JP2014074592A - サイジング工程の応力−ひずみ曲線の作成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワークWの測定箇所における密度の測定結果に対応する密度の応力−ひずみ曲線Gのひずみの軸上に、ワークWの測定箇所毎に、最大ひずみ量Mの算出結果に基づいて第一の頂点P1を設定するとともに、弾性ひずみ量Nの算出結果に基づいて第二の頂点P2を設定する工程と、ワークWの測定箇所毎に、第一の頂点P1から、応力の軸方向に沿って延出する第一の仮想線L1を引くとともに、第二の頂点P2から、応力の軸方向に対してヤング率の測定結果に対応する傾きに沿って延出する第二の仮想線L2を引き、各仮想線L1・L2の交点を第三の頂点P3として設定する工程と、ワークWの測定箇所における密度の測定結果に対応する密度毎に、第三の頂点P3を繋いで応力−ひずみ曲線Gを作成する工程と、を行う。
【選択図】図25
Description
すなわち、サイジング工程においては、狙い寸法を達成できるような型を、一回で作成できない。
CAEを用いたサイジング工程の予測技術には、サイジング工程後のワークの寸法を決めるための情報として、ワークの密度毎に応力−ひずみ曲線を作成する必要がある。
従って、サイジング工程の応力−ひずみ曲線、つまり、CAEを用いたサイジング工程の予測技術に必要な密度毎の応力−ひずみ曲線を作成するためには、密度の種類と引張試験の回数とを積算した回数だけ引張試験を行う必要がある。
すなわち、従来技術においては、非常に多い回数の引張試験を行う必要があるため、サイジング工程の応力−ひずみ曲線を短時間で作成できなかった。
従って、引張試験では、例えば、大きな形状の焼結体の一部を切り出したものを用いる必要があった。
すなわち、従来技術においては、密度が均一な焼結体を得るための工程を行う必要があるため、サイジング工程の応力−ひずみ曲線を簡易的に作成できなかった。
図1に示すように、サイジング工程は、ワークWをインナーコア11およびダイ12によって構成される型10に入れて所定の形状に成形し、ワークWの寸法精度を高めるためのものである。
そして、サイジング工程では、上パンチ20によってワークWを下方向に押圧し、型10にワークWを入れる(図1に示す下方向への矢印参照)。つまり、サイジング工程では、上パンチ20によってワークWをしごく。
これにより、サイジング工程では、型10と上パンチ20とによってワークWに対して荷重をかけ、ワークWをつぶす。
すなわち、サイジング工程では、ワークWを型10から抜き出して、ワークWに対する荷重を除荷する。
従って、ワークWは、型10に入れたときのひずみよりも少ない量だけ弾性回復し、一定量のひずみが残る(図2に示す符号P3・N参照)。
従って、CAEを用いたサイジング工程の予測技術には、サイジング工程後のワークWの寸法を決めるための情報として、ワークWの密度毎に応力−ひずみ曲線Gを作成する必要がある。
すなわち、サイジング工程の応力−ひずみ曲線の作成方法では、サイジング工程で必要となるひずみ範囲(弾性域よりも大きい範囲、かつ、破断点よりも小さい範囲)における、ワークWの応力−ひずみ曲線Gを作成する。
応力−ひずみ曲線の作成方法では、このような応力−ひずみ曲線の原点から最大ひずみ量Mだけ、ひずみの軸方向に沿って移動した位置を、第一の頂点P1として設定する。
応力−ひずみ曲線の作成方法では、このような第一の頂点P1から弾性ひずみ量Nだけ、ひずみの軸方向に沿って移動した位置を、第二の頂点P2として設定する。
そこで、応力−ひずみ曲線の作成方法では、第一の頂点P1と、第二の頂点P2と、ヤング率とに基づいて、弾性回復したときの応力の変化を逆算し、応力およびひずみの関係を示す点を設定する。
応力−ひずみ曲線の作成方法では、このような応力およびひずみの関係を示す点である各仮想線L1・L2の交点を、第三の頂点P3として設定する。
このとき、応力−ひずみ曲線の作成方法では、ワークWを測定した位置の密度と同一の密度の応力−ひずみ曲線の座標上に、ワークWを測定した位置毎に、三角形Tを作成し、第三の頂点P3を繋いで密度毎に応力−ひずみ曲線Gを作成する(図25参照)。
このようなワークWは、略円弧状に形成される部分、つまり、前記突出部分以外の部分がリブW1〜W4として形成される。
つまり、応力−ひずみ曲線の作成方法では、ワークWの周方向およびワークWの高さ方向に沿った一定のピッチ毎に、リブW1〜W4の厚みを測定する。
そして、図8(c)に示すように、応力−ひずみ曲線の作成方法では、外半径の測定結果から内半径の測定結果を減算して、リブW1〜W4の厚みを測定する。
また、図8では、横軸を図6(a)に記載する角度(ワークWの位相)に対応させた形で表記するとともに、所定の高さ位置におけるリブW1〜W4の測定結果のみを記載している。つまり、応力−ひずみ曲線の作成方法では、実際には、高さ方向に沿った測定ピッチ毎に、図8に示すようなリブW1〜W4の厚みの測定結果を取得している。
これは、図9、図11、図13、図14、図17、図18、および図20においても同様である。
すなわち、応力−ひずみ曲線の作成方法では、サイジング工程後のリブW1〜W4の外半径の測定結果から内半径の測定結果を減算して、サイジング工程後のリブW1〜W4の厚みを測定する。
つまり、サイジング工程前後に測定したリブW1〜W4の外半径および内半径は、ワークWの位相によって大きくなったり小さくなったりしている。
すなわち、応力−ひずみ曲線の作成方法では、測定ピッチ毎に真円の円筒に対応する円弧状となるように、リブW1〜W4の形状を矯正する。
そして、図12に示すように、応力−ひずみ曲線の作成方法では、体積を算出した部分を、体積不変のまま真円の円筒を測定ピッチ毎に分割したものに変形し、変形時の外半径および内半径を算出する。
x=S*360/θ*1/π*1/4r*1/h
ここで、xは中立面C(真円の円筒の厚みの中心部分)から真円の円筒の外周面および内周面までの径方向に沿った距離、Sは真円の円筒を測定ピッチ毎に分割したものの体積、θは真円の円筒を測定ピッチ毎に分割したものの中心角、πは円周率、rは中立面Cの半径、hは測定ピッチの高さ方向に沿った距離である。
応力−ひずみ曲線の作成方法では、このようにしてサイジング工程前後のリブW1〜W4の外半径および内半径を矯正する。
すなわち、応力−ひずみ曲線の作成方法は、リブW1〜W4の厚みを正確に測定できるため、応力−ひずみ曲線Gを高精度に作成できる。
このとき、応力−ひずみ曲線の作成方法では、例えば、CMMによってインナーコア11の外半径およびダイ12の内半径を測定し、測定したダイ12の内半径からインナーコア11の外半径を減算して型10の隙間を算出する。
つまり、サイジング工程中の型10の隙間は、均一なものではなく、ワークWの位相によって変動する可能性がある。
そして、応力−ひずみ曲線の作成方法では、仮想的に行ったサイジング工程の結果が、図14に示すようなリブW1〜W4の厚みの測定結果となるような、サイジング工程中のインナーコア11の位置(つまり、ずれ量)を予測する。
すなわち、応力−ひずみ曲線の作成方法は、型10の隙間を正確に測定できるため、応力−ひずみ曲線Gを高精度に作成できる。
図20に示すように、応力−ひずみ曲線の作成方法では、このような真ひずみの算出をリブW1〜W4の測定箇所毎に行って、ワークW(リブW1〜W4)の測定箇所における最大ひずみ量Mを算出する(図20に白塗りで示す四角形、ひし形、および丸参照)。
すなわち、図20においては、ひずみ0の位置から最大ひずみ量M(図20に白塗りで示す四角形、ひし形、および丸)の位置までの距離が、図3における応力−ひずみ曲線の原点から第一の頂点P1までの距離に対応する。
図20に示すように、応力−ひずみ曲線の作成方法では、このような弾性ひずみ量Nの算出をリブW1〜W4の測定箇所毎に行って、ワークW(リブW1〜W4)の測定箇所における弾性ひずみ量Nを算出する(図20に黒塗りで示す四角形、ひし形、および丸参照)。
すなわち、図20においては、最大ひずみ量M(図20に白塗りで示す四角形、ひし形、および丸)の位置から弾性ひずみ量N(図20に黒塗りで示す四角形、ひし形、および丸)の位置までの距離が、図3における第一の頂点P1から第二の頂点P2までの距離に対応する。
応力−ひずみ曲線の作成方法では、このようなサイジング工程後にリブW1〜W4の厚みが厚くなっている部分を、測定誤差が発生した部分であると判断し、応力−ひずみ曲線Gの作成において使用しない。
本実施形態の応力−ひずみ曲線の作成方法では、サイジング工程後のワークWを高さ方向に沿って切断してワークWをリブW1〜W4毎に分割し、当該分割したリブW1〜W4を入れたときの水の変化から、リブW1〜W4の密度を測定している。
そこで、応力−ひずみ曲線の作成方法では、このようなヤング率とリブW1〜W4の密度との相関を予め取得している。応力−ひずみ曲線の作成方法では、リブW1〜W4の測定箇所における密度の測定結果と、前記相関とに基づいて、リブW1〜W4の測定箇所におけるヤング率を算出する。
従って、応力−ひずみ曲線の作成方法は、短時間で簡易的にリブW1〜W4の測定箇所におけるヤング率を測定できる。このため、応力−ひずみ曲線の作成方法は、短時間で簡易的に応力−ひずみ曲線Gを作成できる。
つまり、応力−ひずみ曲線の作成方法では、応力−ひずみ曲線の原点から最大ひずみ量Mだけ、ひずみの軸方向に沿って移動した位置を、第一の頂点P1として設定する。
また、応力−ひずみ曲線の作成方法では、このような第一の頂点P1の設定を、リブW1〜W4の測定箇所毎に行う。
つまり、応力−ひずみ曲線の作成方法では、第一の頂点P1を設定した場合と同じ要領で、第一の頂点P1から弾性ひずみ量Nだけ、ひずみの軸方向に沿って移動した位置を、第二の頂点P2として設定する。
応力−ひずみ曲線の作成方法では、このようにして密度が異なる複数の応力−ひずみ曲線の座標上に、各仮想線L1・L2の交点である第三の頂点P3を点在させる。
ただし、応力−ひずみ曲線の作成方法では、必ずしもこのような弾性域に対応する直線を作成する必要はない。
従って、応力−ひずみ曲線の作成方法は、多くの引張試験を行うことなく、CAEを用いたサイジング工程の予測技術を作成できる程度に、ワークWの密度毎の応力−ひずみ曲線Gを作成できる。
つまり、従来技術にあるような引張試験によって密度毎に応力−ひずみ曲線Gを作成する場合、密度の種類(応力−ひずみ曲線Gを作成する数)と引張試験の回数(例えば、三回)とを積算した回数だけ、引張試験を行う必要がある。
このため、応力−ひずみ曲線の作成方法は、短時間でワークWの密度毎の応力−ひずみ曲線Gを作成できる。
従って、応力−ひずみ曲線の作成方法は、容易に準備可能なワークWを用いて応力−ひずみ曲線Gを作成できるため、簡易的にワークWの密度毎の応力−ひずみ曲線Gを作成できる。
このため、応力−ひずみ曲線の作成方法は、サイジング工程の予測技術を作成するまでの時間を短縮できるとともに、サイジング工程の予測技術を作成するために必要な情報を簡易的に作成できる。
この場合、応力−ひずみ曲線の作成方法では、ヤング率と粉種と密度との相関を予め取得しておき、ワークWの粉種と密度の測定結果と前記相関とに基づいて、ワークWの測定箇所におけるヤング率を算出する。
これによれば、応力−ひずみ曲線の作成方法では、短時間で簡易的に、異なる粉種毎、かつ、異なる密度毎に応力−ひずみ曲線Gを作成できる。すなわち、応力−ひずみ曲線の作成方法では、粉種と密度の種類と引張試験の回数とを積算した回数だけ引張試験を行うことなく、異なる粉種毎、かつ、異なる密度毎に応力−ひずみ曲線Gを作成できる。
すなわち、応力−ひずみ曲線の作成方法は、ワークWを測定ピッチ毎に切断し、当該切断したものの密度を測定しても構わない。また、応力−ひずみ曲線の作成方法は、ワークWの密度分布の傾向(例えば、ワークWの高さ方向における両端部と中途部とで密度が異なりやすい等)に応じて、ワークWを切断しても構わない。
すなわち、応力−ひずみ曲線の作成方法は、ワークWの測定箇所に対してレーザを照射して、ワークWの測定箇所におけるヤング率を測定しても構わない。
G 応力−ひずみ曲線
L1 第一の仮想線
L2 第二の仮想線
M 最大ひずみ量
N 弾性ひずみ量
P1 第一の頂点
P2 第二の頂点
P3 第三の頂点
W ワーク
Claims (2)
- ワークの密度毎に応力−ひずみ曲線を作成するサイジング工程の応力−ひずみ曲線の作成方法であって、
前記ワークを型に入れて所定の形状に成形するサイジング工程前後の、前記ワークの形状を多点測定する工程と、
前記ワークの測定箇所に対応する位置における、前記型の隙間を測定する工程と、
前記サイジング工程前のワークの測定結果および前記型の隙間の測定結果に基づいて、前記ワークの測定箇所における最大ひずみ量を算出する工程と、
前記型の隙間の測定結果および前記サイジング工程後のワークの測定結果に基づいて、前記ワークの測定箇所における弾性ひずみ量を算出する工程と、
前記ワークの測定箇所における密度を測定する工程と、
前記ワークの測定箇所におけるヤング率を測定する工程と、
前記ワークの測定箇所における密度の測定結果に対応する密度の応力−ひずみ曲線のひずみの軸上に、前記ワークの測定箇所毎に、前記最大ひずみ量の算出結果に基づいて第一の頂点を設定するとともに、前記弾性ひずみ量の算出結果に基づいて第二の頂点を設定する工程と、
前記ワークの測定箇所毎に、前記第一の頂点から、応力の軸方向に沿って延出する第一の仮想線を引くとともに、前記第二の頂点から、前記応力の軸方向に対して前記ヤング率の測定結果に対応する傾きに沿って延出する前記第二の仮想線を引き、前記各仮想線の交点を第三の頂点として設定する工程と、
前記ワークの測定箇所における密度の測定結果に対応する密度毎に、前記第三の頂点を繋いで応力−ひずみ曲線を作成する工程と、
を行う、
サイジング工程の応力−ひずみ曲線の作成方法。 - 前記ワークの測定箇所における密度の測定結果に基づいて、前記ワークの測定箇所におけるヤング率を測定する、
請求項1に記載のサイジング工程の応力−ひずみ曲線の作成方法。
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2012
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