JP2014073500A - 板材成形方法および板材成形装置 - Google Patents

板材成形方法および板材成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】板材を局所的に加熱して成形する際に、板材を精度良く加工することが可能な板材成形方法および板材成形装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る板材成形方法は、チタン系素材の板材に所定の引張り応力が発生するように引張荷重を負荷した状態で、前記板材を金型に押し当てて湾曲させる押圧ステップS3と、前記板材の、前記金型から浮いている部分が前記金型に密着するように、前記金型に密着している部分を局所的に伸ばす予備成形ステップS5と、前記板材が前記金型に密着したか否かを検査・判定する密着検査・判定ステップS6,S7と、前記板材の全体を、その素材の塑性変形が生じ始め、かつ形状が変形する程の伸びが生じない温度で加熱して成形する本成形ステップS9と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図10

Description

本発明は、板材を局所的に加熱して成形する板材成形方法および板材成形装置に関するものである。
チタンまたはチタン合金(以下、チタン系素材と言う)の板材を冷間加工すると、スプリングバックや割れが発生しやすい。また、冷間加工では、成形後に生じる残留応力除去が必須である。このため、チタン系素材の板材加工では、残留応力除去が不要で、成形性のよい熱間加工が行われている。しかし、熱間加工は、加熱や加工のための専用設備が必要であり、高温に対して強度を有する金型等の設備や治具にかかるコストが高価である。また、熱間加工では、加熱時間や保持時間が必要であり、加工時間が長いという問題がある。
一方、局所加熱成形技術は、板材全体を加熱成形する従来の熱間加工とは異なり、局所的に板材を加熱して目標形状となるように成形する。局所的な加熱には、例えば、移動可能であって、点状又は比較的小さな円形状に板材を加熱できる加熱源を使用する。この技術は、従来の熱間加工に比べて、設備費・治具費が安価であり、短時間での加工が可能である。
特許文献1では、局所加熱成形装置に関する基本的な仕様が記載されている。
米国特許第6601426号明細書
ところで、航空機の胴体外板、翼前縁、ヘリコプターブレードの金属カバー等の部品は、図1に示すように、チタン系素材の板材10を、山型もしくは略U字形断面を有し、かつテーパー状に断面積が変化する複合曲面を有した金型2に押し当てて湾曲成形することにより製造される場合が多い。
この場合には、図2に示すように、板材10の相対する縁部をクランプ装置等により牽引して幅方向に均等な引張荷重を負荷した状態で、金型2に押し当てて湾曲成形する。金型2のテーパー率は例えば5%程度である。ここで、板材10が進展性に優れるアルミニウム系素材であれば、ストレッチ成形により板材10を全体的に伸ばして金型2の表面に沿って密着させることが容易である。
ところが、板材10がチタン系素材であると、アルミニウム系素材に比べて進展性に劣ることに加え、前述のスプリングバックの問題等もあり、金型2の表面に沿って板材10を密着させることが困難になる。即ち、テーパー状の複合曲面を有した金型2は、その長手方向の各断面において、山を横切る方向の表面長さが異なっているのに対し、板材10は、その幅方向の長さが均一であることに起因している。要するに、板材10は、金型2の大断面側では金型2の表面に密着するが、小断面側では金型2の表面から浮き上がる傾向となり、これが成形部品の形状精度を低下させる要因となっていた。
一方、特許文献1等の局所加熱成形装置を用いた局所加熱技術は、具体的な成形条件が記載されておらず、上記のような形状精度低下要因が存在することや、成形条件を整えなければ精度の高い成形を行うことができないことは指摘されていない。したがって、従来技術による局所加熱成形装置による成形方法では、前記のように複合曲面を有した金型2に板材10を押し当てながら精度良く板材を成形することは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複合曲面を有した金型に、チタン素材の板材を押し当てて湾曲成形するにあたり、簡素な設備構成と短い加工時間により、チタン素材の板材を金型に完全に密着させて高い形状精度で湾曲成形することのできる板材成形方法および板材成形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の板材成形方法および板材成形装置は、以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る板材成形方法は、チタン系素材の板材に引張荷重を負荷した状態で、該板材の成形部分を、成形目標の曲率の複合曲面を有する金型に押し当てて湾曲成形する板材成形方法であって、前記板材に所定の引張り応力が発生するように引張荷重を負荷した状態で、前記成形部分を前記金型に押し当てて湾曲させる押圧ステップと、前記成形部分の、前記金型から浮いている部分が前記金型に密着するように、前記金型に密着している部分を局所的に伸ばす予備成形ステップと、前記板材が前記金型に密着したか否かを検査・判定する密着検査・判定ステップと、前記板材の全体を、その素材の塑性変形が生じ始め、かつ形状が変形する程の伸びが生じない温度で加熱して成形する本成形ステップと、を含むことを特徴とする。
この板材成形方法によれば、所定の引張り応力が発生するように引張荷重が負荷されたチタン系素材の板材の成形部分が、押圧ステップにおいて、成形目標の曲率の複合曲面を有する金型に押し当てられて湾曲する。この時には、金型の複合曲面のせいで、金型の大断面側では板材が金型に密着するが、金型の小断面側では板材が金型から浮き上がる傾向となる。
そして、予備成形ステップにおいて、この浮き上がった部分が金型の小断面側に密着するまで、金型の大断面側に密着している部分が局所的に伸ばされる。例えば、大断面側に密着している部分のみを局所的に高温に加熱することで材料の降伏応力(耐力)を低下させ、予め負荷されている引張荷重によって大断面側の板材を伸ばす。これにより、板材を全面的に金型に密着させることができる。
密着検査・判定ステップでは、例えば板材を叩いて音を解析する、もしくは板材の表面を加熱してその温度上昇率を解析するといった簡単な方法で、板材が金型に密着しているか否かが検査・判定される。その結果、板材が金型に密着していない場合には予備成形ステップが反復され、板材が金型に密着したと判断された時点で予備成形ステップが終了される。予備成形ステップおよび密着検査・判定ステップは局所的に行われるため、短時間のうちに完了することができる。
そして、本成形ステップで、板材の全体が、素材の塑性変形が生じ始め、かつ形状が変形する程の伸びが生じない温度で加熱して成形される。これにより、金型に密着した板材が低温条件で再度加熱されて金型に馴染み、スプリングバックや割れ等を起こすことなく金型の形状通りに成形された状態で安定する。なお、加熱保持時間は短時間でよい。
したがって、この板材成形方法によれば、簡素な設備構成と短い加工時間により、チタン素材の板材を金型に完全に密着させて高い形状精度で湾曲成形することができる。また、板材が金型に密着したか否かを、板材を叩いて音を聞くといった方法により、容易に判定することができる。
上述したように、前記予備成形ステップにおいては、前記板材の前記成形部分を、前記引張荷重によって生じる応力が、前記板材の素材の耐力を超え、且つ引張強さ未満となる温度で加熱して伸ばすようにしてもよい。即ち、板材の大断面側に密着している部分のみを局所的に高温に加熱することで材料の降伏応力を低下させ、予め負荷されている引張荷重によって大断面側の板材を伸ばす。
この板材成形方法によれば、加熱部分が局所的であることから、加熱手段として、ランプ、レーザー、バーナー等の既存の設備を用いることができる。このため、板材全体を金型と共に熱間加工する場合と異なり、専用設備や、高温に対して強度を有する金型等の設備が不要であり、設備にかかるコストを安価にすることができる。また、加熱部分が局所的であるため、加熱時間や保持時間が短時間で済み、加工時間を短くすることができる。
前記予備成形ステップにおいては、前記板材の前記成形部分のうち、前記金型の曲率半径が大きい部分に押し付けられる領域から優先的に前記板材を伸ばすようにするのが好ましい。
金型が複合曲面である場合、板材は金型の曲率半径が大きい部分(大断面側)で密着し、曲率半径が小さい部分(小断面側)では浮き上がる傾向となる。このため、曲率半径が大きい部分から優先的に板材を伸ばすことにより、板材全体を金型に密着させることができる。
また、前記予備成形ステップにおいては、前記板材の前記成形部分を、局所的にショットピーニングやバーニシングにより圧延して伸ばすようにしてもよい。
この場合、予め負荷された引張荷重によって板材に引張り応力が加わっている状態で、ショットピーニングやバーニシングを局所的に施すことにより、板材の必要部分のみを容易に伸ばせる。このため、予備成形ステップを短時間のうちに完了することができる。ショットピーニングやバーニシングは、従来から用いられている技術であるため、新たな設備を増設する必要がなく、安価に行うことができる。
前記予備成形ステップにおいては、前記板材の、前記引張荷重が負荷される部分に少なくとも1本のスリットを形成し、このスリットを境にして前記引張荷重を異ならせてもよい。
こうすれば、金型が複合曲面を有する場合に、その各曲面に合わせて引張荷重を最適な強度に個別に設定することができ、これによって予備成形ステップを容易に行うことができる。
前記密着検査・判定ステップにおいては、前記板材の表面を叩き、その音を解析することにより、前記板材が前記金型に密着しているか否かを検査・判定するようにしてもよい。
この場合、板材が金型に密着していない時は反響性のある音がし、密着している時は反響性の無い音がするため、その音を聞き分けることにより、板材の密着状況を容易に判定することができる。
前記密着検査・判定ステップにおいては、前記板材の表面を加熱し、その温度上昇率を解析することにより、前記板材が前記金型に密着しているか否かを検査・判定するようにしてもよい。
この場合、板材が金型に密着していない時は加熱された板材がすぐに昇温し、密着している時は板材に加えられた熱が金型に逃げて板材が昇温しにくいため、板材が昇温するまでの時間を測ることにより、板材の密着状況を容易に判定することができる。
前記本成形ステップにおいては、前記板材のうち少なくとも前記成形部分を、互いに平行な複数の加熱ライン上で連続的または断続的に加熱して前記金型に馴染ませるのが好ましい。
チタン系素材は、アルミニウム系素材に比べて熱伝導率が低く、加熱部によって加熱された加熱領域と、加熱されない非加熱領域の境界で温度勾配が大きくなる。よって、加熱領域の熱膨張は非加熱領域によって拘束され、加熱領域は熱膨張によって面外に変形する。この板材成形方法では、板材は、一本の加熱ライン上ではそれぞれ連続的または断続的に加熱され、互いに平行な複数の加熱ライン上で加熱される。そのため、板材は、金型が押し当てられた成形部分が全面的または一ラインのみで加熱されるのではなく、加熱される部分が少なくとも2ラインであり、かつ加熱領域が制御されているため、全面的に加熱される場合や一ラインのみで加熱される場合に比べて、板材を成形目標の曲率に成形し易い。
また、板材が一ライン上で断続的に加熱される場合、一ライン上で連続的に加熱される場合に比べて、伸び量を軽減したり、浮き上がりを抑制することができるため、成形精度を向上させることができる。なお、加熱温度は、加熱部の設定温度で調整してもよいし、同じ走査ライン上を複数回加熱することで調整してもよい。
なお、板材の加熱は、加熱部が板材に対して相対移動可能であり、加熱部が一方向に連続的または断続的に板材を加熱し、その後、隣接する加熱ライン上に移動するようにしてもよい。また、板材表面に黒体塗料を塗布し加熱部を板材に対して均一に加熱するようにしてもよい。黒体塗料を塗布した部分は、金属光沢部分に比べて吸収能が高く、加熱されやすい。また、黒体塗料を塗布した部分は、加熱に伴う酸化による輻射率の変化も発生しないため、安定した温度に加熱できる。さらに、加熱部を加熱パターンが形成された形状を有するように構成して、一度の加熱で加熱パターン状に板材を加熱するようにしてもよい。
また、本発明に係る板材成形装置は、チタン系素材の板材に引張荷重を負荷する負荷部と、前記引張荷重が負荷された前記板材の成形部分を、成形目標の曲率の複合曲面を有する金型に押し当てる押圧部と、前記成形部分の、前記金型から浮いている部分が前記金型に密着するように、前記金型に密着している部分を伸ばす予備成形部と、前記板材のうち少なくとも前記成形部分を、その素材の塑性変形が生じ始め、かつ形状が変形する程の伸びが生じない温度で加熱して成形する本成形部と、を備えたことを特徴とする。
この板材成形装置によれば、負荷部によって所定の引張り応力が発生するように引張荷重が負荷されたチタン系素材の板材の成形部分が、押圧部によって成形目標の曲率の複合曲面を有する金型に押し当てられる。引張荷重がチタン系素材を常温で伸ばす程の荷重を負荷しない場合、この時には、金型の複合曲面のせいで、金型の大断面側では板材が金型に密着するが、金型の小断面側では板材が金型から浮き上がってしまう。
そして、予備成形部によって、材料を局所的に塑性変形が起こりやすい温度まで加熱し、この浮き上がった部分が金型の小断面側に密着するまで、金型の大断面側に密着している部分が局所的に伸ばされる。このため、板材を全面的に金型に密着させることができる。
そして、本成形部で、板材の成形部分が、素材の塑性変形が生じ始め、かつ形状が変形する程の伸びが生じない温度で加熱して成形される。これにより、金型に密着した板材が低温条件で再度加熱されて金型に馴染み、スプリングバックや割れ等を起こすことなく金型の形状通りに成形された状態で安定する。
したがって、この板材成形方法によれば、簡素な設備構成と短い加工時間により、チタン素材の板材を金型に完全に密着させて高い形状精度で湾曲成形することができる。
前記予備成形部は、前記板材の前記成形部分を、その素材の耐力が、該素材に負荷している引張荷重により加わる応力よりも低くなる温度で加熱して伸ばす第1の加熱部としてもよい。
この板材成形装置によれば、第1の加熱部により、板材の大断面側に密着している部分のみを局所的に高温に加熱することで材料の降伏応力を低下させ、負荷部によって予め負荷されている引張荷重によって大断面側の板材を伸ばすことができる。
この板材成形方法によれば、加熱部分が局所的であることから、加熱手段として、ランプ、レーザー、バーナー等の既存の設備を用いることができ、設備にかかるコストを安価にするとともに、加工時間を短くすることができる。
前記予備成形部はショットピーニング装置や、バーニシング装置としてもよい。こうすれば、負荷部によって予め負荷された引張荷重によって板材に引張り応力が加わっている状態で、ショットピーニングやバーニシングを局所的に施すことにより、板材の必要部分のみを容易に伸ばせる。このため、予備成形を短時間のうちに完了することができる。ショットピーニングやバーニシングは、従来から用いられている技術であるため、新たな設備を増設する必要がなく、安価に行うことができる。
前記本成形部は、前記板材のうち少なくとも前記成形部分を、互いに平行な複数の加熱ライン上で連続的または断続的に加熱して前記金型に馴染ませる第2の加熱部としてもよい。
この板材成形装置によれば、アルミニウム系素材に比べて熱伝導率が低く、加熱部によって加熱された加熱領域と、加熱されない非加熱領域の境界で温度勾配が大きくなるチタン系素材の特性を利用して、板材を成形目標の曲率に容易に成形することができる。また、板材の伸び量を軽減したり、浮き上がりを抑制することができるため、成形精度を向上させることができる。
本発明に係る板材成形方法および板材成形装置によれば、複合曲面を有した金型に、チタン素材の板材を押し当てて湾曲成形するにあたり、簡素な設備構成と短い加工時間により、チタン素材の板材を金型に完全に密着させて高い形状精度で湾曲成形することができる。
チタン系素材の板材を、テーパー状に断面積が変化する複合曲面を有した金型に押し当てて湾曲成形する場合の斜視図である。 同じく平面図である。 本発明の一実施形態に係る板材成形装置を示し、金型が下がり、板材がクランプによって拘束された状態を示す側面図である。 金型が上昇して板材が湾曲した状態を示す板材成形装置の側面図である。 板材が金型から浮き上がっている状態を示す拡大側面図である。 予備成形時の状態を示す板材成形装置の側面図である。 本成形ステップの状態を示す板材成形装置の側面図である。 成形が完了した板材が取り外された状態を示す板材成形装置の側面図である。 成形部品の不要な部分がカットされた状態を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る板材成形装置による板材成形方法を示すフローチャートである。 板材の斜視図であり、(A)は曲率半径が大きい部分が金型の一端にある場合、(B)は曲率半径が大きい部分が金型の両端にある場合、(C)は曲率半径が大きい部分が金型の中央部にある場合をそれぞれ示す図である。 予備成形ステップにおける板材の加熱状況を示す平面図である。 本成形ステップにおける板材の加熱状況を示す平面図である。 (A),(B),(C)は、予備成形において板材を伸ばす手順を示す平面図である。 チタン系素材の応力と温度の関係を示すグラフである。 (A),(B),(C)は、本成形ステップにおける加熱パターンの例を示す、金型と板材の平面図である。 本成形ステップにおける加熱領域と部品部分を示す、金型と板材の平面図である。 金型に板材が押し当てられた状態で複数個所を加熱し、局所加熱成形時における温度と材料の伸び量との関係を調べる状況を示す縦断面図である。 図18における板材を展開した平面図である。 複数の温度条件下における計測位置とひずみ量の関係を示す線図である。 バーニシングの概念を示す縦断面図である。 球体によるバーニシング装置を示す縦断面図である。 ローラによるバーニシング装置を示す縦断面図である。 板材の縁部に沿って等しい引張荷重が負荷された状態を示す平面図である。 板材の縁部に形成したスリットを境にして異なる引張荷重が負荷された状態を示す平面図である。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る板材成形方法および板材成形装置は、純チタンもしくはチタンを主成分とするチタン合金(添加元素としてアルミニウム、鉄、スズ、モリブデン、バナジウム等を含むもの)といったチタン系素材の板材を成形対象としており、例えば航空機の胴体外板、翼前縁、ヘリコプターブレードの金属カバー等を製造することを目的としている。
具体的には、図1に示すように、チタン系素材の板材10を、山型断面を有する金型2に押し当てて湾曲成形する。金型2の表面は、成形目標となる曲率を持ち、かつテーパー状に断面積が変化する複合曲面を有しており、そのテーパー率は例えば5%程度とされている。図2に示すように、板材10の相対する縁部を下記に述べる板材成形装置1のクランプ5により牽引して幅方向に均等な引張荷重を負荷した状態で金型2に押し当てて湾曲成形する。
本実施形態に係る板材成形装置1は、図3〜図8に示すように、金型2と、金型2を上下に昇降させるための油圧シリンダー3(押圧部)と、第1の加熱部4A(予備成形部)と、第2の加熱部4B(本成形部)と、金型2を間に挟んで対向して配置された一対のクランプ5と、各クランプ5をそれぞれ上下に回動させるヒンジ6と、各クランプ5を水平方向に移動させることによって板材10に引張荷重を負荷する油圧シリンダー7(負荷部)等を有して構成されている。なお、伸縮長さや荷重を調整できるものであれば、油圧シリンダー7の代わりに、電気駆動式のシリンダーや空気圧シリンダー等を用いてもよい。
油圧シリンダー3は、板材10に対して金型2を近づけたり離したりでき、金型2を上昇させて板材10の成形部分に押し当てるように動作する。また、第1の加熱部4Aと第2の加熱部4Bは、例えば集光方式のハロゲンランプ等の光エネルギーを利用したランプ、または各種レーザー等の光源、あるいはバーナー等の熱源である。これらの加熱部4A,4Bは、板材10の全面を加熱できるように、板材10に対して自由に移動可能である。
クランプ5は、板材10の縁部を強固に把持、および解除することができる。クランプ5は、例えばネジ止め、または油圧機構等によって板材10の縁部を把持する。ヒンジ6は、一端がクランプ5と接続され、他端が油圧シリンダー7と接続され、油圧シリンダー7に対してクランプ5を回動させ、クランプ5の方向を変更できる。なお、図には示していないが、ヒンジ6は、油圧シリンダー7に対する角度を調整する機能を有しているほうがよい。
油圧シリンダー7は、クランプ5を移動させることができ、クランプ5を金型2側へ近づけたり、金型2から遠ざけたりすることができる。金型2が板材10を押圧している時に、クランプ5を金型2から遠ざかる方向へ移動させるようにすることで、油圧シリンダー7は板材10に引張荷重を負荷することができる。
次に、図3〜図9および図10を参照して、本実施形態の板材成形装置1による板材成形方法について説明する。
まず、図3に示すように、油圧シリンダー3を縮めて金型2を下降させた状態で板材10をクランプ5により拘束する(図10のステップS1)。次に、図4に示すように、金型2を上昇させつつ、クランプ5の位置を調整する(ステップS2)。即ち、金型2の上昇に伴って、クランプ5が金型2側に寄せられるように油圧シリンダー7が動作する。この時、ヒンジ6の回動によって板材10が金型2の表面を包むように密着する。
そして、油圧シリンダー3により金型2の位置を固定しつつ、油圧シリンダー7を縮めて板材10に引張荷重を負荷する(ステップS3:押圧ステップ)。チタン系素材ではなく、アルミニウム系素材のような比較的軟質な板材では、ここまで(ステップS3)の状態で成形が完了する。しかし、チタン系素材は、降伏応力が高く、常温では成形後にスプリングバックが生じるため、このままでは形状を十分に付与できない。
即ち、金型2が複合曲面を有する場合は、図5に拡大して示すように、板材10が部分的に金型2から浮き上がってしまう。このように板材10が金型2から浮いてしまう原因は、チタン系素材がアルミニウム系素材に比べて降伏応力が高くて進展性に劣り、常温では成形後にスプリングバックが生じることに加えて、金型2の各縦断面において、金型2の表面における長さが異なっているのに対して板材10の幅が均一であることにある。
本実施形態では、アルミニウム系素材に比べて進展性に劣るチタン系素材の板材10を成形するため、ステップS3の状態を維持したまま、図6に示すように、第1の加熱部4Aを予備成形の加熱位置に配置し(ステップS4)、この第1の加熱部4Aによって板材10の予備成形を局所的に行う(ステップS5:予備成形ステップ)。
予備成形の加熱位置とは、引張荷重を受けている板材10の、金型2に密着している部分であり、この密着している部分を局所的に加熱して伸ばす。この時の加熱温度は、後述するように、ステップS3において負荷された引張荷重によって生じる応力が、板材10の素材の耐力を超え、且つ引張強さ未満となる温度に設定する。これにより、板材10の金型2に密着している部分を破断させることなく伸ばし、相対的に板材10の金型2から浮いている部分を金型2に密着させることができる。
本実施形態における金型2のように、一端から他端に向かって、一定した勾配でテーパー状に断面積が変化する複合曲面を有する金型2によって板材10を成形する場合には、金型2の一端に曲率半径が大きい部分があり、この部分に板材10が最も強く押し付けられるため、板材10の大断面側の端部付近が金型2に密着して小断面側の端部付近が金型2から浮き上がる傾向となる。このため、図11(A)および図12に示すように、板材10の大断面側の領域(曲率半径が大きい部分)を予備成形範囲PF(成形部分)として優先的に第1の加熱部4Aにより加熱して伸ばしていく。
また、例えば金型2の形状が鞍形状である場合は、曲率半径の大きい部分が両端部にあり、この部分に板材10が最も強く押し付けられるため、板材10の両端部付近が金型2に密着し、中央部付近が金型2から浮き上がる傾向となる。このため、図11(B)に示すように、板材10の両端部付近の領域を予備成形範囲PFとして優先的に伸ばしていく。
さらに、例えば金型2が山型であり、その長手方向中央部に曲率半径の大きい部分がある場合には、曲率半径の大きい部分が中央部にあり、この部分に板材10が最も強く押し付けられるため、板材10の中央部付近が金型2に密着し、両端部付近が金型2から浮き上がる傾向となる。このため、図11(C)に示すように、板材10の中央部付近の領域を予備成形範囲PFとして優先的に伸ばしていく。
このように、曲率半径が大きい部分から優先的に板材10を伸ばすことにより、板材10全体を金型に密着させることができる。なお、上記いずれの場合も、金型2の大断面側に密着している部分が伸び過ぎて金型2から浮き上がってしまわないように注意して予備成形する必要がある。
予備成形ステップS5において、板材10を伸ばす手順としては、図14(A)〜(C)に示すように、予備成形の加熱を複数回行い、板材10における金型2の大端部側に位置する部分を幅方向に伸展させてゆく。板材10には幅方向に引張荷重が負荷されているため、一回加熱する毎に板材10が伸ばされ、金型2の展開形状2aに近づいて行く。
予備成形ステップS5における加熱温度は、先述したように、ステップS3において負荷された引張荷重によって生じる応力が、板材10の素材の耐力(チタン系素材のように降伏点が無い金属の、降伏応力に相当する応力)を超え、且つ引張強さ未満となる温度に設定する。即ち、図15に示すように、例えば引張荷重によって生じる応力が、200MPaである場合は、620℃〜670℃の範囲で予備加熱温度を設定する。この加熱温度は、板材の素材や厚み、形状等に応じて適宜設定する。
予備成形時の加熱部分は局所的であるため、第1の加熱部4Aとして、ランプ、レーザー、バーナー等の既存の設備を用いることができる。このため、板材10の全体を金型2と共に熱間加工する場合と異なり、熱間加工の専用設備や、高温に対して強度を有する金型等の設備が不要であり、設備にかかるコストを安価にすることができる。また、加熱部分が局所的であるため、加熱時間や保持時間が短時間で済み、加工時間を短くすることができる。
このように、引張荷重が負荷されている板材10を金型2に押し当てた状態で、第1の加熱部4Aによって板材10を加熱し、板材10の大断面側に密着している部分のみを局所的に高温に加熱することで、この部分の降伏応力を低下させ、負荷部によって予め負荷されている引張荷重によって大断面側の領域を伸ばすことができる。そして、板材10の金型2に密着している部分を破断させることなく伸ばせれば、相対的に板材10の金型2から浮いている部分が金型2に密着して行き、最終的に板材10全体を金型2に完全に密着させることができる。
予備成形ステップS5の後、板材10が金型2に密着したか否かを検査、判定する(ステップS6,S7:密着検査・判定ステップ)。ここでは、板材10の表面を叩き、その音を解析することにより、板材10が金型2に密着しているか否かを検査・判定する。この場合、板材10が金型2に密着していない時は反響性のある音がし、密着している時は反響性の無い音がするため、その音を聞き分けることにより、板材10の密着状況を容易に判定することができる。
もしくは、板材10の表面を軽く加熱し、その温度上昇率を解析することにより、板材10が金型2に密着しているか否かを検査・判定する。この場合、板材10が金型2に密着していない時は加熱された板材10がすぐに昇温するが、密着している時は板材10に加えられた熱が金型2に逃げて板材10が昇温しにくいため、板材が10昇温するまでの時間を測ることにより、板材10の密着状況を容易に判定することができる。
この密着検査・判定ステップS6,S7において、板材10が金型2に密着していないと判定された場合(ステップS7→NO)は、再びステップS5に戻り、ステップS5〜S7が反復される。また、板材10が金型2に密着したと判定された場合(ステップS7→Yes)は、予備成形ステップS5が終了される。この密着検査・判定ステップS6,S7は予備成形ステップS5と同様に局所的に行われるため、短時間のうちに完了することができる。
予備成形ステップS5が終了したら、図7に示すように、第2の加熱部4Bを本成形の加熱位置に配置し(ステップS8)、この第2の加熱部4Bによって、図13に示すように板材10の全体を再度加熱して成形する(ステップS9:本成形ステップ)。
この本成形ステップS9における加熱温度は、予備成形時の加熱温度よりも低く設定される。好ましくは、引張荷重が負荷されている板材10の素材の塑性変形が生じ始め、かつ形状が変形する程の伸びが生じない温度の温度域になるまで、第2の加熱部4Bを用いて板材10を全面的に加熱する。塑性変形が加わる温度域とは、常温時の強度と比べて、半分ぐらいの強度になるまで上昇した時の温度域、即ちチタン系素材では500℃〜600℃となる。
500℃以上の温度では、チタン系素材の材料強度が急激に低下し始めるため、常温の場合に比べて板材10に対して塑性変形を与えやすくなり、かつ板材10の降伏応力の低下によって弾性変形量が減るため、成形後のスプリングバック量も極小となる。その結果、板材10を金型2に沿って馴染ませ、予備成形によって金型2に密着させた形状を安定的に保つことができる。なお、本成形ステップS9における加熱保持時間は短時間でよい。
このように、第2の加熱部4Bによって板材10の温度が所定温度まで上昇したら、板材10の長手方向または長手方向に、第2の加熱部4Bを移動させる。図16(A),(B),(C)は、本成形ステップS9における第2の加熱部4Bを移動させるパターンの例を示している。ここに示すように、第2の加熱部4Bは、互いに平行な複数の加熱ライン12上で連続的または断続的に板材10を加熱する。加熱ライン12のピッチは、狭くしたり広くしたり、加工条件に応じて適宜決定する。
そして、第2の加熱部4Bの移動によって、所定の加熱領域を網羅したところで本成形ステップS9を終了する。なお、加熱に伴う変形によって、板材10が金型2より浮くような事象が生じた場合には、油圧シリンダー3及び油圧シリンダー7を駆動することで引張荷重を増加させ、板材10と金型2を密着させる。そして、板材10と金型2に隙間が生じないようにした状態で、板材10を加熱し成形することで、より精度の高い部品を得ることができる。
この本成形ステップS9を行うことにより、アルミニウム系素材に比べて熱伝導率が低く、第2の加熱部4Bによって加熱された加熱領域と、加熱されない非加熱領域の境界で温度勾配が大きくなるチタン系素材の特性を利用して、板材10を成形目標の曲率に容易に成形することができる。また、板材10の伸び量を軽減したり、浮き上がりを抑制することができるため、成形精度を向上させることができる。
特に、板材10を全面的に加熱せず、間隔を空けて加熱することで、板材10の幅方向に生じるそりを抑制できる。また、加熱温度を比較的低温に設定し、加熱ピッチも広いほうが、得られる板材10による成形品断面の曲率半径が大きくなる。さらに、加熱温度を比較的高温に設定し、加熱ピッチ(加熱ライン12の間隔)を狭くしたほうが、板材10の幅方向のそりが大きくなる。またさらに、加熱温度を比較的高温に設定し、引張荷重を大きくするほど、板材10の幅方向のそりが大きくなる。
また、図17に示すように、第2の加熱部4Bによって照射が行われ高温になる加熱領域と、照射がまったく行われず低温のままの部分との間の境界14が、成形によって得られる部品部分の外方(金型2の範囲外)になるように加熱を行う。これによって、高温部分と低温部分の境界で生ずる残留応力を成形部品に残さないことが可能になる。成形後、境界14よりも照射部(加熱領域、高温部分)側で切断することによって、部品部分は形状精度の向上と残留応力の軽減を図ることができる。
この本成形ステップS9の終了後、図8示すように、油圧シリンダー3,7によって生じている引張荷重を解除して、板材10により成形された成形品10Aを拘束しているクランプ5の把持を解除し(ステップS10)、金型2および成形品10Aを取り外す(ステップS11)。その後、図9に示すように、成形品10Aの不要な部分をカットし(ステップS12)、成形品10Aの完成となる。なお、前述したように、図17中の加熱領域と非加熱領域との境界14を部品部分の範囲外とすることにより、加熱領域と非加熱領域との境界14に生じる残留応力を排除して成形精度を高めることが可能である。
以上のステップS1〜S12を備えた板材成形方法、および板材成形装置1によれば、複合曲面を有した金型2に、チタン素材の板材10を押し当てて湾曲成形するにあたり、簡素な設備構成と短い加工時間により、チタン素材の板材10を金型2に完全に密着させて高い形状精度で湾曲成形することができる。また、板材が金型に密着したか否かを容易に判定することができる。
上記の各ステップS1〜S12のうちの最大の特徴である予備成形ステップS5を実施するにあたり、発明者らは事前に、図18〜図20に示すように、材料を伸ばす加工条件を検討した。この成形方法においては、前述したように、引張荷重が負荷されながら金型2に押し付けられた板材10を局所的に加熱し、引張荷重によって生じる応力が、板材10の素材の耐力を超え(600℃以上)、且つ引張強さ未満となる温度で加熱して伸ばすため、局所加熱成形時の材料の伸び量の加熱温度依存性について検討した。
即ち、図18に示すように、金型2に押し付けられた板材10を、金型2の山型形状の中心線を基準として左右対称的な複数の計測点A〜Iを、それぞれ600℃、650℃、700℃、750℃の温度で加熱し、板材10の各計測位置(1)〜(6)におけるひずみ(伸び量)を計測した。なお、材料としてはTi−64、引張荷重は200MPaである。
その結果、金型2の頂部に近い計測位置(3),(4)においてひずみ量が多くなるとともに、全体のひずみ量は、加熱温度が高くなる程多くなり、金型2および板材10を全体的に熱間成形する場合に比べて、高応力、高温条件で材料を伸ばすことが可能であることが判明した。つまり、熱間成形よりも局所加熱による成形の方が、成形の自由度を高めるとともに、成形精度を向上させることができることが判明した。
ところで、予備成形を行う場合には、引張荷重を負荷されて金型2に押し付けられた板材10を加熱する以外に、多数の細かい鋼球を高圧空気によって高速で板材10の成形部分に叩き付けるショットピーニングによって圧延して伸ばしたり、図21〜図23に示すように、鋼球21や鋼ローラ22を高圧で押し当てながら転動させるバーニシングによって圧延して伸ばしたりしてもよい。このような場合には、予備成形部として、前述した第1の加熱部4Aの代わりにショットピーニング装置やバーニシング装置が板材成形装置1に備えられる。
このように、予め負荷された引張荷重によって板材に引張り応力が加わっている状態で、ショットピーニングやバーニシングを板材10に局所的に施すことにより、板材10の必要部分のみを容易に伸ばして予備成形ステップS5を短時間のうちに完了することができる。ショットピーニングやバーニシングは従前から用いられている技術であるため、新たな設備を増設する必要がなく、低コストにて行うことができる。なお、加熱、ショットピーニング、バーニシングのいずれの方法による場合も、板材10の伸ばしたくない領域にはマスキングを施すことにより、意図しない部分が伸ばされてしまうことを簡単に阻止できる。
板材10に引張荷重を負荷する場合は、一般には図24に示すように、板材10の両縁部にクランプ代25を設け、ここを板材成形装置1のクランプ5で把持して、均等な引張荷重で引っ張るが(図3参照)、図25に示すように、板材10の両縁部に少なくとも1本のスリット26を形成し、このスリット26を境にして引張荷重を異ならせてもよい。
こうすれば、金型2が複合曲面を有する場合に、その各曲面に合わせて引張荷重を最適な強度に個別に設定することができ、これによって予備成形ステップS5を容易に行うことができる。なお、スリット26の長さは、板材10の両縁部から部品部分の境目までとするのが好ましい。
なお、本発明は上記の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
例えば、金型2や板材10の形状等は本実施形態のものに限定されない。
また、負荷部としての油圧シリンダー7や、押圧部としての油圧シリンダー3は、別な構造にしても構わない。
要するに、板材10に引張荷重を負荷した状態で金型2に押しつけて湾曲成形しながら、その湾曲部を局所的に伸ばして金型2に密着させることができればよい。
1 板材成形装置
2 金型
3 油圧シリンダー(押圧部)
4A 第1の加熱部(予備成形部)
4B 第2の加熱部(本成形部)
5 クランプ
6 ヒンジ
7 油圧シリンダー(負荷部)
10 板材
10A 成形品
12 加熱ライン
26 スリット
PF 予備成形範囲(成形部分)
S3 押圧ステップ
S5 予備成形ステップ
S6,S7 密着検査・判定ステップ
S9 本成形ステップ

Claims (14)

  1. チタン系素材の板材に引張荷重を負荷した状態で、該板材の成形部分を、成形目標の曲率の複合曲面を有する金型に押し当てて湾曲成形する板材成形方法であって、
    前記板材に所定の引張り応力が発生するように引張荷重を負荷した状態で、前記成形部分を前記金型に押し当てて湾曲させる押圧ステップと、
    前記成形部分の、前記金型から浮いている部分が前記金型に密着するように、前記金型に密着している部分を局所的に伸ばす予備成形ステップと、
    前記板材が前記金型に密着したか否かを検査・判定する密着検査・判定ステップと、
    前記板材の全体を、その素材の塑性変形が生じ始め、かつ形状が変形する程の伸びが生じない温度で加熱して成形する本成形ステップと、
    を含むことを特徴とする板材成形方法。
  2. 前記予備成形ステップにおいて、前記板材の前記成形部分を、前記引張荷重によって生じる応力が、前記板材の素材の耐力を超え、且つ引張強さ未満となる温度で加熱して伸ばすことを特徴とする請求項1に記載の板材成形方法。
  3. 前記予備成形ステップにおいて、前記板材の前記成形部分のうち、前記金型の曲率半径が大きい部分に押し付けられる領域から優先的に前記板材を伸ばしていくことを特徴とする請求項1または2に記載の板材成形方法。
  4. 前記予備成形ステップにおいて、前記板材の前記成形部分を、ショットピーニングにより圧延して伸ばすことを特徴とする請求項1に記載の板材成形方法。
  5. 前記予備成形ステップにおいて、前記板材の前記成形部分を、バーニシングにより圧延して伸ばすことを特徴とする請求項1に記載の板材成形方法。
  6. 前記予備成形ステップにおいて、前記板材の、前記引張荷重が負荷される部分に少なくとも1本のスリットを形成し、このスリットを境にして前記引張荷重を異ならせることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の板材成形方法。
  7. 前記密着検査・判定ステップにおいて、前記板材の表面を叩き、その音を解析することにより、前記板材が前記金型に密着しているか否かを検査・判定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の板材成形方法。
  8. 前記密着検査・判定ステップにおいて、前記板材の表面を加熱し、その温度上昇率を解析することにより、前記板材が前記金型に密着しているか否かを検査・判定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の板材成形方法。
  9. 前記本成形ステップにおいて、前記板材のうち少なくとも前記成形部分を、互いに平行な複数の加熱ライン上で連続的または断続的に加熱して前記金型に馴染ませることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の板材成形方法。
  10. チタン系素材の板材に引張荷重を負荷する負荷部と、
    前記引張荷重が負荷された前記板材の成形部分を、成形目標の曲率の複合曲面を有する金型に押し当てる押圧部と、
    前記成形部分の、前記金型から浮いている部分が前記金型に密着するように、前記金型に密着している部分を伸ばす予備成形部と、
    前記板材のうち少なくとも前記成形部分を、その素材の塑性変形が生じ始め、かつ形状が変形する程の伸びが生じない温度で加熱して成形する本成形部と、
    を備えたことを特徴とする板材成形装置。
  11. 前記予備成形部は、前記板材の前記成形部分を、その素材の耐力が、該素材に負荷している引張荷重強により加わる応力よりも低くなる温度で加熱して伸ばす第1の加熱部であることを特徴とする請求項10に記載の板材成形装置。
  12. 前記予備成形部はショットピーニング装置であることを特徴とする請求項10に記載の板材成形装置。
  13. 前記予備成形部はバーニシング装置であることを特徴とする請求項10に記載の板材成形装置。
  14. 前記本成形部は、前記板材のうち少なくとも前記成形部分を、互いに平行な複数の加熱ライン上で連続的または断続的に加熱して前記金型に馴染ませる第2の加熱部であることを特徴とする請求項10に記載の板材成形装置。
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