JP2014076733A - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗性能を確保しつつ、振動吸収性能を高めて、耐シミー性を向上した自動二輪車用タイヤを実現する。
【解決手段】トレッド部と、その両側に連なるサイドウォール部およびビード部を有し、車両装着時の回転方向が指定される自動二輪車用空気入りタイヤである。タイヤトレッドに、タイヤ中央部近傍からタイヤ幅方向外側に向かいタイヤ回転方向に傾斜して延びる複数のラグ溝が配置され、複数のラグ溝のうち、タイヤ赤道からタイヤトレッドのペリフェリー長の1/4だけタイヤ幅方向外側に離れた1/4点までのタイヤ中央領域内にタイヤ幅方向内側端部を有するラグ溝が、タイヤ幅方向内側端部に、ラグ溝のタイヤ幅方向内側端部以外の部分の溝幅よりも大きい溝幅を有する拡幅部を有し、かつ、拡幅部を構成する両側の溝壁の、タイヤ周方向に対する角度θ1,θ2が、ラグ溝の、拡幅部よりタイヤ幅方向外側であって拡幅部に繋がる部分のタイヤ周方向に対する角度θよりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は自動二輪車用タイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、クラウン部表面に形成される溝の改良に係る自動二輪車用タイヤに関する。
一般に、自動二輪車用のフロントタイヤでは、路面外乱に起因するハンドル軸まわりの振動、いわゆるシミーが発生しやすい傾向にある。特に、近年、フロントタイヤでは、重車両の二輪車の車重を支えるため、または、高速系のタイヤにおける横力向上のためなどの目的で、交錯ベルト等の適用によりトレッド部を高剛性としたり、従来は排水性確保の観点からハの字状(回転方向を上方とした場合)に配置されていたラグ溝を、横力およびブレーキング性確保の観点から逆ハの字状に配置することが多くなっている(例えば、特許文献1参照)。交錯ベルトおよび逆ハの字状の溝配置の適用は、いずれもシミーを悪化させる方向に作用するので、これらに伴い、耐シミー性の向上がより求められている。
これに対し、クラウン部最表面に配置するトップゴムの剛性を適度に低下させて、踏面部の曲げ剛性や捩じり剛性を低減するという手法が採用されていたが、トップゴムの剛性を低下させると、走行時に踏面部内でのトップゴムの変形量が増大して、摩耗性能の低下をもたらすという問題があった。また、耐シミー性を向上させるための手法としては、トレッドゴムを厚くしたり、トレッド部表面の溝面積を単純に増やしてパターン剛性を低下させる手法なども挙げられ、これらによっても振動の吸収性(振動の収まり)を向上させることが可能である。
特開2010−111171号公報
しかしながら、トレッドゴムを厚くすると、トレッド部の変形量が大きくなるため、摩耗性能が低下してしまう。また、トレッド部表面の溝面積を単純に増やした場合も、トレッド部の剛性の低下により、摩耗性能が低下する傾向となる。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、摩耗性能を確保しつつ、振動吸収性能を高めて、耐シミー性を向上した自動二輪車用タイヤを提供することにある。
本発明者は、上記の点を踏まえ、上記摩耗性能と耐シミー性との二律背反傾向を両立させるための手法について鋭意検討した結果、クラウン部表面に形成されるラグ溝の形状を改良することで、クラウン部の剛性バランスを最適化して、両性能の両立を図ることが可能となることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の自動二輪車用タイヤは、トレッド部と、該トレッド部の両側に連なるサイドウォール部およびビード部を有し、車両装着時の回転方向が指定される自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
タイヤトレッドに、タイヤ中央部近傍からタイヤ幅方向外側に向かいタイヤ回転方向に傾斜して延びる複数のラグ溝が配置され、該複数のラグ溝のうち、タイヤ赤道からタイヤトレッドのペリフェリー長の1/4だけタイヤ幅方向外側に離れた1/4点までのタイヤ中央領域内にタイヤ幅方向内側端部を有するラグ溝が、タイヤ幅方向内側端部に、該ラグ溝のタイヤ幅方向内側端部以外の部分の溝幅よりも大きい溝幅を有する拡幅部を有し、かつ、該拡幅部を構成する両側の溝壁の、タイヤ周方向に対する角度θ,θが、該ラグ溝の、該拡幅部よりタイヤ幅方向外側であって該拡幅部に繋がる部分のタイヤ周方向に対する角度θよりも大きいことを特徴とするものである。
本発明のタイヤにおいては、前記複数のラグ溝のタイヤ幅方向内側端部が、前記トレッド部の片側領域内で終端することが好ましい。また、前記複数のラグ溝のタイヤ幅方向内側端部が、タイヤ中央部からタイヤ幅方向に、タイヤトレッドのペリフェリー長の1.8%以上離れた場所に位置することが好ましい。
さらに、前記拡幅部を構成する両側の溝壁のうちタイヤ回転方向先着側の溝壁の、タイヤ周方向に対する角度θは、好適には40度以上である。さらにまた、本発明のタイヤは、タイヤ周方向に延在し、タイヤ中央部上に少なくとも一部が存在する周方向溝を備えることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、摩耗性能を確保しつつ、振動吸収性能を高めて、耐シミー性を向上した自動二輪車用タイヤを実現することが可能となった。
本発明の自動二輪車用タイヤの一例のトレッドを示す部分展開図である。 図1中のトレッドの一部を拡大して示す部分展開図である。 本発明の自動二輪車用タイヤの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の自動二輪車用タイヤの一例のトレッドを示す部分展開図を示す。また、図2は、図1中のトレッドの一部を拡大して示す部分展開図である。さらに、図3は、本発明の自動二輪車用タイヤの一例を示す概略断面図である。図1〜3に示すように、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、トレッド部1と、その両側に連なるサイドウォール部2およびビード部3を有し、車両装着時の回転方向が指定される、いわゆる方向性パターンを有するものである。なお、図1中の矢印は、車両装着時の回転方向(指定回転方向)を示す。
本発明のタイヤにおいては、図1に示すように、タイヤトレッドに、タイヤ中央部(タイヤ赤道面)CL近傍からタイヤ幅方向外側に向かいタイヤ回転方向に傾斜して延びる複数のラグ溝11〜14が配置されている。本発明においては、これら複数のラグ溝11〜14のうち、タイヤ赤道からタイヤトレッドのペリフェリー長の1/4だけタイヤ幅方向外側に離れた1/4点までのタイヤ中央領域C内にタイヤ幅方向内側端部を有するラグ溝11〜14が、タイヤ幅方向内側端部に、そのタイヤ幅方向内側端部以外の部分の溝幅wよりも大きい溝幅wを有する拡幅部11A〜14Aを有している。また、拡幅部11A〜14Aを構成する両側の溝壁の、タイヤ周方向に対する角度が、ラグ溝の、拡幅部11A〜14Aよりタイヤ幅方向外側であって拡幅部11A〜14Aに繋がる部分のタイヤ周方向に対する角度よりも大きい点が重要である。例えば、拡幅部11Aについて示すように、拡幅部11Aを構成する両側の溝壁の、タイヤ周方向に対する角度θ,θが、ラグ溝の、拡幅部11Aよりタイヤ幅方向外側であって拡幅部11Aに繋がる部分のタイヤ周方向に対する角度θよりも大きくなっている。
すなわち、本発明においては、従来のハの字状(回転方向を上方とした場合、以下において同じ)よりも比較的耐シミー性(振動吸収性)に劣る逆ハの字状に配置されたラグ溝11〜14について、タイヤ中央部側に向かって溝幅を広げた拡幅部11A〜14Aを設けたことで、非圧縮性であるゴムの逃げ場を増やして、パターン剛性を効果的に低下させ、耐シミー性を向上する効果を得ることができる。また、この効果については、通常走行時に接地する上記1/4点までの中央領域に配置されたラグ溝について特に有効である。これは、自動二輪車のシミーが、通常、直進走行時に特に発生する傾向があるからである。一方で、ラグ溝の溝幅を広げると、剛性の低下により耐摩耗性が低下する傾向にあるので、本発明においては、拡幅部をタイヤ幅方向内側端部だけに設けることで、耐シミー性を向上させつつ、耐摩耗性の低下を抑制することが可能となった。また、本発明においては、拡幅部による耐シミー性向上効果を一層高めるために、拡幅部を構成する両側の溝壁の延在方向を、タイヤ幅方向内側に向かい徐々にタイヤ幅方向に近づけることで、周方向の曲げ剛性が低下して陸部が形状変化しやすくなるので、振動吸収性を一層向上することができる。以上より、本発明では、タイヤ中央部付近でラグ溝の角度をタイヤ幅方向に近づける手法と、溝幅を拡幅する手法とを効率よく組み合わせることで、ラグ溝本数を増やすことなく、かつ、耐摩耗性を損なうことなく、振動吸収性を効果的に向上させることが可能となったものである。
ここで、タイヤトレッドのペリフェリー長とは、タイヤが生産され、使用される地域において有効な産業規格で規定されたリムにタイヤを組み付け、かかる産業規格において規定された内圧を充填した無負荷状態で、タイヤ幅方向における一方のトレッド端から他方のトレッド端までをトレッド表面に沿って測定した長さをいうものとする。また、上記産業規格とは、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEARBOOK等である。
本発明においては、複数のラグ溝11〜14のタイヤ幅方向内側端部が、トレッド部の片側領域内で終端することが好ましい。ラグ溝11〜14がタイヤ中央部CLまで延在すると、タイヤ中央部CL近傍は他の領域より接地圧が高いことから摩耗(特に、ヒールアンドトゥ摩耗)が進行しやすくなり、耐摩耗性の低下につながるので、ラグ溝11〜14はタイヤ中央部に達する前に、タイヤ中央部CLから離間した位置で終端させることが好ましい。より好適には、ラグ溝11〜14のタイヤ幅方向内側端部が、タイヤ中央部CLからタイヤ幅方向に、タイヤトレッドのペリフェリー長の1.8%以上、特には5〜20%離れた場所に位置するものとする。具体的には例えば、ラグ溝11〜14のタイヤ幅方向内側端部を、タイヤ中央部CLからタイヤ幅方向に3mm以上、特には8〜35mm離間させる。すなわち、タイヤ中央部CLからラグ溝11〜14のタイヤ幅方向内側端部までの距離Lが、タイヤ幅方向に3mm未満の位置にあると、耐摩耗性を低下させるおそれがある。
本発明において、拡幅部11A〜14Aにおける拡幅率w/wは、1.1≦B/A≦2.0で示される関係を満足することが好ましい。上記拡幅部の拡幅率w/wが、大きすぎると、パターン剛性の低下による耐摩耗性に影響が生じ、一方、小さすぎると、振動吸収性の向上効果が小さくなる。拡幅率w/wは、好適には、1.3≦w/w≦1.7で示される関係を満足するものとする。また、本発明において、ラグ溝11〜14の拡幅部11A〜14Aの溝幅wは、タイヤサイズにもよるが、好適には15mm以下、特には8mm以下とする。拡幅部11A〜14Aの溝幅が大きすぎると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
なお、本発明において、ラグ溝のタイヤ幅方向内側端部以外の部分の溝幅wおよびタイヤ幅方向内側端部の溝幅wは、いずれも、そのラグ溝の延在方向に対し直交する方向に測定した溝幅を意味する。また、本発明において拡幅部は、ラグ溝のタイヤ幅方向内側端部、すなわち、タイヤ中央領域C内に設けられているものであればよく、ラグ溝の延在方向における拡幅部の長さについては、特に制限はない。但し、拡幅部のラグ溝の延在方向における長さが長すぎると、パターン剛性が低下しすぎるおそれがあり、一方、短すぎると、耐シミ−性向上効果が充分発揮できなくなるおそれがあるので、好適には、拡幅部のラグ溝の延在方向における長さLは、1<L/W<6を満足するものとする。
本発明においては、タイヤトレッドに配置された複数のラグ溝のうち、タイヤ中央領域C内にタイヤ幅方向内側端部を有するラグ溝のタイヤ幅方向内側端部に上記所定の拡幅部を設けるものであれば、所期の効果を得ることができるが、好適には、図示するように、タイヤトレッドに配置された複数のラグ溝のすべてに、上記所定の条件に従う拡幅部を設ける。また、好適には、複数のラグ溝が、すべてタイヤ幅方向内側端部を中央領域C内に有するものとする。これにより、軽快性と、旋回力および摩耗性能とを、より高度に両立することが可能となる。
また、本発明においては、拡幅部11A〜14Aを構成する両側の溝壁のうちタイヤ回転方向先着側の溝壁の、タイヤ周方向に対する角度θが、40度以上、特には50度以上であることが好ましい。上記角度θを40度以上とすることで、振動吸収性を一層向上することができる。
さらに、本発明において、ラグ溝11〜14のタイヤ幅方向内側端部は、タイヤ周方向に隣合う溝同士がタイヤ幅方向にずれた状態で配置することが好ましい。ラグ溝11〜14のタイヤ幅方向内側端部を、タイヤ周方向に隣合う溝同士がタイヤ幅方向に揃った状態で配置すると、その部位の剛性が低下して、耐摩耗性が低下するおそれがある。
さらにまた、本発明においては、拡幅部11A〜14Aを構成する両側の溝壁のうちタイヤ回転方向先着側の溝壁の外形(エッジライン)の曲率半径R1を、後着側の溝壁の外形の曲率半径R2よりも小さく設定することが好ましい。拡幅部11A〜14Aを構成する両側の溝壁の外形の曲率半径の関係をR1<R2として、曲率半径の中心部よりもタイヤ幅方向内側に最大拡幅部を配したパターンとすることで、拡幅部におけるラグ溝の延在方向がタイヤ幅方向内側に向かって徐々にタイヤ幅方向に近づくものとなって、結果として、耐シミー性をより一層向上させることができる。なお、本発明においては、拡幅部11A〜14Aを構成する両側の溝壁の外形を一つの円弧により形成する場合には限定されず、複数の円弧を繋げて形成してもよい。
本発明においては、複数のラグ溝の配置条件については、特に制限されるものではないが、図示するように、トレッド部の両側領域間で3:1の比率で、左右非対称に交互に配置することが好ましい。ラグ溝を、両側領域間での比率を調整しつつ、左右非対称に、かつ、交互に配置することで、トレッド部の両側領域間で剛性のバランスを良好にとることができる。
また、本発明においては、上記ラグ溝に加えて、タイヤ周方向に延在し、タイヤ中央部上に少なくとも一部が存在する周方向溝を設けることが好ましい。タイヤ中央部近傍に周方向溝を設けても、耐摩耗性への悪影響はほとんどない一方、タイヤ中央部近傍の溝面積を増やすことで一層の耐シミー性向上効果が得られるので、好適である。
具体的には、図示するように、タイヤトレッドにおいて、複数のラグ溝に加えて、タイヤ中央部近傍に、分岐した主溝15を配置することが好ましい。図示する主溝15は、指定タイヤ回転方向に向かいタイヤ幅方向の一方側に傾斜して延びる第1の溝16と、第1の溝16の指定タイヤ回転方向の逆回転方向端部から、指定タイヤ回転方向に向かいタイヤ幅方向の他方側に傾斜して延びる第2の溝17と、第1の溝16および第2の溝17の指定タイヤ回転方向の逆回転方向端部から、指定タイヤ回転方向の逆回転方向に向かって延びる第3の溝18と、からなる。
タイヤトレッドにかかる分岐した主溝15を配置することで、旋回力に必要な横剛性を損なうことなく踏面のねじり剛性を下げて、軽快性と、旋回力および摩耗性能とを良好に両立させ、経済性と安定性とを兼ね備えた自動二輪車用タイヤとすることができる。この場合、主溝15のうち第3の溝18が、上記周方向溝に対応する。
また、3つに分岐した主溝15の分岐部では、パターン剛性が局所的に低くなるので、ライダーがスラローム走行を行うと、剛性の不連続性がアンリニアとなって不快な印象を与える傾向にあるが、この主溝15においては、少なくとも略タイヤ幅方向に繋がる第1の溝16と第2の溝17との連結部15Aが曲線状に形成されているので、連結部15Aにおける剛性の不連続性を解消でき、特に、ツーリング用のタイヤで求められるスラローム走行時のハンドリング特性を向上する効果を得ることができる。
なお、上記スラローム走行時のハンドリング性をより向上する観点からは、図示するように、第1の溝16と第2の溝17との連結部15Aに加えて、第1の溝16と第3の溝18との連結部15B、および、第3の溝18と第2の溝17との連結部15Cについても、曲線状に形成することが好ましい。これにより、主溝15の分岐部における剛性の連続性をより高めることができるためである。
また、この場合、第1の溝16と第2の溝17との連結部15Aの曲率半径をR、第1の溝16と第3の溝18との連結部15Bの曲率半径をR、第3の溝18と第2の溝17との連結部15Cの曲率半径をRとしたとき、これら各連結部の曲率半径が、R>RかつR>Rの関係を満足することが好ましい。略タイヤ幅方向に繋がる第1の溝16と第2の溝17との連結部15Aの曲率半径Rを大きく設定することで、タイヤ幅方向の剛性段差が小さくなるので、これにより、分岐部における剛性の連続性をさらに高める効果が得られる。
より具体的には、第1の溝16と第2の溝17との連結部15Aの曲率半径Rを12〜18mmの範囲で、第1の溝16と第3の溝18との連結部15Bの曲率半径Rを4〜8mmの範囲で、第3の溝18と第2の溝17との連結部15Cの曲率半径Rを6〜10mmの範囲で、それぞれ設定することが好ましい。
また、本発明においては、第1の溝16および第2の溝17が、指定タイヤ回転方向の逆回転方向側に曲率半径R16,R17の中心を有する曲線で構成され、かつ、第3の溝18が、タイヤ中央部側に曲率半径R18の中心を有する曲線で構成されていることが好ましい。自動二輪車はリアタイヤが駆動輪、フロントタイヤが操舵輪の役割をもつので、フロントタイヤに対する入力は、ブレーキング力と横力となる。よって、旋回力を効果的に発揮させるためには、極力上記入力を妨げない方向、すなわち、入力に沿う方向に溝を配置することが好ましく、かかる観点から、略タイヤ幅方向に延びる第1の溝16および第2の溝17については、指定タイヤ回転方向の逆回転方向側、すなわち、進行方向に対して後ろ側に、曲率半径の中心をもつ曲線で構成することが好ましい。一方、略タイヤ周方向に延びる第3の溝18に関しては、センター部の曲げ剛性を下げて接地性を高めることが、旋回力の向上には効果的である。よって、第3の溝18についてはタイヤ中央部側に曲率半径の中心をもつ曲線で構成して、第2の溝17および第3の溝18の連結部15Cの曲げ剛性を下げることで、接地性を向上することが好ましい。
さらに、本発明においては、主溝15の分岐部の中心が、タイヤ中央部CLからタイヤ幅方向に離間していることが好ましく、このタイヤ中央部CLから分岐部の中心までの離間長さLは、好適には、トレッド半幅をTWとしたとき、0.05≦L/TW≦0.25の範囲を満足するものとする。分岐した主溝15を配置することで、分岐部のねじり剛性は効果的に低減できるが、分岐部の中心部をトレッド中央部に配置すると、横剛性の低下に起因する初期旋回力の低下が顕著となる。よって、上記軽快性と初期旋回力とを両立させるためには、主溝15の分岐部が、上記範囲を満足する位置にあることが好ましい。L/TWが、0.25を超えると、パターン剛性の低下による軽快性の向上効果が小さくなり、0.05未満であると、初期旋回力の低下が顕著になる。なお、摩耗性能に関しては、分岐した主溝15の配置程度では、ほとんど影響を受けない。
さらにまた、本発明においては、第1の溝16の長さL16、第2の溝17の長さL17および第3の溝18の長さL18が、L17>L16かつL17>L18の関係を満足することが好ましい。すなわち、図示するように、第3の溝18をタイヤ中央部側に曲率半径R18の中心を有する曲線で構成した場合に、分岐部からその曲率半径R18の中心の位置する側に向かい、タイヤ中央部CLを跨いで延びる第2の溝17の長さL17を他の溝よりも長く設定することで、左右の剛性バランスを均一化して、スラローム時のハンドリング特性をよりリニアで安心感のあるものにすることができるので、好ましい。ここで、各溝の長さとは、溝に沿って測った長さである。
なお、本発明において、上記ラグ溝と周方向溝としての第3の溝18とは、溝間の最短距離で5mm以上離間していることが好ましい。上記ラグ溝と周方向溝との間隔が5mm未満であると、剛性の低下による耐摩耗性の悪化に繋がるので、好ましくない。
本発明におけるラグ溝、特にはラグ溝および主溝の配置ピッチは、特に制限されるものではないが、例えば、タイヤの全周長の1/8〜1/10程度とすることができる。
本発明においては、上記トレッドパターンに係る条件を満足する点のみが重要であり、これにより本発明の所期の効果を得ることができ、それ以外のタイヤ構造および各部材の材質等の詳細については特に制限されるものではない。
例えば、本発明のタイヤは、一対のビード部3内にそれぞれ埋設されたビードコア4間に跨って配置されて各部を補強するカーカス5と、その外周に配置されてトレッド部1を補強するベルト6とを有している。かかるベルト6は、コード方向が層間で互いに交錯するように配置された2層以上の傾斜ベルト層からなるものであってもよく、また、コード方向が実質的にタイヤ周方向である1層以上のスパイラルベルト層からなるものであってもよい。本発明は自動二輪車用のフロントタイヤに適用した際に効果が大きく、ラジアル構造およびバイアス構造のいずれのタイヤにも適用することができる。また、リアタイヤにおいても、例えば、ツーリング用タイヤの場合、リアもフロント同様にブレーキングの影響が大きくなるので、本発明の効果が発揮される場合がある。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
下記表中に示す条件に従い、拡幅部の拡幅率w/wおよび値を変えて、図1,2に示すタイプのトレッドパターンを有するタイヤサイズMCR120/70ZR17M/Cの自動二輪車用のフロントタイヤを作製した。なお、ベルトとしては、コード方向がタイヤ周方向に対し±29度である2層の交錯ベルトを配設した。
得られた各供試タイヤを排気量1000ccの大型バイクに装着して、実車試験によるライダーのフィーリング評価および走行後の摩耗状況の確認により、吸収性能および摩耗性能を評価した。リアタイヤとしては、タイヤサイズMCR180/55ZR17M/Cの市販品を用いた。結果は、各性能につき、100点を通常レベルとする指数にて示した。いずれの項目についても大きい方が性能が高く、良好である。また、各性能については、±5点以内は許容範囲(同等レベル)とした。その結果を下記の表中に併せて示す。
Figure 2014076733
*1)それぞれ、拡幅部を構成する両側の溝壁のうちタイヤ回転方向先着側および後着側の溝壁の、タイヤ周方向に対する角度θ,θを示す。なお、ラグ溝の、拡幅部よりタイヤ幅方向外側であって拡幅部に繋がる部分のタイヤ周方向に対する角度は、32度であった。
上記表中に示すように、タイヤトレッドに配置したラグ溝のタイヤ幅方向内側端部に拡幅部を設け、この拡幅部の溝壁の角度を所定に設定した各実施例のタイヤにおいては、摩耗性能を確保しつつ、振動吸収性能が向上されていることが確かめられた。
1 ビード部,2 サイドウォール部,3 トレッド部,4 ビードコア,5 カーカス,6 ベルト,11〜14 ラグ溝,11A〜14A 拡幅部,15 主溝,16 第1の溝,17 第2の溝,18 第3の溝,w 拡幅部以外の部分の溝幅,w 拡幅部の溝幅,θ,θ 拡幅部を構成する両側の溝壁のタイヤ周方向に対する角度(先着側および後着側),θ ラグ溝の、拡幅部よりタイヤ幅方向外側であって拡幅部に繋がる部分のタイヤ周方向に対する角度,CL タイヤ中央部(タイヤ赤道面),L タイヤ中央部からラグ溝のタイヤ幅方向内側端部までの距離,L 拡幅部のラグ溝の延在方向における長さ,R1,R2 拡幅部を構成する両側の溝壁の外形(エッジライン)の曲率半径(先着側および後着側),R 第1の溝と第2の溝との連結部の曲率半径,R 第1の溝と第3の溝との連結部の曲率半径,R 第3の溝と第2の溝との連結部の曲率半径,R16 第1の溝の曲率半径,R17 第2の溝の曲率半径,R18 第3の溝の曲率半径,TW トレッド半幅,L タイヤ中央部から主溝の分岐部の中心までの離間長さ

Claims (6)

  1. トレッド部と、該トレッド部の両側に連なるサイドウォール部およびビード部を有し、車両装着時の回転方向が指定される自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
    タイヤトレッドに、タイヤ中央部近傍からタイヤ幅方向外側に向かいタイヤ回転方向に傾斜して延びる複数のラグ溝が配置され、該複数のラグ溝のうち、タイヤ赤道からタイヤトレッドのペリフェリー長の1/4だけタイヤ幅方向外側に離れた1/4点までのタイヤ中央領域内にタイヤ幅方向内側端部を有するラグ溝が、タイヤ幅方向内側端部に、該ラグ溝のタイヤ幅方向内側端部以外の部分の溝幅よりも大きい溝幅を有する拡幅部を有し、かつ、該拡幅部を構成する両側の溝壁の、タイヤ周方向に対する角度θ,θが、該ラグ溝の、該拡幅部よりタイヤ幅方向外側であって該拡幅部に繋がる部分のタイヤ周方向に対する角度θよりも大きいことを特徴とする自動二輪車用タイヤ。
  2. 前記複数のラグ溝のタイヤ幅方向内側端部が、前記トレッド部の片側領域内で終端する請求項1記載の自動二輪車用タイヤ。
  3. 前記複数のラグ溝のタイヤ幅方向内側端部が、タイヤ中央部からタイヤ幅方向に、タイヤトレッドのペリフェリー長の1.8%以上離れた場所に位置する請求項1または2記載の自動二輪車用タイヤ。
  4. 前記拡幅部を構成する両側の溝壁のうちタイヤ回転方向先着側の溝壁の、タイヤ周方向に対する角度θが40度以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の自動二輪車用タイヤ。
  5. タイヤ周方向に延在し、タイヤ中央部上に少なくとも一部が存在する周方向溝を備える請求項1〜4のうちいずれか一項記載の自動二輪車用タイヤ。
  6. さらに、指定タイヤ回転方向に向かいタイヤ幅方向の一方側に傾斜して延びる第1の溝と、該第1の溝の指定タイヤ回転方向の逆回転方向端部から、指定タイヤ回転方向に向かいタイヤ幅方向の他方側に傾斜して延びる第2の溝とを備え、かつ、前記周方向溝が、該第1の溝および該第2の溝の指定タイヤ回転方向の逆回転方向端部から、指定タイヤ回転方向の逆回転方向に向かって延びて、該第1の溝および該第2の溝とともに主溝を構成する請求項5記載の自動二輪車用タイヤ。
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