JP2014077338A - トンネル等の剥落防護構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防護壁4の内面に合成樹脂製の複数の補強板7を固定したトンネル等の剥落防護構造であり、前記補強板7は内部に合成樹脂製の補強凸部11を配置した中空構造であって、前記補強凸部11を挟む補強板7の両側に合成樹脂製のライナ−プレ−ト8,9を配置した。
【選択図】図2
Description
このような要請に応じられるものとして、トンネルの覆工壁の壁面に剥落防止ネットを取付け、該剥落防止ネットは透明シ−トを熱圧着した合成樹脂製の樹脂ネットと、該樹脂ネットの表面を押し付ける押さえ板と、該押さえ板に打ち込むアンカ−ボルトとから構成され、これらを順次積み重ねアンカ−ボルトを打ち込んで取付け、樹脂構造による軽量化と可撓性による施工性の改善を図り、また覆工壁からの漏水を透明シ−ト或いは壁面に沿わせて導水させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
請求項3の発明は、防護壁の最上位置に固定する補強板の端部に、隣接する補強板の上側端部を重合し、該重合部をアンカ−ボルトを介して防護壁に固定するとともに、前記隣接の補強板の下側端部を防護壁に密着し、該補強板と防護壁との間に空隙部を形成し、隣接する補強板の取付けによって、漏水を滞留可能な空隙部を容易かつ安価に形成するようにしている。
請求項4の発明は、空隙部とその直上に配置した補強板の内部を連通可能にし、例えば補強板の内部に導入した漏水を空隙部に流出可能にし、良好な水捌けを得られるようにしている。
請求項6の発明は、導水孔を防護壁の漏水位置またはクラック位置に対応して形成し、空隙部に滞留した漏水を合理的かつ速やかに補強板の内部に導入し、排出し得るようにしている。
請求項8の発明は、一対のライナ−プレ−トの間に合成樹脂製のコアプレ−トを配置し、該コアプレ−トの一側を一方のライナ−プレ−トに接着ないし溶着し、前記コアプレ−トの他側に中空の複数の補強凸部を突設し、該補強凸部の先端部を他方のライナ−プレ−トに接着ないし溶着し、補強板の軽量化と補強凸部による支持強度の強化を図れ、補強板の弾性と剛性を向上して堅牢に構成し得るようにしている。
請求項10の発明は、補強凸部を散点状に配置し、または補強板の長さ方向若しくは長さ方向と直交方向に形成し、補強板の多様な中空構造を実現可能にしている。
請求項11の発明は、防護壁は、トンネルの覆工壁または構築物の床版下面若しくはボックスカルバ−トの壁面であり、これらの壁面に補強板を被覆して剥落を防止し得るようにしている。
請求項13の発明は、補強板をポリプロピレンまたはポリカ−ボネ−トで形成し、補強板を堅牢で軽量に製作し得るようにしている。
請求項15の発明は、複数の補強板をトンネルの円周方向に継ぎ足して設置し、補強板の小形軽量化を図って作業性を向上するとともに、導水スペ−スにおける漏水の通水性を促すようにしている。
請求項17の発明は、相隣接する一方の補強板の一端部に粘着面を有する薄厚の連結シ−トを突出して取付け、該補強板のシ−ルパッキングの一端部を連結シ−ト側に延設するとともに、他方の補強板の接合側端部にシ−ルパッキングを切り欠いてブランク部を設け、該ブランク部に前記連結シ−トの突出部の粘着面を重合し、隣接する二つの補強板を連結するとともに、接合側端部のシ−ルパッキングを接合し、簡単な構成によって隣接する二つの補強板を水密に連結するとともに、互いに連通する導水スペ−スを合理的に形成するようにしている。
請求項3の発明は、防護壁の最上位置に固定する補強板の端部に、隣接する補強板の上側端部を重合し、該重合部をアンカ−ボルトを介して防護壁に固定するとともに、前記隣接の補強板の下側端部を防護壁に密着し、該補強板と防護壁との間に空隙部を形成したから、隣接する補強板の取付けによって、漏水を滞留可能な空隙部を容易かつ安価に形成することができる。
請求項4の発明は、空隙部とその直上に配置した補強板の内部を連通可能にしたから、例えば補強板の内部に導入した漏水を空隙部に流出可能にし、良好な水捌けを得られる効果がある。
請求項6の発明は、導水孔を防護壁の漏水位置またはクラック位置に対応して形成したから、空隙部に滞留した漏水を合理的かつ速やかに補強板の内部に導入し、排出させることができる。
請求項7の発明は、導水孔を補強板の施工現場で形成したから、防護壁の漏水位置またはクラック位置に対応した導水孔を確実に形成し、良好な水捌け効果を得ることができる
請求項8の発明は、一対のライナ−プレ−トの間に合成樹脂製のコアプレ−トを配置し、該コアプレ−トの一側を一方のライナ−プレ−トに接着ないし溶着し、前記コアプレ−トの他側に中空の複数の補強凸部を突設し、該補強凸部の先端部を他方のライナ−プレ−トに接着ないし溶着したから、補強板の軽量化と補強凸部による支持強度の強化を図れ、補強板の弾性と剛性を向上して堅牢に構成することができる。
請求項10の発明は、補強凸部を散点状に配置し、または補強板の長さ方向若しくは長さ方向と直交方向に形成したから、補強板の多様な中空構造を実現することができる。
請求項11の発明は、防護壁は、トンネルの覆工壁または構築物の床版下面若しくはボックスカルバ−トの壁面であるから、これらの壁面に補強板を被覆して剥落を防止することができる。
請求項12の発明は、補強板をトンネルの覆工壁内面に沿って配置し、その波形ないし鋸歯状部をトンネルの円周方向に沿って配置したから、覆工壁からの漏水を円滑かつ速やかに移動することができる。
請求項13の発明は、補強板をポリプロピレンまたはポリカ−ボネ−トで形成したから、補強板を堅牢で軽量に製作することができる。
請求項15の発明は、複数の補強板をトンネルの円周方向に継ぎ足して設置したから、補強板の小形軽量化を図って作業性を向上できるとともに、導水スペ−スにおける漏水の通水性を促すことができる。
請求項17の発明は、相隣接する一方の補強板の一端部に粘着面を有する薄厚の連結シ−トを突出して取付け、該補強板のシ−ルパッキングの一端部を連結シ−ト側に延設するとともに、他方の補強板の接合側端部にシ−ルパッキングを切り欠いてブランク部を設け、該ブランク部に前記連結シ−トの突出部の粘着面を重合し、隣接する二つの補強板を連結するとともに、接合側端部のシ−ルパッキングを接合したから、簡単な構成によって隣接する二つの補強板を水密に連結するとともに、互いに連通する導水スペ−スを合理的に形成することができる。
前記補強板7は、ポリプロピレンまたはポリカ−ボネ−ト等の強靭で軽量な合成樹脂で構成され、その板厚は約5.2〜5.3mmの薄厚に構成され、これを例えば0.6m×2.0m、1m×3mの矩形に裁断して使用している。
前記ライナ−プレ−ト8,9とコアプレ−ト10とは同形の矩形に形成され、このうちコアプレ−ト10の一側面は一方のライナ−プレ−ト9に接着ないし溶着され、その他側面に中空の筒状または軸状の円錐台形の補強凸部11が複列千鳥状に配置され、その円錐台形状の先端部11aを他方のライナ−プレ−ト8に接着ないし溶着している。
したがって、補強板7は多数の補強凸部11によってライナ−プレ−ト8,9を支持し、かつ所定の弾性と剛性を形成して堅牢に構成され、その内部はライナ−プレ−ト8とコアプレ−ト10との間の補強凸部11の空隙によって、中空かつ連通可能に構成されている。
前記ライナ−プレ−ト8,9の一方、実施形態ではライナ−プレ−ト8の適宜位置に複数の導水孔14が形成され、該導水孔14を補強板7の内部に連通可能にしていて、該導水孔14を覆工壁4の漏水位置に対応して適宜工具を介し施工現場で搾孔可能にされ、施工時は前記導水孔14ないしライナ−プレ−ト8を覆工壁4の内面に向けて補強板7を配置し、アンカ−ボルト13によって固定可能にしている。
この他、図中、16は座金12に形成したアンカ−ボルト13の挿通孔、17はトンネル1内を走行する自動車である。
また、前記補強板7の板厚は約5.2〜5.3mmの薄厚で、これを施工に際して例えば0.6m×2.0m、1m×3mの矩形に裁断して使用し、実施形態では覆工壁4の天端部から両側壁の上部に亘って5枚の補強板7を取付け、その裁断寸法を決定している。
すなわち、前記コアプレ−ト10の一側面を一方のライナ−プレ−ト9に接着ないし溶着し、その他側面に図4のように中空の円錐台形の多数の補強凸部11を複列千鳥状に配置し、その円錐台状の先端部11aを他方のライナ−プレ−ト8に接着ないし溶着する。
しかも、補強板7は前記合成樹脂材と中空構造によって軽量であるから、その取扱や搬送に至便であり、また後述のように羊毛と同程度の熱伝導率を備え、断熱作用ないし保温性を奏するから、トンネル1内の低温化を抑制し、坑内の氷柱の形成や結露の氷結を防止し得る。
先ず、補強板7の試験片(150mm×150mm)を作製し、この試験片についてMDおよびTD方向の衝撃強度をバンクチャ−試験機によって計測した。
その結果、MDおよびTD方向の衝撃強度は270kg・cmおよび200kg・cmで、特にMD方向の衝撃強度は段ボ−ルの4倍程度で、一定の弾性を備えていることが確認された。したがって、補強板7は一定の緩衝効果を奏し、自動車17等の接触時に自動車17や覆工壁4の損傷を軽減し得ることが確認された。
その結果、平面圧縮強度は11.1kg/cm2で、高い平面圧縮強度が確認され、潰れ難いことが確認された。
これは羊毛の熱伝導率(断熱性)が0.05W/mkと同程度で、発泡スチロ−ルが0.03W/mkであることを考慮すると、優れた断熱性ないし保温性があることが確認され、トンネル1内での結露防止および氷柱生成防止効果を奏することが確認された。
前記搬送後、施工現場において覆工壁4のクラック等による漏水位置と状況に応じて、前記裁断した補強板7の一方のライナ−プレ−ト8,9、実施形態ではライナ−プレ−ト8の所定位置に所要数の導水孔14を適宜工具によって孔明けする。
そして、前記補強板7,7を覆工壁4の内面に沿って円周方向に配置し、その下側端部を覆工壁4の内面に密着して配置し、かつ該補強板7,7と覆工壁4との間に下側に漸次幅狭の楔形の空隙部15を形成し、該空隙部15を漏水樋または漏水溜りとして機能させる。
そして、前記補強板7,7を覆工壁4の内面に沿って円周方向に配置し、その下側端部を覆工壁4の内面に密着して配置し、該密着した補強板7,7の下側端部をアンカ−ボルト13を介して覆工壁4に固定し、補強板7,7と覆工壁4との間に下側に漸次幅狭の楔形の空隙部15を形成し、該空隙部15を漏水樋または漏水溜りとして機能させる。
その際、トンネル1の最外側に位置する補強板7の外側部は内部が表出し、当該部から漏水が漏洩する惧れがあるため、前記外側部に適当な遮蔽板を取付けて閉塞することが望ましい。
また、実施形態はトンネル1の覆工壁4の補修ないし漏水対策に本発明を適用しているが、トンネル1に限らず橋梁の床版下面、ボックスカルバ−ト等の剥落防護にも適用可能である。
更に、補強板7は羊毛と同程度の熱伝導率を備え、断熱作用ないし保温性を有するから、トンネル1内の低温化を抑制し坑内の保温を促すから、氷柱の形成や結露の氷結を防止し得る。
そして、空隙部15に所定量の漏水が滞留すると、この漏水はライナ−プレ−ト8に形成した導水孔14から補強板7の内部に流入し、該補強板7の内部を補強凸部11,11間の空隙に導かれて下方へ移動する。
そして、補強板7の内部を漏水が移動する際、下側のライナ−プレ−ト9に導水孔14は形成されておらず、またライナ−プレ−ト9上にコアプレ−ト10が密着かつ接着されているから、漏水が外部へ漏れ出ることはない。
以降、漏水は空隙部15に流下して滞留し、導水孔14から補強板7の内部に流入して移動し、該補強板7の下端部から直下の空隙部15へ流出する。
したがって、補強板7は漏水の流速ないし流量を制御し、その排水量を調整し得るから、漏水量が増える雪解け時期や雨期に有効に対応し得る。
こうして覆工壁4の円周方向の最下位置の補強板7から流下した漏水は、トンネル1内の排水溝(図示略)に導かれてトンネル1の外部へ排出される。
このうち、図8乃至図11は本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態は補強板7の合成樹脂製のコアプレ−ト10に円錐台形の中空の補強凸部11を突設する代わりに、波形ないし鋸歯状断面の多数の補強凸部11をコアプレ−ト10の長さ方向または長さ方向と直交方向に突出成形し、その平坦な先端部11aをライナ−プレ−ト8の内面に接着ないし溶着するとともに、コアプレ−ト10の一端部をライナ−プレ−ト9上に接着ないし溶着している。
このようにすることで、補強凸部11の先端部11aとライナ−プレ−ト8との固定面積を増大して結合力を強化し、堅牢な補強板7を得るようにしている。この状況は図8乃至図10のようである。
そして、前記補強板7,7を覆工壁4の内面に沿って円周方向に配置し、その下側端部を覆工壁4の内面に密着して配置し、かつ該補強板7,7と覆工壁4との間に下側に漸次幅狭の楔形の空隙部15を形成し、該空隙部15を漏水樋または漏水溜りとして機能させる。
以降、前記作業をトンネル1の坑内方向に移動して補強板7を取付け、覆工壁4の漏水箇所に対応する所定域に補強板7を被覆し終えたところで、覆工壁4の補修ないし漏水防止作業を終了する。この状況は図11のようである。
そして、空隙部15に所定量の漏水が滞留すると、この漏水はライナ−プレ−ト8に形成した導水孔14から補強板7の補強凸部11内に流入し、該凸部11内を覆工壁4の円周方向に沿って下方へ移動する。
その際、補強凸部11内は一様な中空断面の流路を形成するから、漏水は一方向に円滑かつ速やかに移動し、その下端部から直下の空隙部15に流出する。
そして、前記補強凸部17,18の平坦な先端部17a,18aをライナ−プレ−ト8の内面に接着ないし溶着し、補強凸部17,18の基部であるコアプレ−ト10をライナ−プレ−ト8の上面に接着ないし溶着している。
そして、前記補強板7,7を覆工壁4の内面に沿って円周方向に配置し、その下側端部を覆工壁4の内面に密着して配置し、かつ該補強板7,7と覆工壁4との間に下側に漸次幅狭の楔形の空隙部15を形成し、該空隙部15を漏水樋または漏水溜りとして機能させる。
以降、前記作業をトンネル1の坑内方向に移動して補強板7を取付け、覆工壁4の漏水箇所に対応する所定域に補強板7を被覆し終えたところで、覆工壁4の補修ないし漏水防止作業を終了する。この状況は図14のようである。
そして、空隙部15に所定量の漏水が滞留すると、この漏水はライナ−プレ−ト8に形成した導水孔14から補強板7の補強凸部17,18内に流入し、この内部を移動後補強凸部17,18外に流出し、周辺の補強凸部17,18に流入して覆工壁4の円周方向に沿って下方へ移動する。
したがって、補強板7は前述の実施形態と同様に漏水の流速ないし流量を制御し、その排水量を調整し得るから、漏水量が増える雪解け時期や雨期に有効に対応し得る。
こうして覆工壁4の円周方向の最下位置の補強板7から流下した漏水は、トンネル1内の排水溝(図示略)に導かれてトンネル1の外部へ排出される。
前記第1および第2補強板7a,7bは同形の補強板7,7を備え、それらの一側面、実施形態では覆工壁4側にゴム等の弾性材からなるシ−ルパッキング19,20,21を接着剤または両面連結シ−トを介して取付けている。
前記連結シ−ト22と補強板7上の両端部に一対のシ−ルパッキング19を接着剤を用いて平行に接着し、その一端を補強板7の外側に突出している。
そして、前記シ−ルパッキング19,19の他端を補強板7の他端部の内側に配置し、該シ−ルパッキング19,19の他端部にシ−ルパッキング20を直交配置している。
したがって、この実施形態では導水スペ−ス24,27によって、第1および第2補強板7bに前述のような導水孔14を要しない。
この後、補強板7の連結シ−ト22側を除く周囲と連結シ−ト22上に接着剤を塗布してシ−ルパッキング19,19,20を貼り付け、これらを逆コ字形状またはU字形状に配置する。
また、覆工壁4の両側壁に設置する第2補強板7bを製作する場合は、補強板7の一側面の長さ方向に一対のシ−ルパッキング21,21を平行に貼り付け、かつその対向間隔を前記シ−ルパッキング19,19と同間隔に貼り付け、その片側端部に突出部22aと同幅のブランク部26を形成する。
こうして製作した第1および第2補強板7a,7bは、予めそれらを組み付けて作業現場へ搬送することも可能であるが、それらを組み付けずに作業現場へ搬送し、実際の取付け時に適宜組み付ければ、第1および第2補強板7a,7bの取扱いが容易になり、搬送が容易になるとともに、トンネル1へ設置する際の作業性が向上する。
先ず、第1補強板7aを天端部に設置する場合は、シ−ルパッキング19,19,20を上向き、つまり覆工壁4側に向けて第1補強板7aを保持し、前記パッキング19,19,20を覆工壁4の内面に押し当て、かつ一方のシ−ルパッキング20を天端部に位置付け後、シ−ルパッキング20の両端部にアンカ−ボルト13を差し込み、これを覆工壁4に打ち込んで固定する。
このようにすると、シ−ルパッキング20が若干押し縮められ、覆工壁4表面の凹凸部を許容して密着して取付けられ、覆工壁4とシ−ルパッキング20との間の水密性が得られる。
そして、第1補強板7aと第2補強板7bの接合部のシ−ルパッキング19,21にアンカ−ボルト13,13を差し込み、これを覆工壁4に打ち込んで固定した後、第2補強板7bの下端部のシ−ルパッキング21にアンカ−ボルト13を差し込み、これを覆工壁4に打ち込んで固定する。
このようにすると、シ−ルパッキング19,21が若干押し縮められ、覆工壁4表面の凹凸部を許容して密着して取付けられ、補強板7を直接設置する場合に比べて作業性が向上するとともに、覆工壁4とシ−ルパッキング19,21との間の水密性が得られる。
その際、第1補強板7a,7a同士は天端部に隣接して取付けられ、シ−ルパッキング20,20同士が密着して取付けられ、補強板7を直接設置する場合に比べて作業性が向上するとともに、当該部の水密性が形成される。
このように第1および第2補強板7a,7bの取付けは、それらを覆工壁4の円周方向に配置し、それらの接合部を接合または重合して接着し、その周辺にアンカ−ボルト13を打ち込んで固定する簡単な作業であるから、これを容易かつ速やかに行なえ工費の低減と工期の短縮化を図れる。
そして、第1および第2補強板7a,7bの取付け後、覆工壁4の劣化状況に応じて新たな第1および第2強板7a,7bを前記補強板7a,7bに隣接して取付ける。
また、覆工壁4の内面に第1および第2補強板7a,7bのシ−ルパッキング19,20,21が密着して取付けられ、それらの水密性を維持するとともに、シ−ルパッキング19,20,21と補強板7と覆工壁4との間に中空の導水スペ−ス24,27が連通して形成され、該導水スペ−ス24,27は一端が天端部のシ−ルパッキング20,20によって閉塞され、その他端が下端部に開口している。
したがって、導水スペ−ス24,27は周囲をシ−ルパッキング19,20,21によって囲繞され、かつ外部から空気が出入りするから、覆工壁4に補強板7を設置した場合に比べて保温性が向上する。
この場合、連結シ−ト22は薄厚であるから、第1補強板7a上の突出によって導水スペ−ス24の通水性を損なうことはない。
したがって、漏水25は前述の保温効果と相俟って、第1または第2補強板7a,7b上で滞留して凍結したり、第1または第2補強板7a,7bから漏出して氷柱を形成することがなく、トンネル1坑内の障害物形成の不安を払拭し、坑内を移動する車両の交通の安全性を確保する。
4 防護壁(覆工壁)
7 補強板
7a 第1補強板
7b 第2補強板
8,9 ライナ−プレ−ト
10 コアプレ−ト
11 補強凸部
13 アンカ−ボルト
14 導水孔
15 空隙部
17,18 補強凸部
22 連結シ−ト
24,27 導水スペ−ス
25 漏水
Claims (17)
- 防護壁の内面に合成樹脂製の複数の補強板を固定したトンネル等の剥落防護構造において、前記補強板は内部に合成樹脂製の補強凸部を配置した中空構造とし、前記補強凸部を挟む補強板の両側に合成樹脂製のライナ−プレ−トを配置したことを特徴とするトンネル等の剥落防護構造。
- 前記防護壁の最上位置以外に固定する補強板と、防護壁との間に空隙部を設けた請求項1記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記防護壁の最上位置に固定する補強板の端部に、隣接する補強板の上側端部を重合し、該重合部をアンカ−ボルトを介して防護壁に固定するとともに、前記隣接の補強板の下側端部を防護壁に密着し、該補強板と防護壁との間に空隙部を形成した請求項2記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記空隙部とその直上に配置した補強板の内部を連通可能にした請求項3記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 上側に配置する一方のライナ−プレ−トに補強板の内部に連通可能な導水孔を設け、該導水孔を防護壁側に向けて配置した請求項2記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記導水孔を防護壁の漏水位置またはクラック位置に対応して形成した請求項5記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記導水孔を補強板の施工現場で形成した請求項6記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記一対のライナ−プレ−トの間に合成樹脂製のコアプレ−トを配置し、該コアプレ−トの一側を一方のライナ−プレ−トに接着ないし溶着し、前記コアプレ−トの他側に中空の複数の補強凸部を突設し、該補強凸部の先端部を他方のライナ−プレ−トに接着ないし溶着した請求項1記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記補強凸部を筒状ないし軸状または波形ないし鋸歯状に形成した請求項1記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記補強凸部を散点状に配置し、または補強板の長さ方向若しくは長さ方向と直交方向に形成した請求項1記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記防護壁は、トンネルの覆工壁または構築物の床版下面若しくはボックスカルバ−トの壁面である請求項1記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記補強板をトンネルの覆工壁内面に沿って配置し、その波形ないし鋸歯状部をトンネルの円周方向に沿って配置した請求項11記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記補強板をポリプロピレンまたはポリカ−ボネ−トで形成した請求項1記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記補強板の一側に弾性材からなるシ−ルパッキングを対向配置し、該シ−ルパッキングを防護壁の内面に接合して設置し、防護壁と前記補強板とシ−ルパッキングとの間に導水スペ−スを形成し、該導水スペ−スを防護壁の側部に開口した請求項1記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記複数の補強板をトンネルの円周方向に継ぎ足して設置した請求項14記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 前記シ−ルパッキングを防護壁の内面に水密に設置した請求項14記載のトンネル等の剥落防護構造。
- 相隣接する一方の補強板の一端部に粘着面を有する薄厚の連結シ−トを突出して取付け、該補強板のシ−ルパッキングの一端部を連結シ−ト側に延設するとともに、他方の補強板の接合側端部にシ−ルパッキングを切り欠いてブランク部を設け、該ブランク部に前記連結シ−トの突出部の粘着面を重合し、隣接する二つの補強板を連結するとともに、接合側端部のシ−ルパッキングを接合した請求項14記載のトンネル等の剥落防護構造。
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