JP2013077749A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】光利用効率の高い集積型薄膜太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】化合物半導体系集積型薄膜太陽電池モジュール1aは、複数の太陽電池セルCの間に形成された分離・電極接続領域50の直上に入射された入射光Lを太陽電池セルCの分離・電極接続領域50外の光電変換層14に向けて偏向させる導光部41を備え、導光部41は、分離・電極接続領域50の少なくとも直上に形成されてなる。
【選択図】図1A

Description

本発明は、化合物半導体系光電変換層を備えた集積型薄膜太陽電池モジュールに関する。
太陽電池は、クリーンなエネルギーとして注目されている。そのため、太陽電池の研究が盛んに行われるようになり、最優先課題として光電変換効率の向上が結晶Si系太陽電池、a−Si(アモルファスシリコン)系、CIS/CIGS系、CdTe系等の無機化合物半導体系薄膜太陽電池あるいは有機薄膜太陽電池等の全ての太陽電池において図られている。
これらの太陽電池は、光吸収により電荷を発生する半導体の光電変換層を下部電極(裏面電極)と上部電極(透明電極)とで挟んだ積層構造の太陽電池を1つのセルとし、複数の太陽電池セルを多数直列に接続させ、それを保護層等で封止した太陽電池モジュールとして利用される。
太陽電池モジュールは、上記のとおり、複数の太陽電池セル間に、各セルの接続領域を有している。太陽電池モジュールにおいて、この接続領域に入射された光は、通常、有効に光電変換層に入射されないものが多い。従って、この接続領域に入射された光を有効利用して、太陽電池モジュールの変換効率向上させるために、種々の構造が検討されている。
特許文献1には、結晶Si太陽電池セルを複数並べた太陽電池モジュールにおいて、セル間あるいはセル端部に集光のためリニアフレネルレンズあるいは平凹レンズを設けて光電変換効率向上を図っている。また、特許文献2では、同様の結晶Si系太陽電池モジュールにおいて、セルを覆う上表面透明板をレンチキュラーレンズ形状とし、また、裏面に凹凸状の反射フィルムを設けて光の集光及び再吸収を可能としている。
特許文献3ではa−Si系薄膜太陽電池において、光透過スリットを有する第2の反射層上に形成された集光シリンドリカルレンズ群を光入射面に備え、更に、光電変換層を介して対向配置された第1の反射層を備えた太陽電池モジュールが開示されている。かかる構造では、第1の反射層と第2の反射層間での光の多重反射を利用して光の利用効率を向上させている。シリンドリカルレンズ群は光スリット内に入射光を集光するためのものである。
特許文献4には、表面保護部材と太陽電池セルの間に太陽電池セルに入射光を集光させる集光レンズを設置した集光型太陽電池モジュールが開示されている。特許文献4には、光電変換層として、CIS型の化合物半導体が挙げられている。
特開2011−82256号公報 再公表特許2009/075195号公報 特開2003−46108号公報 特開2010−109045号公報
一方、太陽電池の普及には、高変換効率化と同時に低コスト化が重要である。低コスト化という観点では、光電変換層の材料としては、結晶Siやa−Siに対して無機化合物半導体系薄膜太陽電池が、また、構造的には、1枚の基板上に複数の太陽電池セルが直列に接続されて集積された集積型薄膜太陽電池モジュールが注目されている。
集積型薄膜太陽電池モジュールは、集積回路などのように、1枚の基板上に裏面電極層と光電変換層のパターンを作りこむことによって個々の太陽電池間の接続を行うため、太陽電池表面のグリッド電極や導線が不要となるうえ、1枚の基板で高い電圧が実現できる。従って、無機化合物半導体系集積型薄膜太陽電池モジュールにおいて、高効率化を実現させることにより、太陽電池モジュールにおいて、小型軽量化、低コスト化、高効率化が期待できる。
集積型薄膜太陽電池モジュールでは、裏面電極層の分離溝と光電変換層の分離溝との間の領域(分離・電極接続領域)が、上記した接続領域に該当するため、この分離・電極接続領域に入射された光を有効利用可能な構造が必要となる。
特許文献1及び2の太陽電池モジュールは結晶Si系であるためコストが高く、また、集積型ではないため、集積型太陽電池にそのまま適用することも難しい。
特許文献3の太陽電池モジュールでは、集積型でない上、多重反射により光利用効率を高めた構成としており、太陽電池モジュール表面の全面にシリンドリカルレンズを配し、更に光スリットを備えた反射層及びその対向反射層を設ける必要があるため構造が複雑であり、コストもかかる。
また、特許文献4の太陽電池モジュールは、集光型太陽電池モジュールを対象とした構成であり、セル間の接続領域の入射光を有効利用するというものではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、集積型薄膜太陽電池モジュールにおいて、低コストに製造可能であり、且つ、太陽電池セル同士の接続領域に入射された光を有効利用可能な集積型薄膜太陽電池モジュールを提供することを目的とするものである。
本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールは、
基板上に複数の太陽電池セルが電気的に直列接続されて形成されてなる太陽電池サブモジュールと、
該太陽電池サブモジュールの表面に、該太陽電池サブモジュールを封止する接着充填層と表面保護層とが順次積層されてなる集積型薄膜太陽電池モジュールにおいて、
前記複数の太陽電池セル間に形成された分離・電極接続領域の直上に入射された入射光を前記太陽電池セルの前記分離・電極接続領域外の光電変換層に向けて偏向させる導光部を備え、
該導光部は、前記分離・電極接続領域の少なくとも直上に形成されてなり、
前記光電変換層が化合物半導体系光電変換層であることを特徴とするものである。
本明細書において、「分離・電極接続領域」とは、集積型薄膜太陽電池サブモジュールにおいて、厚み方向断面視において、裏面電極(下部電極)の分離溝から透明電極(上部電極)の分離溝までの領域を意味する。
また、「分離・電極接続領域の直上」とは、製造工程における位置ずれを含む、分離・電極接続領域の直上の領域を意味する。具体的には、分離・電極接続領域の幅の±10%までの領域を直上と定義する。
本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールの好ましい態様としては、前記導光部が、前記分離・電極接続領域の直上のみに形成されてなる態様が挙げられる。
また、本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールのその他の好ましい態様としては、前記導光部が、前記分離・電極接続領域の直上の領域の幅に対して+5〜10%広い領域に形成されてなる態様が挙げられる。
前記導光部は、前記表面保護層又は前記表面保護層上に形成されてなるものが好ましい。かかる態様では、前記導光部が、リニア凹レンズ又はリニアフレネルレンズであることが好ましい。
また、前記導光部は、前記接着充填層内に形成されてなるものであってもよい。かかる構成では、前記導光部が、前記接着充填層の屈折率よりも屈折率の高い樹脂を主成分とするリニアプリズムである態様、前記導光部が、リニアシリンドリカルレンズ又はリニア三角柱状レンズであり、リニアシリンドリカルレンズ又はリニア三角柱状レンズは、太陽電池サブモジュールの表面の一部に、隣接する前記太陽電池セルと短絡させないように形成され、前記入射光を反射させて、表面保護層裏面で全反射させて前記光電変換層へ前記入射光を導光させる反射部材を備えてなる態様が挙げられる。
本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールにおいて、前記光電変換層が、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、Al、GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、S、Se、およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体により構成されていることが好ましい。
特許3613951号公報にはフレキシブルa−Si系薄膜太陽電池において、セル間に長手方向が軸であるシリンドリカルな凹レンズまたは凸レンズを備えた構成が開示されている。この特許文献において記載されているシリンドリカルレンズは、シースルータイプの太陽電池において、太陽電池セルの形成部分により生じる影を、非形成部分に入射した光を拡散させることにより打ち消して、裏面側から出射される光を一様にするための採光窓の構成である。従って、太陽電池セルの接続領域である太陽電池セルの非形成部分に入射した光を、太陽電池セル内の光電変換層へ入射させる導光部を備えたものではない。
本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールは、無機化合物半導体系太陽電池セル間の分離・電極接続領域の直上に入射された入射光を太陽電池セルの分離・電極接続領域外の光電変換層に向けて偏向させる導光部を、少なくとも分離・電極接続領域の直上に備えている。かかる構成によれば、いわゆるデッドスペースと言われる各セルの分離・電極接続領域に入射した光を、該領域以外の光電変換層に向けて偏向することができるので、入射光をより有効利用することができる。従って、本発明によれば、低コストに製造可能な無機化合物半導体系集積型薄膜太陽電池モジュールにおいて、デッドスペースへの入射光を有効利用して光電変換効率を向上させることができる。
更に、導光部を分離・電極接続領域の直上のみに設けた構成では、より低コスト化が実現できる。
本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールの第1実施形態を示す厚み方向断面図 ―その1― 本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールの第1実施形態を示す厚み方向断面図 ―その2― 本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールの第2実施形態を示す厚み方向断面図 ―その1― 本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールの第2実施形態を示す厚み方向断面図 ―その2― 本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールの第2実施形態を示す厚み方向断面図 ―その3― 第1実施形態の集積型薄膜太陽電池モジュールにおいて、別の態様の集積型薄膜太陽電池サブモジュールに適用した場合の態様を示す厚み方向断面図 集積型薄膜太陽電池サブモジュールの構成を示す平面視概略図
図面を参照して本発明の集積型薄膜太陽電池モジュールの実施形態について説明する。なお、各図においては、視認しやすくするために各部の縮尺は適宜変更して示してある。特に、本明細書においては、集積型薄膜太陽電池サブモジュールにおける、各セルの分離・電極接続領域上の構造に特徴を有することから、該領域を拡大して示してある。
<集積型薄膜太陽電池モジュールの第1実施形態>
図1A及び図1Bは、本発明にかかる第1実施形態の集積型薄膜太陽電池モジュール(以下、太陽電池モジュールとする)1a,1bの構成を模式的に示す厚み方向断面図である。
図1A及び図1Bに示すように、太陽電池モジュール1a,1bは、絶縁層12を表面に備えた金属基板11上に、分離溝P1〜P3によって分離及び電極接続がなされた複数の太陽電池セルCを備えた化合物半導体系集積型太陽電池サブモジュール(以下、太陽電池サブモジュールとする)10と、この太陽電池サブモジュール10の表面に配置された接着充填層20及び表面保護層30とを備えている。表面保護層30は、太陽電池サブモジュール10の分離・電極接続領域50の直上に、該領域直上の表面保護層30に入射された入射光Lを、分離・電極接続領域50外の領域51に形成されている光電変換層14に向けて偏向させる導光部41を備えている。
接着充填層及び裏面保護層(バックシート)は、太陽電池サブモジュール10の裏面側に形成されているが、太陽電池モジュール1a,1bにおいて、その構成上の特徴は、太陽電池サブモジュール10の表面側(受光面側)に有しているため、わかりやすくするために、裏面側の接着充填層とバックシートについては、本明細書において図面上省略してある。
太陽電池モジュール1a,1bにおいて、太陽電池サブモジュール10と、太陽電池サブモジュール10の表面側に配置された接着充填層20、表面保護層30と、この太陽電池サブモジュール10の裏面側に配置された接着充填層および裏面保護層とは、例えば、真空ラミネート法により、ラミネート加工されて一体化されている。
また、太陽電池モジュール1a、1bで得られた電力は配線を通じて外に取り出され、太陽電池モジュール1a,1bの外部に取り出す端子ボックスが、裏面保護層表面の角部周辺に、例えば、シリコーン樹脂によって接着封止されて固定される(図示略)。
太陽電池サブモジュール10は、基板短辺方向に延びる短冊状に分離された複数の太陽電池セルCが、隣り合う太陽電池セルC間で裏面電極12と透明電極15が接続されることにより、直列接続されてなる。
各裏面電極12は、隣り合う裏面電極12と第1の分離溝P1により離間されて絶縁層11の表面に配置形成されている。光電変換層14は第1の分離溝P1を埋めつつ裏面電極12の上に形成されている。各太陽電池セルCの光電変換層14は、裏面電極12にまで達する第2の分離溝P2により、隣り合う太陽電池セルCの光電変換層14と離間されている。この第2の分離溝P2は、裏面電極12の第1の分離溝P1とは異なる位置に形成されている。
また、この溝P2を埋めつつ光電変換層14上に透明電極15が形成されている。さらに、透明電極15および光電変換層14を貫き裏面電極12に達する第3の分離溝P3が形成されている。それぞれの太陽電池セルCはその裏面電極12と隣接する太陽電池セルCの透明電極15とが第3の分離溝P3により接続されることにより直列に接続された構成となっている。
表面側の接着充填層20は、太陽電池サブモジュール10と表面保護層30との間に挿入されており、太陽電池サブモジュール10を封止して保護するとともに、太陽電池サブモジュール10、表面保護層30を互いに接着させるためのものである。同様に、裏面側の接着充填層は、太陽電池サブモジュール10を封止して保護するとともに、バックシートと接着させるためのものである。
この接着充填層20には、例えば、EVA(エチレンビニルアセテート)、PVB(ポリビニルブチラール)、アイオノマー樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が用いられる。
本実施形態において、表面保護層30は、汚れ等による太陽電池サブモジュール10への入射光量の低下を抑制するものであるとともに、太陽電池サブモジュール10の分離・電極接続領域50の直上の領域に、該領域に入射した入射光Lを太陽電池セルCの分離・電極接続領域外の領域51の光電変換層14に向けて偏向させる導光部41を備えている。
図1Aにおいて、導光部41は紙面垂直方向に延びて配されるリニア凹レンズ形状を有している。また、図1Bでは、導光部41は紙面垂直方向に延びて配されるリニアフレネルレンズ形状を有している。
リニア凹レンズ及びリニアフレネルレンズのレンズ形状については、入射光Lを領域51上の光電変換層14に向けて偏向させる機能を有していれば特に制限されないが、より多くの入射光Lが領域51上の光電変換層14に入射されるように設計されたものであることが好ましい。
なお、領域51上の光電変換層14よりも少し領域50よりにはずれた光電変換層14においても、入射光Lが光電変換されて発電効率に寄与することができる。
表面保護層30は、薄いガラスや、アクリル樹脂やスチレン樹脂、ポリカーボネート等の透明樹脂フィルムを、ガラス転移温度(Tg)付近又はTgよりも数十度高温側に加熱して、金型を用いて塑性変形させた後冷却して形成することができる。樹脂の場合は、フィルム厚は0.5〜2.0mm程度が好ましく、ガラスの場合は0.7〜3.2mm厚程度が好ましい。ガラスを用いる場合、青板ガラス、白板ガラス、化学処理強化ガラス、風冷強化ガラス等を用いることができ、軽量化の観点からは、0.7〜1.5mm厚程度が好ましい。
図1A及び図1Bにおいて、視認しやすくするために、分離・電極接続領域50を拡大して示してあるが、図2に示される集積型薄膜太陽電池モジュールの上面図のように、実際は、領域51と分離・電極接続領域50とを足し合わせた受光領域に対して、分離・電極接続領域50は1割程度である。なお、図2において左右にプラスとマイナスの表示は、集積型薄膜太陽電池サブモジュールの出力を外部に取り出す正極と負極であり、実際は、裏面電極13の両端に設置されている。正極と負極をリード線にて上記した端子ボックスにそれぞれ接続することにより、発生した電流を取り出す構成となっている。
具体的には、セルピッチ(領域51と分離・電極接続領域50とを足し合わせた受光領域の断面視幅)は3〜7mm程度、分離・電極接続領域50の幅は0.1〜0.5mm程度である。
例えば、セルピッチが3.3mm、分離・電極接続領域幅0.3mmとして試算すると、分離・電極接続領域の面積率は9.1%程度となる。従って、この部分への入射光を100%有効に光電変換に利用することができれば、光電変換効率は太陽電池サブモジュールの開口部の光電変換効率が15%の場合、約1.5%向上することが期待でき、50%有効利用と考えても0.75%の向上が期待できる。現在の化合物半導体系薄膜太陽電池の変換効率を15.0%程度であることを考慮すると、かかる変換効率への寄与は非常に大きい。
更に、太陽電池において変換効率が1%上昇することにより、コストについても10〜20%程度削減できることが試算されている。従って、低コスト化についても大きな効果を得ることができる。
できるだけ精度良く導光部41を形成するためには、太陽電池サブモジュール10上に、接着充填層20及び表面保護層30を形成する工程をレイアップ工程において、各層を精度良く配置することが肝要である。導光部50の形成領域と、分離・電極接続領域50との位置ずれは、分離・電極接続領域50の幅に対して、0〜10%、好ましくは0〜5%とする必要がある。
位置合わせには、あらかじめ太陽電池サブモジュール10上に、位置合わせマークを形成しておき、モジュールの両端又は対角方向にて位置あわせを行う方法が挙げられる。また位置合わせマークには、モジュールの両端に形成されている分離溝P1〜P3のいずれかを利用してもよい。
集積型薄膜太陽電池モジュール1は、無機化合物半導体系太陽電池セル間の分離・電極接続領域50の直上に入射された入射光Lを太陽電池セルCの分離・電極接続領域外51の光電変換層14に向けて偏向させる導光部41を、分離・電極接続領域50の直上に備えている。かかる構成によれば、いわゆるデッドスペースと言われる各セルの分離・電極接続領域50に入射した光Lを、該領域以外51の光電変換層14に向けて偏向することができるので、入射光Lをより有効利用することができる。従って、本発明によれば、低コストに製造可能な無機化合物半導体系集積型薄膜太陽電池モジュールにおいて、デッドスペースへの入射光を有効利用して光電変換効率を向上させることができる。
以下に、集積型薄膜太陽電池モジュールの上記した以外の層構成について説明する。
(基板)
金属基板11としては、陽極酸化により金属基板11の表面および裏面に生成される金属酸化膜が絶縁体となる材料等を利用することができる。
金属基板11としては、具体的には、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、
チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)および鉄(Fe)並びにこれらの金属の合金からなる基板を用いることができる。コスト、および太陽電池に要求される特性の観点から、金属基板11としては、アルミニウムが最も好ましい。
金属基板11としては、耐熱性向上のために軟鋼、ステンレス鋼等の鉄鋼板表面に、金属基板11に利用可能な上述の金属を、圧延または溶融メッキした、いわゆる、クラッド材を用いることもできる。
なお、本実施形態の金属基板30は、フレキシブル性(可撓性)を備えることが好ましい。これにより、得られる太陽電池モジュールをフレキシブルなものとすることができる。
金属基板11に、アルミニウム板を用いた場合、陽極酸化し、更に特定の封孔処理をすることで絶縁層12を形成することができる。この絶縁層12の製造工程には、必須の工程以外の各種の工程が含まれていてもよい。
本実施形態においては、金属基板11にアルミニウム板を用いる場合、例えば、付着している圧延油を除く脱脂工程、アルミニウム板の表面のスマットを溶解するデスマット処理工程、アルミニウム板の表面を粗面化する粗面化処理工程、アルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を形成させる陽極酸化処理工程および陽極酸化皮膜のマイクロポアを封孔する封孔処理を経て、絶縁層12を形成し、太陽電池用の基板とするのが好ましい。
陽極酸化によるアルミニウム酸化膜で構成された絶縁層12の厚さは特に制限されず、絶縁性とハンドリング時の機械衝撃による損傷を防止する表面硬度を有していればよいが、厚すぎると可撓性の観点で問題を生じる場合がある。このことから、陽極酸化によるアルミニウム酸化膜で構成された絶縁層12の好ましい厚さは0.5〜50μmであり、絶縁層の厚さは、陽極酸化処理の電解時間により制御することができる。
また、絶縁層12は、陽極酸化によるアルミニウム酸化膜に限定されるものではない。絶縁層12としては、例えば、アルミニウム酸化膜、シリコン酸化膜、チタン酸化膜、鉄酸化膜が挙げられる。また、絶縁層12としては、例えば、アルミニウム窒化膜、シリコン窒化膜、チタン窒化膜、鉄窒化膜が挙げられる。さらには、アルミニウム窒素酸化膜、シリコン窒素酸化膜、チタン窒素酸化膜、鉄窒素酸化膜が挙げられる。
これらの絶縁層12は、例えば、陽極酸化法、CVD法、PVD法、またはゾルゲル法により形成することができる。絶縁層12の厚さは1〜100μmが好ましく、さらには10〜50μmがより好ましい。
本実施形態では、基板11が、表面に絶縁層12を備えた金属基板である場合について説明したが、基板11はかかる構成に限定されず、例えばガラス基板や、樹脂基板等の可撓性基板等を用いることができる。
(裏面電極)
裏面電極13は、例えば、Mo、Cr、またはW、およびこれらを組合せたものにより構成される。この裏面電極13は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。
裏面電極13は、厚さが100nm以上であることが好ましく、0.2〜0.8μmであることがより好ましい。
また、裏面電極13の形成方法は、特に制限されるものではなく、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法により形成することができる。
(光電変換層)
光電変換層14は、入射光Lを吸収して電荷(起電力)を生じる層である。本実施形態において、光電変換層14は、化合物半導体系光電変換層であり、その組成は、特に制限されるものではなく、例えば、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体である。具体的には、所謂CIS系などのIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる化合物半導体、あるいは、CIGS系などの少なくとも1種の化合物半導体CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、Al、GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、S、Se、およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体が好適である。
さらに光吸収率が高く、高い光電変換効率が得られることから、光電変換層14は、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、Al、GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、S、Se、およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることが好ましい。この化合物半導体としては、CuAlS2、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2、CuGaSe2、CuInSe2(CIS)、AgAlS2、AgGaS2、AgInS2、AgAlSe2、AgGaSe2、AgInSe2、AgAlTe2、AgGaTe2、AgInTe2、Cu(In1-xGax)Se2(CIGS)、Cu(In1-xAlx)Se2、Cu(In1-xGax)(S、Se)2、Ag(In1-xGax)Se2、およびAg(In1-xGax)(S、Se)2等が挙げられる。
光電変換層14は、CuInSe2(CIS)、および/またはこれにGaを固溶したCu(In、Ga)Se2(CIGS)を含むことが特に好ましい。CISおよびCIGSはカルコパイライト結晶構造を有する半導体であり、光吸収率が高く、高い光電変換効率が報告されている。また、光照射等による効率の劣化が少なく、耐久性に優れている。
光電変換層14には、所望の半導体導電型を得るための不純物が含まれる。不純物は隣接する層からの拡散、および/または積極的なドープによって、光電変換層14中に含有させることができる。光電変換層40中において、I−III−VI族半導体の構成元素および/または不純物には濃度分布があってもよく、n型、p型、およびi型等の半導体性の異なる複数の層領域が含まれていてもよい。
例えば、CIGS系においては、光電変換層14中のGa量に厚み方向の分布を持たせると、バンドギャップの幅/キャリアの移動度等を制御でき、光電変換効率を高く設計することができる。
光電変換層14は、I−III−VI族半導体以外の1種又は2種以上の半導体を含んでいてもよい。I−III−VI族半導体以外の半導体としては、Si等のIVb族元素からなる半導体(IV族半導体)、GaAs等のIIIb族元素およびVb族元素からなる半導体(III−V族半導体)、およびCdTe等のIIb族元素およびVIb族元素からなる半導体(II−VI族半導体)等が挙げられる。光電変換層14には、特性に支障のない限りにおいて、半導体、所望の導電型とするための不純物以外の任意成分が含まれていても構わない。
また、光電変換層14中のI−III−VI族半導体の含有量は、特に制限されるものではない。光電変換層14中のI−III−VI族半導体の含有量は、75質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上が特に好ましい。
CIGS層の成膜方法としては、如何なる方法を適用してもよい。CIGS層の成膜方法としては、多源同時蒸着法、セレン化法、スパッタ法、ハイブリッドスパッタ法、およびメカノケミカルプロセス法等が知られている。その他、スクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、およびスプレー法などを用いてもよい。
(バッファ層)
本実施形態において、図示していないが、透明電極15の形成時の光電変換層140を保護すること、バンド不連続の整合などの機能を有するバッファ層を備えた構成としてもよい。バッファ層は、透明電極15から入射した光を光電変換層14まで透過させるために透光性を有する必要がある。
バッファ層としては、例えば、CdS、ZnS、ZnO、ZnMgO、またはZnS(O,OH)およびこれらの組合せたものにより構成される。
バッファ層は、厚さが0.01〜0.1μmであることが好ましい。また、バッファ層は、例えば、CBD(ケミカルバスデポジション)法により形成することができる。
(透明電極)
透明電極15は、光入射側に配置される電極であり、光電変換層に光を入射させるために透光性を有する必要がある。
透明電極15は、例えば、Al、B、Ga、Sb、In等が添加されたZnO、ITO(インジウム錫酸化物)、またはSnOおよびこれらを組合せたものにより構成される。この透明電極15は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。また、透明電極15の厚さは、特に制限されるものではなく、0.3〜1μmが好ましい。
(水蒸気バリア層)
表面保護層30やバックシートが樹脂層である場合は、接着充填層20と表面保護層30、又は、接着充填層20とバックシートとの間には、太陽電池サブモジュール10を水分から保護するために水蒸気バリア層を備えた構成とすることが好ましい。水蒸気バリア層としては、例えば、PETまたはPEN等の透明フィルム上にSiO、SiN、Al23等からなる無機層が形成されたもの、またはPETまたはPEN等の透明フィルム上にSiO、SiN等からなる無機層を形成し、さらにアクリル樹脂等を形成した、無機層が樹脂層に挟まれたサンドイッチ構造のものが挙げられる。
(バックシート(裏面保護層))
バックシートは、太陽電池モジュール1aを裏側から保護するとともに、太陽電池モジュール1aの絶縁性を確保するためのものであり、PVF(ポリフッ化ビニル)、PETまたはPEN等の樹脂フィルムで、アルミニウム箔を挟んだ構造のものが用いられる。なお、バックシートにおいても、その構成については特に限定されるものではない。
なお、本実施形態の集積型太陽電池サブモジュール10は、例えば、公知のCIGS系の太陽電池の製造方法により製造することができる。このとき、第1〜第3の分離溝P1〜P3は、レーザースクライブまたはメカニカルスクライブにより形成することができる。
また、レイアップにより太陽電池モジュール1a,1bの構成要素を積層後、必要な配線も施した後、例えば、真空ラミネーターにより150℃、20分の条件でラミネート加工して一体化して太陽電池モジュール1a,1bを形成することができる。
上記実施形態では、表面保護層30を成形加工して表面保護層30の一部を導光部41とした構成について説明したが、表面保護層30上に、リニア凹レンズやリニアフレネルレンズ等の導光部41を形成した態様であってもよい。
<集積型薄膜太陽電池モジュールの第2実施形態>
図1C〜図1Eは、本発明にかかる第2実施形態の集積型薄膜太陽電池モジュール(以下、太陽電池モジュールとする)1c,1d,1eの構成を模式的に示す厚み方向断面図である。
上記した第1実施形態とは、導光部41の構成以外は同様である。従って、以下には、上記第1実施形態とは異なる導光部41の態様についてのみ記載する。
図1C〜図1Eに示すように、太陽電池モジュール1c,1d,1eにおいて、導光部41は、接続充填層20内に、太陽電池サブモジュール10上にオンチップで形成されている。
図1Cにおいて、導光部41は、太陽電池サブモジュール10の分離・電極接続領域50上に形成されたリニアプリズムであり、分離・電極接続領域50に入射した入射光Lをリニアプリズムにより屈折させて、分離・電極接続領域50の両側の領域51の光電変換層14に向けて偏向させる。
かかる構成において、領域51方向に偏向させるには、リニアプリズムの平均屈折率は、接着充填層20の屈折率よりも高いことが好ましい。例えば、接着充填層20として、上記したEVA等の屈折率が1.55以下のものを使用する場合、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂(メタクリル樹脂を含む)、環状オレフィン樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等のうち、屈折率が1.55よりも高い樹脂により形成されたリニアプリズムとすることが好ましい。
また、リニアプリズムの傾きは、分離・電極接続領域50に入射した入射光Lができるだけ多く領域51の光電変換層14に入射するように、上記屈折率に応じて設計されることが好ましい。
リニアプリズム形状の導光部41の形成方法としては特に制限されないが、太陽電池サブモジュール10の上面から、上記樹脂層を成膜し、樹脂層上に感光性レジストのパターンを形成した後、エッチング加工により形成する方法、又は、感光性レジストを樹脂層として用いてフォトリソグラフィー技術によりパターン形成する方法、又は、あらかじめ樹脂性シートを加熱成形してリニアプリズムシートとし、レイアップ工程にて積層する方法等が挙げられる。
また、図1Dに示される態様では、導光部41は、太陽電池サブモジュール10の分離・電極接続領域50上に形成された半円筒型(いわゆるかまぼこ型)の反射鏡である。図示されるように、導光部41は、絶縁性の無機又は有機材料からなる半円筒型のリニアシリンドリカルレンズ401の表面に、セル間の電気的短絡を生じさせないように、透明電極15とスペースを保持して形成された反射部材402を備えている。
図1Eに示される態様では、図1Dのリニアシリンドリカルレンズがリニア三角柱レンズに変わっている以外は同様の構成としている。
図1D及び図1Eの構成では、分離・電極接続領域50に入射した入射光Lを、反射部材402にて反射させ、更にその反射光を表面保護層30の裏面で全反射させて、分離・電極接続領域50以外の領域51の光電変換層14方向に偏向させる。
反射部材402によって反射され、表面保護層30の裏面に到達した光は、該裏面に対する入射角θが次の条件の時、全反射して再度、隣接する両側の領域51の光電変換層14方向偏向する。
入射角θ>sin-1(Nair/Nfr)
(Nair:空気の屈折率、Nfr:表面保護層30の屈折率)
つまり、Nair=1.0、Nfr=1.5とするとθ>41°で表面保護層30の裏面にて全反射する。
従って、リニアシリンドリカルレンズの曲率又はリニア三角柱レンズの頂角の角度は、表面保護層30裏面にて反射光が全反射する条件において、分離・電極接続領域50に入射した入射光Lができるだけ多く領域51の光電変換層14に入射するように設計されることが好ましい。例えば、リニアシリンドリカルレンズでは、凸部幅0.3mmの場合、曲率半径Rを0.15mmとし、凸部が平行直線状となっているもの等が挙げられる。
反射部材402としては特に制限されないが、アルミニウム薄膜、銀薄膜、Ni薄膜等が挙げられ、中でもアルミニウム薄膜、銀薄膜が好ましい。反射部材402の製造方法は特に制限されないが、金属を蒸着、スパッタ等で0.1〜0.3μm厚で形成した後、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、セル間の電気的な短絡が起こらないようにシリンドリカルレンズ及び三角柱レンズの裾野の金属層を除去する方法等が挙げられる。
リニアシリンドリカルレンズ401及びリニア三角柱レンズ401'の材質及び形成方法については、上記リニアプリズムの製造方法と同様とすることができる。
リニアシリンドリカルレンズの場合、簡便な作成法としては、フォトリソグラフィのポジレジストにてマスクによる光照射、現像、プリベークにより平行直線状で台形の凸部を形成した後、ポストベークで120℃〜150℃で端部をリフローさせて半円筒形状を作製する。
リニア三角柱レンズの場合、簡便な作成法としては、フォトリソグラフィ用レジストを使い、凸部(台形状)が平行直線状となったレジストパターンを形成した後、全面Arイオンエッチングによりレジスト角が選択的にエッチングされることを利用して三角柱形状を作製する方法が挙げられる。
また、リニアシリンドリカルレンズは、樹脂以外にも、SiO、Al、SiN,SiONのような絶縁性の無機物をスパッタリング、プラズマCVD、EB蒸着法等により作製してもよい。
第2実施形態では、各レンズ幅は分離・電極接続領域50の幅に対して、製造する上で、合わせズレが発生してパターンの目明き(分離・電極接続領域上にレンズがズレにより一部無い部分ができる)となることを防止するため、レンズ幅を分離・電極接続領域の幅に対して+5〜+10%広くなるように形成することが重要である。
本実施形態においても、導光部41の構成以外は同様の構成としていることから、第1実施形態と同様の効果を奏する。
<設計変更例>
上記第1実施形態では、導光部41が分離・電極接続領域の直上のみに形成された態様について説明したが、導光部41は、直上以外の領域に形成されていてもよい。
特に、導光部41が、分離・電極接続領域50の直上の領域の幅に対して+5〜10%広い領域に形成されてなる態様では、レイアップ工程における位置合わせに要求される精度を低くすることができ、好ましい。
例えば、太陽電池サブモジュール10の分離・電極接続領域50の直上に近い領域に入射された光を、確実に、分離・電極接続領域50以外の領域51上に形成されている光電変換層14に入射させるための導光部を直上以外の領域に設けても効果的である。
また、図1Fは、図1Aに示されるリニア凹レンズ形状を表面保護層表面に設けた実施形態において、分離・電極接続領域50の態様が異なる集積型太陽電池サブモジュールに適用した例を示したものである。図1Fでは、裏面電極、光電変換層、透明電極層の製膜後に、分離溝P2及びP1をレーザースクライブあるいはメカニカルスクライブにより順次形成した後、スクリーン印刷あるいはインクジェット法によりポリイミド樹脂のような絶縁樹脂17をP1及びP2内に埋め込み、レーザーによりコンタクトホール(P3)の開孔した後、スクリーン印刷あるいはインクジェット法により銀ペースト等の導電材で埋め込み、透明電極層15と裏面電極層13を接続する。このようにして分離・電極接続領域50が形成されている。
このように、異なった構造の分離・電極接続領域50の直上に本発明の導光部を形成しても良く、上記実施形態で説明した場合と同様の効果を奏する。図1Fの構成の場合、この分離・電極接続領域50の幅は短くできるため、高効率化ができ好ましい。
図1Fの態様に限らず、太陽電池サブモジュールの態様が異なるものであっても、分離・電極接続領域50の直上に、導光部41を設けることによって同様の効果を奏する。
(実施例1)
サブストレート構造を有するCIGS集積型薄膜太陽電池サブモジュールを用いて、図1Aに示すCIGS集積型薄膜太陽電池モジュールを作製した。サブモジュールにおいて、セルピッチは3.3mm、分離・電極接続領域幅は0.3mmであった。
表面保護層として、1.0mm厚ポリカーボネート樹脂シートに、金型を使ったプラスチック成形法により、成型温度150℃でリニア凹レンズ形状を形成したものを用いた。表面保護層において、サブモジュールの分離・電極接続領域幅0.3mmに対して+10%広げた凹部幅 0.33mm、曲率半径Rを0.17mm、凹部溝が平行直線状のリニア凹レンズを形成した。
ラミネート前のレイアップ工程において、表面保護層凹部が太陽電池サブモジュールの分離・電極接続領域の直上に来るように位置合わせし、裏面に接着充填層としてEVA、水蒸気バリアフィルム、バックシートを積層して140℃-30分でラミネートを行い、太陽電池モジュールを作製した。
(実施例2)
表面保護層に形成した導光部の形状をリニアフレネルレンズとした以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例3)
実施例1と同様のCIGS太陽電池サブモジュールを用いて、図1Cに示すCIGS集積型薄膜太陽電池モジュールを作製した。
リニアプリズムを、1.0mm厚ポリカーボネート樹脂シートを、150℃にてプラスチック熱成型法により加工して作製した。その際、分離・電極接続領域幅0.3mmに対して+10%広げたレンズ幅0.33mmで平行直線状となったリニアプリズムを備えたリニアプリズムシートを作製した。
レイアップ工程にて、リニアプリズムの凹部が太陽電池サブモジュールの分離・電極接続領域の直上に来るように位置合わせし、表面保護層として1.0mm厚のポリカーボネートシート、接着充填層としてEVA、水蒸気バリアフィルム、バックシートを積層し、140℃-30分でラミネートを行い、太陽電池モジュールを作製した。
(実施例4)
実施例3において、リニアプリズムの代わりに半円柱状シリンドリカルレンズを用いてCIGS集積型薄膜太陽電池モジュールを作製した。半円柱状のシリンドリカルレンズは、フォトリソグラフィ用ポジレジストを用い、凸部幅はマスクによる露光、現像、プリベーク後で0.30mmとして、平行直線状の凸部を形成し、更に、この凸部端部を120℃〜150℃でリフローさせて断面を半円状にし、幅0.33mm、曲率半径Rを0.15mmとしたシリンドリカルレンズ形状を形成した。
次に、更にこのリニアシリンドリカルレンズ上に反射金属層としてAlを蒸着で0.1μm厚で形成し、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、セル間の電気的な短絡が起こらないようにシリンドリカルレンズの裾野の金属層を除去して反射金属層を形成した。この時の金属層幅は平面視では0.25〜0.27mmであった。
レイアップ工程でシリンドリカルレンズが太陽電池サブモジュールの分離・電極接続領域の直上に来るように位置合わせし、表面保護層として1.0mm厚のポリカーボネートシート、接着充填層としてEVA、水蒸気バリアフィルム、バックシートを積層し、140℃-30分でラミネートを行い、太陽電池モジュールを作製した。
[実施例5]
半円柱シリンドリカルレンズをリニア三角柱レンズとした以外は実施例4と同様にしてCIGS集積型薄膜太陽電池モジュールを作製した。リニア三角柱レンズは、フォトリソグラフィ用レジストを用い、凸部幅は0.33mm、高さ0.2〜0.4mmの平行直線状凸部(台形状)を形成し、更に、この凸部を全面Arイオンエッチングによりせてシリンドリカルレンズ形状を形成した。
(比較例1)
分離・電極接続領域の直上に導光部を形成しない以外、実施例1と同様のCIGS集積型薄膜太陽電池モジュールを作製した。
(評価)
上記実施例1〜5及び比較例1の太陽電池モジュールについて、光電変換効率を測定して性能評価を行った。その結果を表1に示す。ここで光電変換効率はソーラーシュミレーターでAM1.5、即ち100mW/cm2の光を照射してI−V測定を行い、算出した。
表1に示されるように、分離・電極接続領域の直上に導光部を保有しない比較例1に対して実施例1〜5では、0.2〜0.8%の変換効率が向上が確認された。特に太陽電池サブモジュール上に反射構造を配し、表面保護層で全反射させて集光した実施例4及び5では効果が著しい。以上により、本発明の有効性が確認された。
1a,1b,1c,1d,1e,1f 集積型薄膜太陽電池モジュール
10 集積型薄膜太陽電池サブモジュール
11 基板
13 裏面電極
14 光電変換層
15 透明電極層
20 接着充填層
30 表面保護層
41 導光部(リニア凹レンズ,リニアフレネルレンズ,リニアプリズム)
50 分離・電極接続領域
401 リニアシリンドリカルレンズ
401' リニア三角柱レンズ
402 反射部材

Claims (10)

  1. 基板上に複数の太陽電池セルが電気的に直列接続されて形成されてなる太陽電池サブモジュールと、
    該太陽電池サブモジュールの表面に、該太陽電池サブモジュールを封止する接着充填層と表面保護層とが順次積層されてなる集積型薄膜太陽電池モジュールにおいて、
    前記複数の太陽電池セル間に形成された分離・電極接続領域の直上に入射された入射光を前記太陽電池セルの前記分離・電極接続領域外の光電変換層に向けて偏向させる導光部を備え、
    該導光部は、前記分離・電極接続領域の少なくとも直上に形成されてなり、
    前記光電変換層が化合物半導体系光電変換層であることを特徴とする集積型薄膜太陽電池モジュール。
  2. 前記導光部は、前記分離・電極接続領域の直上のみに形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  3. 前記導光部は、前記分離・電極接続領域の直上の領域の幅に対して+5〜10%広い領域に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  4. 前記導光部が、前記表面保護層又は前記表面保護層上に形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  5. 前記導光部が、リニア凹レンズ又はリニアフレネルレンズであることを特徴とする請求項4に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  6. 前記導光部が、前記接着充填層内に形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の集積型太陽電池モジュール。
  7. 前記導光部が、前記接着充填層の屈折率よりも屈折率の高い樹脂を主成分とするリニアプリズムであることを特徴とする請求項6に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  8. 前記導光部が、リニアシリンドリカルレンズ又はリニア三角柱状レンズであり、リニアシリンドリカルレンズ又はリニア三角柱状レンズは、表面の一部に、隣接する前記太陽電池セルと短絡させないように形成され、前記入射光を反射させて、表面保護層裏面で全反射させて前記光電変換層へ前記入射光を導光させる反射部材を備えてなることを特徴とする請求項7に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  9. 前記反射部材が、アルミニウム薄膜又は銀薄膜であることを特徴とする請求項8に記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
  10. 前記光電変換層が、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、Al、GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、S、Se、およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体により構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の集積型薄膜太陽電池モジュール。
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