JP2014075475A - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トレンチ内の表面荒れに起因した耐圧の低下を抑制する。
【解決手段】二酸化珪素層40によって被覆された主面MSを有する炭化珪素基板101が準備される。フォトレジスト層をマスクとして用いたエッチングによって二酸化珪素層40に開口部OPが形成される。開口部OPにおいて、炭化珪素に対するエッチングレートに比して二酸化珪素に対するエッチングレートが大きい条件を有するウエットエッチングが行われる。ウエットエッチングが行われた後に、開口部OPが形成された二酸化珪素層40によって被覆された炭化珪素基板101に対して、加熱下で反応性ガスの供給が行われる。これにより炭化珪素基板101の主面MSにトレンチTRが形成される。
【選択図】図15

Description

この発明は、炭化珪素半導体装置の製造方法に関するものであり、特に、トレンチが形成された炭化珪素基板を有する炭化珪素半導体装置の製造方法に関するものである。
国際公開第2012/017798号によれば、トレンチが形成された炭化珪素基板を有するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)の製造方法が開示されている。この方法によれば、たとえば次のようにトレンチが形成される。まず炭化珪素基板上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によってシリコン酸化膜が形成される。このシリコン酸化膜上に、フォトリソグラフィ法を用いて、所定の開口パターンを有するレジスト膜が形成される。このレジスト膜をマスクとして用いてシリコン酸化膜がエッチングされることで、炭化珪素基板上に、開口パターンを有するマスク層が形成される。このマスク層をマスクとして用いたRIE(Reactive Ion Etching)により、炭化珪素基板に予備的なトレンチが形成される。次に熱エッチングが行われることで、炭化珪素基板に最終的なトレンチが形成される。
国際公開第2012/017798号
上記方法において、エッチングによってシリコン酸化膜に開口パターンが設けられた際に、開口パターンにおいて炭化珪素基板上にエッチングの残渣が存在し得る。炭化珪素基板上に残渣が存在する状態で熱エッチングが行われると、この残渣に対応した突起がトレンチ内に形成され得る。すなわちトレンチの表面荒れが生じ得る。荒れた表面を有するトレンチ上にゲート絶縁膜が形成されると、炭化珪素半導体装置の耐圧が低下し得る。熱エッチングに先立って予備的にRIEが行われる場合、上記残渣をある程度は除去し得るものの、RIEの反応生成物によって新たに発生する残渣などが原因となって、残渣を十分に除去することは困難である。またRIEにより生じた表面荒れが、その後の熱エッチング後の表面荒れの原因となり、上記と同様に耐圧の低下を引き起こし得る。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、トレンチ内の表面荒れに起因した耐圧の低下を抑制することができる炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の炭化珪素半導体装置の製造方法は次の工程を有する。二酸化珪素層によって被覆された主面を有する炭化珪素基板が準備される。二酸化珪素層上に、パターンを有するフォトレジスト層が形成される。フォトレジスト層をマスクとして用いたエッチングによって、二酸化珪素層に、主面の一部を露出する開口部が形成される。開口部において、炭化珪素に対するエッチングレートに比して二酸化珪素に対するエッチングレートが大きい条件を有するウエットエッチングが行われる。ウエットエッチングが行われた後に、開口部が形成された二酸化珪素層によって被覆された主面を有する炭化珪素基板に対して加熱下で反応性ガスの供給を行うことで、炭化珪素基板の主面に、側壁面を有するトレンチが形成される。トレンチの側壁面上にゲート絶縁膜が形成される。ゲート絶縁膜上にゲート電極が形成される。
この製造方法によれば、開口部によって露出された主面上においてウエットエッチングが行われることで、その後に行われる熱エッチングを局所的に阻害し得る残渣が除去される。これにより、熱エッチングにより形成されるトレンチ内の表面荒れを抑制することができる。よって炭化珪素半導体装置の耐圧の低下を抑制することができる。
二酸化珪素層は、主面上に設けられた熱酸化膜を含んでもよい。
これにより二酸化珪素層と炭化珪素基板との間の密着性が高くなる。よって熱エッチングにおける二酸化珪素層の炭化珪素基板からの剥離が抑制される。
二酸化珪素層は、熱酸化膜上に設けられた堆積膜を含んでもよい。
これによりウエットエッチング前の二酸化珪素層の厚さを十分に厚くすることができる。よってウエットエッチングによってエッチングされた後においても、熱エッチングのマスクとしての二酸化珪素層の十分な厚さを容易に確保することができる。
ウエットエッチング前に、フォトレジスト層が除去されてもよい。
これにより、ウエットエッチングによって、フォトレジスト層の除去時に生じる残渣を除去することができる。よってフォトレジスト層の除去時に生じる残渣が熱エッチングを阻害することを抑制することができる。
ウエットエッチングは、フッ化水素を含むエッチング液を用いて行われてもよい。
これにより炭化珪素基板のエッチングを抑制しつつ炭化珪素基板上の残渣を除去することができる。
エッチング液はバッファードフッ酸を含んでもよい。
これにより、ウエットエッチングの量をより精度よく制御することができる。よってウエットエッチングが過剰に進行することによる二酸化珪素層の過剰な除去を避けることが容易となる。
反応性ガスはハロゲンガスを含んでもよい。
これにより熱エッチングを、ハロゲンガスと炭化珪素との反応を用いて行うことができる。
反応性ガスは酸素ガスを含んでもよい。
これにより熱エッチング中に炭素からなる領域が形成されにくくなる。よってそのような領域が熱エッチングを阻害することを抑制することができる。
トレンチが形成された主面上において、高さ10nm以上の突起の数密度が1cm-2以下であってもよい。
これにより、トレンチ内の表面荒れに起因した耐圧の低下を十分に抑制することができる。
上記のように本発明によれば、トレンチ内の表面荒れに起因した耐圧の低下を抑制することができる。
本発明の実施の一形態における炭化珪素半導体装置の構成を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置が有する炭化珪素基板の形状を概略的に示す部分斜視図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第3工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第4工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第5工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第6工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第7工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第8工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第9工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第10工程を概略的に示す部分断面図である。 図12の一部拡大図であり、残渣の存在を示す図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第11工程を概略的に示す部分断面図であり、図13の視野に対応する図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第12工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第13工程を概略的に示す部分断面図であり、図14の視野に対応する図である。。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第14工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第15工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第16工程を概略的に示す部分断面図である。 特殊面を有する側壁面の微視的構造を概略的に示す部分断面図である。 ポリタイプ4Hの六方晶における(000−1)面の結晶構造を示す図である。 図21の線XXII−XXIIに沿う(11−20)面の結晶構造を示す図である。 図20の複合面の表面近傍における結晶構造を(11−20)面内において示す図である。 図20の複合面を(01−10)面から見た図である。 巨視的に見たチャネル面および(000−1)面の間の角度と、チャネル移動度との関係の一例を、熱エッチングが行われた場合と行われなかった場合との各々について示すグラフ図である。 チャネル方向および<0−11−2>方向の間の角度と、チャネル移動度との関係の一例を示すグラフ図である。 図20の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また結晶学上の指数が負であることは、通常、”−”(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、本明細書中では数字の前に負の符号を付している。
図1および図2に示すように、本実施の形態のMOSFET201(炭化珪素半導体装置)は、エピタキシャル基板101(炭化珪素基板)と、ゲート酸化膜91(ゲート絶縁膜)と、ゲート電極92と、層間絶縁膜93と、ソース電極94と、ソース配線層95と、ドレイン電極98とを有する。エピタキシャル基板101は、炭化珪素からなり、好ましくはポリタイプ4Hを有する。エピタキシャル基板101は具体的には、単結晶基板80と、その上に設けられることで主面MSを構成しているエピタキシャル層とを有する。このエピタキシャル層は、nドリフト層81と、pベース層82と、n領域83と、pコンタクト領域84とを有する。
単結晶基板80は、n型(第1の導電型)を有する。nドリフト層81は単結晶基板80上に形成されたエピタキシャル層である。nドリフト層81はn型を有する。nドリフト層81の不純物濃度は、単結晶基板80の不純物濃度よりも低いことが好ましい。nドリフト層81のドナー濃度は、好ましくは1×1015cm-3以上5×1016cm-3以下であり、たとえば8×1015cm-3である。
pベース層82はp型を有する。pベース層82はnドリフト層81上に設けられている。pベース層82の不純物濃度は、たとえば1×1018cm-3である。n領域83はn型を有する。n領域83は、pベース層82によってnドリフト層81から隔てられるようにpベース層82上に設けられている。pコンタクト領域84はp型を有する。pコンタクト領域84はpベース層82につながっている。
エピタキシャル基板101の単結晶基板80と反対の面(図1における上面)、すなわち主面MSには、トレンチTRが設けられている。トレンチTRは側壁面SWおよび底面BTを有する。側壁面SWはn領域83およびpベース層82を貫通してnドリフト層81に至っている。側壁面SWはpベース層82上において、MOSFET201のチャネル面を含む。
側壁面SWはエピタキシャル基板101の主面MSに対して傾斜しており、これによりトレンチTRは開口に向かってテーパ状に拡がっている。側壁面SWの面方位は、(000−1)面に対して50°以上65°以下傾斜していることが好ましい。好ましくは側壁面SWは、特にpベース層82上の部分において、所定の結晶面(特殊面とも称する)を有する。特殊面の詳細については後述する。底面BTはnドリフト層81上に位置している。本実施の形態においてはエピタキシャル基板101の主面MSとほぼ平行な平坦な形状を有する。
ゲート酸化膜91は、トレンチTRの側壁面SWおよび底面BTの各々を覆っている。ゲート電極92はゲート酸化膜91上に設けられている。ソース電極94は、n領域83およびpコンタクト領域84の各々に接している。ソース配線層95はソース電極94に接している。ソース配線層95は、たとえばアルミニウム層である。層間絶縁膜93はゲート電極92とソース配線層95との間を絶縁している。
次にMOSFET201の製造方法について、以下に説明する。
図3に示すように、単結晶基板80上における炭化珪素のエピタキシャル成長によってnドリフト層81が形成される。単結晶基板80の、エピタキシャル成長が行われる面は、{000−1}面から8度以内のオフ角を有することが好ましく、(000−1)面から8度以内のオフ角を有することがより好ましい。エピタキシャル成長はCVD法により行われ得る。原料ガスとしては、たとえば、シラン(SiH4)とプロパン(C38)との混合ガスを用い得る。この際、不純物として、たとえば窒素(N)やリン(P)を導入することが好ましい。
図4に示すように、nドリフト層81上にpベース層82およびn領域83が形成されることでエピタキシャル基板101が得られる。これらの形成は、たとえばnドリフト層81の全面上へのイオン注入により行い得る。pベース層82を形成するためのイオン注入においては、たとえばアルミニウム(Al)などの、p型を付与するための不純物がイオン注入される。またn領域83を形成するためのイオン注入においては、たとえばリン(P)などの、n型を付与するための不純物がイオン注入される。なおイオン注入の代わり、不純物の添加をともなうにエピタキシャル成長が用いられてもよい。
図5に示すように、エピタキシャル基板101のn領域83上にレジスト層60が形成される。次にレジスト層60に対する露光および現像が行われる。これにより、pコンタクト領域84が形成されることになる位置に対応した開口を有するレジスト層61(図6)が形成される。次にレジスト層61を用いたイオン注入により、pコンタクト領域84が形成される。次にレジスト層61が除去される(図7)。次に、不純物を活性化するための熱処理が行われる。この熱処理の温度は、好ましくは1500℃以上1900℃以下であり、たとえば1700℃程度である。熱処理の時間は、たとえば30分程度である。熱処理の雰囲気は、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、たとえばアルゴン(Ar)雰囲気である。
図8に示すように、主面MS上における熱酸化によって熱酸化膜40tが形成される。これにより、二酸化珪素からなる熱酸化膜40tによってエピタキシャル基板101の主面MSが被覆される。熱酸化が到達し得る厚さは、典型的には0.1μm程度以下である。
図9に示すように、熱酸化膜40t上に、二酸化珪素からなる堆積膜40dが形成される。これにより熱酸化膜40tおよび堆積膜40dを含むマスク層40(二酸化珪素層)が設けられる。言い換えれば、マスク層40によってエピタキシャル基板101の主面MSが被覆される。堆積膜40dの厚さは好ましくは0.1μm以上1μm以下である。マスク層40の厚さは好ましくは0.2μm以上1μm以下である。
図10に示すように、マスク層40上に、パターンを有するフォトレジスト層30が、フォトレジストの塗布、乾燥、露光および現像により形成される。パターンの開口部はトレンチTR(図1)の位置に対応して形成される。
図11に示すように、フォトレジスト層30をマスクとして用いたエッチングによって、マスク層40に、主面MSの一部を露出する開口部OPが形成される。次にフォトレジスト層30が除去される(図12)。フォトレジスト層30の除去のためには酸素プラズマ処理が用いられ得る。開口部OPが形成される際に、開口部OPによって露出された主面MSの一部の上に、シリコン酸化物からなるエッチングの残渣RS(図13)が生成される。またフォトレジスト層30が除去される際にも残渣RSが生成され得る。
次に、開口部OPにおいて、炭化珪素に対するエッチングレートに比して二酸化珪素に対するエッチングレートが大きい条件を有するウエットエッチングが行われる。ウエットエッチングは、フッ化水素を含むエッチング液を用いて行われてもよい。すなわちエッチング液はフッ酸を含んでもよい。またエッチング液はバッファードフッ酸(バッファードHFまたはBHFとも称される)を含んでもよい。このウエットエッチングにより残渣RSが除去される(図14)。残渣RSのすべてが除去されることが好ましいが、必ずしも残渣RSのすべてが除去される必要はない。なおマスク層40の厚さは残渣RSの厚さに比して十分に厚いため、ウエットエッチングを過度に行わないようにすることで、ウエットエッチング後においてもマスク層40の厚さを十分に確保することができる。
ウエットエッチングが行われた後に、マスク層40を用いた熱エッチングが行われる。すなわち、開口部OPが形成されたマスク層40によって被覆された主面MSを有するエピタキシャル基板101に対して、加熱下で反応性ガスの供給が行われる。反応性ガスは、加熱下において炭化珪素と反応し得るものであり、好ましくはハロゲンガスを含み、たとえば塩素ガスを含む。反応性ガスはさらに酸素ガスを含んでもよい。また反応性ガスはキャリアガスを含んでいてもよい。キャリアガスとしては、たとえば窒素ガス、アルゴンガスまたはヘリウムガスを用いることができる。エピタキシャル基板101の加熱は、たとえば700℃程度以上1000℃程度以下程度で行われる。この熱エッチングによりエピタキシャル基板101の主面MSに、側壁面SWを有するトレンチTR(図15)が形成される。この熱エッチングにおける炭化珪素のエッチング速度はたとえば約70μm/時になる。この場合に、マスク層40は二酸化珪素から作られていることから、その消耗が抑制される。好ましくは、トレンチTRの形成時に、側壁面SW上、特にpベース層82上において、特殊面が自己形成される。次にマスク層40がエッチングなど任意の方法により除去される。
図16に示すように、ウエット処理において一部還元されずに残存した残渣RS(図13)またはその他のパーティクルなどの影響によって、トレンチTRが形成された主面MS上において、高さHTが10nm以上の突起PRが形成され得る。本実施の形態においては熱エッチング前に、上述したように残渣RSが少なくとも部分的に除去されるので、突起PRの発生が抑制される。好ましくは、エピタキシャル基板101の主面MSの全体の面積によって、エピタキシャル基板101(図13)の主面MSの全体における突起PR(図16)の数を除した値、すなわち突起PRの数密度は、1cm-2以下である。
図17に示すように、トレンチTRの側壁面SWおよび底面BTの上にゲート酸化膜91が形成される。ゲート酸化膜91は、たとえば熱酸化により形成され得る。
ゲート酸化膜91の形成後に、雰囲気ガスとして一酸化窒素(NO)ガスを用いるNOアニールが行われてもよい。温度プロファイルは、たとえば、温度1100℃以上1300℃以下、保持時間1時間程度の条件を有する。これにより、ゲート酸化膜91とpベース層82との界面領域に窒素原子が導入される。その結果、界面領域における界面準位の形成が抑制されることで、チャネル移動度を向上させることができる。なお、このような窒素原子の導入が可能であれば、NOガス以外のガスが雰囲気ガスとして用いられてもよい。このNOアニールの後にさらに、雰囲気ガスとしてアルゴン(Ar)を用いるArアニールが行われてもよい。Arアニールの加熱温度は、上記NOアニールの加熱温度よりも高く、ゲート酸化膜91の融点よりも低いことが好ましい。この加熱温度が保持される時間は、たとえば1時間程度である。これにより、ゲート酸化膜91とpベース層82との界面領域における界面準位の形成がさらに抑制される。なお、雰囲気ガスとして、Arガスに代えて窒素ガスなどの他の不活性ガスが用いられてもよい。
図18に示すように、ゲート酸化膜91上にゲート電極92が形成される。具体的には、トレンチTRの内部の領域をゲート酸化膜91を介して埋めるように、ゲート酸化膜91上にゲート電極92が形成される。ゲート電極92の形成方法は、たとえば、導体またはドープトポリシリコンの成膜とCMPとによって行い得る。
図19を参照して、ゲート電極92の露出面を覆うように、ゲート電極92およびゲート酸化膜91上に層間絶縁膜93が形成される。層間絶縁膜93およびゲート酸化膜91に開口部が形成されるようにエッチングが行われる。この開口部により主面MS上においてn領域83およびpコンタクト領域84の各々が露出される。次に主面MS上においてn領域83およびnコンタクト領域84の各々に接するソース電極94が形成される。nドリフト層81上に、単結晶基板80を介して、ドレイン電極98が形成される。
再び図1を参照して、ソース配線層95が形成される。これにより、MOSFET201が得られる。
本実施の形態によれば、開口部OPによって露出された主面MS上においてウエットエッチングが行われる。これにより、その後に行われる熱エッチングを局所的に阻害し得る残渣RS(図13)が除去される。よって熱エッチングにより形成されるトレンチTR内の表面荒れ(たとえば突起PR(図16))を抑制することができる。よってMOSFET201の耐圧の低下を抑制することができる。
またマスク層40は、主面MS上に設けられた熱酸化膜40t(図15)を含む。これによりマスク層40とエピタキシャル基板101との間の密着性が高くなる。よって熱エッチングにおけるマスク層40のエピタキシャル基板101からの剥離が抑制される。
またマスク層40は、熱酸化膜40t上に設けられた堆積膜40d(図15)を含む。これにより、熱酸化のみによって得られるマスク層の厚さ(典型的には100nm程度以下)に比して十分に厚いマスク層40を、ウエットエッチング前に形成することができる。よってウエットエッチングによってエッチングされた後においても、熱エッチングのマスクとしてのマスク層40の十分な厚さを容易に確保することができる。また熱酸化膜40tの厚さが小さくてもよいので、熱酸化によるエピタキシャル基板101の主面MSの後退を小さくすることができる。
またウエットエッチング前に、フォトレジスト層30が除去される(図11および図12)。これにより、ウエットエッチングによって、フォトレジスト層30の除去時に生じる残渣を除去することができる。よってフォトレジスト層30の除去時に生じる残渣が熱エッチングを阻害することを抑制することができる。
またウエットエッチングは、フッ化水素を含むエッチング液を用いて行われてもよい。これにより、炭化珪素からなるエピタキシャル基板101のエッチングを抑制しつつ、二酸化珪素からなる残渣RS(図13)を速やかに除去することができる。
またエッチング液はバッファードフッ酸を含んでもよい。これにより、ウエットエッチングの量をより精度よく制御することができる。よってウエットエッチングが過剰に進行することによるマスク層40(図13および図14)の過剰な除去を避けることが容易となる。
また反応性ガスはハロゲンガスを含んでもよい。これにより熱エッチングを、ハロゲンガスと炭化珪素との反応を用いて行うことができる。
また反応性ガスは酸素ガスを含んでもよい。これにより熱エッチング中に炭素からなる領域が形成されにくくなる。よってそのような領域が熱エッチングを阻害することを抑制することができる。
またトレンチTRが形成された主面MS上において、高さHTが10nm以上の突起PR(図16)の数密度が1cm-2以下であってもよい。これにより、トレンチTR内の表面荒れに起因した耐圧の低下を十分に抑制することができる。
次に、上述した「特殊面」について詳しく説明する。上述したように、側壁面SWは特殊面を有することが好ましく、以下、この場合について説明する。
図20に示すように、特殊面を有する側壁面SWは、面S1(第1の面)を含む。面S1は面方位{0−33−8}を有し、好ましくは面方位(0−33−8)を有する。好ましくは側壁面SWは面S1を微視的に含む。好ましくは側壁面SWはさらに面S2(第2の面)を微視的に含む。面S2は面方位{0−11−1}を有し、好ましくは面方位(0−11−1)を有する。ここで「微視的」とは、原子間隔の2倍程度の寸法を少なくとも考慮する程度に詳細に、ということを意味する。このように微視的な構造の観察方法としては、たとえばTEM(Transmission Electron Microscope)を用いることができる。
好ましくは側壁面SWは複合面SRを有する。複合面SRは、面S1およびS2が周期的に繰り返されることによって構成されている。このような周期的構造は、たとえば、TEMまたはAFM(Atomic Force Microscopy)により観察し得る。複合面SRは面方位{0−11−2}を有し、好ましくは面方位(0−11−2)を有する。この場合、複合面SRは{000−1}面に対して巨視的に62°のオフ角を有する。ここで「巨視的」とは、原子間隔程度の寸法を有する微細構造を無視することを意味する。このように巨視的なオフ角の測定としては、たとえば、一般的なX線回折を用いた方法を用い得る。好ましくは、チャネル面上においてキャリアが流れる方向であるチャネル方向CDは、上述した周期的繰り返しが行われる方向に沿っている。
次に、複合面SRの詳細な構造について説明する。
一般に、ポリタイプ4Hの炭化珪素単結晶を(000−1)面から見ると、図21に示すように、Si原子(またはC原子)は、A層の原子(図中の実線)と、この下に位置するB層の原子(図中の破線)と、この下に位置するC層の原子(図中の一点鎖線)と、この下に位置するB層の原子(図示せず)とが繰り返し設けられている。つまり4つの層ABCBを1周期としてABCBABCBABCB・・・のような周期的な積層構造が設けられている。
図22に示すように、(11−20)面(図21の線XXII−XXIIの断面)において、上述した1周期を構成する4つの層ABCBの各層の原子は、(0−11−2)面に完全に沿うようには配列されていない。図22においてはB層の原子の位置を通るように(0−11−2)面が示されており、この場合、A層およびC層の各々の原子は(0−11−2)面からずれていることがわかる。このため、炭化珪素単結晶の表面の巨視的な面方位、すなわち原子レベルの構造を無視した場合の面方位が(0−11−2)に限定されたとしても、この表面は、微視的には様々な構造をとり得る。
図23に示すように、複合面SRは、面方位(0−33−8)を有する面S1と、面S1につながりかつ面S1の面方位と異なる面方位を有する面S2とが交互に設けられることによって構成されている。面S1および面S2の各々の長さは、Si原子(またはC原子)の原子間隔の2倍である。なお面S1および面S2が平均化された面は、(0−11−2)面(図22)に対応する。
図24に示すように、複合面SRを(01−10)面から見て単結晶構造は、部分的に見て立方晶と等価な構造(面S1の部分)を周期的に含んでいる。具体的には複合面SRは、上述した立方晶と等価な構造における面方位(001)を有する面S1と、面S1につながりかつ面S1の面方位と異なる面方位を有する面S2とが交互に設けられることによって構成されている。このように、立方晶と等価な構造における面方位(001)を有する面(図24においては面S1)と、この面につながりかつこの面方位と異なる面方位を有する面(図24においては面S2)とによって表面を構成することは4H以外のポリタイプにおいても可能である。ポリタイプは、たとえば6Hまたは15Rであってもよい。
次に図25を参照して、側壁面SWの結晶面と、チャネル面の移動度MBとの関係について説明する。図25のグラフにおいて、横軸は、チャネル面を有する側壁面SWの巨視的な面方位と(000−1)面とのなす角度D1を示し、縦軸は移動度MBを示す。プロット群CMは側壁面SWが熱エッチングによる特殊面として仕上げられた場合に対応し、プロット群MCはそのような熱エッチングがなされない場合に対応する。
プロット群MCにおける移動度MBは、チャネル面の表面の巨視的な面方位が(0−33−8)のときに最大となった。この理由は、熱エッチングが行われない場合、すなわち、チャネル表面の微視的な構造が特に制御されない場合においては、巨視的な面方位が(0−33−8)とされることによって、微視的な面方位(0−33−8)、つまり原子レベルまで考慮した場合の面方位(0−33−8)が形成される割合が確率的に高くなったためと考えられる。
一方、プロット群CMにおける移動度MBは、チャネル面の表面の巨視的な面方位が(0−11−2)のとき(矢印EX)に最大となった。この理由は、図23および図24に示すように、面方位(0−33−8)を有する多数の面S1が面S2を介して規則正しく稠密に配置されることで、チャネル面の表面において微視的な面方位(0−33−8)が占める割合が高くなったためと考えられる。
なお移動度MBは複合面SR上において方位依存性を有する。図26に示すグラフにおいて、横軸はチャネル方向と<0−11−2>方向との間の角度D2を示し、縦軸はチャネル面の移動度MB(任意単位)を示す。破線はグラフを見やすくするために補助的に付してある。このグラフから、チャネル移動度MBを大きくするには、チャネル方向CD(図20)が有する角度D2は、0°以上60°以下であることが好ましく、ほぼ0°であることがより好ましいことがわかった。
図27に示すように、側壁面SWは複合面SR(図27においては直線で単純化されて示されている。)に加えてさらに面S3(第3の面)を含んでもよい。この場合、側壁面SWの{000−1}面に対するオフ角は、理想的な複合面SRのオフ角である62°からずれる。このずれは小さいことが好ましく、±10°の範囲内であることが好ましい。このような角度範囲に含まれる表面としては、たとえば、巨視的な面方位が{0−33−8}面となる表面がある。より好ましくは、側壁面SWの(000−1)面に対するオフ角は、理想的な複合面SRのオフ角である62°からずれる。このずれは小さいことが好ましく、±10°の範囲内であることが好ましい。このような角度範囲に含まれる表面としては、たとえば、巨視的な面方位が(0−33−8)面となる表面がある。
より具体的には側壁面SWは、面S3および複合面SRが周期的に繰り返されることによって構成された複合面SQを含んでもよい。このような周期的構造は、たとえば、TEMまたはAFM(Atomic Force Microscopy)により観察し得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
30 フォトレジスト層、40 マスク層(二酸化珪素層)、40d 堆積膜、40t 熱酸化膜、80 単結晶基板、81 nドリフト層、82 pベース層、83 n領域、84 pコンタクト領域、91 ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)、92 ゲート電極、93 層間絶縁膜、94 ソース電極、95 ソース配線層、98 ドレイン電極、101 エピタキシャル基板(炭化珪素基板)、201 MOSFET(炭化珪素半導体装置)、BT 底面、MS 主面、OP 開口部、PR 突起、RS 残渣、SW 側壁面、TR トレンチ。

Claims (9)

  1. 二酸化珪素層によって被覆された主面を有する炭化珪素基板を準備する工程と、
    前記二酸化珪素層上に、パターンを有するフォトレジスト層を形成する工程と、
    前記フォトレジスト層をマスクとして用いたエッチングによって、前記二酸化珪素層に、前記主面の一部を露出する開口部を形成する工程と、
    前記開口部において、炭化珪素に対するエッチングレートに比して二酸化珪素に対するエッチングレートが大きい条件を有するウエットエッチングを行う工程と、
    前記ウエットエッチングを行う工程の後に、前記開口部が形成された前記二酸化珪素層によって被覆された前記主面を有する前記炭化珪素基板に対して加熱下で反応性ガスの供給を行うことで、前記炭化珪素基板の前記主面に、側壁面を有するトレンチを形成する工程と、
    前記トレンチの前記側壁面上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程とを備える、炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記二酸化珪素層は、前記主面上に設けられた熱酸化膜を含む、請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記二酸化珪素層は、前記熱酸化膜上に設けられた堆積膜を含む、請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記ウエットエッチング前に、前記フォトレジスト層を除去する工程をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 前記ウエットエッチングを行う工程は、フッ化水素を含むエッチング液を用いて行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 前記エッチング液はバッファードフッ酸を含む、請求項5に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 前記反応性ガスはハロゲンガスを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  8. 前記反応性ガスは酸素ガスを含む、請求項7に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  9. 前記トレンチが形成された前記主面上において、高さ10nm以上の突起の数密度が1cm-2以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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