JP2014070690A - ジョイント用ブーツ - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐摩耗性、耐屈曲性等の耐久性が向上し、製品寿命が改善され、且つ、材料価格がより低廉であるジョイント用ブーツを提供する。
【解決手段】 ブーツ本体の全部又は一部が、可塑性エラストマー(A)と、不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)とを含有する熱可塑性エラストマーアロイにより形成されていることを特徴とするジョイント用ブーツを提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジョイント用ブーツに関し、より詳しくは、全部又は一部が特定の熱可塑性エラストマーアロイにより形成されているジョイント用ブーツに関する。
従来、ジョイント用ブーツ材料はクロロプレンゴム(CRゴム)等が使用されていたが、耐久性に問題があることが指摘されており、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)が材料として用いられるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−001494号公報
しかしながら、従来のジョイント用ブーツでは、耐摩耗性、耐屈曲性等が充分とは言えず、長時間の使用で破損することがあるため、寿命要求に応えるという点で不安が残り、さらに、材料価格が割高であるという問題があった。
従って、本発明の目的は、耐摩耗性、耐屈曲性等の耐久性が向上し、製品寿命が改善され、且つ、材料価格がより低廉であるジョイント用ブーツを提供することにある。
そこで、本発明者らが、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、変性のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)をブレンドする事で、耐摩耗性、耐屈曲性等の耐久性が向上することを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ブーツ本体の全部又は一部が、熱可塑性エラストマー(A)と、不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)とを含有する熱可塑性エラストマーアロイにより形成されていることを特徴とするジョイント用ブーツを提供する。
前記熱可塑性エラストマー(A)は、ポリエステルエラストマーまたはポリウレタンエラストマーであることが好ましい。
また、前記不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(A)との重量割合[(B)/(A)]は、0.1/99.9〜30/70であることが好ましい。
また、前記不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)は、無水マレイン酸で変性されたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体であることが好ましい。
さらに、ブーツ本体の全部又は一部が多層構造を有しており、前記多層構造のうち少なくとも一層の全部又は一部が前記熱可塑性エラストマーアロイにより形成されていることが好ましい。
本発明のジョイント用ブーツによれば、耐摩耗性、耐屈曲性等の耐久性が向上するため、製品寿命が伸び、安価で耐摩耗性に優れるブレンド材料を使用する事で耐摩耗性を確保しつつ、製品価格を低廉にすることも可能となる。
比較例4で得られた熱可塑性エラストマーアロイ(EPDMとエーテル系TPUのアロイ)のペレット断面のSEM写真である。 実施例4で得られた熱可塑性エラストマーアロイ(無水マレイン酸変性EPDMとエーテル系TPUのアロイ)のペレット断面のSEM写真である。 比較例6で得られた熱可塑性エラストマーアロイ(EPDMとエステル系TPUのアロイ)のペレット断面のSEM写真である。 実施例7で得られた熱可塑性エラストマーアロイ(無水マレイン酸変性EPDMとエステル系TPUのアロイ)のペレット断面のSEM写真である。 熱可塑性樹脂組成物における変性エチレン共重合体の配合比と耐屈曲疲労性との関係を示すグラフである。 実施例4で得られた熱可塑性エラストマーアロイ(無水マレイン酸変性EPDMとエーテル系TPUのアロイ)のペレット断面のAFM写真である。 実施例7で得られた熱可塑性エラストマーアロイ(無水マレイン酸変性EPDMとエステル系TPUのアロイ)のペレット断面のAFM写真である。
[ジョイント用ブーツ]
本発明のジョイント用ブーツは、自動車、産業機械等の駆動シャフトのジョイントに装着して利用することができ、特に自動車の等速ジョイント用ブーツとして好適に利用することができる。
ジョイント用ブーツの蛇腹部において使用時の屈曲及び摩擦が特に顕著であることから、ジョイント用ブーツの少なくとも蛇腹部に前記熱可塑性エラストマーアロイを用いることが好ましい。
また、ジョイント用ブーツに求められる耐摩耗性・耐熱性・耐油性・耐屈曲性などの要求に合わせて、ブーツ本体の全部又は一部が多層構造を有しても良く、前記多層構造のうち少なくとも一層の全部又は一部が前記熱可塑性エラストマーアロイにより形成されていることが好ましい。例えば、耐摩耗性及び製品価格低減の観点から、製品の表層側に、前記熱可塑性エラストマー(A)としてポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)を用いた前記熱可塑性エラストマーアロイを用いることが好ましい。また、製品の内層側には、耐熱性、耐油性の観点から、前記熱可塑性エラストマー(A)としてポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)を用いた前記熱可塑性エラストマーアロイを用いることが好ましい。
[熱可塑性エラストマー(A)]
本発明において、熱可塑性エラストマー(A)としては、公知の熱可塑性エラストマーを使用でき、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。具体的には、共重合、添加、ブレンド、アロイなどの多成分系を単独で用いても複数で用いてもよい。なお、熱可塑性エラストマー(A)には、変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)に該当するものは含まれない。
熱可塑性エラストマー(A)の重量平均分子量は、例えば5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000である。
熱可塑性エラストマー(A)には、ガラス繊維などの補強フィラーなどの添加物が入っていてもよい。また、明確な融点を持たない非晶質系の材料も、熱可塑性樹脂成形機により成形できる場合は含むことができる。化石原料から得られる樹脂や天然系樹脂などでもよい。
熱可塑性エラストマー(A)は、硬質相(ハードセグメント)と軟質相(ソフトセグメント)からなり、常温でゴムとしての性質を示すが、高温で熱可塑性を示すポリマーである。熱可塑性エラストマー(A)を用いることにより、熱可塑性エラストマーアロイの耐摩耗性、機械的強度、成形加工性を向上させることができる。
熱可塑性エラストマー(A)として、例えば、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(A3)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(A4)、フッ素ポリマー系熱可塑性エラストマー(A5)、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(A6)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(A7)、ポリイミド系エラストマー(A8)などが挙げられるが、これらに限定されない。熱可塑性エラストマー(A1)としては、樹脂とエラストマーやオリゴマー成分をブレンドした熱可塑性エラストマーであってもよい。熱可塑性エラストマー(A)も、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせたものでもよい。上記の熱可塑性エラストマー(A)の中でも、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(A3)が好ましく、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)がより好ましく、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)が特に好ましい。
[ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)]
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)としては、公知の熱可塑性ポリウレタン(TPU)を使用できる。熱可塑性ポリウレタンは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。熱可塑性ポリウレタンは、通常、ポリイソシアネートと、長鎖ポリオールと、鎖伸長剤と、必要に応じて他のイソシアネート反応性化合物とを反応させることにより得られる。
前記ポリイソシアネートとしては、分子内に少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限されない。ポリイソシアネートには、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが含まれる。ポリイソシアネートは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、4,4´−ジフェニルプロパンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ω,ω´−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼンを好適に用いることができる。
なお、ポリイソシアネートとして、前記例示の脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネ−ト、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートによる二量体や三量体、反応生成物又は重合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの二量体や三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなど)なども用いることができる。
前記長鎖ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオールなどが挙げられる。長鎖ポリオールの数平均分子量は、通常、500以上であり、好ましくは500〜10000、より好ましくは600〜6000、さらに好ましくは800〜4000である。長鎖ポリオールは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などのポリアルキレンエーテルグリコールの他、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体などのモノマー成分として複数のアルキレンオキシドを含む(アルキレンオキサイド−他のアルキレンオキサイド)共重合体などが挙げられる。ポリエーテルポリオールの中でも、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)が特に好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物などを用いることができる。多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物において、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオールなど)、シクロヘキサンジメタノール類(1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)などを用いることができる。一方、多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、環状エステルの開環重合物において、環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、前記例示のものなどを用いることができる。ポリエステルポリオールの中でも、アジピン酸と多価アルコール(例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜6のアルカンジオールの一種又は二種以上)との縮合重合物であるアジペート系ポリエステルポリオール[例えば、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(プロピレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチレンアジペート)などの、ポリ(C2-6アルキレンアジペート)等]、ε−カプロラクトンを開環重合させて得られるカプロラクトンポリオール、β−メチル−δ−バレロラクトンをエチレングリコール等の多価アルコールを用いて開環重合させて得られるポリエステルポリオールなどが好ましい。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲン、クロロギ酸エステル、ジアルキルカーボネート又はジアリールカーボネートとの反応物;環状炭酸エステル(アルキレンカーボネートなど)の開環重合物などが挙げられる。具体的には、多価アルコールとホスゲンとの反応物において、多価アルコールとしては、前記例示の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等)を用いることができる。また、環状炭酸エステルの開環重合物において、アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネートなどが挙げられる。なお、ポリカーボネートポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。ポリカーボネートポリオールの代表的な例として、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールにラクトンを開環付加重合して得られるジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールとポリエステルジオール又はポリエーテルジオールとの共縮合物などが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールは、オレフィンを重合体又は共重合体の骨格(又は主鎖)の成分とし且つ分子内に(特に末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2つ有するポリオールである。前記オレフィンとしては、末端に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンなど)であってもよく、また末端以外の部位に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、イソブテンなど)であってもよく、さらにはジエン(例えば、ブタジエン、イソプレンなど)であってもよい。ポリオレフィンポリオールの代表的な例として、ブタジエンホモポリマー、イソプレンホモポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、ブタジエン−イソプレンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン−2−エチルヘキシルアクリレートコポリマー、ブタジエン−n−オクタデシルアクリレートコポリマーなどのブタジエン若しくはイソプレン系ポリマーの末端をヒドロキシル基に変性したものが挙げられる。
ポリアクリルポリオールは、(メタ)アクリレートを重合体又は共重合体の骨格(又は主鎖)の成分とし且つ分子内に(特に末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2つ有するポリオールである。(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステルなど]が好適に用いられる。また、ポリオールに関しては、ここに挙げられたもの以外のあらゆる材料を使用することができる。
前記鎖伸長剤としては、熱可塑性ポリウレタンの製造に通常用いられる鎖伸長剤を使用でき、その種類は特に制限されないが、低分子量のポリオール、ポリアミン等を用いることができる。鎖伸長剤の分子量は、通常、500未満であり、好ましくは300以下である。鎖伸長剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
鎖伸長剤の代表的な例として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのポリオール(特に、ジオール);ヘキサメチレンジアミン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4′−メチレンビス−2−クロロアニリンなどのポリアミン(特に、ジアミン)などが挙げられる。これらの中でも、ジオールが特に好ましい。
熱可塑性ポリウレタンとしては、ポリイソシアネート、長鎖ポリオール、鎖伸長剤とを、ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数と、長鎖ポリオール及び鎖伸長剤が有するイソシアネート反応性基(水酸基、アミノ基等)のモル数との比(NCO/イソシアネート反応性基)が、0.9〜1.3、特に0.95〜1.1となる範囲で反応させて得られたものが好ましい。長鎖ポリオールと鎖伸長剤との割合[前者/後者(モル比)]は、熱可塑性ポリウレタンの物性等に応じて、例えば0.1〜10、好ましくは0.2〜2の範囲から適宜選択できる。上記反応には、反応を促進するため、必要に応じて、第3級アミン、有機金属化合物、スズ化合物等の触媒を用いてもよい。
熱可塑性ポリウレタンは、重量平均分子量Mwが、通常5,000〜1,000,000であり、明確な融点を示さないものもあるが、熱可塑性を有しており、押出成形、射出成形、熱プレス成形などの一般的な熱可塑性樹脂用成形機にて成形加工できる。
また、熱可塑性ポリウレタンの硬度は特に限定されないが、前記熱可塑性エラストマーアロイの機械的特性を高くする観点から、JIS K6253(デュロメータタイプA)での硬度60以上(例えば、60〜96)が好ましく、より好ましくは78以上(例えば、78〜96)、さらに好ましくは89以上(例えば、89〜95)、特に好ましくは91以上(例えば、91〜94)である。また、前記熱可塑性エラストマーアロイに適度な柔軟性を持たせ、耐屈曲疲労性を高めるという点からは、熱可塑性ポリウレタンの硬度は、例えば60〜93、特に78〜91(中でも78〜88)の範囲が好ましい。
熱可塑性ポリウレタンとしては、長鎖ポリオールとして、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールを用いたものが好ましい。中でも、長鎖ポリオールとしてアジペート系ポリエステルポリオールを用いたアジペート系TPU、長鎖ポリオールとしてカプロラクトンポリオールを用いたカプロラクトン系TPU、長鎖ポリオールとしてポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)を用いたPTMG系TPUが特に好ましい。
熱可塑性ポリウレタンとしては、市販品を使用できる。市販品として、例えば、硬度80のアジペート系TPU、硬度90のアジペート系TPU、硬度90のカプロラクトン系TPU、硬度92のPTMG系TPU、硬度92のアジペート系TPUなどが挙げられる。
[ポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)]
ポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)としては、公知のポリエステル系熱可塑性エラストマーを使用できる。ポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。ポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)は、エステル化反応、エステル交換反応等の公知の方法により製造できる。
ポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)としては、例えば、芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメントと脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメントを主たる構成単位とするポリエステル系熱可塑性エラストマーが好ましい。
前記芳香族ポリエステル単位は、主として、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(C1-4アルキルエステル、酸ハロゲン化物等)と、ジオール又はそのエステル形成性誘導体(アセチル化物、アルカリ金属塩等)とから形成される単位である。芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウムなどが挙げられる。ジオールの具体例としては、分子量400以下のジオール、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール;1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ジシクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなどの脂環族ジオール;キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニルプロパン、2,2’−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニルなどの芳香族ジオールが挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体、ジオール又はそのエステル形成性誘導体は、それぞれ、2種以上併用してもよい。好ましい芳香族ポリエステル単位には、テレフタル酸及び/又はジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位、テレフタル酸及び/又はジメチルテレフタレートから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位とイソフタル酸及び/又はジメチルイソフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンイソフタレート単位とからなるものなどが含まれる。
前記脂肪族ポリエーテル単位を構成する脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールなどが挙げられる。これらの中でも、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールが好ましい。また、脂肪族ポリエステル単位を構成する脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これらの中でも、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ましい。
脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメントの数平均分子量としては、共重合された状態において、300〜6000が好ましく、500〜4000が特に好ましい。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーにおける芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメントと脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメントとの比率は、特に制限はないが、例えば、前者/後者(重量比)=1/99〜99.5/0.5であり、好ましくは50/50〜99/1である。
[ポリアミド系熱可塑性エラストマー(A3)]
ポリアミド系熱可塑性エラストマー(A3)としては、公知のポリアミド系熱可塑性エラストマーを使用できる。ポリアミド系熱可塑性エラストマー(A3)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリアミド系熱可塑性エラストマー(A3)としては、例えば、ポリアミド単位からなるハードセグメントと脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメントを主たる構成単位とするポリアミド系熱可塑性エラストマーが好ましい。
前記ポリアミド単位を構成するポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などが挙げられる。また、前記脂肪族ポリエーテル単位を構成する脂肪族ポリエーテルとしては、前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーの項で例示した脂肪族ポリエーテルと同様のものが挙げられる。中でも、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールが好ましい。前記脂肪族ポリエステル単位を構成する脂肪族ポリエステルとしては、前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーの項で例示した脂肪族ポリエステルと同様のものが挙げられる。中でも、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ましい。
[他の熱可塑性エラストマー]
ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(A4)、フッ素ポリマー系熱可塑性エラストマー(A5)、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(A6)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(A7)、ポリイミド系エラストマー(A8)としては、それぞれ公知の熱可塑性エラストマーを使用することができる。
熱可塑性エラストマー(A)としては、変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)との密着性の点で、該変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)が有する変性基(例えば、後述するカルボキシル基又はその塩、カルボン酸エステル基、酸無水物基、カルボン酸ハライド基、アミド基、イミド基等)と加熱混合時に反応しうる官能基(又は、親和性を有する官能基)を分子内(例えば、ポリマーの主鎖、末端又は側鎖)に有する樹脂が好ましい。このような樹脂として、ポリマー主鎖の末端にヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基等の官能基を有している熱可塑性エラストマー、例えば、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(A2)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(A3)等が挙げられる。
[変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)]
本発明において、不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)としては、公知の共重合体を使用でき、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)の重量平均分子量は、例えば5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000である。
前記エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の変性に用いる不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸の誘導体としては、不飽和カルボン酸のエステル[例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸エステル等]、酸無水物(無水マレイン酸等)、塩、酸ハライド、アミド、イミドなどが挙げられる。不飽和カルボン酸若しくはその誘導体で変性されたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体は、分子内に、カルボキシル基又はその塩、カルボン酸エステル基、酸無水物基、カルボン酸ハライド基、アミド基、イミド基等を有している。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の変性は、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体と不飽和カルボン酸又はその誘導体とを、グラフト重合開始剤[例えば、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルペルオキシド等の過酸化物系開始剤等]の存在下で加熱、混練することにより行うことができる。また、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の変性は、エチレンと、エチレン性不飽和結合を有するエステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、酢酸ビニル等]等のコモノマーとを共重合させる際、不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸等)をさらに他のコモノマーとして用いることにより行うこともできる。変性は、ランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合のように化学的反応によるものでもよいし、反応中間体のような状態でもよいし、添加、共存、発生などの物理的なものでもよい。
変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)における、不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性率は、不飽和カルボン酸若しくはその誘導体に由来する基を含む構造単位又は前記その他の官能基を含む構造単位の含有率として、例えば、変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体全体に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜8重量%程度である。この含有率が少なすぎると、熱可塑性エラストマー(A)と配合した際の耐摩耗性の改善効果が小さくなりやすい。一方、この含有率が多すぎると、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の本来の共重合体としての特性が低下しやすくなり、共重合体を維持することが難しくなり、特性の調整も困難となる。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の変性は、熱可塑性エラストマーとブレンドする前にエチレン−プロピレン−ジエン共重合体単独に対して行ってもよく、また、変性前のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を熱可塑性エラストマーとブレンドする段階において同時に変性処理してもよい。また、未反応のカルボン酸又はその誘導体を除去してもよいし、残存したまま使用してもよい。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)は、エチレンとプロピレンと非共役ジエンとの共重合体である。ジエンとしては、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。本発明で用いられる変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)は、このEPDMを、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体(エステル、酸無水物、塩、酸ハライド、アミド、イミド等)で変性することにより得られる。不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、上記と同様、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸エステル、無水マレイン酸などが挙げられ、それらのエステル塩、金属塩等の構造でもよい。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が好ましく、特に、無水マレイン酸が好ましい。
EPDMの変性は、例えば、EPDMと不飽和カルボン酸又はその誘導体とを、グラフト重合開始剤[例えば、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルペルオキシド等の過酸化物系開始剤等]の存在下で加熱、混練することにより行うことができる。原料として用いるEPDMにおけるエチレンとプロピレンの比率は、エラストマーとしての特性等の観点から、例えば、前者/後者(重量比)=10/90〜95/5、好ましくは50/50〜85/15程度である。また、EPDMにおけるジエン成分由来の構成単位の含有率は、例えば、EPDM全体の0.1〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは2〜10重量%程度である。
変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(B1)における不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性率は、不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する構造単位の含有率として、例えば、変性EPDM全体に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜8重量%程度である。この含有率が少なすぎると、熱可塑性エラストマー(A)[例えば、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)]と配合した際の耐摩耗性、耐屈曲疲労性の改善効果が小さくなりやすい。一方、この含有率が多すぎると、エラストマーとしての機能が低下しやすくなる。
EPDMの変性は、TPUとブレンドする前にEPDM単独に対して行ってもよく、また、変性前のEPDMをTPUとブレンドする段階において同時に変性処理してもよい。また、未反応のカルボン酸又はその誘導体を除去してもよいし、残存したまま使用してもよい。
変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)のメルトフローレート(ASTM D1238 280℃/2.16kg)は、例えば、5〜80g/10min、好ましくは10〜40g/10minである。
変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)としては、市販品を使用することもできる。市販品として、例えば、商品名「フサボンド N416」(無水マレイン酸変性EPDM、デュポン社製)などが挙げられる。
また、樹脂組成物としては分散体となる変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(B1)は、架橋していてもよいし、未架橋であってもよい。例えば、熱可塑性を保ったまま架橋する動的架橋手法も用いることができる。
変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)は、これまでは架橋して工業用ゴム製品として利用することが多く、他の樹脂の改質剤としてはあまり用いられていなかったが、本発明により、熱可塑性エラストマーに分散含有させることで、熱可塑性エラストマーの特性を著しく改質できることが明らかとなった。
[熱可塑性エラストマーアロイ]
本発明における熱可塑性エラストマーアロイは、前記のように、前記熱可塑性エラストマー(A)と、不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)とを含有する熱可塑性エラストマーアロイである。
本発明において、前記(B)と(A)の重量割合[(B)/(A)]は、成分(A)及び(B)の種類によっても異なるが、一般に、0.1/99.9〜60/40の範囲である。この割合(比率)の下限は、好ましくは1/99、より好ましくは3/97、特に好ましくは7.5/92.5であり、上限は、好ましくは55/45、より好ましくは50/50、さらに好ましくは30/70、特に好ましくは25/75(とりわけ22/78)である。より具体的には、前記(B)と(A)の重量割合[(B)/(A)]は、好ましくは0.1/99.9〜30/70、より好ましくは1/99〜25/75、さらに好ましくは3/97〜22/78(特に、7.5/92.5〜22/78)である。この割合が小さすぎると、耐摩耗性、耐屈曲疲労性の耐久性改善効果が小さくなる。一方、この割合が大きすぎると、熱可塑性エラストマー本来の特性(機械的強度等)が低下しやすくなる。
なお、本発明者等は、前記熱可塑性エラストマー(A)に前記変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)を分散含有させた樹脂組成物においては、該樹脂組成物の成形品の耐屈曲疲労性などの耐久性が、各材料単体から期待される値よりも向上することを見出した。すなわち、熱可塑性エラストマー(A)と変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)とをブレンドした場合に加成性が成り立つとして計算される値よりも、実際に得られる耐屈曲疲労性は高くなり、相乗効果が得られることを見出した。例えば、図5[後述の実施例、比較例のデータをもとに、変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)(MAH−EPDM)の配合比(重量%)と耐屈曲疲労性との関係を示したグラフである]において、MAH−EPDMの配合比が0重量%と100重量%の場合での屈曲回数値を直線で結んだ線(図5の点線)が、加成性が成り立つとされる各配合比での屈曲回数の値を示している。これに対して樹脂組成物の結果(図5の実線)は、点線よりもはるかに多い屈曲回数結果であり、この結果を相乗効果であるとしている。この相乗効果は、熱可塑性エラストマー(A)の中でも、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(A1)を用いた場合に特に顕著である。
前記熱可塑性エラストマーアロイは、上記の成分(A)、(B)のほか、必要に応じて添加剤を配合できる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、安定剤、離型剤、界面活性剤、帯電防止剤、導電材、着色剤(顔料、染料)、難燃剤、発泡剤、滑剤、潤滑剤、充填剤、架橋剤、溶剤、展開液、増量剤、ワックス、オイル、グリース、加工助剤、加工剤、補強材、フィラー、ブロッキング防止剤、老化防止剤等が挙げられる。
前記熱可塑性エラストマーアロイは、上記の成分(A)、(B)のほか、必要に応じて補強成分を組み合わせることができる。補強成分としては、例えば、繊維、粉末、クロス、基材、長繊維、短繊維、ガラスクロス、布、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト、カーボンブラック、シリカ、発泡体、ビーズ、無機フィラー、放熱フィラー、導電フィラー、セラミックス、ファインセラミックス、炭素繊維等が挙げられる。
前記熱可塑性エラストマーアロイにおいて、熱可塑性エラストマー(A)と変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)との総含有量は、例えば、前記熱可塑性エラストマーアロイ全体に対して60重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
前記熱可塑性エラストマーアロイ中における前記変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)の平均分散粒子アスペクト比(=長径/短径)は、好ましくは1〜3.5であり、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。平均分散アスペクト比が1に近いということは、実際の熱可塑性エラストマーアロイでは分散する前記(B)の分散形状が真球に近いということを意味する。ここで、平均分散アスペクト比は、熱可塑性樹脂エラストマーアロイの任意の場所での材料の分散状態を、公知の手段(SEM、TEM、AFMなど)で観察した場合に、平面化される可視域での島相(分散相)の長径/短径より算出される。また、前記熱可塑性エラストマーアロイ中における前記変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)の平均分散粒子径は、好ましくは3μm以下であり、より好ましくは1μm以下である。平均分散粒子アスペクト比は1に近いほど、すなわち真球に近いほど好ましい。また、平均分散粒子径は小さいほど好ましい。平均分散粒子アスペクト比が上記範囲にあると、異方性の度合いが極めて小さく方向性を持たないため、どの方向からの応力に対しても高い剛性を示す。その結果、分散粒子が補強フィラーとしてどの方向に対しても効果を発揮する。
なお、前記平均分散粒子アスペクト比及び平均分散粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)さらに原子間力顕微鏡(AFM)などにより測定することができる。
前記熱可塑性エラストマーアロイの硬度は特に限定されないが、JIS K6253(デュロメータタイプA)での硬度60以上(例えば、60〜95)が好ましく、より好ましくは78以上(例えば、78〜95)、さらに好ましくは89以上(例えば、89〜95)、特に好ましくは91以上(例えば、91〜95)である。また、適度な柔軟性を有し、耐屈曲疲労性を高めるという点からは、前記熱可塑性エラストマーアロイの硬度は、例えば60〜93、特に77〜91(中でも77〜88)の範囲が好ましい。熱可塑性エラストマーアロイの硬度は、前記熱可塑性エラストマー(A)の硬度、前記変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)と熱可塑性エラストマー(A)の重量割合、添加剤の種類及び量などにより調整できる。
また、前記熱可塑性エラストマーアロイの破断強度(JIS K7311)は連続相(海成分)となる樹脂に強く依存するが、例えば、25〜100MPa、好ましくは30〜80MPa、さらに好ましくは35〜75MPaであり、破断伸び(JIS K7311)は、例えば、300〜1000%)、好ましくは350〜800%、さらに好ましくは400〜700%である。
前記熱可塑性エラストマーアロイは、上記の熱可塑性エラストマー(A)、前記変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)、及び必要に応じて用いられる前記添加剤を、通常のポリマーアロイ或いはポリマーブレンドを調製する場合と同様の方法で混合することにより製造できる。例えば、熱可塑性エラストマー(A)、変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)、及び必要に応じて用いられる添加剤を所定の割合で予備混合した後、単軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、バッチ式混練機、反応機、反応成形機、射出成形機などを用いて、加熱下、加圧下や溶媒存在下などで混練することにより製造できる。押出機を用いて加熱混練を行う場合には、ストランド状に押し出し、適当な長さに切断してペレットなどの粒状物としてもよい。また、前記方法のほか、熱可塑性エラストマー(A)の製造中に、変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)及び/又は添加剤を入れ、混合することで、前記熱可塑性エラストマーアロイを得ることもできる。
前記熱可塑性エラストマーアロイ中における前記変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)の平均分散粒子アスペクト比及び平均分散粒子径は、熱可塑性エラストマー(A)及び変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)の種類や架橋度合い、熱可塑性エラストマー(A)と変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)の粘度比及び体積比、並びに、熱可塑性エラストマー(A)と変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)を含む混合物を混練する際に加える剪断力の大きさ等により調整できる。より詳しくは、熱可塑性エラストマー(A)および変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)が例えば共に流動可能になる温度および剪断速度において、熱可塑性エラストマー(A)及び変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)のそれぞれの量(体積%)やせん断粘度そして成形方法等を調整することで、その組成物における分散状態を制御することができる。基本的には完全に相溶しないブレンド系では、一方の体積%が他方より高い場合もしくは一方のせん断粘度が他方よりも低い場合に海島構造をとり、体積%の高い、及び/又はせん断粘度の低い方が海側(連続相)を形成する。そして、それぞれの体積%やせん断粘度が近接した場合に、両方が微小な連続相となる構造が得られる。一方、混練中に成分が反応するなど海成分のせん断粘度が島成分のせん断粘度より高くなる場合に、混練中に海島構造が逆転するような場合があり、その相転換途中にも非常に複雑な構造であるが両連続相は現れる。ここでいう反応は一方成分の架橋(硬化)であったり、エステル交換や加水分解などの他方成分の分子量低下現象による粘度減少であってもよい。そして両連続相の時は、平均分散粒子アスペクト比は大きくなるが、最も両成分に剪断力を伝えることができるため、このプロセスを経て混練すると微小分散を得ることができる。そして、海島構造において、島側の形状は両成分のせん断粘度が近接するよりも、むしろ島側に比べて相対的に低いせん断粘度の海側樹脂中で、強く、早く島側樹脂を混練した場合に球状に近い形状が得られることになる。例えば、前述の樹脂混練装置を用い、材料等に合わせた適当な時間(例えば、30秒〜15分)、適宜な剪断力をもって混練することにより、前記変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)の平均分散粒子アスペクト比及び平均分散粒子径を前記範囲とすることができる。さらにこれらの分散状態を崩さないように、なるべく急冷に近く常温に戻してやる。これにより所望の分散状態を固定化した熱可塑性エラストマーアロイが得られることになる。以上のように、球状分散と微分散の両立は難しい。しかし、前記熱可塑性エラストマーアロイの成分の粘度、量、種類、混練方法や成形条件を設計することにより、その両立を達成して、より耐久性に優れる熱可塑性エラストマーアロイを得ることができる。
前記熱可塑性エラストマーアロイの成形では、あらかじめ熱可塑性エラストマーアロイを作製してから成形を行ってもよいし、成形を行うのと同時に前記熱可塑性エラストマーアロイを製造する(例えば、サイドフィード方式、ドライブレンド方式など)ことも可能である。サイドフィーダ方式とは、ポリマーブレンドにおいてブレンドする互いの溶融状態を調整するために、例えば二成分を別のフィーダから押出機に投入する方法である。またドライブレンド方式とは、ブレンドに供する樹脂材料などをペレットなどの形態であらかじめ混ぜて、その状態で成形加工機(押出機、射出成形機などの樹脂成形機)に投入するものである。そして前記熱可塑性エラストマーアロイは、組成物作製時に熱可塑性を保っていればよく、作製後は熱可塑性を有していても、無くしていてもよい。例えば架橋剤を添加することで、最終製品が熱可塑性のない樹脂組成物になっている場合もある。
[ジョイント用ブーツの製造]
本発明のジョイント用ブーツの製造方法については、特に制限されず、ブロー成形、射出成形、押出成形、カレンダー成形、注型、塗工、シーティング、ラミネート等の任意の成形法を利用して製造することができるが、ブロー成形を利用することが好ましい。より具体的には、ブロー成形として、多層ブロー成形、ダイレクトブロー成形、インジェクションブロー成形、延伸ブロー成形、異形ブロー成形等が挙げられる。中でも、多層構造を有するジョイント用ブーツを容易に製造できるという観点から、複数の押出機から異なる樹脂材料を押し出して一つのパリソンを積層して形成する多層ブロー成形で成形することが好ましい。さらに、製品外周に発生するロス材(総バリ)を無くし、バリ仕上げ工程も不要となるという観点から、3次元多層ブロー成形が特に好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、熱可塑性エラストマーアロイ中の分散粒子の平均分散粒子アスペクト比及び平均分散粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、原子間力顕微鏡(AFM)により測定した。
実施例等で用いた材料を下記に示す。
<熱可塑性エラストマー(A)>
(1)TPU−1:A硬度90のアジペート系TPU(熱可塑性ポリウレタン)
(2)TPU−2:A硬度90のカプロラクトン系TPU(熱可塑性ポリウレタン)
(3)TPU−3:A硬度92のPTMG系TPU(熱可塑性ポリウレタン)
(4)TPU−4:A硬度92のアジペート系TPU(熱可塑性ポリウレタン)
(5)TPU−5:A硬度80のアジペート系TPU(熱可塑性ポリウレタン)
(6)TPEE−1:商品名「ハイトレル 4777」(熱可塑性ポリエステルエラストマー、東レ・デュポン社製、D硬度47である。)
(7)TPEE−2:商品名「ハイトレル 8341」(熱可塑性ポリエステルエラストマー、東レ・デュポン社製、D硬度39である。)
(8)TPAE:商品名「UBESTA XPA 9040X1」(熱可塑性ポリアミドエラストマー、宇部興産製)
(9)POM:商品名「ジュラコン M90−44」(ポリアセタール樹脂、ポリプラスチックス社製)
(10)PEN:商品名「テオネックス TN8065S」(ポリエチレンナフタレート樹脂、帝人化成社製)
<変性エチレン共重合体(B)>
(1)MAH−EPDM:商品名「フサボンド N416」(無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、デュポン社製)
(2)X−EA:商品名「ベイマック」(酸変性エチレンアクリルエラストマー、デュポン社製)
(3)MAH−EPM:商品名「タフマー MP0610」(無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合ゴム、三井化学社製)
<エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム>
EPDM:商品名「EP21」(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、JSR社製)
実施例1
TPU−1 100重量部と、MAH−EPDM 10重量部とを、二軸押出機(テクノベル社製、商品名「KZW20TW−30」)を用いて混練した。押出機はバレル温度200℃(但し、フィーダー部160℃)に設定し、スクリュー回転数を300rpmとして、前記樹脂を溶融混練し、ペレタイザーを通してペレットを作製した。得られたペレットを射出成形機(日精樹脂工業社製、商品名「NEX110−18E」)を用いて射出成形し、試験片[100mm×100mm×厚み2mm(摩耗試験用)、120mm×10mm×厚み4mm(デマチャ屈曲試験用)]を作製した。
比較例1
原料樹脂を、TPU−1 100重量部のみとした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
実施例2
原料樹脂を、TPU−2 100重量部と、MAH−EPDM 10重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
比較例2
原料樹脂を、TPU−2 100重量部のみとした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
実施例3
原料樹脂を、TPU−3 100重量部と、MAH−EPDM 5重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。得られた熱可塑性エラストマーアロイにおけるMAH−EPDM粒子の平均分散粒子アスペクト比は1.23、平均分散粒子径は0.35μmであった。
実施例4
原料樹脂を、TPU−3 100重量部と、MAH−EPDM 10重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。得られた熱可塑性エラストマーアロイにおけるMAH−EPDM粒子の平均分散粒子アスペクト比は1.11、平均分散粒子径は0.42μmであった。
実施例5
原料樹脂を、TPU−3 100重量部と、MAH−EPDM 20重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。得られた熱可塑性エラストマーアロイにおけるMAH−EPDM粒子の平均分散粒子アスペクト比は1.08、平均分散粒子径は0.52μmであった。
比較例3
原料樹脂を、TPU−3 100重量部のみとした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
比較例4
原料樹脂を、TPU−3 100重量部と、EPDM 10重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。得られた熱可塑性エラストマーアロイにおけるEPDM粒子の平均分散粒子アスペクト比は1.1、平均分散粒子径は5.8μmであった。
実施例6
原料樹脂を、TPU−4 100重量部と、MAH−EPDM 5重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。得られた熱可塑性エラストマーアロイにおけるMAH−EPDM粒子の平均分散粒子アスペクト比は1、平均分散粒子径は0.62μmであった。
実施例7
原料樹脂を、TPU−4 100重量部と、MAH−EPDM 10重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。得られた熱可塑性エラストマーアロイにおけるMAH−EPDM粒子の平均分散粒子アスペクト比は1.08、平均分散粒子径は0.52μmであった。
実施例8
原料樹脂を、TPU−4 100重量部と、MAH−EPDM 20重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。得られた熱可塑性エラストマーアロイにおけるMAH−EPDM粒子の平均分散粒子アスペクト比は1.85、平均分散粒子径は0.77μmであった。
実施例9
原料樹脂を、TPU−5 100重量部と、MAH−EPDM 10重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
比較例5
原料樹脂を、TPU−4 100重量部のみとした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
比較例6
原料樹脂を、TPU−4 100重量部と、EPDM 10重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。得られた熱可塑性エラストマーアロイにおけるEPDM粒子の平均分散粒子アスペクト比は1.1、平均分散粒子径は3.2μmであった。
評価試験A
<テーバー(Taber)摩耗試験>
JIS K7311に準じ、テーバー摩耗試験機を使用して、100mm×100mm×厚み2mmの試験片について、摩耗輪H−22、荷重9.8Nにて1000回の回転後の摩耗量(mg)を測定した。結果を表1に示す。
<屈曲疲労試験(屈曲亀裂成長試験)>
JIS K6260に準じてデマチャ屈曲試験を実施した。120mm×10mm×厚み4mmの短冊状の試験片に対して、長辺の中間部分(長手方向の端から60mmの位置)に、幅方向のほぼ全長に亘って深さ0.5mmの切り欠き(切れ込み)を入れたものを試験に供した。つかみ具間の最大距離80mm、つかみ具間の運動距離70mm、屈曲速度97回/minの条件で試験を行い、試験片の切り欠きからの亀裂の深さが3.5mmに達するまでの屈曲回数(屈曲疲労回数)を測定した。結果を表1に示す。
<硬度>
JIS K6253(デュロメータタイプA)に準じて硬度を測定した。ペレットを射出成形機(日精樹脂工業社製、商品名「NEX110−18E」)を用いて射出成形し、試験片100mm×100mm×厚み2mmを作製し、それを三枚重ねた6mmの厚さの試験片を用いて硬度の測定を実施した。結果を表1に示す。
<引張試験>
JIS K7311に準じて引張試験を実施し、破断強度(MPa)及び破断伸び(%)等を求めた。結果を表1に示す。なお、引張試験用試験片は、摩耗試験用試験片を打ち抜いて作製した。
<分散状態確認試験(SEM観察及びAFM観察)>
二軸押出機で得られたペレットの断面を凍結ミクロトームで切り出し、走査型電子顕微鏡(株式会社日立テクノロジー社製、商品名「S−4300」)を用いて、2000倍で前記断面を観察した。比較例4で得られたペレットの断面のSEM写真を図1に、実施例4で得られたペレットの断面のSEM写真を図2に、比較例6で得られたペレットの断面のSEM写真を図3に、実施例7で得られたペレットの断面のSEM写真を図4に示す。また、上記ペレットの断面を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した。実施例4で得られたペレットの断面のAFM写真を図6に、実施例7で得られたペレットの断面のAFM写真を図7に示す。
上記実施例で得られた熱可塑性エラストマーアロイの成形品断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、熱可塑性ポリウレタンからなるマトリックス中に、変性エチレン共重合体(変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)が高度に微分散していることが分かる(図2、図4参照)。例えば、2000倍のSEM写真によれば、変性EPDMとエーテル系TPUからなる熱可塑性エラストマーアロイでは、凹凸はかすかに見られるものの、粒子形状は確認できず、変性EPDMとエステル系TPUからなる熱可塑性エラストマーアロイでは、凹凸もほとんど観察されない。一方、変性EPDMの代わりに無変性のEPDMを用いた場合には、EPDMの粒子がはっきりと確認でき、特に、EPDMとエステル系TPUからなる熱可塑性エラストマーアロイでは、EPDMの球状の粒子がエステル系TPUのマトリックス中に分散しているのが明確に観察される。その際に観察される粒子の平均粒子径は3μmを超える値となっている。変性EPDMとTPU(特に、エステル系TPU)からなる熱可塑性エラストマーアロイにおいて分散性が著しく向上するのは、変性EPDMにおける変性部位の極性がTPUの極性部位と親和性を有するためと推測される。
さらに、上記実施例で得られた熱可塑性エラストマーアロイの成形品断面を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察すると、SEMでは観察されなかったマトリックス(熱可塑性ポリウレタン)中の変性EPDMの粒子が観察され、高度に微分散していることが分かる(図6、図7参照)。これらのAFM写真によれば、変性EPDMとエーテル系TPUからなる熱可塑性エラストマーアロイや変性EPDMとエステル系TPUからなる熱可塑性エラストマーアロイのいずれも平均分散粒子径が1μm以下で分散していることが分かる。これらの結果と前述のSEM写真での結果を合わせると、変性部位によるマトリックスとの親和性が分散に及ぼす効果は明確である。
表1に示す評価結果から、本発明において用いる熱可塑性エラストマーアロイから形成された成形品は、熱可塑性エラストマー(熱可塑性ポリウレタン)のみから形成された成形品、熱可塑性エラストマー(熱可塑性ポリウレタン)と無変性のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムからなる熱可塑性エラストマーアロイから形成された成形品と比較して、テーバー摩耗量だけでなく、耐屈曲疲労性に著しく優れることが分かる。変性のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムを添加した場合、熱可塑ポリウレタンの材料特性を損なわず、耐摩耗性と屈曲疲労性を改善できている。無変性のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムを添加した場合でも屈曲疲労性の改善効果がある程度見られることがあるが、耐摩耗性と屈曲疲労性を共に大幅に改善できるのは変性のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムにてアロイ化した場合である。また、分散状態確認試験の結果から、分散状態は、エステル系TPU−EPDM<エーテル系TPU−EPDM<エーテル系TPU−無水マレイン酸変性EPDM<エステル系TPU−無水マレイン酸変性EPDMの順に良好になっていることが分かる。さらに、AFM写真によれば、変性EPDMとエーテル系TPUからなる熱可塑性エラストマーアロイや変性EPDMとエステル系TPUからなる熱可塑性エラストマーアロイのいずれも平均分散粒子径が1μm以下で分散していることが分かる。
テーバー摩耗及び屈曲回数における著しい改善が見られた理由は、エネルギー吸収効果を有する変性エチレン共重合体成分の微分散化によるクラック伸長の遅延効果により、TPUの凝着摩耗と呼ばれるシビアな摩耗進行からマイルドな進行へと状態変化したことなどが考えられる。これは、TPU中に変性エチレン共重合体成分(エラストマー成分)がミクロ相分離構造の様に球状に近く且つ微分散する組合せとして得られたためである。通常、相溶化やせん断粘度を考慮せずに単にブレンドした状態では、島(分散体)の形状がいびつであったり、機械的に粉砕した様な形状であることが多く、島層(分散相)と海層(連続相)の間の接着力が弱く、成形物に応力がかかると界面で剥離を生じ易くなり、また島形状からもクラック発生に対する耐性に乏しくなる。これらが原因となり耐久性に劣ることがある。しかし、前記熱可塑性エラストマーアロイでは、島層(分散相)と海層(連続相)の接着面積の増大化と接着力を高めることにより、島層(分散相)の微分散化と真球に近い形状での分散形態が得られ、繰返し荷重、応力、変形などがかかる運動条件下での耐久性を著しく向上することができている。このような特性を発現させ、効果を確認した者は今まで無く、本発明者らが鋭意工夫することにより見出したものである。
実施例10
原料樹脂を、TPU−4 100重量部と、MAH−EPDM 150重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
比較例A
原料樹脂を、MAH−EPDM 100重量部のみとした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
実施例11(ポリエステル系熱可塑性エラストマーを用いた例)
原料樹脂を、TPEE−1 100重量部と、MAH−EPM 10重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
比較例7
原料樹脂を、TPEE−1 100重量部のみとした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
比較例B
原料樹脂を、TPEE−2 100重量部のみとした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
実施例12(ポリアミド系熱可塑性エラストマーを用いた例)
原料樹脂を、TPAE 100重量部と、MAH−EPDM 10重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
比較例8
原料樹脂を、TPAE 100重量部のみとした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット及び試験片を作製した。
上記実施例10〜12、比較例A、比較例7〜8で得られた試験片を用い、上記の評価試験を行った。なお、実施例11、比較例7においては、硬度は、JIS K6253(デュロメータタイプD)に準拠して測定された値である。結果を表2に示す。
表2のように、MAH−EPDMをブレンドすることにより、耐屈曲性及び耐摩耗性の何れも向上することが示された。特に、実施例11、比較例7、及び比較例Bを比較することにより、通常の熱可塑性エラストマー(TPEE−1)を用いた場合であっても、MAH−EPDMをブレンドすることにより、CVJブーツ用グレードの熱可塑性エラストマー(TPEE−2)を上回る耐摩耗性を発揮できることが示された。
上記で得られた比較例5(MAH−EPDM:0重量%)、実施例7(MAH−EPDM:9重量%)、実施例8(MAH−EPDM:17重量%)、実施例10(MAH−EPDM:60重量%)、比較例A(MAH−EPDM:100重量%)の各評価結果(屈曲回数)を用いて、熱可塑性エラストマーアロイにおける変性エチレン共重合体(MAH−EPDM)の配合比(重量%)と耐屈曲疲労性との関係をグラフ(片対数グラフ)に表した(図5参照)。図5において、横軸はMAH−EPDMの配合比(重量%)、縦軸は屈曲回数である。図5の(a)は、比較例5と比較例Aのデータをプロットし、この2点を直線(破線)で結んだグラフである。図5の(b)は、比較例5、実施例7、実施例8、実施例10、比較例Aのデータをプロットし、各点を直線(実線)で結んだグラフである。図5の(c)は、図5の(a)と(b)とを重ね合わせたグラフである。
図5に示されるように、熱可塑性エラストマー(A)に前記変性エチレン共重合体(B)を分散含有させたエラストマーアロイにおいては、該エラストマーアロイの成形品の耐屈曲疲労性は、各材料単体から期待される値よりも向上し、相乗効果が得られる。
[ジョイント用ブーツの製造]
実施例13
原料樹脂を、TPEE−1 100重量部と、MAH−EPDM 20重量部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレットを作製し、前記ペレット(熱可塑性樹脂組成物)を用いてジョイント用ブーツを製造した。すなわち、前記ペレットが単層構造を形成するように、これらのペレットをブロー成形機を用いて、ジョイント用ブーツを成形した。
実施例14
原料樹脂を、TPU−1 100重量部と、MAH−EPDM 10重量部とした以外は実施例13と同様の操作を行い、ジョイント用ブーツを成形した。
実施例15
実施例13及び14のペレットを用いて2層構造のジョイント用ブーツを製造した。すなわち、実施例14のペレットが表層、実施例13のペレットが内層の2層構造となるように、これらのペレットを3次元多層ブロー成形機を用いて、ジョイント用ブーツを成形した。
本発明のジョイント用ブーツは、製品寿命が長く、製品価格を低廉にすることも可能なので、自動車、産業機械等の駆動シャフトのジョイント用ブーツ、特に自動車の等速ジョイント用ブーツとして好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. ブーツ本体の全部又は一部が、熱可塑性エラストマー(A)と、不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)とを含有する熱可塑性エラストマーアロイにより形成されていることを特徴とするジョイント用ブーツ。
  2. 前記熱可塑性エラストマー(A)が、ポリエステルエラストマーまたはポリウレタンエラストマーである請求項1記載のジョイント用ブーツ。
  3. 前記不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)と、熱可塑性エラストマー(A)との重量割合[(B)/(A)]が、0.1/99.9〜30/70である請求項1又は2記載のジョイント用ブーツ。
  4. 前記不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂(B)が、無水マレイン酸で変性されたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体である請求項1〜3の何れか1項に記載のジョイント用ブーツ。
  5. ブーツ本体の全部又は一部が多層構造を有しており、前記多層構造のうち少なくとも一層の全部又は一部が前記熱可塑性エラストマーアロイにより形成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のジョイント用ブーツ。
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