JP2014074628A - 測光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】積分球の経年劣化を低減させ、性能の経年変化を抑えた測光装置を提供する。
【解決手段】入射部開口4から入射した測定対象光源100からの入射光7が最初に当たる積分球3の内壁面の内側に拡散反射部材6を配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、一般には、光パワー、波長、色、演色性などの光学特性を測定する装置に関し、特に積分球を構成に含む測光装置に関する。
従来、光学特性、例えば、光パワー、波長、色、演色性などを測定する装置に、受光センサ(例えばフォトダイオードなど)を使用した測光装置が用いられている。しかし、高パワーの光(例えば、レーザ光など)を測定する場合は、直接受光センサに光を入射すると飽和して測定ができない。その為、高パワーのレーザ光等が直接受光センサに高パワーで入射しないように、積分球を介して光パワーを減衰してから受光センサに入射する。本願添付の図1(a)に示す様に、特許文献1の測光装置1は、積分球3と受光センサ2とを備え、受光センサ2がフォトダイオードを含み、フォトダイオードの感度特性とほぼ逆の波長特性を有する積分球を組み合わせることによって被測定光の光学特性を測定することができる。また、特許文献1では、光ファイバFからの光を積分球3に入れているが、直接、レーザ光を積分球3に入射することもある。積分球3に入射した高パワーのレーザ光は、積分球3にて減衰され、受光センサに入射する。その後、受光センサの出力電流値と受光感度特性から光パワーを表示する。この様に、積分球3によって受光センサ2に入射する光の強度は減衰される。
上記の様に、積分球3を介することで積分球により減光できるため、より大きい光パワーの光を測定することができる。
特開2003−322563号公報
一方、一般に積分球3は、図1(b)に示す様にアルミニウム製の中空の基材3aに硫酸バリウム3bをバインダに混合して塗布して構成されている。
このように、金属製(例えばアルミニウムなど)の中空球殻である基材3aに硫酸バリウム3bを塗布した積分球3では、レーザ光などの高エネルギーの光が照射された場合、照射された部分が劣化してしまうことが分かった。これは、硫酸バリウム3bを塗布する際に用いられる有機系のバインダが高エネルギーの光によって、又はその光エネルギーによって発生する熱等によって、変質、変色してしまい、この劣化が、積分球3の均一な反射を妨げる原因になるものと思われる。
つまり、上記のように、通常の積分球3である金属3aに硫酸バリウム3bを塗布する方法で製造された積分球3は、高エネルギーの光が直接照射されることによって劣化していく。そのため、積分球3を含んだ測光装置1としては、経年劣化が進むという問題がある。
本発明の目的は、積分球を用いた測光装置において、積分球の経年劣化を低減させ、性能の経年変化を抑えた測光装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る測光装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、拡散光学系としての積分球を備え、
前記積分球は、測定対象光源からの光が入射する入射部開口と、前記積分球の内壁面で拡散された拡散光を出射する検出部開口とを有し、
前記検出部開口に近接して、前記積分球からの拡散光を検出する光検出部を備え、測定対象光源の特性を測定する測光装置において、
前記入射部開口から入射した前記測定対象光源からの入射光が最初に当たる前記積分球の内壁面の内側に拡散反射部材を配置することを特徴とする測光装置である。
第1の本発明の一実施態様によると、前記拡散反射部材は拡散透過部を有する。
第1の本発明の他の実施態様によると、前記拡散反射部材の前記被測定光が最初に入射する表面が平面である。
第1の本発明の他の実施態様によると、前記表面が平面である拡散反射部材を被測定光の入射角が0度よりも大きく、90度よりも小さい範囲となるように配置する。
第1の本発明の他の実施態様によると、前記拡散反射部材の前記被測定光が最初に入射する表面が曲面又は球面である。
第2の本発明は、拡散光学系としての積分球を備え、
前記積分球は、測定対象光源からの光が入射する入射部開口と、前記積分球の内壁面で拡散された拡散光を出射する検出部開口とを有し、
前記検出部開口に近接して、前記積分球からの拡散光を検出する光検出部を備え、測定対象光源の特性を測定する測光装置において、
前記入射部開口から入射した前記測定対象光源からの入射光が最初に当たる前記積分球の内壁面と、前記入射部開口との間の前記入射光が通過する位置に拡散透過部材を配置することを特徴とする測光装置である。
第1及び第2の他の実施態様によると、前記被測定光の前記入射部開口に入射角度制限構造を有する。
第1及び第2の他の実施態様によると、前記入射角度制限構造は前記入射部開口に設けられた筒状構造である。
第1及び第2の他の実施態様によると、前記入射角度制限構造は前記入射部開口に設けられた穴又は隙間を開けた板状部材を被測定光の光源から穴又は隙間を通って直進する光が進路を妨げられない位置に2つ以上並べた構造である。
第1及び第2の他の実施態様によると、前記入射角度制限構造は筒状構造内に穴を開けた板状部材を被測定光の光源から穴を通って直進する光が進路を妨げられない位置に2つ以上並べた構造である。
本発明によれば、積分球の経年劣化を低減させ、性能の経年変化を抑えることができる。
図1(a)は、従来の測光装置の概略断面図であり、図1(b)は、測光装置に用いられる積分球の概略断面図である。 図2(a)は、本発明に係る測光装置の実施例1を示した概略断面図であり、図2(b)、は拡散反射部材の概略断面図である。 本発明に係る測光装置の実施例2を示した概略断面図である。 図4(a)は、本発明に係る測光装置の実施例3の概略断面図であり、図4(b)は、入射角度制限構造の概略斜視図であり、図4(c)は、拡散透過部材を用いた場合の測光装置の概略断面図である。 図5(a)は、本発明に係る測光装置の実施例4を示す概略断面図であり、図5(b)は、表面がかまぼこ型に成形された拡散反射部材の概略斜視図であり、図5(c)は、表面が半球状に成形された拡散反射部材の概略斜視図であり、図5(d)は、平板状の表面を持つ拡散反射部材を用いた場合の測定装置の概略断面図である。 本発明に係る測定装置の実施例5を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る測光装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図2に本発明に係る測光装置1の一実施例の概略構成を示す。
本実施例によると、測光装置1は、測定対象光源100の特性を測定することができ、拡散光学系としての積分球3を備えている。積分球3は内部が球面状の中空30とされる。一例としてアルミニウムなどとされる金属製の基材3aと、基材3aの球面(内面)に、拡散反射コーティングされた拡散反射フィルム又は拡散反射層3bを有している。フィルム或いは反射層3bは、有機系のバインダ等と混合された硫酸バリウム(反射材)などとされるコーティング剤を充填するか、又はスプレーし、塗布して形成される。
本実施例では、積分球3は、測定対象光源100からの光が入射する入射部開口4と、積分球3の内壁面である拡散反射層3bで拡散された拡散光が光検出部90へと出射する検出部開口9とを有する。検出部開口9は直径d1の開口部である。
また、本発明の特徴部を構成するものであるが、本実施例では、積分球3の入射部開口4から直進した測定対象光源100からの被測定光7である入射光が入射する、積分球3の入射部開口4の対向面(照射面)5の位置に耐光性の高い拡散反射部材6が設けられている。
上述のように、積分球3の検出部開口9に近接して外側に光検出部90が配置される。光検出部90は、不図示の光センサ(即ち、光検出器)を備え、光検出部90で検出された受光信号は、制御部50に送信され、測定結果が表示又は記録される。
本実施例に係る積分球3に配設された耐光性の高い拡散反射部材6について更に説明する。
拡散反射部材6は、図2(b)に示す様に、オパール拡散透過板6aと全反射ミラー6bの接合体とされ、被測定光7の入射側にオパール拡散透過板(拡散透過部)6aを設け、積分球3の照射面5側にミラー(全反射部)6bを設置する。それにより、図2(a)に示す様に、入射した光は拡散反射部材で拡散反射されてからその拡散光8は積分球3内部に拡散し、更に積分球3によって拡散反射が繰り返され均一化される。均一化された光は光検出部90で測定され、被測定光7は光学特性、例えば光パワーなどが求められる。
本実施例における拡散反射部材6の直径dは、被測定光7の入射部開口4の径d0と同寸法か、それよりも大きい径(d≧d0)にて構成され、入射部開口4からの被測定光7が直接積分球3の内面に照射されないように構成される。d/d0<1では、被測定光7の一部が拡散反射部材6ではなく、積分球3の内面に直接照射してしまうという問題が起こる為、通常、1≦d/d0とされる。
従って、本実施例によると、被測定光7が最初に当たる箇所である照射面5に耐光性のある拡散反射部材6を設置した積分球3を用いることで、積分球3内表面には入射光7が直接当たらず、拡散反射部材6で拡散され、測光装置1としての耐光性が上がる。つまり、拡散反射部材6で拡散反射された光は、散乱により減衰されているので、通常の積分球3内面には高いパワーの光が直接照射されないので積分球3の内表面は劣化しにくい。その結果、測光装置1の耐光性が上がり、経年変化を抑えることができる。
また、本実施例によれば、積分球内面の全領域の耐光性を上げるのではなく、被測定光7が最初に当たる箇所、即ち、入射口4の対面の積分球3の一部に拡散反射部材6を設け、その部分だけ耐光性を上げる。それにより、積分球3内面全面の耐光性を上げる必要はない。よって、積分球3の耐光性を上げ、測光装置1の経年変化を抑えることを低コストで実現できる。
実施例2
次に、本発明に係る測光装置1の第二の実施例について、図3を用いて説明する。本実施例の測定装置1は、その全体構成及び動作は、実施例1の測定装置と同様とされるので、同じ構成部材には同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1とは異なり、拡散透過部材6cを、積分球3の内壁面より中心部方向へと離間した積分球3の内方に配置している。即ち、実施例1では、積分球3の照射面5である内壁面に拡散反射部材6を配置していたが、本実施例では、拡散透過部材(例えばオパール拡散透過板)6cを入射光の進路に配置している。拡散透過部材6cは、入射口4からの拡散透過部材6cまでの距離(L)は、0<L/D<1である。Lが0に近い場合は拡散透過部材6cが入射部開口4に近い。そのため、被測定光7の測定対象光源100が例えば高光パワーのレーザであった場合に、拡散透過部材6cで発生した反射光が光源へと戻ることがある。その場合、レーザに対し、ノイズが発生し、レーザの本来の出力が出ない状態で被測定光が積分球に入射することになる。この状態ではレーザの光学特性を正確に測定することができなくなってしまう。
また、L={D−(拡散透過部材の厚みt1)}では、拡散透過部材6cが積分球3の内壁面に密着しすぎる。そのため、積分球3の照射面5に相当する拡散透過部材6cに被測定光7が入射するが、拡散透過部材6cに積分球3の内壁面が近いために、十分に光が拡散することなく、被測定光7がほぼそのまま積分球3内壁面に照射されることになる。そのため、積分球内部が劣化し、光測定装置の劣化が起こるという問題がある。
図3に示す様に、拡散透過部材6cに入射した被測定光7は、拡散透過光8aとして拡散し、積分球3内面で更に拡散反射し、均一化する。均一化した光は光検出部9にて検出され、光パワーが測定される。
本実施例においては、被測定光7が積分球3内に入射し、照射面5に向かって通過する地点に、拡散透過部材6cを配置することによって、積分球3に入射する光7が照射面5に当たる前に散乱、拡散し、積分球3内面に直接当たる光のパワーが減衰する。それにより、積分球3内面には高いパワーの光が照射されないので、積分球3内面の反射皮膜は劣化しにくくなる。
また、積分球3内面の全領域の耐光性を上げるのではなく、被測定光7が通過する途中に拡散透過部材を配置し、積分球の耐光性を上げることで、積分球3を用いた測光装置1の経年劣化を改善することができる。
更に、本実施例では拡散透過部材6cを積分球の入射部開口ではなく、積分球の内部に配置することで、光源への反射光を低減でき、レーザなどの光学特性を正確に測定できる。
実施例3
次に、本発明に係る測定装置の第三の実施例について、図4(a)、(b)、(c)を用いて説明する。本実施例の測定装置1は、その全体構成及び動作は、実施例1の測定装置と同様とされるので、同じ構成部材には同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例では、図4(a)に示す様に、積分球3の被測定光7の入射部開口4に入射角度制限構造4aを設けている。このため、被測定光7は積分球3内への入射角度が制限される。入射角度を制限された被測定光7は、最初に入射し、光が当たる照射面5である積分球3内面の位置及び入射角度が制限される。
図4(a)、(b)を参照し、入射角度制限構造の一実施例を示す。本実施例では、入射角度を制限する入射角度制限構造4aは、円筒状の部材4bが積分球3の入射部開口4に設置される。部材4b内には、穴4dを開けた板状部材4cが2枚並べて設置されている。それぞれの板状部材4cにあけた穴4dは被測定光7が直進する進路を妨げない位置になるように設置されている。
入射角度制限構造は、図4(a)、(b)のように、円に限らず単なる筒状構造の部材4bや穴や隙間を開けた板状部材4cを平行に並べた構造及びそれらの組み合わせなどが想定される。穴4dを開けた板状部材4cを入射部開口4に図4(b)のように筒状構造内に2枚ならべることによって、被測定光である入射光7は、穴4dによって、一定の入射角度に制限される。
入射角度制限構造4aによって制限された入射光7は、積分球3のきわめて小さい照射面5の面積に当たる。そのため、実施例1の積分球3に比べ、入射光7が当たる照射面5に相当する面積が小さい拡散反射部材6によって光が拡散反射され、積分球3の中で拡散反射し、均一になった被測定光7は光検出部9によって、検出され、光パワーが測定される。
本実施例による測定装置もまた、実施例1と同様の作用効果を達成し得る。つまり、被測定光が最初に当たる照射面5となる箇所の耐光性を上げることで、積分球3を含む測光装置1としての耐光性が上がり、経年変化を抑えることができる。特に、入射角度を制限することで、耐光性を上げる領域が小さくなり、必要とされる拡散反射部材6が小さくなり、より安価に実現できる。
本実施例における積分球3は、拡散反射部材6を積分球3の内壁面に設置しているが、実施例2のように積分球3内部の入射光進路途中に拡散透過部材6cを設置しても良い(図4(c))。この場合も入射角度を制限することで、耐光性のための拡散透過部材6cがより小さくでき、より安価に積分球3内面の耐光性を上げることができ、測光装置1の経年変化を抑えることができる。
実施例4
次に本発明に係る積分球3の第四の実施例について、図5(a)、(b)、(c)、(d)を用いて説明する。本実施例の測定装置1は、その全体構成及び動作は、実施例1の測定装置と同様とされるので、同じ構成部材には同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1とは異なり、拡散反射部材6の入射部開口4側の表面が円弧状である。図5(a)に示す様に、本実施例における積分球3の被測定光の入射部開口4の対面である照射面5に設置された拡散反射部材6´の表面は入射部開口4に向かって凸となるような円弧状に形成されている。
積分球3の入射部開口4から入った被測定光7は、円弧状に形成された拡散反射部材6に入射する。それにより、入射光7は拡散反射し、積分球内で拡散反射した光は光検出部9にて検出され、光パワーが測定される。
ここで、実施例1の拡散反射部材6と本実施例における拡散反射部材6´の形状の違いによる入射光7の挙動の違いについて述べる。
実施例1においては、平板状の拡散反射部材6により反射されたわずかな光が、入射した方向へと反射する。この反射光は、入射部開口4を介して被測定光源100へと戻り、測定装置からの反射光の影響を受け易いレーザ光源などに対しは、ノイズのもととなり、不安定化させる。
これに対し、本実施例の円弧状の表面を持つ拡散反射部材6´の場合、拡散反射部材6´の円弧状の表面(曲面)により、発生する反射光も、実施例1のような、平板状の表面(平面)を持つ拡散反射部材6にくらべ、入射部開口4への戻り光を低減できる。そのため、レーザ光源へのノイズの低減を図ることができ、レーザ光源などの出力の安定化が図れ、より正確な測光が可能となる。
ここで、拡散反射部材6´の円弧状の表面について更に詳しく説明する。
拡散反射部材6´の拡散透過部材6a´の表面は、図5(b)に示す様に、入射部開口4に向かって凸となる曲面を持つ。図5(b)に示す拡散反射部材6´は、縦、横の長さともdmmである底面を持つ。曲面を持つ拡散透過部材6a´部分は直径dmm、高さdmmの円柱を垂直に半分にし、拡散透過部材6a´が曲面を片側に持つ形状であり、曲面側を入射部開口4に向かうように設置された拡散反射部材6´である。
また、拡散反射部材6´は図5(c)に示す様に、入射部開口4に向かって凸となる半球状であっても良い。図5(c)に示す拡散反射部材6´は、直径dの半球状の拡散透過部材6a´を有する。半球状の拡散透過部材6a´の曲面側を入射部開口4の側に設置した拡散反射部材6´である。
以上の通り、本実施例における積分球3により、被測定光7が最初に当たる箇所の耐光性を上げることで、測光装置1としての耐光性が上がる。つまり、拡散反射部材6´で、拡散反射された光は、散乱により減衰されているので、通常の積分球3内面には高いパワーの光が照射されないので劣化しにくくなり、測光装置1の経年変化を抑えることができる。
更に、本実施例によれば、拡散反射部材6´の表面を円弧状にすることにより、光源への戻り反射光8を低減することができる。上述のように、レーザなどは測光装置1からの反射光の影響を受ける場合があるので、光源への反射光(戻り光)を低減することで被測定対象(光源)への影響を小さくできる。
また、本実施例では、積分球3内壁面に円弧状拡散反射部材6´を設置しているが、板状の拡散反射部材6を図5(d)のように、被測定光7に対し、直角ではない角度θをもった、傾けた状態で積分球3内部の被測定光の進路上に設置しても良い。例えば、被測定光の進行方向に対して、板状の拡散反射部材の表面の垂線とが形成する角度αが0度よりも大きく、90度よりも小さい角度である。この場合には、被測定光7に対し、拡散反射部材6の表面が垂直に位置しておらず、このため、被測定光7の光源への反射による戻り光8cは低減し、本実施例の円弧状拡散反射部材6´を設置した積分球3と同様の効果が得られる。
実施例5
次に本発明に係る積分球の第五の実施例について、図6を用いて説明する。
図6に示す様に本実施例の測光装置は実施例1の装置と同様の構成とされる。ただ、本実施例では、拡散反射部材6´は、実施例1と異なり入射部開口4の対向面位置ではなく、即ち、実施例1の拡散反射部材6の位置ではなく、図6にて、幾分上方に位置して設けられる。また、被測定光7は、拡散反射部材6の表面の垂線に対し角度(α´)をもって入射される。この構成によって入射部開口4から入射する被測定光7は、拡散反射部材6で拡散反射されてから、積分球3にて拡散反射が繰り返され、均一化される。均一化された光を光検出部9で測定して被測定光のパワーを求める。
実施例4で前述したように拡散反射部材6でもわずかな正反射(鏡面反射)の成分が存在する。そこで、本実施例では図6のように拡散反射部材6に対して、角度α´を持たせて被測定光7を入射させることにより、正反射成分が入射部開口4へ戻らない光学配置とする。このため、入射部開口4からのレーザなどの光源へ直接戻る、戻り光は低減する。
このように、拡散反射部材6を設置し、被測定光7が最初に当たる箇所である照射面5の耐光性を上げることで、積分球3の耐光性があがり、測光装置1としての耐光性が上がる。拡散反射部材6で拡散反射された光8は、散乱により減衰されているので、通常の積分球3内面には高いパワーの光が照射されないので劣化しにくい。
又、拡散反射部材による反射光(正反射成分)8cが入射部開口4に戻らず、再度、積分球3内で拡散反射するため、光源100への反射光が低減する。レーザなどは測光装置1からの反射光の影響を受ける場合があるが、本実施例の構造により、被測定対象への影響を小さくできる。
尚、被測定光7の入射角度を制限するために、実施例3で記載した入射角度を制限する構造4aを設けても良い。その場合は、測光装置1が入射角度制限構造4aを持たない場合よりも拡散反射部材6の面積を小さくすることができ、更にコストを抑えることができる。
本発明において、上記各実施例では拡散透過部材6aとして、オパール拡散透過板を例に説明したが、フロストガラスなど、同様の拡散透過性をもった光学部材を用いても良い。
又、上記実施例では積分球3はアルミニウムなどの金属製を基材3aとしたが、内側に何も塗布していないポリテトラフルオロエチレンのみで作られていても、本発明の構成を適用することにより耐光性を上げることができる。
1 測光装置
3 積分球
4 入射部開口
4a 入射角制限構造
5 照射面
6 拡散反射部材
6´ 拡散反射部材
6a 拡散透過部
6b 全反射部
6c 拡散透過部材
7 被測定光
8(8a、8c) 拡散光

Claims (10)

  1. 拡散光学系としての積分球を備え、
    前記積分球は、測定対象光源からの光が入射する入射部開口と、前記積分球の内壁面で拡散された拡散光を出射する検出部開口とを有し、
    前記検出部開口に近接して、前記積分球からの拡散光を検出する光検出部を備え、測定対象光源の特性を測定する測光装置において、
    前記入射部開口から入射した前記測定対象光源からの入射光が最初に当たる前記積分球の内壁面の内側に拡散反射部材を配置することを特徴とする測光装置。
  2. 前記拡散反射部材は拡散透過部と全反射部を有することを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
  3. 前記拡散反射部材の前記被測定光が最初に入射する表面が平面であることを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
  4. 前記表面が平面である拡散反射部材を被測定光の入射角が0度よりも大きく、90度よりも小さい範囲となるように配置することを特徴とする請求項3に記載の測光装置。
  5. 前記拡散反射部材の前記被測定光が最初に入射する表面が曲面又は球面であることを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
  6. 拡散光学系としての積分球を備え、
    前記積分球は、測定対象光源からの光が入射する入射部開口と、前記積分球の内壁面で拡散された拡散光を出射する検出部開口とを有し、
    前記検出部開口に近接して、前記積分球からの拡散光を検出する光検出部を備え、測定対象光源の特性を測定する測光装置において、
    前記入射部開口から入射した前記測定対象光源からの入射光が最初に当たる前記積分球の内壁面と、前記入射部開口との間の前記入射光が通過する位置に拡散透過部材を配置することを特徴とする測光装置。
  7. 前記被測定光の前記入射部開口に入射角度制限構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の測光装置。
  8. 前記入射角度制限構造は前記入射部開口に設けられた筒状構造であることを特徴とする請求項7に記載の測光装置。
  9. 前記入射角度制限構造は前記入射部開口に設けられた穴又は隙間を開けた板状部材を被測定光の光源から穴又は隙間を通って直進する光が進路を妨げられない位置に2つ以上並べた構造であることを特徴とする請求項7に記載の測光装置。
  10. 前記入射角度制限構造は筒状構造内に穴を開けた板状部材を被測定光の光源から穴を通って直進する光が進路を妨げられない位置に2つ以上並べた構造であることを特徴とする請求項7に記載の測光装置。
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