JP2014075273A - 組合せ端子 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り付け時における作業性を改善する。
【解決手段】組合せ端子は、第1、第2端子金具10A、10Bが互いに重なり合った状態で、取付部90に締結部材80を介して取り付けられる。第1端子金具10Aは、締結部材80で締結される前に、取付部90を弾性的に係止して、第1端子金具10Aを取付部90に対して抜け止めした状態に仮保持させる取付側弾性係止部18を有している。したがって、締結部材80による取り付け作業を容易に行うことができ、取り付け時の作業性が改善される。
【選択図】図2

Description

本発明は、組合せ端子に関する。
特許文献1に記載の組合せ端子は、少なくとも1組の第1、第2端子金具を備えている。第1、第2端子金具は、互いに重なり合った状態でボルト等の締結部材を介してボディに取り付けられるようになっている。しかし、特許文献1の構成では、第1、第2端子金具がボディに固定されるまでの間に、第1、第2端子金具がボディへの取付位置から位置ずれする可能性があり、取り付け作業に難渋する懸念がある。
これに対し、特許文献2に記載のアース端子の技術を適用して、第1端子金具に位置決め片を設け、ボディのスリットに位置決め片を挿入することにより、ボディに対して第1端子金具を第2端子金具とともに仮保持させることが可能となる。
特開2004−31225号公報 実開平6−60061号公報
しかし、位置決め片がスリットに挿入されることにより、第1端子金具がボディに仮保持可能となるものの、仮に、第1端子金具にボディから離れる向きの強い外力が作用すると、第1端子金具がボディから不用意に脱落する可能性があり、締結部材による取り付け作業の困難性を依然として解消し得ないという事情がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、取り付け時における作業性が改善された組合せ端子を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも第1、第2端子金具を備え、前記第1、第2端子金具が互いに重なり合った状態で、取付部にボルト等の締結部材を介して取り付けられる組合せ端子であって、前記第1端子金具は、前記締結部材で締結される前に、前記取付部を弾性的に係止して、前記第1端子金具を前記取付部に対して抜け止めした状態に仮保持させる取付側弾性係止部を有しているところに特徴を有する。
取付側弾性係止部が取付部を弾性的に係止することにより、第1端子金具が取付部に対して抜け止めされた状態で仮保持されるから、その後の締付部材による取り付け作業を容易に行うことができ、取り付け時における作業性が改善される。また、取付部に第1端子金具をワンタッチで簡単に取り付けることができる。
本発明の実施例1の組合せ端子が取付部に取り付けられた状態の平面図である。 組合せ端子が取付部に取り付けられた状態の断面図である。 組合せ端子の分解断面図である。 第1端子金具の平面図である。 第2端子金具の平面図である。 取付部のアース部の平面図である。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
前記第1端子金具は、前記締結部材で締結される前に、前記第2端子金具を弾性的に係止して、前記第2端子金具を前記第1端子金具に対して抜け止めした状態に仮保持させる端子側弾性係止部を有している。これにより、第1端子金具に第2端子金具をワンタッチで簡単に組付けることができ、さらに、第1、第2端子金具を一体とした状態で、取付部への取り付け作業を迅速に行うことができる。
前記第2端子金具は、前記第1端子金具と前記取付部との間に挟まれるように配置され、前記第1端子金具には少なくとも一対の突片が折り曲げ形成され、前記端子側弾性係止部及び前記取付側弾性係止部がいずれも前記突片に切り起こし形成されている。こうすると、端子側弾性係止部及び取付側弾性係止部がそれぞれ別々の部位に離れて形成されるよりも、第1端子金具を小型化することができ、且つ第1端子金具の構成を簡略化することができる。
前記第2端子金具には、前記突片を挿入可能な挿入孔が貫通して形成されている。これにより、端子側弾性係止部及び取付側弾性係止部のそれぞれに対応する個別の孔が不要となるため、第2端子金具の小型化及び構成簡略化も実現可能となる。
前記端子側弾性係止部及び取付側弾性係止部が、互いに反対側に切り起こし形成されている。これにより、突片が端子側弾性係止部及び取付側弾性係止部から受ける応力の均衡をとることができ、端子側弾性係止部及び取付側弾性係止部による係止状態の安定化を図ることができる。
<実施例1>
本発明の実施例1を図1〜図6によって説明する。本実施例は、平板状の第1、第2端子金具10A、10Bが、互いに重なり合うように組付けられた状態で、自動車の取付部90(ボディ)におけるアース部91にボルト等の締結部材80を介して取り付けられる組合せアース端子を例示するものである。
第1端子金具10Aは、図4に示すように、円環状の本体部11Aと、本体部11Aの後端に連なって後方へ突出するバレル部12Aとを有している。バレル部12Aの後端部には、ワイヤバレル13A及びインシュレーションバレル14Aが表面側(図1の紙面手前側)に突出して形成されている。図1に示すように、ワイヤバレル13Aは、電線60の端末部にて露出された芯線61に圧着により接続され、インシュレーションバレル14Aは、ワイヤバレル13Aの後方に位置して、電線60の端末部における被覆62に圧着により接続されている。
本体部11Aの中心部には、締結部材80を挿通可能な円形の通し孔15Aが開口して形成されている。また、図3に示すように、本体部11Aの外周縁には、一対の突片16が略直角に折り曲げ形成されている。両突片16は、矩形板状をなし、本体部11Aの外周縁から径方向にいったん張り出したあとバレル部12Aの突出側とは反対側に突出し、且つバレル部12Aの延出方向と直交する左右方向に互いに間隔をあけて配置されている。
そして、突片16には、図3及び図4に示すように、取付部90を弾性係止可能な取付側弾性係止部18と、第2端子金具10Bを弾性係止可能な端子側弾性係止部17とが、前後方向に並んで形成されている。
端子側弾性係止部17は、取付側弾性係止部18よりも前側に位置し、突片16の根元側に向けて外側に傾斜するように、外向きに切り起こし形成されている。一方、取付側弾性係止部18は、端子側弾性係止部17よりも突片16の先端側に位置し、突片16の根元側に向けて内側に傾斜するように、内側に切り起こし形成されている。取付側弾性係止部18と端子側弾性係止部17との間には、両弾性係止部17、18の切り起こしに伴う共通のスリット19が開口して形成されている。また、取付側弾性係止部18と端子側弾性係止部17のそれぞれの傾斜角(突片16の突出方向に対する切り起こし角度)は、互いにほぼ同一とされている。
続いて第2端子金具10Bについて説明すると、第2端子金具10Bも、第1端子金具10Aと同様、図5に示すように、通し孔15Bが形成された本体部11Bと、ワイヤバレル13B及びインシュレーションバレル14Bが形成されたバレル部12Bとを有し、且つ、図1に示すように、電線60の端末部に接続されている。
本体部11Bの外周縁には、一対の張出片21が径方向に張り出し形成されている。両張出片21は、矩形板状をなし、本体部11Bの通し孔15B側から連続する平面に沿って張り出し、且つバレル部12Bの延出方向と交差する左右斜め方向に互いに間隔をあけて配置されている。
張出片21には、突片16を略位置決め状態で挿入可能な挿入孔22が貫通して形成されている。図5に示すように、挿入孔22は、前側に位置する端子側挿入孔部23と、後側に位置する取付側挿入孔部24とからなる。端子側挿入孔部23と取付側挿入孔部24とは、挿入孔22の前後方向略中央で互いに連通している。
端子側挿入孔部23は、スリット状の矩形孔とされ、取付側挿入孔部24は、正方形に近い方形孔とされている。また、取付側挿入孔部24は、端子側挿入孔部23よりも大きい開口面積を有し、その外縁が端子側挿入孔部23の外縁と段差なく面一で連なり、且つその内縁が端子側挿入孔部23の内縁との間に段差25を介して連なって端子側挿入孔部23の内縁よりも内側に位置している。
図2に示すように、第1、第2端子金具10A、10Bが組付けられた状態では、挿入孔22の内部に突片16の根元部が遊嵌状態で挿入されるようになっている。また、張出片21の裏面には、端子側挿入孔部23の外側の開口縁に、端子側弾性係止部17の先端が当接可能な端子側当接部26が配置されている。
取付部90のアース部91には、図6に示すように、締結部材80を挿通可能な円形の取付孔92が貫通して形成されている。図2に示すように、取付孔92は、アース部91の表面に第1、第2端子金具10A、10Bが載置された状態で、第1、第2端子金具10A、10Bの通し孔15A、15Bと同軸で連通するようになっている。また、図6に示すように、アース部91には、取付孔92を挟んだ径方向両側に、両突片16のそれぞれを略位置決め状態で挿通可能な一対の貫通孔93が貫通して形成されている。第1、第2端子金具10A、10Bが載置された状態では、貫通孔93が第2端子金具10Bの挿入孔22に連通し、貫通孔93の内部に端子側弾性係止部17の先端部が進入して逃がされる。また、図2に示すように、アース部91の裏面には、貫通孔93の内側の開口縁に、取付側弾性係止部18の先端が当接可能な取付側当接部94が配置されている。
次に、本実施例の組合せ端子の組付方法及び取付方法について説明する。
まず、第1端子金具10Aの裏面側に第2端子金具10Bを重ね合わせ、第2端子金具10Bの挿入孔22に第1端子金具10Aの突片16を挿通させる。組付過程では、取付側弾性係止部18が取付側挿入孔部24をほぼ非接触状態で通過する一方、端子側弾性係止部17が端子側挿入孔部23の孔面に接触して撓み変形させられる。組付完了時には、端子側弾性係止部17が端子側挿入孔部23を通過して第2端子金具10Bの裏面側に臨み、これによって弾性復帰した端子側弾性係止部17の先端が第2端子金具10Bの端子側当接部26に引っ掛け状態で当接する。こうして端子側弾性係止部17が端子側当接部26を弾性的に係止することにより、第2端子金具10Bが第1端子金具10Aに抜け止めされた状態で連結される。また、突片16が挿入孔22の内部に位置決め挿入されることにより、第1端子金具10Aに対する第2端子金具10Bの位置ずれも規制される。なお、第1、第2端子金具10A、10Bの組付完了時には、両バレル部12A、12Bが周方向に所定角度ずれた状態となる。
続いて、取付部90のアース部91の表面に第1、第2端子金具10A、10Bを載せる。この場合、第1、第2端子金具10A、10Bは、上記によって一体的に組付けられているため、取り扱い性に優れたものとなる。第1、第2端子金具10A、10Bを載置する際には、第2端子金具10Bがアース部91に当接し、第1、第2端子金具10A、10Bの両通し孔15A、15Bに取付孔92が同軸で連通し、且つ第2端子金具10Bの挿入孔22を貫通した突片16の先端部が貫通孔93の内部に進入するようにする。
第1、第2端子金具10A、10Bの載置過程では、取付側弾性係止部18が貫通孔93の孔面に接触して撓み変形させられ、載置時には、取付側弾性係止部18が貫通孔93を通過してアース部91の裏面側に臨み、これによって弾性復帰した取付側弾性係止部18の先端がアース部91の取付側当接部94に引っ掛け状態で当接する。こうして取付側弾性係止部18が取付側当接部94を弾性的に係止することにより、第1、第2端子金具10A、10Bがアース部91に抜け止めされた状態で仮保持される。また、突片16が貫通孔93の内部に位置決め挿入されることにより、アース部91に対する第1、第2端子金具10A、10Bの位置ずれも規制される。
上記により、第1、第2端子金具10A、10Bがアース部91に抜け止め及び回り止めされて仮保持された状態で、図2に示すように、第1端子金具10Aの通し孔15Aからアース部91の取付孔92に向けて締結部材80を挿通させ、アース部91の裏面側に配置されたナット等の受け部70に締結部材80をねじ込む。締結部材80の締結完了時には、締結部材80の頭部81と受け部70との間にアース部91及び第1、第2端子金具10A、10Bが挟着保持され、もって第1、第2端子金具10A、10Bがアース部91に接続固定される。
以上説明したように、本実施例によれば、取付側弾性係止部18が取付部90を弾性的に係止することにより、第1端子金具10Aが取付部90に対して抜け止めされた状態で仮保持されるから、その後の締結部材80による取り付け作業を容易に行うことができ、取り付け時における作業性が改善される。しかも、取付部90に第1端子金具10Aをワンタッチで簡単に取り付けることができる。
また、第1端子金具10Aが端子側弾性係止部17を有することにより、第1端子金具10Aに第2端子金具10Bをワンタッチで簡単に組付けることができ、しかも、第1、第2端子金具10A、10Bを一体とした状態で、取付部90への取り付け作業を迅速に行うことができる。
また、第1端子金具10Aに一対の突片16が折り曲げ形成され、端子側弾性係止部17及び取付側弾性係止部18がいずれも突片16に切り起こし形成されているため、第1端子金具10Aを小型化することができ、且つ第1端子金具10Aの構成を簡略化することができる。しかも、第2端子金具10Bに突片16を挿入可能な挿入孔22が貫通して形成されているため、第2端子金具10Bの小型化及び構成簡略化も実現可能となる。
さらに、端子側弾性係止部17及び取付側弾性係止部18が互いに反対側に切り起こし形成されているため、突片16が端子側弾性係止部17及び取付側弾性係止部18から受ける応力の均衡をとることができ、端子側弾性係止部17及び取付側弾性係止部18による係止状態の安定化を図ることができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)組合せ端子は、第1、第2端子金具に加え、さらに別の端子金具を単数又は複数組み合わせてなるものであってもよい。
(2)上記実施例とは逆に、端子側弾性係止部が内向きに切り起こし形成され、取付側弾性係止部が外向きに切り起こし形成されるものであってもよい。
(3)端子側弾性係止部が内向きに切り起こし形成され、第2端子金具に挿入孔が形成されず、両突片が第2端子金具の本体部の両側外方に配置され、端子側弾性係止部が本体部の裏面側の両側外縁を係止する構成であってもよい。
(4)両突片が取付部のアース部の両側外方に配置され、取付側弾性係止部がアース部の裏面側の両側外縁を係止する構成であってもよい。
(5)突片が第1端子金具の本体部の外周縁に3つ以上形成されるものであってもよい。
(6)本発明は、第1、第2端子金具がスタッドボルトに挿通されるバッテリーターミナル等にも適用可能である。
10A…第1端子金具
10B…第2端子金具
11A、11B…本体部
15A、15B…通し孔
16…突片
17…端子側弾性係止部
18…取付側弾性係止部
21…張出片
22…挿入孔
23…端子側挿入孔部
24…取付側挿入孔部
90…取付部
91…アース部
92…取付孔

Claims (5)

  1. 少なくとも第1、第2端子金具を備え、前記第1、第2端子金具が互いに重なり合った状態で、取付部にボルト等の締結部材を介して取り付けられる組合せ端子であって、
    前記第1端子金具は、前記締結部材で締結される前に、前記取付部を弾性的に係止して、前記第1端子金具を前記取付部に対して抜け止めした状態に仮保持させる取付側弾性係止部を有していることを特徴とする組合せ端子。
  2. 前記第1端子金具は、前記締結部材で締結される前に、前記第2端子金具を弾性的に係止して、前記第2端子金具を前記第1端子金具に対して抜け止めした状態に仮保持させる端子側弾性係止部を有していることを特徴とする組合せ端子。
  3. 前記第2端子金具は、前記第1端子金具と前記取付部との間に挟まれるように配置され、 前記第1端子金具には少なくとも一対の突片が折り曲げ形成され、前記端子側弾性係止部及び前記取付側弾性係止部がいずれも前記突片に切り起こし形成されていることを特徴とする請求項2記載の組合せ端子。
  4. 前記第2端子金具には、前記突片を挿入可能な挿入孔が貫通して形成されていることを特徴とする請求項3記載の組合せ端子。
  5. 前記端子側弾性係止部及び取付側弾性係止部が、互いに反対側に切り起こし形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の組合せ端子。
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