JP2014075455A - 導電性基板の製造方法 - Google Patents
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しかしながら、特許文献1の手法は、低分子量の化合物を用いて金属粒子を分散するものであり、金属粒子の分散安定性が不十分であった。金属粒子の分散安定性が不十分な場合、焼成しても良好な導電性を有する金属膜は得られない。
特許文献3によれば、上記特定の高分子分散剤が金属粒子の分散性に高い効果を示し、しかも後の焼結工程で容易に揮散されると記載されている。
金属粒子を焼成することにより金属膜を得る手法においては、その焼成温度と金属粒子の酸化が課題であった。すなわち分散剤除去のために長時間高温で焼成すると金属粒子の酸化による焼結阻害が起こりやすくなる。また、低耐熱性の基材を用いた導電性基板も求められている。そのため、低温、或いは短時間で金属粒子の焼成を行いながら、優れた導電性を有する導電性基板の製造方法が求められている。
本発明は、係る知見に基づいて完成したものである。
基材上に、導電性基板用金属粒子分散体を含む塗布液を塗布して、塗膜を形成する工程と、
パルス光を照射することにより、前記塗膜を焼成処理する工程とを有することを特徴とする。
従来、金属粒子分散体は、焼結時に有機成分が残存するのを抑制するために、比較的低分子量の分散剤が用いられてきた。しかしながら、低分子量の分散剤では、分散性や分散安定性が不十分であった。また、低分子量の分散剤では、パルス光で焼成すると成分の突沸により膜が損傷しやすく、金属膜に膜荒れが生じてしまう。このように表面に膜荒れが生じた金属膜は良好な導電性が得られない。
それに対して、本発明において用いられる金属粒子分散体は、分散剤として、一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を用いて金属粒子を分散させることにより、分散剤中の窒素部位が、金属粒子に強く吸着することで安定化することにより、金属粒子同士の凝集が生じにくく、分散性及び分散安定性に優れるものである。
また、上記特定の分散剤を用いると、低温焼成により金属膜を形成した場合であっても、分散剤の残存が少なく、表面の膜荒れが低減され、得られた金属膜は体積抵抗率が低く優れた導電性を有するものとなる。このメカニズムは未解明ではあるが、上記特定の分散剤を用いると、従来の高分子分散剤と比べて、金属粒子の分散性が向上し、分散粒子が小さくなることにより融着しやすくなることが推定される。また、上記特定の分散剤は、一般式(I)で表される構成単位に含まれる窒素部位が、還元性や、酸化抑制効果を有しているのではないかと推定される。更に上記特定の分散剤を用いた金属粒子分散体を含む塗布液の塗膜は、均一性、平滑性が良好になるため、均一に焼結が進行することが推定される。これらの相乗効果で、優れた導電性を達成できると推定される。更に、上記特定の分散剤は、パルス光の照射により、容易に分解乃至揮発しやすく、金属膜に残存しにくいため、極短時間のパルス光の照射であっても容易に焼結させることができることから、この点においても金属粒子の酸化を抑制できるものと推定される。
以下、このような本発明の導電性基板の製造方法の各工程について、順に説明する。
本工程は、金属粒子と、下記一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を含む分散剤と、溶剤とを含有する導電性基板用金属粒子分散体を準備する工程である。
以下、導電性基板用金属粒子分散体の各成分について順に説明する。
本発明において金属粒子は、焼成後に導電性を生じる金属粒子の中から適宜選択すればよい。金属の種類としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、スズ、鉄、クロム、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、インジウム、亜鉛、モリブデン、マンガン、チタン、アルミニウム等が挙げられる。なお、本発明において金属粒子とは、金属状態の粒子に加えて、合金状態の粒子や、金属化合物の粒子等も含まれるものである。また、例えば、金属状態の粒子の表面が酸化されて金属酸化物となっている場合や、2種以上の金属がコアシェル構造を形成している場合等のように、1つの粒子中に、金属、合金、及び金属化合物の1種以上が含まれていてもよいものである。
金属粒子としては、中でも、高い導電性を有し、かつ微粒子を容易に維持できる点から、金、銀、銅、ニッケル及びこれらの酸化物から選ばれる1種以上を含む金属粒子であることが好ましく、金、銀、銅及びこれらの酸化物から選ばれる1種以上を含む金属粒子であることがより好ましい。
また、合金としては、例えば、銅−ニッケル合金、銀−パラジウム合金、銅−スズ合金、銀−銅合金、銅−マンガン合金等が挙げられる。
上記金属粒子は、有機保護剤によって表面が被覆されているものであってもよい。
また、化学還元法の1種としては、錯化剤及び有機保護剤の存在下で、金属酸化物と還元剤とを溶媒中で混合して生成する方法が挙げられる。
また、上記有機保護剤は、精製した金属粒子の分散安定化剤や、粒径制御のために用いられるものであり、具体的には、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等のタンパク質系;デンプン、デキストリン等の天然高分子;ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系;ポリビニルアルコール等の親水性合成高分子の他、脂肪酸、アルキルアミン等の比較的低分子量の化合物であってもよい。中でも、分散安定性の点からは、タンパク質系の有機保護剤が好ましい。
なお、上記の方法の他、市販の金属粒子を適宜用いることができる。
なお、上記金属粒子の平均一次粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とした。次に100個以上の粒子についてそれぞれ粒子の体積(質量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径として求めそれを平均粒径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)、走査型(SEM)又は走査透過型(STEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
本発明において用いられる分散剤は、下記一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を含む分散剤である。
更に具体的には、上記一般式(I)で表されるポリアリルアミン誘導体は、アリルアミン重合体と、遊離のカルボキシル基を有する、下記一般式(IV)または下記一般式(V)で表されるポリエステル、及び下記一般式(VI)または下記一般式(VII)で表されるポリアミドよりなる群から選択される少なくとも1種を用いて、アミノ基とカルボキシル基を反応させて得ることができる。
本発明においては、重合度2〜1000のポリアリルアミンと、遊離のカルボキシル基を有する、下記一般式(IV)または(V)で表されるポリエステルおよび下記一般式(VI)または(VII)で表されるポリアミドの1種を単独でまたは2種以上を併用して反応させて得られたポリアリルアミン誘導体が好ましい。
また、式(I)において、n個のR1中、一般式(III)で表される基の割合が60〜95モル%であることが好ましい。
本発明において、金属粒子分散体の溶剤は、金属粒子分散体中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶剤の中から適宜選択して用いることができる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系;メトキシアルコール、エトキシアルコール、メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルアルコール系;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸3−メトキシブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系;メトキシエチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテート、メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエーテルアルコールアセテート系;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド系;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系;n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オクタンなどの飽和炭化水素系などの有機溶剤が挙げられる。
中でも、本発明に用いられる溶剤としては、MBA(酢酸3−メトキシブチル)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、DMDG(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)又はこれらを混合したものが、分散剤の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
本発明の金属粒子分散体には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、錯化剤、有機保護剤、還元剤、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤等が挙げられる。また、本発明の効果が損なわれない限り、他の分散剤が含まれていてもよい。
本発明において、金属粒子分散体の製造方法は、金属粒子が良好に分散できる方法であればよく、従来公知の方法から適宜選択して用いることができる。具体的には、例えば、前記分散剤を前記溶媒に混合、攪拌し、分散剤溶液を調製した後、当該分散剤溶液に、金属粒子と、必要に応じて他の成分を混合し、公知の攪拌機、又は分散機等を用いて分散させることによって、金属粒子分散体を調製することができる。
分散処理を行うための分散機としては、超音波分散機、2本ロール、3本ロール等のロールミル、アトライター、バンバリーミキサー、ペイントシェイカー、ニーダー、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ビーズミル等が挙げられる。
本工程は、基材上に、導電性基板用金属粒子分散体を含む塗布液を塗布して、塗膜を形成する工程である。
導電性基板用金属粒子分散体を含む塗布液は、前記導電性基板用金属粒子分散体をそのまま塗布液とすることもできるが、必要に応じて、溶剤や、その他の成分を加えて塗布液としてもよいものである。
溶剤及びその他の成分としては、例えば、前記導電性基板用金属粒子分散体において挙げられた溶剤や、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調整剤等を用いることができる。更に、本発明の効果が損なわれない範囲で、造膜性、印刷適性や分散性の点から、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等の樹脂バインダーを添加してもよい。
本発明に用いられる基材は、導電性基板に用いられる基材の中から、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、高歪点ガラス、石英ガラス等のガラス、アルミナ、シリカなどの無機材料を用いることができ、さらに高分子材料や、紙などを用いることもできる。前記本発明において用いられる導電性基板用金属微粒子分散体は、従来よりも低温で焼成処理しても導電性に優れた金属膜が得られることから、従来適用が困難であったソーダライムガラスや、高分子材料であっても好適に用いることができ、特に樹脂フィルムを用いることができる点で非常に有用である。
上記塗布液を上記基材上に塗布する方法は、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。例えば、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、反転オフセット印刷、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、コンマコート、バーコート、ナイフコート、スロットダイコート、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷等の方法が挙げられる。中でも、微細なパターニングを行うことができる点から、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、反転オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、及びインクジェット印刷が好ましい。特に、本発明において用いられる金属粒子分散体は、分散性に優れているため、インクジェットの吐出ノズルにつまりが生じたり、吐出曲がりが生じることがないため、インクジェット印刷にも好適に用いることができる。
本工程は、パルス光を照射することにより、前記塗膜を焼成処理する工程(以下、パルス光焼成という場合がある。)である。
パルス光焼成とは、パルス光の照射により極めて短時間で焼成する方法である。ここで、本発明においてパルス光とは、点灯時間が比較的短時間の光のことをいい、当該点灯時間をパルス幅という。パルス光の光源は特に限定されないが、キセノン等の希ガスが封入されたフラッシュランプやレーザー等が挙げられる。中でも、紫外線から赤外線までの連続的な波長スペクトルをもつ光を照射することが好ましく、キセノンランプのパルス光であることが好ましく、具体的には、キセノンフラッシュランプを用いることが好ましい。このような光源を用いた場合には、加熱と同時にUV照射を行ったのと同様の効果を得ることができ、極めて短時間で焼成が可能となる。また、このような光源を用いた場合には、パルス幅と照射エネルギーを制御することにより、金属粒子分散体を含む塗布液の塗膜、及びその近傍のみを加熱することができ、基材に対する熱の影響を抑えることができる。
パルス光焼成においてパルス光の照射回数は、塗膜の組成や、膜厚、面積などに応じて適宜調整すればよく、照射回数は1回のみであってもよく、2回以上繰り返し行ってもよい。中でも、照射回数を1〜100回とすることが好ましく、1〜50回とすることが好ましい。パルス光を複数回照射する場合には、パルス光の照射間隔は適宜調整すればよい。中でも照射間隔を10μ秒〜2秒の範囲内で設定することが好ましく、100μ秒〜1秒の範囲内に設定することがより好ましい。
パルス光を上記のように設定することにより、基材への影響を抑えるとともに、金属粒子の酸化を抑制することが可能であり、且つ、金属粒子分散体に含まれる分散剤も脱離乃至分解しやすく導電性に優れた導電性基板を得ることができる。
上記パルス光焼成は、大気中、大気圧下で行うことが可能であるが、不活性雰囲気下、還元雰囲気下、減圧下で行ってもよい。また、塗膜を加熱しながら、パルス光焼成を行ってもよい。
また、上記金属膜の体積抵抗率は、1.0×10−4Ω・cm以下であることが好ましい。
酸化第二銅64gと、有機保護剤としてゼラチン5.1gを650mLの純水に添加し、混合して混合液とした。15%のアンモニア水を用いて、当該混合液のpHを10に調整した後、20分かけて室温から90℃まで昇温した。昇温後、攪拌しながら錯化剤として1%のメルカプト酢酸溶液6.4gと、80%のヒドラジン一水和物75gを150mLの純水に混合した液を添加し、1時間かけて酸化第二銅と反応させて、銅粒子を得た。得られた銅粒子を走査透過型電子顕微鏡(STEM)で観察したところ、平均一次粒径は、50nmであった。
(1)金属粒子分散体1の調製
合成例1の銅粒子6質量部、及び一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を含む分散剤(味の素ファインテクノ製、アジスパーPB880)0.45質量部(固形分換算0.45質量部)、PGMEA 8.55質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズ4時間分散し、金属粒子分散体1を得た。
上記(1)で得られた金属粒子分散体1を、ポリイミドフィルム(商品名:カプトン300H、東レ・デュポン製、厚さ75μm)上にワイヤーバーで塗布して、100℃で15分乾燥して、膜厚が1μmの塗膜とした。その後、パルスドキセノンランプ装置(SINTERON 2000 (Xenon Corporation製))を用いて、パルス幅500μ秒、印加電圧3.8kVで1回照射して、導電性基板1とした。
(1)金属粒子分散体2の調製
実施例1の(1)において、合成例1の銅粒子の代わりに、銀粒子(DOWAエレクトロニクス製、T2S−A06、粒径60nm)3.75質量部とし、アジスパーPB880の代わりに、一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を含む別の分散剤(味の素ファインテクノ製、アジスパーPB821)0.3質量部とした以外は、実施例1と同様にして、金属粒子分散体2を得た。
実施例1の(2)において、金属粒子分散体1の代わりに、上記金属粒子分散体2を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性基板2を得た。
(1)金属粒子分散体3の調製
実施例1の(1)において、合成例1の銅粒子の代わりに、銀粒子(DOWAエレクトロニクス製、T2S−A06、粒径60nm)3.75質量部とし、アジスパーPB880の代わりに、一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を含む別の分散剤(味の素ファインテクノ製、アジスパーPB824)0.3質量部とした以外は、実施例1と同様にして、金属粒子分散体3を得た。
実施例1の(2)において、金属粒子分散体1の代わりに、上記金属粒子分散体3を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性基板3を得た。
実施例2の(1)で得られた金属粒子分散体2をガラス基板(商品名:OA−10G、日本電気硝子製、厚さ0.7mm)上にワイヤーバーで塗布して、80℃で15分乾燥して、膜厚が2μmの塗膜とした。得られた塗布膜を、300℃、水素3体積%/窒素97体積%の混合ガス雰囲気下で30分焼成し、比較導電性基板1を得た。
表面抵抗計(ダイアインスツルメンツ製「ロレスタGP」、PSPタイププローブ)を用いて、上記各実施例及び比較例の導電性基板の金属膜に4探針を接触させ、4探針法によりシート抵抗値を測定した。結果を表1に示す。シート抵抗値が低いほど導電性に優れている。なお、本測定法によるシート抵抗値の測定上限は108Ω/□であった。
実施例1〜3の結果から、金属粒子と、一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を含む分散剤を有する金属粒子分散体を含む塗布液を用いて形成された塗膜を、パルス光を照射して焼成処理することにより、導電性に優れた導電性基板を得ることができた。
また、実施例1〜3により得られた導電性基板を目視で観察したところ、表面の膜荒れは認められなかった。一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を含む分散剤を有する金属粒子分散体を用いることにより、従来、膜荒れが生じ易かったパルス光による焼成処理によっても、膜荒れが生じないことが明らかとなった。
水素ガス焼成を行った、比較例1の導電性基板は、分散剤成分の残留がみられた。一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体は、水素ガスによる焼成では分解しにくいものと推測される。
このような結果から、金属粒子と、一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を含む分散剤とを含む導電性基板用金属微粒子分散体とパルス光焼成を組み合わせることにより、導電性に優れ、表面の膜荒れのない導電性基板が得られることが明らかとなった。
2 金属膜
100 基板
Claims (3)
- 金属粒子と、下記一般式(I)で表される構成単位を有するポリアリルアミン誘導体を含む分散剤と、溶剤とを含有する導電性基板用金属粒子分散体を準備する工程と、
基材上に、導電性基板用金属粒子分散体を含む塗布液を塗布して、塗膜を形成する工程と、
パルス光を照射することにより、前記塗膜を焼成処理する工程とを有する、導電性基板の製造方法。
- 前記パルス光が、キセノンランプのパルス光である、請求項1に記載の導電性基板の製造方法。
- 前記金属粒子が、金、銀、銅、及びこれらの酸化物から選ばれる1種以上を含む金属粒子である、請求項1又は2に記載の導電性基板の製造方法。
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