JP2014072480A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】−40℃の低温での可撓性基板の褶曲変形を抑制することができ、これにより温度耐久性を向上させた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】太陽電池モジュールは、可撓性基板の上面に太陽電池セルが形成された太陽電池サブモジュールと、太陽電池サブモジュールの少なくとも太陽電池セルを封止する樹脂層と、太陽電池サブモジュールの太陽電池セル側に設けられた樹脂板の表面保護層と、太陽電池サブモジュールの可撓性基板の下面側に設けられた樹脂板の裏面保護層とを有する。樹脂層は、少なくとも表面保護層側が透明である。−40℃で可撓性基板に生じる圧縮応力が可撓性基板の降伏点よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、可撓性基板を備えた太陽電池モジュールに関し、特に、−40℃の低温での可撓性基板の褶曲変形を抑制することにより温度耐久性を向上させた太陽電池モジュールに関する。
光吸収により電流を発生する半導体の光電変換層を下部電極(裏面電極)と上部電極(透明電極)とで挟んだ積層構造の太陽電池セルを多数直列に接続して半導体回路を構成し、これを基板の上に形成した太陽電池サブモジュールがある。この太陽電池サブモジュールについて、水分等の進入による劣化を防ぐことを目的として、太陽電池セル等をEVA等の封止材で封止し、さらに水蒸気バリアフィルム、バックシート、保護部材を設けてモジュール化して太陽電池モジュールとしている。このような太陽電池モジュールでは、保護部材にガラス基板を用いるものが一般的であった。
今般、太陽電池モジュールの大型化に伴い、ガラス基板の代替として保護部材に樹脂板を用いて耐衝撃性と軽量化が図られている。しかしながら、保護部材に樹脂板を使用した場合、太陽電池モジュールに反りが発生して太陽電池セルが割れるという問題が生じるため、太陽電池モジュールの反りを抑える方法が種々提案されている(特許文献1〜3)。
特許文献1には、接着充填材で封止された、光吸収層がCIGS膜で構成された太陽電池サブモジュールの表面側に水蒸気バリアフィルム、第1の接着充填層および表面保護層が積層して設けられており、太陽電池サブモジュールの裏面側に第2の接着充填層および裏面保護層が積層して設けられた太陽電池モジュールが開示されている。表面保護層および裏面保護層のうち、少なくとも表面保護層がプラスチックシートで構成されており、このプラスチックシートは熱収縮率が0.04%以下である。
特許文献1では、表面保護層を構成するプラスチックシートを予め、温度100〜140℃で熱処理することにより、真空ラミネートする工程での反りの発生を抑制している。
また、特許文献2には、表面保護部材と裏面保護部材との間に、透明な封止材により封止された太陽電池セルが配置され、太陽電池セルの少なくとも受光面側の保護部材が透明となされた太陽電池モジュールが開示されている。表面保護部材及び裏面保護部材は厚み1.0mm以下の合成樹脂製の板状体が、封止材を形成する封止材形成用シートは厚み0.6mm以下の接着性合成樹脂シートが用いられ、表面保護部材と裏面保護部材とが同じ材質及び同じ厚みとなされると共に全体の厚みが3.0mm以下となされている。
このように、特許文献2では、表面保護部材と裏面保護部材とを同じ材質及び同じ厚みにすることで、全体の厚みが3.0mm以下にでき、保護部材の厚みが小さい場合でも反りおよび変形の恐れがないとされている。
特許文献3には、太陽電池セルが封入される封止部と、この封止部に固着されて、太陽光を入射させる透明板と、透明板に対向して配置されて封止部に固着されると共に、太陽光を太陽電池セルに向けて反射させる反射板とを備えた太陽電池モジュールについて、透明板におけるヤング率E1、断面二次モーメントI1、線膨脹係数α1と、封止部におけるヤング率E2、断面二次モーメントI2、線膨脹係数α2と、反射板におけるヤング率E3、断面二次モーメントI3、線膨脹係数α3を用いて、太陽電池モジュール全体の伸縮力(分母)に対する反射板の伸縮力(分子)の比を規定している。ここで、伸縮力というのは、反りの中立軸に対する各部材(透明板、封止部、反射板)の剛性(E×I)に線膨脹係数(α)を掛けた値である。
特許文献3では、上記規定により、適切な材料選択や厚み選択を可能にして、太陽電池モジュールの反りの発生を起き難くしている。
特開2012−94752号公報 特開2007−242677号公報 特開2010−205757号公報
上述の特許文献1〜3のように、太陽電池モジュールの反りを抑制するものが提案されている。しかしながら、本発明者は、太陽電池モジュールの反りを抑えた場合、特に、−40℃の低温環境下において、反りを抑えることで発生する内部応力が非常に大きくなり、太陽電池モジュールに可撓性基板を用いた場合、その可撓性基板が内部応力により褶曲変形するという問題点があることを見つけた。しかし、この問題点を解決する手立てがないのが現状である。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、−40℃の低温での可撓性基板の褶曲変形を抑制することができ、これにより温度耐久性を向上させた太陽電池モジュールを提供することにある。
上記目的を達成するために、可撓性基板の上面に太陽電池セルが形成された太陽電池サブモジュールと、太陽電池サブモジュールの少なくとも太陽電池セルを封止する樹脂層と、太陽電池サブモジュールの太陽電池セル側に設けられた樹脂板の表面保護層と、太陽電池サブモジュールの可撓性基板の下面側に設けられた樹脂板の裏面保護層とを有し、樹脂層は、少なくとも表面保護層側が透明であり、−40℃で可撓性基板に生じる圧縮応力が、可撓性基板の降伏点よりも小さいことを特徴とする太陽電池モジュールを提供するものである。
表面保護層および裏面保護層は、ポリカーボネート樹脂で構成されていることが好ましい。
例えば、可撓性基板は、金属基板であり、−40℃で可撓性基板に生じる圧縮応力が、100MPa以下であることが好ましい。
樹脂層は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂で構成することもできる。また、樹脂層は複数の樹脂を用いて構成することもできる。
また、樹脂層は、複数の樹脂材から構成されており、可撓性基板側に配置される樹脂材のヤング率が、表面保護層側および裏面保護層側に配置される樹脂材のヤング率よりも大きいことが好ましい。
本発明によれば、−40℃の低温での可撓性基板の褶曲変形を抑制することができ、温度耐久性に優れた太陽電池モジュールを提供することができる。
(a)は、太陽電池モジュールの解析モデルを示す模式図であり、(b)は、金属基板に生じる収縮量を示すグラフである。 SUS430基板の膜厚と圧縮応力との関係を示すグラフである。 (a)は、本発明の実施形態の太陽電池モジュールを示す模式的断面図であり、(b)は、図3(a)の太陽電池サブモジュールを示す模式的平面図である。 本発明の実施形態の太陽電池モジュールの太陽電池サブモジュールの一例を示す模式的断面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の太陽電池モジュールを詳細に説明する。
太陽電池モジュールは、所定の環境(温度範囲)で種々の性能を発揮することが要求されている。そこで、太陽電池モジュールをモデル化した図1(a)に示す解析モデル100を用いて、所定の温度に加熱した後に、−40℃まで降温し、その温度変化による可撓性の金属基板の影響を調べたところ、図1(b)に示す結果が得られた。なお、図1(b)の直線Aは、金属基板(可撓性の金属基板102)単体の収縮量を示す。
ここで、図1(a)に示す解析モデル100は、可撓性の金属基板102(可撓性基板)を透明樹脂層104で挟み、各透明樹脂層104に、ポリカーボネート製の保護層106(表面保護部材と裏面保護部材)を設けたものである。
金属基板102は、Al/SUSのクラッド材のAl表面に陽極酸化膜(皮膜)が形成されたものであり、詳細には、皮膜30μm/SUS/Alクラッド材(100μm)/皮膜30μmの構成である。この金属基板102単体の線膨脹係数は10ppm/℃である。保護層106には、厚さが1mmのポリカーボネート板を用いた。この保護層106の線膨脹係数は約70ppm/℃である。透明樹脂層104には、厚さが900μmのEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)を用いた。太陽電池モジュールにおいては、解析モデル100以外にも水蒸気バリアフィルム等を有する。しかし、温度変化に伴う収縮量は、保護層、透明樹脂層が支配的であるため、解析モデル100では水蒸気バリアフィルムを省略している。
図1(b)に示すように、解析モデル100では、温度140℃から−40℃に降温したときが最も収縮量が大きい。−40℃における解析モデル100での金属基板の収縮量は、透明樹脂層104(封止材)にヤング率に起因する傾きと、透明樹脂層104(封止材)の軟化点に起因する傾き開始点で決まる。
金属基板単体の収縮量と解析モデル100の状態での金属基板102の収縮量の差が小さい場合、金属基板に変形は生じない。一方、収縮量の差が大きく、許容範囲を超える場合、金属基板は褶曲変形する。金属基板の変形の発生は、モジュール化した可撓性の金属基板102に発生する圧縮応力の大きさにより支配されている。圧縮応力の大きさが可撓性の金属基板102の降伏点よりも小さければ褶曲変形は生じないことを、本発明者は確認している。
このように、本発明では、−40℃の低温環境下において太陽電池モジュールの可撓性の金属基板に生じる圧縮応力を、可撓性の金属基板の降伏点よりも小さくすることにより、可撓性の金属基板の褶曲変形を抑制できることを知見した。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
本発明において、降伏点とは、降伏応力のことも含む。また、降伏点が生じないものについては0.2%耐力を降伏点とする。
なお、本発明において、−40℃を考慮するのは、IEC61646の10.11(Thermal cycling test)、IEC61646の10.12(Humidity freeze test)にて規定された信頼評価項目によるものである。
さらに、図1(a)に示す解析モデル100の金属基板102に、可撓性の金属基板の基材となるSUS430基板(ヤング率200GPa)を用いて、SUS430基板の膜厚と褶曲変形が発生する応力との関係について調べた。その結果を図2に示す。なお、解析モデル100の大きさは30cm×30cmとした。
保護層に用いられるポリカーボネート樹脂と、その間に挟まれる可撓性の金属基板は線膨張係数の差が、約60ppm/℃と大きい。そのため、モジュール化後の可撓性の金属基板の線膨張係数はポリカーボネート樹脂の影響を受け、本来よりも大きな熱膨張係数を示す。モジュール化直後、すなわち、ラミネート温度の140℃が可撓性の金属基板の圧縮応力が0MPa点であり、低温に進むにつれて圧縮応力が大きくなる。
図2に示すように、可撓性の金属基板の基材となるSUS430基板の膜厚が50μmでは圧縮応力が100MPa以下であれば、褶曲変形が生じない。膜厚が100μmでは圧縮応力が450MPa以下であれば、褶曲変形が生じない。膜厚が150μmでは圧縮応力が1000MPaであっても褶曲変形が生じない。
なお、圧縮応力は以下の方法に基づいて測定した。
まず、金属基板上に任意に設定された2点間距離の温度依存性を測定し、金属基板の線膨張係数を見積もる。
そして、金属基板をモジュール化した後、透明な表面保護部材側から、再度金属基板上に任意に設定された2点間距離の温度依存性を測定し、モジュール化後の金属基板線膨張係数を見積もる。
そして、ラミネート温度の140℃を、モジュール化後の金属基板の圧縮応力が0MPa点となる温度とし、以下の関係式より圧縮応力を見積もる。
(関係式)
圧縮応力(MPa)=SUS430ヤング率(MPa)×−40℃でのモジュール前後の線膨張率差(ppm/℃)×[140℃−(−40℃)]
本発明において、圧縮応力は、以上の方法で測定されたものである。
以下、本発明の実施形態の太陽電池モジュールについて、具体的に説明する。
図3(a)は、本発明の実施形態の太陽電池モジュールを示す模式的断面図であり、(b)は、図3(a)の太陽電池サブモジュールを示す模式的平面図である。
図3(a)に示す太陽電池モジュール10は、太陽電池サブモジュール12と、周縁シール材14と、充填材16と、水蒸気バリアフィルム18と、樹脂板の表面保護層28と、樹脂板の裏面保護層30とを有する。
太陽電池サブモジュール12は、可撓性基板20とこの可撓性基板20の上面に形成された光電変換素子22とを有する。可撓性基板20および光電変換素子22の詳細については後で説明する。
図3(b)に示すように、可撓性基板20上面の周縁部23には、光電変換素子22が形成されておらず、周縁部23に周縁シール材14が光電変換素子22を囲むように配置される。
図3(a)に示すように、周縁シール材14で囲まれた領域Dが充填材16で充填されており、充填材16は周縁シール材14の上面14aまで充填されている。水蒸気バリアフィルム18が周縁シール材14の上面14aに,充填材16で埋められた周縁シール材14で囲まれた領域Dを覆うようにして設けられている。
ここで、水蒸気バリアフィルム18は、後に詳細に説明するが、透明樹脂からなる支持体24と、この支持体24上に形成された水蒸気バリア層26とを有するものである。水蒸気バリアフィルム18は、支持体24を周縁シール材14側にして配置される。
水蒸気バリアフィルム18の表面18a(水蒸気バリア層26の表面)に第1樹脂層29aを介して樹脂板の表面保護層28が設けられている。樹脂板の表面保護層28は、光電変換素子22側に設けられている。
太陽電池サブモジュール12の下面12a(可撓性基板20の下面)に第2樹脂層29bを介して樹脂板の裏面保護層30が設けられている。
太陽電池サブモジュール12の光電変換素子22には、表面保護層28側からの光が入射される。なお、表面保護層28側のことを単に表面側ともいう。
太陽電池モジュール10は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、太陽電池サブモジュール12を用意する。次に、太陽電池サブモジュール12の背面電極、または可撓性基板20の最表面が露出した周縁部23に周縁シール材14を配置し、この周縁シール材14で囲まれた領域Dに、充填材16を周縁シール材14の上面14aに達するまで充填する。そして、水蒸気バリアフィルム18を、支持体24を周縁シール材14側に向けて配置する。さらに、水蒸気バリアフィルム18の表面18a(水蒸気バリア層26の表面)に第1樹脂層29aを介して表面保護層28を配置し、太陽電池サブモジュール12の下面12a(可撓性基板20の下面)に第2樹脂層29bを介して裏面保護層30を配置する。このように積層した状態で、例えば、昇降手段、緩衝板、および加熱手段を有する真空ラミネータを用いて、例えば、温度130〜150℃で、真空/プレス/保持のトータル15〜30分の条件で真空ラミネートをする。これにより、図3(a)に示す太陽電池モジュール10を製造することができる。
ここで、太陽電池モジュール10の可撓性基板20が、解析モデル100の可撓性の金属基板102に相当し、太陽電池モジュール10の充填材16、第1樹脂層29aおよび第2樹脂層29bが解析モデル100の透明樹脂層104に相当し、太陽電池モジュール10の表面保護層28および裏面保護層30が、解析モデル100のポリカーボネート製の保護層106に相当する。
太陽電池モジュール10においては、樹脂板の表面保護層28および樹脂板の裏面保護層30と、可撓性基板とは線膨張係数の差が大きい。このため、上述の解析モデル100と同じく、モジュール化後の可撓性基板20の線膨張係数は樹脂板の表面保護層28および裏面保護層30の影響を受け、本来よりも大きな熱膨張係数を示す。モジュール化の際に加熱され、その温度から降温されると、徐々に圧縮応力が大きくなる。
しかしながら、上述の本発明者の知見から、−40℃の低温で可撓性基板20に生じる圧縮応力を、可撓性基板20の降伏点よりも小さくすることにより、−40℃の低温での可撓性基板の褶曲変形を抑制することができる。これにより、太陽電池モジュール10の温度耐久性を向上させることができる。さらには、太陽電池モジュール10の反りも抑制される。
本発明では、充填材16、第1樹脂層29aおよび第2樹脂層29bと、可撓性基板20との組み合わせにより、可撓性基板20に生じる圧縮応力を降伏点よりも小さくすることができる。
以下、太陽電池モジュール10の各構成について説明する。
周縁シール材14は、光電変換素子22への太陽電池モジュール10の外部からの水分進入を抑制し、太陽電池モジュール10の性能低下を防止するものである。特に、太陽電池サブモジュール12に、CISまたはCIGS等を光電変換層に用いた場合、水分により性能劣化しやすいが、これを抑制することができる。
周縁シール材14は、例えば、ポリイソブチレン(PIB)、アイオノマー(Ionomer)、TPU(熱可塑性エラストマー)、PVB(ポリビニルブチラール)、TPO(オレフィン系エラストマー)などを主材料とするのが好ましい。これら主材料にタルク(含水珪酸マグネシウム)、酸化カルシウムなどの吸湿材を含んでもよい。このような材料としては、上記の材料ポリイソブチレン(PIB)、アイオノマー、TPU、PVB、TPOの単体、ポリイソブチレンとタルク、酸化マグネシウムの混合物が好ましい。
ここで、水蒸気バリアフィルム18の支持体24は、後述するようにPET等の樹脂フィルムで構成される。例えば、PETは、水蒸気透過率(WVTR)が5g/m/dayであり、これよりも十分低い水蒸気透過率(WVTR)でなければ、周縁シール材14が水分進入経路になってしまう。このことを防ぐために、周縁シール材14は、水蒸気透過率(WVTR)に関しては、上記に示したようないずれの材料でも、支持体24を構成するPET等の樹脂フィルムの水蒸気透過率(WVTR)の半分以下である2.0g/m/day以下とすることが好ましい。これにより、周縁シール材14から電子デバイス12の電子素子22への水分の影響を抑制することができる。
充填材16は、太陽電池サブモジュール12のうち、少なくとも光電変換素子22を封止するものであり、樹脂材で構成される。図3(a)では、充填材16は、周縁シール材14で囲まれた光電変換素子22を封止している。なお、充填材16は、特に限定されるものではなく、太陽電池サブモジュール12を全て封止するものであってもよい。
充填材16は、光電変換素子22に光が入射できるように、光電変換素子22側が透明であれば、それ以外の部分が不透明であってもよい。
ここで、透明とは、透過率として、波長400〜1400nmの全光線透過率が85%であることが好ましく、さらに好ましくは90%以上であることをいう。
充填材16には、例えば、EVA樹脂、スチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレン樹脂(以下、SBBS樹脂ともいう)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン樹脂(SEBS樹脂)、ポリオレフィン樹脂、およびアクリル樹脂等を用いることができる。
第1樹脂層29aおよび第2樹脂層29bについて、−40℃で可撓性基板20に生じる圧縮応力が可撓性基板20の降伏点よりも小さくなるようにするために、例えば、EVA樹脂、およびSBBS樹脂とEVA樹脂の積層等を用いることができる。
第1樹脂層29aを複数の樹脂材からなる積層構造としたとき、第1樹脂層29aでは、可撓性基板20側に配置される樹脂材のヤング率が、表面保護層28側に配置される樹脂材のヤング率よりも大きいことが好ましい。また、第2樹脂層29bを複数の樹脂材からなる積層構造としたとき、第2樹脂層29bでも、可撓性基板20側に配置される樹脂材のヤング率が、裏面保護層30側に配置される樹脂材のヤング率よりも大きいことが好ましい。第1樹脂層29aおよび第2樹脂層29bを積層構造とした場合には、可撓性基板20側の樹脂材のヤング率を他の樹脂材のヤング率よりも大きくすることが好ましい。このような構成にすることにより、可撓性基板20に生じる圧縮応力を降伏点よりも小さくしやすくなり、褶曲変形の発生をより一層抑制することができる。
水蒸気バリアフィルム18は、太陽電池サブモジュール12、特に光電変換素子22を水分から保護するためのものである。
水蒸気バリアフィルム18において、透明樹脂で構成される支持体24は、例えば、PETフィルム、PENフィルム等の各種の樹脂フィルム(プラスチックフィルム)が用いられる。
透明樹脂とは、透過率として、波長400〜1400nmの全光線透過率が85%であることが好ましく、さらに好ましくは90%以上である。
また、支持体24の厚さを250μm以下とすることにより、水蒸気透過率を小さくすることができる。このため、支持体24の厚さは250μm以下であることが好ましい。
水蒸気バリア層26は、少なくとも1層以上の無機化合物の層(以下、無機層ともいう)により構成され、これにより、水蒸気バリア性を発現する。なお、無機層は、支持体24、または後述する有機膜との界面付近では酸化されてもよい。
水蒸気バリア層26の無機層は、ダイヤモンド様化合物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物または金属酸化炭化物等の無機化合物により構成される。また、上記無機化合物は、例えば、ダイヤモンド様炭素(DLC)、ケイ素を含むダイヤモンド様炭素、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、CeもしくはTaから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、または酸化炭化物等が例示される。
これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、およびTiから選ばれる金属の酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましく、特に、SiもしくはAlの金属酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましい。これらの無機層は、例えば、プラズマCVD法、スパッタリング法等によって成膜される。
また、水蒸気バリアフィルム18としては、例えば、PETフィルム、PENフィルム等の各種の樹脂フィルムの支持体24上に下地層としての有機化合物の層(以下、有機層ともいう)を形成され、この有機層上に、上述の無機層が形成された構成でもよい。このような構成の水蒸気バリアフィルム18によれば、より高い水蒸気バリア性を得ることができる。さらに、水蒸気バリアフィルム18としては、支持体24上に、水蒸気バリア層26として有機層、無機層および有機層を積層する構成であってもよい。
なお、下地層となる有機化合物としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、メタクリル酸―マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、またはフルオレン環変性ポリエステル等が例示される。これらのうち、特に、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂が好ましい。
このような有機層は、例えば、ロールコート法、スプレーコート法などの公知の塗布手段を用いる塗布法、フラッシュ蒸着法等によって成膜される。
また、水蒸気バリアフィルム18において、必要な透明性を確保することができれば、水蒸気バリアフィルム18の表面および裏面の少なくとも一方に、密着層、平坦化層、反射防止層等の各種の機能を発現する層が1層以上、形成されていてもよい。
表面保護層28は、太陽電池モジュール10を屋外に設置した場合、雨、雹、あられ、雪、石等がぶつかることがあるが、これらによって外部から加わる外力、衝撃等から太陽電池サブモジュール12を保護するものである。また、表面保護層28は、汚れ等から太陽電池モジュール10を保護するとともに、汚れ等による太陽電池サブモジュール12への入射光量の低下を抑制するものである。
裏面保護層30は、太陽電池モジュール10を裏側から保護するものである。
表面保護層28および裏面保護層30は、樹脂板で構成されるものであるが、例えば、ポリカーボネート樹脂、FRP(繊維強化プラスチック)等で構成される。
なお、表面保護層28および裏面保護層30の厚さは、例えば、0.5〜2.5mmであり、好ましくは1.0〜2.0mmである。
表面保護層28および裏面保護層30の厚さが0.5mm未満では、外部から加わる外力、衝撃等から太陽電池サブモジュール12を十分に保護することができない。一方、表面保護層28および裏面保護層30の厚さが2.5mmを超えると、真空ラミネート時に上下方向で温度分布が大きくなり、太陽電池モジュール10が反ってしまうことがある。また、材料コストからも薄いほうが望ましい。
次に、太陽電池サブモジュール12について、図4を参照して詳細に説明する。
図4に示す太陽電池サブモジュール12は、可撓性基板20の上面に、積層構造を有する太陽電池セル50が複数、直列接合されて光電変換素子22が形成されている。太陽電池セル50は、下部電極(背面電極)52、CIGSの半導体化合物からなる光電変換層54、バッファ層56および上部電極(透明電極)58が積層されている。また、太陽電池サブモジュールは第1の導電部材62と第2の導電部材64とを有する。
可撓性基板20は、例えば、基材40と、Al(アルミニウム)基材42と、絶縁層44とから構成される金属基板である。
基材40とAl基材42とは、一体的に形成されている。さらに、絶縁層44は、Al基材42の表面を陽極酸化してなる、Alのポーラス構造の陽極酸化膜である。なお、基材40とAl基材42とが積層されて一体化されたクラッド基材を金属基材43という。
可撓性基板20は、例えば、平板状であり、その形状および大きさ等は太陽電池サブモジュールの大きさ等に応じて適宜決定される。
太陽電池サブモジュール12においては、可撓性基板20を構成する(金属)基材40は、炭素鋼、耐熱鋼、またはステンレス鋼が用いられる。
炭素鋼は、例えば、炭素含有量が0.6質量%以下の機械構造用炭素鋼が用いられる。機械構造用炭素鋼としては、例えば、一般的にSC材と呼ばれるものが用いられる。
また、ステンレス鋼(約10ppm/℃)としては、SUS430、SUS405、SUS410、SUS436、SUS444等を用いることができる。これ以外にも、一般的にSPCC(冷間圧延鋼板)と呼ばれるものが用いられる。さらには、コバール合金(5ppm/℃)、チタンまたはチタン合金を用いてもよい。チタンとしては、純Ti(9.2ppm/℃)が用いられ、チタン合金としては、展伸用合金であるTi−6Al−4V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Snが用いられる。
基材40の厚さは、可撓性に影響するので、過度の剛性不足を伴わない範囲で薄くすることが好ましい。可撓性と強度(剛性)とのバランス、ハンドリング性等を考慮し、可撓性基板20が可撓性を有するものとするためには、基材40の厚さは、例えば、10〜800μmであり、好ましくは30〜300μmである。より好ましくは50〜150μmである。基材40の厚さを薄くすることは、原材料コストの面からも望ましく、表面に形成した層のクラック発生曲げ半径も小さくできる。
Al基材42は、Alを主成分とするものであり、主成分がアルミニウムとは、アルミニウム含有量が90質量%以上であることをいう。Al基材42には、AlおよびAl合金が、各種、利用可能である。
Al基材42には、例えば、アルミニウムハンドブック第4版(軽金属協会(1990))に記載の公知の素材のもの、具体的には、JIS1050材、JIS1100材などの1000系合金、JIS3003材、JIS3004材、JIS3005材などの3000系合金、JIS6061材、JIS6063材、JIS6101材などの6000系合金、国際登録合金3103A等を用いることができる。
特に、不純物の少ない、99質量%以上の純度のAlであることが好ましい。純度としては、例えば、99.99質量%Al、99.96質量%Al、99.9質量%Al、99.85質量%Al、99.7質量%Al、99.5質量%Al等が好ましい。
また、高純度Alではなくても、工業用Alも利用可能である。工業用Alを用いることにより、コストの点で有利である。ただし、絶縁層44の絶縁性の点で、Al中にSiが析出していないことが重要である。
Al基材42の厚さは、特に限定はなく、適宜、選択できるが、太陽電池サブモジュール12となった状態において、0.1μm以上であり、かつ基材40の厚さ以下であるのが好ましい。なお、Al基材42は、Al表面の前処理、陽極酸化による絶縁層44の形成、光電変換層54の成膜時のAl基材42と基材40との面における金属間化合物の生成等によって、厚さが、減少する。従って、後述するAl基材42の形成時における厚さは、これらに起因する厚さ減少を加味して、太陽電池サブモジュール12となった状態で、基材40と絶縁層44との間にAl基材42が残存している厚さとすることが、重要である。このため、Al基材42の厚さとしては、陽極酸化による絶縁層を形成するため10〜50μm必要とされる。
また、絶縁層44の表面44aの表面粗さは、例えば、算術平均粗さRaで1μm以下であり、好ましくは、0.5μm以下、より好ましくは、0.1μm以下である。
Al基材42の上(基材40と反対側面)に絶縁層44が形成される。
ここで、絶縁層44を構成するポーラス構造の陽極酸化膜は、数10nmの細孔を有する酸化アルミナ被膜であり、被膜のヤング率が低いことにより、曲げ耐性や高温時の熱膨張差により生じるクラック耐性が高いものとなる。
絶縁層44の厚さは2μm以上が好ましく、5μm以上がさらに好ましい。絶縁層44の厚さが過度に厚い場合、可撓性が低下すること、および絶縁層44の形成に要するコスト、時間がかかるため好ましくない。現実的には、絶縁層44の厚さは、最大50μm以下、好ましくは30μm以下である。このため、絶縁層44の好ましい厚さは、2〜50μmである。
太陽電池サブモジュール12では、可撓性基板20として、例えば、厚さ50〜200μmの金属基材43上に、陽極酸化により複数の細孔を有する絶縁層44(絶縁性酸化膜)が形成されたものであり、高い絶縁性が確保されている。
可撓性基板20は、Al基材42を陽極酸化して絶縁層44を形成した後、特定の封孔処理をしてもよい。その製造工程には、必須の工程以外の各種の工程が含まれていてもよい。例えば、付着している圧延油を除く脱脂工程、Al基材42の表面のスマットを溶解するデスマット処理工程、Al基材42の表面を粗面化する粗面化処理工程、Al基材42の表面に陽極酸化皮膜を形成させる陽極酸化処理工程および陽極酸化皮膜のマイクロポアを封孔する封孔処理を経て可撓性基板20とすることが好ましい。
なお、可撓性基板20は、基材40、Al基材42および絶縁層44の全てを、可撓性を有するもの、すなわち、フレキシブルなものとすることにより、可撓性基板20全体として、フレキシブルなものになる。これにより、例えば、ロールツーロール方式で、可撓性基板20の絶縁層44側に、後述するアルカリ供給層、下部電極、光変換層および上部電極等を形成することができる。
例えば、各製膜工程の合間に素子を分離、集積させるためのスクライブ工程をロールツーロール方式での製造に加えることで複数の太陽電池セル50を電気的に直列接続させた光電変換素子22を作製することができる。
可撓性基板20については、基材40の一面のみにAl基材42および絶縁層44を形成するのに限定はされず、基材40の両面にAl基材42が形成され、一方のAl基材42に絶縁層44が形成されたもの、または基材40の両面にAl基材42および絶縁層44を形成したものを基板としてもよい。可撓性基板20としては、Al層が単層、すなわち、Al基板に上述の陽極酸化膜により構成される絶縁層が設けられたものであってもよい。また、可撓性基板20としては、Al基材以外の単層構造であってもよく、陽極酸化により金属基板表面上に生成する金属酸化膜が絶縁体である材料を利用することができる。具体的には、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)等、並びにそれらの合金を用いることができる。
また、可撓性基板20としては、耐熱性向上のために軟鋼、ステンレス鋼等の鉄鋼板上に上記金属の層を圧延または溶融メッキにより形成した所謂、クラッド材であっても良い。
このように、可撓性基板20は、金属、合金および酸化物等から構成されるものであり、これらの性質および膜厚から水蒸気を透過するものではない。
ここで、絶縁層44(可撓性基板20)と下部電極52との間、すなわち、絶縁層44の表面44aに、光電変換層54へのアルカリ金属の供給源として、アルカリ供給層60が形成されている。このアルカリ供給層60は光電変換素子22に含まれる。
アルカリ金属、特にNaが、CIGSからなる光電変換層54に拡散されると光電変換効率が高くなることが知られている。
このアルカリ供給層60は、光電変換層54にアルカリ金属を供給するための層であり、アルカリ金属を含む化合物の層である。絶縁層44と下部電極52との間に、このようなアルカリ供給層60を有することにより、光電変換層54の成膜時に、下部電極52を通してアルカリ金属が光電変換層54に拡散し、光電変換層54の変換効率を向上することができる。
アルカリ供給層60は、特に限定されるものではないが、液相法によって形成されたものが最も好ましい。以下、液相法により形成されたアルカリ供給層60について詳細に説明する。アルカリ供給層60は、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩層である。
アルカリ金属ケイ酸塩層のアルカリ金属は、ナトリウムであることが好ましく、リチウムとナトリウム、またはカリウムとナトリウムのように、ナトリウムと、リチウムまたはカリウムの2種を含むことがより好ましい。このようにナトリウムとリチウムまたはカリウムを併用することにより絶縁性を高くすることができ、発電効率を上げることができる。
液相法で形成するアルカリ金属ケイ酸塩層のケイ素源及びアルカリ金属源としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムが好ましく挙げられる。ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムの製法は、湿式法、乾式法などが知られており、酸化ケイ素を、それぞれ水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムで溶解するなどの手法によって作製することができる。また、種々のモル比のアルカリ金属ケイ酸塩が市販されており、これを利用することもできる。
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムとしては、種々のモル比のケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムが市販されている。ケイ素とアルカリ金属の割合を示す指標として、SiO/AO(A:アルカリ金属)のモル比がしばしば用いられている。例えば、ケイ酸リチウムとしては、日産化学工業株式会社のリチウムシリケート35、リチウムシリケート45、リチウムシリケート75などがある。ケイ酸カリウムとしては、1号ケイ酸カリウム、2号ケイ酸カリウムなどが市販されている。
ケイ酸ナトリウムとしては、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、1号ケイ酸ナトリウム、2号ケイ酸ナトリウム、3号ケイ酸ナトリウム、4号ケイ酸ナトリウムなどが知られており、ケイ素のモル比を数十まで高めた高モルケイ酸ナトリウムも市販されている。
アルカリ金属として、ナトリウムと、リチウムまたはカリウムの2種を含む場合には、ケイ酸ナトリウムとケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムのように2種を供給源として用いてもよいし、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩層がケイ酸リチウムとケイ酸ナトリウムを含む場合には、ケイ酸リチウムと水酸化ナトリウム、または水酸化リチウムとケイ酸ナトリウムとを、アルカリ金属ケイ酸塩層がケイ酸カリウムとケイ酸ナトリウムを含む場合には、水酸化カリウムとケイ酸ナトリウム、またはケイ酸カリウムと水酸化ナトリウムとを、それぞれ水と任意の比率で混合することによっても、ケイ酸リチウムとケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウムとケイ酸ナトリウムを含むアルカリ金属ケイ酸塩層を作製することができる。また、供給源として、それぞれ、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩を添加してもよい。例えば、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物などが用いられる。
上述のケイ素源及びアルカリ金属源を、それぞれ水と任意の比率で混合することにより、本発明のアルカリ金属ケイ酸塩層の塗布液を得ることができる。水の添加量を変更することにより塗布液の粘度を調整し、適切な塗布条件を定めることができる。塗布液を基板上に塗布する方法としては特に限定されるものではなく、例えば、ドクターブレード法、ワイヤーバー法、グラビア法、スプレー法、ディップコート法、スピンコート法およびキャピラリーコート法等の手法を用いることができる。
塗布液を基板上に塗布した後、熱処理を行うことによりアルカリ金属ケイ酸塩層を作製することができるが、この際の熱処理を大気圧より低い圧力下、好ましくは全圧1×10Pa以下、より好ましくは全圧1×10Pa以下、さらに好ましくは1Pa以下、特に好ましくは1×10−2Pa以下の雰囲気下である。
熱処理後のアルカリ金属ケイ酸塩層の厚さは0.01〜2μm、好ましくは0.05〜1.5μm、さらには0.1〜1μmであることが好ましい。アルカリ金属ケイ酸塩層の厚さが2μmよりも厚くなると、熱処理時のアルカリ金属ケイ酸塩の収縮量が大きくなってクラックが発生しやすくなるため、好ましくない。
なお、アルカリ金属ケイ酸塩層はホウ素を含んでもよく、ホウ素はケイ素−酸素からなるガラスネットワークに取り込まれて均一なガラスを形成する。これによって、ガラスのミクロな構造が変化し、ガラス中でのアルカリ金属イオンの安定性が向上するために、アルカリ金属イオンの遊離が抑制され、アルカリ金属イオンの表面への偏析が起こらなくなるものと推定される。従って、アルカリ金属ケイ酸塩層は、ホウ素と、ケイ素と、アルカリ金属が単一層として形成されるものであり、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩層の表面にホウ素を含む層が形成されているようなものは含まない。
ホウ素源としては、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩が挙げられる。
以上のように、アルカリ供給層60としては、珪酸ナトリウム(NaO・nSiO・xHO n=3〜3.3)、リチウムシリケート、ホウ酸(HBO)を焼成し、Naを含むガラス層(液相ガラス層)を形成することが最も好ましい。
また、液相法によって形成されたもの以外に、スパッタ法を用いて、ソーダライムガラススパッタ層をアルカリ供給層60として形成してもよい。
また、アルカリ供給層60には、限定はなく、NaO2、Na2S、Na2Se、NaCl、NaF、モリブデン酸ナトリウム塩など、アルカリ金属を含む化合物(アルカリ金属化合物を含む組成物)を主成分とするものが、各種、利用可能である。特に、SiO2(酸化ケイ素)を主成分としてNaO2(酸化ナトリウム)を含む化合物であるのが好ましい。
なお、SiOとNaOの化合物は、耐湿性に乏しく、Na成分が分離して炭酸塩になり易いので、Caを添加した金属成分はSi−Na−Caの3成分とした酸化物がより好ましい。
なお、本発明においては、光電変換層54へのアルカリ金属供給源は、アルカリ供給層60のみに限定はされない。
例えば、絶縁層44が、前述のポーラス型の陽極酸化膜である場合には、アルカリ供給層60に加え、絶縁層44のポーラスの中にもアルカリ金属を含む化合物を導入して、光電変換層54へのアルカリ金属供給源としてもよい。あるいは、特にアルカリ供給層60を有さず、絶縁層44のポーラスの中のみにアルカリ金属を含む化合物を導入して、光電変換層54へのアルカリ金属供給源としてもよい。
一例として、スパッタリングによってアルカリ供給層60を成膜した場合には、絶縁層44中にはアルカリ金属を含む化合物が存在しない、アルカリ供給層60のみを成膜することができる。また、絶縁層44はポーラス型陽極酸化膜であり、かつ、アルカリ供給層60をゾルゲル反応や珪酸Na水溶液の脱水乾燥によって成膜した場合には、アルカリ供給層60のみならず、絶縁層44のポーラス層中にもアルカリ金属を含む化合物を導入して、絶縁層44およびアルカリ供給層60の両者を、光電変換層54へのアルカリ金属供給源とすることができる。
太陽電池サブモジュール12において、下部電極52は、隣り合う下部電極52と所定の間隙(P1)53を設けて配列されて、アルカリ供給層60の上に形成されている。また、各下部電極52の間隙53を埋めつつ、光電変換層54が下部電極52の上に形成されている。この光電変換層54の表面にバッファ層56が形成されている。
光電変換層54とバッファ層56とは、下部電極52の上で、所定の間隙(P2)57を設けて配列される。なお、下部電極52の間隙53と、光電変換層54(バッファ層56)との間隙57は、太陽電池セル50の配列方向の異なる位置に形成される。
さらに、光電変換層54(バッファ層56)の間隙57を埋めるように、バッファ層56の表面に上部電極58が形成されている。
上部電極58、バッファ層56および光電変換層54は、所定の間隙(P3)59を設けて配列される。また、この間隔59は、前記下部電極52の間隙と、光電変換層54(バッファ層56)との間隙とは異なる位置に設けられる。
太陽電池サブモジュール12において、各太陽電池セル50は、下部電極52と上部電極58により、可撓性基板20の長手方向(矢印L方向)に、電気的に直列に接続されている。
下部電極52は、例えば、Mo膜で構成される。光電変換層54は、光電変換機能を有する半導体化合物、例えば、CIS膜、CIGS膜で構成される。さらに、バッファ層56は、例えば、CdSで構成され、上部電極58は、例えば、ZnOで構成される。
なお、太陽電池セル50は、可撓性基板20の長手方向Lと直交する幅方向に長く伸びて形成されている。このため、下部電極52等も可撓性基板20の幅方向に長く伸びている。
図4に示すように、右端の下部電極52上に第1の導電部材62が接続されている。この第1の導電部材62は、後述する負極からの出力を外部に取り出すためのものである。
第1の導電部材62は、例えば、細長い帯状の部材であり、可撓性基板20の幅方向に略直線状に伸びて、右端の下部電極52上に接続されている。また、図4に示すように、第1の導電部材62は、例えば、銅リボン62aがインジウム銅合金の被覆材62bで被覆されたものである。この第1の導電部材62は、例えば、超音波半田により下部電極52に接続される。あるいは第1の導電部材62は、銅箔にIn−Snを溶融メッキし、エンボス構造を有する導電テープであってもよく、この導電テープはローラーによる圧着により下部電極52に貼り合せることにより接続される。
他方、左端の下部電極52上には、第2の導電部材64が形成される。
第2の導電部材64は、後述する正極からの出力を外部に取り出すためのもので、第1の導電部材62と同様に細長い帯状の部材であり、可撓性基板20の幅方向に略直線状に伸びて、左端の下部電極52に接続されている。
第2の導電部材64は、第1の導電部材62と同様の構成のものであり、例えば、銅リボン64aがインジウム銅合金の被覆材64bで被覆されたものであるが、第1の導電部材62と同様に導電テープにより接続してもよい。
なお、第1の導電部材62および第2の導電部材64は、モジュール化の際に外部に延出され、端子等に接続される。
図4に示す太陽電池サブモジュール12において、長手方向Lの端部で露出されている下部電極52が、図3(b)に示す周縁部23に相当し、ここに周縁シール材14が設けられる。なお、周縁シール材14は、下部電極52上ではなく、下部電極52をスクライブ等により除去してアルカリ供給層60の表面60a上に設けてもよい。さらには、下部電極52およびアルカリ供給層60をスクライブ等により除去し、絶縁層44の表面44aに周縁シール材14を設けてもよい。いずれの場合でも、周縁シール材14との良好な密着性が得られ、太陽電池モジュール10内部への水分の進入を抑制することができる。
太陽電池サブモジュール12では、太陽電池セル50に、上部電極58側から光が入射されると、この光が上部電極58およびバッファ層56を通過し、光電変換層54で起電力が発生し、例えば、上部電極58から下部電極52に向かう電流が発生する。なお、図4に示す矢印は、電流の向きを示すものであり、電子の移動方向は、電流の向きとは逆になる。このため、光電変換部48では、図4中、左端の下部電極52が正極(プラス極)になり、右端の下部電極52が負極(マイナス極)になる。
太陽電池サブモジュール12で発生した電力を、第1の導電部材62と第2の導電部材64から、太陽電池サブモジュール12の外部に取り出すことができる。
ここで、第1の導電部材62が負極であり、第2の導電部材64が正極である。また、第1の導電部材62と第2の導電部材64とは極性が逆であってもよく、太陽電池セル50の構成、太陽電池サブモジュール12構成等に応じて、適宜変わるものである。
また、各太陽電池セル50を、下部電極52と上部電極58により可撓性基板20の長手方向Lに直列接続されるように形成したが、これに限定されるものではない。例えば、各太陽電池セル50が、下部電極52と上部電極58により幅方向に直列接続されるように、各太陽電池セル50を形成してもよい。
下部電極52および上部電極58は、いずれも光電変換層54で発生した電流を取り出すためのものである。下部電極52および上部電極58は、いずれも導電性材料からなる。光入射側の上部電極58は透光性を有する必要がある。
下部電極52は、例えば、Mo、Cr、またはW、およびこれらを組合わせたものにより構成される。この下部電極52は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。下部電極52は、Moで構成することが好ましい。
下部電極52は、厚さが100nm以上であることが好ましく、0.45〜1.0μmであることがより好ましい。
また、下部電極52の形成方法は、特に制限されるものではなく、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法により形成することができる。
上部電極58は、例えば、Al、B、Ga、In、Sb等が添加されたZnO、ITO(インジウム錫酸化物)やSnO、および、これらを組合わせたものにより構成される。この上部電極58は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。また、上部電極58の厚さは、特に制限されるものではなく、0.3〜1μmが好ましい。
また、上部電極58の形成方法は、特に制限されるものではなく、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の気相成膜法または塗布法により形成することができる。
バッファ層56は、上部電極58の形成時の光電変換層54を保護すること、上部電極58に入射した光を光電変換層54まで透過させるために形成されている。
このバッファ層56は、例えば、CdS、ZnS、ZnO、ZnMgO、またはZnS(O、OH)およびこれらの組合わせたものにより構成される。
バッファ層56は、厚さが、0.03〜0.1μmが好ましい。また、このバッファ層56は、例えば、CBD(ケミカルバス)法により形成される。
光電変換層54は、上部電極58およびバッファ層56を通過して到達した光を吸収して電流が発生する層であり、光電変換機能を有する。光電変換層54は、CIGS膜で構成されており、CIGS膜はカルコパイライト結晶構造を有する半導体からなる。CIGS膜の組成は、例えば、Cu(In1-xGax)Se2(CIGS)である。
CIGS膜の形成方法としては、1)多源蒸着法、2)セレン化法、3)スパッタ法、4)ハイブリッドスパッタ法、および5)メカノケミカルプロセス法等が知られている。
その他のCIGSの成膜法としては、スクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、およびスプレー法(ウェット成膜法)などが挙げられる。例えば、スクリーン印刷法(ウェット成膜法)またはスプレー法(ウェット成膜法)等で、Ib族元素、IIIb族元素、およびVIb族元素を含む微粒子膜を基板上に形成し、熱分解処理(この際、VIb族元素雰囲気での熱分解処理でもよい)を実施するなどにより、所望の組成の結晶を得ることができる(特開平9−74065号公報、特開平9−74213号公報等)。
このような成膜方法は、基板上でCIGSを形成する際にいずれも500℃以上であれば、良好な光電変換効率を示すが、ロールツーロール方式での製造を考慮すると、プロセス時間が短い多源蒸着法が好ましい。とりわけ、バイレイヤー法が好適である。
前述のように、本発明の太陽電池サブモジュール12は、前述の可撓性基板20の上に、太陽電池セル50を直列接合して作製して、製造するが、その製造方法は、公知の各種の太陽電池と同様に行えばよい。
以下、図4に示す太陽電池サブモジュール12の製造方法の一例を説明する。
まず、上述のようにして形成された可撓性基板20を用意する。次に、可撓性基板20の絶縁層44の表面44aに、例えば、NaSiO、LiSiO、HBOの混合液を焼成し、Naを含むガラス層をアルカリ供給層60として形成する。なお、スパッタ法を用いて、ソーダライムガラススパッタ層をアルカリ供給層60として形成してもよい。
次に、アルカリ供給層60の表面に下部電極52となるMo膜を、例えば、成膜装置を用いて、スパッタ法により形成する。
次に、例えばレーザースクライブ法を用いて、Mo膜の所定位置をスクライブして、可撓性基板20の幅方向に伸びた間隙53を形成する。これにより、間隙53により互いに分離された下部電極52が形成される。
次に、下部電極52を覆い、かつ間隙53を埋めるように、光電変換層54(p型半導体層)として、CIGS膜を形成する。このCIGS膜は、前述のいずれか成膜方法により、形成される。
次に、光電変換層54(CIGS膜)上にバッファ層56となるCdS層(n型半導体層)を、例えば、CBD(ケミカルバス)法により形成する。これにより、pn接合半導体層が構成される。
次に、間隙53とは太陽電池セル50の配列方向に異なる所定位置を、例えばレーザースクライブ法を用いてスクライブして、可撓性基板20の幅方向に伸びた、下部電極52にまで達する間隙57を形成する。
次に、バッファ層56上に、間隙57を埋めるように、上部電極58となる、例えば、ITO層、Al、B、Ga、Sb等が添加されたZnO層を、スパッタ法や塗布法により形成する。
次に、間隙53および間隙57とは、太陽電池セル50の配列方向に異なる所定位置を、例えばレーザースクライブ法を用いてスクライブして、可撓性基板20の幅方向に伸びた、下部電極52にまで達する間隙59を形成する。これにより、太陽電池セル50が形成される。
次に、可撓性基板20の長手方向Lにおける左右側の端の下部電極52上に形成された各太陽電池セル50を、例えば、レーザースクライブまたはメカニカルスクラブにより取り除いて、下部電極52を表出させる。次に、右側の端の下部電極52上に第1の導電部材62を、左側の端の下部電極52上に第2の導電部材64を、例えば、超音波半田を用いて接続する。これにより、図4に示すように、複数の太陽電池セル50が電気的に直列に接続された光電変換素子22を可撓性基板20上に形成することができる。
太陽電池モジュール10においては、上述の−40℃で可撓性基板20に褶曲変形が生じないことに加えて、以下の効果も奏する。
太陽電池モジュール10では、バックシートを設けることなく、水蒸気を透過させない可撓性基板20を用いているため、図3(a)に示すように、水分の進入経路Pを水蒸気バリアフィルム18の支持体24だけとし、水蒸気進入断面積を半減できる構造にしている。これにより、水蒸気透過率を下げることができる。
これに対して、従来のバックシートを有する太陽電池モジュールでは、本実施形態の太陽電池モジュール10の水分の進入経路Pに加えて、バックシートの支持体も水分の進入経路となっている。本実施形態の太陽電池モジュール10は、従来よりも水分の進入経路Pを減らすことにより、水蒸気進入量を減らすことができる。これにより、太陽電池サブモジュール12の光電変換素子22が水分に対して敏感なものであっても、太陽電池サブモジュール12の光電変換素子22の劣化を抑制することができ、太陽電池モジュール10の長寿命化を実現できる。このように、本発明では、太陽電池モジュール10に関し、長期にわたり、高い信頼性を確保することができる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の太陽電池モジュールについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の太陽電池モジュールについて、より具体的に説明する。
本実施例においては、下記表1に示す構成の実験例1〜実験例6の太陽電池モジュールを作製し、可撓性基板の褶曲変形の有無を調べた。その結果を下記表1に示す。
なお、可撓性基板の褶曲変形については、モジュール化後に−40℃の低温に下げ、室温(25℃)に戻したときに目視評価で、可撓性基板の褶曲変形の有無を確認した。
また、実験例1、2、4については、圧縮応力を上述の方法により算出し、この結果を図2のグラフに示す。
実験例1〜実験例6の太陽電池モジュールの構成は、図1(a)に示す太陽電池モジュール10と同じ構成であるため、その詳細な説明は省略する。
実験例1〜実験例6の太陽電池モジュールにおいて、可撓性基板には、Al(40μm厚み)/SUS430(50μm厚み)/Al(40μm厚み)のクラッド材の表面に、絶縁層として、厚み10μmの陽極酸化膜が形成されたものを用いた。なお、可能性基板の大きさは30cm×30cmとした。
太陽電池セルは、光電変換層にCIGS膜を用いたものである。
水蒸気バリアフィルムには、厚さ100μmのPET製の支持体、有機層およびSiNの無機層(水蒸気バリア層)からなるものを用いた。
表面保護層28および裏面保護層30には、厚さが1mmのポリカーボネート板を用いた。周縁シール材には、ポリイソブチレンを用いた。
また、充填材16には厚さが450μmのEVA樹脂を用い、第1樹脂層29aおよび第2樹脂層29bは、下記表1に示す組成および厚さのものを用いた。
表1において、「EVA(450μm)」は、厚さが450μmのEVA樹脂(三井化学東セロ社製、−40℃のヤング率1300MPa)を示し、「EVA(900μm)」は、上記厚さが450μmのEVA樹脂を2枚重ねたものを示す。「SBBS(450μm)」は、厚さが450μmのスチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレン樹脂(旭化成社製、−40℃のヤング率200MPa)を示す。
上記表1に示すように、実験例1では、25℃で褶曲変形が生じた。しかし、同じくEVA樹脂を用いた実験例2、3では−40℃で褶曲変形は生じなかった。これはラミネート時間を短縮して、EVA樹脂の架橋度を下げ、140℃よりも低い温度でモジュール化することで、−40℃での収縮量を低減したためである。EVA樹脂に変えてSBBS樹脂を用いた実験例4、5でも−40℃で褶曲変形は生じなかった。その他、EVA樹脂とSBBS樹脂を積層した実験例6でも、−40℃において褶曲変形が生じなかった。
なお、実験例1、2、4について、圧縮応力を測定したところ、実験例1は、可撓性基板の圧縮応力が100MPa以上であったが、実験例2、4は、可撓性基板の圧縮応力が100MPa以下であった。
10 太陽電池モジュール
12 太陽電池サブモジュール
14 周縁シール材
16 充填材
18 水蒸気バリアフィルム
20 可撓性基板
22 電子素子
24 支持体
26 水蒸気バリア層
28 表面保護層
29a 第1樹脂層
29b 第2樹脂層
30 裏面保護層

Claims (5)

  1. 可撓性基板の上面に太陽電池セルが形成された太陽電池サブモジュールと、
    前記太陽電池サブモジュールの少なくとも前記太陽電池セルを封止する樹脂層と、
    前記太陽電池サブモジュールの前記太陽電池セル側に設けられた樹脂板の表面保護層と、
    前記太陽電池サブモジュールの前記可撓性基板の下面側に設けられた樹脂板の裏面保護層とを有し、
    前記樹脂層は、少なくとも前記表面保護層側が透明であり、
    −40℃で前記可撓性基板に生じる圧縮応力が、前記可撓性基板の降伏点よりも小さいことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記表面保護層および前記裏面保護層は、ポリカーボネート樹脂で構成されている請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記可撓性基板は、金属基板であり、−40℃で前記可撓性基板に生じる圧縮応力が、100MPa以下である請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記樹脂層は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂で構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記樹脂層は、複数の樹脂材から構成されており、前記可撓性基板側に配置される樹脂材のヤング率が、前記表面保護層側および前記裏面保護層側に配置される樹脂材のヤング率よりも大きい請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
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