、初期状態として健常者用取引モードに遷移して取引処理を継続し、次のステップSP3へ移る。因みにこの健常者用取引モードでは、音声ガイダンスが本体スピーカ10(図1)から出力される。
ステップSP3において主制御部11は、フック信号SF及び検出信号SDを基に、ハンドセット30がオフフック状態にあるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは健常者用取引モードを継続すべきであることを表しており、このとき主制御部11は次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において主制御部11は、ステップSP1において開始した取引に関する全ての手続きを完了したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは現在の取引を継続すべきであるため、再度ステップSP3へ戻る。
またステップSP4において肯定結果が得られると、このことは現在の取引処理を終了すべきであることを表しており、このとき主制御部11は次のステップSP7へ移る。
一方、ステップSP3において肯定結果が得られると、このことは顧客によりハンドセット30が載置台40から持ち上げられたこと、すなわち顧客が視覚障碍者であり、当該ハンドセット30を使用した取引処理を所望していることを表しており、このとき主制御部11は次のステップSP5へ移る。
ステップSP5において主制御部11は、視覚障碍者用取引モードに遷移して取引処理を継続し、次のステップSP6へ移る。因みにこの視覚障碍者用取引モードでは、専用の音声ガイダンスがハンドセット30の耳元スピーカ31から出力される。
ステップSP6において主制御部11は、フック信号SF及び検出信号SDを基に、ハンドセット30がオンフック状態にあるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはハンドセット30が未だに顧客に把持されて使用されており、取引処理を終了すべきでないことを表しており、このとき主制御部11は、再度ステップSP6へ戻って取引処理を継続する。
一方ステップSP6において肯定結果が得られると、このことはハンドセット30を使用していた顧客が当該ハンドセット30を載置台40に戻したため、顧客に取引処理を終了する意図があることを表しており、このとき主制御部11は次のステップSP7へ移る。
ステップSP7において主制御部11は、一連の取引処理を終了し、次の顧客との新たな取引処理を開始するための所定の準備処理を行った後、次のステップSP8へ移って取引モード切替処理手順RT1を終了する。
このように主制御部11は、フック信号SF及び検出信号SDを組み合わせることにより、ハンドセット30のフック状態がオンフック状態又はオフフック状態のいずれであるかを認識し、このフック状態に応じた取引モードで取引処理を行うようになされている。
[1−5.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態による通話部9は、載置台40にフック46及びフックスイッチ47を組み込み、ハンドセット30が適正位置PS1に載置されたときに耳元部33により当該フック46を押下させるようにした。
また通話部9は、ハンドセット30のケーブル接続部50と載置台40とを繋ぐケーブル38に対し、巻取部48により常に巻き取る方向に付勢するようにした。
通話部9は、ハンドセット30が顧客の手から離れた場合や適正位置PS1へ戻されようとする場合、巻取部48の巻取動作により、ケーブル38及びケーブル接続部50を収容部60内へ引き込んでいくため、ハンドセット30の口元部34を当該口元部窪み44のほぼ真上まで引き寄せる。
さらに通話部9は、ハンドセット30のケーブル接続部50にマグネット52を内蔵すると共に、載置台40の収容部60における収容空間62の近傍にリードスイッチ65を設けた。
リードスイッチ65は、ハンドセット30が準適正範囲SPA内、すなわち適正位置PS1を中心とした左右それぞれに約30度の範囲内にある場合に、検出信号SDを「オン」として出力する。またフックスイッチ47は、フック46が押下された場合に、フック信号SFを「オン」として出力する。
主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であり且つ検出信号SDも「オフ」であった場合のみ、ハンドセット30のフック状態がオフフック状態であると認識する。
また主制御部11は、フック信号SFが「オン」であった場合、及びフック信号SFが「オフ」であっても検出信号SDが「オン」であった場合には、ハンドセット30のフック状態がオンフック状態であると認識する。
ここで通話部9では、顧客にハンドセット30を適正位置PS1に戻す意図があれば、当該適正位置PS1から多少ずれていたとしても、当該ハンドセット30がその近傍に載置される可能性、すなわち準適正範囲SPA内に載置される可能性が高いと考えられる。
このため通話部9は、ハンドセット30が適正位置PS1に正しく載置された場合のみならず、当該準適正範囲SPAに載置されている場合であっても、顧客に当該ハンドセット30を使用する意図が無く事実上のオンフック状態であることを主制御部11に認識させて、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
例えば現金自動預払機1では、目の不自由な顧客がハンドセット30を利用して取引処理を完了した後、当該ハンドセット30を適正位置PS1に戻す意思が有りながら正しく載置することができなかったとしても、当該適正位置PS1の近傍である準適正範囲SPA内に載置されることにより、オンフック状態にあるものと認識できるので、次の顧客に対する取引処理を開始することができる。
また通話部9では、ハンドセット30に対するケーブル接続部50の回動可能な方向を、正面方向から手元方向までの約90度の範囲に制限した。
このため通話部9では、ハンドセット30が向いている方向を、収容部60に対しケーブル接続部50が向いている方向により判別することができる。
さらに通話部9は、リードスイッチ65の特性(図7(C)及び(D))を踏まえ、長軸方向を左右方向に向けるよう設置すると共に、マグネット52の極結線LPをハンドセット30の幅方向に向けるよう設置した。
このため通話部9は、ケーブル接続部50が載置台40の収容空間62内に収まっていたとしても、ハンドセット30が準適正範囲SPAの外、すなわち適正位置PS1から左右それぞれに約30度の範囲外にあるときには、検出信号SDを「オフ」とすることができる。
これにより通話部9は、ハンドセット30が回転位置PS3(図8(C))のように適正位置PS1から大きく回転された位置に載置されている場合には、顧客に当該ハンドセット30を適正位置PS1に戻す意図が無く、むしろ当該ハンドセット30の使用を継続する意思が有り一時的に手を離したに過ぎないものとして、主制御部11にオフフック状態として認識させることができる。
さらに通話部9は、リードスイッチ65の検出信号SDとは独立してフック信号SFを「オン」として出力する。このため主制御部11では、顧客によりフック46が押下された場合には、リードスイッチ65からの検出信号SDと無関係に、オンフック状態になったものと認識することができ、これに応じた処理を行うことができる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による通話部9は、ハンドセット30のケーブル接続部50と載置台40とを繋ぐケーブル38を巻取部48により巻き取り、当該ケーブル接続部50を収容部60の収容空間62内へ引き込む。このとき通話部9は、ハンドセット30が適正位置PS1を中心とした準適正範囲SPA内にあれば、ケーブル接続部50に内蔵されたマグネット52によりリードスイッチ65からの検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であっても検出信号SDが「オン」であればオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、通話部9及び主制御部11に代わる通話部109及び主制御部111が設けられている点が相違している。
主制御部111は、第1の実施の形態による主制御部11と比較して、オンフック状態又はオフフック状態の認識処理が一部異なるものの、他の部分については同様に構成されている(詳しくは後述する)。
通話部109は、図8(A)と対応する図12(A)に示すように、第1の実施の形態による通話部9と比較して、載置台40に代わる載置台140を有する点が相違するものの、ハンドセット30については同様に構成されている。
[2−1.載置台の構成]
載置台140は、第1の実施の形態による載置台40と比較して、収容部60に代わる収容部160を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
収容部160は、図9(A)及び(B)と対応する図13(A)及び(B)に示すように、第1の実施の形態による収容部60と比較して、リードスイッチ65と同様に構成されたリードスイッチ165及び166を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
検出部としてのリードスイッチ165は、第1の実施の形態におけるリードスイッチ65と同様に、収容空間62の後側に、長手方向を左右に向けるように配置されているものの、周側壁61からの距離が距離D1よりも小さい距離D2となっている。
一方、検出部としてのリードスイッチ166は、収容空間62の右側に、周側壁61から距離D2を隔てた箇所に、長手方向を前後に向けるように、すなわちリードスイッチ165に対し長手方向同士を直交させるように配置されている。
またリードスイッチ165及び166は、第1の実施の形態におけるリードスイッチ65と同様の特性を有しており(図7)、それぞれ周囲に形成される磁界に応じて端子72及び73の間を絶縁又は導通させ、それぞれ検出信号SD1及びSD2を出力するようになされている。
かかる構成により通話部109では、載置台140に対するハンドセット30の載置状態に応じて、リードスイッチ165及び166から出力される検出信号SD1及びSD2が変化することになる。
例えば通話部109は、載置台140にハンドセット30が載置されていない場合、すなわちケーブル接続部50が収容部160から大きく引き離されている場合、リードスイッチ165及び166の近傍にマグネット52が存在しないため、検出信号SD1及びSD2を「オフ」として出力する。
次に、図12(A)に示したように、通話部109においてハンドセット30が載置台140の適正位置PS11に正しく載置され、ケーブル接続部50が収容部160の収容空間62内に収容された場合を想定する。
このときマグネット52は、図13(A)及び(B)に示したように、N極とS極とを結ぶ極結線LPを、リードスイッチ165の長手方向とほぼ平行とし、リードスイッチ166の長手方向とほぼ直交させている。
このときリードスイッチ165は、マグネット52が領域R1(図7(C))内に位置するため、検出信号SD1を「オン」とする。一方リードスイッチ166は、マグネット52が図7(D)における領域R2及びR3の外側に位置するため、検出信号SD2を「オフ」とする。
さらに、図12(B)に示すように、ハンドセット30が回転位置PS12にある場合を想定する。この場合、通話部109では、ハンドセット30のケーブル接続部50が収容部160の収容空間62内に引き込まれているものの、耳元部33側が適正位置PS11から大きく右側に外れている。すなわちハンドセット30は、ケーブル接続部50を中心として適正位置PS11から約45度右方向へ回転したような状態となっている。
このときリードスイッチ165は、図12(B)と対応する図13(C)に示すように、ハンドセット30が適正位置PS11にあるときよりもマグネット52から離れているものの、かろうじて当該マグネット52の磁力の影響を受け、端子72及び73の間を導通させて、検出信号SD1を「オン」とする。
またリードスイッチ166も、かろうじてマグネット52の磁力の影響を受け、端子72及び73の間を導通させて、検出信号SD2を「オン」とする。
因みに収容部160では、周側壁61からの距離D2及びマグネット52により形成される磁界の強さに起因して、リードスイッチ165及び166において端子72及び73の間を導通させ得る回転範囲が、適正位置PS11から約45度の範囲となっている。
今度は、図12(C)に示すように、ハンドセット30が回転位置PS13にある場合を想定する。この場合、通話部109では、ハンドセット30のケーブル接続部50が収容部160の収容空間62内に収容されているものの、耳元部33側が口元部34のほぼ右側に位置している。すなわちハンドセット30は、ケーブル接続部50を中心として適正位置PS11から約90度右方向へ回転したような状態となっている。
このときリードスイッチ165は、図13(D)に示すように、マグネット52が図7(D)における領域R2及びR3の外側に位置するため、検出信号SD1を「オフ」とする。一方リードスイッチ166は、マグネット52が領域R1(図7(C))内に位置するため、検出信号SD2を「オン」とする。
このように通話部9は、リードスイッチ165及び166とマグネット52との位置関係により、ハンドセット30の載置状態に応じて検出信号SD1及びSD2をそれぞれ「オン」又は「オフ」とするようになされている。
[2−2.フック状態の判別]
ところで第2の実施の形態による主制御部111は、第1の実施の形態による主制御部11と一部異なる手法によりフック状態を判別するようになされている。
まず主制御部111は、リードスイッチ165及び166から検出信号SD1及びSD2を取得すると、当該検出信号SD1及びSD2を基に統合検出信号SDUを生成するようになされている。
具体的に主制御部111は、検出信号SD1が「オン」であり検出信号SD2が「オフ」である場合、すなわちハンドセット30が適正位置PS11(図12(A))にある場合や、当該適正位置PS11を中心とした約45度未満の範囲内にある場合に、統合検出信号SDUを「オン」とする。
また主制御部111は、それ以外の場合、すなわちハンドセット30が回転位置PS12(図12(B))や回転位置PS13(図12(C))等にある場合に、統合検出信号SDUを「オフ」とする。
これらの処理を効率的に行うべく、主制御部111は、図14に示す検出テーブルTBL2を参照することにより、検出信号SD1及びSD2から統合検出信号SDUを生成するようになされている。
その後主制御部111は、第1の実施の形態における検出信号SDの代わりに統合検出信号SDUを用い、図10に示したようにフック信号SFとの間で演算を行うことにより、フック状態を判別するようになされている。さらに主制御部111は、第1の実施の形態と同様、取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[2−3.動作及び効果]
以上の構成において、第2の実施の形態による通話部109は、ハンドセット30のケーブル接続部50にマグネット52を内蔵すると共に、収容部160における収容空間62の近傍にリードスイッチ165及び166を互いにほぼ直交するように配置した。
そして通話部109は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット30が顧客の手により載置台140へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38及びケーブル接続部50を収容部160内へ引き込み、ハンドセット30の口元部34を口元部窪み44のほぼ真上まで引き寄せる。
続いて通話部109は、マグネット52との位置関係に応じて、リードスイッチ165及び166により検出信号SD1及びSD2をそれぞれ生成する。
主制御部111は、検出テーブルTBL2(図14)を参照して統合検出信号SDUを生成し、この統合検出信号SDUとフック信号SFとの間で論理和を演算することにより、フック状態を判別する(図10)。
特に通話部109は、ハンドセット30が適正位置PS11及びその近傍約45度未満の範囲内にあるとき、検出信号SD1及びSD2をそれぞれ「オン」及び「オフ」となり、統合検出信号SDUを「オン」とする。これに応じて主制御部111は、フック信号SFが「オフ」であったとしても、フック状態をオンフック状態として認識することができる。
このため通話部109は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット30が適正位置PS11に正しく載置された場合のみならず、当該適正位置PS11から約45度未満の範囲内に回転している場合であっても、顧客に当該ハンドセット30を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを主制御部111に認識させ、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
また通話部109は、リードスイッチ165に加えてリードスイッチ166を設け、主制御部111において検出信号SD1及びSD2を組み合わせることにより、ハンドセット30が適正位置PS11又はその近傍にあるか否かのみでなく、回転位置PS12(図12(B))や回転位置PS13(図12(C))の近傍にあることを認識させることができる。
このため主制御部111は、例えばハンドセット30が回転位置PS13の近傍にあるときのみ音声ガイダンスやオペレータの音声等を本体スピーカ10(図1)から出力させるといった、当該ハンドセット30の方向に応じたきめ細かな処理を実行することも可能となる。
その他の点についても、第2の実施の形態による通話部109は、第1の実施の形態による通話部9と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による通話部109は、ハンドセット30のケーブル接続部50と載置台40とを繋ぐケーブル38を巻取部48により巻き取り、当該ケーブル接続部50を収容部160の収容空間62内へ引き込む。このとき通話部109は、ハンドセット30が適正位置PS11を中心とした約45度未満の範囲内にあれば、ケーブル接続部50に内蔵されたマグネット52によりリードスイッチ165及び166からの検出信号SD1及びSD2をそれぞれ「オン」及び「オフ」として出力する。これに応じて主制御部111は、統合検出信号SDUを「オン」とすることにより、フック信号SFが「オフ」であってもオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、第1の実施の形態における通話部9に代えて、通話部209が設けられている。
[3−1.通話部の構成]
通話部209は、図15に示すように、第1の実施の形態による通話部9と比較して、ハンドセット30及び載置台40に代わるハンドセット230及び載置台240を有する点が相違する。
ハンドセット230は、第1の実施の形態によるハンドセット30と比較して、ケーブル接続部50に代わるケーブル接続部250を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
ケーブル接続部250は、図9(A)と対応する図16(A)に示すように、ケーブル接続部50と比較して、マグネット52に代わるマグネット252が内蔵されている点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
マグネット252は、N極とS極とを結ぶ極結線LPをケーブル接続部250における円柱状部分の中心軸とほぼ平行とするよう設置されている。
一方、載置台240は、第1の実施の形態による載置台40と比較して、収容部60に代わる収容部260を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
収容部260は、第1の実施の形態による収容部60と比較して、リードスイッチ65に代わるリードスイッチ265を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
リードスイッチ265は、リードスイッチ65と同様に接触片74及び75等(図7)を有しているものの、収容部260に対する取付方向が当該リードスイッチ65と相違しており、長手方向を上下に向けるように取り付けられている。
[3−2.フック状態の判別]
かかる構成により通話部209では、ケーブル接続部250が収容部260の収容空間62内に収容されている場合、当該収容部260を中心として、ハンドセット230の耳元部33側をいずれの方向へ向けることもできる。
その一方で通話部209では、ケーブル接続部250が収容部260の収容空間62内に収容されている限り、載置台240に対しハンドセット230がいずれの方向を向いている場合であっても、マグネット252の極結線LPを上下方向に向けた状態となる。
このためリードスイッチ265は、ケーブル接続部250が収容部260の収容空間62内に収容されている限り、図7(C)における領域R1にマグネット252が位置していることになるため、検出信号SDを「オン」とする。
一方リードスイッチ265は、ハンドセット230が載置台240から持ち上げられてケーブル接続部250が収容部260から引き離された場合には、検出信号SDを「オフ」とする。
このように通話部209は、載置台240に対するハンドセット230の方向に関わらず、ケーブル接続部250が収容部260の収容空間62内に収容されているか否かに応じて、検出信号SDを「オン」又は「オフ」に切り替えて出力するようになされている。
これに応じて主制御部11は、第1の実施の形態と同様、検出信号SDとフック信号SFとの論理和を演算することによりフック状態を判別し(図10)、さらに取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[3−3.動作及び効果]
以上の構成において、第3の実施の形態による通話部209は、ハンドセット230のケーブル接続部250内に、円柱状部分の中心軸と極結線LPとをほぼ平行とするようにマグネット252を設けた。
また通話部209は、収容部260における収容空間62の近傍に、リードスイッチ265の長手方向を上下に向けるように設けた。
そして通話部209は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット230が顧客の手により載置台240へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38及びケーブル接続部250を収容部260内へ引き込む。
続いて通話部209は、マグネット252との位置関係に応じて、リードスイッチ265により検出信号SDを生成する。これに応じて主制御部11は、検出信号SDとフック信号SFとの間で論理和を演算することにより、フック状態を判別する(図10)。
このため通話部209は、ハンドセット230が適正位置PS1に正しく載置された場合のみならず、いずれの方向へ回転している場合であっても、顧客に当該ハンドセット30を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを主制御部11に認識させ、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
特に通話部209は、載置台240に対するハンドセット230の方向に関わらず、ケーブル接続部250が収容部260の収容空間62内に収容されていれば、検出信号SDを「オン」とすることができる。
このため通話部209は、顧客が把持していたハンドセット230を載置台240へ戻そうとして手放すだけで、巻取部48によりケーブル38を引き込んでケーブル接続部250を収容部260の収容空間62内に収容できるので、主制御部11により確実にオンフック状態として認識することができる。
その他の点についても、第3の実施の形態による通話部209は、第1の実施の形態による通話部9と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第3の実施の形態による通話部209は、ハンドセット230のケーブル接続部250と載置台240とを繋ぐケーブル38を巻取部48により巻き取り、当該ケーブル接続部250を収容部260の収容空間62内へ引き込む。このとき通話部209は、ハンドセット230がいずれの方向を向いていても、ケーブル接続部250に内蔵されたマグネット252によりリードスイッチ265からの検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であってもオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[4.第4の実施の形態]
図1との対応部分に同一符号を付した図17に示すように、第4の実施の形態による現金自動預払機301は、第1の実施の形態における現金自動預払機1と比較して、通話部9及び主制御部11に代えて通話部209及び主制御部311が設けられ、さらにカメラ370が設けられた点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
通話部209は、第3の実施の形態と同様、ハンドセット230のケーブル接続部250にマグネット252が内蔵されており、また載置台240の収容部260にリードスイッチ265が設けられている。
主制御部311は、フック信号SF及び検出信号SDに加えて、カメラ370により撮像された画像を基に、フック状態を判別するようになされている(詳しくは後述する)。
カメラ370は、現金自動預払機301における筐体2の正面パネル2Aに埋め込まれており、下方向ないし前方向の比較的広い範囲を撮像範囲としている。またカメラ370は、主制御部311の制御に基づいて撮像することにより画像Vを生成し、これを当該主制御部311へ供給するようになされている。因みにカメラ370の撮像範囲は固定されている。
カメラ370により撮像された画像Vは、例えば図18(A)に示すように、接客部3のうち斜面パネル2Bを中心とした範囲が撮像されている。
[4−1.フック状態の判別]
ところでフックスイッチ47(図6)は、第1の実施の形態と同様、押下されたか否かに応じてフック信号SFを「オン」又は「オフ」とする。
また第3の実施の形態において上述したように、通話部209は、ハンドセット230のケーブル接続部250が載置台240における収容部260の収容空間62内に収容されているか否かのみに応じて、ハンドセット230の方向にかかわらず、検出信号SDを「オン」又は「オフ」とする。
主制御部311は、このフック信号SF及び検出信号SDに基づいてフック状態を判別するものの、第1の実施の形態と異なり、フック信号SFが「オフ」であり且つ検出信号SDが「オン」である場合、さらにカメラ370からの画像Vに基づいてフック状態を判別するようになされている。
具体的に主制御部311は、フック信号SFが「オフ」であり且つ検出信号SDが「オン」である場合、カメラ370から画像Vを取得する。
続いて主制御部311は、取得した画像Vのうち通話部209を中心とした範囲について、例えばエッジ抽出等の画像処理を施すことにより、収容部260を中心としたハンドセット230の向いている方向を検出する。
因みに主制御部311は、予めカメラ370により撮像された載置台240のみの画像を基準画像として記憶しており、当該基準画像と画像Vとの差分演算等を行うことにより、ハンドセット230を精度良く抽出し得るようになされている。
そして主制御部311は、図18(A)に示したようにハンドセット230が準適正範囲SPA内、すなわち適正位置PS21を中心とした左右それぞれに約30度の範囲内にある場合、オンフック状態として認識する。
また主制御部311は、図18(B)に示すように、ハンドセット230がオンフック範囲外にある場合、オフフック状態として認識する。
これらの処理を効率的に行うべく、主制御部311は、図10(B)と対応する図19に示すように、フック状態判別テーブルTBL3に従い、検出信号SD及びフック信号SFに加えて、画像Vに基づいたハンドセット230の方向に基づいてフック状態を認識するようになされている。
また主制御部311は、このようにして認識したフック状態を基に、第1の実施の形態と同様に、取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[4−2.動作及び効果]
以上の構成において、第4の実施の形態による現金自動預払機301は、第3の実施の形態と同様の通話部209に加え、当該通話部209を含む範囲を撮像するカメラ370を設けた。
通話部209は、第3の実施の形態と同様、ハンドセット30が顧客の手により載置台240へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38及びケーブル接続部250を収容部260内へ引き込み、載置台240に対するハンドセット230の方向に関わらず、リードスイッチ265により検出信号SDを「オン」とする。
主制御部311は、検出信号SD及びフック信号SFを基に、フック状態判別テーブルTBL3(図19)に従い、フック状態を判別する。
さらに主制御部311は、フック信号SFが「オフ」であり且つ検出信号SDが「オン」である場合、カメラ370から取得した画像Vを基にハンドセット230の向いている方向を検出し、オンフック範囲内にあるか否かに応じてフック状態をオンフック状態又はオフフック状態とする。
このため主制御部311は、ハンドセット230が適正位置PS21に正しく載置されフック信号SFが「オン」である場合、適切にオンフック状態と認識できる。
また主制御部311は、フック信号SFが「オフ」であっても、検出信号SDが「オン」であり、且つハンドセット230の方向がオンフック範囲内である場合、顧客に当該ハンドセット230を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを認識できる。このため主制御部311は、オンフック状態に応じた取引処理を実行することができる。
その一方で主制御部311は、フック信号SFが「オフ」であり検出信号SDが「オン」であっても、ハンドセット230の方向がオンフック範囲外である場合、オフフック状態とする。
これにより、例えば顧客が両手を使いたい等の理由でハンドセット230を一時的に手離す際に、当該ハンドセット230を意図的にオンフック範囲外となる方向へ向けることにより、当該ハンドセット230の使用を継続する意図があることを主制御部311に認識させることができる。
また主制御部311は、画像Vを基にハンドセット230の方向を例えば5度刻みのように細かく判別することができる。このため主制御部311は、例えばオンフック範囲を極力広く設定する等、当該ハンドセット230の方向に応じたフック状態の判別条件を柔軟に調整することも可能となる。
その他の点についても、第3の実施の形態による現金自動預払機301は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第4の実施の形態による現金自動預払機301は、通話部209においてハンドセット230のケーブル接続部250と載置台240とを繋ぐケーブル38を巻取部48により巻き取り、当該ケーブル接続部250を収容部260の収容空間62内へ引き込み、ハンドセット230の方向に関わらず検出信号SDを「オン」とする。主制御部311は、フック信号SFが「オフ」であり検出信号SDが「オン」である場合、カメラ370から取得した画像Vを基にハンドセット230の方向を検出し、オンフック範囲内にあるか否かに応じてフック状態と認識する。これにより主制御部311は、ハンドセット230の方向に応じたオンフック状態を認識でき、取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[5.第5の実施の形態]
第5の実施の形態では、第1の実施の形態における通話部9に代えて、通話部409が設けられている。
[5−1.通話部の構成]
通話部409は、図6(A)と対応する図20(A)に示すように、第1の実施の形態による通話部9と比較して、ハンドセット30、ケーブル38及び載置台40に代わるハンドセット430、ケーブル438及び載置台440を有する点が相違する。
ハンドセット430は、第1の実施の形態によるハンドセット30と比較して、ケーブル接続部50に代わるケーブル接続部450を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
ケーブル接続部450は、ケーブル接続部50と比較して、マグネット52が内蔵されておらず、また円柱状部分における周側面の反射率が高められている点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
ケーブル438は、ケーブル38と比較して、表面の反射率が低く抑えられている点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
載置台440は、第1の実施の形態による載置台40と比較して、収容部60に代わる収容部460を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
収容部460は、周側壁461及び底部63により収容空間62を囲っている。周側壁461は、周側壁61とほぼ同様の形状に構成されているものの、内側面の反射率が低く抑えられており、また後側の側面に孔部461Hが穿設されている。因みに孔部461Hは、図20(B)に示すように、左右方向に広く形成されている。
周側壁461の後側には、検出部としての受発光素子465が設けられている。受発光素子465は、検出光LDを発光する発光部465Aと、当該検出光LDを受光する受光部465Bとを有している。
この受発光素子465は、発光部465Aから発光する検出光LDを孔部461Hから収容空間62内へ到達させると共に、当該収容空間62内で反射された検出光LDを孔部461H経由で受光部465Bへ到達させるよう、当該孔部461Hに対する取付位置が調整されている。
また受発光素子465は、図20(B)に平面図を示すように、発光部465Aから発光する検出光LDの発光角を左右方向に広げており、左右の比較的広い範囲に当該検出光LDを到達させ得るようになされている。これと共に受発光素子465は、受光部465Bにおける受光範囲についても、発光部465Aにおける検出光LDの発光角と同程度の広い範囲としている。
さらに受発光素子465は、受光部465Bにおいて受光した検出光LDの光量に応じて、検出信号SDを「オン」又は「オフ」として出力するようになされている。
[5−2.フック状態の判別]
かかる構成により通話部409は、ハンドセット430が載置台440から持ち上げられている場合、ケーブル接続部450が収容部460の収容空間62から引き出された状態となる。
このとき収容部460では、発光部465Aから発光された検出光LDが、周側壁461の表面やケーブル438の表面において殆ど反射されない。このため受発光素子465は、受光部465Bにおいて検出光LDを殆ど受光せず、検出信号SDを「オフ」として出力する。
一方通話部409は、ハンドセット430が顧客の手から離れた場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル438及びケーブル接続部450を収容部460の収容空間62内へ引き込む。
このとき収容部460では、発光部465Aから発光された検出光LDが、ケーブル接続部450の周側面において反射され、その一部が受光部465Bへ入射する。このため受発光素子465は、受光部465Bにおいて検出光LDを受光し、検出信号SDを「オン」として出力する。
ここで受発光素子465では、発光部465Aの発光角及び受光部465Bの受光角のいずれも、左右方向に比較的広い範囲としている。
このため収容部460では、図20(C)及び(D)に示すように、ケーブル接続部450が収容空間62内の左寄りや右寄り等に偏って位置していたとしても、発光部465Aから当該ケーブル接続部450に検出光LDを照射でき、且つ当該ケーブル接続部450からの反射光を受光部465Bにより受光することができる。
すなわち通話部409は、反射された検出光LDを受光したか否かに応じて、ケーブル接続部450が収容部460の収容空間62内に収容されたか否かを検出でき、これに基づき検出信号SDを「オン」又は「オフ」に切り替えて出力するようになされている。
これに応じて主制御部11は、第1の実施の形態と同様、検出信号SDとフック信号SFとの論理和を演算することによりフック状態を判別し(図10)、さらに取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[5−3.動作及び効果]
以上の構成において、第5の実施の形態による通話部409は、ハンドセット430のケーブル接続部450における円柱部分の表面における反射率を高めると共に、載置台440の収容部460に受発光素子465を設けた。
そして通話部409は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット430が顧客の手により載置台440へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル438及びケーブル接続部450を収容部460内へ引き込む。
続いて通話部409は、受発光素子465の発光部465Aから発光されケーブル接続部450の周側面において反射された検出光LDを受光部465Bにより受光して、検出信号SDを生成する。これに応じて主制御部11は、検出信号SDとフック信号SFとの間で論理和を演算することにより、フック状態を判別する(図10)。
このため通話部409は、ハンドセット430が適正位置PS1(図8(A))に正しく載置された場合のみならず、いずれの方向へ回転している場合であっても、顧客に当該ハンドセット430を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを主制御部11に認識させ、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
特に通話部409は、第3の実施の形態と同様、載置台440に対するハンドセット430の方向に関わらず、ケーブル接続部450が収容部460の収容空間62内に収容されていれば、検出信号SDを「オン」とすることができる。
このため通話部409は、顧客が把持していたハンドセット430を載置台440へ戻そうとして手放すだけで、ケーブル接続部450を収容部460の収容空間62内に引き込んで検出信号SDを「オン」とすることができるので、主制御部11により確実にオンフック状態として認識することができる。
その他の点についても、第5の実施の形態による通話部409は、第1の実施の形態による通話部9と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第5の実施の形態による通話部409は、ハンドセット430のケーブル接続部450と載置台440とを繋ぐケーブル438を巻取部48により巻き取り、当該ケーブル接続部450を収容部460の収容空間62内へ引き込む。このとき通話部409は、ハンドセット430がいずれの方向を向いていても、反射された検出光LDを受発光素子465により受光し、検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であってもオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[6.第6の実施の形態]
第6の実施の形態では、第1の実施の形態における通話部9に代えて、通話部509が設けられている。
[6−1.通話部の構成]
通話部509は、図6(A)と対応する図21(A)に示すように、第1の実施の形態による通話部9と比較して、ハンドセット30及び載置台40に代わるハンドセット530及び載置台540を有する点が相違する。
ハンドセット530は、第1の実施の形態によるハンドセット30と比較して、ケーブル接続部50に代わるケーブル接続部550を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
ケーブル接続部550は、ケーブル接続部50と比較して、マグネット52が内蔵されていない点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
載置台540は、第1の実施の形態による載置台40と比較して、収容部60に代わる収容部560を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
収容部560は、周側壁561及び底部63により収容空間62を囲っている。周側壁561は、周側壁61とほぼ同様の形状に構成されているものの、後側の側面に孔部561Hが穿設されている。
底部63の上面側には、ばね566を介して可動板565が取り付けられている。ばね566は、中心軸を上下方向に向けたコイルスプリングでなり、軸方向に間隔を空けるように線材が巻回されているため、自然状態から圧縮し得るようになされている。
可動板565は、図21(B)に示すように、底部63よりも一回り小さい矩形の薄板状に形成されており、その中央付近にケーブル38を挿通させるための孔部565Hが穿設されている。
周側壁561の後側には、検出部としてのメカスイッチ567が設けられている。メカスイッチ567は、フックスイッチ47(図6)と同様の機械的なスイッチとして構成されており、直方体状の本体部567Aから前方へ向けてレバー567Bが延設されている。
レバー567Bは、本体部567A内において後端部分を回動可能に支持されると共に、図示しないスプリングにより上方向へ付勢されており、前端部分を可動板565の下面に当接させている。
またメカスイッチ567は、レバー567Bの角度に応じて検出信号SDを「オン」又は「オフ」として出力するようになされている。すなわちメカスイッチ567は、レバー567Bがほぼ水平よりも上向きである場合には検出信号SDを「オフ」とし、レバー567Bがほぼ水平よりも下向きである場合には検出信号SDを「オン」とする。
[6−2.フック状態の判別]
かかる構成により通話部509は、ハンドセット530が載置台540から持ち上げられている場合、ケーブル接続部550が収容部560の収容空間62から引き出された状態となる。
収容部560では、ばね566が自然状態となることにより、可動板565が収容空間62内における上寄りの位置まで持ち上げられる。このときメカスイッチ567は、レバー567Bが前上方向を向くため、検出信号SDを「オフ」として出力する。
一方通話部509は、図21(C)に示すように、ハンドセット530が顧客の手から離れた場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38及びケーブル接続部550を収容部560の収容空間62内へ引き込む。
収容部560では、収容空間62内に引き込まれたケーブル接続部550により可動板565が押し下げられると共にばね566が圧縮される。このときメカスイッチ567は、当該可動板565によりレバー567Bが押し下げられるため、検出信号SDを「オン」として出力する。
すなわち通話部509は、可動板565が押し下げられたか否かに応じて、ケーブル接続部550が収容部560の収容空間62内に収容されたか否かを検出でき、これを基に検出信号SDを「オン」又は「オフ」に切り替えて出力するようになされている。
これに応じて主制御部11は、第1の実施の形態と同様、検出信号SDとフック信号SFとの論理和を演算することによりフック状態を判別し(図10)、さらに取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[6−3.動作及び効果]
以上の構成において、第6の実施の形態による通話部509は、載置台540の収容部560において、底部63にばね566を介して可動板565を取り付け、当該可動板565の上下方向の移動に応じてメカスイッチ567のレバー567Bを上下に回動させるようにした。
そして通話部509は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット530が顧客の手により載置台540へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38及びケーブル接続部550を収容部560内へ引き込む。
続いて通話部509は、ケーブル接続部550により可動板565が押し下げられたことをメカスイッチ567により検出して検出信号SDを生成する。これに応じて主制御部11は、検出信号SDとフック信号SFとの間で論理和を演算することにより、フック状態を判別する(図10)。
このため通話部509は、ハンドセット530が適正位置PS1(図8(A))に正しく載置された場合のみならず、いずれの方向へ回転している場合であっても、顧客に当該ハンドセット530を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを主制御部11に認識させ、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
特に通話部509は、第3及び第5の実施の形態と同様、載置台540に対するハンドセット530の方向に関わらず、ケーブル接続部550が収容部560の収容空間62内に収容されていれば、検出信号SDを「オン」とすることができる。
このため通話部509は、顧客が把持していたハンドセット530を載置台540へ戻そうとして手放すだけで、ケーブル接続部550を収容部560の収容空間62内に引き込んで検出信号SDを「オン」とすることができるので、主制御部11により確実にオンフック状態として認識することができる。
その他の点についても、第6の実施の形態による通話部509は、第1の実施の形態による通話部9と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第6の実施の形態による通話部509は、ハンドセット530のケーブル接続部550と載置台540とを繋ぐケーブル38を巻取部48により巻き取り、当該ケーブル接続部550を収容部560の収容空間62内へ引き込む。このとき通話部509は、ハンドセット530がいずれの方向を向いていても、ケーブル接続部550により可動板565を押し下げ、これをメカスイッチ567により検出して検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であってもオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[7.第7の実施の形態]
第7の実施の形態では、第1の実施の形態における通話部9に代えて、通話部609が設けられている。
[7−1.通話部の構成]
通話部609は、図6(A)と対応する図22(A)に示すように、第1の実施の形態による通話部9と比較して、ハンドセット30及び載置台40に代わるハンドセット630及び載置台640を有する点が相違する。
ハンドセット630は、第1の実施の形態によるハンドセット30と比較して、ケーブル接続部50に代わるケーブル接続部650を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
ケーブル接続部650は、ケーブル接続部50と比較して、マグネット52が内蔵されていない点と、遮光部650Sが形成されている点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
遮光部650Sは、図22(B)に断面形状を示すように、ケーブル接続部650における円柱状部分のうち、適正位置PS1(図9(A))に載置され収容部660(後述する)内に収容されたときの耳元方向側における、中心軸Qから見て左右それぞれに約60度の範囲において、局所的に半径が拡大されたように形成されている。
載置台640は、第1の実施の形態による載置台40と比較して、収容部60に代わる収容部660を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
収容部660は、円筒状の周側壁661及び円板状の底部663により収容空間662を囲っている。すなわち収容空間662は、円柱状に形成されている。
図23(B)に示すように、底部663の中心には、底部63と同様にケーブル38を挿通させるための孔部663H1が穿設されている。また底部663における孔部663H1の後側には、丸孔でなる孔部663H2が穿設されている。
底部663における孔部663H2の下方には、照度センサ665が設けられている。照度センサ665は、外光を受光する受光部665Aを上方へ向けており、収容空間662及び孔部663H2を介して入射される外光を受光し、その明るさ(照度)に応じて検出信号SDを生成するようになされている。
ここで照度センサ665は、受光した外光が比較的明るく、その照度が所定の閾値よりも高いときには検出信号SDを「オフ」とし、これと反対に受光した外光が比較的暗く、その照度が所定の閾値よりも暗いときには検出信号SDを「オン」とするようになされている。
[7−2.フック状態の判別]
かかる構成により通話部609は、ハンドセット630が載置台640から持ち上げられている場合、図22(C)に示したように、ケーブル接続部650が収容部660の収容空間662から引き出された状態となる。
収容部660では、収容空間662における孔部663H2の上側が何ら塞がれることなく開放されているため、外光が照度センサ665の受光部665Aまで到達する。このとき照度センサ665は、受光部665Aにより受光する外光の照度が比較的高いため、検出信号SDを「オフ」として出力する。
一方通話部609は、ハンドセット630が顧客の手から離れた場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38及びケーブル接続部650を収容部660の収容空間662内へ引き込む。
ここでハンドセット630が適正位置PS1(図9(A))又はその近傍に位置している場合、収容部560では、図23(A)に示したように、ケーブル接続部650が収容空間662内に収容される。
このときケーブル接続部650は、遮光部650Sが中心軸の後寄りに位置するため、照度センサ665における受光部665Aの上方を塞ぐことになる。このため照度センサ665は、受光部665Aにより受光する外光の照度が比較的低くなり、検出信号SDを「オン」として出力する。
また、例えばハンドセット630が適正位置PS1から右方向へ約60度回転している場合、収容部560では、図23(B)に示すように、ケーブル接続部650が収容空間662内に収容される。
このときケーブル接続部650は、遮光部650Sが中心軸の後寄り乃至右寄りに位置するため、照度センサ665における受光部665Aの上方をかろうじて塞ぐことになる。このため照度センサ665は、ハンドセット630が適正位置PS1に載置されている場合と同様、受光部665Aにより受光する外光の照度が比較的低くなり、検出信号SDを「オン」として出力する。
因みにこの第7の実施の形態では、適正位置PS1を中心とした左右それぞれに約60度の範囲を準適正範囲SPAと呼ぶ。
さらに、例えばハンドセット630が回転位置PS3(図8(C))又はその近傍に位置している場合、収容部560では、図23(C)に示すように、ケーブル接続部650が収容空間662内に収容される。
このときケーブル接続部650は、遮光部650Sが中心軸の右寄りに位置するため、照度センサ665における受光部665Aの上方を開放したままとする。このため照度センサ665は、ハンドセット630が載置台640から持ち上げられている場合と同様、受光部665Aにより受光する外光の照度が比較的高くなり、検出信号SDを「オフ」として出力する。
すなわち通話部609は、ケーブル接続部650が収容部660の収容空間662内へ引き込まれ、且つハンドセット630が準適正範囲PSA内、すなわち適正位置PS1を中心とした左右それぞれに約60度の範囲内にあるときのみ、遮光部650Sにより照度センサ665への外光を遮光して検出信号SDを「オン」とするようになされている。
これに応じて主制御部11は、第1の実施の形態と同様、検出信号SDとフック信号SFとの論理和を演算することによりフック状態を判別し(図10)、さらに取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[7−3.動作及び効果]
以上の構成において、第7の実施の形態による通話部609は、ハンドセット630のケーブル接続部650に遮光部650Sを設けると共に、載置台640の収容部660において収容空間662を円柱形状に形成し、底部663に照度センサ665を配置した。
そして通話部609は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット530が顧客の手により載置台640へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38及びケーブル接続部650を収容部660内へ引き込む。
続いて通話部609は、照度センサ665の受光部665Aに入射される外光の照度に応じて検出信号SDを生成する。これに応じて主制御部11は、検出信号SDとフック信号SFとの間で論理和を演算することにより、フック状態を判別する(図10)。
照度センサ665は、ハンドセット630が載置台640から持ち上げられた場合、外光が遮光されずに受光部665Aへ入射されるため、検出信号SDを「オフ」とする。
このとき通話部609は、検出信号SD及びフック信号SFがいずれも「オフ」となるため、主制御部11にオフフック状態であることを正しく認識させることができ、当該オフフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
また照度センサ665は、ハンドセット630が準適正範囲PSA内、すなわち適正位置PS1(図8(A))を中心とした左右それぞれに約60度の範囲内に載置された場合、受光部665Aに入射されるべき外光がケーブル接続部650の遮光部650Sにより遮光されるため、検出信号SDを「オン」とする(図23(A)、(B))。
このとき通話部609は、顧客にハンドセット630を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを主制御部11に認識させることができ、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
一方、照度センサ665は、ハンドセット630が準適正範囲PSAの外に載置された場合、ケーブル接続部650の遮光部650Sにより外光が遮光されずに受光部665Aへ入射されるため、検出信号SDを「オフ」とする(図23(C))。
このとき通話部609は、顧客にハンドセット630を適正位置PS1に戻す意図が無く、顧客にオフフック状態を継続する意図があることを主制御部11に認識させることができ、当該オフフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
これにより主制御部11では、第1の実施の形態と同様、ハンドセット630が載置されたときの方向を基にフック状態を判別することにより、顧客にハンドセット630の使用を終了する意図があるのか、或いはその使用を継続する意図があるのかを間接的に認識して取引処理を適切に継続又は終了することができる。
また通話部609では、準適正範囲PSAの角度範囲を、ケーブル接続部650に形成する遮光部650Sの形状により定めることができるので、当該遮光部650Sの形状を変更するだけで、当該角度範囲を容易に調整することができる。またこの場合、収容部660に必要な照度センサ665は1個のみで済むため、当該収容部660における構成の複雑化や製造コストの上昇を招くことがない。
その他の点についても、第6の実施の形態による通話部509は、第1の実施の形態による通話部9と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第7の実施の形態による通話部609は、ハンドセット630のケーブル接続部650と載置台640とを繋ぐケーブル38を巻取部48により巻き取り、当該ケーブル接続部650を収容部660の収容空間662内へ引き込む。このとき通話部609は、ハンドセット630が準適正範囲PSA内に載置されていれば、ケーブル接続部650の遮光部650Sにより照度センサ665に照射されるべき外光を遮光し、検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であってもオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[8.第8の実施の形態]
第8の実施の形態では、第1の実施の形態における通話部9に代えて、通話部709が設けられている。
[8−1.通話部の構成]
通話部709は、図6(A)と対応する図24(A)に示すように、第1の実施の形態による通話部9と比較して、ハンドセット30、ケーブル38及び載置台40に代わるハンドセット730、ケーブル738及び載置台740を有する点が相違する。
ハンドセット730は、第1の実施の形態によるハンドセット30と比較して、ケーブル接続部50が省略され、口元部34にケーブル38が直接接続される点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
ケーブル738は、ハンドセット730との接続箇所の近傍、例えば接続箇所から約8[cm]の範囲に着色部738Aが設けられており、他の部分と異なる色に着色されている。例えばケーブル738は、全体的に白色であり、着色部738Aのみ赤色に着色されている。
載置台740は、第1の実施の形態による載置台40と比較して、収容部60に代わる収容部760を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
収容部760は、周側壁761及び底部63により収容空間62を囲っている。周側壁761は、周側壁61とほぼ同様の形状に構成されているものの、後側の側面に孔部761Hが穿設されている。因みに周側壁761の内側面及び底部63の上面は、いずれも白色ないし灰色となっている。
周側壁761における孔部761Hの後側には、検出部としてのイメージセンサ765が設けられている。
イメージセンサ765は、孔部761Hを介して収容空間62内を撮像すると共に、撮像した画像に所定の色(例えば赤色)が含まれているか否かを判別し、含まれていた場合に検出信号を「オン」とするようになされている。
[8−2.フック状態の判別]
かかる構成により通話部709は、ハンドセット730が載置台740から持ち上げられている場合、ケーブル接続部750が収容部760の収容空間62から引き出された状態となる。
このとき収容部760では、着色部738Aが収容空間62内に無く、他に赤色の部分が無いため、イメージセンサ765により撮像される画像に赤色部分が含まれない。このためイメージセンサ765は、検出信号SDを「オフ」として出力する。
一方通話部709は、ハンドセット730が顧客の手から離れた場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル438を引き込み、着色部738Aを収容空間62内に位置させる。
このとき収容部760では、着色部738Aが収容空間62内にあるため、イメージセンサ765により撮像される画像に赤色部分が含まれる。このためイメージセンサ765は、検出信号SDを「オン」として出力する。
すなわち通話部709は、イメージセンサ765により撮像される画像に赤色部分が含まれるか否かに応じて、ハンドセット730とケーブル738との接続箇所の近傍である着色部738Aが収容空間62内にあるか否かを検出でき、これを基に検出信号SDを「オン」又は「オフ」に切り替えて出力するようになされている。
これに応じて主制御部11は、第1の実施の形態と同様、検出信号SDとフック信号SFとの論理和を演算することによりフック状態を判別し(図10)、さらに取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[8−3.動作及び効果]
以上の構成において、第8の実施の形態による通話部709は、ハンドセット730にケーブル738を直接接続し、当該ハンドセット730との接続箇所の近傍に着色部738Aを設けると共に、載置台740の収容部760において、孔部761Hの後方にイメージセンサ765を設けた。
そして通話部709は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット730が顧客の手により載置台740へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル738を引き込み、着色部738Aを収容部760内に位置させる。
続いて通話部709は、イメージセンサ765により撮像される画像に着色部738Aの赤色部分が含まれることにより検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、検出信号SDとフック信号SFとの間で論理和を演算することにより、フック状態を判別する(図10)。
このため通話部709は、ハンドセット730が適正位置PS1(図8(A))に正しく載置された場合のみならず、いずれの方向へ回転している場合であっても、顧客に当該ハンドセット730を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを主制御部11に認識させ、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
特に通話部709は、第3、第5及び第6の実施の形態と同様、載置台740に対するハンドセット730の方向に関わらず、着色部738Aが収容部760の収容空間62内に位置していれば、検出信号SDを「オン」とすることができる。
このため通話部709は、顧客が把持していたハンドセット730を載置台740へ戻そうとして手放すだけで、着色部738Aを収容部760の収容空間62内に引き込んで検出信号SDを「オン」とすることができるので、主制御部11により確実にオンフック状態として認識することができる。
その他の点についても、第8の実施の形態による通話部709は、第1の実施の形態による通話部9と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第8の実施の形態による通話部709は、ハンドセット730と載置台740とを繋ぐケーブル738を巻取部48により巻き取り、着色部738Aを収容部760の収容空間62内に位置させる。このとき通話部709は、ハンドセット730がいずれの方向を向いていても、イメージセンサ765により撮像した画像に着色部738Aの赤色が含まれるため、これを検出して検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であってもオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[9.第9の実施の形態]
第9の実施の形態では、第1の実施の形態における通話部9に代えて、通話部809が設けられている。
[9−1.通話部の構成]
通話部809は、図6(A)と対応する図25(A)に示すように、第1の実施の形態による通話部9と比較して、ハンドセット30及び載置台40に代わるハンドセット830及び載置台840を有する点が相違する。
ハンドセット830は、第1の実施の形態によるハンドセット30と比較して、ケーブル接続部50が省略され、口元部34にケーブル38が直接接続されている点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
載置台840は、第1の実施の形態による載置台40と比較して、収容部60に代わる収容部860及びメカスイッチ870を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
収容部860は、第1の実施の形態と同様、周側壁61及び底部63により収容空間62を囲っており、特にセンサ等は設けられていない。
検出部としてのメカスイッチ870は、載置台840における巻取部48の近傍に設けられており、本体部871、アーム872及びスイッチ873により構成されている。
本体部871は、直方体状に形成されており、載置台840における巻取部48の後側に、当該巻取部48の中心軸48Aから所定の距離を隔てて取り付けられている。
アーム872は、細長い板状に形成されており、本体部871の前側上端から前下方へ向けて、本体部871の前面に対し所定の角度をなすように延設されている。またアーム872の先端には、自在に回転するローラ872Aが設けられている。
スイッチ873は、本体部871の前面上寄りの箇所に内蔵されており、アーム872により後方へ押し込まれたときに検出信号SDを「オン」とし、それ以外のときに当該検出信号SDを「オフ」として出力するようになされている。
[9−2.フック状態の判別]
かかる構成により通話部809は、ハンドセット830が載置台840から持ち上げられている場合、図25(B)に示すように、ハンドセット830の載置台840からの距離に応じてケーブル38が引き出される。
これに応じて通話部809では、巻取部48における中心軸48Aへのケーブル38の巻付量が少なくなり、見かけ上の半径(すなわち中心軸48Aから最外周のケーブル38までの距離)が短くなる。
このときメカスイッチ870は、アーム872のローラ872Aが巻取部48に巻き付けられているケーブル38の最外周部分から離れており、スイッチ873が押し込まれていないため、検出信号SDを「オフ」として出力する。
一方通話部809は、ハンドセット830が顧客の手から離れた場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38を引き込み、当該ハンドセット830の口元部34を載置台840の口元部窪み44へ引き寄せる。
これに応じて通話部809では、巻取部48における中心軸48Aへのケーブル38の巻付量が多くなり、見かけ上の半径が大きくなる。
このときメカスイッチ870は、巻取部48に巻き付けられているケーブル38の最外周によりローラ872Aを介してアーム872が後方へ押し付けられ、スイッチ873が押し込まれるため、検出信号SDを「オン」として出力する。
ここでメカスイッチ870は、巻取部48に巻き付けられているケーブル38の長さが所定の長さ以上となり、ハンドセット830の口元部34が載置台840の口元部窪み44内又はその直近に位置しているときのみスイッチ873が押し込まれるよう、当該巻取部48に対する取付位置が調整されている。
すなわち通話部809は、巻取部48の見かけ上の半径に応じて、ハンドセット830が載置台840の直近に引き寄せられているか否かを検出し、これを基に検出信号SDを「オン」又は「オフ」に切り替えて出力するようになされている。
これに応じて主制御部11は、第1の実施の形態と同様、検出信号SDとフック信号SFとの論理和を演算することによりフック状態を判別し(図10)、さらに取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[9−3.動作及び効果]
以上の構成において、第9の実施の形態による通話部809は、ハンドセット830にケーブル38を直接接続し、載置台840内における巻取部48の近傍にメカスイッチ870を設けた。
そして通話部809は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット830が顧客の手により載置台840へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38を引き込み、当該巻取部48における見かけ上の半径を増加させる。
続いて通話部809は、巻取部48に巻き取られたケーブル38の最外周部分によりメカスイッチ870のアーム872が後方へ押し付けられ、このときスイッチ873が押し込まれることにより検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、検出信号SDとフック信号SFとの間で論理和を演算することにより、フック状態を判別する(図10)。
このため通話部809は、ハンドセット830が適正位置PS1(図8(A))に正しく載置された場合のみならず、いずれの方向へ回転している場合であっても、顧客に当該ハンドセット830を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを主制御部11に認識させ、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
特に通話部809は、第3、第5、第6及び第8の実施の形態と同様、載置台840に対するハンドセット830の方向に関わらず、巻取部48における見かけ上の半径が十分に大きくなれば、検出信号SDを「オン」とすることができる。
このため通話部809は、顧客が把持していたハンドセット830を載置台840へ戻そうとして手放すだけで、巻取部48によりケーブル38を巻き取って見かけ上の半径を増加させ、検出信号SDを「オン」とすることができるので、主制御部11により確実にオンフック状態として認識することができる。
その他の点についても、第9の実施の形態による通話部809は、第1の実施の形態による通話部9と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第9の実施の形態による通話部809は、ハンドセット830と載置台840とを繋ぐケーブル38を巻取部48により巻き取り、当該巻取部48における見かけ上の半径を増加させる。このとき通話部809は、ハンドセット830がいずれの方向を向いていても、巻取部48に巻き取られたケーブル38の最外周部分によりメカスイッチ870のアーム872を介してスイッチ873を後方へ押し込み、検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であってもオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[10.第10の実施の形態]
第10の実施の形態では、第1の実施の形態における通話部9に代えて、通話部909が設けられている。
[10−1.通話部の構成]
通話部909は、図6(A)と対応する図26に示すように、第1の実施の形態による通話部9と比較して、ハンドセット30及び載置台40に代わるハンドセット830及び載置台940を有する点が相違する。
ハンドセット830は、第9の実施の形態において説明したように、ケーブル接続部50が省略され、口元部34にケーブル38が直接接続されている。
載置台940は、第1の実施の形態による載置台40と比較して、収容部60に代わる収容部860及びトルクセンサ970を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
収容部860は、第9の実施の形態において説明したように、周側壁61及び底部63により収容空間62を囲っており、特にセンサ等は設けられていない。
検出部としてのトルクセンサ970は、載置台940における巻取部48の中心軸48Aに取り付けられており、当該中心軸48Aに加わる回転方向のトルクを検出するようになされている。
さらにトルクセンサ970は、この検出したトルクが所定の閾値よりも小さいときに検出信号SDを「オン」とし、当該閾値よりも大きいときに検出信号SDを「オフ」として、出力するようになされている。
一方、巻取部48は、上述したように図示しないスプリングの作用により中心軸48Aに対し巻取方向の回転力が与えられているものの、このスプリングの特性により、ケーブル38の巻付量に応じてこの回転力の大きさが変化する。
すなわち巻取部48は、ハンドセット830が載置台940から大きく引き離されてケーブル38の巻付量が少なくなると、スプリングによる回転力が増加し、反対にケーブル38の巻付量が多くなると、スプリングによる回転力が減少するようになされている。
[10−2.フック状態の判別]
かかる構成により通話部909は、ハンドセット830が載置台940から持ち上げられている場合、ハンドセット830の載置台940からの距離に応じてケーブル38が引き出される。
これに応じて通話部909では、巻取部48における中心軸48Aに作用する回転力が増加される。このときトルクセンサ970は、検出信号SDを「オフ」として出力する。
一方通話部909は、ハンドセット830が顧客の手から離れた場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38を引き込み、当該ハンドセット830の口元部34を載置台940の口元部窪み44へ引き寄せる。
これに応じて通話部909では、巻取部48における中心軸48Aに作用する回転力が減少される。このときトルクセンサ970は、検出信号SDを「オン」として出力する。
ここでトルクセンサ970は、ハンドセット830が載置台940の直近に引き寄せられ、巻取部48によりほぼ全てのケーブル38を中心軸48Aに巻き取っており、スプリングによる回転力が極めて小さくなったときのトルクを閾値としている。
すなわち通話部909は、巻取部48に加えられる回転力のトルクに応じて、ハンドセット830が載置台940の直近に引き寄せられているか否かを検出し、これを基に検出信号SDを「オン」又は「オフ」に切り替えて出力するようになされている。
これに応じて主制御部11は、第1の実施の形態と同様、検出信号SDとフック信号SFとの論理和を演算することによりフック状態を判別し(図10)、さらに取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[10−3.動作及び効果]
以上の構成において、第10の実施の形態による通話部909は、ハンドセット830にケーブル38を直接接続し、載置台940内における巻取部48の中心軸48Aにトルクセンサ970を取り付けた。
そして通話部909は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット830が顧客の手により載置台940へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38を引き込み、スプリングによって中心軸48Aに加えられる回転力を減少させていく。
このとき通話部909は、トルクセンサ970により巻取部48の中心軸48Aに加えられる回転力のトルクを検出し、当該トルクが閾値よりも小さくなると検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、検出信号SDとフック信号SFとの間で論理和を演算することにより、フック状態を判別する(図10)。
このため通話部909は、ハンドセット830が適正位置PS1(図8(A))に正しく載置された場合のみならず、いずれの方向へ回転している場合であっても、顧客に当該ハンドセット830を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを主制御部11に認識させ、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
特に通話部909は、第3、第5、第6、第8及び第9の実施の形態と同様、載置台940に対するハンドセット830の方向に関わらず、巻取部48の中心軸48Aに加えられるトルクが閾値よりも小さくなれば、検出信号SDを「オン」とすることができる。
このため通話部909は、顧客が把持していたハンドセット830を載置台940へ戻そうとして手放すだけで、巻取部48によりケーブル38を巻き取って中心軸48Aに加えられるトルクを閾値よりも小さくして検出信号SDを「オン」とすることができるので、主制御部11により確実にオンフック状態として認識することができる。
その他の点についても、第10の実施の形態による通話部909は、第1の実施の形態による通話部9と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第10の実施の形態による通話部909は、ハンドセット830と載置台940とを繋ぐケーブル38を巻取部48により巻き取り、当該巻取部48の中心軸48Aに加えられる回転力を減少させる。このとき通話部909は、ハンドセット830がいずれの方向を向いていても、巻取部48の中心軸48Aに加えられる回転力のトルクが閾値よりも小さくなるため、検出信号SDを「オン」として出力する。これに応じて主制御部11は、フック信号SFが「オフ」であってもオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[11.第11の実施の形態]
第11の実施の形態では、第1の実施の形態における通話部9及び主制御部11に代えて、通話部1009及び主制御部1011が設けられている。
[11−1.通話部の構成]
通話部1009は、図6(A)と対応する図27に示すように、第1の実施の形態による通話部9と比較して、ハンドセット30及び載置台40に代わるハンドセット830及び載置台1040を有する点が相違する。
ハンドセット830は、第9の実施の形態において説明したように、ケーブル接続部50が省略され、口元部34にケーブル38が直接接続されている。
載置台1040は、第1の実施の形態による載置台40と比較して、収容部60に代わる収容部860及び回転量検出部1070を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
収容部860は、第9の実施の形態において説明したように、周側壁61及び底部63により収容空間62を囲っており、特にセンサ等は設けられていない。
検出部としての回転量検出部1070は、巻取部48に組み込まれるように取り付けられており、スリット付円盤1072及び2相センサ1073により構成されている。
スリット付円盤1072は、中心軸を左右方向に向けた薄い円盤状に形成されており、後述する検出光を遮光する材料により構成されている。またスリット付円盤1072は、その中心部分において巻取部48の中心軸48Aに取り付けられており、当該中心軸48Aと一体に回転するようになされている。
さらにスリット付円盤1072は、中心から外周へ向かう放射方向に沿った長孔でなる複数(例えば12本)のスリット1072Sが、周方向に沿って等間隔毎に、すなわち中心から見て等角度毎に穿設されている。
2相センサ1073は、スリット付円盤1072の中心から見て後方に配置されており、所定の検出光を発光する発光部1073Aと、この検出光を受光する受光部1073Bとを有している。
発光部1073Aは、スリット付円盤1072の外周付近における右側に配置されており、当該スリット付円盤1072へ向けて検出光を発光するようになされている。
このためスリット付円盤1072が中心軸48Aと一体に回転する場合、発光部1073Aから発光された検出光は、スリット1072Sの通過と当該スリット付円盤1072による遮断とを交互に繰り返すことになる。
受光部1073Bは、スリット付円盤1072の外周付近における左側であって、発光部1073Aと対向する位置に配置されており、当該スリット付円盤1072のスリット1072Sを通過した検出光を受光し、その受光量に応じた受光信号を主制御部1011へ出力するようになされている。
例えば受光部1073Bは、スリット付円盤1072が中心軸48Aと一体に回転する場合、受光信号の信号がパルス状に変化することになる。このときパルスの出現数は、スリット付円盤1072の回転量に応じた数となる。例えばスリット付円盤1072が1回転した場合、出現するパルスの数は12となる。
また受光部1073Bは、互いに上下に離れた、すなわちスリット付円盤1072の周方向に沿って離れた2箇所の受光箇所において検出光を受光し、複数の受光信号を生成するようになされている。
さらに受光部1073Bは、2の受光信号にそれぞれ出現するパルスの位相を比較することにより、スリット付円盤1072の回転方向を検出し、これを回転方向信号として主制御部1011へ出力するようになされている。
[11−2.フック状態の判別]
一方、主制御部1011は、内部に値を増減可能なカウンタを有している。このカウンタは、ハンドセット830が載置台1040上に載置され口元部34が口元部窪み44内に位置しているとき、すなわちケーブル38が巻取部48の中心軸48Aに最も多く巻き付けられているときに、その値を「0」にセットされている。
主制御部1011は、回転量検出部1070の2相センサ1073から取得した受光信号に含まれるパルス数を計数すると共に、取得した回転方向信号を基にスリット付円盤1072の回転方向を認識する。
ここで主制御部1011は、認識した回転方向がケーブル38を巻き取る巻取方向であればカウンタからパルス数を減算し、そのケーブル38を引き出す引出方向であればカウンタにパルス数を加算する。
これによりカウンタは、巻取部48からのケーブル38の引出量、すなわち載置台1040の口元部窪み44からハンドセット830の口元部34が離れている度合いにほぼ比例した値を表すことになる。
これを換言すれば、主制御部1011は、回転量検出部1070の2相センサ1073から取得した受光信号及び回転方向信号を基にカウンタを増減させることにより、載置台1040からのハンドセット830の離隔度合いを数値として認識することができる。
そこで主制御部1011は、内部で仮想的に検出信号SDを生成し、この検出信号SDをカウンタの値に応じて「オン」又は「オフ」とするようになされている。具体的に主制御部11は、カウンタの値が所定の閾値(例えば「5」)よりも小さくなると、検出信号SDを「オン」とし、それ以外のときに検出信号SDを「オフ」とする。
これにより主制御部1011は、第9及び第10の実施の形態と同様、ハンドセット830が載置台1040の直近に引き寄せられているか否かを検出信号SDの「オン」又は「オフ」により表すことができる。
そして主制御部1011は、第1の実施の形態と同様、検出信号SDとフック信号SFとの論理和を演算することによりフック状態を判別し(図10)、さらに取引モード切替処理手順RT1(図11)に従って取引モードを切り替えるようになされている。
[11−3.動作及び効果]
以上の構成において、第11の実施の形態による通話部1009は、ハンドセット830にケーブル38を直接接続し、載置台1040内における巻取部48に回転量検出部1070を取り付けた。
そして通話部1009は、第1の実施の形態と同様、ハンドセット830が顧客の手により載置台1040へ戻されようとした場合等に、巻取部48の巻取動作によりケーブル38を引き込み、回転量検出部1070の2相センサ1073によりスリット付円盤1072の回転量及び回転方向に応じた受光信号及び回転方向信号を生成し、主制御部1011へ供給する。
このとき主制御部1011は、受光信号に含まれるパルスの数をカウンタの値から減算させ、このカウンタの値が閾値よりも小さくなると、内部で検出信号SDを「オン」とする。そして主制御部1011は、検出信号SDとフック信号SFとの間で論理和を演算することにより、フック状態を判別する(図10)。
このため通話部1009は、ハンドセット830が適正位置PS1(図8(A))に正しく載置された場合のみならず、いずれの方向へ回転している場合であっても、顧客に当該ハンドセット830を使用する意図が無く、事実上のオンフック状態であることを主制御部1011に認識させ、当該オンフック状態に応じた取引処理を実行させることができる。
特に通話部1009は、第3、第5、第6、第8、第9及び第10の実施の形態と同様、載置台1040に対するハンドセット830の方向に関わらず、2相センサ1073から出力される受光信号に含まれるパルス数を減算したカウンタ値が閾値よりも小さくなれば、検出信号SDを「オン」とすることができる。
このため通話部1009は、顧客が把持していたハンドセット830を載置台1040へ戻そうとして手放すだけで、巻取部48によりケーブル38を巻き取る際の中心軸48Aの回転数に応じた数のパルスを受光信号に出現させ、主制御部1011内のカウンタ値を閾値よりも小さくして検出信号SDを「オン」とすることができるので、確実にオンフック状態として認識することができる。
その他の点についても、第11の実施の形態による通話部1009は、第1の実施の形態による通話部9と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第11の実施の形態による通話部1009は、ハンドセット830と載置台1040とを繋ぐケーブル38を巻取部48により巻き取り、回転量検出部1070により当該巻取部48の中心軸48Aにおける回転数及び回転方向に応じた受光信号及び回転方向信号を生成して主制御部1011へ供給する。このとき通話部1009は、ハンドセット830がいずれの方向を向いていても、巻取部48の中心軸48Aに対するケーブル38の巻付量に応じた受光信号及び回転方向信号を生成できる。このため主制御部1011は、カウンタの値を受光信号のパルス数だけ減算して閾値よりも小さくし、検出信号SDを「オン」とすることができるので、フック信号SFが「オフ」であってもオンフック状態として認識でき、これに応じて取引モードを切り替えて取引処理を行うことができる。
[12.他の実施の形態]
なお上述した第1〜第4の実施の形態においては、ケーブル接続部50等に内蔵したマグネット52等を収容部60等に設けたリードスイッチ65等により検出する場合について述べた。また第5の実施の形態においては、収容部460に設けた受発光素子465により検出光LDがケーブル接続部450により反射されたことを検出する場合について述べた。さらに第6の実施の形態においては、収容部560に設けたメカスイッチ567のレバー567Bが押下されたことを検出する場合について述べた。さらに第7の実施の形態においてはケーブル接続部650の遮光部650Sにより外光が遮光されたことを収容部660に設けた照度センサ665により検出する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれらに限らず、周知の種々のセンサや検出手法を用いることにより、ケーブル接続部50等が収容部60の収容空間62等に収容されたことを検出するようにしても良い。この場合、ケーブル接続部50等が収容部60の収容空間62等に収容されたことを検出したときに検出信号SDを「オン」とし、それ以外の場合に「オフ」とすることにより、第1の実施の形態と同様に主制御部11においてフック状態を判別することが可能となる。
また上述した第8の実施の形態においては、ケーブル738の着色部738Aの色を収容部760のイメージセンサ765により検出する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばケーブル738のハンドセット730との接続部分の近傍に、所定パターンの模様のように画像上で他の部分と識別し得る標識を付し、これをイメージセンサ765により検出するようにしても良い。またこの場合、第1〜第7の実施の形態のように、ハンドセット30にケーブル接続部50を設け、当該ケーブル接続部50に色や模様等を付して、これをイメージセンサ765により撮像するようにしても良い。
さらに第9の実施の形態においては、巻取部48により中心軸48Aに巻き付けたケーブル38の外径をメカスイッチ870により検出する場合について述べた。さらに第10の実施の形態においては、巻取部48の中心軸48Aに加えられる回転力のトルクをトルクセンサ970により検出する場合について述べた。さらに第11の実施の形態については、巻取部48の中心軸48Aの回転量を回転量検出部1070により検出する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、他の種々の手法により巻取部48におけるケーブル38の巻取量を検出するようにしても良い。
すなわち本発明は、ケーブル又はケーブル接続部の状態を基に、ハンドセット30が適正位置PS1又はその近傍である準適正範囲SPA内にあるか否かを検出し、その検出結果に応じて検出信号SDを「オン」又は「オフ」とすることができれば良い。
さらに上述した第8〜第11の実施の形態においては、載置台740等に収容部760等を設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、ハンドセット730等にケーブル接続部を設けない場合に、載置台740等から収容部760等を省略するようにしても良い。この場合、イメージセンサ765は例えば載置台740に直接取り付けるようにすれば良い。
また、例えばケーブル接続部を設けず、ハンドセット730等にケーブル38が直接取り付けられる場合に、当該ケーブル38における当該ハンドセット730側の端部が他の部分よりも太く形成されることにより、当該ケーブル38の太く形成された部分がケーブル接続部と同様の役割を果たすようにしても良い。この場合、巻取部48により収容空間662等へ引き込まれる被引込体は、当該ケーブル38となる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、巻取部48において図示しないスプリングにより中心軸48Aを常に巻取方向に付勢するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば主制御部11の制御に基づいて駆動するモータにより中心軸48Aを巻取方向に付勢するようにしても良く、また例えば30秒おきにモータを動作させ、或いは顧客による所定の操作に応じてモータを動作させる等、間欠的に或いは所定の条件が満たされた場合にのみ付勢するようにしても良い。第2〜第11の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、中心軸48Aの周囲にケーブル38を巻き取る巻取部48により、当該ケーブル38を収容部60の孔部63H内へ引き込むようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばケーブル38を挟み込む2個のローラ及び当該ローラの少なくとも一方に回転力を伝達するスプリングやモータ等でなる引込部等、種々の構成によりケーブル38を収容部60の孔部63H内へ引き込むようにしても良い。この場合、スプリングやモータ等によってローラを所定方向へ回転させることにより、ケーブル38を収容部60の孔部63H内へ引き込むことができる。第2〜第11の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、口元部34に対しケーブル接続部50を正面方向と口元方向との間となる約90度の範囲でのみ回動させることにより、ハンドセット30に対するケーブル接続部50の方向を制限するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば左右方向にも約30度の範囲で傾くようにする等、ハンドセット30に対するケーブル接続部50の方向を種々の範囲で制限するようにしても良い。第2〜第7の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、リードスイッチ65によりマグネット52の磁界を検出するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、他の種々の磁気センサを用いるようにしても良い。この場合、磁気センサの種類により検出可能な距離や方向が異なるため、オンフック状態と認識したいハンドセット30の角度に応じて当該磁気センサの位置や数量を定めれば良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、準適正範囲SPAの角度、すなわちオンフック状態と認識し得るハンドセット30の適正位置PS1からの回転角度を、左右それぞれに約30度とした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば左右それぞれに約45度や約60度等、種々の角度としても良く、また左右非対称や離散した複数の角度範囲としても良い。第2、第4及び第7の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第4の実施の形態においては、第3の実施の形態として説明した手法によりハンドセット230の口元部34が載置台240の口元部窪み44近傍に位置することを検出した上で、カメラ370により撮像された画像Vにより当該ハンドセット230の方向を検出するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、第5、第6又は第8〜第11の実施の形態として説明した手法によりハンドセット230の口元部34が載置台240の口元部窪み44近傍に位置することを検出した上で、カメラ370により撮像された画像Vにより当該ハンドセット230の方向を検出するようにしても良い。
さらに上述した第5の実施の形態においては、ケーブル接続部450における全ての周側面の反射率を高めるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばケーブル接続部450における円柱状部分の中心軸から見て所定の角度範囲のみ周側面の反射率を高め、他の部分の反射率を低く抑えるようにしても良い。この場合、第7の実施の形態と同様、ハンドセット430がこの角度範囲にある場合を準適正範囲SPA内に位置しているものとして検出信号SDを「オン」とすることができる。
さらに上述した第7の実施の形態においては、ケーブル接続部650における円柱状部分の中心軸から見て所定の角度範囲にのみ遮光部650Sを形成するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばケーブル接続部650の全周囲に渡って遮光部650Sを形成するようにしても良い。この場合、第5及び第6の実施の形態と同様、ハンドセット630の方向に関わらず、ケーブル接続部650が収容部660の収容空間662内に収容されれば、検出信号SDを「オン」とすることができる。
さらに上述した第9の実施の形態においては、載置台840に設けたメカスイッチ870により巻取部48における見かけ上の半径が大きいか否かを検出するようにした場合について述べた(図25)。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図25(A)及び(B)とそれぞれ対応する図28(A)及び(B)に示すように、通話部1109において、載置台1140にメカスイッチ870に代わる光学センサ1170を設けるようにしても良い。
この光学センサ1170は、第5の実施の形態における受発光素子465と同様、発光部1170Aから発光した検出光LDをケーブル38の最外周部分において反射させ、これを受光部1170Bにより検出した場合に検出信号SDを「オン」とする。
この通話部1109も、第9の実施の形態と同様、巻取部48における見かけ上の半径が大きいときに検出信号SDを「オン」とすることができ、主制御部11によりオンフック状態として認識することができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、主制御部11が図10(A)に示した論理演算回路により検出信号SD及びフック信号SFからフック状態を認識するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば主制御部11が図10(B)に示すテーブルTBL1を予め記憶しておき、当該テーブルTBL1を参照することにより検出信号SD及びフック信号SFからフック状態を認識するようにしても良い。第3、第5〜第11の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、主制御部111が図14に示した検出テーブルTBL2を参照することにより、検出信号SD1及びSD2から統合検出信号SDUを生成するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第1の実施の形態のように論理演算回路を用いることにより検出信号SD1及びSD2から統合検出信号SDUを生成するようにしても良い。第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ハンドセット30の耳元部33に耳元スピーカ31を内蔵すると共に、口元部34にマイクロホン32を内蔵するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば口元部34のマイクロホン32を省略し、顧客に音声ガイダンスを耳元で聞くためにハンドセット30を使用させるようにしても良い。第2〜第11の実施の形態についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、金融機関等に設置され顧客との間で現金に関する種々の取引処理を行う現金自動預払機1に搭載される通話部9に本発明を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば鉄道の指定席券や航空機の搭乗券等を販売する自動販売機や、所定の監視対象を遠隔地から監視する監視システムにおいて監視員が操作する監視端末等、通話部が搭載される種々の装置や、或いは単体の電話機に適用するようにしても良い。
さらには、現金自動預払機1、自動販売機や監視端末等に通話部9が搭載される場合に限らず、ハンドセット30や載置台40等が適宜組み込まれることにより通話装置としての機能を有する現金自動預払機1、自動販売機や監視端末等に本発明を適用するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ハンドセットとしてのハンドセット30と、載置台としての載置台40と、ケーブルとしてのケーブル38と、検出部としてのリードスイッチ65とによって通話装置としての通話部9を構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなるハンドセットと、載置台と、ケーブルと、検出部とによって通話装置を構成するようにしても良い。