JP6731320B2 - 金型の設計支援方法及び金型の設計支援システム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係る金型の設計支援システムの構成を示す図である。
同図に示すように、金型の設計支援システム1は、通信用ネットワーク10に設計用PC20、データベース30、検査用タブレット40等を有線又は無線により接続して構成される。
加工・組立工程602は、加工により金型部品を製作し、これらの金型部品により金型を組み立てる工程である。試打・検査工程603は、加工・組立工程602で製作された金型によって製品を試打し、金型及び試打した製品の寸法等を検査する工程である。出荷工程604は、出荷に際して金型の最終チェックを行う工程である。
試作改修とは、試作トライの結果から不具合項目のある金型を修正することである。
量産トライとは、量産移行判断をするために少量試作を行うことである。量産トライでは、量産金型での量産段取り確認や量産金型での最終確認の試作などが行われる。
試作トライ、試作生産、試作改修、量産トライのいずれにおいても、製作された金型によって製品が成形され、金型自体及び成形された製品の検査が行われる。検査項目としては、典型的には金型及び製品各部の寸法の測定、更には図7に示した項目の検査がある。これらの検査結果は、検査用タブレット40に入力され、通信用ネットワーク10を介してデータベース30に送信される。データベース30は、検査用タブレット40より測定データや検査データを受信すると、上記の蓄積されたデータにそのデータを即時反映する。これにより、設計者は、リアルタイムに更新された最新の閾値表や分布表を参照して金型を設計することができる。また、検査データも参照することができる。
設計者は設計用PC20を使って金型を設計する際に、設計用PC20の画面上に図2に示した閾値表や図3に示した分布表、更には検査項目データ(図7参照)を表示する。例えば設計者は図2に示した閾値表から金型の所定部位の寸法を決定する。より具体的には、設計者は、閾値表から、設計値である製品の寸法(X軸)に対して、関数a=0.009212X+2.180319を使って金型の所定部位の寸法(見込み値a)を算出する。その際に、閾値表には各データがマッピングされているので、設計者はマッピングされたデータから見込み値aを補正してもよい。設計用PC20の画面上には金型の部位ごとないしは製品の部位ごとに閾値表及び分布表が表示できるようになっているので、設計者は表示された閾値表及び分布表を参照しながら金型の各部位の寸法を決定する。なお、上記の見込み値とは、金型の寸法と製品の設計値との差分である。
加工・組立工程602においては、設計データに基づき金型が製作される。試打・検査工程603においては、製作された金型によって製品が成形され、金型自体の検査とともに、成形された製品の寸法測定や所定の項目の検査(図7参照)が行われる。測定データ及び検査結果は、入力部としての検査用タブレット40に入力され、通信用ネットワーク10を介してデータベース30に送信される。データベース30は、検査用タブレット40より測定データ及び検査結果を受信すると、上記の蓄積されたデータにそのデータを即時反映する。従って、設計者はこの後に金型を設計する場合には最新の測定データや検査結果によって更新された閾値表や分布表、更には検査結果を使って金型を設計することができる。
図8はプレス加工によってプレスされる製品を示す図である。
図8において、符号801の本プレス加工前の半製品(別のプレス加工で成形)、符号802は本プレス加工後の製品を示している。
このプレス加工に使われる金型のyの寸法は、下記の式より算出する。
y=αx+β
x:製品の設計値
y:見込値(=金型の寸法)
ここで、この式は例えば図9に示す閾値表によって示される。
図9の点線は製品の設計値、細線は製品の実測値を示している。本来は、これらの線にギャップが生じないことが好ましい。つまり、点線と細線が一致することが好ましい。曲線に近づける手段としては、スプリングバックという戻り変形による誤差を極小化するための「強み当て」やスプリングバックで変形した時にちょうど狙い形状になるような「オーバーハング」等の手法がある。
図10は条件Aによりプレス加工時を行った場合の閾値表、図11は条件Bによりプレス加工を行った場合の閾値表を示す。
このような閾値表は、試打・検査工程603においてそれぞれの条件でプレス加工を行い、それぞれの条件の製品の検査を行い、その検査結果を検査用タブレット40に入力し、データベース30に送信し、データを蓄積することによって生成することができる。
図13は成形条件Aにより樹脂成形を行った場合の閾値表、図14は成形条件Bにより樹脂成形を行った場合の閾値表を示す。これらの閾値表において、Y軸は公差/設計のずれの値である。図15は成形条件Aと成形条件Bとの傾向比較を一覧可能にした閾値表である。
例えば、上記の実施形態では、設計者に閾値表及び分布表を提示するものであったが、設計者に閾値表だけを提示してもよい。
また、測定値を標準偏差やCPK(工程能力指数)値などの統計処理をして設計者が判断しやすい情報に加工し、設計者にその情報を提示してもよい。
更に、上記の実施形態では、金型を製作して量産する側に出荷するまでの例をとり説明したが、データベースに金型を使って量産する側からの製品の測定データを例えばオンライン即時入力し、その入力データも含めて閾値表や分布表を生成してもよい。
10 通信用ネットワーク
20 設計用PC
30 データベース
40 検査用タブレット
Claims (4)
- 金型を設計する際に、金型で成形される製品の所定部位の要求寸法と、これに応じた金型の対応部位の狙い値寸法及び製品の所定部位の過去の測定データとを2次元表示した閾値表を提示し、
前記閾値表の狙い値寸法及び前記過去の測定データに、前記設計に基づき製作された金型で成形した製品の所定部位を測定したデータを、即時反映する
金型の設計支援方法。 - 請求項1に記載の金型の設計支援方法であって、
前記金型を設計する際に、過去に設計した金型の所定部位の設計寸法と、当該金型で成形した製品の所定部位の測定データとの関係を示す分布表を提示する
金型の設計支援方法。 - 請求項1又は2に記載の金型の設計支援方法であって、
前記閾値表は、成形条件ごとに、金型で成形される製品の所定部位の要求寸法と、これに応じた金型の対応部位の狙い値寸法及び製品の所定部位の過去の測定データとを2次元表示する
金型の設計支援方法。 - 金型で成形される製品の所定部位の要求寸法、要求寸法に応じた金型の対応部位の狙い値寸法及び要求寸法に応じた製品の所定部位の過去の測定データを蓄積するデータベースと、
前記データベースに蓄積された要求寸法、狙い値寸法及び過去の測定データに基づき金型で成形される製品の所定部位の要求寸法と、これに応じた金型の対応部位の狙い値寸法及び製品の所定部位の過去の測定データとを2次元表示した閾値表を提示する提示部と、
前記金型で成形した製品の所定部位を測定する測定器と、
前記測定器で測定したデータを入力する入力部と、
前記入力部により入力された測定データを前記データベースに即時反映する手段と
を具備する金型の設計支援システム。
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