JP2014077481A - 円錐ころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐久性を確保しつつ、寸法安定性の向上を達成することが可能な円錐ころ軸受を提供する。
【解決手段】円錐ころ軸受6は、外輪11、内輪15、円錐ころ16、保持器17を備える。軸受使用時には、円錐ころ16の大端面18が内輪15の大鍔面13と接触して案内される。大端面18の曲率半径をR、円錐ころ16の外周面を含む円錐面の頂点から内輪15の大鍔面13までの距離をRBASEとしたとき、R/RBASEの値が0.75〜0.87となっている。外輪11、内輪15および円錐ころ16のうち少なくともいずれか1つは、0.60〜1.50%のC、0.15〜2.50%のSi、0.30〜1.50%のMn、0.20〜2.00%のCrを含有し、残部不純物からなる鋼からなり、接触面下の表層部における窒素濃度が0.3%以上であり、全体の平均残留オーステナイト量が20%以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は円錐ころ軸受に関し、より特定的には、高い耐久性を確保しつつ、寸法安定性の向上を達成することが可能な円錐ころ軸受に関するものである。
転がり軸受などの鋼からなる機械部品の耐久性を向上させる対策として、焼入処理に先立って部品の表層部に炭素および窒素を導入する浸炭窒化処理が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この浸炭窒化処理により、たとえば転がり軸受の転動疲労寿命、特に転がり軸受内に硬質の異物が侵入する環境(異物侵入環境)における寿命が向上することが知られている。
特開平5−118336号公報
しかしながら、近年の軸受部品への耐久性向上の要求を考慮すると、従来の浸炭窒化処理では、用途によってはその耐久性は十分とはいえない場合がある。具体的には、たとえば自動車のトランスミッションやデファレンシャルにおいては、トランスミッションの多段化や、運転空間の拡大のため、軸受に与えられるスペースは縮小傾向にある。そのため、トランスミッションやデファレンシャル内において動力伝達軸を支持する軸受においては、軸受サイズの小型化が進められ、より小型の軸受により従来と同等の荷重を支持する必要が生じている。さらに、軸受が小型化された場合、たとえば円錐ころの大端面が内輪の大鍔面と接触して案内される円錐ころ軸受では、円錐ころと大鍔面との接触面圧が必然的に高くなる。その結果、円錐ころと大鍔面との間に焼付きが発生するという問題も生じる。
また、浸炭窒化処理の採用によって、経年寸法変化率が大きくなり、軸受部品の寸法安定性が低下することが問題となる場合もある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、高い耐久性を確保しつつ、寸法安定性の向上を達成することが可能な円錐ころ軸受を提供することである。
本発明の一の局面に従った円錐ころ軸受は、円錐状の外輪軌道面を有する外輪と、円錐状の内輪軌道面を有し、内輪軌道面の大径側に大鍔面、小径側に小鍔面が設けられた内輪と、外輪軌道面と内輪軌道面との間に転動自在に配列された複数の円錐ころと、円錐ころを円周方向において所定の間隔に保持する保持器とを備えている。軸受使用時には、円錐ころの大端面が内輪の大鍔面と接触して案内される。円錐ころの大端面の曲率半径をR、円錐ころの外周面を含む円錐面の頂点から内輪の大鍔面までの距離をRBASEとしたとき、R/RBASEの値が0.75〜0.87の範囲となっている。そして、外輪、内輪および円錐ころのうち少なくともいずれか1つは、0.60質量%以上1.50質量%以下の炭素と、0.15質量%以上2.50質量%以下の珪素と、0.30質量%以上1.50質量%以下のマンガンと、0.20質量%以上2.00質量%以下のクロムとを含有し、残部不純物からなる鋼からなっており、他の部品と接触する接触面下の表層部における窒素濃度が0.3質量%以上であり、全体の平均残留オーステナイト量が20体積%以下である高強度軸受部品である。
また、本発明の他の局面に従った円錐ころ軸受は、円錐状の外輪軌道面を有する外輪と、円錐状の内輪軌道面を有し、内輪軌道面の大径側に大鍔面、小径側に小鍔面が設けられた内輪と、外輪軌道面と内輪軌道面との間に転動自在に配列された複数の円錐ころと、円錐ころを円周方向において所定の間隔に保持する保持器とを備えている。軸受使用時には、円錐ころの大端面が内輪の大鍔面と接触して案内される。円錐ころの大端面の曲率半径をR、円錐ころの外周面を含む円錐面の頂点から内輪の大鍔面までの距離をRBASEとしたとき、R/RBASEの値が0.75〜0.87の範囲となっている。そして、外輪、内輪および円錐ころのうち少なくともいずれか1つは、0.60質量%以上1.50質量%以下の炭素と、0.15質量%以上2.50質量%以下の珪素と、0.30質量%以上1.50質量%以下のマンガンと、0.20質量%以上2.00質量%以下のクロムとを含有し、さらに0.5質量%以下のニッケルおよび0.2質量%以下のモリブデンの少なくともいずれか一方を含有し、残部不純物からなる鋼からなり、他の部品と接触する接触面下の表層部における窒素濃度が0.3質量%以上であり、全体の平均残留オーステナイト量が20体積%以下である高強度軸受部品である。
本発明者は、円錐ころ軸受において、高い耐久性を確保しつつ、寸法安定性の向上を達成する方策について検討を行なった。その結果、以下のような知見を得て、本発明に想到した。
上記内輪、外輪および円錐ころを備えた円錐ころ軸受において、内輪大鍔面と円錐ころ大端面との間に形成される油膜厚さを、Karnaの式を用いて計算すると、R/RBASEが0.76のとき、油膜厚さは最大となる。そして、R/RBASEが0.9を越えると、油膜厚さは急激に減少する。
一方、内輪大鍔面と円錐ころ大端面との間の最大ヘルツ応力を計算すると、最大ヘルツ応力は、R/RBASE の増大に伴って単調に減少する。
ここで、内輪大鍔面と円錐ころ大端面との間のすべり摩擦による発熱を抑えて、内輪と円錐ころとの焼付きを抑制するためには、油膜厚さを厚く、最大ヘルツ応力を小さくすることが望ましい。そして、本発明者の検討によれば、R/RBASEの値を0.75〜0.87に調整することにより、焼付きの発生を効果的に抑制することができる。なお、一般的な円錐ころ軸受のR/RBASEの値は、0.90〜0.97程度である。
また、外輪、内輪、転動体などの軸受部品において、他の部品と接触する表面(接触面)およびその直下では、亀裂や焼付きなどの損傷が発生し易い。これに対し、当該接触面に浸炭窒化処理を施すことにより、耐久性の向上を図ることができる。このとき、本発明者の検討によると、接触面である表面から深さ20μmまでの領域における平均窒素濃度(本願明細書、特許請求の範囲および要約書において「表層部」とは表面から深さ20μmまでの領域をいい、「表層部における窒素濃度」とは表層部における平均窒素濃度をいう)を0.3質量%以上にすることにより、接触面の耐久性が向上する。特に、表層部における窒素濃度を上昇させることにより、転走面付近の残留オーステナイト量が増加し、異物混入環境における転動疲労に対する耐久性が向上する。また、表層部における窒素濃度を上昇させることにより当該表層部における焼戻軟化抵抗が向上する。そのため、たとえば上記内輪と円錐ころとのすべり接触(たとえば大端面と大鍔面とのすべり接触)によって接触部の温度が上昇した場合でも、当該接触部の硬度低下が抑制され、焼付きの発生が抑えられる。
一方、焼入硬化された鋼の窒素濃度が上昇すると、残留オーステナイト量が増加し、これが軸受部品の使用中に分解することにより経年変化率が大きくなる。
ここで、接触面の耐久性については、表層部、すなわち表面から20μm以内のごく薄い層における窒素濃度が支配的である。これに対し、経年変化率に対しては、軸受部品全体における残留オーステナイト量が影響する。そこで、表層部の窒素濃度を増加させつつ、軸受部品全体の残留オーステナイト量を低減することにより耐久性の向上と寸法安定性の向上とを両立させることを検討したところ、接触面下の表層部における窒素濃度を0.3質量%以上とし、かつ全体の平均残留オーステナイト量を20体積%以下とすることにより、耐久性の向上と寸法安定性の向上とを両立可能であることが明らかとなった。このような表層部の窒素濃度と全体の残留オーステナイト量との組み合わせは、たとえば通常の浸炭窒化処理に比べて高い濃度の窒素を部品表面に導入した上で、通常の温度よりも高い温度で焼戻処理を実施することにより達成することができる。
本発明の円錐ころ軸受においては、R/RBASEの値が0.75〜0.87の範囲に調整されることにより、円錐ころの大端面と内輪の大鍔面との焼付きが抑制される。さらに、外輪、内輪および円錐ころのうち少なくともいずれか1つが、接触面下の表層部における窒素濃度を0.3質量%以上とし、かつ全体の平均残留オーステナイト量を20体積%以下とされた高強度軸受部品であることにより、異物混入環境を含む過酷な環境下における転動疲労に対する耐久性の向上と焼戻軟化抵抗の向上による更なる焼付きの抑制とを達成しつつ、寸法安定性を向上させることができる。その結果、本発明の円錐ころ軸受によれば、高い耐久性を確保しつつ、寸法安定性の向上を達成することが可能な円錐ころ軸受を提供することができる。
ここで、上記高強度軸受部品を構成する鋼の成分組成を上記範囲に設定した理由について説明する。
炭素:0.60質量%以上1.50質量%以下
炭素含有量は、焼入硬化後における軸受部品の接触面の硬度に大きな影響を与える。鋼の炭素含有量が0.60質量%未満では、焼入硬化後における接触面に十分な硬度を付与することが困難となる。あるいは、浸炭処理などで表面の炭素量を補う必要が生じ、生産効率の低下、製造コストの上昇の原因となる。一方、炭素含有量が1.50質量%を超えると、焼入硬化の際の割れの発生(焼割れ)が懸念される。そのため、炭素含有量は0.60質量%以上1.50質量%以下とした。
珪素:0.15質量%以上2.50質量%以下
珪素は、鋼の焼戻軟化抵抗の向上に寄与する。鋼の珪素含有量が0.15質量%未満では、焼戻軟化抵抗が不十分となり、焼入硬化後の焼戻や、軸受部品の使用中における温度上昇により接触面の硬度が大幅に低下する可能性がある。一方、珪素含有量が2.50質量%を超えると、焼入前の素材の硬度が高くなり、素材を軸受部品に成形する際の冷間加工における加工性が低下する。そのため、珪素含有量は0.15質量%以上2.50質量%以下とした。
マンガン:0.30質量%以上1.50質量%以下
マンガンは、鋼の焼入性の向上に寄与する。マンガン含有量が0.30質量%未満では、この効果が十分に得られない。一方、マンガン含有量が1.50質量%を超えると、焼入前の素材の硬度が高くなり、冷間加工における加工性が低下する。そのため、マンガン含有量は0.30質量%以上1.50質量%以下とした。
クロム:0.20質量%以上2.00質量%以下
クロムは、鋼の焼入性の向上に寄与する。クロム含有量が0.20質量%未満では、この効果が十分に得られない。一方、クロム含有量が2.00質量%を超えると、素材コストが高くなるという問題が生じる。そのため、クロム含有量は0.20質量%以上2.00質量%以下とした。
ニッケル:0.5質量%以下
ニッケルも、鋼の焼入性の向上に寄与する。ニッケルは、本発明の軸受部品を構成する鋼において必須の成分ではないが、大型の軸受部品など、軸受部品を構成する鋼に高い焼入性が求められる場合に添加することができる。しかし、ニッケル含有量が0.5質量%を超えると、焼入後における残留オーステナイト量が多くなり、寸法安定性が低下する。そのため、軸受部品を構成する鋼に0.5質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
モリブデン:0.2質量%以下
モリブデンも、鋼の焼入性の向上に寄与する。しかし、モリブデン含有量が0.2質量%を超えると、素材コストが高くなるという問題が生じる。そのため、軸受部品を構成する鋼に0.2質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
上記円錐ころ軸受においては、上記内輪の小鍔面が、円錐ころの小端面と平行な面で形成されていてもよい。
これにより、小端面の面取りの寸法や形状にばらつきがあっても、初期組立状態において、互いに平行な小端面19と小鍔面14とは面接触する。そのため、このときの大端面と大鍔面との隙間は、小端面の面取りの寸法や形状のばらつきの影響を受けることがなく、運転開始後に各円錐ころが正規の位置に落ち着くまでの時間のばらつきが小さくなる。その結果、円錐ころ軸受の馴らし運転時間を短縮することができる。
上記円錐ころ軸受においては、上記内輪の大鍔面の表面粗さRaは0.05〜0.20μmの範囲であってもよい。
上記表面粗さRaを0.05μm以上とすることにより、低速で行われる馴らし運転時に、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間の潤滑状態を、流体潤滑と境界潤滑との混合潤滑ではなく、境界潤滑とすることができる。そのため、摩擦係数が安定し、精度のよい予圧力の管理を行うことができる。なお、回転数が100rpmを越える通常の軸受使用条件下では、大鍔面と大端面との間に十分な油膜が形成されるため、潤滑状態は流体潤滑となって摩擦係数は十分に小さくなる。一方、表面粗さRaを0.20μm以下とすることにより、高速回転時に軸受の温度が上昇し、潤滑油の粘度が低下した場合でも、油膜厚さを十分に確保し、焼付きの発生をより確実に抑制することができる。
上記円錐ころ軸受においては、上記円錐ころの大端面が、内輪の大鍔面と接触したときに形成される、内輪の小鍔面と円錐ころの小端面との隙間が0.4mm以下に規制されていてもよい。これにより、馴らし運転において円錐ころが正規の位置に落ち着くまでに必要な回転回数を減らし、馴らし運転時間を短縮することができる。
上記円錐ころ軸受においては、上記内輪の小鍔面は、研削加工面または旋削加工面であってもよい。これにより、内輪の小鍔面と円錐ころの小端面との隙間を精度よく管理することができる。
上記円錐ころ軸受においては、上記内輪の大鍔面は、円錐ころの大端面に接触するベース面と、ベース面の外側に滑らかに連なり、円錐ころの大端面から離隔する方向に湾曲する逃げ面とを含んでいてもよい。
これにより、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との接触領域の外縁近傍に隙間が形成される。その結果、当該接触領域への潤滑油の引き込み作用が高まり、十分な油膜が形成される。また、この滑らかな逃げ面の形成で、円錐ころのスキューが発生した際の、円錐ころと内輪大鍔面との接触による疵付きを抑制することができる。
上記円錐ころ軸受においては、上記逃げ面の断面形状が円弧状の領域を含んでいてもよい。これにより、潤滑油引き込み作用の優れた逃げ面を容易に形成することができる。
上記円錐ころ軸受においては、円錐ころの大端面の中央部に平面形状が円形状のぬすみが設けられ、当該ぬすみの外周端が、内輪のベース面と逃げ面との境界領域に位置するようにしてもよい。
これにより、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との接触領域の外縁近傍に形成される上記隙間の近くまで潤滑油を導いて、当該隙間に十分な潤滑油を供給することができる。また、かつ円錐ころの許容スキュー角を、さらに大きくすることができる。
上記円錐ころ軸受においては、ベース面と逃げ面との境界が、軸受の許容最大アキシャル荷重下で、円錐ころ大端面と大鍔面との接触で生じる最大接触楕円の外縁部に位置するようにしてもよい。
これにより、円錐ころ軸受の全ての使用負荷レンジで、潤滑油を引き込む上記隙間を適切に形成することができる。
上記円錐ころ軸受においては、上記接触面下の表層部には、接触面に垂直な断面において直径0.5μm以下の炭窒化物が100μmあたり5個以上存在していてもよい。
直径0.5μm以下という微細な炭窒化物が100μmあたり5個以上の割合で表層部に存在することで表層部が強化されることにより、表層部の耐久性が一層向上し、耐久性に優れた軸受部品が得られる。ここで、炭窒化物とは、鉄の炭化物または当該炭化物の炭素の一部が窒素に置き換わったものであり、Fe−C系の化合物およびFe−C−N系の化合物を含む。また、この炭窒化物は、クロムなど、鋼に含まれる合金元素を含んでいてもよい。
上記円錐ころ軸受においては、接触面から深さが50μmである領域における残留オーステナイト量は20体積%以上であってもよい。このようにすることにより、接触面の耐久性、特に異物混入環境における接触面の耐久性を向上させることができる。
上記円錐ころ軸受においては、内輪は、上記高強度軸受部品であり、内輪の内径表面における窒素濃度が0.05質量%以下であってもよい。
残留オーステナイトの分解による寸法変化は、部品寸法の膨張として現れる場合が多い。一方、転がり軸受の内輪は、その内径面が軸などの外周面に嵌め込まれて使用される場合が多い。そのため、内径が膨張すると、内輪の軸に対する嵌め込み状態が不安定になるおそれがある。これに対し、内径面における窒素濃度を0.05質量%以下にまで低減することで、上記問題の発生を抑制することができる。
上記円錐ころ軸受は、自動車の動力伝達軸の支持に用いられるものであってもよい。また、上記自動車は、二輪車であってもよい。また、上記円錐ころ軸受は、ギヤオイルが封入されたハウジング内において、歯車軸が軸受により回転自在に支持される車両用歯車軸支持装置において、当該軸受として用いられてもよい。十分な耐久性を確保しつつコンパクト化が求められる上記用途に、本発明の円錐ころ軸受は好適である。
以上の説明から明らかなように、本発明の円錐ころ軸受によれば、高い耐久性を確保しつつ、寸法安定性の向上を達成することが可能な円錐ころ軸受を提供することができる。
デファレンシャルの構成を示す概略断面図である。 円錐ころ軸受の構造を示す概略断面図である。 図2の要部を拡大して示す概略断面図である。 図2の円錐ころ軸受の設計仕様を説明するための概略断面図である。 円錐ころ大端面の曲率半径と油膜厚さとの関係を説明するための図である。 円錐ころ大端面の曲率半径と最大ヘルツ応力との関係を説明するための図である。 円錐ころ軸受を構成する軸受部品の構造を説明するための概略断面図である。 円錐ころ軸受の構造の変形例を示す概略断面図である。 円錐ころ軸受の製造方法の概略を示すフローチャートである。 表面付近の窒素濃度分布を示す図である。 表面付近の窒素濃度分布を示す図である。 表面付近の窒素濃度分布を示す図である。 表面付近の窒素濃度分布を示す図である。 剥離発生後における剥離部付近の形状を示す図である。 圧痕の形状の一例を示す図である。 転動疲労寿命試験の結果を示す図である。 表層部の窒素濃度と転動疲労寿命との関係を示す図である。 表面付近の残留オーステナイト量の分布を示す図である。 残留オーステナイト量と経年寸法変化率との関係を示す図である。 表面付近の炭素および窒素の濃度分布を示す図である。 表面付近の炭素および窒素の濃度分布を示す図である。 試験片表面のSEM写真である。 試験片表面のSEM写真である。 試験片表面のSEM写真である。 試験片表面のSEM写真である。 雰囲気温度と硬度との関係を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施の形態である円錐ころ軸受を備えた自動車のデファレンシャルの構造を示している。このデファレンシャルでは、動力伝達軸である歯車軸が円錐ころ軸受により支持されている。図1を参照して、このデファレンシャルは、ハウジング1に対して2つの円錐ころ軸受2,3により回転自在に支持されたドライブピニオン4と、ドライブピニオン4に噛み合うリングギヤ5と、リングギヤ5が取り付けられ、一対の円錐ころ軸受6によりハウジング1に対して回転自在に支持された差動歯車ケース7と、差動歯車ケース7の中に配設されたピニオン8と、ピニオン8と噛み合うサイドギヤ9とを備えている。円錐ころ軸受2,3,6、ドライブピニオン4、リングギヤ5、差動歯車ケース7、ピニオン8およびサイドギヤ9は、ギヤオイルが封入されたハウジング1内に収納されている。このギヤオイルは、上記円錐ころ軸受2、3、6の潤滑油としても機能する。ドライブピニオン4の軸と、リングギヤ5が取り付けられた差動歯車ケース7の軸の支持に、本実施の形態の円錐ころ軸受である円錐ころ軸受2,3,6を用いた歯車軸支持装置が採用されている。上記デファレンシャルは、たとえば二輪車に使用することができる。
次に、本実施の形態における円錐ころ軸受の代表例として、円錐ころ軸受6について説明する。図2を参照して、円錐ころ軸受6は、円錐状の外輪軌道面10を有する外輪11と、円錐状の内輪軌道面12を有し、この内輪軌道面12の大径側に大鍔面13、小径側に小鍔面14が設けられた内輪15と、外輪軌道面10と内輪軌道面12との間に転動自在に配列された複数の円錐ころ16と、円錐ころ16を円周方向において所定の間隔に保持する保持器17とを備えている。
図3を参照して、内輪15の小鍔面14は、内輪軌道面12に接触して配列された円錐ころ16の小端面19と平行な研削加工面に仕上げられている。そして、図3中に一点鎖線で示す初期組立状態で、内輪15の小鍔面14は円錐ころ16の小端面19と面接触する。また、実線で示す円錐ころ16が正規の位置に落ち着いた状態、すなわち円錐ころ16の大端面が内輪15の大鍔面と接触することにより円錐ころが案内される軸受の使用時の状態での内輪15の小鍔面14と円錐ころ16の小端面19との隙間δが、δ≦0.4mmの寸法規制範囲内に調整されている。
図4に示すように、円錐ころ16の外周面を含む円錐面、外輪軌道面10を含む円錐面、および内輪軌道面12を含む円錐面の各頂点は、円錐ころ軸受6の中心線上の一点Oで一致する。そして、円錐ころ16の大端面18の曲率半径Rと、O点から内輪15の大鍔面13までの距離RBASEとの比R/RBASEは、0.75〜0.87の範囲となっている。また、大鍔面13は、表面粗さRaが、たとえば0.12μmとなるように研削加工されている。
図5は、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間に形成される油膜厚さtを、Karnaの式を用いて計算した結果を示している。図5において、縦軸は、油膜厚さtの、R/RBASE=0.76のときの油膜厚さt0に対する比t/t0を示している。油膜厚さtはR/RBASE =0.76のとき最大となり、R/RBASEが0.9を超えると急激に減少する。
一方、図6は、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間の最大ヘルツ応力pを計算した結果を示している。図6において、縦軸は、最大ヘルツ応力pの、R/RBASE=0.76のときの最大ヘルツ応力p0に対する比p/p0を示している。最大ヘルツ応力pは、R/RBASEの増大に伴って単調に減少している。
内輪の大鍔面と円錐ころの大端面間とのすべり摩擦によるトルクロスと発熱とを低減する観点からは、油膜厚さtを厚く、最大ヘルツ応力pを小さくすることが望ましい。上記図5および図6の計算結果を参考とし、後述する耐焼付き試験の結果に基づいて、R/RBASEの適正範囲を0.75〜0.87と決定することができる。
なお、図示はしないが、上記円錐ころ軸受2,3も、上述した円錐ころ軸受6と同様の構成を有している。また、本実施の形態では、内輪15の小鍔面14を研削加工面としたが、コスト低減のため、旋削加工面とすることもできる。
さらに、軸受部品である外輪11、内輪15および円錐ころ16は、0.60質量%以上1.50質量%以下の炭素と、0.15質量%以上2.50質量%以下の珪素と、0.30質量%以上1.50質量%以下のマンガンと、0.20質量%以上2.00質量%以下のクロムとを含有し、残部不純物からなる焼入硬化された鋼、たとえばJIS規格高炭素クロム軸受鋼であるSUJ2からなっている。そして、接触面である外輪軌道面10、内輪軌道面12、大鍔面13、小鍔面14、および円錐ころの表面(大端面18、小端面19および転動接触面である円錐ころ転動面16A)を含む領域には、図7に示すように、内部11C,15C,16Cに比べて窒素濃度が高い窒素富化層11D,15D,16Dが、それぞれ形成されている。窒素富化層11D,15D,16Dの表面である接触面からの距離が20μm以内である表層部11B,15B,16Bにおける平均窒素濃度は、0.3質量%以上となっている。さらに、外輪11全体、内輪15全体および円錐ころ16全体のそれぞれにおける残留オーステナイト量は、20体積%以下となっている。
本実施の形態における円錐ころ軸受6においては、R/RBASEの値が0.75〜0.87の範囲に調整されることにより、円錐ころ16の大端面18と内輪15の大鍔面13との焼付きが抑制される。さらに、外輪11、内輪15および円錐ころ16は、接触面下の表層部11B,15B,16Bにおける窒素濃度を0.3質量%以上とし、かつ全体の平均残留オーステナイト量を20体積%以下とされた高強度軸受部品である。これにより、異物混入環境を含む過酷な環境下における転動疲労に対する耐久性の向上と焼戻軟化抵抗の向上による更なる焼付きの抑制とを達成しつつ、寸法安定性が向上した円錐ころ軸受となっている。その結果、円錐ころ軸受6は、耐久性が高く、かつ優れた寸法安定性を有している。
なお、外輪11、内輪15および円錐ころ16を構成する鋼は、さらに0.5質量%以下のニッケルおよび0.2質量%以下のモリブデンの少なくともいずれか一方を含有していてもよい。これにより、鋼の焼入性が向上し、大型の転がり軸受の軸受部品を得ることができる。
また、外輪11、内輪15および円錐ころ16においては、接触面(外輪軌道面10、内輪軌道面12、大鍔面13、小鍔面14、および円錐ころの表面(大端面18、小端面19および転動接触面である円錐ころ転動面16A))下の表層部11B,15B,16Bには、接触面に垂直な断面において直径0.5μm以下の炭窒化物が100μmあたり5個以上存在していることが好ましい。このように微細な炭窒化物が表層部11B,15B,16Bに多数存在することにより、表層部11B,15B,16Bの耐久性が一層向上し、耐久性に優れた外輪11、内輪15および円錐ころ16が得られる。上記炭化物は上記領域に10個以上存在していることがより好ましい。なお、上記炭化物の存在量(数)は、たとえば上記領域を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、観察結果を画像解析処理することにより確認することができる。
さらに、外輪11、内輪15および円錐ころ16においては、接触面から深さが50μmである領域における残留オーステナイト量は20体積%以上であることが好ましい。これにより、接触面である外輪軌道面10、内輪軌道面12、大鍔面13、小鍔面14、および円錐ころの表面(大端面18、小端面19および転動接触面である円錐ころ転動面16A)の耐久性、特に異物混入環境における転動接触面の耐久性を向上させることができる。
また、図7を参照して、上記内輪15の内径表面15Eにおける窒素濃度は、0.05質量%以下とすることができる。これにより、内輪15の軸などの部材に対する嵌め込み状態が安定する。
次に、上記実施の形態における円錐ころ軸受の変形例について説明する。本変形例における円錐ころ軸受は、基本的には上記実施の形態における円錐ころ軸受と同様の構造を有し、同様の効果を奏する。しかし、以下の通り、円錐ころ16の大端面18および内輪15の大鍔面18の構成において、本変形例は上記実施の形態の場合とは異なっている。
図8を参照して、本変形例における円錐ころ軸受では、内輪15の大鍔面13は、ベース面13aと、このベース面13aの外側に滑らかに接続された円弧断面の逃げ面13bとを含んでいる。逃げ面13bの外側には、面取り部13cが設けられている。図4および図8を参照して、円錐ころ16の大端面18は、O点から内輪15の大鍔面13までの距離ROよりも適宜小さい曲率半径Rの球面18aで形成されている。そして、図8に示すように、この球面18aの中央部に平面形状が円形状であるぬすみ18bが設けられている。このぬすみ18bの外周端は、大鍔面13のベース面13aと逃げ面13bとの境界近傍(境界領域)に位置している。
円錐ころ16は、軸受使用時に大端面18が大鍔面13に押し付けられながら転動する。そのため、球面18aの一部がベース面13aと接触し、図8に示すように、接触楕円20が生じる。逃げ面13bとベース面13aとの境界は、この接触楕円20の外縁近傍に設けられる。これにより、逃げ面13bと球面18aとで接触楕円20に近接する鋭角の楔形隙間が形成される。
接触楕円20は、軸受使用時のアキシャル荷重が高いほど大きくなる。本変形例における円錐ころ軸受6では、許容最大アキシャル荷重下での最大接触楕円を想定して、逃げ面13bとベース面13aの境界が、この最大接触楕円の外縁近傍となるように設計されている。これにより、潤滑油を引き込む楔形隙間を、全ての使用負荷レンジで適切に形成できるようになっている。
次に、上記実施の形態における軸受部品および転がり軸受の製造方法について説明する。図9を参照して、まず、工程(S10)として鋼材準備工程が実施される。この工程(S10)では、0.60質量%以上1.50質量%以下の炭素と、0.15質量%以上2.50質量%以下の珪素と、0.30質量%以上1.50質量%以下のマンガンと、0.20質量%以上2.00質量%以下のクロムとを含有し、残部不純物からなる鋼、または0.60質量%以上1.50質量%以下の炭素と、0.15質量%以上2.50質量%以下の珪素と、0.30質量%以上1.50質量%以下のマンガンと、0.20質量%以上2.00質量%以下のクロムとを含有し、さらに0.5質量%以下のニッケルおよび0.2質量%以下のモリブデンの少なくともいずれか一方を含有し、残部不純物からなる鋼、たとえばJIS規格SUJ2、SUJ3、SUJ4、SUJ5などの高炭素クロム軸受鋼からなる鋼材が準備される。具体的には、たとえば上記成分組成を有する棒鋼や鋼線などが準備される。
次に、工程(S20)として成形工程が実施される。この工程(S20)では、たとえば工程(S10)において準備された棒鋼や鋼線などに対して鍛造、旋削などの加工が実施されることにより、外輪11、内輪15、円錐ころ16などの形状に成形された成形部材が作製される。
次に、工程(S30)として浸炭窒化工程が実施される。この工程(S30)では、工程(S20)において作製された成形部材が浸炭窒化処理される。この浸炭窒化処理は、たとえば以下のように実施することができる。まず、上記成形部材が780℃以上820℃以下程度の温度域で、30分間以上90分間以下の時間予熱される。次に、予熱された成形部材が、エンリッチガスとしてのプロパンガスやブタンガスが添加されることによりカーボンポテンシャルが調整されたRXガスなどの吸熱型ガスに、さらにアンモニアガスが導入された雰囲気中において加熱されて浸炭窒化処理される。浸炭窒化処理の温度は、たとえば820℃以上880℃以下とすることができる。また、浸炭窒化処理の時間は、成形部材に形成すべき窒素富化層の窒素濃度に合わせて設定することができ、たとえば4時間以上7時間以下とすることができる。これにより、成形部材の脱炭を抑制しつつ窒素富化層を形成することができる。
次に、工程(S40)として焼入工程が実施される。この工程(S40)では、工程(S30)において浸炭窒化処理されることにより窒素富化層が形成された成形部材が、所定の焼入温度から急冷されることにより焼入処理される。この焼入温度は、たとえば820℃以上880℃以下とすることができ、850℃以上880℃以下とすることが好ましい。焼入処理は、たとえば所定の温度に保持された冷却材としての焼入油中に成形部材を浸漬することにより実施することができる。また、この工程(S40)では、成形部材において接触面下の表層部となるべき領域が、焼入温度から600℃までの温度範囲において平均20℃/sec以上、かつ焼入温度から400℃までの温度範囲において平均30℃/sec以上の冷却速度で冷却されることが好ましい。これにより、工程(S30)の浸炭窒化処理によって焼入性が低下した表層部となるべき領域を確実に焼入硬化することができる。
次に、工程(S50)として焼戻工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S40)において焼入処理された成形部材が焼戻処理される。具体的には、たとえば180℃以上240℃以下の温度域に加熱された雰囲気中において成形部材が0.5時間以上3時間以下の時間保持されることにより、焼戻処理が実施される。焼戻温度は、180℃以上210℃以下とされてもよい。
次に、工程(S60)として仕上げ加工工程が実施される。この工程(S60)では、工程(S50)において焼戻処理された成形部材を加工することにより、他の部品と接触する面である接触面のうち他の部品と転動接触する転動接触面が、すなわち円錐ころ軸受6を構成する外輪11の外輪軌道面10、内輪15の内輪軌道面12および円錐ころ16の円錐ころ転動面16Aが形成される。仕上げ加工としては、たとえば研削加工を実施することができる。以上の工程により、本実施の形態における軸受部品である外輪11、内輪15、円錐ころ16などが完成する。
さらに、工程(S70)として組立工程が実施される。この工程(S70)では、工程(S10)〜(S60)において作製された外輪11、内輪15、円錐ころ16と、別途準備された保持器17などとが組合わされて、上記実施の形態における円錐ころ軸受6が組立てられる。これにより、本実施の形態における転がり軸受の製造方法が完了する。
ここで、上記工程(S30)では、後続の工程(S60)における仕上げ加工によって接触面下の表層部11B,15B,16Bにおける窒素濃度が0.3質量%以上となるように成形部材が浸炭窒化処理される。つまり、工程(S60)での取り代などを考慮して、接触面完成後における表層部の窒素濃度を0.3質量%以上とすることが可能なように窒素量を調整した窒素富化層11D,15D,16Dが形成される。
さらに、上記工程(S50)では、成形部材全体の平均残留オーステナイト量が20体積%以下となるように成形部材が焼戻処理される。
また、完成品において、接触面である外輪軌道面10、内輪軌道面12および円錐ころ転動面16Aから深さが50μmである領域における残留オーステナイト量を20体積%以上とするためには、たとえば工程(S30)において形成される窒素濃度分布、工程(S40)における焼入温度、工程(S50)における焼戻温度、工程(S60)における取り代などを調整することができる。
さらに、内輪15の内径表面15Eにおける窒素濃度を0.05質量%以下とするためには、たとえば内径表面15Eを治具やコーディング層にて覆ったうえで、工程(S30)を実施すればよい。
また、接触面に垂直な断面において、表層部11B,15B,16Bに直径0.5μm以下の炭窒化物が100μmあたり5個以上存在する状態とするためには、たとえば工程(S40)における焼入温度、工程(S50)における焼戻温度などを調整することができる。
なお、上記実施の形態において説明した円錐ころ軸受6は本発明の円錐ころ軸受の一例である。本発明の円錐ころ軸受は、種々の形態の円錐ころ軸受に適用することができる。
転がり軸受の軌道輪の耐久性に及ぼす表層部の窒素濃度の影響を調査する実験を行なった。具体的には、軌道輪(内輪)の転走面に圧痕を形成した状態で転動疲労寿命試験を実施した。実験の手順は以下の通りである。
試験は、JIS規格30206型番の円錐ころ軸受(軸受部品はJIS規格SUJ2製)により実施した。まず、上記実施の形態と同様の手順により内輪を作製した。このとき、浸炭窒化処理時の雰囲気における未分解アンモニア分圧、水素分圧、炭素の活量、熱処理時間、焼入温度を調整することにより、内輪表面付近に侵入する窒素の濃度分布を制御した。また、比較のため、浸炭窒化を実施しない内輪も作製した。その結果、図10〜図13の4通りの窒素濃度分圧を有する内輪が得られた。ここで、図10〜図13において、横軸は表面(転走面)からの距離を示しており、縦軸は窒素濃度を示している。
次に、得られた内輪に圧痕を形成した。ここで、実際の使用環境を模擬した転がり軸受寿命の評価方法として、異物混入潤滑下での寿命試験が実施される場合がある。この試験方法は、転がり軸受の潤滑油中にガスアトマイズにて作製された粒径100〜180μmの粒子(硬度800HV程度)を混入させて運転し、その破損寿命を評価するものである。粒径を100〜180μmとしている理由は、実際の使用環境において最大で100μm程度の粒径を持つ硬質異物が混入する場合があるためである。図14に、この異物混入潤滑下での寿命試験により破損した軌道輪の表面形状(圧痕形状)を示す。図14において、横軸は表面(転走面)に沿った基準点からの距離、縦軸は高さを示している。横軸の基準点から0.3mm付近までが当初の転走面、0.3mm〜1.1mm付近までが圧痕、1.1mm以上の領域が剥離部に対応する。図14から、上記硬質の異物によって形成される圧痕は15〜20μm程度の深さであることが分かる。
また、圧痕の盛上がり部の形状およびミクロ組織が、寿命を決める大きな要因となる。圧痕の盛り上がり部の形状は、圧痕深さまでの材料のミクロ組織で決まると考えられる。また、窒素濃度によって鋼のミクロ組織は変化する。これらのことから、硬質の異物が侵入する環境下での寿命は、表面の窒素濃度だけではなく、表面から圧痕深さまでの窒素濃度に左右されると考えられる。
そして、上述のように圧痕深さは最大で約20μmになる。このことから、本願明細書等では、表面から深さ20μmまでの領域を表層部とし、表層部における平均窒素濃度を「表層部の窒素濃度」と定義している。この表層部の窒素濃度は、具体的には、表面に垂直な断面についてEPMA(Electron Probe Micro Analysis)により深さ方向に線分析を行ない、表面から20μm深さまでの平均値を算出することにより、調査することができる。
以上の検討結果を踏まえて、内輪には、軌道面の中央に円すい形ダイヤモンドのロックウェル硬さ測定用圧子(頂角120°の円錐の頂点に曲率0.2mmの球面を持つ圧子)を荷重196Nで押し付けて圧痕を形成した。形成した圧痕の形状を三次元表面形状装置で測定したところ、圧痕周縁部の盛り上がり形状が圧痕中心を対称軸として軸方向、円周方向に対しほぼ対称形状であることが確認された。図15に代表的な圧痕形状を示す。圧痕は内輪1個当り30個であり、周方向に等間隔に(すなわち中心角12°ごとに)形成した。
このようにして作製された内輪に、浸炭窒化処理を施さず、かつ圧痕を形成しない通常の外輪のほか、転動体、保持器等を組み合わせて軸受を組立てた。そして、得られた軸受を寿命試験に供した。試験結果を図16に示す。
図16において、横軸は寿命(試験開始から剥離が発生するまでの時間)、縦軸は累積破損確率である。また、図16の凡例において、「焼入温度−焼戻温度−表層窒素濃度」が表示されている。たとえば、850℃−180℃−N0.4%の表示は、焼入温度が850℃、焼戻温度が180℃、表層部の窒素濃度が0.4質量%であることを示している。図16を参照して、表層部の窒素濃度が上昇するに従って、寿命が長くなっていることが分かる。ここで、表層部の窒素濃度と累積破損確率が10%となる時間(L10寿命)との関係を図17に示す。図17に示すように、表層部の窒素濃度の上昇に伴ってL10寿命も長くなっているものの、窒素濃度の上昇に従ってL10寿命の向上は飽和する傾向にあり、窒素濃度0.3質量%以上では、寿命の向上は緩やかとなっている。このことから、表層部の窒素濃度を0.3質量%以上とすることが、長寿命化に有効であることが分かる。
経年寸法変化に及ぼす残留オーステナイト量の影響を調査する実験を行なった。SUJ2を素材として、外径φ60mm、内径φ54mm、幅t15mmのリング状試験片を、焼入温度、焼戻温度、および表層部の窒素濃度を変化させて作製した。この試験片に対して、230℃に加熱して2時間保持する熱処理を実施し、当該熱処理前後での外径の寸法差を熱処理前の外径で除して経年寸法変化率を算出した。試験結果を表1に示す。一方、上記試験片の残留オーステナイト量の分布を図18に示す。この図18の残留オーステナイト量の分布から試験片内の平均値を算出するとともに、先に算出した対応する試験片の経年寸法変化率との関係を調査した。試験片全体の平均残留オーステナイト量と経年寸法変化率との関係を図19に示す。
表1および図19を参照して、焼戻温度を210℃にまで上昇させて試験片全体の平均残留オーステナイト量を低減することにより、経年寸法変化率を低減できることが確認される。そして、平均残留オーステナイト量を20体積%以下、好ましくは15体積%以下とすることが経年寸法変化率低減の観点からは有効で、特に11体積%以下とすることにより、経年寸法変化率を100×10−5未満にまで低減できることが分かる。
接触面下の表層部における炭窒化物の分布状態を調査する実験を行なった。上記実施の形態の場合と同様の手順において、浸炭窒化処理の際の炭素の活量を調整して、炭化物の固溶による消失を抑制した条件でSUJ2からなる試験片を作製した。この製造条件は、上記実施例1において長寿命が確認された試験片の製造条件に対応する。具体的には、焼入温度は850℃、焼戻温度は180℃、表層部の窒素濃度は0.3質量%である(実施例A)。一方、比較のため、表面付近に脱炭が生じる条件で同様に試験片を作製した(比較例)。比較例および実施例Aの試験片における表面付近の炭素濃度および窒素濃度の分布を、それぞれ図20および図21に示す。
図20および図21を参照して、比較例の試験片では表面付近の炭素濃度が低下し、脱炭が確認されるのに対し、実施例Aの試験片では表面付近の炭素濃度は内部とほぼ同等のレベルが維持されている。比較例の表層部のSEM写真および実施例Aの表層部のSEM写真を、それぞれ図22および図23に示す。また、焼入温度を880℃、焼戻温度を210℃、表層部の窒素濃度を0.3質量%とした試験片(実施例B)の表層部のSEM写真を図24および図25に示す。
ここで、上記実施例1において長寿命が確認された製造条件に対応する実施例Aおよび実施例Bについて、表層部のSEM写真(表面に垂直な断面のSEM写真)に基づいて、析出強化に寄与すると考えられる直径0.5μm以下の炭窒化物の個数を算出した。表2に算出結果を示す。
100μm内の領域に存在する炭窒化物の個数を各試験片について3回(3箇所)調査し、その平均値を算出した。表2に示すように、長寿命が確認された実施例AおよびBにおいては、直径0.5μm以下の炭窒化物が100μm内に5個以上存在していることが確認された。
上記R/RBASEおよびδの値を適切な範囲に設定することによる効果を確認する実験を行った。
円錐ころの大端面の曲率半径Rが、上記R/RBASE=0.75〜0.87の範囲に調整され、内輪の大鍔面の表面粗さRaが0.12μmであり、小鍔面が円錐ころの小端面と平行な研削加工面で形成され、かつ隙間δがδ≦0.4mmの範囲内に調整された円錐ころ軸受を準備した(実施例)。軸受の寸法は、いずれも内径40mm、外径68mmである。一方、比較のため、R/RBASEの値が上記範囲を外れ、内輪の小鍔面が円錐ころの小端面に対して外側に傾斜し、隙間δが0.4mmを越える円錐ころ軸受も準備した(比較例)。軸受の寸法は、上記実施例と同じである。より具体的には、表3に示す4種類の実施例に対応する円錐ころ軸受と3種類の比較例に対応する円錐ころ軸受とを準備した。
そして、上記実施例および比較例の円錐ころ軸受に対して、回転試験機を用いた耐焼付き試験を実施した。また、実施例Dおよび比較例Bの円錐ころ軸受に対しては、馴らし運転試験も行った。馴らし運転試験のサンプル数は、実施例Dに対しては66個、比較例Bに対しては10個とした。耐焼付き試験の試験条件は以下の通りである。
負荷荷重:19.61kN
回転数 :1000〜3500rpm
潤滑油 :タービンVG56(給油量40ミリリットル/分、給油温度40℃±3℃)
試験結果を表3に示す。耐焼付き試験における焼付きは、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間で生じたものである。
実施例の円錐ころ軸受は、いずれも耐焼付き試験における焼付き発生の限界回転数が2700rpm以上になっており、内輪大鍔面と円錐ころ大端面間の摩擦抵抗が少ないことがわかる。一方、比較例の円錐ころ軸受は、焼付き発生の限界回転数が2500rpm以下になっており、デファレンシャル等の通常の使用条件下で問題となることがある。大鍔面の表面粗さRaが粗い比較例Cは、同じ曲率半径Rの比較例Bよりも低い焼付き発生限界回転数を示している。
また、馴らし運転試験の結果は、比較例では円錐ころが正規の位置に落ち着くまでの回転回数の平均値が6回であるのに対して、実施例では約半分の2.96回になっている。実施例は回転回数のばらつきの標準偏差も小さくなっており、馴らし運転時間を安定して短縮できることがわかる。
窒素富化層の形成による焼戻軟化抵抗の向上を確認する実験を行った。まず、JIS規格SUJ2からなる試験片を準備した。そして、これをRXガスにアンモニアガスを添加した雰囲気中で850℃に加熱し、180分間保持することにより表層部における窒素濃度を0.3質量%以上とした上で、焼入硬化したサンプルを作製した(実施例;高濃度窒化品)。一方、比較のため、同様の試験片を準備し、これをRXガス雰囲気中で850℃に加熱し、80分間保持した上で焼入硬化したサンプルも作製した(比較例;通常焼入れ品)。このようにして得られた実施例および比較例のサンプルを所定の温度に保持した雰囲気中において加熱する熱処理を実施し、熱処理後の表面硬度を測定した。実験結果を図26に示す。
図26を参照して、いずれの雰囲気温度にて加熱した場合でも、実施例のサンプルは、比較例のサンプルに比べて高い表面硬度を有していた。また、雰囲気温度が上昇するにつれて、両者の硬度差は大きくなる傾向にある。このことから、表層部における窒素濃度を0.3質量%以上とすることにより、焼戻軟化抵抗が向上することが確認された。この焼戻軟化抵抗の向上は、耐焼付き性の向上に寄与するものと考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の円錐ころ軸受は、高い耐久性を確保しつつ、寸法安定性の向上を達成することが求められる円錐ころ軸受に、特に有利に適用され得る。
1 ハウジング、2,3,6 円錐ころ軸受、4 ドライブピニオン、5 リングギヤ、7 差動歯車ケース、8 ピニオン、9 サイドギヤ、10 外輪軌道面、11 外輪、11B,15B,16B 表層部、11C,15C,16C 内部、11D,15D,16D 窒素富化層、12 内輪軌道面、13 大鍔面、13a ベース面、13b 逃げ面、14 小鍔面、15 内輪、15E 内径表面、16 円錐ころ、16A 円錐ころ転動面、17 保持器、18 大端面、18a 球面、18b ぬすみ、19 小端面、20 接触楕円。

Claims (9)

  1. 円錐状の外輪軌道面を有する外輪と、
    円錐状の内輪軌道面を有し、前記内輪軌道面の大径側に大鍔面、小径側に小鍔面が設けられた内輪と、
    前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配列された複数の円錐ころと、
    前記円錐ころを円周方向において所定の間隔に保持する保持器とを備え、
    軸受使用時には、前記円錐ころの大端面が前記内輪の前記大鍔面と接触して案内され、
    前記円錐ころの前記大端面の曲率半径をR、前記円錐ころの外周面を含む円錐面の頂点から前記内輪の前記大鍔面までの距離をRBASEとしたとき、R/RBASEの値が0.75〜0.87の範囲となっており、
    前記外輪、前記内輪および前記円錐ころのうち少なくともいずれか1つは、0.60質量%以上1.50質量%以下の炭素と、0.15質量%以上2.50質量%以下の珪素と、0.30質量%以上1.50質量%以下のマンガンと、0.20質量%以上2.00質量%以下のクロムとを含有し、残部不純物からなる鋼からなり、他の部品と接触する接触面下の表層部における窒素濃度が0.3質量%以上であり、全体の平均残留オーステナイト量が20体積%以下である高強度軸受部品である、円錐ころ軸受。
  2. 円錐状の外輪軌道面を有する外輪と、
    円錐状の内輪軌道面を有し、前記内輪軌道面の大径側に大鍔面、小径側に小鍔面が設けられた内輪と、
    前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配列された複数の円錐ころと、
    前記円錐ころを円周方向において所定の間隔に保持する保持器とを備え、
    軸受使用時には、前記円錐ころの大端面が前記内輪の前記大鍔面と接触して案内され、
    前記円錐ころの前記大端面の曲率半径をR、前記円錐ころの外周面を含む円錐面の頂点から前記内輪の前記大鍔面までの距離をRBASEとしたとき、R/RBASEの値が0.75〜0.87の範囲となっており、
    前記外輪、前記内輪および前記円錐ころのうち少なくともいずれか1つは、0.60質量%以上1.50質量%以下の炭素と、0.15質量%以上2.50質量%以下の珪素と、0.30質量%以上1.50質量%以下のマンガンと、0.20質量%以上2.00質量%以下のクロムとを含有し、さらに0.5質量%以下のニッケルおよび0.2質量%以下のモリブデンの少なくともいずれか一方を含有し、残部不純物からなる鋼からなり、他の部品と接触する接触面下の表層部における窒素濃度が0.3質量%以上であり、全体の平均残留オーステナイト量が20体積%以下である高強度軸受部品である、円錐ころ軸受。
  3. 前記内輪の前記大鍔面の表面粗さRaは0.05〜0.20μmの範囲である、請求項1または2に記載の円錐ころ軸受。
  4. 前記円錐ころの前記大端面が、前記内輪の前記大鍔面と接触したときに形成される、前記内輪の前記小鍔面と前記円錐ころの小端面との間の隙間δが0.4mm以下に規制された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の円錐ころ軸受。
  5. 前記内輪の前記大鍔面は、
    前記円錐ころの前記大端面に接触するベース面と、
    前記ベース面の外側に滑らかに連なり、前記円錐ころの前記大端面から離隔する方向に湾曲する逃げ面とを含んでいる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の円錐ころ軸受。
  6. 前記逃げ面の断面形状が円弧状の領域を含んでいる、請求項5に記載の円錐ころ軸受。
  7. 前記円錐ころの前記大端面の中央部に平面形状が円形状のぬすみが設けられ、
    前記ぬすみの外周端が、前記内輪の前記ベース面と前記逃げ面との境界領域に位置する、請求項5または6に記載の円錐ころ軸受。
  8. 前記ベース面と前記逃げ面との境界が、軸受の許容最大アキシャル荷重下で、前記円錐ころの前記大端面と前記大鍔面との接触で生じる最大接触楕円の外縁部に位置する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の円錐ころ軸受。
  9. 前記接触面下の前記表層部には、前記接触面に垂直な断面において直径0.5μm以下の炭窒化物が100μmあたり5個以上存在している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の円錐ころ軸受。
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